説明

自動原稿搬送装置

【課題】 原稿の読み取り前に原稿のサイズを検出させてコピー時間を短縮させた自動原稿搬送装置を提供すること。
【解決手段】 給紙トレイ2101の原稿セット位置にセットされた原稿は、ピックアップローラ2102によって1枚ずつ分離されつつ,給紙ローラ2103および捌きローラ2104により方向Rに搬送されて原稿サイズ検出位置に達する。原稿サイズ検出位置にセットされた原稿は,原稿セット位置に残されている原稿に対して長さ方向及び幅方向のいずれにも迫り出している。そこで原稿長さ検出センサ2114,2115および原稿幅検出センサ2111〜2113は,原稿サイズ検出位置の原稿のサイズを検出する。サイズの検出がなされた原稿は,第2給紙ローラ2108により画像読み取り部2200へ搬送される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,複写機等の画像形成装置において読み取り部へ原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置に関する。さらに詳細には,原稿の画像データの読み取りを開始する前に原稿のサイズを検出するようにした自動原稿搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,シートハンドリングの自動化の要請から,複数枚の原稿をまとめてセットしておき,画像読み取り位置まで自動的に1枚づつ搬送する自動原稿搬送装置の普及が進んでいる。この自動原稿搬送装置では,搬送される原稿のサイズに応じて画像形成倍率や記録シートのサイズを決定するために,原稿のサイズを検出する必要がある。この種の技術として,例えば特開平9−107447号公報には,読み取られる画像データ用のメモリ領域を最大原稿サイズに対応させて設定し,原稿サイズが判明した後にメモリ領域を原稿サイズに対応させて変更する技術が提案されている。また,特開平9−331418号公報には,原稿の画像データを読み取ってメモリへの書き込みを行い,原稿のサイズを判定した時点で記録シートの給紙を行う技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前記した従来の技術においては,常に最大原稿サイズに対応させたメモリ領域を空けておく必要がある。このため,複写機やファックスおよびプリンタなどの複数の機能を搭載したマルチジョブ対応の装置の場合には,常に最大原稿サイズに対応させたメモリを確保しておくことが難しい場合がある。また,原稿サイズが確定するのは原稿の読み取り中でありその後に記録シートを給紙するのでファーストコピー時間が長くなってしまうことがあった。さらに,自動原稿搬送装置に載置される原稿のサイズが同一でなく混載されている場合には,1枚ずつ原稿を読み取ってはその原稿サイズを検出し、記録シートの給紙を行うので,ファーストコピー時間ばかりでなく各コピーの時間が長くなってしまうことがあった。
【0004】本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,原稿の読み取り前に原稿のサイズを検出させてコピー時間を短縮させるようにした自動原稿搬送装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題の解決を目的としてなされた本発明は,原稿を自動的に画像読み取り部へ搬送する自動原稿搬送装置において,原稿をセットするための第1の位置および原稿のサイズを検出するための第2の位置を有する原稿載置台と,第1の位置にセットされた原稿を1枚づつ分離する分離手段と,分離手段により分離された原稿を第2の位置へ搬送する第1搬送手段と,第2の位置から画像読み取り部へ原稿を搬送する第2搬送手段と,第2の位置において原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段とを有するものである。
【0006】この自動原稿搬送装置では,原稿載置台の第1の位置にセットされた原稿は、分離手段によって1枚ずつ分離されつつ,第1搬送手段により第2の位置へと搬送される。そして原稿サイズ検出手段は,第2の位置において原稿のサイズを検出する。サイズの検出がなされた原稿は,第2搬送手段により画像読み取り部へ搬送される。このため,原稿の読み取り前にすでに原稿のサイズが判明しており,記録シートの給紙をスタートさせることができる。したがってコピー時間が短縮されている。
