説明

自動取引装置

【課題】取引に使用した携帯電話等に媒体の置き忘れを利用者に確実に報知して、置き忘れを防止する。
【解決手段】アンテナを内蔵した読み取り部を備え、該読み取り部上に配置される携帯媒体に内蔵された非接触ICチップからカードデータを読み取ると共に、前記非接触ICチップからの応答の有無に従って前記携帯媒体が前記読み取り部上に存在するか否かを検知する非接触ICリーダ109と、紙幣の入出金口を開閉するシャッタと、取引操作の案内を表示すると共に、顧客による取引操作の入力を受け付ける表示入力部102と、前記非接触ICリーダ、前記シャッタ、および表示入力部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知したとき、入出金取引を一時停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に係り、特にカードデータを格納した携帯媒体を用いて認証を行う自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の機能向上は 目覚しく、例えば、携帯電話に内蔵された非接触ICチップはキャッシュカードとしての機能を持つようになった。このような機能を有する場合においては、例えば、携帯電話を現金自動取引装置の情報読み取り部に近づけてICチップに格納した情報を読取らせることにより、キャッシュカードを持ち歩かなくても 金融取引を実行することのできる技術が普及し始めている。
【0003】
例えば、特許文献1には、磁気カードリーダー部を介してキャッシュカードからキャッシュカード情報を読み出し、読み出した情報を携帯電話機に内蔵された非接触ICカードに書き込むと、その後は、携帯電話を現金自動取引装置に近づけて口座情報を読み取らせることで、取引を開始できるようにした自動取引装置が示されている。
【0004】
特許文献2には、携帯電話に、該携帯電話に内蔵されたICチップから自動取引装置(ATM)に非接触でデータ転送するデータ転送手段を設け、暗証番号およびATMにおける金融処理情報を前記ICチップに書き込んだ後、書き込んだ情報をデータ転送手段を介してATMに転送することにより、ATMを用いた取引を開始することが示されている。
【0005】
また、特許文献3には、自動取引装置を用いた取引実行後、非接触通信媒体である取引カードに対する読取りを行ない、取引実行に用いた取引カードが存在する場合には、取引カードの置き忘れがあることを顧客に案内することが示されている。。
【0006】
特許文献4には、非接触ICカードに基づく証明書発行を行う証明書発行装置において、
前記非接触ICカードから読み取った情報に基づい証明書を発行した後、カードリーダから前記非接触ICカードへの読取り動作を実行し、前記非接触ICカードが所定位置に存在することを検知したとき、非接触ICカードの取り忘れを警告することが示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来技術によれば、自動取引装置を用いた取引の終了後に、携帯電話、あるいは非接触ICカード等の携帯媒体を置き忘れ(回収忘れ)をしている場合に、そのことを利用者に警告することはできる。 しかし、利用者が前記警告に気づくことなく、立ち去る場合がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、取引に使用した媒体の置き忘れを利用者に確実に報知することのできる自動取引装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0010】
アンテナを内蔵した読み取り部を備え、該読み取り部上に配置される携帯媒体に内蔵された非接触ICチップからカードデータを読み取ると共に、前記非接触ICチップからの応答の有無に従って前記携帯媒体が前記読み取り部上に存在するか否かを検知する非接触ICリーダと、紙幣の入出金口を開閉するシャッタと、 取引操作の案内を表示すると共に、顧客による取引操作の入力を受け付ける表示入力部と、前記非接触ICリーダ、前記シャッタ、および表示入力部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知したとき、入出金取引を一時停止する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上の構成を備えるため、取引に使用した媒体の置き忘れを利用者に確実に報知して、置き忘れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1ないし図7を参照して、第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る自動取引装置(ATM)101の概要を説明する図である。
【0014】
図1において、101は自動取引装置、102はタッチパネル等で構成された表示入力部であり、操作案内画面を表示して顧客120の入力操作を受け付ける。103は硬貨を入出金する硬貨入出金口、104は紙幣を入出金する紙幣入出金口、105は通帳の受け入れや排出を行う通帳入出口、106はカードの受け入れ、排出あるいは取引明細票の排出を行うカードおよび明細票入出口、107は顧客センサであり、利用者(顧客)120が自動取引装置101に近づいたことおよび自動取引装置101から離れたたことを検知する。108はスピーカであり、取引誘導のための音声ガイダンス、あるいは監視センタから操作を支援する監視員のガイダンス用の音声を出力する。
【0015】
自動取引装置101には、非接触ICチップと近距離通信できる非接触ICリーダ109、および生体認証装置としての指静脈リーダ111が 実装されている。また、携帯電話110には非接触ICチップが内蔵されている。前記非接触ICチップ内には、キャッシュカードデータやクレジットカードデータなどのカードデータが電子化されて格納されている。
【0016】
利用者120は、非接触ICリーダ109の上に、ICチップを内蔵した携帯電話110あるいは非接触ICカードを近づけることにより、現金の入金出金などの取引を行うことが可能である。指静脈リーダ111は、生体認証による本人確認が必要な場合に利用者120がかざす指から指静脈を読取り、事前に登録しているデータと照合することにより本人確認を行うことができる。
【0017】
