説明

自動原稿搬送装置

【課題】自動原稿搬送装置において、搬送ローラのひとつを正転駆動し、あるいは停止状態に保持するためにローラ駆動構造を、ギヤ構造と機械的な切換構造とで構成して、斜行補正のための構造の全体コストを削減する。
【解決手段】原稿搬送路26に、第1搬送ローラ41と第2搬送ローラ42を配置する。両ローラ41・42に設けた出力ギヤ81と受動ギヤ82との間に、回転動力を受動ギヤ82へ伝動するローラ駆動機構を配置する。ローラ駆動機構は、第1中間ギヤ91と、第2中間ギヤ92と、両ギヤ91・92を支持するギヤホルダ93と、ソレノイド101を含む切換機構とで構成する。ギヤホルダ93を切換機構で切り換え操作して、第2搬送ローラ42を正転駆動、逆転駆動、停止の各状態に切り換える。回転駆動される第1搬送ローラ41と、停止状態の第2搬送ローラ42との間で原稿の斜行補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機、スキャナー、ファクシミリなどに適用される画像読取装置に関し、なかでも、プラテンカバーの自動原稿搬送装置を構成する搬送ローラの駆動構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る自動原稿搬送装置においては、原稿搬送路に設けた搬送ローラへの回転動力の供給を停止して、記録紙の斜行を補正するが、このように搬送ローラを一時的に停止させて、記録紙の斜行を補正することは特許文献1〜3に公知である。特許文献1の記録装置においては、搬送路に沿って間隔をあけて配置した2組の搬送ローラの間にロック装置を設けて、上流側の搬送ローラを停止した状態で、下流側の搬送ローラのみを逆方向へ回転駆動して記録紙の斜行を補正できるようにしている。ロック装置は、太陽ギヤと2個の遊星ギヤと、クラッチ機構などで構成してあり、下流側の搬送ローラが正逆転モータで正転あるいは逆転駆動されるとき遊星ギヤが公転することを利用して、上流側の搬送ローラへ伝導される回転動力の向きを切り換えている。
【0003】
特許文献2の原稿読取装置においては、正転および逆転が可能なステッピングモータで原稿分離ローラを回転駆動し、同時に原稿分離ローラより下流側に設けたコンタクトセンサローラを回転駆動できるようにしている。これら両ローラとステッピングモータとの間には、動力の伝達を一時的に停止するタイマー機構が配置してあり、コンタクトセンサローラを停止した状態で原稿分離ローラを回転駆動することにより、原稿の斜行を補正できるようにしている。
【0004】
本発明に係る自動原稿搬送装置では、通常のモータの回転動力をローラ駆動機構で伝動して、2組の搬送ローラの一方を回転駆動し他方を停止して、原稿の斜行を補正するが、この種の斜行補正構造は特許文献3に公知である。そこでは、モータの回転動力を、第1、第2の中間ギヤを介して搬送ローラの受動ギヤに伝動する。また、搬送ローラの上流側に配置した給送ローラを、先の第1中間ギヤに噛み合う欠歯ギヤを介して回転駆動している。第2中間ギヤは、第1中間ギヤ軸の回りに回転できるホルダーで支持されており、ホルダーに設けた突起部を欠歯ギヤの側に設けたカムで操作し、第2中間ギヤと受動ギヤの噛み合い状態を断続して、記録紙の斜行補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−293795号公報(段落番号0065、図3)
【特許文献2】特開平07−288652号公報(段落番号0039、図4)
【特許文献3】特開2007−112555号公報(段落番号0027、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の斜行補正構造は、太陽ギヤおよび2個の遊星ギヤとクラッチ機構などで構成したロック機構と、太陽ギヤを正転方向あるいは逆転方向へ駆動する正逆転モータとが必要であるため、全体構造が複雑でコストが嵩む。同様に、特許文献2の斜行補正のための構造は、ステッピングモータとタイマー機構とが必要であるため、全体構造が複雑でコストが嵩む。電磁クラッチで動力を断続して搬送ローラを回転駆動し、あるいは停止させて、記録紙の斜行を補正する形態の自動原稿搬送装置も提案されている。しかし、この種の斜行補正構造は、電磁クラッチ自体が高価であり、さらに電磁クラッチ用の制御手段が必要であるためコストが嵩む。
【0007】
特許文献3の斜行補正構造は、モータの回転動力をカムおよびホルダーで断続して、搬送ローラを通紙方向へ回転駆動し、あるいは停止状態に保持するので、特許文献1、2の斜行補正構造に比べて低コスト化できる。しかし、第2中間ギヤと搬送ローラの受動ギヤとの噛み合い状態を機械的に断続するだけであるため、搬送ローラを利用して斜行補正を行うのには十分であるが、搬送ローラを逆転駆動できない点に不満がある。たとえば自動原稿搬送装置においては、原稿の第1面と第2面の画像を読み取り可能とすることがあり、その場合には、搬送ローラを逆転駆動して原稿を通紙方向とは逆向きに搬送しなければならないが、こうした場合に搬送ローラを逆転駆動できない。