【0007】ここにおいて,第1搬送手段の搬送方向と第2搬送手段の搬送方向とが斜めに交差しており,原稿サイズ検出手段は原稿の長さ方向及び幅方向のサイズを検出するものであることが望ましい。このようにすると,原稿載置台の第1の位置から1枚のみ分離された原稿は,第1の位置に残されている原稿に対して長さ方向及び幅方向のいずれをもずらすような方向に搬送されて第2の位置にセットされることとなる。このため,第2の位置にセットされた時点で原稿の長さ方向及び幅方向の両方向のサイズを検出することができる。
【0008】また,分離手段や第1搬送手段は,原稿が第2搬送手段により搬送されるときには原稿から離間するようにした方がよい。さもないと,第2搬送手段による原稿の第2の位置から画像読み取り部への搬送が妨げられるからである。
【0009】あるいは本発明の自動原稿搬送装置は,原稿をセットするための原稿載置台と,原稿載置台にセットされた原稿を1枚づつ分離する分離手段と,分離手段により分離された原稿を画像読み取り部へ向けて搬送する搬送手段と,原稿載置台と画像読み取り部との間に設けられ,搬送手段により搬送されている原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段とを有するものとすることもできる。
【0010】この自動原稿搬送装置の場合においては,原稿は分離手段により1枚に分離されるとともに搬送手段により画像読み取り部へ向けて搬送される。このとき原稿は,搬送手段による搬送中に,原稿サイズ検出手段によりサイズの検出を受ける。ここで,原稿の幅方向のサイズが原稿サイズ検出手段により直接に検出されるばかりでなく,原稿の先端から後端までが原稿サイズ検出手段を抜ける時間により長さ方向のサイズも検出できる。これにより,原稿の読み取り前に原稿のサイズを知り,記録シートの給紙をスタートさせることができる。したがってコピー時間が短い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,本発明の画像形成装置を具体化した実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態に係る電子写真方式の複写機1を示している。この複写機1は大別して,イメージリーダ部IRと画像プロセス部PRとから構成されている。イメージリーダ部IRは複写すべき原稿の画像データを読み取るものである。画像プロセス部PRは,イメージリーダ部IRから転送されてきた画像データに基づき電子写真プロセスにより原稿の画像を作成するものである。
【0012】イメージリーダ部IRは,原稿ガラス101上に載置された原稿,あるいは後述する自動原稿搬送装置20によって搬送されている原稿に対して光を照射し,その反射光を検出し,これを光電変換して,原稿の画像に対応した画像データを出力する画像読み取り部10と,画像読み取り部10から出力される画像データを処理する画像処理部30と,画像処理部30から出力される画像データをそのまま画像プロセス部PRへ出力するか,あるいはメモリに記憶するか等の処理を行うメモリユニット部40を有している。
【0013】画像読み取り部10は,具体的には,原稿を照射する露光ランプ112と,反射ミラー113〜115と,レンズ116と,CCDセンサ117とにより構成されている。そして,反射光はCCDセンサ117において,電気信号に変換されて画像処理部30へ入力されるようになっている。なお,原稿ガラス101に載置された原稿を読み取る場合には,画像読み取り部112および113を走査させつつ原稿の画像情報を読み取る。一方,自動原稿搬送装置20を用いる場合には,画像読み取り部10は,露光ランプ112および反射ミラー113がスリットガラス198の下方に位置するように停止させられ,その状態で原稿の画像情報を読み取る。
【0014】ここで,図2を参照しつつ,自動原稿搬送装置20について説明する。この自動原稿搬送装置20は,原稿ガラス101の上面に対して開閉自在に装着されている。そして,原稿を自動的に搬送しつつ,本体側のスリットガラス198の箇所において,上記したように,下方に固定配置された画像読み取り部10によって原稿の画像情報を読み込ませる形態を有している。
