説明

自動券売機

【課題】顧客に良質なサービスを提供すると共に、販売側のイメージを良くする効果を顧客に与えることができる自動券売機を提供する。
【解決手段】この自動券売機1は、顧客が購入を希望する特定アイテムを選択するタッチパネル(アイテム選択手段)2と、タッチパネル2により選択されたアイテムに相当する金銭の決済を行なう金銭処理部14と、顧客がタッチパネル2を用いて選択した特定アイテムに係る券を発行する券印刷部(券発行手段)11と、タッチパネル2により選択された複数のアイテムの組み合わせに基づいて該当するセットメニューを報知し且つ各部を制御する制御部(制御手段)12と、制御部12によりセットメニューが判定されると、この判定結果を音声により報知する音声報知部13を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動券売機に関し、さらに詳しくは、複数のアイテムを連続的に選択可能な自動券売機において、選択された特定アイテムの組み合わせが、セットメニューに該当する否かを自動的に判断して、その旨を顧客に報知する自動券売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、役所、企業、電鉄の駅構内、アミューズメント施設等に設けられる食堂、レストラン等においては、人件費の抑制、発券の効率化等のために、入場者に対して予め自動券売機により発券を行なうシステムを採用することが多い。特に、食堂、レストラン等では、複数のアイテム(品目)を連続的に選択可能なタイプの自動券売機が多く設置されている。また、調理の効率化と顧客へのサービスを目的に複数のアイテムを組み合わせて、単品で購入するよりも合計金額を安く設定したセットメニューが設けられている場合もある。この場合、顧客がセットメニューの存在に気づかずに単品で複数のアイテムの食券を購入した後で、セットメニューに該当していたことに気づくことがあるが、自動券売機を用いた食券の買い直しができないため、あきらめるか、或いは従業員に申し出て精算してもらうという煩雑な手続が必要であった。しかし、このような手続が繁忙時に発生すると従業員にとって手間が掛かるばかりでなく、他の顧客に対して迷惑をかけるといった問題がある。
また、特許文献1には、単品メニューとセットメニューの注文を受けるためのPOSシステムについて開示されている。即ち、顧客の要望を聞いて単品メニューあるいは予め指定されたセットメニューを容易にPOS端末に入力することができる。もし、予め指定されたメニューの組み合わせでない場合は、エラーとなり単品扱いとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−132440公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、セットメニューにするか単品にするかを決定するのは顧客であり、顧客がセットメニューとして注文しなければ自動的に単品として注文したことになってしまう。そのことをPOS端末を操作する店員が気づいて顧客に伝えることにより、店舗のイメージを良くすることができるが、全ての店員が気づくとは限らないため、確実性がないという問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数のアイテムを連続的に選択可能な自動券売機であって、選択された特定アイテム情報の組み合わせが、セットメニューと同一か、或いはセットメニューに近似したアイテムの組み合わせであると判定されると、自動的に該当するセットメニューを顧客に報知して購買を促進することにより、顧客に良質なサービスを提供すると共に、販売側のイメージを良くする効果を顧客に与えることができる自動券売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、利用者にアイテム情報を提示するための表示手段、及び該表示手段により表示されたアイテム情報中から任意のアイテムを任意の個数選択するための入力手段を有するアイテム選択手段と、該アイテム選択手段により選択されたアイテムに相当する金銭の決済を行なう金銭処理部と、前記顧客が前記アイテム選択手段を用いて選択した特定アイテムに係る券を発行する券発行手段と、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに該当するか否かを判定し且つ前記各手段を制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、前記制御手段は、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、該セットメニューを前記表示手段に表示することを特徴とする。
例えば、食堂やレストラン等に設置されている自動券売機では、調理の効率化と顧客へのサービスを目的に複数のアイテムを組み合わせて、単品で購入するよりも合計金額を安く設定したセットメニューが設けられている場合がある。しかし、セットメニューが設定されているのを知らずに、単品で複数のアイテムを購入した後にそれに気づく場合がある。そこで本発明では、複数のアイテムを連続的に選択可能な自動券売機において、アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、該セットメニューを表示手段に表示する。これにより、アイテムを選択している過程で、セットメニューであることが明確に確認することができる。
【0006】
請求項2は、前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、該判定結果を音声により報知する音声報知部を備えたことを特徴とする。
