説明

自動注入ラムホーミング

パワーインジェクタ(40)は、シリンジ(86a/b)のプランジャ(90a/b)とインターフェイスし、それを動かすように動作可能な可動ラム(74)を含む。パワーインジェクタ(40)は、流体注入手順において使用されるべき特定のタイプのシリンジ(86a/b)に対する正しいホーム位置を自動的に決定するように動作可能である。パワーインジェクタ(40)は、また、注入の後で、自動的にラム(74)をホーム位置に動かすように動作可能なラムホーミングロジック(182)を含み得る。ラム(74)のそのような自動ホーミングは、例えば、別の注入手順の準備のために注入手順の終了によって、フェースプレート(102a/b)を開くことによって、ユーザ入力によって、あるいはそれらの任意の組み合わせによって、始動され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
この特許出願は、35U.S.C§119(e)に基づき、「AUTOMATIC INJECTOR RAM HOMING」と題する、2008年8月8に出願された米国仮特許出願番号第61/087,452号の優先権を主張するものである。
(技術分野)
本発明は、概して、注入システムに関し、より詳細には、ホーム位置への、注入システムの注入ラムの自動的な動きに関する注入システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療処置は、1つ以上の医療用流体が患者の体内に注入されることを必要とする。医療用画像化処置は、しばしば、可能ならば食塩水あるいは他の流体と共に、患者の体内への造影剤の注入を含む。他の医療用処置は、治療目的のために1つ以上の流体を患者の体内へ注入することを含む。パワーインジェクタが、これらのタイプの用途に使用され得る。
【0003】
パワーインジェクタは、概して、パワーヘッドと通常言われるものを含む。1つ以上のシリンジが様々な方法でパワーヘッドに取り付けられ得る(例えば、取り外し可能で、後方装着で、側方装着で)。各シリンジは、一般にシリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。そのような各シリンジプランジャは、シリンジドライバの動作が関連するシリンジプランジャを内側でシリンジのバレルに対して軸方向に進めるように、適切なドライバとインターフェイス(例えば、接触および/または一時的に接続)するように設計されており、シリンジドライバは、パワーヘッドに組み込まれている。1つの一般的なシリンジドライバは、ねじ付のリードあるいは駆動ねじに取り付けられたラムの形状をしている。1つの回転方向における駆動ねじの回転は、関連するラムを1つの軸方向に進め、一方、反対方向の回転方向における駆動ねじの回転は、関連するラムを反対側の軸方向に進める。
【0004】
パワーインジェクタによって使用されるシリンジは、事前に満たされ得るか、および/またはパワーインジェクタは、1つ以上の流体コンテナから(例えは、医療用流体の単一投与量を収納するコンテナ、あるいは医療用流体の複数の投与量を収納するバルク流体コンテナ)シリンジを満たすために使用され得る。事前に満たされたシリンジは、流体がシリンジ内に収納され得るように、シリンジのノズルに対して遠位に配置されたプランジャを含む。流体コンテナが利用される場合においては、シリンジは、空の状態においてパワーヘッドに相互接続され得、そして、流体コンテナが流体的にシリンジに接続されたままで、シリンジのプランジャを後退させることによって満たされ得る。従って、そのようなシステムに使用されるシリンジは、完全に後退された(例えば、シリンジのノズルに近接して)、完全に前進させられた、または任意の他の適切な位置にあるプランジャと共に提供され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
流体の放出に利用され得る任意のパワーインジェクタは、任意の適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。任意のそのようなパワーインジェクタは、任意の適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプの、1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、ここで、そのような各シリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動が可能であり(例えば、流体を放出するための第1の方向への運動、流体の装填および/または、引き出しあるいは次の流体放出動作のための位置に戻ることを適合させるための第2の方向への運動)、ここで、そのような各シリンジプランジャドライバが、シリンジプランジャを少なくとも1つの方向に進めることを可能にするように(例えば、流体の放出のために)、任意の適切な方法で、(例えば、機械的接触によって、適切な結合によって(機械的あるいは他の方法))その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。
【0006】
任意のそのようなパワーインジェクタは、任意の適切な用途に対して使用され得、1つ以上の医療用流体の送達が望まれる場合、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ化された断層写真つまりCT画像化法、磁気共鳴画像化法つまりMRI、SPECT画像化法、PET画像化法、X線画像化法、血管造影画像化法、光学画像化法、超音波画像化法)を含むが、それらに限定はされない。任意のそのようなパワーインジェクタは、適切な画像化システム(例えば、CTスキャナ)のような任意の構成部品あるいは構成部品の組み合わせと共に使用され得る。例えば、情報は、任意のそのようなパワーインジェクタと1つ以上の構成部品との間で伝達され得る(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0007】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な方法(例えば、取り外し可能な、前方装着された、後方装着された、側方装着された)において任意のそのようなパワーインジェクタに利用され得、任意のそのようなパワーインジェクタの所与のシリンジ(例えば、造影剤、放射性薬剤、食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)から、任意の適切な医療用流体が放出され得、また、任意の適切な流体が、適切な方法において(例えば、連続的に、同時に)、あるいはそれらの任意の組み合わせにおいて、複数のシリンジパワーインジェクタ構成から放出され得る。1つの実施形態において、パワーインジェクタの動作によってシリンジから放出された流体は、導管の中に向けられ、ここでは、この導管は、シリンジと任意の適切な方法によって流体的に相互接続され、流体を所望の位置(例えば、注入のために、患者の体内に挿入されるカテーテル)に向けられる。複数のシリンジは、共通の導管(例えば、単一の注入部位に提供するために)の中に放出するか、あるいは、1つのシリンジが、1つの導管内に(例えば、1つの注入部位に提供するために)放出し、一方、他のシリンジが異なる導管(例えば、異なるインジェクション部位への提供)内に放出する。1つの実施形態において、各シリンジは、シリンジバレルと、シリンジバレルに対して内部に可動に配置されたプランジャとを含む。このプランジャは、パワーインジェクタのシリンジプランジャドライブアセンブリとインターフェイスし得、シリンジプランジャドライブアセンブリが、プランジャを少なくとも1つの方向に、可能性としては2つの異なる、反対方向に、前進させることを可能にする。
【0008】
本明細書に記述されるパワーインジェクタに使用されるシリンジは、プランジャを提供され得、シリンジバレルに対して様々な位置に配置され得る。例えば、シリンジは、医療用流体で事前に満たされて提供され得る。そのような場合、プランジャは、相対的に後退した位置(例えば、プランジャがシリンジのノズルの遠位にある状態)に配置され得、流体をシリンジバレル内に収容する。他の例では、シリンジは、使用の前に満たされるために空の状態で供給され得る。そのような場合、プランジャは、任意の適切な位置に配置され得る。例えば、空のシリンジが比較的前進したあるいは延在した位置のピストンを(例えば、シリンジのノズルに近接したプランジャを)伴って供給され得る。他の例では、空のシリンジが比較的後退した位置のピストンを伴って提供され得る。本明細書に記述される局面は、ホーム位置を決定するように、および/またはラムを、患者の注入手順に使用されるべきシリンダのタイプに対して、ホーム位置に動かすように動作可能である。
【0009】
本発明の第1の局面は、ラム、シリンダタイプ識別ロジック、メモリユニット、およびラムホーミングロジックを含むパワーインジェクタにおいて具現化される。メモリユニットは、複数のシリンジタイプの各々が複数のホーム位置のうちの1つに相関する検索表を含む。そのように、任意の所与のシリンジタイプに対して、検索表は対応するホーム位置を確かめるために使用され得る。ラムホーミングロジックは、所定の条件が生じると、ラムをシリンジタイプに対応するホーム位置に駆動するように動作可能であり得る。
【0010】
本発明の第2の局面は、ラム、シリンジラッチ、シリンジラッチセンサ、およびラムホーミングロジックを含むパワーインジェクタにおいて具現化される。ラムホーミングロジックは、シリンジラッチの開口部をシリンジラッチセンサによって感知すると、自動的にラムをホーム位置に駆動するように動作可能であり得る。
【0011】
上述の本発明の第1および第2の局面に関して記述された特徴に関して、様々な改良が存在する。さらなる特徴が、本発明の第1および第2の局面にも同様に組み込まれ得る。これらの改良およびさらなる特徴が、第1および第2の局面の各々に関して、個別にあるいは組み合わせにおいて存在し得る。議論される以下の特徴の各々は、特に特定されない限り、任意の他の特徴あるいは特徴の組み合わせとともに使用される必要はない。
【0012】
