説明

自動取引装置

【課題】高齢者による取引操作においてもその取引処理の時間を短縮して自動取引装置の稼動効率を向上させる手段を提供する。
【解決手段】取引における取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンを1つまたは複数表示した取引画面を表示する表示手段と、文字ボタンおよび操作ボタンによる入力を受付ける入力受付手段とを備えた自動取引装置において、取引画面に表示される取引操作の案内文言を案内音声データとして格納する案内音声データ格納手段と、取引が高齢者モードによる取引であることを認識する高齢者モード認識手段と、該高齢者モード認識手段が取引を高齢者モードによる取引と認識した場合に、取引画面を表示手段に表示した直後に、案内音声データ格納手段から取引画面の案内文言の案内音声データを読出し、該案内音声データにより案内文言を音声で顧客に伝達する音声伝達手段とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等に設置され、顧客との取引を自動で行う現金自動預払機等の自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行等の金融機関や郵政公社、コンビニエンスストア等(金融機関等という。)の合理化に伴い、現金自動預払機のみを設置した無人店舗が増加傾向にある。
また、高齢者は現金自動預払機による取引に苦手意識を持っており、主に金融機関等の応対窓口で取引を行うため、年金受給日等には高齢者による取引が集中し、応対窓口が非常に混雑するというのが現状である。
【0003】
出願人は、このような現状を改善するために、高齢者による現金自動預払機における取引操作の動作観察を実施した。
これによると、高齢者特有の現象として、
(1)高齢者は取引カードや紙幣等の取引媒体の挿入または受取において、その動作速度が遅くタイムアウトとなる場合が多い。
【0004】
(2)高齢者は取引画面に表示された表示内容の理解に時間を要し、タイムアウトとなる場合が多い。
このような場合にタイムアウト時間を通常の1.5倍程度に長くすると、タイムアウトの発生を防止できることが動作観察により測定されている。
(3)高齢者は取引画面が切替わったときにその切替えに気付かず、タイムアウトまたは誤操作を行う場合がある。例えば出金取引における暗証番号入力画面からテンキー等の配列が類似している引出金額入力画面への切替えにおいて、画面の切替えに気付かず、タイムアウトになったり、暗証番号を間違えたと勘違いして引出金額入力画面に暗証番号を再度入力したりする事例がある。
【0005】
(4)高齢者は視力の低下や指先の震え等のために文字ボタンや操作ボタンの押下時に隣のボタンを押す等の誤入力を行う場合がある。
(5)高齢者は取引画面に表示された案内文言よりも、音声による案内に注意を引き付けられやすい傾向がある。
(6)高齢者は音声案内に注意を引き付けられやすいため、取引画面の表示後、一定時間経過した時に操作内容を支援するための音声案内を流すと、誤操作をしやすい傾向がある。例えば暗証番号入力画面で30秒経っても入力が終了しない場合に「暗証番号を入力してください。」等の音声案内を流すと、暗証番号を途中まで入力していたにも関わらず、最初から暗証番号を入力してしまい誤操作となった事例がある。
【0006】
このような高齢者特有の現象に対して、音声で操作方法を案内する案内ガイダンスを有する従来の現金自動預払機は、取引における取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタン等を表示した取引画面を表示するディスプレイと、操作ボタン等による入力を受付けるキーボード等を備え、現金自動預払機の取引操作に不慣れな高齢者等のために通常の取引画面においてタイムアウトが発生した場合に、次の取引画面として確認キー、訂正キー等の操作ボタンを表示した確認画面に切替えてタイムアウト後の処理の選択を可能にしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−266219号公報(主に第4頁段落0035−段落0044、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術においては、入力等の終了により取引画面を切替える際には、瞬時に次画面への切替えを行っているため、取引画面の切替えに気付かない場合がある高齢者による取引操作においては、タイムアウトまたは勘違いによる誤操作が生じやすく、結果として取引処理に時間を要し、現金自動預払機の稼動効率を低下させるという問題がある。
【0009】
また、音声ガイダンスにより一定時間経過した時に操作内容を支援するための音声案内を流すようにしているため、音声案内に注意を引き付けられやすい高齢者の誤操作を招きやすく、結果として取引処理に時間を要し、現金自動預払機の稼動効率を低下させるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、高齢者による取引操作においてもその取引処理の時間を短縮して自動取引装置の稼動効率を向上させる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、取引における取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンを1つまたは複数表示した取引画面を表示する表示手段と、前記文字ボタンおよび操作ボタンによる入力を受付ける入力受付手段とを備えた自動取引装置において、前記取引画面に表示される取引操作の案内文言を案内音声データとして格納する案内音声データ格納手段と、取引が高齢者モードによる取引であることを認識する高齢者モード認識手段と、該高齢者モード認識手段が取引を前記高齢者モードによる取引と認識した場合に、取引画面を前記表示手段に表示した直後に、前記案内音声データ格納手段から前記取引画面の案内文言の案内音声データを読出し、該案内音声データにより案内文言を音声で顧客に伝達する音声伝達手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明は、自動取引装置の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識したときに、取引画面を表示部に表示した直後に、表示した案内文言の案内音声データを音声伝達手段により音声で顧客に伝達するようにしたことによって、音声案内に注意を引き付けられやすい高齢者との取引における誤操作を防止することができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の高齢者取引処理を示すフローチャート
【図2】実施例1の現金自動預払機を示すブロック図
【図3】実施例1の記憶部の構成を示すブロック図
【図4】実施例1の暗証番号入力画面表示例
【図5】実施例1の取引選択画面表示例
【図6】実施例1の高齢者取引選択画面表示例
【図7】実施例1の取引操作続行問合画面表示例
【図8】実施例2の記憶部の構成を示すブロック図
【図9】実施例2の高齢者取引処理を示すフローチャート
【図10】実施例2の振込先口座番号入力画面表示例
【図11】実施例2の取引操作続行問合画面表示例
【図12】実施例2の取引操作続行問合画面の他の形態を示す表示例
【図13】実施例3の記憶部の構成を示すブロック図
【図14】実施例3の高齢者取引処理を示すフローチャート
【図15】実施例3の引出金額入力画面表示例
【図16】実施例3のスクロール画面表示(最初)を示す説明図
【図17】実施例3のスクロール画面表示(中間1)を示す説明図
【図18】実施例3のスクロール画面表示(中間2)を示す説明図
【図19】実施例3のスクロール画面表示(最後)を示す説明図
【図20】実施例4の記憶部の構成を示すブロック図
【図21】実施例4の高齢者取引処理を示すフローチャート
【図22】実施例4のスライド画面表示(最初)を示す説明図
【図23】実施例4のスライド画面表示(中間1)を示す説明図
【図24】実施例4のスライド画面表示(中間2)を示す説明図
【図25】実施例4のスライド画面表示(最後)を示す説明図
【図26】実施例5の記憶部の構成を示すブロック図
【図27】実施例5の暗証番号入力画面の表示領域を示す説明図
【図28】実施例5の引出金額入力画面の表示領域を示す説明図
【図29】実施例6の記憶部の構成を示すブロック図
【図30】実施例7の記憶部の構成を示すブロック図
【図31】実施例8の記憶部の構成を示すブロック図
【図32】実施例8の高齢者取引処理を示すフローチャート
【図33】実施例8の高齢者モード操作案内画面表示例
【図34】実施例8の高齢者取引選択画面表示例
【図35】実施例8の決済方法選択画面表示例
【図36】実施例8のカード挿入依頼画面表示例
【図37】実施例8の暗証番号入力画面表示例
【図38】実施例8の振込先金融機関名選択画面表示例
【図39】実施例8の振込先金融機関名確認画面表示例
【図40】実施例8の振込先店舗名入力画面表示例
【図41】実施例8の振込先店舗名選択画面表示例
【図42】実施例8の振込先店舗名確認画面表示例
【図43】実施例8の口座名選択画面表示例
【図44】実施例8の口座名確認画面表示例
【図45】実施例8の振込先口座番号入力画面表示例
【図46】実施例8の振込先口座番号確認画面表示例
【図47】実施例8の依頼人氏名入力画面表示例
【図48】実施例8の依頼人氏名確認画面表示例
【図49】実施例8の依頼人電話番号入力画面表示例
【図50】実施例8の依頼人電話番号確認画面表示例
【図51】実施例8の振込金額入力画面表示例
【図52】実施例8の振込金額確認画面表示例
【図53】実施例8の待機依頼画面表示例
【図54】実施例8の振込内容確認表示例
【図55】実施例8の取引カード等受取依頼画面表示例
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本発明による現金自動預払機の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1の高齢者取引処理を示すフローチャート、図2は実施例1の現金自動預払機を示すブロック図、図3は実施例1の記憶部の構成を示すブロック図である。
図2において、1は自動取引装置としての現金自動預払機であり、金融機関等の営業店や郵便局等の店舗に設置され、顧客との間で現金の取引を自動で行う。
2は金融機関等のセンタに設置されたホストコンピュータであり、店舗に設置されている現金自動預払機1と専用回線や電話回線等の通信回線を介して接続しており、顧客の口座の口座番号やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を顧客ファイルとして保有して顧客の口座を管理する。
【0015】
3は現金自動預払機1の主制御部であり、通信部4によって通信回線を介してホストコンピュータ2と接続しており、現金自動預払機1内の各部を制御して取引処理等を実行すると共にデータ通信等も制御する。
5は時計部であり、水晶発振器等の周波数発生器とカレンダを記憶したメモリ等を備えており、周波数発生器が発生した周波数を基に時間を計数する機能およびカレンダを参照して年月日を読出す機能を有している。
【0016】
6は記憶部であり、主制御部3が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび主制御部3による処理結果等が格納される。
7は顧客操作部であり、CRTやLCD等の表示画面を備えた表示部7aとタッチパネル等の位置信号検出手段を備えた入力部7bとの組合せで構成されており、表示部7aが取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンにより構成された各種の選択画面や入力画面、顧客の処置を促す画面等の取引画面を表示する表示手段として機能する他、入力部7bが表示部7aの画面に表示された文字ボタンや操作ボタンの指触された位置を検出して操作ボタン等による顧客からの入力を受付ける入力受付手段として機能する。
【0017】
8はカード取扱部であり、挿入された顧客のキャッシュカード等の取引媒体としての取引カードの磁気ストライプに記録されている顧客の口座情報(口座番号等)等のカード情報を読み書きする機能を有すると共に取引明細票等を印刷して排出する機能を有している。
9は通帳取扱部であり、挿入された取引媒体としての通帳の磁気ストライプに記録されている顧客の口座情報(口座番号等)等の通帳情報を読み書きする機能を有すると共に取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有している。
【0018】
10は紙幣入出金部であり、顧客が投入した取引媒体としての紙幣を受入れ、これを鑑別および計数して収納し、顧客に支払う紙幣を計数して顧客に引渡す機能を有している。
11は硬貨入出金部であり、顧客が投入した取引媒体としての硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納し、顧客に支払う硬貨を計数して顧客に引渡す機能を有している。
12は顧客検知部であり、光学式等の近接センサを備えており、現金自動預払機1への顧客の接近および退去を検知して主制御部3へその信号を転送する機能を有している。
【0019】
13はハンドセットであり、マイク等の集音機能やスピーカ等の音声発生機能を備えた受話器状の機器であって、制御部3が送った音声データを音声発生機能により音声に変換して外部に聞こえない状態で顧客に伝達する音声伝達手段として機能する。
14は外部スピーカであり、制御部3が送った音声データを音声に変換して外部に聞こえる状態で顧客に伝達する音声伝達手段として機能する。
【0020】
本実施例の現金自動預払機1は、顧客との取引モードとして従来と同様に取引を行う通常モードに加えて高齢者向けの高齢者モードが設定されている。
このため、図3に示す記憶部6には予め顧客との間で通常モードによる各種取引を行う機能を有する通常取引処理アプリケーションプログラム(APという。)と、高齢者モードによる取引であることを認識して本実施例の高齢者モードの取引処理を実行する機能を有する高齢者取引処理APおよび後述する画面データファイルを基にその取引操作における取引画面を合成する機能を有する画面合成AP等からなる業務実行プログラムが格納されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段および画面合成手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0021】
また、記憶部6には上記の各機能手段が用いるデータとして各取引画面の画面背景および文字ボタンや操作ボタン、入力された金額等を表示する入力内容表示欄等の表示部品のボタン名や表題名のテキストデータとその表示枠の形状や表示色からなる部品イラスト、取引画面に取引操作の案内文言を表示するための案内文言データ、並びに通常モードと高齢者モードの各取引画面に対応させて予め設定されたそれぞれの取引画面の画面背景、案内文言データ、必要な表示部品の種類とこれを表示する画面上の座標領域等からなる画面構成を記した取引画面構成テーブル等が画面データファイルとして格納されている。
【0022】
更に、記憶部6には予め設定された通常モードの取引操作における各取引画面のタイムアウト時間である通常タイムアウト時間と高齢者モードの場合に高齢者の取引操作における各取引画面のタイムアウト時間、つまり通常タイムアウト時間よりも時間を長く、例えば1.5倍程度に長くした高齢者タイムアウト時間等がタイムアウトデータファイルとして格納されている。
【0023】
更に、記憶部6には1つの取引処理の間に用いる各取引画面のタイムアウト時間の設定を保存するタイムアウト時間保存エリアが予め確保されている。
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面合成APにより取引画面を合成するときの作動は以下のように実行される。
【0024】
主制御部3が取引画面(例えば図4に示す暗証番号入力画面)を表示する場合は、主制御部3は記憶部6に格納されている画面データファイルの取引画面構成テーブルを検索して該当する取引画面(暗証番号入力画面)の画面構成を読出し、この画面構成に記された画面背景と表示部品の部品イラストと案内文言データとをそれぞれ画面データファイルから読出し、これらに画面構成に記された座標領域を添付した画面構成情報を画面合成APに引渡すと共に、画面上の座標領域に対応させた表示部品のボタン名や表題名のテキストデータと表示枠の形状を入力受付情報として記憶部6に一時保存する(入力受付情報が既に保存されている場合は上書きして保存する。)。
