説明

自動取引システムおよび自動取引方法

【課題】ATMによらず、個々のパソコン等でICカード内の自動取引手順が、入力、修正、削除等の操作が可能であり、予め大量の処理や複雑な操作を個々人の状況に併せて容易に設定可能であり、そかもATMの操作誤りによる異常の発生を最小限にすることが可能な自動取引システムを提供する。
【解決手段】ICカード内に自動取引手順が複数記憶可能なICカードと、ICカードを認識すると、ICカード内の自動取引手順を選択可能になり、選択された自動取引手順による自動取引を実行する自動取引端末よりなる自動取引システムであって、ICカード内の自動取引手順を自動取引端末以外の情報処理機器を用いて操作可能であることを特徴とする自動取引システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関や現金を扱う業務等で利用しているATM、CD、MMK、券売機、換金機等の自動取引端末において、ICカードを用いた自動取引端末による自動取引システムおよび自動取引方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置に、その動作を規定するスクリプト(自動取引手順)を記述したファイルを格納したICカードの読み込み手段を設け、該ICカード読み込み手段により読み込んだスクリプト内容を前記自動取引装置が実行することを特徴とする自動取引装置におけるスクリプト実行方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このほか、ICカードと同じ様なカードに自動取引手順を磁気で記憶させた振込カードなども公知であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−24912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の発明では、自動取引手順を結局、ATM等で設定等の操作することが必要であったが、多くの人に共通に使用できることを目的としてATMの操作方法が設定しているために、ATMの使用方法が煩雑になっていた。また、目が不自由であればタッチパネルなどの操作に支障を生じるが、目が不自由な場合や、その他多くの状況に対応する様にATMの構造や操作方法を対応させるのには限度があった。加えて、多くの人に汎用的に対応させる必要があるため、却って操作方法の種類が多くなり、結果として操作が面倒な構造になっていたため、操作時間が掛かる場合が多くなっていた。また、この様に操作が面倒な構造になっていたため、操作誤りが発生していた他、操作手順の理解が容易でないため、振込詐欺の温床になっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で、前記課題を解決するため、まず、請求項1に係る発明では、ICカードを用いた自動取引端末による自動取引システムにおいて、
ICカード内に自動取引手順が複数記憶可能なICカードと、
ICカードを認識すると、ICカード内の自動取引手順を選択可能になり、選択された自動取引手順による自動取引を実行する自動取引端末よりなる自動取引システムであって、
ICカード内の自動取引手順を自動取引端末以外の情報処理機器を用いて操作可能であることを特徴とする自動取引システムを提供するものである。
【0007】
また、請求項2に係る発明では、ICカード内の自動取引手順を自動取引端末を用いても操作可能であることを特徴とする請求項1記載の自動取引システムを提供するものである。
【0008】
また、請求項3に係る発明では、ICカード内の自動取引手順を記憶させた自動取引端末と異なる自動取引端末を用いて自動取引手順による自動取引を実行することが可能であることを特徴とする請求項1または2記載の自動取引システムを提供するものである。
【0009】
また、請求項4に係る発明では、ICカード内の自動取引手順が定時処理を含むことを特徴とする請求項1から3何れか記載の自動取引システムを提供するものである。
【0010】
また、請求項5に係る発明では、ICカード内の自動取引手順が自動取引完了後に自動削除可能であることを特徴とする請求項1から4何れか記載の自動取引システムを提供するものである。
【0011】
また、請求項6に係る発明では、ICカード内の自動取引手順による取引履歴が記憶されることを特徴とする請求項1から5何れか記載の自動取引システムを提供するものである。
【0012】
また、請求項7に係る発明では、ICカードを自動取引端末が認識すると、ICカード内の自動取引手順を選択可能になり、選択された自動取引手順による自動取引を実行する自動取引方法であって、
ICカード内の自動取引手順が自動取引端末以外の情報処理機器を用いて操作可能であることを特徴とする自動取引方法を提供するものである。
【0013】
また、請求項8に係る発明では、ICカード内の自動取引手順を自動取引端末を用いても操作可能であることを特徴とする請求項7記載の自動取引方法を提供するものである。
【0014】
また、請求項9に係る発明では、ICカード内の自動取引手順を記憶させた自動取引端末と異なる自動取引端末を用いて自動取引手順による自動取引を実行することが可能であることを特徴とする請求項7または8記載の自動取引方法を提供するものである。