第1の局面の場合、所定の状態は以下のうちの任意の1つ以上を含み得る。それらは、シリンジの除去、シリンジのパワーインジェクタからのアンラッチ、インジェクタ手順の完了、および患者をパワーインジェクタから流体的に切断することである。第1の局面は、シリンジラッチをさらに含み得る。センサは、シリンジラッチがラッチされているか否かを示すように構成され得る。
【0013】
実施形態において、パワーインジェクタは、シリンジセンサをさらに含み得る。シリンジセンサは、光学センサ、無線周波数識別(RFID)タグリーダ、あるいは任意の他の適切なセンサあるいはセンサの組み合わせであり得る。他の構成において、パワーインジェクタは、ラム位置エンコーダをさらに含み得る。
【0014】
実施形態において、パワーインジェクタは、フェースプレートをさらに含み得る。フェースプレートは、シリンジ取り付け部材を含み得る。フェースプレートは、第1のタイプのシリンジに対して構成され得、このフェースプレートのタイプは、パワーインジェクタと通信され得る。例えば、このフェースプレートタイプは、このフェースプレートタイプに対応するフェースプレートの属性を感知するパワーインジェクタのセンサを介して通信され得る。
【0015】
構成において、パワーインジェクタはフェースプレート取り付け部材およびフェースプレートを含み得る。フェースプレートは、シリンジ取り付け部材を含み得る。そのようなパワーインジェクタは、フェースプレートがフェースプレート取り付け部材に相互接続される場合、フェースプレートのフェースプレートタイプを決定するように動作可能である。パワーインジェクタは、フェースプレートセンサをさらに含み得る。フェースプレートセンサは、パワーインジェクタに設置されたフェースプレートの存在を感知するように動作可能であり得る。フェースプレートセンサは、パワーインジェクタに設置されたフェースプレートのフェースプレートタイプを感知するように動作可能である。フェースプレートセンサは、フェースプレートの少なくとも1つを感知することに基づいて、フェースプレートタイプを区別するように動作可能である。
【0016】
本発明の第3の局面は、パワーインジェクタのインジェクタラムをホーム位置に動かす方法において具現化される。この方法は、パワーインジェクタが、パワーインジェクタに取り付けられたシリンジタイプを識別し、識別ステップにおいてシリンジタイプに対するホーム位置を取得し、事象を検出し、事象の検出に応答して、自動的にインジェクタラムを取得されたホーム位置に動かすことを含む。
【0017】
様々な改良が、上に注解された本発明の第3の局面に関して注解された特徴に関して存在する。さらなる特徴が、本発明の第3の局面において同様にまた組み込まれ得る。これらの改良およびさらなる特徴が、第1および第2の局面の各々に関して、個別にあるいは任意の組み合わせにおいて、存在し得る。議論される以下の特徴の各々は、他に特定されない限り、任意の特徴あるいは特徴の組み合わせと共に使用される必要はない。
【0018】
実施形態において、検出された事象は、以下のうちの1つ以上を含み得る。それらは、パワーインジェクタのフェースプレートをアンラッチすること、パワーインジェクタによる注入手順を完了すること、ユーザ入力を受け取ること、およびパワーインジェクタによってシリンジのパワーインジェクタからの取り外しを感知することである。
【0019】
構成において、獲得するステップは、検索表において、識別されたシリンジタイプに対応するホーム位置を検索するパワーインジェクタを含み得る。実施形態において、方法はフェースプレートを開口することをさらに含む。
【0020】
実施形態において、識別するステップは、パワーインジェクタのフェースプレート取り付け部材に相互接続されたフェースプレートのフェースプレートタイプを決定することをさらに含む。フェースプレートタイプは、シリンジタイプに対応し得る。決定することは、少なくとも1つのフェースプレートの属性を感知することを含み得る。決定することは、少なくとも1つのフェースプレートの磁石を感知することを含み得る。
【0021】
実施形態において、方法は、移動ステップの後に、使用されたシリンジをパワーインジェクタから取り除き、そして、新しいシリンジをパワーインジェクタに設置することをさらに含み得る。
【0022】
本発明の第4の局面は、パワーインジェクタのインジェクタラムをホーム位置に動かす方法において具現化される。この方法は、パワーインジェクタにラッチされたシリンジを検出し、対応するインジェクタラムをホーム位置に自動的に動かすことを含む。
【0023】
上記の本発明の第4の局面に関して注解された特徴の様々な改良が存在する。さらなる特徴が、本発明の第4の局面において同様に組み込まれ得る。これらの改良およびさらなる特徴が、第1から第3の局面の各々に関して個別にあるいは組み合わせにおいて存在し得る。議論される以下の特徴の各々は、他に特定されない限り、任意の他の特徴あるいは特徴の組み合わせと共に使用される必要はない。
【0024】
第3および/または第4の局面において、ホームボタンをユーザに提示し、ホームボタンの押圧を検知して、動かすステップを開始することを、方法はさらに含み得る。方法は、シリンジから患者に流体を注入することをさらに含み得る。方法は、自動的に動かす前に、患者がパワーインジェクタから切り離されたことを確認することをさらに含み得る。
【0025】
本発明の上に注解した局面の各々の様々な改良が存在する。本発明の上に注解した局面の各々において、さらなる特徴が同様に組み込まれ得る。これらの改良およびさらなる特徴が、局面の各々に関して個別にあるいは組み合わせにおいて存在し得る。つまり、議論される特徴の各々は、他に特定されない限り、任意の他の特徴あるいは特徴の組み合わせと共に使用される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、パワーインジェクタの1つの実施形態の模式図である。
【図2A】図2Aは、可搬型、縦置き、2ヘッドのパワーインジェクタの1つの実施形態の透視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのパワーインジェクタによって使用されるパワーヘッドの、拡大された、部分的に展開された透視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aのパワーインジェクタによって使用されるシリンジプランジャドライブアセンブリの1つの実施形態の模式図である。
【図3】図3は、パワーインジェクタのラムをホーム位置に動かす方法のフローチャートである。
【図4】図4は、注入手順の間に、パワーインジェクタのシリンジを交換する方法のフローチャートである。
【図5】図5は、パワーインジェクタのラム駆動ロジックへの入力のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、パワーヘッド12を有するパワーインジェクタ10の1つの実施形態の模式図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェイスつまりGUI11が、パワーヘッド12に関連付けられ得る。各GUIは、1)任意の適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプであり得る、2)任意の適切な方法で、パワーヘッド12と動作可能に相互接続され得る、3)任意の位置に配置され得る、4)以下の機能の1つあるいは任意の組み合わせを提供するように構成され得る;それらは、パワーインジェクタ10の動作の1つ以上の局面を制御すること、パワーインジェクタ10に関連する1つ以上のパラメータを入力する/編集すること、および適切な情報を表示すること(例えば、パワーインジェクタ10の動作に関連する)である、あるいは、5)前述の任意の組み合わせであり得る。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。1つの実施形態において、パワーインジェクタ10は、パワーヘッド12から離れているが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。他の実施形態において、パワーインジェクタ10は、パワーヘッド12の一部分であるGUI11を含む。なおも他の実施形態において、パワーインジェクタ10は、パワーヘッド12と通信する別のコンソール上の1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある他のGUI11を利用する。各GUI11は、同じ機能性あるいは機能性の組を提供し得る、あるいはGUI11は、それぞれの機能性に関して少なくともいくつかは異なり得る。
【0028】
シリンジ28は、パワーヘッド12に設置され得、設置されると、パワーインジェクタ10の一部分であると考えられ得る。いくつかの注入手順は、シリンジ28内で発生される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、シリンジ28を圧力ジャケット26内に配置することが望ましいことがあり得る。シリンジ28が、パワーヘッドの一部分としてその中に配置されることを可能にする態様において、あるいはシリンジ28をパワーヘッド12上に設置した後に、、圧力ジャケット26は一般にはパワーヘッド12に関連付けられる。複数の注入手順に対して、様々なシリンジ28が圧力ジャケット26内に配置され、圧力ジャケット26から取り除かれるとき、同じ圧力ジャケット26はパワーヘッド12と関連付けられたままである。低圧注入に対して、パワーインジェクタ10が構成され/利用される場合、および/またはパワーインジェクタ10に利用されるべきシリンジ28が十分な耐久性を有し、圧力ジャケット26によって提供されるさらなる支持がなくても高い圧力の注入に耐える場合、パワーインジェクタ10は、圧力ジャケット26を除き得る。どちらの場合でも、シリンジ28から放出された流体は、適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプの任意の導管38の中に向けられ得、導管38は、シリンジ28と任意の適切な方法において流体的に相互接続され、また、流体を任意の適切な位置(例えば、患者に)に向け得る。
【0029】