【0025】
画面構成情報を受取った画面合成APは、その画面背景の案内文言表示部21に画面構成情報の案内文言データの案内文言(「暗証番号を入力してください。」)を配置し、部品イラスト(テンキーの各文字ボタン、「訂正」「取消」の操作ボタンおよび暗証番号の入力内容表示欄)を画面構成情報の座標領域に合わせて配置して取引画面の表示データを合成し、これを主制御部3へ転送する。
【0026】
取引画面の表示データの転送を受けた主制御部3は、これを表示部7aに送ってその画面に合成された取引画面を表示する。
このようにして表示された取引画面により主制御部3が、通常取引処理APまたは高齢者取引処理APにより入力を受付けてその入力内容を認識するときの作動は以下のように実行される。
【0027】
顧客が表示部7aの画面に表示された取引画面(例えば図4に示す暗証番号入力画面)からその文字ボタンまたは操作ボタンを指触してボタンを押下した場合は、主制御部3は入力部7bのタッチパネルからの位置信号により押下された画面上の座標位置を読取り、その座標位置を基に記憶部6に一時保存されている入力受付情報を検索して該当する座標位置を含む座標領域のボタン名のテキストデータを読出し、このテキストデータに基づいて押下されたボタンによる入力を受付けてその内容を認識する。
【0028】
例えば、顧客が文字ボタンにより「1」を選択して押下した場合は、主制御部3は入力部7bからの位置信号により読取った座標領域を基に記憶部6の入力受付情報を検索して該当する座標領域のボタン名のテキストデータ「1」を読出し、これに基づいて文字ボタン「1」による入力を受付けてその内容を文字ボタンによる「1」と認識し、そのテキストデータ「1」を入力内容表示欄に表示する(本説明は暗証番号入力画面であるので表示は「*」等の伏字として桁数のみが表示される。)。
【0029】
また、顧客が操作ボタンにより「訂正」を選択して押下した場合は、主制御部3は前記と同様にして座標位置を基にボタン名のテキストデータ「訂正」を読出し、これに基づいて操作ボタン「訂正」による入力を受付けてその内容を操作ボタンによる「訂正」と認識し、その後の作動における移行先の判定等に用いる。
上記のようにして、本実施例の画面合成手段による取引画面の合成および入力受付手段による文字ボタンおよび操作ボタンによる入力の受付、並びに主制御部3と業務実行プログラムにより実行されるステップにより形成される機能手段としての認識手段による各種の入力内容の認識が実行される。
【0030】
以下に、図1に示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って本実施例の高齢者取引処理について説明する。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は前記と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
金融機関等の係員は、始業時等に電源を投入して現金自動預払機1の各部へ電力を供給する。これにより現金自動預払機1の記憶部6に格納されている業務実行プログラムが自動的に起動する。
【0031】
S1、業務実行プログラムが起動すると主制御部3は、顧客操作部7の表示部7aの画面に画面合成手段が合成した省エネルギ画面等の初期画面を表示する。
S2、主制御部3は表示部7aに初期画面を表示しながら顧客検知部12が顧客を検知するのを待つ顧客待ち状態での待機を開始し、顧客検知部12から顧客検知信号が転送された時にステップS3へ移行する。顧客検知信号が転送されない場合は顧客待ち状態での待機を継続する。
【0032】
S3、顧客を検知した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから通常タイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに保存する一方、表示部7aに画面合成手段が合成した図5に示す取引選択画面を表示する。
取引選択画面には、操作ボタンの押下を促す旨の案内文言と出金取引のための「お引き出し」、入金取引のための「お預け入れ」、振込取引のための「お振込み」、口座残高を照会する残高照会取引のための「残高照会」、通帳に未記入の取引データを記帳する通帳記入取引のための「通帳記入」および高齢者モードによる取引を選択するための「高齢者モード」等をボタン名とした操作ボタンが表示される。
【0033】
本実施例では、顧客は取引選択画面から高齢者モードによる取引を選択し、「高齢者モード」の操作ボタンを押下する。
S4、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を認識した主制御部3は、認識した入力内容が操作ボタンによる「高齢者モード」の場合は高齢者モードによる取引が選択されたと認識してステップS5へ移行し、本実施例の高齢者取引処理APによる高齢者取引処理を実行する。
【0034】
認識した入力内容が操作ボタンによる「お預け入れ」等の「高齢者モード」以外の操作ボタンによる入力内容の場合は通常モードによる取引が選択されたと認識して通常取引処理APによる通常取引処理を実行する。この場合の取引処理の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。選択された通常取引処理の実行を終えた主制御部3は、その取引処理を終了させ、ステップS1へ戻ってステップS1、S2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
【0035】
S5、顧客の選択を高齢者モードによる取引と認識した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから高齢者タイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに上書きして保存する。
S6、各取引画面のタイムアウト時間を保存した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図6に示す高齢者取引選択画面を表示する。
【0036】
高齢者取引選択画面には、図5に示した取引選択画面と同様の案内文言と「お引き出し」、「お預け入れ」、「お振込み」、「残高照会」、「通帳記入」等のボタン名の操作ボタンおよび高齢者モードによる取引を取止めるための「取消」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は高齢者取引選択画面から希望する取引の操作ボタンを押下する。
【0037】
この操作ボタンによる入力を入力受付手段により受付けてその選択された取引種別を認識した主制御部3は、ステップS7により選択された取引処理を実行する一方、タイムアウトが発生した場合の割込み処理を実行するためにステップS8によりタイムアウトの発生を待つタイムアウト待ち状態で待機する。
S7、顧客が選択した操作ボタンの入力内容を認識した主制御部3は、認識した取引種別の取引処理を実行する。この取引処理において取引画面が表示されたときのタイムアウトの判定は記憶部6のタイムアウト保存エリアに保存されているタイムアウト時間、つまり高齢者タイムアウト時間により判定される。それ以外の手順等の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。
【0038】
タイムアウトの判定は以下のようにして実行する。
例えば、暗証番号の入力においては、主制御部3は表示部7aに画面合成手段が合成した暗証番号の入力を促す旨の案内文言および暗証番号の入力内容表示欄とその入力のための数字をボタン名とした文字ボタン(テンキーという。)、並びに入力の間違いを訂正するための「訂正」、暗証番号の入力を取止めて取引を終了するための「取消」をボタン名とした操作ボタンを表示した図4に示す暗証番号入力画面を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始する。
【0039】
この時、主制御部3は記憶部6のタイムアウト時間保存エリアから暗証番号入力画面のタイムアウト時間を読出してこれを規定時間として認識する。
そして、時計部5により計測した取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時にタイムアウトが発生したことを判定する。
このように、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生が判定された場合は、ステップS8によりタイムアウト待ち状態で待機していた主制御部3はその割込み処理を実行するためにステップS8へ分岐する。他の取引画面においても同様である。
【0040】
なお、タイムアウトの発生が判定されずに選択された取引処理の実行を終えた場合または各取引画面に表示された「取消」の操作ボタンが押下された場合は、主制御部3はその取引処理を終了させ、ステップS1へ戻ってステップS1、S2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
S8、タイムアウトの発生が判定された場合の割込み処理を実行するためにタイムアウト待ち状態で待機していた主制御部3は、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生を判定した時にステップS9へ移行する。タイムアウトの発生が判定されない場合はタイムアウト待ち状態での待機を継続する。
【0041】
S9、タイムアウトの発生を判定した主制御部3は表示部7aに画面合成手段が合成した図7に示す取引操作続行問合画面を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始し、記憶部6のタイムアウト時間保存エリアから取引操作続行問合画面のタイムアウト時間を読出してこれを規定時間として認識する。
取引操作続行問合画面には、取引続行の要否を問合せる案内文言および取引操作を続行するための「続ける」、取引操作を取止めて取引を終了するための「続けない」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
【0042】
顧客は、取引操作を続行する場合は取引操作続行問合画面から「続ける」の操作ボタンを、取引操作を取止めて取引を終了する場合は「続けない」の操作ボタンを押下する。
S10、主制御部3は、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けた時はステップS12へ移行する。入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けない場合、つまり操作ボタンが押下されない場合はステップS11へ移行する。
【0043】
S11、主制御部3は、時計部5により計測している取引画面の表示経過時間が規定時間、つまり取引操作続行問合画面のタイムアウト時間に達してタイムアウトが発生した時は顧客が退去したと判定してステップS17へ移行する。規定時間に達していない場合はステップS10、S11により操作ボタンの押下を待って待機する。
S12、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けた主制御部3は、その入力内容を認識し、認識した入力内容が操作ボタンの「続ける」の場合は取引操作を続行すると判定してステップS13へ移行する。認識した入力内容が操作ボタンの「続けない」の場合は取引を終了すると判定してステップS14へ移行する。
【0044】
S13、取引操作を続行すると判定した主制御部3は、取引操作の続行のために取引操作続行問合画面の前画面、つまりステップS7においてタイムアウトが発生した取引画面(上記の例では暗証番号入力画面)を表示部7aに再度表示し、ステップS7のその取引画面のステップへ戻って取引操作を続行させ、上記ステップS8に戻ってタイムアウト待ち状態での待機を再開する。
【0045】
S14、取引を終了すると判定した主制御部3は、現金自動預払機1の各部を点検して顧客の取引媒体、つまり取引カードや通帳および/もしくは入金取引等に投入された紙幣や硬貨の存在を確認し、表示部7aに画面合成手段が合成した残留している顧客の取引媒体の受取を促す旨の案内文言を表示した受取依頼画面を表示すると共に現金自動預払機1の内部に残留している顧客の取引媒体をその部位から排出する。
【0046】
これと同時に主制御部3は、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始し、記憶部6のタイムアウト時間保存エリアから受取依頼画面のタイムアウト時間を読出して規定時間を認識する。
S15、主制御部3は、排出した顧客の取引媒体の受取を確認した時は、その取引処理を終了させ、ステップS1へ戻ってステップS1、S2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。顧客の取引媒体の受取を確認できない場合はステップS16へ移行する。
【0047】
S16、主制御部3は、時計部5により計測している取引画面の表示経過時間が規定時間、つまり受取依頼画面のタイムアウト時間に達してタイムアウトが発生した時は顧客が退去したと判定してステップS17へ移行する。規定時間に達していない場合はステップS15、S16により顧客の取引媒体の受取を待って待機する。
S17、顧客が退去したと判定した主制御部3は、現金自動預払機1の各部を点検し、残留している顧客の取引媒体(排出口等に残留している取引媒体を含む。)を各部または一括して設置されている図示しない回収庫に回収する。
【0048】
そして、主制御部3は取引処理を終了させ、ステップS1へ戻ってステップS1、S2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
なお、ステップS11、S16においては取引操作続行問合画面等の取引画面のタイムアウト時間に達してタイムアウトが発生した時に顧客が退去したと判定するとして説明したが、タイムアウトが発生した時に顧客検知部12の顧客検知信号を確認して顧客の退去を判定するようにしてもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識したときに、各取引画面のタイムアウト時間を高齢者タイムアウト時間に変更して通常より長い時間に設定するようにしたことによって、取引操作や取引画面の表示内容の理解に時間を要する高齢者との取引におけるタイムアウト回数を減少させることができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0050】
これに加えて、本実施例では、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトが発生したときに取引操作を続行するための操作ボタンを表示した取引操作続行問合画面を表示し、取引操作の続行が選択された場合にタイムアウトが発生した取引画面を再度表示するようにしたことによって、高齢者の顧客は元の取引画面の取引操作に戻ることができ、取引操作を最初からやり直す事態を防止して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【実施例2】
【0051】
図8は実施例2の記憶部の構成を示すブロック図、図9は実施例2の高齢者取引処理を示すフローチャートである。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の業務実行プログラム、画面データファイルが格納され、実施例1と同様にタイムアウト時間保存領域が確保されているが、タイムアウトデータファイルの構成が異なる。
【0052】
本実施例のタイムアウトデータファイルには、図8に示すように全ての取引画面(高齢者モードで用いる取引画面を含む。)の通常モードの取引操作におけるタイムアウト時間を記した取引画面タイムアウト時間と取引画面タイムアウト時間を延長して高齢者タイムアウト時間を演算するための延長倍率(例えば1.5)が格納されている。
上記の構成の作用について説明する。
【0053】
以下に、図9に示すフローチャートを用い、SAで示すステップに従って本実施例の高齢者取引処理について振込取引を例に説明する。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
