説明

自動検針用通信装置

【課題】カバー6をケース5に固定することで回線接続部2と無線親機部3間を導通状態とすることができる自動検針用通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信によりメータから計量値を収集して検針を行う自動検針用通信装置であって、通信ネットワークを介して外部の管理装置と接続するための回線接続部2と、メータに接続された無線子機との間で無線通信を行う無線親機部3と、回線接続部2と無線親機部3との間の導通/切断を切り替えるスイッチ部4と、回線接続部2と無線親機部3とスイッチ部4とを収納するケース5と、ケース5に取り付けられるカバー6と、カバー6に形成され、カバー6をケース5に取り付けるときにスイッチ部4を導通状態に切り替えるリブ20とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータの計量値を無線通信により収集して検針を行う自動検針用通信装置に関し、特に装置内部の接続切替に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭に設けられた電気、ガス、水道等のメータの検針は、電話回線等の通信ネットワークを利用して集中管理センタ等からメータの計量値を自動的に収集する自動検針により行われている。この自動検針では、電話回線等で構成された通信ネットワークに回線接続装置である自動検針用通信装置を接続し、この自動検針用通信装置とメータ間を有線で接続した自動検針システムが用いられている。
【0003】
しかし、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光通信等を用いたインターネットの普及に伴ない、自動検針用通信装置が屋内に設置されるケースが増加しているため、自動検針用通信装置とメータ間の有線工事が困難であり、また、美観上の問題から需要家宅内に有線工事が行えないケースが増加している。
【0004】
このため、自動検針用通信装置とメータ間を無線で接続した無線検針システムが導入されるようになった。図15は従来の無線検針システムである。図15に示すように、この無線検針システムは、通信ネットワーク104を介してセンタ装置105に接続された回線接続装置102に無線親機103を接続し、メータ106に無線子機107を接続して、メータ106の計量値を無線通信により収集するものである。図16は、図15の回線接続装置102と無線親機103とを一つの筐体1(自動検針用通信装置)の中に収めたものである。
【0005】
図16に示すような従来の自動検針用通信装置は、需要家に設置される場合、次のような手順で試験を実施する。まず、無線親機部3と無線子機107間のペアリングを行う。次に、センタ装置105と回線接続部2との通信確認試験を実施する。この回線接続部2の通信確認試験は、回線接続部2を通信ネットワーク104を介してセンタ装置105に接続した後、回線接続部2と無線親機部3とを接続しているリード線108を取り外して、回線接続部2と無線親機部3間の有線通信信号を切断し、回線接続部2の通信端子(図示しない)に設定器等の通信確認用機器(図示しない)を接続した状態で行う。次に、無線親機部3へのデータ設定及び無線親機部3と無線子機107間の通信確認試験を実施する。この無線親機部3へのデータ設定及び無線親機部3と無線子機107間の通信確認試験は、回線接続部2と無線親機部3とをリード線108で接続して回線接続部2と無線親機部3間を導通状態にして実施する。試験終了後、通信確認用機器を通信端子から取り外す。
【0006】
また、同種の無線端末装置として、屋外に設置された保安器を回線制御部に接続し、屋内に設置された端末装置を信号伝送制御部に接続し、回線制御部と信号伝送制御部との間の通信は無線信号により行う回線端末装置が開示されている(特許文献1)。
【0007】
また、メータにメータ側無線部を接続し、通報装置に通報機側無線部が内蔵され、メータ側無線部と通報機側無線部との間が無線回線で接続された自動通報装置が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特許第2993242号
【特許文献2】特開平06−261137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図16に示した従来の自動検針用通信装置は、センタ装置105と回線接続部2との通信確認試験を実施する場合、筐体1のカバーを開け、回線接続部2と無線親機部3とを接続しているリード線108を取り外すことで回線接続部2と無線親機部3間の有線通信信号を切断する。この回線接続部2の通信確認試験終了後、回線接続部2と無線親機部3とをリード線108で接続し、カバーを閉じて運用状態とする。
【0009】
しかし、回線接続部2の通信確認試験終了後にリード線108を取り外した状態のままカバーを閉じて設置されてしまう恐れがあった。このため、設置作業のやり直しが発生したり、再度、設定作業を行なわなければならないという問題があった。