図2は、図1に示す自動取引装置の機能を説明する図である。自動取引装置101は、自動取引装置101全体を制御する主制御部209、スピーカ108、顧客センサ107、表示入力部102、指静脈リーダ111、非接触ICリーダ109、キャッシュカードの情報を読み書きするカード取扱機構206、明細票の印字処理を行う明細票機構207、紙幣の入出金等を処理する紙幣入出金機構204、紙幣入出金機構204の上部に取り付けられる紙幣入出金口104のシャッタ(ふた)を制御するシャッタ制御部208、硬貨の入出金等を処理する硬貨入出金機構203、および通帳への印字処理を行う通帳機構205を備える。
【0018】
なお、主制御部209は、各処理を制御するCPU210、各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ211、ホストやサーバとデータを送受信するための通信部212、利用者120との取引内容等を逐次記録するハードディスクあるいは光ディスク等からなる記録部213を備える。また、主制御部209には必要な電力を供給する電源214が接続されている。
【0019】
図3は、図1,2に示す非接触ICリーダ109の詳細を説明する図である。非接触ICリーダ109の表面には、非接触媒体あるいは非接触媒体を内蔵した携帯電話110等の携帯媒体を載置あるいは近づけるための載置台303を備える。また、非接触ICリーダ109は、アンテナ302を内蔵している。該アンテナ302は、携帯電話110に内蔵された非接触ICチップに接続された内蔵アンテナ301と対向して非接触で送受信を行う。
【0020】
図4は、自動取引装置101における取引処理(携帯電話110を用いて行う)を説明する図である。
【0021】
図4において、利用者120が自動取引装置101の前に近づいてきて、顧客センサ107が利用者120の存在を検知すると、主制御部209は表示入力部102に、図5に示す取引選択画面を表示し、該画面の中から利用者120に実施したい取引を選択させる(S401)。取引選択画面には、携帯電話110による取引メニューである「ケータイ取引(携帯取引)」があり、この例の場合、利用者はこのメニューを選択する(S402)。
【0022】
前記メニューを選択すると、表示入力部102には、図6に示すケータイ取引の選択画面を表示する。利用者120はこの例の場合「クレジット借入れ」を選択する(S403)。選択後、表示入力部102には、図7に示す携帯電話110を非接触ICリーダに近づける(リーダ上にセットする)ことを促すセット案内を表示し(S404)、携帯電話110が非接触ICリーダの上に近づけられるのを検知する。携帯電話が近づけられて検知して交信可能になると、前記選択した取引メニューに応じた利用者120の口座情報を、携帯電話110に内蔵された非接触ICチップから読取る(S405)。
【0023】
次に、主制御部209は表示入力部102に、図9に示す暗証番号の入力画面を表示し(S406)、暗証番号入力を促す。さらに、図10に示す借入れ希望金額の入力画面を表示し(S407)、借入れ金額の入力を促す。
【0024】
暗証番号および借入れ金額が入力されると、主制御部209は、これらの取引情報を通信部212を介して金融機関の事務センタに送信する(S408)。事務センタのホストコンピュータは、送信されてきた利用者120の口座情報をもとに予め登録された暗証番号を検索し、検索した暗証番号と前記入力された暗証番号と照合する。照合に成功したときは前記借入れ希望金額分の出金を許容する旨、自動取引装置101に返信する。これらの処理は中央交信と呼ばれている。なお、このとき、図11に示す「中央交信中」であることを表す画面を表示する。
【0025】
次に、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110の非接触ICチップに対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S409)。応答が返ってくる場合は、携帯電話110が載置台に置き忘れたままとなっていると判断し、応答がない場合は載置台から回収されたと判断する(S410)。置き忘れたままであると判断した場合、置き忘れ検知タイマをスタートさせる(S411)。そして表示入力部102には、図12に示す携帯電話の回収を促すメッセージ「現金を出金するために、携帯電話をお取り下さい」を表示する。また、スピーカ108から、同様なメッセージを音声で発報する(S412)。次に、顧客センサ107により利用者120が自動取引装置101の前から立去ったか否かを判断し(S413)、利用者120が立ち去っていない場合は、置き忘れ検知タイマ経過時間を読取り、所定の時間が経過してタイムアウトになっているか否かを判断する(S414)。タイムアウトになっていない場合は、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S415)。
【0026】
応答が返ってくる場合は、携帯電話110が置き忘れたままとなっていると判断し、応答が返ってこない場合は取り除かれたことと判断する(S416)。置き忘れたままであると判断した場合は、ステップS412に戻り、表示入力部102あるいはスピーカ108から再度携帯電話の回収を促すメッセージを発報する。
【0027】
なお、ステップS413において、利用者120が自動取引装置101の前から立去った(携帯電話110を置き忘れたまま利用者120が立ち去った)と判断した場合には、自動取引装置101による取引を中止した上で(S417)、係員を呼び出して携帯電話110の回収を指示する(S418)。
【0028】
また、ステップS414において、タイマがタイムアウトすると、タイムアウトが初めてのタイムアウトであるか2回目のタイムアウトであるかを判断し(S419)、初めてのタイムアウトであれば、図13に示す「取引取消し画面」を表示し、利用者120に、取引を最初からやり直すように案内する(S420)。2回目のタイムアウトである場合は自動取引装置101による取引を中止した上で(S417)、係員を呼び出して(S418)、利用者120に操作を案内するように指示する。
【0029】
ステップS410、あるいはS416において、携帯電話110が載置台から回収されたと判断した場合は、明細票印字機構207により取引内容を印字した明細票をカードおよび明細票入出口106から排出する(S421)。また、紙幣入出金機構204は出金動作を開始し、借入れ希望金額分の紙幣を繰り出し、紙幣入出金口104から排出する(S422)。利用者120がそれらを受け取って、自動取引装置101から離れたことを顧客センサ107が確認すると、取引は終了する。
【0030】