本実施例のステップSA1、SA2の作動は、実施例1のステップS1、S2の作動と同様であるのでその説明を省略する。
【0054】
SA3、顧客を検知した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから取引画面タイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに保存する一方、実施例1のステップS3と同様にして取引選択画面を表示し、顧客は「高齢者モード」の操作ボタンを押下する。
【0055】
SA4、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を認識した主制御部3は、実施例1のステップS4と同様にして通常モードによる取引が選択された場合は通常取引処理APによる通常取引処理を実行する。「高齢者モード」の場合はステップSA5へ移行し、高齢者取引処理APによる高齢者取引処理を実行する。
SA5、顧客の選択を高齢者モードによる取引と認識した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから取引画面タイムアウト時間と延長倍率とを読出し、各取引画面の取引画面タイムアウト時間に延長倍率を乗じて高齢者タイムアウト時間を演算する。
【0056】
SA6、高齢者タイムアウト時間を演算した主制御部3は、これを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに上書きして保存する。
SA7、各取引画面のタイムアウト時間を保存した主制御部3は、実施例1のステップS6と同様にして高齢者取引選択画面を表示し、顧客は高齢者取引選択画面から「お振込み」の操作ボタンを押下する。
【0057】
この操作ボタンによる入力を入力受付手段により受付けてその入力内容を振込取引と認識した主制御部3は、ステップSA8により選択された取引処理(本実施例では振込取引処理)を実行する一方、タイムアウトが発生した場合の割込み処理を実行するためにステップSA9によりタイムアウトの発生を待つタイムアウト待ち状態で待機する。
SA8、顧客が選択した操作ボタンの入力内容を振込取引と認識した主制御部3は、振込取引の取引処理を実行する。この場合の取引処理における取引画面が表示されたときのタイムアウトの判定は実施例1と同様にタイムアウト保存エリアに保存されている高齢者タイムアウト時間により判定される。それ以外の手順等の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。
【0058】
タイムアウトの判定は以下のようにして実行する。
例えば、振込先口座番号の入力においては、主制御部3は表示部7aに画面合成手段が合成した振込先口座番号の入力を促す旨の案内文言および振込先口座番号の入力内容表示欄とその入力のためのテンキー、並びに入力の間違いを訂正するための「訂正」、振込先口座番号の入力を取止めて取引を終了するための「取消」、入力内容を確認して次の取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタンを表示した図10に示す振込先口座番号入力画面を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始する。
【0059】
この時、主制御部3は実施例1のステップS7と同様にタイムアウト時間保存エリアから振込先口座番号入力画面のタイムアウト時間を読出してこれを規定時間として認識し、時計部5によって計測した取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時にタイムアウトが発生したことを判定する。
このように、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生が判定された場合は、主制御部3は実施例1のステップS7と同様にして割込み処理を実行するためにステップSA9へ分岐する。他の取引画面においても同様である。
【0060】
SA9、タイムアウトの発生が判定された場合の割込み処理を実行するためにタイムアウト待ち状態で待機していた主制御部3は、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生を判定した時にステップSA10へ移行する。タイムアウトの発生が判定されない場合はタイムアウト待ち状態での待機を継続する。
SA10、タイムアウトの発生を判定した主制御部3は画面合成手段から転送された図7に示したと同様の取引操作続行問合画面の表示データを所定の縮小倍率で縮小し、この小画面にした取引操作続行問合画面を表示部7aに送って図11に示すようにタイムアウトが発生した取引画面(振込先口座番号入力画面)の前面に重ねて表示する。
【0061】
これと同時に、主制御部3は時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始し、実施例1のステップS9と同様にしてタイムアウト時間保存エリアから取引操作続行問合画面のタイムアウト時間を読出して規定時間を認識する。
顧客は、取引操作を続行する場合は「続ける」の操作ボタンを、取引操作を取止めて取引を終了する場合は「続けない」の操作ボタンを押下する。
【0062】
その後のステップSA11〜SA13の作動は、実施例1のステップS10〜S12の作動と同様であるのでその説明を省略する。
SA14、取引操作を続行すると判定した主制御部3は、取引操作の続行のために小画面として表示した取引操作続行問合画面を非表示にし、ステップSA8においてタイムアウトが発生した取引画面(上記の例では振込先口座番号入力画面)をアクティブとしてステップSA8のその取引画面のステップへ戻って取引操作を続行させ、上記ステップSA9に戻ってタイムアウト待ち状態での待機を再開する。
【0063】
その後のステップSA15〜SA18の作動は、実施例1のステップS14〜S17の作動と同様であるのでその説明を省略する。
なお、上記ステップSA5、SA6において高齢者タイムアウト時間を演算して予め記憶部6に保存しておくとして説明したが、ステップSA5で延長倍率のみを読出して記憶部6に一時保存し、取引画面を表示する各ステップで規定時間を認識するときに読出したタイムアウト時間に一時保存した延長倍率を乗じてこの演算結果を規定時間として認識するようにしてもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトが発生したときに取引操作を続行するための操作ボタンを表示した取引操作続行問合画面を小画面としてタイムアウトが発生した取引画面に重ねて表示するようにしたことによって、高齢者の顧客は元の取引画面が一部見えることでどのステップでタイムアウトが発生したかを容易に理解することができると共に、続行の操作ボタンを押下すれば元の取引画面の取引操作に戻ることができ、取引操作を最初からやり直す事態を防止して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0065】
このように他の画面とは異なることが容易に理解できれば、取引操作続行問合画面の表示方法は前記に限らず、どのような表示方法であってもよい。
例えば、図12に示すように吹出しを設けて表示するようにしてもよい。
図12は実施例2の取引操作続行問合画面の他の形態を示す表示例である。
本形態の取引操作続行問合画面は、図12に示すようにタイムアウトが発生した取引画面(本形態では振込先口座番号入力画面)の文字ボタンおよび操作ボタンに取引操作の解説文言が吹出しにより付されている。
【0066】
このような取引操作続行問合画面は以下のようにして表示する。
すなわち、図8に示す記憶部6の画面データファイルに解説文言データを追加し、部品イラストにその解説文言データを表示するときの吹出しのイラストを追加し、取引画面構成テーブルに解説文言を表示する画面上の座標領域とその吹出しのイラストの種類を追加して格納しておき、画面合成手段が取引操作続行問合画面を合成する時に、主制御部3が前記の追加したデータを読出し、これを元の取引画面(本形態では振込先口座番号入力画面)の画面構成情報に追加して画面合成APに引渡し、これを受取った画面合成APは上記実施例1で説明したと同様にして取引操作続行問合画面となる元の取引画面に解説文言を吹出しで付した表示データを合成して主制御部3へ転送する。
【0067】
そして、この転送された表示データを主制御部3が上記ステップSA10において表示する。このとき顧客が取引操作を続行する場合は元の取引画面の「次に進む」の操作ボタンを、取引操作を取止めて取引を終了する場合は元の取引画面の「取消」の操作ボタンを押下する。またステップSA14においては、文字ボタンや操作ボタンに吹出しで付した解説文言を非表示にして元の取引画面の取引操作を続行させる。
【0068】
このようにすれば、上記と同様の効果を得ることができると共に、高齢者の顧客の取引操作を支援することができる。
この場合に、図12に示すように吹出しで付した解説文言が文字ボタンや操作ボタンに重ならないようにして表示すれば、解説文言を付した状態での取引操作が可能になり、高齢者の顧客の取引操作を更に有効に支援することができる。
【0069】
なお、上記実施例1および実施例2においては、通常モードと高齢者モードの2つの取引モードを別の取引処理により実行するとして説明したが、上記ステップS4またはSA4で通常モードによる取引が選択されたときにステップS7またはSA8へ移行するようにしてもよい。このようにすれば通常モードにおいてタイムアウトが発生した場合においても取引操作続行問合画面を表示することができ、通常モードにおいても取引操作を最初からやり直す事態を防止して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【実施例3】
【0070】
図13は実施例3の記憶部の構成を示すブロック図、図14は実施例3の高齢者取引処理を示すフローチャートである。
なお、上記実施例1および実施例2と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードには、カード情報にその顧客が高齢者モードによる取引の該当者またはその希望者であることを示す高齢者モード識別子が追加されている。
【0071】
取引カードへの高齢者モード識別子の書込みは、口座開設時または応対窓口等で顧客の要望に応じて金融機関等により行われる。
また、本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
【0072】
本実施例の業務実行プログラムは、図13に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成APに、現在表示している取引画面(現在取引画面という。)と次に表示する取引画面(次取引画面という。)とを連結する機能と連結された画面を表示部7aの画面上でスクロールさせる機能とを有する画面連結スクロールAPが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段および連結画面作成手段と画面スクロール手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0073】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面連結スクロールAPにより現在取引画面を次取引画面にスクロールさせながら切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、主制御部3は現在取引画面を表示するときにその表示データを記憶部6に現在画面表示データとして一時保存しておき、次取引画面に切替えるときに実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面の表示データ(次画面表示データという。)の転送を受ける。
【0074】
次画面表示データの転送を受けた主制御部3は記憶部6に一時保存されている現在画面表示データを読出し、転送された次画面表示データと現在画面表示データを画面連結スクロールAPへ引渡す。
現在画面表示データと次画面表示データを受取った画面連結スクロールAPは、現在画面表示データの右端の座標列に次画面表示データの左端の座標列を隣接させて並べ、2つの配列で記載されているそれぞれの表示データを、2つを合わせた1つの配列に書き直して現在画面表示データと次画面表示データとを連結し、一つの連結画面表示データを作成する。
【0075】
そして、画面連結スクロールAPは作成した連結画面表示データから表示部7aの画面の大きさ(画面枠という。)に合わせて取引画面に表示する表示データを切出し、これを最初のスクロール表示データとして主制御部3へ送出し、これを受けた主制御部3はこれを表示部7aに送ってその画面に最初のスクロール表示データを表示する。
このようにして表示された取引画面を図16に示す。表示部7aの画面には現在取引画面である暗証番号入力画面が表示されている。なお図16に破線で示す次取引画面である引出金額入力画面は説明の都合上記載したものであり、実際に表示部7aに送られる最初のスクロール表示データには含まれていない表示データである。
【0076】
次いで、画面連結スクロールAPは連結画面表示データから所定の列数ずらせて画面枠で切出したスクロール表示データを主制御部3へ送出し、主制御部3はこれを表示部7aに表示する。
上記の作動を所定の時間間隔で順に繰返すと、図17、図18に示すように次取引画面(引出金額入力画面)の左側が徐々に見え始めるにつれて現在取引画面(暗証番号入力画面)の左端が隠れ、最後は図19に示すように次取引画面である引出金額入力画面に切替わる。この切替えの終了後に主制御部3は現在取引画面となった引出金額入力画面の表示データを記憶部6に一時保存して次取引画面への切替えに備える。
【0077】
このようにして連結画面作成手段による現在取引画面と次取引画面との連結画面の作成が実行され、画面スクロール手段より表示部7aの画面でスクロールによる現在取引画面から次取引画面への切替えが実行される。
以下に、図14に示すフローチャートを用い、SBで示すステップに従って出金取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
【0078】
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であり、連結画面作成手段および画面スクロール手段による作動は前記と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
本実施例のステップSB1、SB2の作動は、実施例1のステップS1、S2の作動と同様であるのでその説明を省略する。
【0079】
SB3、顧客を検知した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから取引画面タイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに保存する一方、表示部7aに画面合成手段が合成した実施例1と同様の取引選択画面(図5)を表示する。
本実施例では、顧客は取引選択画面から「お引き出し」の操作ボタンを押下する。
【0080】
なお、以下の各実施例の説明においてはタイムアウトが発生した場合の作動の説明は省略するが、タイムアウトが発生した場合は特に説明を加えた場合を除き、通常モードの場合と同様に作動する。
SB4、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を出金取引と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した取引カードの挿入を促す旨の案内文言を表示したカード挿入依頼画面を表示する。
【0081】
SB5、顧客が案内文言に従って取引カードをカード取扱部8に挿入すると、主制御部3はカード取扱部8によって取引カードの磁気ストライプに記録されているカード情報を読取る。
SB6、カード情報を読取った主制御部3は、そのカード情報に高齢者モード識別子が記録されているか否かにより顧客の取引モードを認識する。
【0082】