【0015】自動原稿搬送装置20は,給紙部2100と,読み取り部2200と,反転部2300と,排紙部2400とを有している。給紙部2100は,原稿を載置する給紙トレイ2101と,原稿を最上部から1枚ずつピックアップするピックアップローラ2102と,ピックアップローラ2102によって引き出された原稿を読み取り部2200へ送り込むための給紙ローラ2103および捌きローラ2104とを備えている。さらに,給紙ローラ2103および捌きローラ2104と読み取り部2200との間には,第2給紙ローラ2108および搬送ローラ2105が備えられている。ピックアップローラ2102と給紙ローラ2103は,図3で後述するように,実際には斜めになっている。
【0016】また,給紙トレイ2101の下流部分,すなわちピックアップローラ2102と対向する部分には,リフトアップレバー2107によって昇降可能な押上げ部2106が設けられている。この押上げ部2106は,オペレータが原稿を載置するときには,図中下向きに下がっている。原稿を搬送するときには,原稿をピックアップローラ2102に当接させるようにリフトアップレバー2107によって押し上げられる。なお,図2R>2は押し上げ部2106がリフトアップレバー2107により押し上げられた状態を示している。
【0017】続いて,給紙部2100において,原稿給紙トレイ2101上で原稿のサイズを検出するための構成について図3を参照しつつ説明する。原稿給紙トレイ2101には,原稿の通紙基準ラインに沿った箇所に第1原稿長さ検出センサ2114および第2原稿長さ検出センサ2115が配置されている。さらに,第2給紙ローラ2108の下流には,第1原稿幅検出センサ2111,第2原稿幅検出センサ2112,第3原稿幅検出センサ2113,そして捌き抜けセンサ2109が配置されている。
【0018】また,原稿給紙トレイ2101上には,原稿セット位置と原稿サイズ検出位置とが設けられている。原稿セット位置は,オペレータが原稿を所定の位置に置くための原稿ストッパー2116を備えている。上述したすべてのセンサは,原稿セット位置にセットされた原稿と重なり合わないように位置している。一方,原稿サイズ検出位置に原稿が存在するときには,その原稿は,捌き抜けセンサ2109に重なり合う。さらにその原稿は,第1原稿長さ検出センサ2114および第2原稿長さ検出センサ2115のうち少なくとも第1原稿長さ検出センサ2114と重なり合う。さらにその原稿は,第1原稿幅検出センサ2111,第2原稿幅検出センサ2112,第3原稿幅検出センサ2113のうち少なくとも第1原稿幅検出センサ2111と重なり合う。このため,各種ローラは,ピックアップローラ2102,給紙ローラ2103および捌きローラ2104による原稿の搬送方向Rと,第2給紙ローラ2108による原稿の搬送方向Sとが斜めに交差するように配置されている。
【0019】図2に戻り,読み取り部2200,反転部2300および排紙部2400について説明する。読み取り部2200には,スリットガラス198と対向する部分,すなわち原稿の読み取り位置において原稿を押圧するための押圧板2201が設けられている。そして読み取り位置の上流および下流には,第1読み取りローラ対2202および第2読み取りローラ対2203が設けられている。続く反転部2300には,原稿の両面を読み取る場合に原稿を反転させるため,第1切り換え爪2301,第1反転ローラ2302,第2切り換え爪2303および第2反転ローラ2304が設けられている。排紙部2400は,読み取りを終えた原稿を収容するため,排出ローラ対2401および排紙トレイ2402を有している。
【0020】図1に戻り,画像プロセス部PRは,光学走査部60とプロセス部70と搬送部80とこれらを制御するプロセス制御部50とを有している。光学走査部60には,プロセス部70の感光体ドラム71へレーザ光を照射する半導体レーザ61と,ポリゴンミラー62と,レンズ63および64と反射ミラー65〜67とが備わっている。プロセス部70には,感光体ドラム71と,帯電チャージャ72と,現像器73と,転写チャージャ74と,分離チャージャ75と,分離爪76と,クリーニング器77とが備わっている。そして,搬送部80には,シートを積載して収容する給紙カセット81と,給紙カセット81から供給されるシートを搬送するための各種ローラと,定着器82と,複写が完了して機外に排出されたシートを収容する排紙トレイ83とが備わっている。