【0015】
また、請求項10に係る発明では、ICカード内の自動取引手順が定時処理を含むことを特徴とする請求項7から9何れか記載の自動取引方法を提供するものである。
【0016】
ICカード内の自動取引手順が自動取引完了後に自動削除されることを特徴とする請求項7から10何れか記載の自動取引方法を提供するものである。
【0017】
ICカード内の自動取引手順による取引履歴が記憶されることを特徴とする請求項7から11何れか記載の自動取引方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、ATMによらず、個々のパソコン等でICカード内の自動取引手順が、入力、修正、削除等の操作が可能であり、予め大量の処理や複雑な操作を個々人の状況に併せて容易に設定可能であり、そかもATMの操作誤りによる異常の発生を最小限にすることが可能になった。
【0019】
なお、ICカード内の自動取引手順を自動取引端末を用いても操作可能であることにより、ATM等の自動取引端末でも併せて使用可能であり、緊急時などの対応がや対処が可能になる。
【0020】
また、ICカード内の自動取引手順を記憶させた自動取引端末と異なる自動取引端末を用いて自動取引手順による自動取引を実行することが可能であることにより、自動取引手順を記憶させた自動取引端末の設置している銀行やコンビニのATMとは異なった銀行やコンビニのATMであっても、簡単に自動取引手順による自動取引を実行することが可能になる。
【0021】
この場合のATMは、銀行の店舗に設置されているATMの他、店舗外に独立または別の銀行とは関係のない店舗や公共機関等に設置されているATMも含む。さらに、そのATM自体が銀行の設置によるものでなく、コンビニ等の他の業態が設置主体となっているATMであり、その店舗等の内部に設置するものの他、証券会社等の銀行ではない主体のATM等のほか、各種決済システムとネットワークで結びつけられる各種決済が可能なシステムの端末などであっても構わない。
【0022】
また、ICカード内の自動取引手順が定時処理を含むことにより、随時発生する一回限りの自動取引手順だけではなく、毎日、毎週、毎月などの定期処理も設定可能になった。
【0023】
また、ICカード内の自動取引手順が自動取引完了後に自動削除可能であることにより、一回限りの操作が複数回操作されることがない様に、定時処理などの複数回の処理を前提としない処理を対象に、実際に処理された操作手順をその操作手順処理の終了と同時、もしくは終了後に削除することで、同じ動作が複数回行われる問題を防止することが可能になった。
【0024】
また、ICカード内の自動取引手順による取引履歴が記憶されることにより、今までおこなった取引を確認することが可能になり、それを参考にあらたな取引の設定が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る自動取引システムのブロック図である。
【図2】本発明の図1の実施の形態に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャートである。
【図3】本発明の図1の実施の形態に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャートである。
【図4】本発明の図1の実施の形態に係る自動取引システムのICカードのデータ構成概念図である。
【図5】本発明の図1の実施の形態に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【図6】図1の実施の形態とは異なる本発明に係る自動取引システムのブロック図である。
【図7】本発明の図6の実施の形態に係る本発明に係る自動取引システムの別なATMによる自動取引手順の操作のフローチャートである。
【図8】本発明の図2や図6の実施の形態とは異なる実施の形態に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャートである。
【図9】本発明の図2や図6や図8の実施の形態とは異なる実施の形態に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャートである。
【図10】本発明の図2や図6や図8や図9の実施の形態とは異なる実施の形態に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第一の実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明に係る自動取引システムのブロック図、図2は本発明に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャート、図3は本発明に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャート、図4はその振替え輸送券の自動発行機の情報入力装置の模式図、図5は本発明に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【0028】
