説明

自動情報提示装置、自動情報提示方法及び自動情報提示プログラム

【課題】対象物への注目動作によって、対象物の傍まで行かなくても、また手が離せないような状況でも当該対象物の情報を自動的に入手することができる自動情報提示装置、自動情報提示方法及び自動情報提示プログラムを提供すること。
【解決手段】ユーザの顔の向き(身体情報)を検出する検出手段と、検出された顔の向きからユーザの注目方向及び意思を判別する判別手段と、判別された注目方向とユーザの位置情報とに基づき、ユーザの注目する店舗を特定する特定手段と、特定された店舗の一次情報を提示する一次情報提示手段と、提示された一次情報に基づき、ユーザの個人属性情報の店舗側への提示の許可をユーザUに求める判断要求手段と、提示された個人属性情報に基づいた店舗の二次情報を提示する二次情報提示手段と、一次情報及び二次情報を表示する表示手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動情報提示装置、自動情報提示方法及び自動情報提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
われわれを取り巻くIT関連の製品は発達が目覚しく、高機能化とともに、搭載される機能も増大化が進んできた。これに伴い、これらの機能を使いこなすユーザと、使いこなせずに情報技術の恩恵を十分に受けられないユーザとが出現してきている。
【0003】
そこで、IT製品とのインタフェースを人にとって自然な動作にすることにより、簡単に情報を入手する方法が種々提案されてきている(例えば、非特許文献1,2参照。)。これらによれば、ユーザが指差した商品に対して、ユーザが携帯するコンピュータが保有する個人属性情報を店側のコンピュータが受け取り、保有する商品情報とのマッチングを行い、選択された商品情報をユーザに送信するシステムが提案されている。このシステムによれば、ユーザは、店の商品への指差し動作によって、必要な商品情報を自動的に入手することができる。
【非特許文献1】中村 耕太、外2名、“嗜好属性と身体属性に基づく店舗向きサービスロボットシステム”、第7回(社)計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会、平成18年12月、p.538−539
【非特許文献2】中村 耕太、外3名、“個人属性情報に基づく店舗向きサービスロボットシステム”、第17回インテリジェント・システム・シンポジウム講演論文集、平成19年8月、p.217−220
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1,2に記載のような自動情報提示装置、自動情報提示方法及び自動情報提示プログラムは、指差し動作を行って商品を特定した後に情報を入手するので、所望の店舗まで行かないと所望の商品情報を入手することができない。また、乗車中のように手が離せない状況には適用することができない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、興味を引いた対象物への注目動作によって、対象物の傍まで行かなくても、また手が離せないような状況でも当該対象物の情報を自動的に入手することができる自動情報提示装置、自動情報提示方法及び自動情報提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る自動情報提示装置は、ユーザの身体情報を検出する検出手段と、検出された前記身体情報から前記ユーザの注目方向及び意思を判別する判別手段と、判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定する特定手段と、特定された前記注目対象物の一次情報を提示する一次情報提示手段と、提示された前記一次情報に基づき、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求める判断要求手段と、前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示する提示手段と、前記二次情報を提示する二次情報提示手段と、前記一次情報及び前記二次情報を表示する表示手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る自動情報提示方法は、ユーザの身体情報を検出して前記ユーザの注目方向を判別するステップと、判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定するステップと、前記注目対象物の一次情報を前記注目対象物側から前記ユーザ側へ提示するステップと、前記一次情報を表示して、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