セットメニューであることが表示手段に表示されても、それに気が付かない場合がある。そこで本発明では、表示以外に音により利用者に報知する。これにより、セットメニューの見逃しを防止することができる。
請求項3は、前記アイテム選択手段は、タッチパネル式ディスプレイ、又はプッシュスイッチにより構成されていることを特徴とする。
自動券売機を設置する場合、販売するアイテムの数や設置場所によりタッチパネル式ディスプレイタイプにするか、又はプッシュスイッチタイプにするかを選択する。即ち、アイテムの数が少ない店舗ではプッシュスイッチタイプの券売機で十分であり、反対にアイテム数が多く、メニューの変更が頻繁に行われる店舗にはタッチパネル式ディスプレイタイプを使った券売機が向いている。本発明では両者のタイプに対応できるように構成されている。これにより、券売機のタイプに関わらずセットメニューであることを報知することができる。
【0007】
請求項4は、前記アイテム選択手段が前記プッシュスイッチの場合、前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、該判定結果に係るプッシュスイッチの表示部を点滅させることを特徴とする。
プッシュスイッチの場合、半透明の表面にアイテム名を刻印しておき、スイッチが押下されて有効になると内部からアイテム名を照明する構成となっている。従って、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係るプッシュスイッチの表示部を点滅させる。これにより、セットメニューであることが明確に認識することができる。
請求項5は、前記アイテム選択手段が前記タッチパネル式ディスプレイの場合、前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、該判定結果に係る差し込み画面、又は/及び、ポップアップ画面を該タッチパネル式ディスプレイの表示部に表示することを特徴とする。
タッチパネル式ディスプレイの場合、表示部は液晶等のドットパターンで構成されているので、文字ばかりでなく画像等も表示することが可能である。また、セットメニューを画像で表示できれば更に宣伝効果を高めることができる。そこで本発明では、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係る差し込み画面、又は/及び、ポップアップ画面をタッチパネル式ディスプレイの表示部に表示する。これにより、セットメニューの実際の画像を事前に確認することができる。
【0008】
請求項6は、前記制御手段は、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似しているか否かを判定して、該判定結果を前記表示手段に表示、又は/及び、前記音声報知部に報知した後に、該判定結果に係るセットメニューが選択された場合は、前記複数のアイテムを無効とすると共に、該アイテムの表示を消去することを特徴とする。
セットメニューであることを判定されると、その結果を表示したり音声で報知する。その結果、利用者がセットメニューのボタンを選択すると、アイテムの組み合わせは不要となる。そこで本発明では、判定結果を表示手段に表示、又は/及び、音声報知部に報知した後に、この判定結果に係るセットメニューが選択された場合は、複数のアイテムを無効とすると共に、このアイテムの表示を消去する。これにより、セットメニューが選択されたことを明確にすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のアイテムを連続的に選択可能な自動券売機において、アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、このセットメニューを表示手段に表示するので、アイテムを選択している過程で、セットメニューであることが明確に確認できる。
また、表示以外に音により利用者に報知するので、セットメニューの見逃しを防止することができる。
また、タッチパネル式ディスプレイタイプ、又はプッシュスイッチタイプに対応できるように構成されているので、券売機のタイプに関わらずセットメニューであることを報知することができる。
また、プッシュスイッチタイプの場合、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係るプッシュスイッチの表示部を点滅させるので、セットメニューであることが明確に認識することができる。
また、タッチパネル式ディスプレイタイプの場合、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係る差し込み画面、又は/及び、ポップアップ画面をタッチパネル式ディスプレイの表示部に表示するので、セットメニューの実際の画像を事前に確認することができる。
また、判定結果を表示手段に表示、又は/及び、音声報知部に報知した後に、この判定結果に係るセットメニューが選択された場合は、複数のアイテムを無効とすると共に、このアイテムの表示を消去するので、セットメニューが選択されたことを明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動券売機の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動券売機の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の自動券売機によりアイテムを選択している様子を説明する図であり、(a)は複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに存在した場合の図、(b)はセットメニューボタンをタッチしたときの図である。