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、中央交信の終了後(すなわち、図4に示す点(B))から携帯電話110の置き忘れ検知を開始した。これに対して本実施形態では、非接触ICチップから利用者120の口座情報を読み取り後(すなわち、図4に示す点(A))から携帯電話110の置き忘れ検知を開始する。
【0031】
図8は、本実施形態にかかる自動取引装置101における取引処理(口座情報読取り後(A)から中央交信終了後(B)まで)を説明する図である。
【0032】
図8において、非接触ICチップから利用者120の口座情報読み取り後(A)、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信してその応答を監視し(S801)、携帯電話110が置き忘れたままとなっているか否かを検出する(S802)。携帯電話110が置き忘れたままとなっている場合は、置き忘れ検知タイマをスタートさせた上で(S803)、図9に示す通常の暗証番号入力案内の画面内に、「携帯電話をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S804)。そして、図9に示す暗証番号入力案内の画面を表示して、暗証番号入力を促す(S805)。
【0033】
利用者120が暗証番号の入力を終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S806)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ携帯電話が回収されたと判断する(S807)。応答が返ってくれば、図10に示す、通常の借入れ金額の入力案内の画面内に、「携帯電話をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S808)。そして、図10に示す借入れ金額の入力案内の画面を表示する(S809)。
【0034】
利用者120が借入れ金額の入力を終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S810)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ携帯電話が回収された判断する(S811)。応答が返ってくれば、置き忘れたままと判断して、図11に示す通常の「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内画面内に、「携帯電話をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S812)。暗証番号と借入れ金額が入力されると、主制御部209は、図11に示す「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内の画面を表示するとともに、通信部212を用いて金融機関の事務センタに、これらの取引情報を送信する(S813)。センタへの送信が終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S814)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答なければ携帯電話は取り除かれた判断する(S815)。応答が返ってくれば、置き忘れたままと判断し、図11に示す「携帯電話をお取り下さい」の警告表示を付加した「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内の画面を表示する(S816)。そして、置き忘れ検知タイマを読み取り、所定時間が経過してタイムアウトになっているか否かを判定する(S817)。所定時間以内なら、S814に戻って非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、以下繰り返しとなる。
【0035】
ステップS817でタイムアウトになっていると判断した場合は、携帯電話を置き忘れているため、図12に示す「現金を出金するので、携帯電話をお取り下さい」の警告表示を行い、スピーカ108からも同様の音声ガイダンスを行う(S818)。
【0036】
以上の例では、携帯電話110の置き忘れ警告に際して、図9から図11に示すように「携帯電話をお取り下さい」の表示を通常の案内画面内に付加して表示するのみであるが、図3に示す非接触ICリーダ109の置き台303などにフリッカランプを取り付けておき、携帯電話110が置き忘れている場合はフリッカランプを点滅させて、置き忘れをより目視確認し易くしてもよい。
【0037】
[第3の実施形態]
非接触ICリーダ109と携帯電話110に内蔵した非接触ICチップ間で良好な交信を維持するには、非接触ICリーダ109の内蔵アンテナ301と非接触ICリーダ109のアンテナ301と平行して対向し、かつ中心軸を一致させてある距離範囲内(約20mm以内)に接近させる必要がある。ところが、図14に示すように携帯電話110が置き台303の隅に配置されたり、中心軸がずれて配置された場合には交信ができない。このような場合には、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信しても、その応答を検知することはできず、携帯電話110の置き忘れを検知することができない。
【0038】
本実施形態は、載置台303の下にバネ1401を取り付け、載置台303を上下に移動可能に構成する。また、載置台303の端部を折り曲げて検知切片1402を形成する。さらに、この検知切片1402を挟むように置き忘れ検知センサ1403を取り付ける。 前記載置台303上に非接触式ICカードあるいは携帯電話110等の非接触式媒体が置かれると、その自重により載置台は降下する。この降下を置き忘れ検知センサ1403で検知することにより、置き忘れをより確実に検知することができる。
【0039】
図15は、置き忘れ検知センサ1403により携帯電話110の置き忘れを検知(口座情報読取り後(A)から中央交信(B)までの間で行う)する例を説明する図である。
【0040】