すなわち、カード情報に高齢者モード識別子が記録されている場合は高齢者モードによる取引と認識してステップSB7へ移行し、本実施例の高齢者取引処理APによる高齢者取引処理を実行する。
カード情報に高齢者モード識別子が記録されていない場合は、通常モードによる取引と認識して通常取引処理APによる通常取引処理を実行する。この場合の取引処理の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。選択された通常取引処理の実行を終えた主制御部3は、その取引処理を終了させ、ステップSB1へ戻ってステップSB1、SB2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
【0083】
SB7、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面をカード挿入依頼画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
これにより、高齢者の顧客は取引画面が切替えられたことに気付き、テンキー等によって暗証番号を入力する。
【0084】
SB8、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された暗証番号を認識した主制御部3は、現在取引画面を暗証番号入力画面(図4)とし、次取引画面を画面合成手段が合成した引出金額入力画面(図15)として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aの暗証番号入力画面を引出金額入力画面に切替える。
【0085】
引出金額入力画面には、引出金額の入力を促す旨の案内文言および引出金額の入力内容表示欄とその入力のためのテンキーとして用いる数字や金額の単位を入力するための「万」、「千」、「円」の漢字をボタン名とした各文字ボタン(単位キーという。)、並びに入力の間違いを訂正するための「訂正」、引出金額の入力を取止めて取引を終了するための「取消」をボタン名とした操作ボタンおよび次取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタン(この「次に進む」の操作ボタンを含め次取引画面への切替えを指示するための操作ボタンを次画面切替ボタンという。)が表示される。
【0086】
顧客はテンキーや単位キー等によって引出金額を入力して「次に進む」の操作ボタンを押下する。
SB9、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された引出金額と「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、現在取引画面を引出金額入力画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成したしばらくの間の待機を促す旨の案内文言を表示した待機依頼画面として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aの引出金額入力画面を待機依頼画面に切替えると共に、ホストコンピュータ2との間で出金取引の交信処理を行う。
【0087】
すなわち、主制御部3は取引カードのカード情報に入力された暗証番号や引出金額等を添付して出金取引電文を作成し、これを通信部4によって通信回線を介してホストコンピュータ2へ送信する。
出金取引電文を受信したホストコンピュータ2は、顧客認証のために出金取引電文に含まれるカード情報を基に顧客ファイルを検索して該当する顧客ファイルの暗証番号と出金取引電文の暗証番号とを照合し、暗証番号が一致した場合は顧客を認証し、口座残高に不足がない場合は取引許可の旨を電文にした取引可否電文を作成すると共に該当する顧客ファイルの口座残高を更新する。暗証番号が一致しない場合や口座残高が不足している場合には、それぞれの旨を添付した取引不許可の旨を電文にした取引可否電文を作成する。
【0088】
取引可否電文を作成したホストコンピュータ2は、取引可否電文を現金自動預払機1へ通信回線を介して送信する。
SB10、通信部4によって取引可否電文を受信した主制御部3は交信処理の終了を認識し、受信した取引可否電文が取引許可の場合は取引許可と判定してステップSB12へ、取引不許可の場合は不許可と判定してステップSB11へ移行する。
【0089】
SB11、顧客との取引を不許可と判定した主制御部3は、現在取引画面を待機依頼画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成した取引不許可画面として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aの待機依頼画面を取引不許可画面に切替える。
取引不許可画面には、取引不許可の旨とその内容および内容の確認を促す旨および取引カードや通帳の受取りを促す旨の案内文言等が表示される。
【0090】
これと並行して主制御部3は、カード取扱部8や通帳取扱部9から顧客の取引媒体である取引カードや通帳を排出し、排出した取引媒体の受取を確認して出金取引処理を終了させ、ステップSB1へ戻ってステップSB1、SB2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
SB12、顧客との取引を許可と判定した主制御部3は、出金処理を実行する。
【0091】
すなわち、主制御部3は入力された引出金額に相当する紙幣や硬貨(現金という。)を紙幣入出金部10および硬貨入出金部11からそれぞれ計数して繰出し、これを紙幣入出金口や硬貨入出金口に集積して一時待機させる。
これと並行して、主制御部3は取引内容等を基に印刷データを作成してカード取扱部8へ送り、カード取扱部8によって取引明細票を印刷する。通帳が挿入されている場合は、その内容を通帳取扱部9により通帳に記帳する。
【0092】
SB13、現金の集積および取引明細票の印刷等を終えた主制御部3は、現在取引画面を待機依頼画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成した現金や取引カード、通帳、取引明細票の受取を促す旨の案内文言を表示した現金等受取依頼画面として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aの待機依頼画面を現金等受取依頼画面に切替え、一時待機させていた現金を紙幣入出金口および硬貨入出金口を開放して顧客に排出すると共に、取引カードや通帳、取引明細票をカード取扱部8や通帳取扱部9から排出する。
【0093】
主制御部3は、排出した現金等の受取を確認して出金取引処理を終了させ、ステップSB1へ戻ってステップSB1、SB2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面をスクロールさせながら切替えるようにしたことによって、取引画面の切替えに気付かない場合がある高齢者による取引操作においても、画面の変化を確実に気付かせることができ、タイムアウトや勘違いによる誤操作の回数を減少させることができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0094】
これに加えて、本実施例では、顧客の取引カードのカード情報に高齢者モードによる取引の該当者であることを示す高齢者モード識別子を記録しておくようにしたことによって、高齢者の顧客は特別な操作を行わなくても高齢者モードによる取引を行うことができ、顧客の利便性を向上させることができる。
なお、本実施例では取引カードを磁気ストライプにカード情報を記録する磁気カードとして説明したが、取引カードは磁気カードや限らず、接触式または非接触式のICチップを装備した取引カードであってもよい。
【0095】
この場合にICチップの記録部に取引モード記録エリアを確保して上記のカード情報を記録するようにし、現金自動預払機のカード取扱部には接触または非接触の手段によってICチップの記録部に記録されているカード情報を読み書きする機能を単独にまたは磁気データ読取書込機能に追加して備えるようにする。
また、現金自動預払機の主制御部が、高齢者モードによる取引を認識する手段は、実施例1で示した取引選択画面に高齢者モードの操作ボタンを表示しその押下により認識する手段や本実施例の取引カードの高齢者モード識別子を記録しておきその読取により認識する手段に加えて、以下に示す手段によっても高齢者モードによる取引を認識する手段を形成することができる。
【0096】
手段(a)取引カードにタイムアウトの回数を累積して記録するタイムアウト回数累積エリアを確保しておき、現金自動預払機1の記憶部6にタイムアウトの回数を計数するタイムアウトカウンタを設けて現金自動預払機1を常時は通常モードで運用する。
そして、1回の取引の中で発生したタイムアウト回数を主制御部3が記憶部6のタイムアウトカウンタにより計数し、取引終了時等の取引カードの排出ステップ(例えば本実施例のステップSB13)で取引カードの排出前に主制御部3がカード取扱部8によりタイムアウトカウンタで計数されたタイムアウト回数を取引カードのタイムアウト回数累積エリアに累積して書込み、次の取引における取引カードのカード情報の読取ステップ(例えば本実施例のステップSB5)でタイムアウト回数累積エリアに累積されたタイムアウト回数を読出し、そのタイムアウト回数が所定の回数(例えば5回)以上のときに高齢者モードによる取引と認識する。
【0097】
手段(b)現金自動預払機1と通信回線を介して接続するホストコンピュータ2に顧客の口座情報に対応させて本実施例の高齢者モード識別子を格納してホストコンピュータを個人情報サーバとして機能させ、取引カードのカード情報の読取ステップ(例えば本実施例のステップSB5)でカード情報を読取った後、カード情報の口座番号等の口座情報を添付した高齢者モード識別子送信要求を通信回線を介して個人情報サーバへ送信し、その応答に高齢者モード識別子が含まれていることにより高齢者モード識別子を取得し、高齢者モード識別子を取得したことにより取引を高齢者モードによる取引と認識する。
【0098】
この場合に個人情報サーバをホストコンピュータとは別に設置するようにしてもよく、手段(a)のタイムアウトカウンタで計数されたタイムアウト回数を送信して累積しながら格納するようにし、これによって顧客の取引モードを認識するようにしてもよい。
手段(c)記憶部6のタイムアウトデータファイルに高齢者タイムアウト時間を格納しておき、上記実施例1のステップS3等おいて顧客を検知した主制御部3は、このタイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに保存するようにして初期状態が高齢者モードとなるように設定し、顧客を検知したことにより取引を高齢者モードによる取引と認識する。
【0099】
この場合に、表示部7aに表示する取引選択画面に「高齢者モード」の操作ボタンに替えて、通常モードによる取引を選択するための「通常モード」をボタン名とした操作ボタンを表示するようにし、通常モードによる取引を行う顧客がそのモードを選択するようにする。
上記した手段(a)、手段(b)、手段(c)によっても高齢者の顧客は特別な操作を行わなくても高齢者モードによる取引を行うことができ、顧客の利便性を向上させることができる。特に手段(c)によれば高齢者モードへの切替え操作が困難な顧客であっても円滑に取引処理を行うことができる。
【実施例4】
【0100】
図20は実施例4の記憶部の構成を示すブロック図、図21は実施例4の高齢者取引処理を示すフローチャートである。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
【0101】
また、本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
本実施例の業務実行プログラムは、図20に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成APに、表示部7aの画面上で現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせる機能を有する画面スライドAPが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段および画面スライド手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0102】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面スライドAPにより現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせて取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面の表示データの転送を受け、この次画面表示データを画面スライドAPへ引渡す。
【0103】
次画面表示データを受取った画面スライドAPは、次画面表示データの左端部の所定の列数の表示データを切出し、これに表示部7aの画面上の切出した列数に相当する右端部の座標を付してこれを最初のスライド表示データとして主制御部3へ送出する。
最初のスライド表示データを受けた主制御部3は、現在取引画面(暗証番号入力画面)をバックグランド表示に切替え、転送されたスライド表示データを表示部7aに送ってその画面に最初のスライド表示データを表示する。
【0104】
上記の現在取引画面をバックグランド表示とした時の取引画面を図22に示す。図22に示す表示部7aの画面には現在取引画面である暗証番号入力画面がバックグランド表示されている。なお図22に破線で示す次取引画面である引出金額入力画面は説明の都合上記載したものであり、実際に表示部7aに表示される表示データには含まれていない表示データである。
【0105】
次いで、画面スライドAPは次画面表示データから、前回切出した列数に所定の列数を加えて切出したスライド表示データを主制御部3へ送出し、主制御部3はこれを表示部7aに表示する。
上記の作動を所定の時間間隔で順に繰返すと、図23、図24に示すようにバックグランド表示されている現在取引画面(暗証番号入力画面)の前面に次取引画面(引出金額入力画面)の左側から順に徐々に広く表示されるようになり、最後は図25に示すように次取引画面である引出金額入力画面に切替わる。
【0106】
このようにして画面スライド手段より表示部7aの画面でスライドによる現在取引画面から次取引画面への切替えが実行される。
以下に、図21に示すフローチャートを用い、SCで示すステップに従って出金取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であり、画面スライド手段による作動は前記と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
【0107】
本実施例のステップSC1〜SC6の作動は、上記実施例3のステップSB1〜SB6の作動と同様であるのでその説明を省略する。
SC7、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面のカード挿入依頼画面をバックグランド表示とし、次取引画面である画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
【0108】
これにより、高齢者の顧客は取引画面が切替えられたことに気付き、テンキー等によって暗証番号を入力する。
SC8、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された暗証番号を認識した主制御部3は、現在取引画面の暗証番号入力画面(図4)をバックグランド表示とし、次取引画面である画面合成手段が合成した引出金額入力画面(図15)を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aの暗証番号入力画面を引出金額入力画面に切替える。
【0109】
顧客はテンキーや単位キー等によって引出金額を入力して「次に進む」の操作ボタンを押下する。
その後のステップSC9〜SC12の作動は、上記実施例3のステップSB9〜SB12の作動と同様であるのでその説明を省略する。
この場合に、ステップSC9における引出金額入力画面から待機依頼画面、ステップSC11における待機依頼画面から取引不許可画面への切替えは、上記と同様にスライド手段によりスライドさせながら切替えられる。
【0110】
