自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法
本発明は、自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法に関する。本発明に係る自動組織マイクロアレイ装置は、駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する試料モジュールと;少なくとも二つの方向に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップを備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチし、上記少なくとも一つのレシピエントブロックにアレイするための抽出モジュールと;上記試料モジュール及び上記抽出モジュールの駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュールでのパンチ及びアレイ動作を制御する制御部と;を備える。本発明によれば、使用に便利で、且つ作業効率が改善され、パンチ動作の正確性及び配列動作の正確性を確認することができる効果がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織をパンチ(採取)して配列する組織マイクロアレイ装置及びその製造方法に関する。詳しくは、自動でドナー(donor)ブロックの組織をパンチ(採取)し、レシピエント(recipient)ブロックに配列する自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野及び生命工学分野の生体組織検査(研究用)は、パラフィンブロックで作られた生体の組織を、組織ミクロトームを用いて薄切(4〜8μm)し、これをガラススライドに付着させた後、検査を行った。しかし、上記パラフィンブロックの組織の大きさは、1cm×2cm×0.4cm以上であるため、一枚のガラススライドに一個の組織だけを付着することができ、色々と不便が多かった。例えば、多数の組織を比較検査する時には、複数枚のスライドと薄切時に使われる消耗品、検査に使われる試薬などが必要とされ、従来のように一個の組織だけを付着可能な場合には、多くの時間と費用が必要とされた。また、比較すべき組織を個別的に検査しなければならないことによって、検査の一貫性が劣り、結果の信頼度の低い問題点があった。このような問題点を克服するための方法として、組織を一度に検査できる組織マイクロアレイ(Tissue Micro-array)技法が導入された。
【0003】
組織マイクロアレイ(Tissue Micro-array)技法とは、普通2.5cm×7.5cmサイズのガラススライド上に、多数の組織を付着させた研究材料及びこれを製造する技術をいう。
ここで、対象となる生体組織は人体組織、実験動物組織、及び培養細胞であり、ガラススライドは細胞内のタンパク質、DNA、RNA分析及び顕微鏡観察用途で利用される。この場合、上記スライドは上記組織を利用する通常的な検査技法(例、Immunohistochemistry, in situ hybridization, special stain, in situ PCR)に広く適用することができる。
このような組織マイクロアレイ技法に関連した従来の方法では、穿孔機を用いてヒトの力で直接組織をパンチし、レシピエントブロックに配列する方法が使用していたが、これは、ヒトの目視と手により遂行される作業であることから、作業効率性や正確性の面で多くの問題点を有している。
【0004】
他の従来技術の一つとしては、特許文献1が挙げられる。上記特許文献1の技術は、ドナー用パンチとレシピエント用パンチを別に備え、レシピエントブロックを製作すると同時に、組織マイクロアレイブロックを製作しうる構成を有している。しかし、上記特許文献1はレシピエント用パンチとドナー用パンチが別に取り付けなければならなく、レシピエントブロックのホール径が変る毎に、パンチを使用者が直接交替しなければならない。これは使用上の不便さと作業効率が劣る問題点として作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,383,801号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、上記した従来の問題点を克服しうる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、自動で組織をパンチし、配列できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、パンチ動作及び配列動作をリアルタイムで確認することができる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、パンチ動作の正確性及び配列動作の正確性を確認することができる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックを製造できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供するところにある。
本発明のさらに別の目的は、同時に様々なサイズの組織マイクロアレイブロックを製造できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、使用し易く、且つ便利な自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る自動組織マイクロアレイ装置は、駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する試料モジュールと;少なくとも二つの方向に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップを備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチし、上記レシピエントブロックにアレイするための抽出モジュールと;上記試料モジュール及び上記抽出モジュールの駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュールでのパンチ及びアレイ動作を制御する制御部と;を備える。
【0008】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、少なくとも二つの方向に駆動可能であって、上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、上記ドナーブロックの位置や高さ測定、及び上記レシピエントブロックのホールの位置測定のためのビジョンモジュールをさらに備えることができる。
【0009】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、上記ビジョンモジュールから提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイしながら、使用者のタッチによりコマンド入力及び位置設定が可能なタッチスクリーン機能を備えるディスプレイ部をさらに備えることができる。