求めるステップと、前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示するステップと、前記二次情報を前記ユーザに提示して表示するステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る自動情報提示プログラムは、コンピュータを、ユーザの身体情報を検出する検出手段と、検出された前記身体情報から前記ユーザの注目方向及び意思を判別する判別手段と、判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定する特定手段と、特定された前記注目対象物の一次情報を提示する一次情報提示手段と、提示された前記一次情報に基づき、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求める判断要求手段と、前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示する提示手段と、前記二次情報を提示する二次情報提示手段と、前記一次情報及び前記二次情報を表示する表示手段と、して機能させることを特徴とする。
【0009】
この発明は、ユーザの注目方向と位置情報とからユーザの注目対象物を特定して、注目対象物の一次情報をユーザに提示することができる。そして、ユーザの個人属性情報に基づいた注目対象物の二次情報をユーザが得たい場合には、提示された一次情報に対してユーザが二次情報の提示要求動作を行うだけで、個人属性情報が注目対象物側に提示され、二次情報を入手することができる。
【0010】
また、本発明に係る自動情報提示装置は、前記自動情報提示装置であって、前記個人属性情報が、前記ユーザの嗜好情報を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る自動情報提示方法は、前記自動情報提示方法であって、前記個人属性情報が、前記ユーザの嗜好情報を備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明は、ユーザの嗜好情報に合致した注目対象物の情報を効率的に入手することができる。
【0013】
また、本発明に係る自動情報提示装置は、前記自動情報提示装置であって、前記検出手段が、前記ユーザの顔を撮像する撮像手段を備え、前記判別手段が、前記撮像手段によって撮像された顔画像から前記注目方向及び意思を算出する算出手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る自動情報提示方法は、前記自動情報提示方法であって、前記注目方向を判別するステップが、前記ユーザの顔を撮像するステップと、撮像された顔画像から前記注目方向を算出するステップと、を備えていることを特徴とする。
【0015】
この発明は、注目する方向や意思の表示を顔の画像から算出するので、より簡易な動作で情報を入手することができる。
【0016】
また、本発明に係る自動情報提示装置は、前記自動情報提示装置であって、獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求める選択手段と、獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新する情報整理手段と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る自動情報提示方法は、前記自動情報提示方法であって、獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求めるステップと、獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新するステップと、を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る自動情報提示プログラムは、前記自動情報提示プログラムであって、獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求める選択手段と、獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新する情報整理手段と、してさらに前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0019】