SC13、現金の集積および取引明細票の印刷等を終えた主制御部3は、現在取引画面の待機依頼画面をバックグランド表示とし、次取引画面である実施例3のステップSB13と同様の現金等受取依頼画面を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aの待機依頼画面を現金等受取依頼画面に切替え、一時待機させていた現金を紙幣入出金口および硬貨入出金口を開放して顧客に排出すると共に、取引カードや通帳、取引明細票をカード取扱部8や通帳取扱部9から排出する。
【0111】
主制御部3は、排出した現金等の受取を確認して出金取引処理を終了させ、ステップSC1へ戻ってステップSC1、SC2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面をスライドさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0112】
図26は実施例5の記憶部の構成を示すブロック図である。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
【0113】
また、本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
本実施例の業務実行プログラムは、図26に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成AP、並びに実施例3と同様の画面連結スクロールAPに、取引画面を複数(本実施例では3つ)の表示領域に分割する機能を有する画面分割APが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段、連結画面作成手段、画面スクロール手段および画面分割手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0114】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面分割APおよび画面連結スクロールAPにより現在取引画面と次取引画面を分割しその中央表示領域をスクロールさせながら取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、主制御部3は現在取引画面を表示するときにその現在画面表示データを画面分割APへ引渡す。
【0115】
現在画面表示データを受取った画面分割APは、現在取引画面(暗証番号入力画面)を図27に示すように主に案内文言表示部21を表示する上部表示領域31に表示する現在画面上部表示データと、文字ボタン等を表示してその取引画面の主要部を表示する主表示領域としての中央表示領域32に表示する現在画面中央表示データと、主に操作ボタンを表示する下部表示領域33に表示する現在画面下部表示データの3つの表示データに分割してこれらを主制御部3へ転送する。
【0116】
現在取引画面の分割された表示データの転送を受けた主制御部3は、その現在画面上部表示データ、現在画面中央表示データ、現在画面下部表示データを表示部7aに送って現在取引画面を表示すると共に、これらの表示データを記憶部6に一時保存しておく。
そして、次取引画面に切替えるときに実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面(引出金額入力画面)の表示データの転送を受けると、これを画面分割APへ引渡し、画面分割APは前記と同様にして次画面表示データを図28に示すように上部表示領域31に表示する次画面上部表示データと、主表示領域としての中央表示領域32に表示する次画面中央表示データと、下部表示領域33に表示する次画面下部表示データの3つの表示データに分割してこれらを主制御部3へ転送する。
【0117】
次取引画面の分割された表示データの転送を受けた主制御部3は、これらの表示データを記憶部6の別のエリアに一時保存し、前記で記憶部6に一時保存した現在画面中央表示データを読出し、転送された次画面中央表示データと現在画面中央表示データを画面連結スクロールAPへ引渡す。
現在画面中央表示データと次画面中央表示データを受取った画面連結スクロールAPは、上記実施例3で説明したと同様にして中央表示領域32における現在画面中央表示データデータと次画面中央表示データとを連結して一つの連結画面表示データを作成する。
【0118】
そして、画面連結スクロールAPは作成した連結画面表示データから表示部7aの中央表示領域32の画面の大きさ(中央画面枠という。)に合わせて中央表示領域32に表示する表示データを切出し、これを最初のスクロール表示データとして主制御部3へ送出し、これを受けた主制御部3はこれを表示部7aに送ってその中央表示領域32に最初のスクロール表示データを表示する。この時上部表示領域31と下部表示領域33の画面は現在画面上部表示データと現在画面下部表示データのまま、つまり暗証番号入力画面の上部表示領域31と下部表示領域33の画面のままとして表示される。
【0119】
その後は実施例3で説明したと同様にして表示部7aの中央表示領域32の画面をスクロールさせ、最後のスクロール表示データを主制御部3が表示する時に、記憶部6の別のエリアに一時保存した次画面上部表示データと次画面下部表示データとを読出し、これらを表示部7aに送って上部表示領域31と下部表示領域33の画面に表示する。
これにより、中央表示領域32の画面が次取引画面(引出金額入力画面)の中央表示領域32の画面になると同時にその上部表示領域31と下部表示領域33の画面も次取引画面の画面となり、表示部7aの画面が次取引画面である図28に示す引出金額入力画面に切替わる。
【0120】
このようにして画面分割手段による取引画面の3つの表示領域への分割が実行され、連結画面作成手段による現在取引画面と次取引画面との連結画面の作成が実行され、画面スクロール手段より表示部7aの中央表示領域32の画面をスクロールさせることによる現在取引画面から次取引画面への切替えが実行される。
本実施例の出金取引の場合の高齢者取引処理の作動は、上記実施例3の高齢者取引処理の作動(図14)と同様であるのでその説明を省略する。
【0121】
この場合に、実施例3のステップSB7、SB8、SB9、SB11、SB13における取引画面の切替えは、上記した画面合成手段と画面分割手段、連結画面作成手段および画面スクロール手段により取引画面の中央表示領域32をスクロールさせながら実行される。
例えば、SB7で説明したカード挿入依頼画面から暗証番号入力画面への切替においては、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面をカード挿入依頼画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)として画面分割手段により3つの表示領域の表示データに分割されたそれぞれの中央表示データにより連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段により表示部7aの中央表示領域32の画面をスクロールさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
【0122】
これにより、高齢者の顧客は取引画面が切替えられたことに気付き、テンキー等によって暗証番号を入力する。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面の中央表示領域をスクロールさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0123】
図29は実施例6の記憶部の構成を示すブロック図である。
なお、上記実施例1から実施例4および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
【0124】
また、本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
本実施例の業務実行プログラムは、図29に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成AP、並びに実施例4と同様の画面スライドAPおよび実施例5と同様の画面分割APが格納されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段、画面スライド手段および画面分割手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0125】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面分割APおよび画面スライドAPにより現在取引画面と次取引画面を分割しその主表示領域である中央表示領域の現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせて取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
【0126】
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面の表示データの転送を受け、この次画面表示データを画面分割APへ引渡す。
次画面表示データを受取った画面分割APは、実施例5で説明したと同様にして次画面表示データを図28に示すように上部表示領域31に表示する次画面上部表示データと、中央表示領域32に表示する次画面中央表示データと、下部表示領域33に表示する次画面下部表示データの3つの表示データに分割してこれらを主制御部3へ転送する。
【0127】
次取引画面の分割された表示データの転送を受けた主制御部3は、その次画面上部表示データと次画面下部表示データを記憶部6に一時保存し、転送された次画面中央表示データを画面スライドAPへ引渡す。
次画面中央表示データを受取った画面スライドAPは、次画面中央表示データの左端部の所定の列数の表示データを切出し、これに表示部7aの中央表示領域32の画面の切出した列数に相当する右端部の座標を付してこれを最初のスライド表示データとして主制御部3へ送出する。
【0128】
最初のスライド表示データを受けた主制御部3は、現在取引画面(暗証番号入力画面)をバックグランド表示に切替え、転送された中央表示領域32のスライド表示データを表示部7aに送ってその中央表示領域32の画面に最初のスライド表示データを表示する。
その後は実施例4で説明したと同様にして表示部7aの中央表示領域32の画面をスライドさせ、最後のスライド表示データを主制御部3が表示する時に、記憶部6に一時保存した次画面上部表示データと次画面下部表示データとを読出し、これらを表示部7aに送って上部表示領域31と下部表示領域33の画面に表示する。
【0129】
これにより、中央表示領域32の画面が次取引画面(引出金額入力画面)の中央表示領域32の画面になると同時にその上部表示領域31と下部表示領域33の画面も次取引画面の画面となり、表示部7aの画面が次取引画面である図28に示す引出金額入力画面に切替わる。
このようにして画面分割手段による取引画面の3つの表示領域への分割が実行され、画面スライド手段より表示部7aの中央表示領域32の画面をスライドさせることによる現在取引画面から次取引画面への切替えが実行される。
【0130】
本実施例の出金取引の場合の高齢者取引処理の作動は、上記実施例4の高齢者取引処理の作動(図21)と同様であるのでその説明を省略する。
この場合に、実施例4のステップSC7、SC8、SC9、SC11、SC13における取引画面の切替えは、上記した画面合成手段と画面分割手段、画面スライド手段により取引画面の中央表示領域32をスライドさせながら実行される。
【0131】
例えば、SC7で説明したカード挿入依頼画面から暗証番号入力画面への切替においては、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面のカード挿入依頼画面をバックグランド表示とし、次取引画面である画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)を画面分割手段により3つの表示領域の表示データに分割してその中央表示領域32に画面を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
【0132】
これにより、高齢者の顧客は取引画面が切替えられたことに気付き、テンキー等によって暗証番号を入力する。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面の中央表示領域をスライドさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例4と同様の効果を得ることができる。
【0133】
なお、上記実施例3から実施例6の各実施例において、現在取引画面を次取引画面にスクロールまたはスライドさせながら切替えるときに、その切替過程の一部または全部の時間に取引画面の切替えを顧客に知らせるための警告音またはメロディ音等の報知音をハンドセット13または外部スピーカ14により顧客に報知するようにしてもよい。このようにすれば高齢者の顧客は音に注意を引き付けられやすいので、顧客の注意を喚起して取引画面の切替えを確実に気付かせることができる。
【実施例7】
【0134】
図30は実施例7の記憶部の構成を示すブロック図である。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
【0135】
本実施例の業務実行プログラムは、図30に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成APに取引画面に表示された操作ボタンの表示を点滅させる機能を有する操作ボタン点滅APが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段、連結画面作成手段および操作ボタン点滅手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0136】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、操作ボタン点滅APにより取引画面に表示されている操作ボタンを点滅させるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)の操作ボタン、例えば「次に進む」の操作ボタン(次画面切替ボタン)を点滅させる場合は、主制御部3は記憶部6の画面データファイルの部品イラストから「次に進む」の操作ボタンの部品イラストと、取引画面構成テーブルから現在取引画面の表示部品である「次に進む」の操作ボタンを表示する座標領域とを読出し、これらに点滅時間を添付して操作ボタン点滅APに引渡す。
【0137】
部品イラスト等を受取った操作ボタン点滅APは、受取った部品イラストの表示色および/もしくは表示の輝度を変化させ、これに受取った座標領域を付した操作ボタン表示データを作成し、表示色および/もしくは表示輝度を変化させた操作ボタン表示データと元の表示色および/もしくは表示輝度の操作ボタン表示データとを交互に所定の時間間隔(例えば0.5秒)で受取った点滅時間の間主制御部3へ送出し、これを受けた主制御部3は操作ボタン表示データを受ける度に、これを表示部7aへ送って現在取引画面(振込先口座番号入力画面)の該当する操作ボタン(本説明では「次に進む」の操作ボタン)の表示色および/もしくは表示輝度を交互に変化させて所定の点滅時間その操作ボタンを点滅させる。
【0138】
このようにして、本実施例の操作ボタン点滅手段による現在取引画面の操作ボタンの点滅が実行される。
以下に、図15に示す引出金額入力画面を用いて本実施例の高齢者取引処理による出金取引の引出金額の入力ステップについて説明する。
前ステップの終了を認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図15に示す引出金額入力画面(表示内容は実施例3で説明したと同様)を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始し、記憶部6のタイムアウト時間保存エリアから引出金額入力画面のタイムアウト時間を読出して規定時間を認識する。
【0139】
顧客はテンキーや単位キー等によって引出金額を入力し、次取引画面への切替えを指示するために「次に進む」の操作ボタンを押下する。