図15において、口座情報読取り後(A)、主制御部209は置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S1501)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物ありを検知すると(S1502)、置き忘れ検知タイマをスタートさせた上で(S1503)、図16に示す通常の暗証番号入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S1504)。そして、図16に示す暗証番号入力案内の画面を表示して、暗証番号の入力を促す(S1505)。利用者120が暗証番号の入力を終ると、置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S1506)。非接触ICリーダ109の上に物ありを確認すると(S1507)、図17に示す通常の借入れ金額の入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S1508)。そして、図17に示す借入れ金額の入力案内の画面を表示する(S1509)。
【0041】
利用者120が借入れ金額の入力を終ると、置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S1510)。非接触ICリーダ109の上に物ありを確認すると(S1511)、図18に示す通常の「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S1512)。暗証番号と借入れ金額が入力されると、主制御部209は図18に示す「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内の画面を表示するとともに、通信部212を用いて金融機関の事務センタに、これらの取引情報を送信する(S1513)。センタへの送信が終ると、置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S1514)。非接触ICリーダ109の上に物ありを確認すると(S1515)、図18に示す「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加した「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の案内の画面を再表示する(S1516)。そして、置き忘れ検知タイマを読み取り、所定の時間が経過してタイムアウトになっているか否かを判断する(S1517)。タイムアウトになっていない場合は、ステップS1514に戻って置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取り、以下繰り返しとなる。ステップS1517においてタイムアウトになっている場合は、「現金を出金するために、非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を行い、スピーカ108からも同様の音声ガイダンスを行う(S1518)。
【0042】
[第4の実施形態]
図20は、非接触ICリーダ109と置き忘れ検知センサ1403との両者により、携帯電話110の置き忘れを検知(口座情報読取り後(A)から中央交信(B)までの間で行う)する例を説明する図である。
【0043】
図20において、口座情報読取り後(A)、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、応答を監視する(S2001)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れとなっていると判断し(S2002)、置き忘れ検知タイマをスタートさせた上で(S2003)、図16に示す通常の暗証番号入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2004)。前記非接触ICリーダ109からのポーリングコマンドに対する応答がない場合においても、念のため、置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S2005)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303上に物ありを検知すると(S2006)、置き忘れ検知タイマをスタートさせた上で(S2003)、図16に示す通常の暗証番号入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2004)。そして、図16に示す暗証番号入力案内の画面を表示して、暗証番号の入力を促す(S2007)。
【0044】
利用者120が暗証番号の入力を終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信する(S2008)。ポーリングコマンドに対する応答が返ってくれば、図17に示す通常の借入れ金額の入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2010)。前記ポーリングコマンドに対する応答がない場合においても、念のため置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S2011)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物ありを検知すると(S2012)、図17に示す通常の借入れ金額の入力案内の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2010)。そして、図17に示す借入れ金額の入力案内の画面を表示する(S2013)。
【0045】
利用者120が借入れ金額の入力を終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信してその応答を監視し、携帯電話110が置き忘れたままになっているか否かを判断する(S2014)。非接触ICリーダ109の上に物ありを判断すると(S2015)、図18に示す通常の「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2016)。非接触ICリーダ109は前記応答がなくても、念のため置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S2017)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物ありを検知すると(S2018)、図18に示す通常の「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の画面内に、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2016)。暗証番号と借入れ金額が入力されると、主制御部209は図18に示す、「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の画面を表示するとともに、通信部212を用いて金融機関の事務センタに、これらの取引情報を送信する(S2019)。