【0010】
上記ドナーブロックは、同一種類又は異なる種類で複数個が備えられており、上記レシピエントブロックは少なくとも一つのホール径を有する複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物であってもよい。
【0011】
上記試料モジュールは、第1方向に駆動可能であり、上記抽出モジュールは上記第1方向とは垂直の第2方向及び上記第1方向及び上記第2方向と垂直の第3方向に駆動可能であってもよい。
【0012】
上記試料モジュールは、上記複数個のドナーブロック及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間が備えられた試料ステージと;上記試料ステージが取り付けられ、上記試料ステージを特定位置に移動させるための試料駆動ステージと;駆動モータを備え、上記駆動ステージを上記第1方向に駆動するための試料駆動ユニットと;を備えることができる。
【0013】
上記抽出モジュールは、上記パンチ動作及びアレイ動作のための少なくとも一つのパンチチップを備える抽出ツールと;少なくとも二つの駆動モータを備え、上記第2方向及び上記第3方向駆動を遂行し、特定位置に上記抽出ツールを移動させる位置駆動ユニットと;を備えることができる。
【0014】
上記抽出ツールは、パンチ径が異なる複数個のパンチチップを、回転可能な一つの環状体に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定させる形態であってもよい。
上記抽出ツールは、上記抽出ツールを回転させ、上記複数個のパンチチップの中から、使用者により選択されたパンチチップが平面に対して垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動させるために、少なくとも一つの回転モータを備える回転駆動ユニットと;上記パンチチップによりパンチされた組織を上記パンチチップ外部へ押し出すために少なくとも一つのプッシュモータを備える押し駆動ユニットと;をさらに備えることができる。
【0015】
上記パンチチップは、上記位置駆動ユニットの第3方向下降により上記ドナーブロックの組織をパンチし、内部に上記押し駆動ユニットにより駆動されるプローブ(probe)を備え、上記パンチされた組織を上記レシピエントブロックの特定ホールにアレイすることができる。
【0016】
上記複数個のパンチチップは、上記試料モジュールに取り付け可能な上記レシピエントブロックのホール径種類に対応する個数で形成され得る。
上記ビジョンモジュールは、パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを測定するための変位センサーと;上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、並びに上記試料モジュールの撮影のためのカメラと;を備えることができる。
上記ビジョンモジュールは、上記抽出モジュールに付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動され得る。
【0017】
上記ビジョンモジュールは、上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさが調節されるビジョンライトと;上記カメラの映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズと;をさらに備えることができる。
【0018】
上記ドナーブロックのパンチ位置選定、レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップが備えられる場合、ある一つのパンチチップの選択は、上記タッチスクリーンを介したコマンド入力により遂行され得る。
【0019】
本発明の別の具体例において、本発明に係る自動組織マイクロアレイブロック製造方法は、試料モジュールに、少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとを取り付ける工程と;上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップを選択する工程と;上記選択されたパンチチップの駆動により上記ドナーブロックから組織をパンチし、パンチされた組織を上記レシピエントブロックのホールに自動でアレイする工程と;を備える。
【0020】
上記レシピエントブロックのそれぞれは、複数個で取り付けられる場合に、互いに同じホール径又は異なるホール径を有していてもよい。
【0021】
上記選択されたパンチチップを通じたパンチ動作前に、パンチング深さの調節のために、上記ドナーブロックの高さを、変位センサーを用いて測定する工程をさらに備えることができる。
【0022】
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップの選択は、タッチスクリーンを介したコマンド入力方式により遂行され得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、自動で組織をパンチし、アレイすることができる長所がある。また、リアルタイムで作業状況の確認が可能であり、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックの製造が可能となる。また、同時に、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックの製造が可能である。さらに、作業効率が改善され、パンチ動作の正確性及び配列動作の正確性を確認することができ、使用し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の構成ブロック図である。
【図2】図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の全体概略図である。
【図3】図2の試料ステージの具体的構成及び動作を説明するための図である。
【図4】図2の試料ステージの具体的構成及び動作を説明するための図である。
【図5】組織のパンチ及びアレイのために完全にセッティングされた試料モジュールの状態を示す図である。
【図6】図2の抽出モジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図7】図2の抽出モジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図8】図2のビジョンモジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図9】図2のビジョンモジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図10】図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の全体動作を説明するための図である。