入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された引出金額を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、操作ボタン点滅手段により所定の点滅時間(例えば3秒)「次に進む」の操作ボタンを点滅させた後に次のステップへ移行して次取引画面を表示部7aに表示する。
【0140】
他の取引画面においても同様に現在取引画面を次取引画面に切替えるときに現在取引画面において最後に押下される操作ボタン、つまり次画面切替ボタンが押下されたときに、主制御部3は次取引画面に切替える前に次画面切替ボタンを操作ボタン点滅手段により所定の回数点滅させた後に次取引画面へ切替える。
このようにすれば、高齢者の顧客は画面の切替えを予想することができ、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
【0141】
次に上記の引出金額の入力ステップで、顧客が引出金額の入力終了後に「次に進む」の操作ボタン(次画面切替ボタン)を押し忘れたときの作動について説明する。
引出金額入力画面では、主制御部3は、引出金額の文字ボタンによる入力を入力受付手段により一文字毎に受付けてその入力された引出金額を認識しており、引出金額の入力の終了は文字ボタンとしての「円」の単位キーが押下されたことにより認識する。
【0142】
この場合に、顧客が次画面切替ボタンを押し忘れると、取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時にタイムアウトが発生する。このタイムアウトの発生を防止するために本実施例では以下のようにする。
すなわち、主制御部3は、取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時に自動的に次取引画面に切替える。このようにしても引出金額の入力の終了を認識しているので取引処理に支障をきたすことはなくタイムアウトの発生による取引処理の遅延を防止することができる。
【0143】
または、取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時に、操作ボタン点滅手段により次画面切替ボタンを一定時間(例えば10秒)点滅させて顧客の注意を喚起し、顧客が次画面切替ボタンを押下した時はその時点で、次画面切替ボタンを押下しなかった時は一定時間の経過後に次取引画面に切替える。このようにしても前記と同様の効果を得ることができる。この場合に次画面切替ボタンの表示色の輝度を上げて顧客の注意を喚起するようにしてもよく、取引画面に「「次に進む」を押してください。」等の顧客の注意を喚起する旨の案内文言を表示するようにしてもよい。
【0144】
このような文字ボタンによる入力画面の場合に、主制御部3が入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字受付ける度に、取引画面の表示経過時間の計測をリセットして再計測するようにすれば、更にタイムアウトの発生による取引処理の遅延を防止することができる。
上記と同様の文字ボタンによる他の入力画面においても、同様にすれば同様の効果を得ることができる。例えば振込取引における依頼人電話番号入力画面(後述する図50)では以下のようにするとよい。
【0145】
電話番号の桁数は携帯電話の場合は「090」または「080」で始まる11桁、加入電話の場合は前記以外の3桁で始まる10桁と決まっているので、依頼人電話番号入力画面による入力ステップにおいて、主制御部3は文字ボタンによる入力を入力受付手段により一文字毎に受付けてその数字を認識し、3桁目が入力された時点でその数字により加入電話か携帯電話かを判定し、入力される桁数を認識してその桁数が入力された時に電話番号の入力の終了を認識して上記と同様にしてタイムアウトの発生による取引処理の遅延を防止する。
【実施例8】
【0146】
図31は実施例8の記憶部の構成を示すブロック図、図32は実施例8の高齢者取引処理を示すフローチャートである。
なお、上記実施例1および実施例2と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムと画面データファイルの構成が異なる他、音声伝達手段を格納するための音声伝達手段格納エリアが新たに確保され、外部秘匿項目リストが新たに格納されている。
【0147】
本実施例の業務実行プログラムは、図31に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成APに、平仮名や片仮名、漢字、アルファベット、数字等の文字およびその組合せである文字列(単に文字という。)によるテキストデータをその文字の音声データに変換して出力する機能を有する文字音声変換APが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段および文字音声変換手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
【0148】
また、記憶部6には、上記の各機能手段が用いるデータとして実施例1と同様の画面背景、部品イラスト、案内文言データ、並びに案内文言のナレータによる音声からなる案内音声データ、および「と入力されました。」「が選択されました。」「よろしいですか。」等の定型文言を表示するための定型文言データとそのナレータによる音声を格納する定型音声データ、および振込取引の取引画面に用いる振込先金融機関名一覧表、振込先店舗名一覧表、口座名一覧表、および通常モードと高齢者モードの各取引画面に対応させて予め設定されたそれぞれ取引画面の画面背景、案内文言データ、案内音声データ、定型文言データ、定型音声データ、必要な表示部品(前記各一覧表を含む。)の種類とこれを表示する画面上の座標領域等からなる画面構成を記した取引画面構成テーブル等が画面データファイルとして格納されている。
【0149】
この一覧表は、振込取引の際に振込先の候補になる金融機関等の名称(金融機関名という。)や店舗名、口座の種別である口座名のテキストデータとその表示枠の形状や表示色から構成され、部品イラストと同様に取引画面に表示する表示部品として取扱われる。
更に、記憶部6には、外部スピーカ14により音声で伝達する場合に、他人に情報が洩れることを防ぐ必要がある項目、例えば振込先や依頼人の口座番号、振込金額や引出金額、入金金額等の金額、振込先や依頼人の氏名、振込先や依頼人の電話番号等の項目を外部秘匿項目として記した外部秘匿項目リストが予め設定されて格納されている。
【0150】
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、文字音声変換APにより顧客が文字ボタンや操作ボタンにより入力したボタン名を音声に変換するときの作動は以下のように実行される。
主制御部3は上記実施例1で説明した画面合成APへ現在取引画面の画面構成情報を引渡す時に、実施例1で説明したと同様にして画面上の座標領域に対応させた表示部品(各一覧表を含む。)のボタン名や表題名、金融機関名、店舗名、口座名のテキストデータと表示枠の形状を入力受付情報として記憶部6に一時保存しておく。
【0151】
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例2で説明した図10に示す振込先口座番号入力画面)の文字ボタン(例えば文字ボタンの「1」)を音声に変換する場合は、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力内容(文字ボタンの「1」)を認識し、記憶部6に一時保存しておいた入力受付情報からそのボタンのボタン名のテキストデータ(「1」)を読出し、このテキストデータを記憶部6に一時保存すると共に、テキストデータに留保指示と送出指示を添付して文字音声変換APへ引渡す。
【0152】
留保指示と送出指示およびテキストデータを受取った文字音声変換APは、テキストデータを機械合成音により一音毎に音声(「イ」「チ」)に変換しこれを合成した一文字毎の音声データ(「イチ」)を送出指示に従って主制御部3へ送出すると共に留保指示に従って変換した音声データを記憶部6に一時留保する。
音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声(「イチ」)で伝達する。
【0153】
更に顧客が文字ボタンにより入力を行うと、主制御部3は前記と同様にしてその入力毎に入力された文字ボタンのボタン名を一文字毎に音声で顧客に伝達する。この場合に文字音声変換APは音声データを受取った順に記憶部6に一時留保する。
そして、例えば「次に進む」の操作ボタン等の次取引画面への切替えを指示する操作ボタン(次画面切替ボタン)を顧客が押下した場合は、主制御部3は入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識し、結果作成指示を文字音声変換APへ引渡す。
【0154】
結果作成指示を受取った文字音声変換APは、結果作成指示に従って記憶部6に一時留保してある複数の音声データを留保されている順に読出し、各音声データの間にポーズを置いて複数の音声データを並べて一つの音声データ(例えば「イチ」、「ニ」、「サン」・・)にし、この音声データを文字ボタンによる入力結果の音声データとして主制御部3へ送出すると共に、記憶部6に一時留保してある複数の音声データを消去する。
【0155】
この場合に、主制御部3が記憶部6に一時保存しておいた文字ボタンのテキストデータを入力順に並べて文字列のテキストデータとし、後述する文字音声変換APによる金融機関名の音声データへの変換と同様にして変換した入力結果の音声データを受けるようにしてもよい。
入力結果の音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声で伝達する。
【0156】
このようにして、本実施例の文字音声変換手段による文字ボタンのボタン名の一文字毎の音声データへの変換や文字ボタンによる入力結果の音声データへの変換が実行される。
また、振込先金融機関名選択画面(後述する図38)から金融機関名等の文字としての文字列をボタン名とした文字ボタンが押下された場合は、主制御部3は入力受付手段により文字ボタンによる入力を受付けてその入力内容(例えば文字ボタンの「A銀行」)を認識し、記憶部6に一時保存しておいた入力受付情報からそのボタンのボタン名の文字列からなるテキストデータ(「A銀行」)を読出し、この文字列のテキストデータを記憶部6に一時保存すると共に、これに送出指示を添付して文字音声変換APへ引渡す。
【0157】
送出指示と文字列からなるテキストデータを受取った文字音声変換APは、テキストデータ一文字毎に分解し、各文字を機械合成音により一文字毎に音声データに変換してこれを合成した音声データ(「エイギンコウ」)を送出指示に従って主制御部3へ送出する。
合成された音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声(「エイギンコウ」)で伝達する。この場合に現在取引画面に定型文言を表示しているときは、主制御部3はその現在取引画面の定型音声データを記憶部6に一時保存している入力受付情報から読出し、例えば「が選択されました」の定型音声データを読出し、読出した定型音声データを文字音声変換APから受取った音声データに続けて文章音声データを生成し、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送り、顧客に音声による文章(「エイギンコウ」「が選択されました」)で伝達する。文字列によるボタン名を表示した操作ボタンの場合も同様である。
【0158】
このようにして、本実施例の文字音声変換手段により文字列によるボタン名の音声データへの変換が実行され、音声文章生成手段による機械合成音の組合せとナレータの音声による文章音声データの生成が実行される。
なお、本実施例の主制御部3が、画面合成APにより後述する各確認画面を合成するときの作動は以下のように実行される。
【0159】
主制御部3が振込先口座番号確認画面(後述する図46)を表示する場合は、主制御部3は、上記で記憶部6に一時保存したテキストデータを読出し、これを一時保存した順に並べて入力結果である文字列のテキストデータとし、これを画面構成に記された画面背景と部品イラストと定型文言データとこれらの座標領域に添付した画面構成情報を画面合成APに引渡すと共に、上記実施例1で説明したと同様にして入力受付情報を記憶部6に一時保存する。
【0160】
画面構成情報を受取った画面合成APは、実施例1で説明したと同様にして振込先口座番号確認画面の表示データを合成し、これを主制御部3へ転送する。
確認画面である振込先口座番号確認画面の表示データの転送を受けた主制御部3は、これを小画面として表示部7aに送って前の取引画面の前面に合成された振込先口座番号確認画面を表示する。他の一文字毎に入力を受付ける取引画面の次取引画面として確認画面を表示するときも同様である。
【0161】
また、主制御部3が振込先金融機関名確認画面(後述する図39)を表示する場合は、主制御部3は、上記で記憶部6に一時保存した文字列のテキストデータを読出し、これを前記と同様にして画面構成情報として画面合成APに引渡す。
その後の作動は前記と同様であるのでその説明を省略する。他の文字列をボタン名とした文字ボタンにより選択の入力を受付ける取引画面の次取引画面として確認画面を表示するときも同様である。
以下に、図32に示すフローチャートを用い、SDで示すステップに従って振込取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
【0162】
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であり、文字音声変換手段、文章音声生成手段による作動および画面合成手段による確認画面の合成の作動は前記と同様であるので以下の説明においては詳細な説明を省略する。
本実施例のステップSD1〜SD4の作動は、実施例1(図1)のステップS1〜S4の作動と同様であるのでその説明を省略する。
【0163】
SD5、顧客の選択を高齢者モードによる取引と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成したハンドセット13の使用を促す旨の案内文言と「次に進む」の操作ボタン、つまり次画面切替ボタンの押下を促す旨の文言を表示した図33に示す高齢者モード操作案内画面を表示した直後に、記憶部6に一時保存した入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを外部スピーカ14により音声で顧客に伝達する。
【0164】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してハンドセット13を取り、「次に進む」の操作ボタンを押下する。
顧客がハンドセット13を取ったことを検知した主制御部3は、記憶部6の音声伝達手段格納エリアに音声伝達手段として「ハンドセット」を格納してステップSD6へ移行する。
【0165】
この場合に、顧客がハンドセット13を取らずに「次に進む」の操作ボタンを押下したときは、主制御部3は記憶部6の音声伝達手段格納エリアに音声伝達手段として「外部スピーカ」を格納する。また以下に示す取引の過程で主制御部3が、顧客がハンドセット13を取ったことを検知したときはその時点で主制御部3は記憶部6の音声伝達手段格納エリアを「ハンドセット」に変更する。
【0166】
SD6、入力受付手段により「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、次取引画面として画面合成手段が合成した図34(表示内容は実施例1の図6と同じ。)に示す高齢者取引選択画面を表示部7aに表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認して読出した案内音声データを音声で顧客に伝達する。本実施例の音声伝達手段格納エリアには「ハンドセット」が格納されているので、顧客への伝達はハンドセット13により行われる。
【0167】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して高齢者取引選択画面から「お振込み」の操作ボタンを押下する。