まず、このICカード11は、自動取引端末の一種であるATM13のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM13の画面で操作できる。他方、このICカード11は、パソコン12のICカードリーダライタに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをパソコン12で操作できる。この構成における情報処理機器としては、パソコンが該当する。
【0029】
次に、このATM13操作を説明すれば、利用者は、ATM13のカードスロットにICカード11を挿入する(S101)。これに対しATM13はICカード11を読込み、ATM識別子をICカード11に送信する(S102)。このATM識別子を受領したICカード11は、そのATM13を認識し(S103)、その上で、そのATM13もしくはATM13の対応する取引ネットワーク、例えばそのATM13の銀行システムに対応した取引データをATM13に送信する(S104)。
【0030】
この取引データを受領したATM13では、その取引データを解析し(S105)、このATM13で取引可能な内容か確認し、必要に応じて暗証番号等による認証動作を行ったのち、ATM13の操作画面に取引データに対応した操作メニューを表形式等の各種表示手段により利用者に表示する(S106)。この様に表示された操作メニューから、利用者がATMを操作し、取引データからどれかの取引内容を選択、もしくはどの取引データも選択しない取引内容を選択する(S107)。選択された取引内容は、ATM13にて取引実行を試みる(S108)。この場合、実行が成功した場合も、実行が残高不足等により成功しないも取引実行とする。この様な取引内容、すなわち実行が成功した場合はその取引内容、取引が成功しなかった場合は、残高不足等のその原因を取引内容としてATM13にて表示し、利用者に取引内容確認(S109)を促す。
【0031】
次に、記録操作の代表例として自動取引手順の一種である取引内容を入力する場合で説明する。また、この場合、パソコン12にはICカード11のリーダライタが可能なカードスロットが内蔵もしくは外付けで備わっているものと解する。
【0032】
利用者は、パソコン12のICカードの記録作成、修正、削除等の記録操作が可能なソフトウエアを立ち上げる(S201)。パソコン12ではこのソフトウエアの動作に従って、利用可能なATM表示をディスプレイで表示する(S202)。この表示に対応して利用者は自動取引手順を実行させようとするATM種、すなわち銀行の選択等を行うATM選択を行う(S203)。パソコン12では、選択されたATMで操作可能な操作メニュー表を表示する(S204)。それに対応して操作者は、具体的な取引内容である自動取引手順を入力し、取引内容入力を行う(S205)。これに対応してパソコン12では、具体的な取引データ作成し(S206)、必要に応じて内容確認等の終了後、作成された取引データをICカード11に送信する。送信を受けたICカード11では、受信した取引データを内部記憶部に取引データ書込(S208)を行う。
【0033】
次に、この様な操作が可能なICカード11の記憶領域について説明すれば、このICカードには複数のATM操作可能な銀行の記憶フォルダとして、A銀行のアプリケーションDF301、B銀行のアプリケーションDF401・・・・が設けられている。
【0034】
各々のアプリケーションDFには、複数の処理手順を共通にするレコードをまとめたEFが設けられ、例えば毎日処理EF311、毎月処理EF321、毎年処理EF331、汎用処理EF341などに分けられている。具体的な自動取引手順は、EF内にレコードとして記憶可能で、複数のレコードが記憶可能であり、例えば毎日処理EF311内にはレコード1(312)、レコード2(312)、レコード3(313)などからなっている。
【0035】
さらに、各々のレコードは、複数の取引単位が記憶可能で、例えば一つのレコードないにはブロック1、ブロック2、・・・・、ブロックn等からなっている。この各々のブロックには、取引内容を示すIDや使用する金融機関コード、口座番号、金額、最終実行日時等が記憶されている。
【0036】
具体的に実行されるのは、レコード単位であり、あるレコードが実行の指示がされた場合は、そのレコード内のブロック全ての実行が試行される。
【0037】
この場合の取引手順は、上記取引内容を記録するのが一般的であるが、変更削除も可能である。また、上記取引手順の記録はパソコンにより行えるが、一般のICカード同様にATMでも操作可能であるのが好ましく、実際の取引とは関係のない単なる自動取引手順に記録が可能なほか、実際の取引を行って、その手順を再度利用可能に記録する方法も可能であるのが好ましい。
【0038】
また、ICカードが単一の銀行等の取引システムに対応した複合カードではない単一カードの場合は、ICカードを読み取った段階で利用ATMシステム、すなわち銀行等を自動的に判別し、利用ATMシステムの選択を省略するのが好ましい。また、記録されている自動取引手順も、そのまま実行させることも可能だが、実行確認を行うことも可能である。
【0039】