パワーヘッド12は、シリンジプランジャドライブアセンブリあるいはシリンジプランジャドライバ14を含み、シリンジプランジャドライバ14は、シリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用(例えばインターフェイス)して流体をシリンジ28から放出する。このシリンジプランジャドライブアセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ねじ)に動力を与える駆動源16(例えば、選択的にギアの付いた、任意の大きさ、形状、構成、および/またはタイプのモータ、等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路に(例えば軸方向に)沿って前進させられ得る。ラム20は、下に記述される方法によって、シリンジ28の対応する部分と相互作用するかあるいはインターフェイスするカプラ22を含み得る。
【0030】
シリンジ28は、シリンジバレル30内に(例えば、両側矢印Bに一致する軸に沿った軸方向の推進)可動に配置されるプランジャあるいはピストン32を含む。プランジャ32は、カプラ34を含み得る。このシリンジプランジャ34は、ラムカプラ22と相互作用あるいはインターフェイスし、シリンジプランジャドライブアセンブリ14が、シリンジバレル30内で、シリンジプランジャ32を後退させることを可能にする。シリンジプランジャカプラ34は、ヘッドあるいはボタン36bと共にシリンジプランジャ32の本体から延びるシャフト36aの形であり得る。しかしながら、シリンジプランジャカプラ34は、任意の適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。
【0031】
概して、パワーインジェクタ10のシリンジプランジャドライブアセンブリ14は、任意の適切な方法(例えば、機械的接触によって、適切なカップリング(機械的あるいは他の方法)によって)において、シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し、シリンジプランジャ32を(シリンジバレル30に対して)少なくとも1つの方向(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出する方向)に動かすか、あるいは前進させることを可能にする。つまり、シリンジプランジャドライブアセンブリ14は、(例えば、同じ駆動源16の動作を介して)双方向の動きが可能であるが、パワーインジェクタ10は、シリンジプランジャドライブアセンブリ14の動作が、パワーインジェクタ10によって使用されているシリンジプランジャ32を、ただ1方向のみに実際に動かすのみである。しかしながら、シリンジプランジャドライブアセンブリ14は、パワーインジェクタ10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得、2つの異なる方向の各々において(例えば、共通の軸方向経路に沿った異なる方向に)、そのようなシリンジプランジャ32の各々を動かすことができる。
【0032】
シリンジプランジャ32の後退は、流体で事前に満たされたシリンジ28の装着を適合させるように利用され得、続く注入あるいは放出のために、流体のシリンジバレル30への装着を適合させるように利用され得、続く注入あるいは放出のために、あるいは任意の他の適切な目的のために、実際に流体をシリンジバレル30の中に引き出すように利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャドライブアセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることが可能であることを必要とせず、その場合には、ラムカプラ22およびシリンジプランジャカプラ34は必要とされないことがあり得る。この場合、シリンジプランジャドライブアセンブリ14は、他の流体送達動作(例えば、他の事前に満たされたシリンジ28が設置された後)の実行のために、後退させられ得る。ラムカプラ22およびシリンジプランジャカプラ34が利用される場合であっても、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させ、流体をシリンジ28から放出する(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ32を「押す」)場合、これらの構成部品は、結合されることもあり、結合されないこともあり得る。任意の適切な寸法あるいは寸法の組み合わせにおける、任意の単一の運動あるいは運動の組み合わせは、ラムカプラ22とシリンジプランジャカプラ34とを結合された状態あるいは状況において配置するために、ラムカプラ22とシリンジプランジャカプラ34とを結合されない状態あるいは状況において配置するために、あるいは、その両方のために利用され得る。
【0033】
シリンジ28は、任意の適切な方法において、パワーヘッド12に設置され得る。例えば、シリンジ28は、直接パワーヘッド12に設置されるように構成され得る。例示の実施形態において、ハウジング24は、パワーヘッド12上に適切に設置され、シリンジ28とパワーヘッド12との間のインターフェイスを提供する。このハウジング24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形であり得、ここでは、シリンジ28のための少なくとも1つの構成が、いかなるそのようなアダプタの使用なしでも、直接パワーヘッド12上に設置され得る。ハウジング24は、また、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るフェースプレートの形であり得る。この場合、フェースプレートはシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することが必要とされ、シリンジ28は、フェースプレートなしにはパワーヘッド12上には設置されない。圧力ジャケット26が使用されている場合、シリンジ28に関して本明細書に記述された様々な方法において、それはパワーヘッド12上に設置され得、シリンジ28は、その後に圧力ジャケット26内に設置される。
【0034】
シリンジ28を設置する場合、ハウジング24は、パワーヘッド12に対して固定された位置に取り付けられ、固定された位置のままであり得る。他のオプションは、ハウジング24とパワーヘッド12とを可動に相互接続して、シリンジ28の設置を適合させる。例えば、ハウジング24は、両方矢印Aを含む平面内で動き得、ラムカプラ22とシリンジプランジャカプラ34との間に、結合された状態あるいは状況および結合されない状態あるいは状況のうちの1つ以上を提供する。
【0035】
1つの特定のパワーインジェクタ構成が、図2Aに例示されており、参照番号40によって識別され、少なくとも概して図1のパワーインジェクタ10に従う。パワーインジェクタ40は、可搬型スタンド48に取り付けられたパワーヘッド50を含む。パワーインジェクタ40に対する1対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50に取り付けられる。流体は、パワーインジェクタ40の動作の間、シリンジ86a、86bに引き抜かれ、および/またはシリンジ86a、86bから放出される。
【0036】
可搬型スタンド48は、任意の適切な大きさ、形状、構成、および/またはタイプであり得る。車輪、ローラ、キャスタ、あるいは同様なものが、スタンド48を可搬型にするために利用される。パワーヘッド50は、可搬型スタンド48に対して固定された位置に維持され得る。しかしながら、少なくともある方法において、パワーヘッド50の位置が、可搬型スタンド48に対して調節可能であることを可能にすることが望ましい。例えば、流体を1つ以上のシリンジ86a、86bの中にローディングあるいはアンローディングする場合、可搬型スタンド48に対する1つの位置にパワーヘッド50を有することが望ましく、また、注入処置の実行のために、パワーヘッド50を可搬型スタンド48に対して異なる位置に有することが望ましい。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な方法において(例えば、少なくともある運動範囲を通してパワーヘッド50が旋回され、その後、所望の位置に維持されるように)、可搬型スタンド48と可動に相互接続され得る。
【0037】
パワーヘッド50が、流体を提供する任意の適切な方法において支持され得ることは、容易に理解されるべきである。例えば、可搬型構造に取り付けられる代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続され得、代わって支持構造が適切な構造(例えば、天井、壁、床)に取り付けられる。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリは、少なくともいくつかの観点において(例えば、1つ以上の他の支持部に対して再位置決めされ得る、1つ以上の支持部を有することによって)、位置的に調節され得るか、あるいは、固定された位置に維持され得る。さらに、パワーヘッド50は、任意のその様な支持アセンブリと一体化され得、固定された位置に維持され得るか、あるいは支持アセンブリに対して調節可能であるかのいずれかである。