この発明は、必要な場合のみ、二次情報を保存することができ、さらに、二次情報によって個人属性情報を更新して次回以降、より個人属性情報に適した商品情報を入手することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、興味を引いた対象物への注目動作によって、対象物の傍まで行かなくても、また手が離せないような状況でも当該対象物の情報を自動的に入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る自動情報提示装置1は、図1及び図2に示すように、ユーザUが所有する車C内に搭載されたユーザ側コンピュータ2、及びユーザ側コンピュータ2と接続されてユーザUの顔を撮像するユーザ側カメラ3と、ユーザUが携帯するスマートフォン(携帯型通信機器)5と、店舗(注目対象物)Oに置かれた店舗側コンピュータ6と、を備えている。
【0022】
ユーザ側コンピュータ2は、必要な処理を行うためのプログラム及びデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、地図情報等の必要なデータを一時的に保存するためのRAM(ランダムアクセスメモリー)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、が内蔵されたユーザ側本体2Aと、処理前後のデータを表示するユーザ側ディスプレイ2Bと、を備えている。店舗側コンピュータ6も、同様の構成の店舗側本体6Aと、店舗側ディスプレイ6Bと、を備えている。スマートフォン5は、携帯側本体5A、携帯側ディスプレイ5B及び携帯側カメラ5Cを備えている。
【0023】
自動情報提示装置1は、ユーザ側コンピュータ2に組み込まれるユーザ側プログラムUP1と、店舗側コンピュータ6に組み込まれる店舗側プログラムOP1と、スマートフォン5に組み込まれる携帯側プログラムHP1と、を有する自動情報提示プログラムP1を備えている。
【0024】
ユーザ側プログラムUP1は、機能手段(プログラムモジュール)として、ユーザの顔の向き又は動き(身体情報)を検出する検出手段UP11と、検出された顔の向きから前記ユーザの注目方向及び顔の動きからユーザUの意思を判別する判別手段UP12と、判別された注目方向とユーザUの位置情報とに基づき、ユーザUが注目した店舗Oを特定する店舗特定手段(特定手段)UP13と、ユーザUの個人属性情報を保存するユーザ側記憶手段UP14と、提示された店舗Oのコンテンツ情報等の一次情報に基づき、ユーザUの個人属性情報に基づいた店舗O及びその商品に関する二次情報の提示の要否をユーザUに求める判断要求手段UP15と、ユーザUの要求に対して、ユーザUの個人属性情報を店舗O側へ提示するユーザ側提示手段(提示手段)UP16と、一次情報及び提示された個人属性情報に基づいて店舗O側の二次情報を無線受信するユーザ側受信手段UP17と、受信した一次情報及び二次情報を表示する表示手段UP18と、獲得した二次情報を保存するかどうかの判断を求める選択手段UP19と、を備えている。
【0025】
検出手段UP11は、車C内のユーザ側カメラ3によりユーザの顔を撮像する撮像手段UPAを備えている。また、判別手段UP12は、ユーザ側カメラ3によって撮像されたユーザUの顔画像から注目方向及び意思を算出する算出手段UPBを備えている。この算出手段UPBは、図3に示すように、撮像された顔の画像解析から唇を検出し、身体情報として、顔全体の重心に対する唇の位置から顔の向きやうなずきを算出する。
【0026】
店舗特定手段UP13は、GPS(グローバルポジショニングシステム)によりユーザUの現在位置情報を取得するとともに、地図情報とユーザUの注目方向とから、ユーザUが車C内から見ている店舗Oを特定する。そして、ユーザUがその店舗Oに注目していることを後述するユーザ側送信手段UP16を介して店舗O側に送信する。
【0027】
ユーザ側記憶手段UP14は、個人の特定につながらない程度のユーザUの嗜好情報(例えば、洋服の色の好み、好きな洋服のタイプ等)や、身体的な特徴(例えば、性別、服のサイズ等)を備えた個人属性情報を記憶している。
【0028】
判断要求手段UP15は、提示された一次情報に接したユーザUに対し、個人属性情報を店舗O側へ送信して個人属性情報に基づいた二次情報の提示をさらに店舗O側に要求するかどうかの許可をユーザUに求める。この際、ユーザUは、yesを示すうなずき動作又はそれ以外の動作を行う。これに対して判断要求手段UP15が、検出手段UP11及び判別手段UP12を介してユーザUの意思を把握して、個人属性情報の店舗O側への送信の可否を判断する。
【0029】
ユーザ側提示手段UP16及びユーザ側受信手段UP17は、ブルートゥース等の短距離用無線通信手段を有している。
表示手段UP18は、ユーザ側受信手段UP17が受信した店舗O側の一次情報及び二次情報をユーザ側ディスプレイ2Bに表示させる。
選択手段UP19は、獲得した二次情報をログとして残しておくかどうかの判断をユーザUに求める。
【0030】