また、認証方法についても、暗証番号を用いる方法の他、指静脈認証、顔認証等の生体認証等各種認証方法を用いることが可能であり、ICカードに予め組み込む方法や、通信を用いて認証する方法等各種認証方式が採用可能であり、ICカード自動認証の他、取引毎に認証を必要とする方法、重要度に応じて使い分ける方法等、各種の認証方法が利用でき、複数の認証方式を組み合わせることも可能である。また、一定回数誤認証の場合、無効化や通報等の不正利用防止方式を採用することも可能である。さらに、認証動作も、最初に認証する方法のほか、最後の取引確定時に認証する方法も可能である。
【0040】
(第二実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】
図6は本発明に係る自動取引システムのブロック図、図7は本発明に係る自動取引システムのATMによる自動取引手順の操作のフローチャート、他は第一の実施の形態と同様に、図3は本発明に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャート、図4はその振替え輸送券の自動発行機の情報入力装置の模式図、図5は本発明に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【0042】
まず、このICカード51は、自動取引端末の一種であるATM52のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM52の画面で操作できる。他方、このICカード51は、他行の他店舗のATM53のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM53の画面で操作できる。
【0043】
次に、このATM52の操作を説明すれば、利用者は、ATM52のカードスロットにICカード11を挿入する(S101)。これに対しATM52はICカード51を読込み、ATM識別子をICカード51に送信する(S102)。このATM識別子を受領したICカード11は、そのATM13を認識し(S103)、その上で、そのATM13もしくはATM13の対応する取引ネットワーク、例えばそのATM13の銀行システムに対応した取引データをATM13に送信する(S104)。
【0044】
この取引データを受領したATM52では、その取引データを解析し(S105)、このATM52で取引可能な内容か確認し、必要に応じて暗証番号等による認証動作を行ったのち、ATM52の操作画面に取引データに対応した操作メニューを表形式等の各種表示手段により利用者に表示する(S106)。この様に表示された操作メニューから、利用者がATMを操作し、取引データからどれかの取引内容を選択、もしくはどの取引データも選択しない取引内容を選択する(S107)。選択された取引内容は、ATM52にて取引実行を試みる(S108)。この場合、実行が成功した場合も、実行が残高不足等により成功しないも取引実行とする。この様な取引内容、すなわち実行が成功した場合はその取引内容、取引が成功しなかった場合は、残高不足等のその原因を取引内容としてATM52にて表示し、利用者に取引内容確認(S109)を促す。また、必要に応じてATM52は、ICカード51の取引データを更新動作を行う(S110)。これに応じてICカード51では、必要に応じて取引データを記憶する(S111)。
【0045】
次に、記録操作の代表例として自動取引手順の一種である取引内容を入力する場合で説明する
利用者は、ATM53にカードを挿入する(S401)。ATM53では操作可能な操作メニューを表示する(S402)。それに対応して操作者は、具体的な取引内容である自動取引手順を入力し、取引内容入力を行う(S403)。これに対応してATM53では、具体的な取引データ作成し(S404)、必要に応じて内容確認等の終了後、作成された取引データをICカード51に送信する(S405)。送信を受けたICカード11では、受信した取引データを内部記憶部に取引データ書込(S405)を行う。
【0046】
次に、この様な操作が可能なICカード51の記憶領域等は、第一の実施の形態と同様である。
【0047】
また、取引可能な端末は、銀行毎、支店毎等に設定も可能で、この様な場合、銀行コードや支店コードで代表されるATM識別子が設定される方式の他、証券、信販、プリペイドカード等のそのネットワーク上で利用可能な各種金融システムの設定が可能で、各種有効な識別子を一つもしくは複数可能になっている。
【0048】
また、上記取引には、上記認証を含んだり、現金やプリペイドカードの出し入れ、通帳の出し入れ、決済完了までの取引のほか、決済不能その他の理由に基づく決済中止やその決済中止の理由の表示や記録、決済記録や表示、残高表示や記憶、取引日時などの各種動作を含むものでも構わない。
【0049】
(第三の実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
図8は本発明に係る自動取引システムのブロック図、他は第一の実施の形態と同様に、図2は本発明に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャート、図3は本発明に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャート、図4はその振替え輸送券の自動発行機の情報入力装置の模式図、図5は本発明に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【0051】