【0046】
センタへの送信が終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信して、その応答を監視し(S2020)、携帯電話110が置き忘れたままになっていると判断すると(S2021)、図18に示す「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加した「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の画面を再表示する(S2022)。次に置き忘れ検知タイマを読み取り、所定の時間が経過してタイムアウトになっているか否かを判断する(S2023)。タイムアウトになっていなければ、S2020に戻って、以下繰り返しとなる。ステップS2023でタイムアウトになっている場合は、図19に示す非接触ICリーダ109に物を置き忘れているため、「現金を出金するために、非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」と警告表示を行い、スピーカ108からも同様の音声ガイダンスを行う(S2024)。ステップS2021で非接触ICリーダ109が応答を検知しない場合においても、念のため、置き忘れ検知センサ1403の出力を読み取る(S2025)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物ありを確認すると(S2026)、図18に示す、「非接触ICリーダの上の物をお取り下さい」の警告表示を付加した「しばらくお待ち下さい(中央交信中)」の画面を再表示する(S2022)。
【0047】
[第5の実施形態]
図21は、非接触ICリーダ109と置き忘れ検知センサ1403との両者により、携帯電話110の置き忘れを検知(中央交信(B)以降に行う)する例を説明する図である。
【0048】
図21において、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、応答を監視する(S2101)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ回収されたと判断する(S2102)。携帯電話110が置き忘れたままとなっている場合は、置き忘れ検知タイマをスタートさせる(S2103)。非接触ICリーダ109から携帯電話110の置き忘れが確認できなくても、念のため置き忘れ検知センサ1403の出力を読取り(S2104)、置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物があるか否かを判断する(S2105)。
【0049】
携帯電話110が置き忘れたままとなっていると判断した場合は、置き忘れ検知タイマをスタートさせる(S2103)。そして表示入力部102には図19に示す「現金を出金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」の画面を表示し、スピーカ108からは同様な音声ガイダンスで、利用者120に警告を発する(S2106)。顧客センサ107により利用者120が自動取引装置101の前から立去ったか否かを検知する(S2107)。利用者120の存在を検知すると、置き忘れ検知タイマを読取り、所定の時間が経過してタイムアウトになっているか否かを検知する(S2108)。タイムアウトになっていない場合には、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S2109)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ回収されたと判断する(S2110)。置き忘れたままであるなら、S2106に戻り、表示入力部102あるいはスピーカ108から図19の「現金を出金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」と再度ガイダンスして、利用者120に警告を発する。非接触ICリーダ109により携帯電話110の置き忘れが確認できなくても、念のため置き忘れ検知センサ1403の出力を読取る(S2111)。置き忘れ検知センサ1403が非接触ICリーダ109の載置台303の上に物ありを検知したか否かを判断し(S2112)、検知した場合には、ステップS2106に戻る。以下にこの繰り返しの中で、利用者120が携帯電話110を回収するのを待つ。ステップS2108で所定の時間が経過してタイムアウトになると、タイムアウトになったのが初めてであるか、2回目であるかを判断し(S2113)、初めてである場合は図13に示す「取引取消し画面」を表示し、利用者120に最初からやり直すように案内する(S2114)。2回目である場合は自動取引装置101を取引中止とした上で(S2115)、係員を呼び出して利用者120の操作を案内させる(S2116)。ステップS2107において、携帯電話110を置き忘れたまま利用者120が立ち去ってしまった場合には、自動取引装置101を取引中止とした上で(S2115)、係員に通報して携帯電話110の回収を指示する(S2116)。
【0050】
[第6の実施形態]
図22は、紙幣入出金機構204の紙幣入出金口104を説明する図である。紙幣入出金口104には、シャッタ(ふた)2201が取付けられている。シャッタ2201は、常時はシャッタ・ロック2202と係合して、こじ開けられないようにロックされている。シャッタを開く際にはシャッタ・ロック解除ソレノイド2203に給電してシャッタ・ロック2202を下方に吸引し、ロックを解除した上で、シャッタモータ2204を駆動して、シャッタ2201を開く。これらのシャッタ開閉動作は図2に示すシャッタ制御部208により制御される。
【0051】
図23は、シャッタ制御部208の制御回路を説明する図である。シャッタ・ロック解除ソレノイド2203の解除信号は、非接触ICリーダ109からの携帯電話110無し信号1と置き忘れ検知センサ1403からの携帯電話110無し信号2の双方が存在するという条件で有効となり、ロックが解除されてシャッタを開くことができる。
【0052】
図24は、非接触ICリーダ109を、紙幣入出金口104のシャッタ2201に取付けた例を説明する図である。この例では、紙幣入出金口104のシャッタ2201が非接触ICリーダ109の載置台となっている。図1に示す例とは、利用者120が携帯電話110をシャッタ2201の上に近づけることになる点で異なる。