【0021】次に,このように構成された複写機1において,自動原稿搬送装置20を用いた場合のコピー動作について説明する。自動原稿搬送装置20の給紙トレイ2101に載置された原稿は,給紙部2100を介して読み取り部2200へ搬送される。原稿の画像情報は,読み取り部2200を通過する際に,本体側の画像読み取り部10により読み取られる。このとき,本体側の画像読み取り部10の露光ランプ112はスリットガラス198の直下に停止させられている。また,図1中矢印方向に回転している感光体ドラム71が,帯電チャージャ72により表面を一様に帯電させられる。そして,画像読み取り部10が読み込んだ画像データが,画像処理部30およびメモリユニット部40を介してプロセス制御部50へ入力される。
【0022】これに同期して,半導体レーザ61のレーザ光が変調されて,このレーザ光がポリゴンミラー62により主走査方向に走査される。さらにレーザ光は,レンズ63および64,反射ミラー65〜67により反射されて感光体ドラム71に入射する。これにより感光体ドラム71上に静電潜像が形成される。この静電潜像は,現像器73により現像されてトナー像となる。このトナー像は,感光体ドラム71に対向して配置された転写チャージャ74により,給紙カセット81から供給されたシート上に転写される。その後,このトナー像が転写されたシートは,定着器82において加熱及び加圧される。そして,シートは機外へ排出され,排紙トレイ83へ収容される。こうして1枚分のコピーが終了する。
【0023】続いて,上述した一連のコピー動作にあたり,自動原稿搬送装置20における原稿のサイズ検出方法について図3および図4を参照しつつ詳細に説明する。図3および図4は,給紙トレイ2101の平面図である。まず,給紙トレイ2101における原稿セット位置に載置された原稿の最上のものの表面は,リフトアップレバー2107の回動によって押し上げ部2106が上昇することで,ピックアップローラ2102に圧接される。そして,ピックアップローラ2102によって送り出された1枚の原稿が,給紙ローラ2103および捌きローラ2104によって原稿サイズ検出位置へ向かって,図3中斜め下方へと搬送される。このとき第2給紙ローラ2108は,給紙トレイ2101への押圧力を解除された状態とされている。原稿の搬送を妨げないためである。
【0024】そして,原稿の端辺が少なくとも第1原稿長さ検出センサ2114に検出されると,ピックアップローラ2102および給紙ローラ2103の押圧力は解除され,第2給紙ローラ2108の押圧力が加えられる。その後原稿は,通紙基準ラインに沿って搬送され,捌き抜けセンサ2109に到達する。このとき原稿は原稿サイズ検出位置にある。
【0025】この時点で,第1原稿長さ検出センサ2114および第2原稿長さ検出センサ2115により原稿の長さがセンシングされ,第1〜第3原稿幅検出センサ2111〜2113により原稿の幅がセンシングされる。こうして得られたセンシング出力の組み合わせにより原稿のサイズの判定を行う。図5は,各種原稿が原稿サイズ検出位置にセットされた状態を示す。また,図6には各センサによるセンシング出力と原稿サイズとの関係を示している。
【0026】例えば,捌き抜けセンサ2109には検出されるが各サイズ検出センサによって長さ方向にも幅方向にもセンシングされなかった場合には,その原稿はインボイスTであると判定される。あるいは,長さ方向は第1原稿長さ検出センサ2114および第2原稿長さ検出センサ2115との両方によってセンシングされ,幅方向も第1〜第3原稿幅方向検出センサ2111〜2113のすべてによってセンシングされた場合には,原稿はA3Tであるという具合に判定される。図4のケースでは,長さ方向は第1原稿長さ検出センサ2114のみによってセンシングされ,幅方向も第1原稿幅方向検出センサ2111のみによってセンシングされるので,A4Tであると判定される。
【0027】そして,第2給紙ローラ2108により押圧された原稿は,搬送ローラ2105を介して読み取り部2200へ向けて搬送される。このとき,上述したように既に原稿のサイズは検出されているので,記録シートの給紙をスタートすることができる。したがって,コピー時間が短い。
【0028】続いて,第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は,図7に示すように,機械的構成,すなわち各種ローラやセンサなどの配置については第1の実施の形態の場合と同じであるので,その説明を引用する。ただし,原稿の長さの検出方法が異なる。