店舗側プログラムOP1は、プログラムモジュールとして、一次情報を予め保存する店舗側記憶手段OP11と、店舗Oの一次情報をユーザUに提示する一次情報提示手段OP12と、提示された個人属性情報に基づいてユーザUに見合った店舗O側の商品情報等の二次情報をユーザUに提示する二次情報提示手段OP13と、を備えている。
【0031】
店舗側記憶手段OP11は、店舗O又は店舗O内の商品に関する一次情報として、店舗O側が用意するコンテンツ情報を予め記憶しておく。
【0032】
一次情報提示手段OP12は、ユーザUが注目しているとの情報を無線受信して、一次情報をユーザUに無線送信する。二次情報提示手段OP13は、ユーザUから獲得した個人属性情報と店舗O側の商品情報との間で推論して、個人属性情報であるユーザUの嗜好情報や身体情報に適したお勧め商品情報を二次情報としてユーザUに提示する。一次情報提示手段OP12及び二次情報提示手段OP13は、ユーザU側と同様、ブルートゥース等の図示しない短距離用無線通信手段を有している。
【0033】
携帯側プログラムHP1は、個人属性情報をユーザ側記憶手段UP14に記憶させるとともに、獲得した二次情報に基づき個人属性情報を更新する情報整理手段HP11を備えている。この情報整理手段HP11は、ユーザUが許可した場合に限り、獲得した二次情報を記憶し、二次情報に基づき個人属性情報を更新する。
【0034】
次に、図4に示す自動情報提示方法について、自動情報提示プログラムP1の処理の流れと合わせて説明する。
【0035】
この自動情報提示方法及びそのプログラムによる処理は、上述のように、ユーザ側コンピュータ2、店舗側コンピュータ6、及びスマートフォン5で行われる。
そして、個人属性情報を記憶させるステップ(ST1)と、ユーザの顔の向きを検出して注目方向を判別するステップ(ST2)と、ユーザUの注目方向と位置情報とに基づき、ユーザUが注目している店舗Oを特定するステップ(ST3)と、一次情報を店舗O側からユーザU側へ提示するステップ(ST4)と、一次情報を表示してユーザUの個人属性情報に基づいた店舗Oの二次情報の提示の要否をユーザUに求めるステップ(ST5)と、ユーザUの要求に対して、ユーザUの個人属性情報を店舗O側へ提示するステップ(ST6)と、ユーザUの個人属性情報に基づいた二次情報をユーザU側へ提示して表示するステップ(ST7)と、獲得した二次情報を保存するかどうかの判断を求めるステップ(ST8)と、獲得した二次情報を保存するとともに、この二次情報に基づき個人属性情報を更新するステップ(ST9)と、ユーザUが店舗Oに近づいているかどうかを判断するステップ(ST10)と、店舗Oの駐車場情報等の設備情報をユーザ側に提示するステップ(ST11)と、を備えている。
【0036】
ステップ(ST1)は、スマートフォン5とユーザ側コンピュータ2との間でやりとりが行われ、予めスマートフォン5に入力されたユーザUが保有する個人属性情報を、ユーザ側コンピュータ2に移行してユーザ側記憶手段UP14に保存する。
【0037】
ステップ(ST2)は、ユーザ側コンピュータ2で行われ、検出手段UP11によって、ユーザ側カメラ3がユーザUの顔の画像を検出し、判別手段UP12によってユーザUの注目方向を判別する。ステップ(ST3)もユーザ側コンピュータ2で行われ、店舗特定手段UP13によって、ユーザUが注目する店舗Oを特定する。そして、ユーザUが当該店舗Oを注目している情報を店舗O側へ通知する。
【0038】
ステップ(ST4)は、ユーザUが注目した店舗側コンピュータ6で行われ、店舗側記憶手段OP11に記憶された一次情報が、一次情報提示手段OP12によってユーザU側に送信される。そして、一次情報がユーザ側受信手段UP17によって獲得される。
【0039】
ステップ(ST5)は、ユーザ側コンピュータ2で行われ、獲得した店舗O側の一次情報を表示手段UP18によってユーザ側ディスプレイ2Bに表示させる。そして、判断要求手段UP15によって、個人属性情報の提示による二次情報の入手の要否判断をユーザUへ要求する。これに対してユーザUがyesのうなずきをした場合、検出手段UP11によってこのときの画像をとらえ、判別手段UP12による画像解析によってユーザUの意思を判別する。
【0040】
ステップ(ST6)は、ユーザ側コンピュータ2で行われ、「要求する」と識別した場合に、ユーザ側提示手段UP16によって個人属性情報が店舗O側に提示される。ステップ(ST7)は、店舗側コンピュータ6及びユーザ側コンピュータ2で行われる。すなわち、二次情報提示手段OP13によって、個人属性情報に基づく店舗O側の二次情報が生成され、店舗O側からユーザU側に送信される。この二次情報は、ユーザ側受信手段UP17によって受信されて、ユーザ側ディスプレイ2Bに表示される。
【0041】