【0053】
図25は、非接触ICリーダ109を紙幣入出金口104のシャッタ2201に取付けた場合における取引処理(中央交信(B)以降)を説明する図である。
【0054】
図25において、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し(S2501)、応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ回収されたと判断する(S2502)。携帯電話110が置き忘れたままとなっている場合には、置き忘れ検知タイマをスタートさせる(S2503)。そして表示入力部102には、図19に示す「現金を出金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」の画面を表示し、スピーカ108からは同様な音声ガイダンスで利用者120に警告を発する(S2504)。そして顧客センサ107により利用者120が自動取引装置101の前から立去ったか否かを検知する(S2505)。次に置き忘れ検知タイマを読み取り、所定の時間が経過してタイムアウトになったか否かを判断する(S2506)。タイムアウトになっていない場合は、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S2507)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ回収されたと判断する(S2508)。置き忘れたままであると判断した場合は、ステップS2504に戻り、表示入力部102やスピーカ108から図19の「現金を出金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」を再度ガイダンスして、利用者120に警告を発する。以下にこの繰り替えしの中で、利用者120が携帯電話110を回収するのを待つ。ステップS2506において所定の時間が経過してタイムアウトになると、初めてのタイムアウトであるか2回目のタイムアウトであるかを判断し(S2509)、初めてのタイムアウトであれば、図13に示す「取引取消し画面」を表示し、利用者120に最初からやり直すように案内する(S2510)。
【0055】
ステップS2505において、携帯電話110を置き忘れたまま利用者120が立ち去った場合には、自動取引装置101は「取引中止」を表示する(S2511)。また、主制御部209はシャッタ制御部208に対して携帯電話110の回収指示を発行する(S2512)。この場合、主制御部は、図26に示すように、紙幣入出金口104のシャッタ2201を開いて、携帯電話110を紙幣入出金口に落下させて回収し(S2513)、回収が終わるとシャッタ2201を閉じる(S2514)。
【0056】
図27は、非接触ICリーダ109を、紙幣入出金口104のシャッタ2201に取付けた場合におけるシャッタ制御部208の制御回路を説明する図である。シャッタ・ロック解除ソレノイド2203の解除信号は、非接触ICリーダ109からの携帯電話110なし信号1がない、すなわち携帯電話110置き忘れている場合で携帯電話の回収信号があった場合に有効となる排他論理に接続されている。紙幣入出金口に回収した携帯電話は、その後、係員に通報して回収を依頼する(S2515)。ステップS2509において、2回目のタイムアウトであると判断した場合には、係員を呼び出して利用者120に操作を案内させる(S2515)。
【0057】
[第7の実施形態]
以上、自動取引装置の処理を携帯電話110を用いた「クレジット借入れ」という出金取引を例に説明したが、本実施形態では「クレジット返済」という入金取引を例に自動取引装置の処理を説明する。
【0058】
図28は、自動取引装置101における出金取引処理(携帯電話110を用いて行う)を説明する図である。 図28において、利用者120が自動取引装置101の前へ近づいてきて、顧客センサ107が利用者120の存在を検知すると、主制御部209は表示入力部102に、図5に示す取引選択画面を表示し、利用者120にこれらの中から実施したい取引を選択させる(S2801)。取引選択画面には、携帯電話110による取引メニュー「ケータイ取引」があり、この例の場合、「ケータイ取引」を選択する(S2802)。表示入力部102には、図6に示す「ケータイ取引」および「クレジット返済」の選択画面を表示する。この例の場合、利用者120は「クレジット返済」を選択する(S2803)。選択した後、表示入力部102には、図7に示す携帯電話110のセット案内を表示し(S2804)、携帯電話110が非接触ICリーダの上に近づけられるのを検知する。近づけられたのを検知して交信可能になると、携帯電話110に内蔵された非接触ICチップから前記選択した種別に応じた利用者120の口座情報を読取る(S2805)。
【0059】
次に、主制御部209は非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信して、その応答を監視し(S2806)、携帯電話110が置き忘れたままになっているか否かを判断する(S2807)。携帯電話110が置き忘れたままとなっていると判断した場合には、置き忘れ検知タイマをスタートさせた上で(S2808)、図9に示す通常の暗証番号入力案内の画面内に、「携帯電話をお取り下さい」の警告表示を付加する準備を行う(S2809)。そして、図9に示す暗証番号入力案内の画面を表示して、暗証番号の入力を促す(S2810)。
【0060】
利用者120が暗証番号の入力を終ると、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S2811)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっていると判断し、応答がなければ回収されたと判断する(S2812)。応答が返ってきた場合は、携帯電話110が置き忘れたままであるから、表示入力部102に、図29に示す「現金を入金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」の画面を表示し、スピーカ108からは同様な音声ガイダンスで、利用者120に警告を発する(S2813)。そして、顧客センサ107により利用者120が自動取引装置101の前から立去ったか否かを判断する(S2814)。次に置き忘れ検知タイマを読み取り、所定の時間が経過してタイムアウトになったか否かを判断する(S2815)。タイムアウトになっていない場合は、非接触ICリーダ109から携帯電話110に対してポーリングコマンドを送信し、その応答を監視する(S2816)。応答が返ってくれば、携帯電話110が置き忘れたままとなっており、応答がなければ回収されたと判断する(S2817)。置き忘れたままであるなら、S2813に戻り、表示入力部102あるいはスピーカ108から図29の「現金を入金するために、非接触ICリーダの上にある物をお取り下さい」と再度ガイダンスして、利用者120に警告を発する。以下にこの繰り替えしの中で、利用者120が携帯電話110を手元に戻すことを待つが、S2815で所定の時間が経過してタイムアウトになると、タイムアウトが、初めてのタイムアウトか2回目のタイムアウトかを判断する(S2818)。初めてのタイムアウトであれば、図13に示す「取引取消し画面」を表示し、利用者120に最初からやり直すように案内する(S2819)。