【図11】図2の外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明するが、これは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に、本発明の徹底した理解を提供するためだけであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
以下で説明される、用語‘パンチ’は、組織(tissue)を採取するという意味であり、パンチチップを用いて組織を採取する動作を表現するために使われた用語にすぎない。従って、組織を採取する道具やユニットがパンチチップでない他の道具やユニットの場合には、適切な用語に変更できる。上記用語パンチによって組織を採取する道具や装置が制限されるか、又は限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の構成ブロック図である。
図1に示されるように、本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置は、試料モジュール20、抽出モジュール10、及び制御部50を備える。付加的には、ビジョンモジュール30、ディスプレイ部60、及びコマンド入力及び設定部40が備えられていてもよい。ここで、上記ディスプレイ部60がタッチスクリーン機能を備える場合に、上記コマンド入力及び設定部40は上記ディスプレイ部60の一構成要素であってもよい。
上記試料モジュール20は、第1方向(例えば、X軸方向)に駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する。
上記抽出モジュール10は、少なくとも二つの方向(例えば、Y軸及びZ軸方向)に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップ(punching tip)を備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチ(採取)し、上記レシピエントブロックにアレイする。
上記制御部50は、上記試料モジュール20及び上記抽出モジュール10の駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュール10でのパンチ及びアレイ動作を制御する。そのために、上記制御部50には、上記抽出モジュール10及び試料モジュールの動作を制御するためのプログラムが内蔵される。また、上記制御部50は、上記ディスプレイ部60のタッチスクリーン機能が可能にするために、タッチスクリーン基盤のコマンド入力に応答し、動作が制御されるようにする構成を有することができる。即ち、上記制御部50はタッチスクリーン基盤のプログラム制御方式に適した構成を有することができる。
【0027】
上記ビジョンモジュール30は、少なくとも二つの方向(例えば、Y軸及びZ軸方向)に駆動可能であり、上記抽出モジュール10のパンチ及びアレイ動作の撮影、上記ドナーブロックの位置や高さ測定、及び上記レシピエントブロックのホールの位置測定のために備えられていてもよい。
上記ディスプレイ部60は、上記ビジョンモジュール30から提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイする。一般的に、よく知られたLCDモニターなどが利用できる。また、タッチスクリーン機能を備える場合、使用者のタッチによりコマンド入力及び位置設定が可能にする構成を有することができる。この場合、上記ディスプレイ部60は上記コマンド入力及び設定部40を代替することができる。
上記コマンド入力及び設定部40は、上記ディスプレイ部60にタッチスクリーン機能がない場合に備えられるのが一般的であるが、直接入力又は正確な入力のために上記タッチスクリーン機能の具現と関係なく、別に備えられていてもよい。上記コマンド入力及び設定部40は、キーパッド、マウス、キーボードなど様々な入力装置を介してコマンド入力及び位置設定などを遂行することができる。
【0028】
以下、上述したような構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の各構成別動作及び構成を図2〜図10を参照して詳細に説明する。図2〜図10は、図1のブロック図とは違って、実際具現された装置の構成を示しているので、同じ構成であっても図面符号を別にした。
図2は図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置500の全体概略図である。
図2に示されるように、上記抽出モジュール100は、少なくとも一つのパンチチップを有する抽出ツール150を備える。また、上記抽出ツール150の駆動のための位置駆動ユニットである支持部材550に付着された第2方向(例えば、Y軸方向)移送ステージ552、及び上記抽出ツール150の第3方向(例えば、Z軸方向)の駆動のための移送ロボット160を含む。上記移送ロボット160及び上記移送ステージ552は、上記抽出ツール150だけでなく、上記抽出モジュール100全体を移動させる構成を有することができる。上記抽出モジュール100は、支持部材550に上記移送ロボット160を介して固定される。上記抽出モジュール100の詳細な構成及び動作は、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
【0029】
上記試料モジュール200は、試料ステージ210、試料駆動ステージ270、及び試料駆動ユニット280を備える。
上記試料ステージ210は、上記少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとが取り付けられるための空間を提供する。上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280の移送路に沿って駆動可能な構造を有し、上記試料ステージ210が取り付けられるようにする構成を有する。
上記試料駆動ユニット280は、上記試料駆動ステージ270を第1方向(例えば、X軸方向)に駆動するための移送ロボットを備える。上記試料駆動ユニット280は上記制御部50により制御される。上記試料モジュール200の詳細な構成及び動作は図3〜図5を参照して詳細に説明する。
【0030】
上記ビジョンモジュール300は、ドナーブロックの高さ測定や上記試料モジュール200及び上記抽出モジュール100の動作をリアルタイムで撮影するか、又は位置設定のための映像を提供する。上記ビジョンモジュール300はカメラ(例えば、CCDカメラ)と変位センサーなどを備えることができる。また、第2方向及び第3方向駆動のための位置駆動ユニットである移送ロボット360を備えることができる。
ここで、上記ビジョンモジュール300は、上記抽出モジュール100と一体的に構成され、駆動を共にすることができる。この場合、上記抽出モジュール100の移送ロボット160及び上記ビジョンモジュール300の移送ロボット360のいずれかは省略することができる。しかし、上記ビジョンモジュール300と上記抽出モジュール100とが分離され、駆動可能な場合には、上記抽出モジュール100の移送ロボット160及び上記ビジョンモジュール300の移送ロボット360はいずれも備えられていなければならない。本実施例では、上記ビジョンモジュールが上記抽出モジュール100と分離され、駆動可能な場合を例えて説明する。上記ビジョンモジュール300の詳細な構成及び動作は図8及び図9を参照して詳細に説明する。