【0008】
本発明の目的は、搬送ローラのひとつを正転駆動し、あるいは停止状態に保持するローラ駆動構造を、ギヤ構造と機械的な切換構造とで構成して、斜行補正のための構造の全体コストを削減できる自動原稿搬送装置を提供することにある。
本発明の目的は、搬送ローラのひとつを正転駆動し、逆転駆動し、あるいは停止状態に保持でき、原稿の斜行補正に加えて、原稿の表裏両面の画像読み取りに対応できるローラ駆動構造を備えた自動原稿搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る自動原稿搬送装置は、原稿搬送路26の上流側に第1搬送ローラ41が配置され、第1搬送ローラ41の下流側に第2搬送ローラ42が配置してある。自動原稿搬送装置は、一方向へ駆動回転するモータ80の動力を受けて回転駆動される出力ギヤ81と、第2搬送ローラ42に設けられる受動ギヤ82を備えている。さらに、出力ギヤ81の回転動力を受動ギヤ82に伝動するローラ駆動機構と、ローラ駆動機構の伝動状態を切換える切換機構とを備えている。ローラ駆動機構は、第2搬送ローラ42が正転駆動される状態と、逆転駆動される状態と、停止する状態とに切換機構で切り換え可能に構成してある。回転駆動された状態の第1搬送ローラ41と、停止した状態の第2搬送ローラ42との間で原稿の斜行補正を行うことを特徴とする。
【0010】
ローラ駆動機構は、出力ギヤ81に常時噛み合う第1中間ギヤ91と、第1中間ギヤ91に常時噛み合う第2中間ギヤ92と、第1中間ギヤ91と第2中間ギヤ92を支持して、出力ギヤ81のギヤ軸83の回りに回動するギヤホルダ93とを含む。ギヤホルダ93を切換機構で切り換え操作して、第1中間ギヤ91と第2中間ギヤ92のいずれかを受動ギヤ82に噛合させて、第2搬送ローラ42を正転駆動し、あるいは逆転駆動できる。さらに、ギヤホルダ93を切換機構で切り換え操作して、受動ギヤ82への動力伝動を遮断できる。
【0011】
切換機構は、駆動部材101と、駆動部材101でラチェット機構を介して間欠に回転操作されるカム102と、ギヤホルダ93に設けられて、カム102で切り換え操作されるカムフォロア95と、カムフォロア95をカム102と密着する向きに付勢するばね103とを含む。
【0012】
原稿搬送路26の中途部に、原稿の画像を読み取るためのコンタクトガラス21を配置する。原稿の第1面をコンタクトガラス21へ向かって搬送する第1搬送路31と、原稿の第2面をコンタクトガラス21へ向かって搬送する第5搬送路35とのそれぞれに、原稿の第1面の読取りタイミングを検出する第1センサ47と、反転された原稿の第2面の読取りタイミングを検出する第2センサ48を配置する。第1センサ47と第2センサ48からの出力信号に基づき、ローラ駆動機構を切換機構で切り換え操作して、第2搬送ローラ42を停止状態に保持し、あるいは逆転駆動する。
【0013】
図9に示すように、切換機構を、プランジャ109の引き込み位置を3段階に制御できるソレノイド101で構成する。ギヤホルダ93をソレノイド101で直接切り換え操作して、第2搬送ローラ42を正転駆動する状態と、第2搬送ローラ42を逆転駆動する状態と、第2搬送ローラ42を停止する状態とに切り換えることができるようにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、一方向へ駆動回転するモータ80の動力を、出力ギヤ81とローラ駆動機構を介して、第2搬送ローラ42の受動ギヤ82に伝動するようにした。また、ローラ駆動機構を切換機構で切換え操作することにより、第2搬送ローラ42の駆動状態を正転、逆転、停止のいずれかに切換えられるようにした。このように、一方向へ駆動回転するモータ80を駆動源にして、第2搬送ローラ42の駆動状態をローラ駆動機構で機械的に切換えて斜行補正を行うようにすると、斜行補正のための駆動構造の全体コストを削減できる。従来の斜行補正において多用されていたステッピングモータ、電磁クラッチなどの高価な部品を使用する必要がなく、一方向へ駆動回転する安価なモータ80を駆動源にして、第2搬送ローラ42の駆動状態を切換えることができるからである。
【0015】
また、第2搬送ローラ42を正転駆動し、逆転駆動し、あるいは停止状態に保持できるので、原稿の斜行補正を行うことに加えて、原稿の第1面と第2面の画像の読み取りを、自動原稿搬送装置6内で円滑に連続して行うことができる。さらに、第2搬送ローラ42を停止状態に保持することにより、モータ80の負荷を軽減して動力の無駄な消費を解消でき、加えて受動ギヤ82と、同ギヤ82に噛み合う第1、第2の両中間ギヤ91・92の摩耗を軽減できる。