【0061】
ステップS2814において、携帯電話110を置き忘れたまま利用者120が立ち去った場合には、自動取引装置101は「取引中止」を表示して(S2820)、主制御部209はシャッタ制御部208に対して携帯電話110の回収指示を発行する(S2821)。この場合、シャッタ制御部208は、図26に示すように、紙幣入出金口104のシャッタ2201を開いて、携帯電話110を落下させて回収し(S2822)、回収し終わるとシャッタ2201を閉じる(S2823)。この後、係員に通報して携帯電話110を回収を指示する(S2824)。ステップS2815において、タイムアウトが2回目であると判断した場合は、係員を呼び出して利用者120に操作を案内させる(S2824)。
【0062】
携帯電話110が非接触ICリーダ109から回収されると、図30に示す入金案内を表示して、紙幣入出金口104のシャッタ2201を開く。利用者120が紙幣を挿入すると紙幣を繰り出しながら計数する(S2825)。計数が終ると、その金額を表示して利用者120に確認を促す(S2826)。暗証番号の入力と金額の確認が終ると、主制御部209は通信部212を用いて金融機関の事務センタに、これらの取引情報を送信する(中央交信)。事務センタのホストコンピュータは送信されてきた利用者120の口座情報から予め登録された暗証番号と照合し、照合されれば返済金額分の入金処理を行った上で、自動取引装置101に返信する(S2827)。自動取引装置101は明細票印字機構207により取引内容を印字された明細票を、カードおよび明細票入出口106から排出する(S2828)。利用者120が明細票を受け取って、自動取引装置101から離れたことを顧客センサ107が確認すると、取引は終了する。
【0063】
なお、図28では、顧客センサ107による利用者120の立去りを、暗証番号が入力された以降からとしているが、利用者情報読取り後でも良いし、更には利用者120が自動取引装置101に前に立った時から常時監視してもよい。
【0064】
また、以上の説明では、携帯電話に内蔵した非接触ICチップを非接触ICリーダ109に近づけて非接触ICチップから利用者120の口座情報を読み取り終ると、携帯電話110は非接触ICリーダ109から利用者120の手元に戻すことを前提に説明したが、取引によっては再度非接触ICチップから利用者120の別の口座情報を読み取る場合もある。これらの場合は非接触ICチップからの読取りが全て終了してから、置き忘れを監視すればよい。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、
(1)現金自動取引装置において、口座情報の読み取り後から取引が終了するまでの間、非接触式ICカードを内蔵する携帯電話あるいは非接触式ICカード等の携帯媒体がICリーダ等の情報読み取り部の上に載置されたままになっているか否かを検知し、載置されたままである(置き忘れ)場合には、回収するように警告を文字表示、音声表示、あるいはフリッカ表示を用いて発報することができる。
【0066】
(2)置き忘れの場合は、警告を発するほか、入出金口のシャッタ(ふた)をロックして、現金の出し入れを禁止することにより、前記置き忘れを利用者に確実に気付かせることができる。
【0067】
(3)入出金口のシャッタ(ふた)に非接触式IC情報読み取り部のアンテナ部を取付け、該アンテナ部を取付けた入出金口のシャッタ(ふた)を携帯電話あるいは非接触式ICカードの載置台とする。これにより、利用者に入出金口のシャッタ(ふた)が開かない原因を携帯電話等の置き忘れとして知らせることができる。
【0068】
(4)携帯電話等を置き忘れたまま利用者が立ち去ってしまった場合には、紙幣入出金口のシャッタ(ふた)を開いて、携帯電話等を紙幣入出金機構内に回収する。これにより携帯電話等の紛失を確実防止することができる。
【0069】
このように、携帯媒体から口座情報を読み取った後に、携帯媒体を前記情報読み取り部上に置き忘れていると、通常の出金あるいは入金処理と並行して表示画面あるいは音声で、携帯媒体の置き忘れをガイダンスして、現金の出し入れ前の段階までに、回収されるように利用者を促す。また、前記携帯媒体を置き忘れたまま利用者が立ち去ってしまった場合には、紙幣入出金口のシャッタ(ふた)を開いて、携帯電話等を紙幣入出金機構内に回収する。
【0070】
このため、置き忘れによる携帯媒体の紛失を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】自動取引装置の概要を説明する図である。
【図2】図1に示す自動取引装置の詳細を説明する図である。
【図3】非接触ICリーダの詳細を説明する図である。
【図4】自動取引装置における取引処理を説明する図である。
【図5】取引選択画面を示す図である。
【図6】携帯取引の選択画面を示す図である。
【図7】携帯電話をICリーダ上にセットすることを案内する画面を示す図である。
【図8】自動取引装置における取引処理を説明する図である。
【図9】暗証番号の入力画面を示す図である。
【図10】借り入れ希望金額の入力画面を示す図である。
【図11】中央交信中を表す画面を示す図である。
【図12】携帯電話の回収を促す画面を示す図である。
【図13】取引取り消しを表す画面を示す図である。
【図14】置き台上に載置された携帯電話を説明する図である。
【図15】置き忘れ検知センサにより携帯電話の置き忘れを検知する例を説明する図である。
【図16】暗証番号入力画面を示す図である。
【図17】借入金額の入力画面を示す図である。
【図18】中央交信中を表す画面を示す図である。
【図19】警告表示画面を示す図である。
【図20】非接触ICリーダと置き忘れ検知センサとの両者により、携帯電話の置き忘れを検知する例を説明する図である。