【0038】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェイスつまりGUI52を含む。GUI52は、以下の機能のうちの1つあるいは任意の組み合わせを提供するように構成され得る。それらは、パワーインジェクタ40の動作の1つ以上の局面を制御すること、パワーインジェクタ40に関連する1つ以上のパラメータを入力する/編集すること、および適切な情報を表示すること(例えば、パワーインジェクタ40の動作に関連する)である。パワーインジェクタ40は、また、コンソール42およびパワーラック46を含み得、各々が、任意の適切な方法において(例えは、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し、テーブル上に配置され得るか、あるいは、検査室あるいは任意の他の場所のエレクトロニクスラックに取り付けられ得るか、またはその両方である。パワーラック46は、以下のうちの1つ以上および任意の適切な組み合わせを含み得る。それらは、インジェクタ40用の電源、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するインターフェイス回路網、遠隔ユニットへのパワーインジェクタ40の接続、および任意の他の適切な構成部品類であり、遠隔ユニットは、遠隔コンソール、遠隔ハンドあるいはフット制御スイッチ、あるいは他のオリジナル装置製造者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、パワーインジェクタ40の動作が画像化システムのX線露出と同期されることを可能にする)のようなものである。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、タッチスクリーンディスプレイ44は、代わって以下の機能のうちの1つ以上あるいは任意の組み合わせを提供する。それらは、操作者がパワーインジェクタ40の動作の1つ以上の局面を遠隔に制御することを可能にすること、操作者がパワーインジェクタ40の動作に関連する1つ以上のパラメータを入力し/編集することを可能にすること、操作者がパワーインジェクタ40の自動化された動作のプログラムを特定し格納すること(これは、後で、操作者による注入のときに、パワーインジェクタ40によって自動的に実行され得る)を可能にすること、およびパワーインジェクタ40に対する任意の適切な情報関係を表示することであり、その動作の任意の局面を含む。
【0039】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの一体化に関する様々な詳細が、図2Bに提示されている。シリンジ86a、86bの各々は、同じ一般構成部品を含む。シリンジ86aは、シリンジバレル88a内に可動に配置されるプランジャあるいはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの動きは、シリンジバレル88a内からシリンジ86aのノズル89aを通って流体を放出する。適切な導管(示されない)は、一般には、ノズル89aと適切な方法において流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、患者)に向ける。同様に、シリンジ86bは、シリンジバレル88b内に可動に配置されるプランジャあるいはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿った第1の方向におけるプランジャ90bの動きは、流体をシリンジバレル88b内からシリンジ86bのノズル89bを通って流体を放出する。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿った第1の方向から反対の方向におけるプランジャ90bの動きは、ここではパワーヘッド50が流体源に流体的に相互接続されているが、流体をシリンジバレル88bの中にシリンジ86bのノズル89bを通って引き抜く。適切な導管(示されない)は、一般に適切な方法においてノズル89bと流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、患者)および/または流体を所望の場所(例えば、流体コンテナ)から引き抜く。
【0040】
シリンジ86aは、パワーヘッド50と中間フェースプレート102aを介して相互接続される。このフェースプレート102aは、クレードル104を含み、クレードル104は、シリンジバレル88aの少なくとも一部分を支持し、任意のさらなる機能性あるいは機能性の組み合わせを提供し/適合させる。マウンティング82aは、フェースプレート102aとインターフェイスするパワーヘッド50に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。ラム74のラムカプラ76(図2C)は、各々シリンジ86aに対するシリンジプランジャドライブアセンブリあるいはシリンジプランジャドライバ56の一部であるが、パワーヘッド50に取り付けられた場合、フェースプレート102aに近接して位置決めされる。シリンジプランジャドライブアセンブリ56に関する詳細は、図2Cに関して下に詳細に議論される。概して、ラムカプラ76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと結合され得、ラムカプラ76およびラム74(図2C)が、それからパワーヘッド50に対して動かされて、シリンジプランジャ90aを軸100a(図2A)に沿って動かす。これは、シリンジプランジャ90aを動かしてシリンジ86aのノズル89aを通って流体を放出する場合、ラムカプラ76がシリンジプランジャ90aと係合しているようであり得るが、実際には結合していない。
【0041】
フェースプレート102aは、少なくとも概して、軸100a、100bに対して直交(シリンジプランジャ90a、90bの動きにそれぞれ関連し、図2Aに例示されている)する平面内で動かされ、フェースプレート102aをパワーヘッド50上のそのマウンティング82aに取り付け、またフェースプレート102aをそのマウンティング82aから取り除く両方を行う。フェースプレート102aは、シリンジプランジャ90aをその対応するパワーヘッド50のラムカプラ76に結合するように使用され得る。この点において、フェースプレート102aは、1対のハンドル106aを含む。概しておよびシリンジ86aがフェースプレート102a内に初期に位置決めされている場合、ハンドル106aは動かされ、代わって、少なくとも概して軸100a、100bに直交する平面内で(シリンジプランジャ90a、90bの動きにそれぞれ関連し、図2Aに例示されている)シリンジ86aを動かし/並進させる。ハンドル106aを1つの位置に動かすことは、少なくとも概して下方にシリンジ86aを動かし/並進させ(フェースプレート102aに対して)、そのシリンジプランジャ90aをその対応するラムカプラ76と結合する。ハンドル106aを別の位置に動かすことは、少なくとも概して上方にシリンジ86aを動かし/並進させ(フェースプレート102aに対して)、そのシリンジプランジャ90aをその対応するラムカプラ76から離す。
【0042】
シリンジ86bは、中間フェースプレート102bを介してパワーヘッド50と相互接続される。マウンティング82bは、フェースプレート102bとインターフェイスするために、パワーヘッド50に対して配置され固定される。ラム74のラムカプラ76(図2C)は、各々シリンジ86aに対するシリンジプランジャドライブアセンブリ56(図2C)の一部であるが、パワーヘッド50に取り付けられた場合、フェースプレート102bに近接して位置決めされる。シリンジプランジャドライブアセンブリ56に関する詳細は、図2Cに関して下に詳細に再び議論される。概して、ラムカプラ76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと結合され得、ラムカプラ76およびラム74(図2C)が、パワーヘッド50に対して動かされて、シリンジプランジャ90bを軸100b(図2A)に沿って動かす。これは、シリンジプランジャ90bを動かしてシリンジ86bのノズル89bを通って流体を放出する場合、ラムカプラ76がシリンジプランジャ90bと係合しているようであり得るが、実際には結合していない。
【0043】
フェースプレート102bは、少なくとも概して、軸100a、100bに対して直交(シリンジプランジャ90a、90bの動きにそれぞれ関連し、図2Aに例示されている)する平面内で動かされ、フェースプレート102bをパワーヘッド50上のそのマウンティング82bに取り付け、またフェースプレート102bをそのマウンティング82bから取り除く両方を行う。フェースプレート102bは、また、シリンジプランジャ90bをその対応するパワーヘッド50のラムカプラ76に結合するように使用され得る。この点において、フェースプレート102bは、1対のハンドル106bを含み得る。概しておよびシリンジ86bがフェースプレート102b内に初期に位置決めされている場合、シリンジ86bは、その長手方向軸100b(図2A)に沿ってフェースプレート102bに対して回転され得る。この回転は、シリンジ86bを把持することによって、またシリンジ86bを回すことによって、あるいはその両方によって、ハンドル106bを動かすことによって実現され得る。どちらの場合でも、この回転は、少なくとも概して軸100a、100bに直交する平面内で(シリンジプランジャ90a、90bの動きにそれぞれ関連し、図2Aに例示されている)シリンジ86bとフェースプレート102bの両方を動かし/並進させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることは、少なくとも概して下方にシリンジ86bとフェースプレート102bを動かし/並進させ、シリンジプランジャ90bをその対応するラムカプラ76と結合する。シリンジ86bを別の方向に回転させることは、少なくとも概して上方の方向にシリンジ86bとフェースプレート102bを動かす/並進させ、シリンジプランジャ90bをその対応するラムカプラ76から離す。
【0044】
図2Bに例示されているように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92とシリンジプランジャカプラ94とを含む。このシリンジプランジャカプラ94は、シャフト98を含み、このシャフト98は、プランジャ本体92から離れているヘッド96に沿ってプランジャ本体92から延びる。ラムカプラ76の各々は、ラムカプラ76の表面上のより小さいスロットの後ろに位置決めされるより長いスロットを含む。シリンジプランジャカプラ94のヘッド96は、ラムカプラ76の長い方のスロット内に位置決めされ得、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラムカプラ76が結合された状態あるいは状況にある場合、シリンジプランジャカプラ94のシャフト98は、ラムカプラ76の表面の小さい方のスロットを通って延びる。シリンジプランジャ90aは、同様なシリンジプランジャカプラ94を含み得、その対応するラムカプラ76とインターフェイスする。
【0045】