【図5】タッチパネルにセットメニューの画像をポップアップした図であり、(a)は複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに存在した場合の図、(b)はセットメニューボタンをタッチしたときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。この自動券売機1は、1回の取引中に複数のアイテムを連続的に選択可能な自動券売機であって、メニューを含む情報を表示する表示手段及び表示手段により表示された情報中から顧客が購入を希望する特定アイテム(料理、飲料等)を選択する入力手段を有するタッチパネル式ディスプレイ(以下、単にタッチパネルと呼ぶ)(アイテム選択手段)2と、電子マネーに記録されている情報を読み取るリーダライタ(電子マネー処理部)3と、入力手段によって選択された特定アイテムの価格に相当する金銭を投入するコイン投入口8及び紙幣挿入口5と、コイン投入と紙幣の挿入を解除するリジェクトボタン4と、つり銭がある場合に押すつり銭ボタン6と、つり銭を払出すつり銭口7と、選択された特定のアイテムについての決済された情報を印刷した券を取り出す券取出口9と、制御ボードや電源装置等を収納する収納部10と、を備えて構成されている。尚、本実施形態では、コイン投入口8、紙幣挿入口5、リジェクトボタン4、つり銭ボタン6、及びつり銭口7を含めて金銭処理部14と呼ぶ。
まず、本自動券売機1の概略的な動作について説明する。利用者がこの自動券売機1の前面側に立つと、利用者を検知した図示しない近接センサが制御部12に検知情報を出力し、制御部12はタッチパネル2にメニューを含む情報を表示させる。利用者は、タッチパネル2に表示されたメニュー内容から、所望のアイテムに相当する料金をコイン投入口8及び紙幣挿入口5に投入する。そして、所望のアイテムのボタンをタッチすることにより、そのアイテム情報が印刷された食券が券取出口9から発行される。尚、1回の取引中に複数のアイテムを選択可能な自動券売機では、複数のアイテムを連続的に選択して、選択が終了した後で確認ボタンをタッチすることにより、複数のアイテムに係る食券が一括して発行される。
【0013】
ここで、利用者が複数のアイテムを選択しているときに、制御部12がアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定すると、タッチパネル2に表示されている該当するセットメニューのボタンを点滅、或いは反転表示させて顧客に報知する。顧客はその表示に気づいてセットメニューに変更する場合は、セットメニューのボタンにタッチすることにより確定させることができる(詳細は後述する)。
例えば、食堂やレストラン等に設置されている自動券売機では、調理の効率化と顧客へのサービスを目的に複数のアイテムを組み合わせて、単品で購入するよりも合計金額を安く設定したセットメニューが設けられている場合がある。しかし、セットメニューが設定されているのを知らずに、単品で複数のアイテムを購入した後にそれに気づく場合がある。そこで本実施形態では、1回の取引中に複数のアイテムを選択可能な自動券売機1において、タッチパネル2により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似している場合、このセットメニューをタッチパネル2に表示する。これにより、アイテムを選択している過程で、セットメニューであることが明確に確認できる。
【0014】
図2は本発明の実施形態に係る自動券売機の機能ブロック図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この自動券売機1は、顧客が購入を希望する特定アイテムを選択するタッチパネル(アイテム選択手段)2と、電子マネーに記録されている情報を読み取るリーダライタ(電子マネー処理部)3と、タッチパネル2により選択されたアイテムに相当する金銭の決済を行なう金銭処理部14と、顧客がタッチパネル2を用いて選択した特定アイテムに係る券を発行する券印刷部(券発行手段)11と、タッチパネル2により選択された複数のアイテムの組み合わせに基づいて該当するセットメニューを判定し且つ各部を制御する制御部(制御手段)12と、制御部12によりセットメニューが判定されると、この判定結果を音声により報知する音声報知部13とを備えて構成され、制御部12は、タッチパネル2により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定した場合、判定されたセットメニューをタッチパネル2に表示したり、音声報知部13によりその旨を報知する。
【0015】
また、セットメニューであることがタッチパネル2に表示されても、それに気が付かない場合がある。そこで本実施形態では、表示以外に音により利用者に報知する。これにより、セットメニューの見逃しを防止することができる。また、プッシュスイッチを使用した自動券売機の場合、半透明の表面にアイテム名を刻印しておき、スイッチが押下されて有効になると内部からアイテム名を照明するような構成となっている。従って、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係るプッシュスイッチの表示部を点滅させる。これにより、セットメニューであることが明確に認識することができる。