【図21】非接触ICリーダと置き忘れ検知センサとの両者により、携帯電話の置き忘れを検知する例を説明する図である。
【図22】紙幣入出金機構の紙幣入出金口を説明する図である。
【図23】シャッタ制御部の制御回路を説明する図である。
【図24】非接触ICリーダを、紙幣入出金口のシャッタに取付けた例を説明する図である。
【図25】非接触ICリーダを紙幣入出金口のシャッタに取付けた場合における取引処理を説明する図である。
【図26】紙幣入出金口に携帯電話を落下させて回収する処理を説明する図である。
【図27】シャッタ制御部の制御回路を説明する図である。
【図28】出金取引処理を説明する図である。
【図29】警告表示画面を示す図である。
【図30】入金案内を表示する画面を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
101 自動取引装置(ATM)
102 表示入力部
104 紙幣入出金口
105 通帳入出口
106 明細表入出口
107 顧客センサ
108 スピーカ
109 非接触ICリーダ
110 携帯電話
120 利用者
204 紙幣入出金機構
205 通帳印字機構
206 カード取扱機構
207 明細票印字機構
208 シャッタ制御部
209 主制御部
301 内蔵アンテナ
302 アンテナ
303 載置台
1402 検知切片
1403 置き忘れ検知センサ
2201 シャッタ(ふた)
2202 シャッタロック
2203 シャッタロック解除ソレノイド
2204 シャッタモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを内蔵した読み取り部を備え、該読み取り部上に配置される携帯媒体に内蔵された非接触ICチップからカードデータを読み取ると共に、前記非接触ICチップからの応答の有無に従って前記携帯媒体が前記読み取り部上に存在するか否かを検知する非接触ICリーダと、
紙幣の入出金口を開閉するシャッタと、
取引操作の案内を表示すると共に、顧客による取引操作の入力を受け付ける表示入力部と、
前記非接触ICリーダ、前記シャッタ、および表示入力部を制御する制御部を備え、
該制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知したとき、入出金取引を一時停止することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
アンテナを内蔵した読み取り部を紙幣の入出金口を開閉するシャッタ面に備え、読み取り部上に配置される携帯媒体に内蔵された非接触ICチップからカードデータを読み取ると共に、前記非接触ICチップからの応答の有無に従って前記携帯媒体が前記読み取り部上に存在するか否かを検知する非接触ICリーダと、
取引操作の案内を表示すると共に、顧客による取引操作の入力を受け付ける表示入力部と、
前記非接触ICリーダ、前記シャッタ、および表示入力部を制御する制御部を備え、
該制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知したとき、入出金取引を一時停止することを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
アンテナを内蔵した読み取り部を紙幣の入出金口を開閉するシャッタ面に備え、前記読み取り部上に配置される携帯媒体に内蔵された非接触ICチップからカードデータを読み取ると共に、前記非接触ICチップからの応答の有無に従って前記携帯媒体が前記読み取り部上に存在するか否かを検知する非接触ICリーダと、
顧客の存在を検知する顧客センサと、
取引操作の案内を表示すると共に、顧客による取引操作の入力を受け付ける表示入力部と、
前記非接触ICリーダ、前記シャッタ、および表示入力部を制御する制御部を備え、
該制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知し、前記顧客センサが顧客の存在を検知しないとき、前記シャッタを開放して前記携帯媒体を入出金口に回収することを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記非接触ICリーダは、読み取り部上に載置した携帯媒体の存在を携帯媒体を支持する支持機構の歪みの有無に従って検知する検知機構を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記非接触ICリーダは、ポーリングコマンドを読み取り部上に載置した携帯媒体に対して送信し、該コマンドに対する応答の有無に従って、携帯媒体の有無を検知することを特徴とする自動取引装置。
【請求項6】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記非接触ICリーダは、読み取り部上に載置した携帯媒体の存在を携帯媒体を、支持する支持機構の歪みの有、またはポーリングコマンドに対する応答の有に従って検知することを特徴とする自動取引装置。
【請求項7】
請求項1記載の自動取引装置において、
制御部は、前記アンテナを介して前記携帯媒体に内蔵されたICチップからカードデータを読み取ったのちに前記携帯媒体の存在を検知したとき、携帯媒体の回収を促すメッセージを前記表示入力部に表示することを特徴とする自動取引装置。
【請求項8】
請求項4記載の自動取引装置において、
制御部は、前記検知機構により前記読み取り部上に載置された物体の存在を検知したとき、該物体の回収を促すメッセージを前記表示入力部に表示することを特徴とする自動取引装置。
【請求項9】
請求項6記載の自動取引装置において、
前記制御部は、シャッタの開閉を制御するシャッタ制御部を備え、該制御部は支持する支持機構の歪み無し、かつポーリングコマンドに対する応答無しのとき、前記シャッタを開放することを特徴とする自動取引装置
【請求項10】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記自動取引装置は、携帯媒体を載置する載置台を備え、該載置台の近傍にはフリッカランプを備えたことを特徴とする自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−129795(P2008−129795A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313188(P2006−313188)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】