パワーヘッド50は、パワーインジェクタ40の場合、流体をシリンジ86a、86bから放出するために利用される。つまり、パワーヘッド50は、動かす力を提供し、流体をシリンジ86a、86bの各々から放出する。シリンジプランジャドライブアセンブリあるいはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられるものの1つの実施形態が、図2Cに例示されており、参照番号56によって識別され、パワーヘッド50によって利用され、流体をシリンジ86a、86bの各々から放出する。別々のシリンジプランジャドライブアセンブリ56が、シリンジ86a、86bの各々に対して、パワーヘッド50の中に組み込まれ得る。この点においておよび図2A〜2Bに戻って参照して、パワーヘッド50は、シリンジプランジャドライブアセンブリ56を別々に制御するための手動のノブ80a、80bを含み得る。
【0046】
まず、図2Cのシリンジプランジャドライブアセンブリ56に関して、その独立した構成部品の各々は、任意の適切な大きさ、形状、構成および/またはタイプであり得る。シリンジプランジャドライブアセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動ギア62は、モータ58の出力シャフト60に取り付けられ、出力シャフトと共に回転する。駆動ギア62は、駆動されるギア64と係合するか、あるいは少なくとも係合可能である。この駆動されるギア64は、駆動ねじあるいはシャフト66に取り付けられ、駆動ねじと共に回転する。駆動ねじ66がその周りを回転する軸は、参照番号68によって識別される。1つ以上のベアリング72が、駆動ねじ66を適切に支持する。
【0047】
キャリッジあるいはラム74は、駆動ねじ66に取り外し可能に取り付けられる。概して、駆動ねじ66の1つの方向の回転は、駆動ねじ66に沿って(また、それゆえ、軸68に沿って)、対応するシリンジ86aおよび86bの方向に、ラム74を軸方向に前進させ、一方、駆動ねじ66の反対方向の回転は、駆動ねじ66に沿って(また、それゆえ、軸68に沿って)、対応するシリンジ86aおよび86bから離れる方向に、ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ねじ66の少なくとも一部分の周囲は、ラム74の少なくとも一部分とインターフェイスする螺旋状のねじ山70を含む。ラム74は、また、ブッシング78内に可動に取り付けられ、このブッシング78は、駆動ねじ66の回転の間、ラム74が回転することを許容しない。従って、駆動ねじ66の回転は、駆動ねじ66の回転方向によって決定される方向の、ラム74の軸方向の動きを提供する。
【0048】
ラム74は、カプラ76を含み、カプラ76は、対応するシリンジ86a、86bのシリンジプランジャ90a、90bのシリンジプランジャカプラ94と取り外し可能に結合され得る。ラムカプラ76およびシリンジプランジャカプラ94が適切に結合される場合、シリンジプランジャ90a、90bは、ラム74に沿って動く。図2Cは、シリンジ86a、86bに対応する軸100a、100bに沿って、ラム74に結合されることなくシリンジ86a、86bが動かされる構成を例示する。シリンジ86a、86bのシリンジプランジャ90a、90bがラムカプラ76と整列されるが、軸68はなおも図2Cのずれた構成にあるように、シリンジ86a、86bがその対応する軸100a、100bに沿って動かされる場合、シリンジ86a、86bは、ラム74が沿って動く軸68に直交する平面内で並進させられ得る。これは、上に注解した方法において、ラムカプラ76とシリンジプランジャカプラ96の間の結合された係合を確立する。
【0049】
図1および2A〜2Cのパワーインジェクタ10、40は、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療用画像化用途を含むが、それに限定されない、任意の適切な用途に各々使用され得る。パワーインジェクタ10、40の代表的な医療用画像化応用は、CT画像化法、MRI、SPECT画像化法、PET画像化法、X線画像化法、血管造影画像化法、光学画像化法、および超音波画像化法を含むが、それらに限定されない。パワーインジェクタ10、40は、例えば、パワーインジェクタ10、40と1つ以上の他の構成部品(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)との間で、情報が伝達されるように、1つ以上の構成部品と各々動作可能に相互接続され得る。
【0050】
任意の数のシリンジが、パワーインジェクタ10、40の各々によって利用され得、単一ヘッド構成(単一シリンジ用)およびデュアルヘッド構成(2シリンジ用)を含むが、それらに限定されない。複数のシリンジ構成の場合、各パワーインジェクタ10、40は、任意の適切な方法において任意のタイミング順序(例えば、2つ以上のシリンジからの連続的放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、あるいはそれらの任意の組み合わせ)に従って、様々なシリンジから流体を放出する。複数のシリンジが共通の導管の中に放出し得る(例えば、単一注入部位への提供)か、あるいは、1つのシリンジが1つの導管の中に(例えば、1つの注入部位への提供)放出し得、一方、別のシリンジが異なる導管の中に(例えば、異なる注入部位への提供)放出し得る。パワーインジェクタ10,40の各々によって利用される各々のそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療用流体)を含み得、医療用流体には、例えば、造影剤、放射性薬品、食塩水、およびそれらの任意の組み合わせがある。パワーインジェクタ10,40の各々によって利用される各々のそのようなシリンジは、任意の適切な方法(例えば、後方装着構成が利用され得、前方装着構成が利用され得、側方装着が利用され得る)において設置され得る。
【0051】
図3は、パワーインジェクタ40のラム74をホーム位置に動かす方法120のフローチャートである。方法120の個別のステップは、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書に使用されるように、「ホーム位置」は、ラム74の指定された位置を言い、そこでは、適切に構成されたシリンジ86a、86b(例えば、事前に満たされる、空の)がフェースプレート102a、102b上に設置され得る。ホーム位置は、例えば、シリンジ86a、86bを設置するおよび/または取り除くことが適合されるように決定され得る。
【0052】
方法120における第1のステップ122は、実行されるべき患者の注入手順に対して必要なシリンジ86a、86bのタイプを決定することであり得る。シリンジ86a、86bのタイプは、制定されるべき注入プロトコルに依存し得る。例えば、注入プロトコルは、特定の大きさ(例えば、100ml、200ml)の事前に満たされたシリンジ86a、86bからの特定の流体タイプ(例えば、造影剤、食塩水)の注入を必要とし得る。そのような事前に満たされたシリンジ86a、86bに対応するラム74のホーム位置は、ラム74が後退して、事前に満たされたシリンジ86a、86bの後退した(例えば、シリンジ86a、86bのノズル89a、89bの遠位に配置された)プランジャ90a、90bに対応し、プランジャ90a、90bを適合する。事前に満たされたシリンジ86a、86bのプランジャ90a、90bは、シリンジ86a、86b内の流体のレベルに対応する距離だけ後退させられ得る。
【0053】
他の例では、注入プロトコルは、パワーインジェクタ40に設置された場合、シリンジ86a、86bが空であることを必要とする。空のシリンジ86a、86bは、プランジャ90a、90bが、完全に後退した位置および完全に拡張した位置(例えば、シリンジ86a、86bのノズル89a、89bに近接して配置されて)を含む(がそれに限定されない)任意の位置において供給され得る。空のシリンジ86a、86bに対して、注入プロトコルは、流体の患者への注入の前に、パワーインジェクタ40が流体を流体源からシリンジ86a、86bに引き出すことを含む。さらに、そのような場合、ラム74のホーム位置は、供給されたときの空のシリンジ86a、86bにおけるプランジャ90a、90bの位置に対応する。空のシリンジ86a、86bがプランジャ90a、90bの拡張した位置で供給される場合、ラム74のホーム位置は、対応する拡張位置であり得る。空のシリンジ86a、86bがプランジャ90a、90bの後退した位置で供給される場合、ラム74のホーム位置は対応する後退位置であり得る。空のシリンジ86a、86bがプランジャ90a、90bの中間位置の状態で供給される場合、ラム78のホーム位置は対応する中間位置であり得る。
【0054】
患者の注入手順に対して必要なシリンジ86a、86bのタイプを決定した後、次のステップ124は、使用されるべきシリンジ86a、86bのタイプに対応するフェースプレート102a、102bを設置することであり得る。次のステップ126は、パワーインジェクタ40が、パワーインジェクタ40に設置されるフェースプレート102a、102bのタイプを感知することであり得る。フェースプレートタイプセンサ190は、下で図5を参照して議論される。フェースプレート102a、102bのタイプがパワーインジェクタ40によって感知されると、次のステップ128は、パワーインジェクタ40が(例えば、ホーム位置決定ロジック184(図5))、感知されたフェースプレート102a、102bに対応するシリンジ86a、86bに対応するラム74に対するホーム位置を検索することである。この点において、パワーインジェクタ40は、メモリユニットに検索表196(図5)を含み得る。そのような検索表196は、適切な方法で編成され得る。例えば、検索表196は、複数のシリンジ86a、86bおよび/またはフェースプレート102a、102bタイプの各々を複数のホーム位置の1つに相関させ得る。検索表196は、下に図5を参照して記述される。
【0055】
次のステップ130は、パワーインジェクタ40がパワーインジェクタ40のユーザに「ホーム」ボタンを提示することである。例えば、提示された「ホーム」ボタンは、GUI11上に、タッチスクリーンディスプレイ44上に、および/または任意の他の適切な場所あるいは複数の場所に提示され得る。代替として、「ホーム」ボタンは、パワーインジェクタ40の適切な場所に配置される専用のボタンであり得る。そのような専用ボタンは、ラム74をホームに送ることが適切であるときにのみ起動され得る。他の代替において、[ホーム」ボタンは、「ソフトキー」であり得、特定のボタンが時折「ホーム」ボタンとして指定され得、また別の時には1つ以上の他の機能を実行するように指定され得る。