【0016】
第1中間ギヤ91と、第2中間ギヤ92と、これら両ギヤ91・92を支持するギヤホルダ93などで構成したローラ駆動機構によれば、両中間ギヤ91・92の一方を受動ギヤ82に噛合させることにより、第2搬送ローラ42を正転、あるいは逆転駆動できる。さらに、両中間ギヤ91・92を受動ギヤ82から分離することにより、第2搬送ローラ42を停止状態に保持できる。また、切換機構でギヤホルダ93を操作して、ギヤホルダ93を出力ギヤ81のギヤ軸83の回りに回動させることで、両中間ギヤ91・92と受動ギヤ82の噛合状態を切換えることができる。このように、第1、第2の中間ギヤ91・92を伝動要素とするローラ駆動機構によれば、コストが少なくて済むギヤを使用して第2搬送ローラ42を正転、逆転、停止の各状態に切換えることができるので、ローラ駆動機構の製造コストを削減できる。
【0017】
切換機構を、駆動部材101、カム102、ラチェット機構と、カムフォロア95、およびばね103などの、コストが少なくて済む基礎的な機械要素で構成するので、従来の斜行補正装置に比べて、斜行補正のための構造の全体コストを削減できる。とくに、正逆転モータまたはステッピングモータを駆動源とし、あるいは高価な電磁クラッチを使用する従来の斜行補正装置に比べると、全体コストを削減しながら、自動原稿搬送装置6の機能の向上を実現できる。
【0018】
原稿搬送路26の所定の位置に、原稿の読取りタイミングを検出する第1、第2のセンサ47・48を設け、これら両センサ47・48の出力信号を利用して切換構造を作動させると、ローラ駆動機構の作動タイミングを決定するための専用のセンサを省略できる。したがって、自動原稿搬送装置6の構造を簡素化しながら、ローラ駆動機構の動力の伝動状態を的確に切り換えることができる。
【0019】
プランジャ109の引き込み位置を3段階に制御できるソレノイド101で、ギヤホルダ93を直接切り換え操作すると、切換機構を最小限の構成部材で構成して、ローラ駆動機構の全体コストをさらに削減できる。また、ソレノイド101でギヤホルダ93を直接切り換え操作するので、時間遅れを伴うこともなくギヤホルダ93を迅速にしかも的確に切り換えることができ、原稿の搬送速度の高速化にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るローラ駆動機構の正面図である。
【図2】画像読取装置を概念的に示す正面図である。
【図3】自動原稿搬送装置と読取ユニットの関係を概念的に示す配置説明図である。
【図4】自動原稿搬送装置の原稿搬送路の全容を示す概略正面図である。
【図5】原稿の両面の画像を読み取る場合の原稿搬送路を示す概略正面図である。
【図6】ローラ駆動機構の切換機構を示す一部を破断した正面図である。
【図7】ローラ駆動機構を切り換えて正転状態にした正面図である。
【図8】ローラ駆動機構を切り換えて逆転状態にした正面図である。
【図9】切換機構の別の実施例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例) 図1から図8は本発明に係る画像読取装置を、コピー機能とファクシミリ機能とを備えた複合機に適用した実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図2に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0022】
図2において複合機は、記録部1と、記録部1の上側に配置される画像読取部2とを備えている。記録部1には、画像記録装置3や定着装置4などが設けてある。画像読取部2の上面には、原稿読取面を開閉するプラテンカバー5が設けられ、その上部に自動原稿搬送装置(以下、単にADFと言う)6が組み込んである。画像読取部2の前面には、各種の操作ボタンを備えた操作パネル7が設けてある。記録部1の下方には給紙カセット8が配置してあり、この給紙カセット8と、画像読取部2の下方の排紙部9との間の記録紙搬送路10に沿って、先の画像記録装置3と定着装置4が配置してある。プラテンカバー5は、その後端に設けたヒンジ(図示省略)を中心にして上下に揺動することにより、原稿載置台の上面に被さり、あるいは原稿載置台の上面を開放できる。
【0023】
図3において原稿載置台の上面はプラテンガラス13で覆われており、その内部に、原稿の第1面を読み取る読取ユニット14と、読取ユニット14を支持するキャリッジなどが配置してある。読取ユニット14は、光源15と、第1から第4の各ミラー16〜19、およびCCDイメージセンサ20などで構成する。読取ユニット14をコンタクトガラス21の真下に位置させておくことにより、ADF6でコンタクトガラス21の上面に沿って搬送される枚葉状の原稿の画像を読み込むことができる。また、読取ユニット14をプラテンガラス13の左側縁から右側縁へ向かって走査することにより、プラテンガラス13の上に載置された固定原稿を読み込むことができる。