また、制御部12は予めセットメニューの組み合わせを設定しておき、該組み合わせと一致した場合は問題なくセットメニューと判定し、組み合わせの例えば2/3が一致した場合に、セットメニューに近似しているとしてセットメニューと見做す。尚、一致の比率は適宜決定される。また、例えば単品4種類を選択して、そのうちの単品3種類がセットメニューと一致した場合は、セットメニュー1種類と単品1種類として表示してもよい。
また、自動券売機を設置する場合、販売するアイテムの数や設置場所によりタッチパネル式ディスプレイタイプにするか、又はプッシュスイッチタイプにするかを選択する。即ち、アイテムの数が少ない店舗ではプッシュスイッチタイプの券売機で十分であり、反対にアイテム数が多く、メニューの変更が頻繁に行われる店舗にはタッチパネル式ディスプレイタイプを使った自動券売機が向いている。本実施形態では両者のタイプに対応できるように構成されている。これにより、自動券売機のタイプに関わらずセットメニューであることを報知することができる。
【0016】
図3は本発明の実施形態に係る自動券売機の動作を説明するフローチャートである。自動券売機1は金銭が紙幣挿入口5又はコイン投入口8に投入されたかをチェックする(S1)。ステップS1において金銭が投入され(S1でY)、利用者がアイテムを選択すると(S2)、選択されたアイテムを反転表示したり、表示色を変更して選択されたことを明示する(S3)。次に、制御部12は選択されたアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似しているか否かを判定する(S4)。アイテムの組み合わせがセットメニューでなければ(S4でN)、ステップS8に進み、確定ボタンがタッチされたか否かをチェックする(S8)。利用者が複数のアイテムを選択する意思があれば、確定ボタンにタッチせずに(S8でN)、ステップS14に進み、更にステップS2に戻ってアイテムの選択を繰り返す。この工程を繰り返すたびに制御部12は選択されたアイテムの組み合わせがセットメニューに該当するか否かを判定する(S4)。
【0017】
一方、ステップS4でアイテムの組み合わせがセットメニューに該当する場合は(S4でY)、タッチパネルに表示されているセットメニューの中で該当するセットメニューを反転表示したり、表示色を変更して判定されたことを明示する(S5)。ここで利用者がセットメニューに変更する場合はセットメニューボタンにタッチすることにより(S6でY)、セットメニューに変更する。その結果、元のアイテムの組み合わせが消灯して無効となる(S7)。その後、ステップS8に進んで、確定ボタンにタッチされると、選択したアイテム(セットメニューを含む)の合計金額が計算されて(S9)、その合計金額に対して投入金額が不足であるか否かをチェックする(S10)。不足の場合は(S10でY)、不足金額をタッチパネル2に表示して(S15)、不足金額が投入されるまで繰り返す。実際は時間を監視しておき、所定の時間が経過しても不足金額が投入されない場合は、全てをキャンセルしてつり銭口7から投入金額を返金する。ステップS10で不足がない場合、或いは不足金額が投入された場合は(S10でN)、つり銭の有無をチェックして(S11)、つり銭があれば(S11でY)つり銭をつり銭口7に払い出し(S12)、食券を券印刷部11で印刷して発行する(S13)。
【0018】
図4は本発明の自動券売機によりアイテムを選択している様子を説明する図である。図4(a)は複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに存在した場合の図であり、図4(b)はセットメニューボタンをタッチしたときの図である。例えば、図4(a)のように、最初に「ラーメン、600円」のボタン20にタッチし、次に「ギョーザ、250円」のボタン21にタッチし、最後に「ごはん、150円」のボタン22にタッチした場合を想定すると、(1)「ラーメン、600円」−>(2)「ギョーザ、250円」−>(3)「ごはん、150円」までタッチしたとき、ここで制御部12は、この3つのアイテムの組み合わせが「Aセット、800円」に該当すると判定して、(4)「Aセット、800円」のボタン23を反転表示させながら点滅させる。尚、制御部はアイテムの組み合わせによりセットメニューであるか否かを判定しているため、ボタン20、21、22をタッチする順番が異なっても構わない。
【0019】
利用者はこの時点で「Aセット、800円」のボタン23が反転表示されて点滅しているのを確認して、3つのアイテムの組み合わせをセットメニューに変更する場合は、「Aセット、800円」のボタン23にタッチする。それにより、図4(b)のように、点滅が反転表示に変わって、ボタン20、21、22の反転表示が消灯して元の状態に戻り、3つのアイテムは無効となる。これにより、利用者は3つのアイテムを単品で購入した場合は、その合計金額が1000円になるところを、同じ内容でセットメニューにすることにより合計金額が800円となり、200円割引されたことになる。尚、図4ではタッチパネルの場合について説明したが、これに限る必要はなく、タッチパネルの代わりに表示部(内部にランプを備えてランプを点灯することにより表面の文字が明示される構成)を有するプッシュスイッチでも構わない。
【0020】