【0056】
次のステップ132は、パワーインジェクタ40が「ホーム」ボタンの押圧を検出することであり得る。例えば、パワーインジェクタ40は、ユーザがGUI11上のホーム」ボタンを押したときを検出し得る。「ホーム」ボタンの押圧が検出された後、パワーインジェクタ40は、設置されたフェースプレート102a、102bに対応する、シリンジ86a、86bタイプのホーム位置にラム74を動かすステップ134を実行し得る。
【0057】
ラム74がホーム位置に動かされた(例えば、ホームに戻った)後、ユーザは、フェースプレート102a、102b上にシリンジ86a、86bを設置し得る。シリンジ86a、86bの設置は、適切なハンドル/ラッチ106a、106bを動かすことによって、シリンジ86a、86bを正しい位置にラッチすることを含む。ユーザは、それから、流体注入手順を継続し、流体をシリンジ86a、86bから患者に注入する。
【0058】
ホームボタンを押圧するステップ130およびホームボタンの押圧を検出するステップ132は、選択的であり得る。例えば、フェースプレート102a、102bが設置され(ステップ124)、フェースプレート102a、102bタイプが決定され(ステップ126)、対応するホーム位置が検索される(ステップ128)と、パワーインジェクタ40は、ラム74をホーム位置に動かすステップ134を自動的に実行するように構成され得る。ホーム位置を検索(ステップ120)した後、ホームボタンを提示する(ステップ130)か、ラムを動かす(ステップ134)ことに直接移るかは、ユーザ選択可能な好みであり得る。
【0059】
図4は、注入手順の間のパワーインジェクタ40のシリンジ86a、86bを交換する方法140のフローチャートである。方法140の個別のステップは、適切な順序で実行され得る。シリンジ86a、86bの交換の前に、交換されるべきシリンジ86a、86bタイプを決定するステップ142が実行され得る。シリンジ86a、86bタイプの決定は、図3のステップ126を参照して記述されるように、フェースプレート102a、102bタイプを感知することを含む任意の適切な方法において実行され得る。例えば、図3の方法120は、最初の患者注入手順の前に実行され得、シリンジ86a、86bおよび/またはフェースプレート102a、102bタイプは方法120の実行中に決定され得る。従って、最初のステップの間になされたフェースプレート102a、102bおよび/またはシリンジ86a、86bの決定は、続くシリンジ86a、86bの交換において使用され得る。
【0060】
1つの実施形態において、シリンジ86a、86bタイプは、ユーザからの入力によって決定され得る。例えば、同じタイプのシリンジ86a、86bを使用して一連の患者注入手順が実行されるべきである場合、すべての続くシリンジ86a、86b交換の間、ユーザによって入力されたシリンジ86a、86bタイプが使用され得る。
【0061】
交換されるべきシリンジ86a、86bタイプを決定するステップ142の実行と共に、決定されたシリンジ86a、86bタイプに基づいて、ホーム位置決定のステップ144がまた実行され得る。ホーム位置決定は、図3のステップ128を参照して上に記述されたように実行され得る。
【0062】
患者注入手順が完了(ステップ146)した後、シリンジ86a、86bを交換する方法140が実行され得る。さらに、および上に注解したように、シリンジ86a、86bタイプの決定(ステップ142)およびホーム位置決定(ステップ144)が、図4のシリンジ86a、86bを交換する方法140の実行の前に、実行が完了され得る。代替として、パワーインジェクタ40の動作の間の任意の適切な時間において、シリンジ86a、86bタイプ決定(ステップ142)およびホーム位置決定(ステップ144)が実行され得る。
【0063】
シリンジ86a、86bを交換する方法140の第1のステップ148は、開いたフェースプレート102a、102bを検出することである。フェースプレート102a、102bの開口は、対応するハンドル/ラッチ106a、106bを操作する(例えば、ラッチを外す)ことを含み得る(図2Bを参照して上に記述されたように)。パワーインジェクタ40のハンドル状態センサ194(図5)は、フェースプレート102a、102bが開いた/ラッチの外されている場合を検出するように動作可能である。例えば、ハンドル状態センサ194は、パワーヘッド50に配置され、フェースプレート102a、102b上のハンドル106a、106bが開位置にある場合を検出するように動作可能である。例えば、ハンドル状態センサ194は、フェースプレート102a、102b内に配置され、信号を送るかあるいはそうでなければ、パワーインジェクタ40にフェースプレート102a、102b上のハンドル106a、106bが開位置にあることを示すように動作可能である。ハンドル状態センサ194は、また、本明細書ではシリンジラッチセンサと言われ得る。フェースプレート102a、102b上のハンドル106a、106bが開位置にある場合を決定する、任意の他の適切な方法および/またはデバイスがパワーインジェクタ40によって利用され得る。
【0064】
方法140の第1の実施形態において、方法140は、ステップ148から矢印148aに沿って進む。そのような実施形態において、次のステップ130は、図3を参照して上に記述されたように、「ホーム」ボタンをパワーインジェクタ40のユーザに提示することであり得る。選択的な次のステップ150は、患者がパワーインジェクタ40から流体的に切断されたことを確認することであり得る。そのような確認は、任意の続くラム74のホームへの動きの間、どのような流体も患者に注入されていないか、あるいは患者から引き出されていないことを確実にするように支援する。そのような確認は、患者およびパワーインジェクタ40を視覚的に検査するユーザによって実行され得る。ユーザ実行チェックの代替として、あるいはユーザ実行チェックへの追加として、パワーインジェクタ40は、もはや流体的に患者に接続されていなことを決定する。そのような決定は、任意の適切なセンサあるいは複数のセンサを使用して、任意の適切な方法においてなされ得る。次のステップ132は、図3を参照して上に記述されたように、パワーインジェクタ40が「ホーム」ボタンの押圧を検出することであり得る。「ホーム」ボタンは、図3を参照して上に記述されたもののような、任意の形状を取り得る。「ホーム」ボタンの押圧が検出された後、パワーインジェクタ40は、ラム74を、決定されたシリンジ86a、86bタイプ(ステップ142)に対する決定されたホーム位置(ステップ144)に動かすステップ134を実行し得る。
【0065】
代替の実施形態において(例えば、上に記述されたステップ130、150および132の実行に代えて)、方法は、ステップ148から矢印148bに沿って進み得る。そのような代替の実施形態において、ラム74の決定されたシリンジ86a、86bタイプに対するホーム位置への動きは、フェースプレート102a、102bが開かれている(ステップ148)ことを検出すると、始まる。
【0066】
方法140を経路148aに沿って実行する(「ホーム」ボタンを提示する)か、あるいは経路148bに沿って実行する(開いたフェースプレートがラム74の動きを始動する)かは、ユーザ選択可能な好みに基づき得る。例えは、パワーインジェクタ40のユーザは、任意の適切な時間に、パワーインジェクタ40の制御ソフトウェアにアクセスし得、開いたフェースプレート102a、102b(ステップ148)を検出するとどのようにパワーインジェクタ40が作用する(148aあるいは148bに従う)かに対する好みを入力する。
【0067】
他の実施形態において、パワーインジェクタ40は、方法を矢印148aに沿って実行することと、方法を矢印148bに沿って実行することとの間で、選択し得る。例えば、パワーインジェクタ40が、ラム74はホーム位置から所定の距離内にあると決定する場合、開いたフェースプレート102a、102b(ステップ148)を検出すると、パワーインジェクタ40は、ラム74をホーム位置に自動的に動かせ得る。この例を続けると、パワーインジェクタ40が、ラム74はホーム位置から所定の距離内にないと決定する場合、パワーインジェクタ40は方法140を矢印148aに沿って実行し、「ホーム」ボタン(ステップ130)をユーザに提示し得る。そのような方法は、ラム74がホーム位置にある状態を、ラム74がホーム位置に近いがその位置にない状態からユーザが区別することは難しいので、有益である。例えば、所定の距離は、プランジャ90a、90bがホーム位置の約10ml以内であり得る(例えば、プランジャ90a、90bがホーム位置にあるとき、シリンジ86a、86b内の体積がシリンジ86a、96bの体積の約10ml以内である場合)。
【0068】
ラム74が、使用されているシリンジ86a、86bに対するホーム位置に動かされた後、次のステップ152は、使用されたシリンジ86a、86bをフェースプレート102a、102bから取り除くことであり得る。これは、新しいシリンジ86a、86bを設置し、そして、フェースプレート102a、102bを閉じる(例えば、ラッチする)ステップ154が続く。次のステップ158は、新しいシリンジ86a、86bを有するパワーインジェクタ40を使用して、次の注入手順を開始することであり得る。
【0069】
上の方法のいずれにおいても、記述されたステップは、単一シリンジパワーインジェクタにおける単一シリンジあるいは複数シリンジパワーインジェクタにおける複数のシリンジに対して実行され得る。方法が複数シリンジパワーインジェクタにおける複数のシリンジに対して実行される場合、ステップのいずれもが逐次的にあるいは適切なところで並列して実行され得る。例えば、図2A〜2Cのデュアルシリンジパワーインジェクタ40の両方のラム74は、「ホーム」ボタンが押圧されると、それらのそれぞれのホーム位置に同時に動かされ得る。そのような同時動作の能力は、患者間の交代時間を減少させ、従って、ユーザおよびパワーインジェクタの効率を向上させる。
【0070】