SD7、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を振り込み取引と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図35に示す決済方法選択画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0168】
決済方法選択画面には、振込取引の決済方法の選択を促す旨の案内文言と取引カードによる決済を選択するための「口座から振込み」、現金による決済を選択するための「現金で振込み」、決済方法の選択を取止めて取引を中止するための「取消」をボタン名とした操作ボタン等が表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して取引カードによる決済を行うために「口座から振込み」の操作ボタンを押下する。
【0169】
SD8、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を取引カードによる決済と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した取引カードの挿入を促す旨の案内文言とその旨を図解したイラストおよび取引カードの挿入を取止めて取引を中止するための「取消」の操作ボタンを表示した図36に示すカード挿入依頼画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0170】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して取引カードをカード取扱部8に挿入する。
この時、主制御部3はカード取扱部8によって取引カードの磁気ストライプに記録されているカード情報を読取る。
SD9、カード情報を読取った主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図37(表示内容は実施例1の図4と同じ。)に示す暗証番号入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0171】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してテンキー等によって暗証番号を入力する。
なお、取引画面が暗証番号入力画面の場合には、上記の文字音声変換手段による入力された文字ボタンのボタン名の一文字毎の音声による顧客への伝達は、セキュリティのために実行されない。
【0172】
SD10、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された暗証番号を認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した振込先の金融機関名を選択するための図38に示す振込先金融機関名選択画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0173】
振込先金融機関名選択画面には、振込先の金融機関名(図示は銀行名)の選択を促す旨の案内文言および候補となる金融機関名をボタン名とした文字ボタンによる一覧表、一覧表の表示内容を前方に移動させるための「上矢印」、一覧表の表示内容を後方に移動させるための「下矢印」をボタン名とした操作ボタン等が表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、金融機関名(A銀行)を選択してその文字ボタンを押下する。
【0174】
入力受付手段によりその入力を受付けて選択された金融機関名(A銀行)を認識した主制御部3は、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声(「エイギンコウ」)で顧客に伝達する。
SD11、音声による金融機関名の伝達を終えた主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図39に示す振込先金融機関名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声(「エイギンコウが選択されました。よろしいですか?」)で顧客に伝達する。
【0175】
振込先金融機関名確認画面には、選択された金融機関名とその確認を促す旨の定型文言および選択内容を訂正するための「訂正」、選択内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0176】
SD12、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその選択内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した選択された金融機関名の店舗の名称を入力するための図40に示す振込先店舗名入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0177】
振込先店舗名入力画面には、振込先の店舗名(図示は支店名)の一文字目の入力を促す旨の案内文言および片仮名の50音からなる一文字をボタン名とした文字ボタン(カナ文字キーという。)等が表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して店舗名の読みの1文字目となるカナ文字キー(「ノ」)を押下する。
【0178】
入力受付手段によりその入力を受付けて選択された店舗名の読みの一文字目のボタン名を認識した主制御部3は、文字音声変換手段により変換したボタン名(「ノ」)の音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声(「ノ」)で顧客に伝達する。
SD13、音声によるボタン名の伝達を終えた主制御部3は、振込先店舗名一覧表から入力された金融機関名のその一文字で始まる店舗名を読出して画面合成手段により合成した図41に示す振込先店舗名選択画面を表示部7aに表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0179】
振込先店舗名選択画面には振込先の店舗名の選択を促す旨の案内文言および「ノ」から始まる候補となる金融機関名をボタン名とした文字ボタンによる一覧表、一覧表の表示内容を後方に移動させるための「下矢印」、前の取引画面、つまり振込先店舗名入力画面に戻るための「一文字目選択のやりなおし」をボタン名とした操作ボタン等が表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、店舗名を選択してその文字ボタンを押下する。
【0180】
入力受付手段によりその入力を受付けて選択された店舗名を認識した主制御部3は、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
SD14、音声による店舗名の伝達を終えた主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図42に示す振込先店舗名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0181】
振込先店舗名確認画面には、選択された店舗名とその確認を促す旨の定型文言および選択内容を訂正するための「訂正」、選択内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0182】
SD15、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその選択内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した振込先の金融機関等に受取人が開設している口座の種別を選択するための図43に示す口座名選択画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0183】
口座名選択画面には、口座名の選択を促す旨の案内文言および候補となる口座名をボタン名とした文字ボタンによる一覧表等が表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、口座名を選択してその文字ボタンを押下する。
入力受付手段によりその入力を受付けて選択された口座名を認識した主制御部3は、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0184】
SD16、音声による口座名の伝達を終えた主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図44に示す口座名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0185】
振込先金融機関名確認画面には、選択された口座名とその確認を促す旨の定型文言および選択内容を訂正するための「訂正」、選択内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0186】
SD17、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその選択内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図45(表示内容は実施例2の図10と同じ。)に示す振込先口座番号入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0187】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してテンキー等によって振込先口座番号を入力する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎、つまり入力毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0188】
そして、顧客は口座番号の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
SD18、入力受付手段により文字ボタンによる一文字毎の入力を受付けてその口座番号を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図46に示す振込先口座番号確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0189】
振込先口座番号確認画面には、入力された口座番号とその確認を促す旨の定型文言および入力内容を訂正するための「訂正」、入力内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0190】
SD19、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図47に示す依頼人氏名入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0191】
依頼人氏名入力画面には、依頼人の氏名の入力を促す旨の案内文言および依頼人氏名の入力内容表示欄と上記振込先店舗名入力画面(図40)と同様のカナ文字キーと濁音や長音、スペースを示す記号をボタン名とした文字ボタン(補助キーという。)、並びに氏名の入力のをやり直すための「全訂正」、一文字の入力の間違いを訂正するための「一字訂正」、依頼人氏名の入力を取止めて取引を終了するための「取消」、入力内容を確認して次取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
【0192】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してカナ文字キーや補助キー等によって依頼人氏名を入力する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は依頼人氏名の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
【0193】
SD20、入力受付手段により文字ボタンによる一文字毎の入力を受付けてその依頼人氏名を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図48に示す依頼人氏名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0194】
依頼人氏名確認画面には、入力された氏名とその確認を促す旨の定型文言および入力内容を訂正するための「訂正」、入力内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0195】
SD21、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図49に示す依頼人電話番号入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0196】
依頼人電話番号入力画面には、依頼人の電話番号の入力を促す旨の案内文言および依頼人電話番号の入力内容表示欄とその入力のためのテンキーとハイフンをボタン名とした文字ボタン並びに電話番号の入力を訂正するための「訂正」、依頼人電話番号の入力を取止めて取引を終了するための「取消」、入力内容を確認して次取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
【0197】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してテンキー等によって依頼人電話番号を入力する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は依頼人電話番号の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
【0198】
SD22、入力受付手段により文字ボタンによる一文字毎の入力を受付けてその依頼人電話番号を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図50に示す依頼人電話番号確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0199】
依頼人電話番号確認画面には、入力された電話番号とその確認を促す旨の定型文言および入力内容を訂正するための「訂正」、入力内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0200】
SD23、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容が確認されたことを認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図51に示す振込金額入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0201】
振込金額入力画面には、振込金額の入力を促す旨の案内文言および振込金額の入力内容表示欄とその入力のためのテンキーと単位キー、並びに振込金額の入力を訂正するための「訂正」、振込金額の入力を取止めて取引を終了するための「取消」、入力内容を確認して次取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
【0202】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認してテンキー等によって振込金額を入力する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は振込金額の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
【0203】
SD24、入力受付手段により文字ボタンによる一文字毎の入力を受付けてその振込金額を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図52に示す振込金額確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0204】
振込金額確認画面には、入力された振込金額とその確認を促す旨の定型文言および入力内容を訂正するための「訂正」、入力内容の確認を指示するための「はい」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