【0029】第1の実施の形態と同様に原稿は,原稿セット位置から斜め(方向R)に搬送されさらに通紙基準ラインに沿って搬送され(方向S),原稿サイズ検出位置に達する。そして,搬送ローラ2105を介して読み取り部2200へ向けて搬送される(方向S)。この原稿の方向Sに沿った搬送中に,原稿幅検出センサ2118〜2120は原稿の幅方向のサイズをセンシングする。一方,原稿の長さは,原稿の先端が捌き抜けセンサ2117に達してから原稿の後端が第1原稿長さ検出センサ2114または第2原稿長さ検出センサ2115を通過するまでの所要時間を計測して長さに換算することで検出される。こうして得られた原稿の幅および長さの組み合わせにより原稿のサイズ判定を行う。図8に,第2の実施の形態によって検出することのできる原稿の種類を示す。このように,第2の実施の形態においても,原稿が読み取り部2200へ到達する前に原稿のサイズが検出されるので,シートの給紙を速やかに開始することができる。したがって,コピー時間が短い。さらに,本実施の形態においては,原稿の長さの値を検出するので,原稿長さ検出センサの個数に拘束されることなく,より詳細に原稿サイズを判定することができる。
【0030】以上,詳細に説明したように,前述の第1の実施の形態に係る自動原稿搬送装置20においては,給紙トレイ2101の原稿セット位置にセットされた原稿を,ピックアップローラ2102によって1枚ずつ分離しつつ,給紙ローラ2103および捌きローラ2104により方向Rに搬送して原稿サイズ検出位置へ移動し,そこで原稿長さ検出センサ2114,2115および原稿幅検出センサ2111〜2113により原稿のサイズを検出することとしている。そしてサイズの検出後にその原稿を,第2給紙ローラ2108により方向Sに搬送して画像読み取り部2200へ導くこととしている。
【0031】ここにおいて,搬送方向Rと搬送方向Sとが斜めに交差しているので,原稿セット位置から1枚のみ分離されて原稿サイズ検出位置にセットされた原稿は,原稿セット位置に残されている原稿に対して長さ方向及び幅方向のいずれにも迫り出している。このためこの時点で原稿長さ検出センサ2114,2115,原稿幅検出センサ2111〜2113により,原稿サイズ検出位置の原稿の長さ方向及び幅方向の両方向のサイズを検出することができるのである。これにより,原稿の読み取り前に原稿のサイズを検出し,記録シートの給紙を可能な限り早くにスタートさせることができる。したがって,給紙トレイ2101に載置された原稿がサイズ混載であっても,コピー時間が短くて済む自動原稿搬送装置が実現されている。
【0032】さらに,原稿を方向Rに搬送するときには第2給紙ローラ2108の原稿への圧接を解除し,その後原稿を方向Sに搬送するときにはピックアップローラ2102および給紙ローラ2103の押圧力を解除することとしているので,方向R,Sともスムーズに搬送がなされる。
【0033】また,第2の実施の形態の場合においては,原稿サイズ検出位置で原稿幅検出センサ2118〜2120により原稿の幅方向のサイズを検出することとしている。また,原稿を画像読み取り部2200へ向けて搬送しつつ(方向S),原稿の先端から後端までが抜ける所要時間から長さ方向のサイズを検知することとしている。これによっても,原稿の読み取り前に原稿のサイズを検出し,混載如何にかかわらず記録シートの給紙を可能な限り早くにスタートさせることができる自動原稿搬送装置が実現されている。
【0034】なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
【0035】例えば,本実施の形態では,自動原稿搬送装置の形態を,読み取り装置を停止させて走行中の原稿の画像情報を読み取るいわゆる流し撮りタイプのものとした。しかしこれに限らず,原稿を原稿ガラス上に停止させ,そして読み取り装置を走査させての原稿の画像情報を読み取る形態の自動原稿搬送装置にも適用可能である。
【0036】また,第2の実施の形態においても第1の実施の形態のように,給紙トレイ2101の原稿セット位置にセットされた原稿を,原稿サイズ検出位置へ搬送させた後,画像読み取り部へ搬送しつつ原稿のサイズを検出するようにした。しかし,原稿サイズ検出位置に原稿を直接セットするようにしてもよい。このようにすると給紙トレイ2101の構成がより簡単になる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明によれば,原稿の読み取り前に原稿のサイズを知り,可能な限り早くに給紙を開始できるようにしてコピー時間を短縮させた自動原稿搬送装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る複写機の概略構成図である。