【0024】
図4に示すように、ADF6の内部には、上側の原稿トレイ22に臨む給紙口24と、下側の排紙トレイ23に臨む排紙口25とを結ぶ原稿搬送路26が設けてある。給紙口24にはピックアップローラ28と給紙ローラ29が配置してあり、排紙口25には排紙ローラ30が設けてある。図4において符号27は、原稿を給紙ローラ29へ押し付ける押え枠である。原稿の第1面と第2面のそれぞれの画像を、読取ユニット14で連続して読み取るために、原稿搬送路26は次のように構成する。なお、原稿の第1面とは、原稿を原稿トレイ22に載置したときに上側になる面であり、原稿の第2面とは、原稿を原稿トレイ22に載置したときに下側になる面である。
【0025】
原稿搬送路26は、給紙口24を始端にして反時計回転方向へ湾曲しながら連続する第1搬送路31と、第1搬送路31に連続する第2搬送路32と、第2搬送路32から排紙口25にわたる水平の第3搬送路33とを備えている。第2搬送路32は、第1搬送路31に連続して上り傾斜する部分と、水平の部分と、第3搬送路33へ向かって下り傾斜する部分とで構成してある。原稿はこれらの第1〜第3の搬送路31〜33を経由して搬送され、その間に原稿の第1面の画像が読取ユニット14で読み取られる。コンタクトガラス21は、第1搬送路31が第2搬送路32へと変化する下突状の湾曲部に臨んで配置してある。第1搬送路31が、原稿の第1面をコンタクトガラス21へ向かって搬送する搬送路である。
【0026】
原稿搬送路26は、上記の第1〜第3の搬送路31〜33とは別に、第4〜第6の搬送路34〜36を備えている。第1面の画像の読み取りが終了した原稿は、第4搬送路34で反転され、さらに第5搬送路35を介してコンタクトガラス21へ逆向きに搬送されて、第2面の画像の読み取りが行われる。さらに、第2面の画像の読み取りが終了した原稿は、第1搬送路31の一部を経由して第6搬送路36へ搬送することにより、第2搬送路32の一部と、第3搬送路33を経由して排紙口25から排紙される。第5搬送路35が、原稿の第2面をコンタクトガラス21へ向かって搬送する搬送路である。
【0027】
第4搬送路34は、第2搬送路32の中途部と第3搬送路33の終端寄りとの間を接続しており、第1面の画像の読み取りが終了した原稿を反転させる。第5搬送路35は、第2搬送路32と第3搬送路33の隣接部と、第2搬送路32の始端部との間をバイパスしており、第4搬送路34で反転された原稿をコンタクトガラス21へ向かって逆方向に搬送する。第6搬送路36は、第1搬送路31の中途部と、第2搬送路32の中途部とをバイパスしており、第2面の画像の読み取りが終了した原稿を第2搬送路32へ向かって搬送する。
【0028】
上記のように原稿を各搬送路に沿って循環させるために、原稿搬送路26に沿って、第1〜第5の5組の搬送ローラ41〜45を配置している。第1搬送ローラ41は、第1搬送路31と第6搬送路36との分岐部に配置してあり、回転駆動される第1ローラ51と、第1ローラ51に外接する第2ローラ52および第3ローラ53とで構成する。第1ローラ51と第2ローラ52のニップ部は第1搬送路31に臨ませてあり、給紙口24から送給された原稿を第2搬送ローラ42へ向かって搬送する。同様に、第1ローラ51と第3ローラ53のニップ部は第6搬送路36に臨ませてあり、第2面の画像の読み取りを終えた原稿を、第1搬送路31から第6搬送路36へと搬送する。第1搬送路31と第6搬送路36との分岐部には、これらの搬送路のいずれか一方を遮断する第1ゲート体71が設けてある。
【0029】
第2搬送ローラ42は、コンタクトガラス21より上流側の第1搬送路31に配置してあり、回転駆動される第4ローラ54と、第4ローラ54に外接する第5ローラ55とで構成する。第4ローラ54と第5ローラ55のニップ部は第1搬送路31に臨ませてあり、第4ローラ54を正転駆動し、あるいは逆転駆動することにより、原稿を順方向へ搬送し、あるいは逆方向へ搬送できる。また、第4ローラ54を停止した状態で、先の第1搬送ローラ41を駆動することにより、原稿の斜行補正を行える。その詳細は後述する。第2搬送ローラ42の上流側には、原稿の第1面の読取りタイミングを検出する第1センサ47が配置してある。第1センサ47は例えば光センサで構成してあり、読取ユニット14は第1センサ47からの出力信号に基づいて、原稿の第1面の画像の読取りタイミングを決定する。また、第1センサ47からの出力信号に基づいて、第4ローラ54の駆動を停止して斜行補正を行うが、その詳細は後述する。なお、第4ローラ54の正転方向とは、第1ローラ51と同じ向き(反時計回転方向)へ回転する状態をいい、その逆向きの回転を逆転方向とする。