【0010】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、設置工事時に、回線接続部と無線親機部間の接続を忘れてしまった場合でも、カバーを取り付けることで回線接続部と無線親機部間を導通状態とすることで、回線接続部と無線親機部間が切断状態で設置されてしまう作業ミスを防ぎ、設置工事を効率化する自動検針用通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、無線通信によりメータから計量値を収集して検針を行う自動検針用通信装置であって、通信ネットワークを介して外部の管理装置と接続するための回線接続部と、前記メータに接続された無線子機との間で無線通信を行う無線親機部と、前記回線接続部と前記無線親機部との間の導通/切断を切り替えるスイッチ部と、前記回線接続部と前記無線親機部と前記スイッチ部とを収納するケースと、前記ケースに取り付けられるカバーと、前記カバーに形成され、前記カバーを前記ケースに取り付けるときに前記スイッチ部を導通状態に切り替えるリブとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載の自動検針用通信装置において、前記スイッチ部は、操作部をスライドさせることにより導通/切断を切り替えるスライドスイッチであり、前記カバーは、前記ケースに被せてスライドさせることにより前記ケースに固定され、前記リブは、前記カバーを前記ケースに固定する方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチの操作部をスライドさせて、前記スライドスイッチを導通状態に切り替えることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2記載の自動検針用通信装置において、前記リブは、前記カバーを前記ケースに固定する方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチを導通状態に切り替え、前記カバーを前記ケースから取り外す方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチを切断状態に切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の自動検針用通信装置において、前記無線親機部は、前記スイッチ部の導通/切断を監視して前記スイッチ部の切断時間を計測する時間計測部と、前記回線接続部との間の通信を制御する制御部とを備え、前記制御部は、予め設定された設定時間を記憶する切断時間記憶部を有し、前記時間計測部で計測された前記切断時間が前記切断時間記憶部に記憶された前記設定時間を超過したときに、前記スイッチ部の操作を無効にして、前記回線接続部との間を非通信状態とすることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4記載の自動検針用通信装置において、前記制御部は、磁力を検知する磁力検知部を備え、この磁力検知部が所定以上の磁力を検知したときに前記非通信状態を解除して、前記スイッチ部の操作を有効にすることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の自動検針用通信装置において、前記無線親機部は、前記スイッチ部の切替回数及び切替日時を記憶する切替回数記憶部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、カバーに形成されたリブが、カバーをケースに取り付けるときにスイッチ部を切り替えて、回線接続部と無線親機部間を導通状態にするので、回線接続部と無線親機部との間が切断状態で設置されてしまう作業ミスを防ぎ、設置工事を効率化することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、リブは、カバーをケースに固定する方向にスライドさせるときにスライドスイッチを導通状態に切り替え、カバーをケースから取り外す方向にスライドさせるときにスライドスイッチを切断状態に切り替えるので、回線接続部と無線親機部との間が切断状態で設置されてしまう作業ミスを防ぎ、設置工事を効率化することができ、また、スライドスイッチを切断状態に切り替える手動操作も不要になるので、設置工事をさらに効率化することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、時間計測部がスイッチ部の導通/切断を監視してスイッチ部の切断時間を計測し、切断時間記憶部は設定時間を記憶し、制御部は、時間計測部で計測された切断時間が切断時間記憶部に記憶された設定時間を超過したときに、スイッチ部の操作を無効にして、回線接続部と無線親機部との間を非通信状態とするので、スイッチのいたずら操作による無線親機部と回線接続部間の通信異常や故障等を回避することができる。