ステップ(ST8)は、ユーザ側コンピュータ2で行われ、選択手段UP19によって、獲得した二次情報をログとして記憶しておくかどうかの判断がユーザUに求められる。これに対して、ユーザUがyesのうなずきをした場合、検出手段UP11及び判別手段UP12によって、このときの画像をとらえ、画像解析によりユーザUがログの記憶を許可したことを認識する。
【0042】
ステップ(ST9)は、ユーザ側コンピュータ2とスマートフォン5とで行われる。すなわち、情報整理手段HP11によって、獲得した二次情報をスマートフォン5に記憶し、かつ二次情報に基づいて個人属性情報を更新する。
【0043】
ここで、ステップ(ST5)にて、ユーザUがyesのうなずき以外の動作をした場合、又は一定時間顔の動きがなかった場合がある。このときには、検出手段UP11及び判別手段UP12によって、このときの画像をとらえ、画像解析によりユーザUが個人属性情報の提示を許可しないことを認識する。そして、ユーザ側コンピュータ2と店舗側コンピュータ6とのやり取りを終了する。
【0044】
ステップ(ST8)においても、ユーザUがyesのうなずき以外の動作をした場合、又は一定時間顔の動きがなかった場合がある。このときには、検出手段UP11及び判別手段UP12によって、このときの画像をとらえ、画像解析によりユーザUが二次情報の記憶を許可しないことを認識する。
【0045】
ステップ(ST10)は、ユーザ側コンピュータ2で行われ、ユーザUが店舗Oに近づいていることをさらにその位置情報から店舗特定手段UP13によって特定する。そして、ステップ(ST11)は、ユーザ側コンピュータ2と店舗側コンピュータ6とで行われる。すなわち、位置情報を店舗側コンピュータ6に送信して、店舗Oの駐車場情報等の設備情報をユーザ側に提示する。さらに、個人属性情報の身体情報から、ユーザUが店舗O側のサポートが必要な場合には店員に警告する。
【0046】
この自動情報提示装置1、自動情報提示方法及びそのプログラムP1によれば、ユーザUが興味を示す方向へ注目するというより自然な動作から、注目方向を判別することができる。また、注目方向と位置情報とからユーザUが興味を示した店舗Oを特定することができ、特定できた時点で、店舗Oまで実際に行かなくても、また乗車中のように手が離せないような状況でも店舗Oの一次情報を自動的に入手することができる。そして、一次情報に基づき、ユーザUの個人属性情報に基づいた二次情報をさらに入手したい場合には、うなずき動作によって個人属性情報を店舗O側に送信することができ、店舗O側から、二次情報を自動的に入手することができる。
【0047】
特に、検出手段UP11が、ユーザUの顔を撮像する撮像手段UPAを備え、判別手段UP12が、撮像手段UPAによって撮像されたユーザ画像から注目方向を算出する算出手段UPBを備えている。したがって、手を動かさなくても注目する方向に顔を向けるだけで、その注目方向を判別することができる。また、情報の送受信の許否についても、うなずき動作だけで、意思を判別することができる。
【0048】
また、無線による送受信を行うので、移動しながら自在に情報を入手することができる。さらに、選択手段UP19及び情報整理手段HP11によって、必要な場合のみ、二次情報を保存することができ、二次情報に基づいて個人属性情報を更新しておくことができる。したがって、情報提示直後でなくても、ユーザUに商品情報を提供することができる。また、個人属性情報の更新によって、次回以降、よりユーザUの嗜好に沿った精度の高い商品情報をユーザUが入手することができる。
【0049】
次に、第2の実施形態について図5から図7を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る自動情報提示装置10では、図5に示すように、ユーザUのスマートフォン11と店舗側コンピュータ12とが直接送受信を行うとした点である。
【0050】
スマートフォン11は、携帯側本体11A、携帯側ディスプレイ11B、及び携帯側カメラ11Cを備えている。店舗側コンピュータ12は、店舗側本体12Aと、店舗側ディスプレイ12Bとを備えている。この店舗側コンピュータ12は、ユーザUの顔を撮像する店舗側カメラ13と接続されている。
【0051】
また、この自動情報提示装置10は、図6に示すように、店舗側プログラムOP2と、携帯側プログラムHP2と、を有する自動情報提示プログラムP2を備えている。
【0052】
店舗側プログラムOP2は、店舗側検出手段(検出手段)OP21、店舗側判別手段(判別手段)OP22、ユーザ特定手段(特定手段)OP23、店舗側記憶手段OP11、一次情報提示手段OP12、二次情報提示手段OP13と、を備えている。
【0053】