【0030】
第3搬送ローラ43は、第2搬送路32と第5搬送路35との分岐部に配置してあり、回転駆動される第6ローラ56と、第6ローラ56に外接する第7ローラ57および第8ローラ58とで構成する。第6ローラ56と第7ローラ57のニップ部は第2搬送路32に臨ませてあり、第1面の画像の読取を終えた原稿を第4搬送ローラ44へと搬送する。また、第6ローラ56と第8ローラ58のニップ部は第5搬送路35に臨ませてあり、第4搬送路34で反転された原稿を第5搬送路35からコンタクトガラス21へ向かって搬送する。第2搬送路32と第5搬送路35との分岐部には、これらの搬送路のいずれか一方を遮断する第2ゲート体72が設けてある。第3搬送ローラ43に臨む第5搬送路35には、第4搬送路34で反転された原稿の読取りタイミングを検出する第2センサ48が配置してある。第2センサ48は例えば光センサで構成してあり、読取ユニット14は第2センサ48からの出力信号に基づいて、反転された原稿の第2面の画像の読取りタイミングを決定する。また、第2センサ48からの出力信号に基づいて、第4ローラ54を逆転駆動して、反転された原稿を第6搬送路36の側へ搬送するが、その詳細は後述する。
【0031】
第4搬送ローラ44は、台形状の第2搬送路32の上辺部に配置してあり、回転駆動される第9ローラ59と、第9ローラ59に外接する第10ローラ60とで構成してある。第9ローラ59と第10ローラ60のニップ部は、第2搬送路32に臨ませてある。第2搬送路32と第4搬送路34の分岐部には、これらの搬送路のいずれか一方を遮断する第3ゲート体73が設けてある。また、第2搬送路32と、第3搬送路33と、第5搬送路35の分岐部には、第2搬送路32と第3搬送路33とのいずれか一方を遮断する第4ゲート体74が設けてある。
【0032】
第5搬送ローラ45は、第3搬送路33と第4搬送路34との分岐部に配置してあり、回転駆動される第11ローラ61と、第11ローラ61に外接する第12ローラ62および第13ローラ63とで構成する。第11ローラ61と第12ローラ62のニップ部は第4搬送路34に臨ませてあり、第4搬送路34で反転された原稿を第5搬送路35へ向かって搬送する。第11ローラ61と第13ローラ63のニップ部は第3搬送路33に臨ませてあり、これらのローラ61・63が先に説明した排紙ローラ30を構成している。第3搬送路33と第4搬送路34との分岐部には、これらの搬送路のいずれか一方を遮断する第5ゲート体75が設けてある。
【0033】
第1ローラ51と、第6ローラ56と、第9ローラ59と、第11ローラ61は、一方向へ駆動回転する1個のモータ80を駆動源にして、巻掛伝動構造あるいはギヤ伝動構造で同時に回転駆動される。詳しくは、第1ローラ51と第11ローラ61とは、図4において反時計回転方向へ回転駆動され、第6ローラ56と第9ローラ59は、時計回転方向へ回転駆動される。各ローラ51〜63の回転方向は、図4に矢印で示すとおりである。
【0034】
原稿の斜行補正を行い、さらに原稿の第1面と第2面の画像の読み取りを、ADF6で連続して行うために、第1ローラ51に設けた出力ギヤ81と、第4ローラ54に設けた受動ギヤ82との間にローラ駆動機構を設けている。ローラ駆動機構は、出力ギヤ81の動力を受動ギヤ82に伝動し、あるいは逆転した動力を受動ギヤ82に伝動し、あるいは動力の伝動を停止する。出力ギヤ81、および受動ギヤ82は、それぞれ回転自在に軸支してある第1ローラ51のギヤ軸83、および第4ローラ54のギヤ軸84に固定してある。
【0035】
図1においてローラ駆動機構は、出力ギヤ81に常時噛み合う第1中間ギヤ91と、第1中間ギヤ91に常時噛み合う第2中間ギヤ92と、これら両ギヤ91・92を支持するギヤホルダ93と、ギヤホルダ93を切り換え操作する切換機構とで構成する。ギヤホルダ93は、L字状に形成される前後のアーム部94と、これらアーム部94の上端どうしを連結するカムフォロア95とを一体に備えたプレス成形品からなる。
【0036】
出力ギヤ81と、第1、第2の両中間ギヤ91・92は、前後に対向するアーム部94の間に配置してあり、第1、第2の両中間ギヤ91・92は、それぞれ前後のアーム部94で支持したギヤ軸96・97で回転自在に支持してある。ギヤホルダ93の全体は出力ギヤ81のギヤ軸83に支持されて、ギヤ軸83の回りに回動でき、この回動によって両中間ギヤ91・92のいずれか一方を受動ギヤ82に噛合させ、あるいは受動ギヤ82との噛合状態を解消できる。なお、出力ギヤ81と受動ギヤ82の歯数は同じに設定してある。第1中間ギヤ91の歯数は、出力ギヤ81、受動ギヤ82および第2中間ギヤ92の歯数とは異なり、第2中間ギヤ92の歯数は、出力ギヤ81および受動ギヤ82の歯数と異ならせてある。しかし、第1、第2の両中間ギヤ91・92は回転動力を伝動する中間ギヤとして機能するだけであるので、出力ギヤ81と受動ギヤ82との間で駆動回転数が増速され、あるいは減速されることはない。但し、各ギヤの歯数の関係は、前記に限られず他の関係もとりうる。