また、回線接続部よりこの異常を外部の集中管理センタ等に知らせることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、磁力検知部が所定以上の磁力を検知したときに、制御部が回線接続部と無線親機部間の非通信状態を解除して、スイッチ部の操作を有効にするので、回線接続部と無線親機部間が非通信状態になった場合に、磁力検知部に所定以上の磁力を検知させることにより、無線親機部と回線接続部間の通信を復旧させて、メータと外部の集中管理センタとの間の通信を復旧させることができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、切替回数記憶部がスイッチ部の切替回数及び切替日時を記憶するので、設置工事後のスイッチ操作を監視して、いたずらの回数と日時を特定でき、通信異常、故障等の原因を追求することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例に係る自動検針用通信装置を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、背景技術の欄で説明した自動検針用通信装置の構成部分と同一又は相当部分には、背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る自動検針用通信装置は、筐体1内に、電話回線等の通信ネットワークを介してセンタ装置に接続するための回線接続部2、メータに接続された無線子機と無線通信を行う無線親機部3及び回線接続部2と無線親機部3との間の導通/切断を切り替えるスイッチ部(スライドスイッチ)4が設けられている。
【0024】
図2及び図3は本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置を示す外観斜視図であり、図4は図2のA−A間、図5は図3のB−B間の断面図である。なお、図2及び図4は、スライドスイッチ4の接点が開いている切断状態を示し、図3及び図5はスライドスイッチ4の接点が閉じている導通状態を示している。
【0025】
筐体1は、図2または図3に示すように、嵌合部11を有するケース5及びこの嵌合部11を嵌合させるための嵌合孔16を有するカバー6からなり、カバー6をケース5に被せて、ケース5に被せられたカバー6は、嵌合部11が嵌合孔16に嵌合する方向(図2の矢印方向)にスライドすることにより、ケース5に固定される(図3)。
【0026】
ケース5には、電話回線側のモジュラージャック7a、電話機側のモジュラージャック7bが設けられ、ケース5の内部に基板12(図4または図5参照)が嵌め込まれている。
【0027】
基板12には、回線接続部2、無線親機部3、回線接続部2と無線親機部3間の導通/切断を切り替えるためのスライドスイッチ4、設置工事時に実施する回線接続部2の通信確認試験の際に使用される通信確認用機器を接続するための通信端子9及びその他実装部品が搭載されている。この基板12の上から内ケース10が嵌め込まれている(図4または図5参照)。
【0028】
内ケース10には、基板12上のスライドスイッチ4と対向する位置と、通信端子9と対向する位置とにそれぞれ穴13、14が設けられており、スライドスイッチ4、通信端子9が内ケース10の穴13、14を貫通している。また、内ケース10上には、基板回路動作用の電池15が取り付けられている。
【0029】
カバー6は、図4に示すように、内面に略三角形状のリブ20が一体成形されている。このリブ20は、カバー6をケース5に被せたときに内ケース10上に貫通しているスライドスイッチ4の操作部4aと対向した位置に形成されている(図4のD部)。このカバー6をケース5に固定するために、カバー6を嵌合部11が嵌合孔16に嵌合する方向(図4の矢印方向)にスライドすると、カバー6と一体成形されたリブ20がスライドスイッチ4の操作部4aを押圧する。即ち、カバー6がスライドされると、これに伴ってスライドスイッチ4の操作部4aが直線的にスライドされて、カバー6がケース5に固定されたときに、スライドスイッチ4の接点が閉じられて回線接続部2と無線親機部3との間が導通状態になる(図5)。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置よれば、カバー6をスライドさせてケース5に固定すると、これに伴ってスライドスイッチ4が導通状態になる。このため、設置工事時の通信試験を実施するために、スライドスイッチ4により回線接続部2と無線親機部3との間を切断状態にして、通信試験終了後にスライドスイッチ4を導通状態にすることを忘れてしまった場合にも、カバー6を閉じてケース5に固定することで、スライドスイッチ4が強制的に切り替えられて回線接続部2と無線親機部3との間を導通状態(運用状態)にすることができる。これによって、自動検針用通信装置の回線接続部2と無線親機部3間が切断状態で設置されてしまう作業ミスを防ぎ、設置工事を効率化することができる。
【0031】