図5は、パワーインジェクタ40のラムホーミングロジック182のへの入力のブロックダイアグラム180である。ラムホーミングロジック182は、ラム74(図2C)を、フェースプレート102a、102b上に設置されるべき特定のシリンジ86a、86bに対応するホーム位置に動かすように動作可能であり得る。ラムホーミングロジック182は、モータ58(図2C)を駆動することによって、ラム74を動かすように動作可能であり得る。ホーム位置決定ロジック184は、ラムホーミングロジック182によって使用される目標ホーム位置を提供する。
【0071】
ホーム位置決定ロジック184は、フェースプレート102a、102bに接続されるシリンジ86a、86bタイプに対応するホーム位置を決定するように動作可能であり得る。フェースプレート識別ロジック186は、フェースプレートタイプセンサ188からの入力に基づいて、パワーインジェクタ40に取り付けられたフェースプレート102a、102bのタイプを識別するように動作可能であり得る。例えば、パワーヘッド50上に設置され得る異なるタイプのフェースプレート102a、102bの各々が、フェースプレートタイプセンサ188によって感知されるように動作可能である独自の特徴を組み込み得る。従って、パワーヘッド50上に設置され得る独自のタイプのフェースプレート102a、102bの各々に対して、独自の信号がフェースプレートタイプセンサ188によって発生され得る。フェースプレート識別ロジック186は、フェースプレートタイプセンサ188からの入力に基づいて、パワーヘッド50に設置されるフェースプレート102a、102bタイプを決定するように動作可能であり得る。フェースプレートタイプセンサ188は、任意の適切な構成であり得る。例えば、フェースプレートタイプセンサ188は、単一センサあるいはセンサの組を含み得る。例えば、フェースプレートタイプセンサ188は、光学センサ、容量センサ、フェースプレート102a、102b内に配置された1つ以上の磁石を検出する能力のあるセンサ、あるいは任意の他の適切なセンサあるいはセンサの組み合わせであり得る。フェースプレート102a、102bは、様々な異なるタイプのフェースプレート102a、102bが設置されることを可能にする特別な特徴を有し得る。例えば、フェースプレート102a、102bは、1つ以上の磁石、視覚的特徴、あるいは識別を可能にする他の特徴を含み得る。
【0072】
フェースプレート識別ロジック184は、各独自のフェースプレート102a、102bが区別され得るように、様々なフェースプレート102a、102bの間で識別し区別するために使用され得る。代替として、フェースプレート102a、102b識別特徴は、識別特徴がシリンジ86a、86bのホーム位置に相関するように構成され得る。この点において、例えば、2つの異なるフェースプレート102a、102bは独自のシリンジ86a、86bを適合する能力が各々あるが、2つの異なる独自のシリンジ86a、86bタイプが同じホーム位置を必要とする場合、2つのフェースプレート102a、102bは同じフェースプレート102a、102b識別特徴を共有し得る。この点において、パワーインジェクタは、2つのタイプのフェースプレート102a、102bを区別するように動作できないこともあり得るが、2つのフェースプレート102a、102bの各々は同じホーム位置を必要とすることを識別するように動作可能であり得る。
【0073】
フェースプレート102a、102bが特定のシリンジ86a、86bタイプを保持するように構成され得るので、フェースプレート102a、102bを識別することは、フェースプレート上に設置され得るシリンジ86a、86bタイプを識別することと機能的に同等であり得る。この点において、フェースプレート識別ロジック184は、シリンジタイプ識別ロジックと考えられ得る。
【0074】
フェースプレートタイプセンサ188は、フェースプレート102a、102bからデータを直接読み取り得るリーダを含み得る。例えば、フェースプレートタイプセンサ188は、無線周波数識別(RFID)タグリーダを含み得、パワーヘッド50上に設置されるべきフェースプレート102a、102bは、RFIDタグを含み得る。この点において、フェースプレートタイプセンサ188は、フェースプレート102a、102bのアイデンティティを読み取るように動作可能である。他の例において、フェースプレートタイプセンサ188は、バーコードリーダを含み得、フェースプレート102a、102bはバーコードを含み得る。
【0075】
1つの実施形態において、フェースプレートタイプセンサ188は、フェースプレート102a、102bに組み込まれた磁石を検出できるセンサであり得る。例えば、フェースプレートタイプセンサ188は、フェースプレート102a、102b内に配置された対応する磁石を検出するように動作可能な、第1および第2の位置に配置されたセンサを含み得る。そのような例において、フェースプレート102a、102b上の第1の位置に配置された単一の磁石は、第1のシリンジ86a、86bタイプ(例えば、ラム74が後退したホーム位置を必要とするシリンジ86a、86b)に対応し得(また、そのような対応は下に議論される検索表190に格納され得る)、フェースプレート102a、102b上の第2の位置に配置された単一の磁石は、第2のシリンジ86a、86bタイプ(例えば、ラム74が拡張したホーム位置を必要とするシリンジ86a、86b)に対応し得る。同じ線に沿って、1つはフェースプレート102a、102bの第1の位置に配置され、1つはフェースプレート102a、102bの第2の位置に配置される2つの磁石は、第3のシリンジ86a、86bタイプ(例えば、ラム74に対するホーム位置が、後退した位置と拡張された位置との間に必要なシリンジ86a、86b)に対応し得る。従って、フェースプレートタイプセンサ188からの入力を使用して、磁石が第1の位置および第2の位置に配置されているか否かを決定することによって、フェースプレート識別ロジック186は3つの異なるタイプのフェースプレート102a、102bの間を区別するように動作可能である。さらなる磁石位置が使用され、より多くのタイプフェースプレート102a、102bが区別されることを可能にし得る。
【0076】
フェースプレート識別ロジック186がパワーヘッド50に組み込まれたフェースプレート102a、102bのタイプを識別すると、識別はホーム位置決定ロジック184に転送され得る。ホーム位置決定ロジック184は、そして、ホーム位置を、識別されたフェースプレート102a、102b(およびその上に設置されたシリンジ86a、86b)に対応する検索表190において検索し得る。検索表190は、パワーインジェクタ40のメモリユニットに格納され得る。メモリユニットは、例えば、ハードドライブあるいはランダムアクセスメモリユニットのような、任意の適切なタイプであり得る。決定されたホーム位置は、ラムホーミングロジック182に転送され得る。
【0077】
パワーインジェクタ40は、ラム位置決定サブシステム192をさらに含み得る。ラム位置決定サブシステム192は、パワーヘッド50に対するラム74の位置を決定するように動作可能である構成部品を含み得る。注入手順の終わりにおいて、ラム74の位置は注入手順から注入手順において一貫していないこともあり得、また、ホーム位置と同じでないこともあり得るので、そのような能力が望ましい。ラム位置決定サブシステム192は、また、注入手順および他のパワーインジェクタ40動作の間、ラム74の位置を監視するために使用され得る。ラム74の位置を決定するために、ロータリエンコーダが駆動ねじ66に組み込まれ得、ロータリエンコーダの出力は、ラム74の位置を決定するように動作可能であり得るパワーインジェクタ40のプロセッサに向けられ得る。ラム74の位置決定の他の方法がパワーインジェクタ40によって使用され得る。例えば、ラム位置決定サブシステム192は、直線状エンコーダ、ホール効果センサ、および/または光学センサを使用し、ラム74の位置を決定し得る。ラム位置決定サブシステム192は、現在のラム74の位置をラムホーミングロジック182に進め得る。この点において、現在のラム74の位置および所望のホーム位置の両方がラムホーミングロジック182に入力され得る。従って、ラムホーミングロジック182は、現在のラム74の位置と所望のホーム位置との間の差を決定するように動作可能であり得、また、ラムホーミングロジック182は、現在のラム74の位置が所望のホーム位置と一致するときを決定するように動作可能である。
【0078】
パワーインジェクタ40は、また、上に記述したハンドル状態センサ194を含み得る。ハンドル状態センサ194の出力は、ラムホーミングロジック182に供給され得る。従って、フェースプレート102a、102bが開くと、ラム74がホーム位置に動かされることが望ましい実施形態において、ラムホーミングロジック182は、ハンドル状態センサ194からの入力が、フェースプレート102a、102bが開いており、ラム74が現在はホーム位置にない(ラム位置決定サブシステム192によって決定された)ことを示している場合、モータ58にラム74をホーム位置(ホーム位置決定ロジック184によって決定されたように)まで移動させるように動作可能である。
【0079】
パワーインジェクタ40は、また、上で議論したGUI11を含み得る。GUI11は、以下の例のように、ラムホーミングロジック182と相互作用する。それは、ラムホーミングロジック182はハンドル106a、106bが開いている(ハンドル状態センサ194から)ことと、ラム74が現在はホーム位置にない(ラム位置決定サブシステム192およびホーム位置決定ロジック184)こととを決定し得、信号をGUI11に送り「ホーム」ボタンをユーザに提示する。ユーザが「ホーム」ボタンを始動すると、GUI11は、適切な信号をラムホーミングロジック182に送り、ラムホーミングロジック182は、そして、モータ58にラム74をホーム位置に移動させる。
【0080】
別の動作シナリオにおいて、パワーインジェクタ制御システム196が、ラムホーミングロジック182に動作可能に相互接続する。パワーインジェクタ制御システム196は、注入手順が完了したときに、信号をラムホーミングロジック182に送るように動作可能である。そのような信号を受信すると、ラムホーミングロジック182は、ラム74の位置(ラム位置決定サブシステム192によって決定されたように)を所望のホーム位置(ホーム位置決定ロジック184によって決定されたように)と比較して、2つの位置が互いに所定の距離内である場合(例えば、10ml)、ラムホーミングロジック182は、モータ58にラム74をホーム位置に移動させる(これは、フェースプレート102a、102bが開いているか閉じているかに拘わらず行われ得る)。