【0037】
図6に示すように、ギヤホルダ93用の切換機構は、プルプランジャ型のソレノイド(駆動部材)101を駆動源にして、卵形のカム102をラチェット機構で間欠的に回転操作して、ギヤホルダ93をギヤ軸83の回りに揺動させる。ラチェット機構は、カム102の後側に固定したラチェットギヤ104と、揺動アーム105に装着したラチェット爪106などで構成する。ラチェットギヤ104には4個のラチェット歯が設けてあり、各ラチェット歯を図6において時計回転方向へ90度ずつ間欠的に送り操作することにより、カム102の姿勢を切り換えることができる。
【0038】
揺動アーム105は、カム軸107で回動自在に支持してあり、その板面に設けた長穴108に、プランジャ109に固定した操作ロッド110の突端がピン111を介して連結してある。ラチェット爪106は、キックばね112でラチェット歯に圧接する向きに付勢してある。また、プランジャ109は、ソレノイド101の本体部の内部に設けたばね(図示していない)で、常に進出する向きへ付勢されており、ソレノイド101のコイルに駆動電流が供給されていない状態では、図6に示すように、本体部の外へ突出している。図1において符号103は、カムフォロア95をカム102に密着させる圧縮コイル形のばねである。
【0039】
カム102は、カム軸107の中心から最も遠く離れた第1カム面121と、カム軸107の中心に最も近づく第2カム面122と、これらのカム面121・122を滑らかに連続させる一対の第3カム面123とで卵形に形成してある。ソレノイド101に駆動電流を供給すると、プランジャ109がソレノイド101の本体部の内部に引き込まれ、揺動アーム105がプランジャ109に同行して下向きに回動する。同時に、ラチェット爪106がラチェットギヤ104を時計回転方向へ90度だけ回動させ、カム102の姿勢を変更する。ソレノイド101への駆動電流の供給が停止されると、プランジャ109はばねで待機位置へと押し上げられ、ラチェット爪106は上方へ移動しながらラチェットギヤ104のラチェット歯を乗り越えてその受動面に係合する。
【0040】
(斜行補正) 原稿の斜行補正は、第2搬送ローラ42を停止した状態で第1搬送ローラ41を回転駆動して行なう。第2搬送ローラ42を停止させるときは、原稿が通過したことを第1センサ47で検知し、同センサ47からの出力信号に基づき、切換機構を作動させてカム102の姿勢を図1に示す状態に切り換え、第3カム面123でカムフォロア95を受け止める。この状態では、第1中間ギヤ91と第2中間ギヤ92のいずれもが、受動ギヤ82から分離しているので第2搬送ローラ42は停止している。そのため、第1搬送ローラ41で搬送された原稿は、その搬送始端が第4ローラ54と第5ローラ55のニップ部に受止められ、さらに第1搬送ローラ41で搬送されるので、斜行している原稿の姿勢が矯正される。
【0041】
第2搬送ローラ42が停止したのち、所定時間が経過した状態で斜行補正モードは解除され、これと同時に切換機構を作動させてカム102の姿勢を図7に示す状態に切り換えて、第4ローラ54を正転方向へ駆動し、原稿の搬送を開始する。図1の状態からソレノイド101を作動させると、プランジャ109によってカム102が90度だけ回転され、第1カム面121がカムフォロア95をばね103の付勢力に抗して押し上げる。これにより、ギヤホルダ93がギヤ軸83の回りに反時計回転方向へ回動するので、図7に示すように第1中間ギヤ91が受動ギヤ82と噛み合って、受動ギヤ82を出力ギヤ81と同じ向きに回転駆動させる。つまり、第4ローラ54は第1ローラ51と同じ向きに正転駆動されて、原稿を第1搬送路31から第2搬送路32へと搬送し、その間に、第1面の画像が読取ユニット14で読み取られる。以後は、図4に連続する矢印線で示すように、第2搬送路32と第3搬送路33を経由して排紙口25から排出される。
【0042】
(原稿の両面読み取り) 原稿の第1面と第2面の画像を読み取る場合には、先の説明と同様にして原稿の第1面の画像を読み取ったのち、原稿を第2搬送路32から第4搬送路34へ搬送して反転する。さらに反転された原稿を第5搬送路35を介してコンタクトガラス21へ向かって逆向きに搬送し、第2面の画像を読み取る。この搬送過程において、原稿が通過したことを第2センサ48で検知し、同センサ47からの出力信号に基づき、切換機構を作動させてカム102の姿勢を図8に示す状態に切り換え、第2カム面122でカムフォロア95を受け止める。これにより、第2搬送ローラ42を逆向きに回転駆動して、原稿を第1搬送路31の一部を経由して第6搬送路36へ搬送し、第2搬送路32および第3搬送路33を経て排紙口25から排出する。