なお、本実施例ではカバー6に形成されたリブ20を略三角形状としたが、リブ20の形状はこれに限定されることはなく、カバー6をケース5に固定することで、スライドスイッチ4の接点が閉じられる他の形状としても良い。
【0032】
また、本実施例ではケース5に嵌合部11を設け、カバー6に嵌合孔16を設けたが、本発明はこれに限定されることなく、カバー6をスライドすることによりケース5に固定されればよい。
【実施例2】
【0033】
図6及び図7は本発明の実施例2に係る自動検針用通信装置を示す外観斜視図である。図6または図7に示すように、実施例2に係る自動検針用通信装置のカバー6aは、スライドスイッチ4を挟み込むようにリブ20aが形成されており、例えば実施例1のカバー6のリブ20と同様な形状のリブ2つでスライドスイッチ4を挟み込むように構成されている。その他の構成は、図1から図5に示す実施例1の構成と同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その詳細は省略する。
【0034】
実施例2の自動検針用通信装置は、実施例1と同様にカバー6aを、嵌合部11が嵌合孔16に嵌合する方向にスライドしてカバー6aがケース5に固定されたときに、スライドスイッチ4の接点が閉じられて回線接続部2と無線親機部3との間が導通状態になる。さらに、ケース5に固定されているカバー6aを固定するのと逆の方向(カバー6aをケース5から取り外す方向)にスライドさせると、スライドスイッチ4の接点が開かれて回線接続部2と無線親機部3との間が切断状態になる。即ち、実施例2の自動検針用通信装置のカバー6aには、カバー6aをケース5に固定する方向にスライドさせることでスライドスイッチ4を導通状態にして、カバー6aをケース5から取り外す方向にスライドさせることでスライドスイッチ4を切断状態にする双方向切換用のリブ20aが設けられている。
【0035】
以上説明したように、実施例2に係る自動検針用通信装置によれば、実施例1の効果と同様の効果が得られ、さらにカバー6aをケース5から取り外す方向にスライドさせることで回線接続部2と無線親機部3との間を切断状態とすることができるので、スライドスイッチ4を手動操作により切り替える必要がない。このため、回線接続部2と無線親機部3間が切断状態で設置されてしまう作業ミスを防ぎ、設置工事をさらに効率化することができる。
【実施例3】
【0036】
図8は本発明の実施例3に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。図8に示すように、実施例3に係る自動検針用通信装置の無線親機部3aは、無線子機と無線通信を行う無線部31、回線接続部2と無線部31間の通信を制御する制御部32、スライドスイッチ4を切断状態にしてからの時間(切断時間)を計測する時間計測部33を備えている。また、制御部32は、予め設定された設定時間を記憶した切断時間記憶部34を有している。その他の構成は、実施例1または実施例2の構成と同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その詳細は省略する。
【0037】
次に、このように構成された実施例3に係る自動検針用通信装置の動作を、図9に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図9に示すように、実施例3の自動検針用通信装置において、スライドスイッチ4が切断されると(ステップS1)、時間計測部33が切断時間の計測を開始する(ステップS2)。制御部32は、計測された計測時間(切断時間)と切断時間記憶部34に記憶された設定時間とを比較する(ステップS3)。比較の結果、計測時間が設定時間よりも大きいときは、制御部32がスライドスイッチ4を導通状態にしても回線接続部2と無線親機部3との間を非通信状態にする(スライドスイッチ4の操作を無効にする)制御を行う(ステップS4)。計測時間が設定時間よりも小さいときは、再度スライドスイッチ4の状態を確認する(ステップS5)。このとき、スライドスイッチ4が導通状態のときは、通常の動作状態に戻る(ステップS6)。ステップS5で、スライドスイッチ4が切断状態のときは、ステップS3から繰り返す。
【0038】
以上説明したように、実施例3に係る自動検針用通信装置によれば、実施例1または実施例2の効果と同様の効果が得られ、さらにスライドスイッチ4の切断時間が予め設定された設定時間を超過後は、スライドスイッチ4の操作を無効にして、回線接続部2と無線親機部3との間を非通信状態にすることができ、スライドスイッチ4のいたずら操作による回線接続部2と無線親機部3との間の通信異常や故障等を回避することができる。また、回線接続部2によりこの異常を外部の集中管理センタ等に知らせることができる。
【実施例4】
【0039】
図10は本発明の実施例4に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、実施例4に係る自動検針用通信装置は、図8に示す実施例3の制御部32に、磁力検知部35を設けたものである。その他の構成は、実施例3の構成と同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その詳細は省略する。