まず、このICカード11は、自動取引端末の一種であるATM13のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM13の画面で操作できる。他方、このICカード11は、パソコン12のICカードリーダライタに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをパソコン12で操作できる。この構成における情報処理機器としては、パソコンが該当する。
【0052】
次に、このATM13操作を説明すれば、利用者は、ATM13のカードスロットにICカード11を挿入する(S501)。これに対しATM13はICカード11を読込み、ATM識別子をICカード11に送信する(S502)。このATM識別子を受領したICカード11は、そのATM13を認識し(S503)、その上で、そのATM13もしくはATM13の対応する取引ネットワーク、例えばそのATM13の銀行システムに対応した取引データをATM13に送信する(S504)。
【0053】
この取引データを受領したATM13では、その取引データを解析し(S505)、このATM13で取引可能な内容か確認し、必要に応じて暗証番号等による認証動作を行ったのち、ATM13の操作画面に取引データに対応した操作メニューを表形式等の各種表示手段により利用者に表示する(S506)。この様に表示された操作メニューから、利用者がATMを操作し、取引データから定時処理を選択する(S507)。選択された取引内容は、ATM13の対応する取引ネットワークに送信し(図示せず)、定時になった時点で引実行を試みる。必要に応じて取引データを記憶する。
【0054】
次に、記録操作の代表例として自動取引手順の一種である取引内容を入力する場合で説明する。また、この場合、パソコン12にはICカード11のリーダライタが可能なカードスロットが内蔵もしくは外付けで備わっているものと解する。
【0055】
利用者は、パソコン12のICカードの記録作成、修正、削除等の記録操作が可能なソフトウエアを立ち上げる(S201)。パソコン12ではこのソフトウエアの動作に従って、利用可能なATM表示をディスプレイで表示する(S202)。この表示に対応して利用者は自動取引手順を実行させようとするATM種、すなわち銀行の選択等を行うATM選択を行う(S203)。パソコン12では、選択されたATMで操作可能な操作メニュー表を表示する(S204)。それに対応して操作者は、具体的な取引内容である自動取引手順を入力し、定時処理の取引内容入力を行う(S205)。これに対応してパソコン12では、具体的な取引データ作成し(S206)、必要に応じて内容確認等の終了後、作成された定時処理に関する取引データをICカード11に送信する。送信を受けたICカード11では、受信した取引データを内部記憶部に取引データ書込(S208)を行う。
【0056】
次に、この様な操作が可能なICカード11の記憶領域について説明すれば、このICカードには複数のATM操作可能な銀行の記憶フォルダとして、A銀行のアプリケーションDF301、B銀行のアプリケーションDF401・・・・が設けられている。
【0057】
各々のアプリケーションDFには、複数の処理手順を共通にするレコードをまとめたEFが設けられ、例えば毎日処理EF311、毎月処理EF321、毎年処理EF331、汎用処理EF341などに分けられている。具体的な自動取引手順は、EF内にレコードとして記憶可能で、複数のレコードが記憶可能であり、例えば毎日処理EF311内にはレコード1(312)、レコード2(312)、レコード3(313)などからなっている。
【0058】
さらに、各々のレコードは、複数の取引単位が記憶可能で、例えば一つのレコードないにはブロック1、ブロック2、・・・・、ブロックn等からなっている。この各々のブロックには、取引内容を示すIDや使用する金融機関コード、口座番号、金額、最終実行日時等が記憶されている。この実施の形態の場合は定時処理なので、例えば毎日処理EF311、毎月処理EF321、毎年処理EF331等に追加される。
【0059】
具体的に実行されるのは、レコード単位であり、あるレコードが定時処理の時刻に該当した場合は、その定時処理に関する処理の実行が試行される。
【0060】
この場合の取引手順は、上記取引内容を記録するのが一般的であるが、変更削除も可能である。また、上記取引手順の記録はパソコンにより行えるが、一般のICカード同様にATMでも操作可能であるのが好ましい。
(第四の実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0061】
図9は本発明に係る自動取引システムのブロック図、他は第一の実施の形態と同様に、図2は本発明に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャート、図3は本発明に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャート、図4はその振替え輸送券の自動発行機の情報入力装置の模式図、図5は本発明に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【0062】