店舗側検出手段OP21は、店舗側カメラ13によりユーザの顔を撮像する店舗側撮像手段(撮像手段)OPAを備えている。また、店舗側判別手段OP22は、店舗側カメラ13によって撮像されたユーザUの顔の画像から注目方向及び意思を算出する店舗側算出手段(算出手段)OPBを備えている。この店舗側算出手段OPBは、第1の実施形態と同様に、撮像された顔の画像解析から唇を検出し、顔全体の重心に対する唇の位置から顔の向きやうなずきを算出する。
【0054】
ユーザ特定手段OP23は、GPS(グローバルポジショニングシステム)によりユーザUの現在位置情報を取得するとともに、地図情報とユーザUの注目方向とから、ユーザUが店舗Oに向かっているか否かを特定する。その他の手段については、第1の実施形態と同様の構成となっている。
【0055】
携帯側プログラムHP2は、機能手段(プログラムモジュール)として、携帯側検出手段(検出手段)HP21、携帯側判別手段(判別手段)HP22、ユーザ側記憶手段UP14、判断要求手段UP15、ユーザ側提示手段UP16、ユーザ側受信手段UP17、表示手段HP23、選択手段UP19、情報整理手段HP11、を備えている。
【0056】
携帯側検出手段HP21は、携帯側カメラ11Cによりユーザの顔を撮像する携帯側撮像手段HPAを備えている。携帯側判別手段HP22は、携帯側カメラ11Cによって撮像されたユーザUの顔の画像から注目方向及び意思を算出する携帯側算出手段HPBを備えている。この携帯側算出手段HPBは、店舗側算出手段OPBと同様に、撮像された顔の画像解析から唇を検出し、顔全体の重心に対する唇の位置から顔の向きやうなずきを算出する。
【0057】
表示手段HP23は、ユーザ側受信手段UP17が受信した店舗O側の一次情報及び二次情報を携帯側ディスプレイ11Bに表示させる。その他の手段については、第1の実施形態と同様の構成となっている。
【0058】
次に、図7に示す自動情報提示方法について、自動情報提示プログラムP2の処理の流れと合わせて説明する。
【0059】
この自動情報提示方法及びそのプログラムによる処理は、店舗側コンピュータ12とスマートフォン11との間で行われる。
そして、ユーザの顔の向きを検出して注目方向を判別するステップ(ST21)と、注目方向とユーザUの位置情報とに基づき、ユーザUが店舗Oを注目しているかどうかを特定するステップ(ST22)と、一次情報を店舗O側からユーザU側へ提示するステップ(ST23)と、一次情報を表示してユーザUの個人属性情報に基づいた店舗Oの二次情報の提示の要否をユーザUに求めるステップ(ST24)と、ユーザUの要求に対して、ユーザUの個人属性情報を店舗O側へ提示するステップ(ST25)と、ユーザUの個人属性情報に基づいた二次情報をユーザU側へ提示して表示するステップ(ST26)と、獲得した二次情報を保存するかどうかの判断を求めるステップ(ST27)と、獲得した二次情報を保存するとともに、この二次情報に基づき個人属性情報を更新するステップ(ST28)と、ユーザUが店舗Oに近づいているかどうかを判断するステップ(ST29)と、個人属性情報の身体情報を店舗Oに提示して、ユーザUが店舗O側のサポートが必要な場合には店員に警告するステップ(ST30)と、を備えている。
【0060】
ステップ(ST21)は、店舗側コンピュータ12で行われ、店舗側検出手段OP21によって店舗側カメラ13に近づくユーザUを撮像するとともに、店舗側判別手段OP22によって、ユーザUの注目方向を判別する。ステップ(ST22)も店舗側コンピュータ12で行われ、ユーザ特定手段OP23によって、ユーザUが店舗Oを注目しているかどうかを特定する。ステップ(ST23)では、スマートフォン11とユーザUが注目している店舗側コンピュータ12との間で通信が行われ、一次情報提示手段OP12によって、店舗O側の一次情報がユーザUに提示される。
【0061】
ステップ(ST24)は、スマートフォン11で行われ、獲得した店舗O側の一次情報を表示手段HP23によって携帯側ディスプレイ11Bに表示する。そして、判断要求手段UP15によって、二次情報の入手の要否判断をユーザUへ要求する。これに対してユーザUがyesのうなずきをした場合、携帯側検出手段HP21及び携帯側判別手段HP22によって、このときの画像をとらえ、画像解析によりユーザUが個人属性情報の提示の意思を判別する。
【0062】
ステップ(ST25)は、スマートフォン11で行われ、「要求する」と識別した場合に、ユーザ側提示手段UP16によって個人属性情報が店舗O側に提示される。ステップ(ST26)は、店舗側コンピュータ12及びスマートフォン11で行われる。すなわち、二次情報提示手段OP13によって、個人属性情報に基づく店舗O側の二次情報が生成され、店舗O側からユーザU側に送信される。この二次情報は、ユーザ側受信手段UP17によって受信されて、携帯側ディスプレイ11Bに表示される。
【0063】