【0040】
磁力検知部35は、スライドスイッチ4の切断時間が設定時間を超過して回線接続部2と無線親機部3との間が非通信状態になった場合に用いられるものであり、磁力検知部35に所定以上の磁力の磁石を近づけることにより磁力を検知して、リードスイッチ(図示しない)をONにする。このリードスイッチがONになることで、回線接続部2と無線親機部3との間の非通信状態が解除されて、スライドスイッチ4の操作が有効になる。
【0041】
次に、このように構成された実施例4に係る自動検針用通信装置の動作を、図11に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図11に示すように、実施例4の自動検針用通信装置は、ステップS11からステップS14、ステップS17の動作は実施例3の動作と同様である。実施例4では、ステップS14で回線接続部2と無線親機部3との間が非通信状態となった後、リードスイッチがONになったかどうか(磁石が近づけられたかどうか)を判定する(ステップS15)。リードスイッチがOFFの場合は、ステップS14に戻り、リードスイッチがONになった場合は、再度スライドスイッチ4の状態を確認する(ステップS16)。スライドスイッチ4が導通状態のときは、通常の動作状態になる(ステップS18)。スライドスイッチ4が切断状態のときは、ステップS16から繰り返す。
【0042】
以上説明したように、実施例4に係る自動検針用通信装置によれば、実施例3の効果と同様の効果が得られ、さらに磁力検知部35に所定以上の磁力を持つ磁石を近づけることで、回線接続部2と無線親機部3との間の非通信状態を解除して、スライドスイッチ4の操作を有効にすることができる。このときに、スライドスイッチ4を導通状態にすることにより回線接続部2と無線親機部3との間の通信を復旧させ、メータと集中管理センタ間の通信を復旧させることができる。
【実施例5】
【0043】
図12及び図13は本発明の実施例5に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。図12は図8に示した実施例3の制御部32に切断時間記憶部のかわりに、スライドスイッチ4の切替回数及び切替日時を記憶する切替回数記憶部36を設けたものであり、図13は図10に示した実施例4の制御部32に切替回数記憶部36を設けたものである。このように、実施例5に係る自動検針用通信装置は、実施例1または実施例2においては無線親機部3に、実施例3または実施例4においては、無線親機部3aの制御部32に切替回数記憶部36を備えたものである。
【0044】
次に、このように構成された実施例5に係る自動検針用通信装置の動作を、図14に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図14に示すように、実施例5の自動検針用通信装置は、本発明の実施例1から実施例4の内のいずれかの自動検針用通信装置において、スライドスイッチ4が切り替えられたかどうかを監視して(ステップS21)、スライドスイッチ4が切り替えられたときは、切替回数記憶部36がスライドスイッチ切替回数Nに1を加えて(ステップS22)、ステップS21から繰り返す。また、切替回数記憶部36は切替回数Nとともに切替日時も記憶している。
【0045】
以上説明したように、実施例5に係る自動検針用通信装置によれば、実施例1から実施例4のいずれかの効果と同様の効果が得られ、さらにスライドスイッチ切替回数と切替日時を記憶することにより、設置工事後のスイッチ操作を監視して、いたずらの回数と日時とを特定でき、通信異常、故障等の原因を追求できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、メータの計量値を無線通信で自動検針する自動検針用通信装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置のケースにカバーを取り付ける状態示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る自動検針用通信装置のケースにカバーが取り付けられた状態を示す外観斜視図である。
【図4】図2のA−A間の断面図である。
【図5】図3のB−B間の断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る自動検針用通信装置のケースにカバーを取り付ける状態示す外観斜視図である。
【図7】本発明の実施例2に係る自動検針用通信装置のケースにカバーが取り付けられた状態を示す外観斜視図である。