まず、このICカード11は、自動取引端末の一種であるATM13のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM13の画面で操作できる。他方、このICカード11は、パソコン12のICカードリーダライタに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをパソコン12で操作できる。この構成における情報処理機器としては、パソコンが該当する。
【0063】
次に、このATM13操作を説明すれば、利用者は、ATM13のカードスロットにICカード11を挿入する(S601)。これに対しATM13はICカード11を読込み、ATM識別子をICカード11に送信する(S602)。このATM識別子を受領したICカード11は、そのATM13を認識し(S603)、その上で、そのATM13もしくはATM13の対応する取引ネットワーク、例えばそのATM13の銀行システムに対応した取引データをATM13に送信する(S604)。
【0064】
この取引データを受領したATM13では、その取引データを解析し(S605)、このATM13で取引可能な内容か確認し、必要に応じて暗証番号等による認証動作を行ったのち、ATM13の操作画面に取引データに対応した操作メニューを表形式等の各種表示手段により利用者に表示する(S606)。この様に表示された操作メニューから、利用者がATMを操作し、取引データからどれかの取引内容を選択、もしくはどの取引データも選択しない取引内容を選択する(S607)。選択された取引内容は、ATM13にて取引実行を試みる(S608)。この場合、実行が成功した場合も、実行が残高不足等により成功しないも取引実行とする。この様な取引内容、すなわち実行が成功した場合はその取引内容、取引が成功しなかった場合は、残高不足等のその原因を取引内容としてATM13にて表示し、利用者に取引内容確認(S609)を促す。そして、ATM13は、ICカード11の取引内容確認できた取引データを削除する(S610)。これに応じてICカード11では、取引内容確認できた取引データを削除する(S611)。
【0065】
次に、記録操作の代表例として自動取引手順の一種である取引内容を入力する場合で説明する。また、この場合、パソコン12にはICカード11のリーダライタが可能なカードスロットが内蔵もしくは外付けで備わっているものと解する。
【0066】
利用者は、パソコン12のICカードの記録作成、修正、削除等の記録操作が可能なソフトウエアを立ち上げる(S201)。パソコン12ではこのソフトウエアの動作に従って、利用可能なATM表示をディスプレイで表示する(S202)。この表示に対応して利用者は自動取引手順を実行させようとするATM種、すなわち銀行の選択等を行うATM選択を行う(S203)。パソコン12では、選択されたATMで操作可能な操作メニュー表を表示する(S204)。それに対応して操作者は、具体的な取引内容である自動取引手順を入力し、取引内容入力を行う(S205)。これに対応してパソコン12では、具体的な取引データ作成し(S206)、必要に応じて内容確認等の終了後、作成された取引データをICカード11に送信する。送信を受けたICカード11では、受信した取引データを内部記憶部に取引データ書込(S208)を行う。
【0067】
次に、この様な操作が可能なICカード11の記憶領域について説明すれば、このICカードには複数のATM操作可能な銀行の記憶フォルダとして、A銀行のアプリケーションDF301、B銀行のアプリケーションDF401・・・・が設けられている。
【0068】
各々のアプリケーションDFには、複数の処理手順を共通にするレコードをまとめたEFが設けられ、例えば毎日処理EF311、毎月処理EF321、毎年処理EF331、汎用処理EF341などに分けられている。具体的な自動取引手順は、EF内にレコードとして記憶可能で、複数のレコードが記憶可能であり、例えば毎日処理EF311内にはレコード1(312)、レコード2(312)、レコード3(313)などからなっている。
【0069】
さらに、各々のレコードは、複数の取引単位が記憶可能で、例えば一つのレコードないにはブロック1、ブロック2、・・・・、ブロックn等からなっている。この各々のブロックには、取引内容を示すIDや使用する金融機関コード、口座番号、金額、最終実行日時等が記憶されているが、処理を終了すると取引データを削除する。
【0070】
その他は第一の実施の形態と同様である。
【0071】
(第五の実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0072】
図10は本発明に係る自動取引システムのブロック図、他は第一の実施の形態と同様に、図2は本発明に係る自動取引システムのパソコンによる自動取引手順の操作のフローチャート、図3は本発明に係る自動取引システムのATMによる取引のフローチャート、図4はその振替え輸送券の自動発行機の情報入力装置の模式図、図5は本発明に係る自動取引システムのICカードのレコード構成概念図である。