【図2】自動原稿搬送装置の構成を示す断面図である。
【図3】自動原稿搬送装置の給紙トレイ部の平面図である。
【図4】自動原稿搬送装置の給紙トレイ部の平面図である。
【図5】原稿サイズ検出位置と原稿の各種サイズとの関係を示す説明図である。
【図6】各センサの検出結果と原稿サイズとの関係を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における自動原稿搬送装置の給紙トレイ部の平面図である。
【図8】第2の実施の形態における原稿サイズ検出位置と原稿の各種サイズとの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
20 自動原稿搬送装置
2101 給紙トレイ
2102 ピックアップローラ
2103 給紙ローラ
2104 捌きローラ
2105 搬送ローラ
2108 第2給紙ローラ
2109 捌き抜けセンサ
2111 原稿幅検出センサ
2112 原稿幅検出センサ
2113 原稿幅検出センサ
2114 原稿長さ検出センサ
2115 原稿長さ検出センサ
2117 捌き抜けセンサ
2118 原稿幅検出センサ
2119 原稿幅検出センサ
2120 原稿幅検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 原稿を自動的に画像読み取り部へ搬送する自動原稿搬送装置において,原稿をセットするための第1の位置および原稿のサイズを検出するための第2の位置を有する原稿載置台と,前記第1の位置にセットされた原稿を1枚づつ分離する分離手段と,前記分離手段により分離された原稿を前記第2の位置へ搬送する第1搬送手段と,前記第2の位置から前記画像読み取り部へ原稿を搬送する第2搬送手段と,前記第2の位置において原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段とを有することを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項2】 請求項1に記載する自動原稿搬送装置において,前記第1搬送手段の搬送方向と前記第2搬送手段の搬送方向とが斜めに交差しており,前記原稿サイズ検出手段は原稿の長さ方向及び幅方向のサイズを検出することを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載する自動原稿搬送装置において,前記分離手段は,原稿が前記第2搬送手段により搬送されるときには原稿から離間することを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項4】 請求項1または請求項2に記載する自動原稿搬送装置において,前記第1搬送手段は,原稿が前記第2搬送手段により搬送されるときには原稿から離間することを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項5】 原稿を自動的に画像読み取り部へ搬送する自動原稿搬送装置において,原稿をセットするための原稿載置台と,前記原稿載置台にセットされた原稿を1枚づつ分離する分離手段と,前記分離手段により分離された原稿を前記画像読み取り部へ向けて搬送する搬送手段と,前記原稿載置台と前記画像読み取り部との間に設けられ,前記搬送手段により搬送されている原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出手段とを有することを特徴とする自動原稿搬送装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2001−39543(P2001−39543A)
【公開日】平成13年2月13日(2001.2.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−218480
【出願日】平成11年8月2日(1999.8.2)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】