【図8】本発明の実施例3に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3に係る自動検針用通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例4に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例4に係る自動検針用通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例5に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施例5に係る自動検針用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例5に係る自動検針用通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】従来の自動検針用通信システムの構成を示すブロック図である。
【図16】従来の他の自動検針用通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
1 筐体
2 回線接続部
3、3a 無線親機部
4 スライドスイッチ
4a 操作部
5 ケース
6、6a カバー
7a、7b モジュラージャック
9 通信端子
10 内ケース
12 基板
13、14 穴
15 電池
16 嵌合孔
20、20a リブ
31 無線部
32 制御部
33 時間計測部
34 切断時間記憶部
35 磁力検知部
36 切替回数記憶部
102 回線接続装置
103 無線親機
104 通信ネットワーク
105 センタ装置
106 メータ
107 無線子機
108 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信によりメータから計量値を収集して検針を行う自動検針用通信装置であって、
通信ネットワークを介して外部の管理装置と接続するための回線接続部と、
前記メータに接続された無線子機との間で無線通信を行う無線親機部と、
前記回線接続部と前記無線親機部との間の導通/切断を切り替えるスイッチ部と、
前記回線接続部と前記無線親機部と前記スイッチ部とを収納するケースと、
前記ケースに取り付けられるカバーと、
前記カバーに形成され、前記カバーを前記ケースに取り付けるときに前記スイッチ部を導通状態に切り替えるリブと、
を備えたことを特徴とする自動検針用通信装置。
【請求項2】
前記スイッチ部は、操作部をスライドさせることにより導通/切断を切り替えるスライドスイッチであり、前記カバーは、前記ケースに被せてスライドさせることにより前記ケースに固定され、前記リブは、前記カバーを前記ケースに固定する方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチの操作部をスライドさせて、前記スライドスイッチを導通状態に切り替えることを特徴とする請求項1記載の自動検針用通信装置。
【請求項3】
前記リブは、前記カバーを前記ケースに固定する方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチを導通状態に切り替え、前記カバーを前記ケースから取り外す方向にスライドさせるときに前記スライドスイッチを切断状態に切り替えることを特徴とする請求項2記載の自動検針用通信装置。
【請求項4】
前記無線親機部は、
前記スイッチ部の導通/切断を監視して前記スイッチ部の切断時間を計測する時間計測部と、
前記回線接続部との間の通信を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、予め設定された設定時間を記憶する切断時間記憶部を有し、前記時間計測部で計測された前記切断時間が前記切断時間記憶部に記憶された前記設定時間を超過したときに、前記スイッチ部の操作を無効にして、前記回線接続部との間を非通信状態とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の自動検針用通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、磁力を検知する磁力検知部を備え、この磁力検知部が所定以上の磁力を検知したときに前記非通信状態を解除して、前記スイッチ部の操作を有効にすることを特徴とする請求項4記載の自動検針用通信装置。
【請求項6】
前記無線親機部は、前記スイッチ部の切替回数及び切替日時を記憶する切替回数記憶部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の自動検針用通信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−221574(P2006−221574A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36876(P2005−36876)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(391025497)東芝メーターテクノ株式会社 (32)
【Fターム(参考)】