【0073】
まず、このICカード11は、自動取引端末の一種であるATM13のカードスロットに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをATM13の画面で操作できる。他方、このICカード11は、パソコン12のICカードリーダライタに挿入でき、このカードスロットに挿入されたICカードをパソコン12で操作できる。この構成における情報処理機器としては、パソコンが該当する。
【0074】
次に、このATM13操作を説明すれば、利用者は、ATM13のカードスロットにICカード11を挿入する(S701)。これに対しATM13はICカード11を読込み、ATM識別子をICカード11に送信する(S702)。このATM識別子を受領したICカード11は、そのATM13を認識し(S703)、その上で、そのATM13もしくはATM13の対応する取引ネットワーク、例えばそのATM13の銀行システムに対応した取引データをATM13に送信する(S704)。
【0075】
この取引データを受領したATM13では、その取引データを解析し(S705)、このATM13で取引可能な内容か確認し、必要に応じて暗証番号等による認証動作を行ったのち、ATM13の操作画面に取引データに対応した操作メニューを表形式等の各種表示手段により利用者に表示する(S706)。この様に表示された操作メニューから、利用者がATMを操作し、取引データからどれかの取引内容を選択、もしくはどの取引データも選択しない取引内容を選択する(S707)。選択された取引内容は、ATM13に
て取引実行を試みる(S708)。この場合、実行が成功した場合も、実行が残高不足等により成功しないも取引実行とする。この様な取引内容、すなわち実行が成功した場合はその取引内容、取引が成功しなかった場合は、残高不足等のその原因を取引内容としてATM13にて表示し、利用者に取引内容確認(S709)を促す。また、必要に応じてATM13は、ICカード11の取引データを更新動作を行う(S710)。これに応じてICカード11では、取引データを記憶する(S711)。この結果、取引データが集積して取引履歴が集まる。
【0076】
また、上記取引履歴は、定時処理の毎に記憶させるものでも、定時処理として一括記憶させるものでも、その両方でも構わず、ATM等で表示や印刷が可能な場合でも構わない。
【符号の説明】
【0077】
11、51 ICカード
12 パソコン
13、52、53 ATM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを用いた自動取引端末による自動取引システムにおいて、
ICカード内に自動取引手順が複数記憶可能なICカードと、
ICカードを認識すると、ICカード内の自動取引手順を選択可能になり、選択された自動取引手順による自動取引を実行する自動取引端末よりなる自動取引システムであって、
ICカード内の自動取引手順を自動取引端末以外の情報処理機器を用いて操作可能であることを特徴とする自動取引システム。
【請求項2】
ICカード内の自動取引手順を自動取引端末を用いても操作可能であることを特徴とする請求項1記載の自動取引システム。
【請求項3】
ICカード内の自動取引手順を記憶させた自動取引端末と異なる自動取引端末を用いて自動取引手順による自動取引を実行することが可能であることを特徴とする請求項1または2記載の自動取引システム。
【請求項4】
ICカード内の自動取引手順が定時処理を含むことを特徴とする請求項1から3何れか記載の自動取引システム。
【請求項5】
ICカード内の自動取引手順が自動取引完了後に自動削除可能であることを特徴とする請求項1から4何れか記載の自動取引システム。
【請求項6】
ICカード内の自動取引手順による取引履歴が記憶されることを特徴とする請求項1から5何れか記載の自動取引システム。
【請求項7】
ICカードを自動取引端末が認識すると、ICカード内の自動取引手順を選択可能になり、選択された自動取引手順による自動取引を実行する自動取引方法であって、
ICカード内の自動取引手順が自動取引端末以外の情報処理機器を用いて操作可能であることを特徴とする自動取引方法。
【請求項8】
ICカード内の自動取引手順を自動取引端末を用いても操作可能であることを特徴とする請求項7記載の自動取引方法。
【請求項9】
ICカード内の自動取引手順を記憶させた自動取引端末と異なる自動取引端末を用いて自動取引手順による自動取引を実行することが可能であることを特徴とする請求項7または8記載の自動取引方法。
【請求項10】
ICカード内の自動取引手順が定時処理を含むことを特徴とする請求項7から9何れか記載の自動取引方法。
【請求項11】
ICカード内の自動取引手順が自動取引完了後に自動削除されることを特徴とする請求項7から10何れか記載の自動取引方法。
【請求項12】
ICカード内の自動取引手順による取引履歴が記憶されることを特徴とする請求項7から11何れか記載の自動取引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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