ステップ(ST27)は、スマートフォン11で行われ、選択手段UP19によって、獲得した二次情報をログとして記憶しておくかどうかの判断がユーザUに求められる。これに対して、ユーザUがyesのうなずきをした場合、携帯側検出手段HP21及び携帯側判別手段HP22によって、このときの画像をとらえ、画像解析によりユーザUがログの記憶を許可したことを認識する。
【0064】
ステップ(ST28)は、スマートフォン11で行われ、情報整理手段HP11によって、獲得した二次情報を記憶し、かつ二次情報に基づいて個人属性情報を更新する。
【0065】
ここで、ステップ(ST24)にて、ユーザUがyesのうなずき以外の動作をした場合、又は一定時間顔の動きがなかった場合は、このときの画像からユーザUが個人属性情報の提示を許可しないことを認識する。そして、スマートフォン11と店舗側コンピュータ12とのやり取りを終了する。
【0066】
ステップ(ST27)においても、ユーザUがyesのうなずき以外の動作をした場合、又は一定時間顔の動きがなかった場合、このときの画像からユーザUが二次情報の記憶を許可しないことを認識する。
【0067】
ステップ(ST29)は、スマートフォン11で行われ、ユーザUが店舗Oに近づいていることをさらにその位置情報からユーザ特定手段OP23によって特定して、位置情報を店舗側コンピュータ12に送信する。ステップ(ST30)は、個人属性情報の身体情報の提示を受けた店舗Oが、ユーザUのサポートの必要の有無を店員に警告する。
【0068】
この自動情報提示装置10、自動情報提示方法及びそのプログラムP2によれば、車Cによる移動に限定されることなく、ユーザUが外を歩いているだけの状態であっても、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0069】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、興味を示した店舗を注目対象物としているが、これに限らず、商品そのものや、店舗以外の施設であっても構わない。また、ユーザの身体情報として、顔全体の重心に対する唇の位置としているが、これに限らず、目の動きや、ユーザの声等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自動情報提示装置を示す概要図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る自動情報提示プログラムを示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る自動情報提示装置における顔の向きの判別方法を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る自動情報提示方法を示すフロー図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る自動情報提示装置を示す概要図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る自動情報提示プログラムを示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る自動情報提示方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0071】
1,10 自動情報提示装置
HP11 情報整理手段
HP21 携帯側検出手段(検出手段)
HP22 携帯側判別手段(判別手段)
HP23 携帯側表示手段(表示手段)
HPA 携帯側撮像手段(撮像手段)
HPB 携帯側算出手段(算出手段)
OP12 一次情報提示手段
OP13 二次情報提示手段
OP21 店舗側検出手段(検出手段)
OP22 店舗側判別手段(判別手段)
OP23 ユーザ特定手段(特定手段)
OPA 店舗側撮像手段(撮像手段)
OPB 店舗側算出手段(算出手段)
P1,P2 自動情報提示プログラム
UP11 検出手段
UP12 判別手段
UP13 店舗特定手段(特定手段)
UP15 判断要求手段
UP16 ユーザ側提示手段(提示手段)
UP18 表示手段
UP19 選択手段
UPA 撮像手段
UPB 算出手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体情報を検出する検出手段と、
検出された前記身体情報から前記ユーザの注目方向及び意思を判別する判別手段と、
判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定する特定手段と、
特定された前記注目対象物の一次情報を提示する一次情報提示手段と、
提示された前記一次情報に基づき、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求める判断要求手段と、