【0081】
なおも別の動作シナリオにおいて、パワーインジェクタ制御システム196がシリンジ86a、86bのフェースプレート102a、102bからの除去を検出するように動作可能である。パワーインジェクタ制御システム196は、シリンジ86a、86bがフェースプレート102a、102bから除去されると、信号をラムホーミングロジック182に送るように動作可能であり得る。そのような信号を受信すると、ラムホーミングロジック182は、モータ58にラム74をホーム位置に移動させる。
【0082】
本発明の上の記述は、例示および記述の目的に対して提示されてきた。さらに、記述は、本発明を本明細書に開示された形に限定することを意図していない。結果として、上の教示と同一単位で測れる変形と修正、熟練および関連技術の知識は、本発明の範囲内にある。本明細書に上述された実施形態は、さらに本発明の実施形態として知られる最良の形態を説明することを意図しており、当業者が、本発明を、本発明の特定の応用あるいはユーザによって必要とされる、そのようなあるいは他の実施形態および様々な修正と共に利用することを可能にすることを意図している。添付の特許請求の範囲は、従来技術の許容する範囲の代替の実施形態を含むと解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーインジェクタであって、
ラムと、
シリンジタイプ識別ロジックと、
メモリユニットであって、該メモリユニットは、複数のシリンジタイプの各々を複数のホーム位置の1つに相関させる検索表を含む、メモリユニットと、
ラムホーミングロジックであって、所定の状態が生じると、該ラムをシリンジタイプに対応するホーム位置に駆動するように動作可能である、ラムホーミングロジックと
を含む、パワーインジェクタ。
【請求項2】
パワーインジェクタであって、
ラムと、
シリンジラッチと、
シリンジラッチセンサと、
ラムホーミングロジックであって、該シリンジラッチセンサによって該シリンジラッチの開口を感知すると、該ラムをホーム位置に自動的に駆動するように動作可能である、ラムホーミングロジックと
を含む、パワーインジェクタ。
【請求項3】
前記所定の状態は、シリンジの除去を含む、請求項1に記載のパワーインジェクタ。
【請求項4】
前記所定の状態は、シリンジを前記パワーインジェクタからアンラッチすることを含む、請求項1および3のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項5】
前記所定の状態は、注入手順の完了を含む、請求項1および3〜4のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項6】
前記所定の状態は、患者を前記パワーインジェクタから流体的に切断することを含む、請求項1および3〜5のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項7】
シリンジラッチをさらに含む、請求項1に記載のパワーインジェクタ。
【請求項8】
前記シリンジラッチがラッチされたか否かを示すように配置されたセンサをさらに含む、請求項7に記載のパワーインジェクタ。
【請求項9】
シリンジセンサをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項10】
前記シリンジセンサは、光学センサを含む、請求項9に記載のパワーインジェクタ。
【請求項11】
前記シリンジセンサは、RFIDリーダを含む、請求項9〜10のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項12】
ラム位置エンコーダをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項13】
フェースプレートをさらに含み、該フェースプレートはシリンジ取り付け部材を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項14】
前記フェースプレートは、第1のタイプのシリンジに対して構成されており、前記フェースプレートタイプは、前記パワーインジェクタに通信される、請求項13に記載のパワーインジェクタ。
【請求項15】
フェースプレート取り付け部材と、
フェースプレートであって、該フェースプレートはシリンジ取り付け部材を含み、前記パワーインジェクタは、該フェースプレートが該フェースプレート取り付け部材に相互接続されると、該フェースプレートのフェースプレートタイプを決定するように動作可能である、フェースプレートと
をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項16】
フェースプレートセンサをさらに含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項17】
前記フェースプレートセンサは、前記パワーインジェクタ上に設置されたフェースプレートの存在を感知するように動作可能である、請求項16に記載のパワーインジェクタ。
【請求項18】
前記フェースプレートセンサは、前記パワーインジェクタ上に設置されたフェースプレートのフェースプレートタイプを感知するように動作可能である、請求項16〜17のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項19】
前記フェースプレートセンサは、前記フェースプレートの少なくとも1つの磁石を感知することに基づいて、フェースプレートタイプを区別するように動作可能である、請求項16〜18のいずれか1項に記載のパワーインジェクタ。
【請求項20】
パワーインジェクタのインジェクタラムをホーム位置に移動する方法であって、該方法は、
該パワーインジェクタに取り付けられたシリンジタイプを該パワーインジェクタによって識別することと、
該識別するステップにおいて識別された該シリンジタイプに対するホーム位置を獲得することと、
事象を検出することと、
該検出ステップに応答して、該インジェクタラムを該獲得されたホーム位置に自動的に移動することと
を含む、方法。
【請求項21】
前記事象は、前記パワーインジェクタのフェースプレートをアンラッチすることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記事象は、前記パワーインジェクタによる注入手順を完了することを含む、請求項20〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記事象は、ユーザ入力を受信することを含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記事象は、前記パワーインジェクタからのシリンジの除去を、該パワーインジェクタによって感知することを含む、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記獲得するステップは、前記パワーインジェクタが検索表の中を検索し、前記ホーム位置が前記識別されたシリンジタイプに対応することを含む、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記識別するステップは、前記パワーインジェクタのフェースプレート取り付け部材に相互接続されたフェースプレートのフェースプレートタイプを決定することを含み、該フェースプレートタイプは前記シリンジタイプに対応する、請求項20〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記決定することは、前記フェースプレートの少なくとも1つの属性を感知することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記決定することは、前記フェースプレートの少なくとも1つの磁石を感知することを含む、請求項26〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
フェースプレートを開くことをさらに含む、請求項20〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記移動するステップの後で、使用済シリンジを前記パワーインジェクタから除去することと、
該取り除くステップの後で、新しいシリンジを設置することと
をさらに含む、請求項20〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
パワーインジェクタのインジェクタラムをホーム位置に移動する方法であって、該方法は、
該パワーインジェクタにラッチされたシリンジのアンラッチを検出することと、
対応するインジェクタラムをホーム位置に自動的に移動することと
を含む、方法。
【請求項32】
ホームボタンをユーザに提示することと、
該ホームボタンの押圧を検出して、前記移動するステップを始動することと
をさらに含む、請求項20〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記シリンジから患者の体内に流体を注入することをさらに含む、請求項20〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記自動的に移動するステップの前に、前記患者が前記パワーインジェクタから切断されることを確認することをさらに含む、請求項20〜33のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510762(P2011−510762A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545290(P2010−545290)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/053071
【国際公開番号】WO2010/017430
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】