【0043】
第2搬送ローラ42を逆向きに回転駆動するために、ソレノイド101を2回作動させて、ギヤホルダ93を図7に示す状態から図8に示す状態に切り換える。ソレノイド101を1回作動させた状態では、図1に示すように第3カム面123がカムフォロア95を受け止めるが、このときのカム102の姿勢は図1に示す姿勢から180度反転している。
【0044】
ソレノイド101を2度目に作動させた状態では、図8に示すようにカム102の第2カム面122がカムフォロア95を受け止める。これにより、ギヤホルダ93はばね103に押されてギヤ軸83の回りに時計回転方向へ回動し、第2中間ギヤ92が受動ギヤ82と噛み合って、受動ギヤ82を出力ギヤ81とは逆向きに回転駆動する。つまり、第4ローラ54は第1ローラ51と逆向きに逆転駆動されて、原稿を第1搬送路31から第6搬送路36へと搬送し、その間に第2面の画像が読取ユニット14で読み取られる。
【0045】
第1搬送ローラ41へ逆向きに搬送された原稿は、第1ゲート体71に案内されて第1ローラ51と第3ローラ53のニップ部を通過し、第6搬送路36を直進して第4搬送ローラ44へ搬送される(図5参照)。さらに、第4搬送ローラ44を通過した原稿は、第3ゲート体73に案内されて第2搬送路32から第3搬送路33へと搬送されて排紙口25から排出される。なお、第1〜第5の各ゲート体71〜75は、以上に説明した原稿の搬送を補助する向きに適宜切り換えられて、原稿が進入すべきではない側の各搬送路を遮断する。
【0046】
以上のように、第1、第2の中間ギヤ91・92と、ギヤホルダ93と、ソレノイド101およびカム102などで構成したローラ駆動機構によれば、第1ローラ51の回転動力を第4ローラ54に対して、断続し、あるいは逆転した状態で伝動できる。したがって、第1搬送ローラ41と第2搬送ローラ42の協同作用で、原稿の斜行補正を行えるのはもちろん、第2搬送ローラ42を逆転駆動して、原稿の第1面と第2面の画像の読み取りを、ADF6内で円滑に連続して行うことができる。
【0047】
また、ソレノイド101を駆動源にして、ギヤホルダ93の姿勢を切り換えて第4ローラ54への動力を断続し、あるいは逆転駆動するので、ローラ駆動機構の構造を簡素化して、より低コストで構成できる。たとえば、正逆転モータまたはステッピングモータを駆動源とし、あるいは電磁クラッチを使用する従来装置においては、全体構造が複雑になり、高価な部品の使用が不可欠であったが、こうした不具合を一掃してローラ駆動機構の全体コストを削減できる。また、第2搬送ローラ42を使用する必要がない状態においては、ソレノイド101を作動させてカム102の姿勢を変更することにより、第2搬送ローラ42を停止してモータ80の負荷を軽減できるので、動力の無駄な消費を解消できる。また、受動ギヤ82と、同ギヤ82に噛み合うギヤ91・92の摩耗を軽減できる。
【0048】
図9は、切換機構の別の実施例を示す。そこでは、上記の実施例におけるカム102やラチェット構造を省略して、ギヤホルダ93をソレノイド(駆動部材)101で直接切り換えるようにした。詳しくは、プランジャ109の引き込み位置を3段階に制御できるソレノイド101を使用して、ギヤホルダ93を切り換え操作できるようにした。ギヤホルダ93には操作アーム98が設けてあり、その板面に形成した長穴108に、プランジャ109に固定した操作ロッド110の突端がピン111を介して連結してある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0049】
上記の切換機構によれば、プランジャ109がソレノイド101の本体部のから最も進出した状態では、第1中間ギヤ91が受動ギヤ82と噛み合い、したがって第4ローラ54を正転駆動できる。この状態から、プランジャ109をソレノイド101の本体部の内部へ1段階だけ引き込むと、ギヤホルダ93がギヤ軸83の回りに時計回転方向へ回動し、第1中間ギヤ91が受動ギヤ82から分離する。このとき、第2中間ギヤ92は受動ギヤ82に接近するが、噛み合う状態にはならないので、第4ローラ54は停止する。プランジャ109をソレノイド101の本体部の内部へさらに1段階引き込むと、ギヤホルダ93がギヤ軸83の回りに時計回転方向へ回動するため、第2中間ギヤ92が受動ギヤ82と噛み合う。したがって第4ローラ54は逆転駆動される。
【0050】
以上のように、ギヤホルダ93をソレノイド101で直接切り換え操作すると、先の実施例におけるカム102およびラチェット機構などを省略できるので、切換機構の構造を簡素化してローラ駆動機構の全体コストをさらに削減できる。また、ギヤホルダ93を時間遅れを伴うこともなく迅速に、しかも的確に切り換えることができるので、原稿の搬送速度の高速化に対応できる利点もある。