図5はタッチパネルにセットメニューの画像をポップアップした図である。図5(a)は複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに存在した場合の図であり、図5(b)はセットメニューボタンをタッチしたときの図である。ボタンの動作は図4と同様であるので説明を省略する。ここでは、図5(a)のように、この3つのアイテムの組み合わせが「Aセット、800円」に該当すると判断して、「Aセット、800円」のボタン23を反転表示させながら点滅させると、その近傍に、Aセットの画像24がポップアップされる。このとき、ボタン23と同期して画像24を点滅してもよい。利用者はこの時点で「Aセット、800円」の内容を画像24で確認すると共に、ボタン23が反転表示されて点滅しているのを確認して、3つのアイテムの組み合わせをセットメニューに変更する場合は、「Aセット、800円」のボタン23にタッチする。それにより、図5(b)のように、点滅が反転表示に変わって、画像24も点滅を停止して、ボタン20 、21 、22の反転表示が消灯して元の状態に戻り、3つのアイテムは無効となる。
即ち、自動券売機がタッチパネル式ディスプレイの場合、表示部は液晶等のドットパターンで構成されているので、文字ばかりでなく画像等も表示することが可能である。また、セットメニューを画像で表示できれば更に宣伝効果を高めることができる。そこで本実施形態では、セットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、この判定結果に係る差し込み画面、又は/及び、ポップアップ画面をタッチパネル2の表示部に表示する。これにより、セットメニューの実際の画像を事前に確認することができる。
【0021】
また、セットメニューであることを判定されると、その結果を表示したり音声で報知した後に、セットメニューのボタンを選択すると、アイテムの組み合わせは不要となる。そこで本実施形態では、判定結果を表示手段に表示、又は/及び、音声報知部13に報知した後に、この判定結果に係るセットメニューが選択された場合は、複数のアイテムを無効とすると共に、このアイテムの表示を消去する。これにより、セットメニューが選択されたことを明確にすることができる。
尚、本実施形態では、金銭処理部14により現金を受け入れてつり銭の計算を行い、現金をつり銭口7から返金する例について説明したが、金銭処理部14の代わりに、リーダライタ3により電子マネー(ICカード)に記録されている情報を読み取って、電子マネーによって決済するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0022】
1 自動券売機、2 タッチパネル、3 リーダライタ、4 リジェクトボタン、5 紙幣挿入口、6 つり銭ボタン、7 つり銭口、8 コイン投入口、9 券取出口、10 収納部、11 券印刷部、12 制御部、13 音声報知部、14 金銭処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者にアイテム情報を提示するための表示手段、及び該表示手段により表示されたアイテム情報中から任意のアイテムを任意の個数選択するための入力手段を有するアイテム選択手段と、該アイテム選択手段により選択されたアイテムに相当する金銭の決済を行なう金銭処理部と、前記顧客が前記アイテム選択手段を用いて選択した特定アイテムに係る券を発行する券発行手段と、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューに該当するか否かを判定し且つ前記各手段を制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、
前記制御手段は、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、該セットメニューを前記表示手段に表示することを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定された場合、該判定結果を音声により報知する音声報知部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動券売機。
【請求項3】
前記アイテム選択手段は、タッチパネル式ディスプレイ、又はプッシュスイッチにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動券売機。
【請求項4】
前記アイテム選択手段が前記プッシュスイッチの場合、前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、該判定結果に係るプッシュスイッチの表示部を点滅させることを特徴とする請求項1又は3に記載の自動券売機。
【請求項5】
前記アイテム選択手段が前記タッチパネル式ディスプレイの場合、前記制御部によりセットメニューと同一か、又は近似していると判定されると、該判定結果に係る差し込み画面、又は/及び、ポップアップ画面を該タッチパネル式ディスプレイの表示部に表示することを特徴とする請求項1又は3に記載の自動券売機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記アイテム選択手段により選択された複数のアイテムの組み合わせがセットメニューと同一か、又は近似しているか否かを判定して、該判定結果を前記表示手段に表示、又は/及び、前記音声報知部に報知した後に、該判定結果に係るセットメニューが選択された場合は、前記複数のアイテムを無効とすると共に、該アイテムの表示を消去することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の自動券売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−54040(P2011−54040A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203914(P2009−203914)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)
【Fターム(参考)】