【0205】
SD25、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容が確認されたことを認識した主制御部3は、ホストコンピュータ2との間で依頼人照会の交信処理を実行する。
すなわち、主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成したしばらくの間の待機を促す旨を表示した図53に示す待機依頼画面を表示し、その直後に記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する一方、取引カードのカード情報に入力された暗証番号や振込金額等を添付して依頼人照会電文を作成し、これを通信部4によって通信回線を介してホストコンピュータ2へ送信する。
【0206】
依頼人照会電文を受信したホストコンピュータ2は、カード情報を基に顧客ファイルの顧客情報を検索して該当する顧客情報の暗証番号と依頼人照会電文の暗証番号を照合し、暗証番号が一致し、顧客の口座残高に不足がない場合は顧客を認証して依頼人を認証した旨の照会結果電文を作成してこれを通信回線を介して現金自動預払機1へ送信する。
なお、暗証番号が一致しない場合や口座残高が不足している場合には、依頼人を認証しない旨の照会結果電文が作成される。
【0207】
SD26、通信部4によって照会結果電文を受信した主制御部3は、その照会結果電文により依頼人が認証されたことを認識して表示部7aに画面合成手段が合成した図54に示す振込内容確認画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0208】
振込内容確認画面には、振込内容の確認を促す旨の案内文言および主制御部3が認識した依頼人氏名、依頼人電話番号、振込先金融機関名、振込先店舗名、口座名、振込先口座番号および振込金額の表示欄と各表示項目の間違いの訂正を指示するための「訂正」、振込取引を終了するための「取消」、振込内容を確認して次取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタン、並びに振込取引の手数料が表示される。
【0209】
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により振込内容を確認して「次に進む」の操作ボタンを押下する。
SD27、入力受付手段により「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けて振込内容が確認されたことおよび次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、ホストコンピュータ2との間で振込取引の交信処理を実行する。
【0210】
すなわち、主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した上記ステップSD25と同様の待機依頼画面を表示し、その直後に記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する一方、顧客が認証済である旨に取引カードのカード情報や確認された振込内容等を添付して振込取引電文を作成し、これを通信部4によって通信回線を介してホストコンピュータ2へ送信する。
【0211】
振込取引電文を受信したホストコンピュータ2は、振込取引電文の顧客が認証済である旨により顧客を認証し、カード情報を基に顧客ファイルの顧客情報を検索して該当する顧客情報の顧客の口座から振込金額と手数料を引落して顧客の口座残高を更新し、振込取引電文の金融機関に対して振込先店舗名、口座名、振込先口座番号および依頼人氏名、依頼人電話番号を添付して振込金額の入金を依頼する。
【0212】
振込金額の入金を終えたホストコンピュータ2は、振込取引が終了した旨を振込取引終了通知として通信回線を介して現金自動預払機1へ送信する。
SD28、通信部4によって振込取引終了通知を受信した主制御部3は、振込取引の交信処理の終了を認識し、表示部7aに画面合成手段が合成した取引カードや取引明細票の受取りを促す旨の案内文言とその旨を図解したイラストを表示した図55に示す取引カード等受取依頼画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
【0213】
これと並行して主制御部3は、確認された振込内容等を基に印刷データを作成し、これをカード取扱部8へ送って取引明細票を印刷し、取引カードと取引明細票をカード取扱部8によって排出する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して取引カードと取引明細票を受取る。
【0214】
顧客の取引カード等の受取を確認した主制御部3は、振込取引処理を終了させ、ステップSD1へ戻ってステップSD1、SD2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
このように、本実施例では主制御部3が高齢者モードによる取引と認識した後、最初に表示する取引画面(本実施例ではステップSD5の高齢者モード操作案内画面(図33))に「次に進む」の操作ボタン、つまり次画面切替ボタンを表示し、その後に表示する次画面切替ボタン(本実施例ではステップSD17の振込先口座番号入力画面(図45)等)は常に同一の形状、同一の表示色で同一の位置に表示するようにして高齢者の顧客に次画面切替ボタンの意味を確実に把握させると共に、次画面切替ボタンの表示の相違による戸惑いを防止している他、高齢者モードによる取引が選択された後の最初の取引画面に次画面切替ボタンを表示して次画面切替ボタンを押下すれば次画面に切替わることを早期に把握させるようにしている。
【0215】
なお、本実施例では上記各確認画面の表示内容の音声による伝達は確認画面の表示中に行うとして説明したが、案内文言の音声による伝達と同様に確認画面を表示した直後に行うようにしてもよい。このようにすれば確認画面においても音声案内に注意を引き付けられやすい高齢者との取引における誤操作を防止することができる。
また、本実施例では音声伝達手段がハンドセット13である場合を例に説明したが、音声伝達手段が外部スピーカ14の場合も同様である。
【0216】
この場合に、外部秘匿項目として設定された項目を外部スピーカ14により顧客に伝達するときにはその伝達内容が伏せられる。
すなわち、主制御部3は取引画面を表示した直後に記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認したときに音声伝達手段格納エリアに「外部スピーカ」が格納されている場合は、記憶部6の外部秘匿項目リストから外部秘匿項目を読出し、表示した取引画面が読出した外部秘匿項目に該当する項目の入力画面(本実施例ではステップSD17の振込先口座番号入力画面(図45)、ステップSD19の依頼人氏名入力画面(図47)、ステップSD21の依頼人電話番号入力画面(図49)、ステップSD23の振込金額入力画面(図51))である場合に、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるボタン名の音声データへの変換を実行しないで、顧客が「次に進む」の操作ボタンを押下したときに次のステップへ移行して次取引画面、つまり確認画面を表示し、その取引画面で文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認して外部スピーカ14により音声で顧客に伝達するときに文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データを主制御部3が外部スピーカ14に送らないことにより消音して外部スピーカ14からは定型音声データのみが音声で伝達されるようにする。これにより外部秘匿項目の情報が他人に洩れることを防止することができる。
【0217】
なお、暗証番号入力画面は上記で説明したように、音声伝達手段がハンドセット13である場合および外部スピーカ14である場合の両方の場合において、セキュリティのために音声による顧客への伝達は実行されない。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識したときに、取引画面を表示部に表示した直後に、表示した案内文言の案内音声データを音声伝達手段により音声で顧客に伝達するようにしたことによって、音声案内に注意を引き付けられやすい高齢者との取引における誤操作を防止することができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0218】
これに加えて、本実施例では、文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によりそのボタン名の文字を音声データに変換して音声で顧客に伝達するようにしたことによって、視力の低下や指先の震え等のために文字ボタン等の押下時に隣のボタンを押す等の誤入力を行いやすい高齢者の顧客は音声により誤入力に直ぐに気付くことができ、適切な訂正により取引操作を最初からやり直す事態を防止して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0219】
また、確認画面において、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを音声で顧客に伝達するようにしたことによって、高齢者の顧客の入力内容を確実に伝達することができ、適切な訂正により取引操作を最初からやり直す事態を防止して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
【0220】
更に、主制御部が高齢者モードによる取引と認識した後、最初に表示する取引画面に次画面切替ボタンを表示するようにしたことによって、高齢者の顧客に次画面切替ボタンを押下すれば次画面に切替わることを早期に把握させるることができる。
更に、取引画面に表示する次画面切替ボタンは常に同一の形状、同一の表示色で同一の位置に表示するようにしたことによって、高齢者の顧客に次画面切替ボタンの意味を確実に把握させることができると共に、次画面切替ボタンの表示の相違による戸惑いを確実に防止することができる。
【0221】
なお、上記各実施例においては、入力受付手段は表示部の画面に表示された文字ボタンや操作ボタンの指触された位置を検出するタッチパネルによる入力部として説明したが、入力受付手段は前記に限らず、入力部をテンキー等を有するキーボードまたはハンドセットに設けたテンキー等として画面に表示された文字ボタンや操作ボタンに記された文字または記号をテンキー等により入力しても、入力部をマウスとして画面に表示された文字ボタンや操作ボタンを選択するようにしてもよく、タッチパネルを含めてこれらを複数組合せて用いるようにしてもよい。
【0222】
また、高齢者モードを選択するための操作ボタンのボタン名を「高齢者モード」とするとして説明したが、操作ボタンのボタン名は前記に限らず、「かんたん画面へ」等のボタン名であってもよい。要は押下された操作ボタンにより高齢者モードへの移行を認識することができればボタン名はどのようなものであってもよい。
更に、次画面切替ボタンは「次に進む」の操作ボタンとして説明したが、次画面切替ボタンのボタン名は前記に限らず、「確認」等のボタン名であってもよい。要は押下された操作ボタンにより次取引画面への切替えを認識することができればボタン名はどのようなものであってもよい。
【0223】
更に、上記各実施例においては、出金取引や振込取引等の特定の取引処理を例に説明したが、他の取引処理においても本発明を適用すれば同様の効果を得ることができる。
更に、上記各実施例においては、自動取引装置は現金自動預払機として説明したが、自動取引装置は前記に限らず、無人契約機や発券装置等であっても本発明を適用すれば同様の効果を得ることができる。
【0224】
上記各実施例は、それぞれ組合せて適用することが可能であり、各実施例を適宜組合せれば、それらの実施例を組合せた効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0225】
1 現金自動預払機
2 ホストコンピュータ
3 主制御部
4 通信部
5 時計部
6 記憶部
7 顧客操作部
7a 表示部
7b 入力部
8 カード取扱部
9 通帳取扱部
10 紙幣入出金部
11 硬貨入出金部
12 顧客検知部
13 ハンドセット
14 外部スピーカ
21 案内文言表示部
31 上部表示領域
32 中央表示領域
33 下部表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引における取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンを1つまたは複数表示した取引画面を表示する表示手段と、前記文字ボタンおよび操作ボタンによる入力を受付ける入力受付手段とを備えた自動取引装置において、
前記取引画面に表示される取引操作の案内文言を案内音声データとして格納する案内音声データ格納手段と、
取引が高齢者モードによる取引であることを認識する高齢者モード認識手段と、
該高齢者モード認識手段が取引を前記高齢者モードによる取引と認識した場合に、取引画面を前記表示手段に表示した直後に、前記案内音声データ格納手段から前記取引画面の案内文言の案内音声データを読出し、該案内音声データにより案内文言を音声で顧客に伝達する音声伝達手段とを備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1において、
文字によるテキストデータを、その文字の音声データに変換する文字音声変換手段を備え、
取引画面が文字ボタンを表示した取引画面である場合に、前記入力受付手段が受付けた文字ボタンのボタン名を前記文字音声変換手段が入力毎に音声データに変換し、該入力毎の音声データを前記音声伝達手段により顧客に伝達することを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記取引画面に表示される定型文言を、定型音声データとして格納する定型音声データ格納手段と、
前記文字ボタンによる入力の終了を認識する文字入力終了認識手段と、
該文字入力終了認識手段が入力の終了を認識したときに、前記文字ボタンを表示した取引画面の次の取引画面として、前記文字ボタンによる入力結果と前記定型文言とを表示した確認画面を前記表示手段に表示する手段と、
前記確認画面の表示のときに、前記定型音声データ格納手段から前記確認画面の定型文言の定型音声データを読出し、前記文字音声変換手段が入力毎に変換した音声データを入力順に並べた入力結果の音声データに、前記読出した定型音声データを続けて前記音声伝達手段により顧客に伝達することを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記取引画面が暗証番号入力画面である場合に、前記入力毎の音声データへの変換と前記確認画面の表示を取止めることを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記音声伝達手段が、外部スピーカであることを特徴とする自動取引装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記音声による伝達内容が外部秘匿項目である場合に、前記入力毎の音声データへの変換を取止めると共に、前記文字音声変換手段による入力結果の音声データを消音することを特徴とする自動取引装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記音声伝達手段が、ハンドセットであることを特徴とする自動取引装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate


【公開番号】特開2012−238321(P2012−238321A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159106(P2012−159106)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2010−7424(P2010−7424)の分割
【原出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】