【0051】
上記の実施例では、原稿の第1面と第2面の画像を読み取り可能とするために、原稿搬送路26を第1搬送路31から第6搬送路36で構成したが、原稿搬送路26の構造は実施例で説明した構造である必要はない。また、ローラ駆動機構は、出力ギヤを備えた搬送ローラと、出力ギヤの回転動力が伝動される受動ギヤを備えた搬送ローラとの間であれば、どこに設けてあってもよい。第1搬送ローラ41と第2搬送ローラ42は、それぞれ専用のモータで回転駆動することができ、その場合には、第2搬送ローラ42用のモータの出力軸に出力ギヤ81を設ける。駆動部材は、ソレノイド以外のアクチュエータで構成することができる。
【符号の説明】
【0052】
6 自動原稿搬送装置
21 コンタクトガラス
26 原稿搬送路
31 第1搬送路
32 第2搬送路
41 第1搬送ローラ
42 第2搬送ローラ
81 出力ギヤ
82 受動ギヤ
83 ギヤ軸
91 第1中間ギヤ
92 第2中間ギヤ
93 ギヤホルダ
101 駆動部材(ソレノイド)
102 カム
104 ラチェットギヤ
106 ラチェット爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿搬送路の上流側に第1搬送ローラが配置され、前記第1搬送ローラの下流側に第2搬送ローラが配置してある自動原稿搬送装置であって、
一方向へ駆動回転するモータの動力を受けて回転駆動される出力ギヤと、前記第2搬送ローラに設けられる受動ギヤと、
前記出力ギヤの回転動力を前記受動ギヤに伝動するローラ駆動機構と、
前記ローラ駆動機構の伝動状態を切換える切換機構とを備え、
前記ローラ駆動機構は、前記第2搬送ローラが正転駆動される状態と、逆転駆動される状態と、停止する状態とに前記切換機構で切り換え可能に構成されており、
回転駆動された状態の前記第1搬送ローラと、停止した状態の前記第2搬送ローラとの間で原稿の斜行補正を行うことを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項2】
前記ローラ駆動機構が、前記出力ギヤに常時噛み合う第1中間ギヤと、
前記第1中間ギヤに常時噛み合う第2中間ギヤと、
前記第1中間ギヤと前記第2中間ギヤを支持して、前記出力ギヤのギヤ軸の回りに回動するギヤホルダとを含み、
前記ギヤホルダを前記切換機構で切り換え操作して、前記第1中間ギヤと前記第2中間ギヤのいずれかを前記受動ギヤに噛合させて、前記第2搬送ローラを正転駆動し、あるいは逆転駆動でき、
前記ギヤホルダを前記切換機構で切り換え操作して、前記受動ギヤへの動力伝動を遮断できる請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項3】
前記切換機構が、駆動部材と、前記駆動部材でラチェット機構を介して間欠的に回転操作されるカムと、前記ギヤホルダに設けられて、前記カムで切り換え操作されるカムフォロアと、前記カムフォロアを前記カムと密着する向きに付勢するばねとを含む請求項1または2に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項4】
前記原稿搬送路の中途部に、原稿の画像を読み取るためのコンタクトガラスが配置されており、
原稿の第1面を前記コンタクトガラスへ向かって搬送する第1搬送路と、原稿の第2面を前記コンタクトガラスへ向かって搬送する第5搬送路とのそれぞれに、原稿の第1面の読取りタイミングを検出する第1センサと、反転された原稿の第2面の読取りタイミングを検出する第2センサとが配置されており、
前記第1センサと前記第2センサからの出力信号に基づき、前記ローラ駆動機構を前記切換機構で切り換え操作して、前記第2搬送ローラを停止状態に保持し、あるいは逆転駆動する請求項1、2または3のいずれかひとつに記載の自動原稿搬送装置。
【請求項5】
前記切換機構が、プランジャの引き込み位置を3段階に制御できるソレノイドで構成されており、
前記ギヤホルダを前記ソレノイドで直接切り換え操作して、前記第2搬送ローラを正転駆動する状態と、前記第2搬送ローラを逆転駆動する状態と、前記第2搬送ローラを停止する状態とに切り換えることができるように構成されている請求項2に記載の自動原稿搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−176836(P2012−176836A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41424(P2011−41424)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】