前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示する提示手段と、
前記二次情報を提示する二次情報提示手段と、
前記一次情報及び前記二次情報を表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とする自動情報提示装置。
【請求項2】
前記個人属性情報が、前記ユーザの嗜好情報を備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動情報提示装置。
【請求項3】
前記検出手段が、前記ユーザの顔を撮像する撮像手段を備え、
前記判別手段が、前記撮像手段によって撮像された顔画像から前記注目方向及び意思を算出する算出手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動情報提示装置。
【請求項4】
獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求める選択手段と、
獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新する情報整理手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の自動情報提示装置。
【請求項5】
ユーザの身体情報を検出して前記ユーザの注目方向を判別するステップと、
判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定するステップと、
前記注目対象物の一次情報を前記注目対象物側から前記ユーザ側へ提示するステップと、
前記一次情報を表示して、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求めるステップと、
前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示するステップと、
前記二次情報を前記ユーザに提示して表示するステップと、
を備えていることを特徴とする自動情報提示方法。
【請求項6】
前記個人属性情報が、前記ユーザの嗜好情報を備えていることを特徴とする請求項5に記載の自動情報提示方法。
【請求項7】
前記注目方向を判別するステップが、前記ユーザの顔を撮像するステップと、
撮像された顔画像から前記注目方向を算出するステップと、
を備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の自動情報提示方法。
【請求項8】
獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求めるステップと、
獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新するステップと、
を備えていることを特徴とする請求項5から7の何れか一つに記載の自動情報提示方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザの身体情報を検出する検出手段と、
検出された前記身体情報から前記ユーザの注目方向及び意思を判別する判別手段と、
判別された前記注目方向と前記ユーザの位置情報とに基づき、前記ユーザの注目対象物を特定する特定手段と、
特定された前記注目対象物の一次情報を提示する一次情報提示手段と、
提示された前記一次情報に基づき、前記ユーザの個人属性情報に基づいた前記注目対象物の二次情報の提示の要否を前記ユーザに求める判断要求手段と、
前記ユーザの要求に対して、前記ユーザの個人属性情報を前記注目対象物側へ提示する提示手段と、
前記二次情報を提示する二次情報提示手段と、
前記一次情報及び前記二次情報を表示する表示手段と、
して機能させることを特徴とする自動情報提示プログラム。
【請求項10】
獲得した前記二次情報を保存するかどうかの判断を求める選択手段と、
獲得した前記二次情報に基づき前記個人属性情報を更新する情報整理手段と、
してさらに前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項9に記載の自動情報提示プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−163307(P2009−163307A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339520(P2007−339520)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【出願人】(800000080)タマティーエルオー株式会社 (255)
【Fターム(参考)】