【0031】
図3〜図5は、上記試料モジュール200の構成要素の斜視図である。図3は試料ステージ210の構成及び上記試料ステージ210に、ドナーブロック250とレシピエントブロック220とが取り付けられる動作を説明するための図面であり、図4は上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220が取り付けられた上記試料ステージ210が試料駆動ステージ270に取り付けられる動作過程を説明するための図面である。また、図5は組織のパンチ及び配列のために完全にセッティングされた試料モジュール200の状態を示す図である。
図3に示されるように、上記試料ステージ210は一定個数のドナーブロック250及び少なくとも一つのレシピエントブロック220が取り付けられるための溝214、216が形成されている。上記ドナーブロック250の個数は多ければ多いほど有利であるが、装置のサイズに応じて適当な個数で取り付けられるのがよい。本実施例では、5個のドナーブロック250が備えられる場合を仮定した。
上記試料ステージ210に備えられる溝214、216は、取り付けられるレシピエントブロック220又はドナーブロック250のサイズに対応されるサイズで形成されることが一般的である。これと別に、多様なサイズのレシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けのために多様な溝214、216サイズを有する複数の試料ステージ210の構成が可能となる。
上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の横及び縦のサイズが複数の種類の場合に、多様なサイズの溝を有する試料ステージ210を複数個備えることができる。この時は、レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けのために、上記ドナーブロック又はレシピエントブロックのサイズに合う溝サイズを有する試料ステージ210に交替して使用することが可能である。
【0032】
本発明の一実施例では、上記ドナーブロック250は複数個(例えば、5個)が取り付けられ、上記レシピエントブロック220は1個が取り付けられるものを例えて説明する。上記ドナーブロック250又は上記レシピエントブロック220が取り付けられるカセット230、及び上記カセット230と上記試料ステージ210の溝214、216との結合を媒介するカセット締結ユニット240は、標準規格で製作される。従って、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220の横及び縦サイズは標準規格に従わなければならない。
ここで、上記レシピエントブロック220は、本出願人によって出願された国際出願PCT/KR2006/001298号に開示されたレシピエントブロックを使用することが好ましい。しかし、上記国際出願PCT/KR2006/001298号に開示されたレシピエントブロックと同じサイズを有する別の種類の様々なレシピエントブロックを使用することも可能である。言い換えれば、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220は、上記カセット230に取り付けられるサイズであれば、その種類又は厚さを問うことなく使用可能である。
上記レシピエントブロック220は、一つのレシピエントブロック内に少なくとも二つ以上のサイズ種類のホールを備えることができ、同一の一つのサイズ種類のホールを備えることもできる。
上記ドナーブロック250は、生体組織サンプルであって、ヒトや動物の皮膚組織又は骨断片など様々なサンプルを含むことができる。
上記ドナーブロック250と上記レシピエントブロック220は、その取り付け位置が異なる点を除いては、その取り付け動作が同一である。従って、上記ドナーブロック250が上記試料ステージ210に取り付けられる動作は省略し、上記レシピエントブロック220が、上記試料ステージ210に取り付けられる動作を説明すれば、次のとおりである。
【0033】
まず、上記レシピエントブロック220が、図3の矢印方向201に、上記カセット230に取り付けられる。ここで、上記レシピエントブロック220は複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物だけを指すものとして定義されるが、複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物220が上記カセット230に取り付けられた状態を一つのレシピエントブロックとして定義することもある。以下では、混同を避けるために、上記レシピエントブロック220が複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物だけを指すものとする。
上記レシピエントブロック220が上記カセット220に取り付けられた後に、上記レシピエントブロック220が取り付けられたカセット230は、矢印202方向に、上記カセット締結ユニット240に締結され、上記試料ステージ210の溝216に取り付けられる。ここで、上記カセット230と上記カセット締結ユニット240は分離されることなく、一体的に構成され得る。
上記レシピエントブロック220が上記試料ステージ210に締結されれば、上記試料ステージ210に構成されているスプリング212により上記レシピエントブロック220が抜けないように固定される。上記ドナーブロック250の取り付け過程も、上記レシピエントブロック220の取り付け過程と同じである。上述したような動作により、上記試料ステージ210に、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220が取り付けられる。
【0034】
図4に示されるように、上記レシピエントブロック220及び上記ドナーブロック250が取り付けられた試料ステージ210が、上記試料駆動ユニット280の試料駆動ステージ270に取り付けられる。上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280と一体的に構成され、分離しない構造を有するが、上記試料駆動ステージ270に備えられた移送路に沿って矢印501方向である第1方向に駆動可能である。即ち、上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280に備えられたモータ(未図示)などの移動制御手段を介して上記第1方向501の特定位置に移動可能である。
上記試料駆動ステージ270と上記試料ステージ210とが分離されて構成される理由は、上記試料ステージ210が分離されるようにすれば、上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けが容易になるからである。上記試料駆動ステージ270と上記試料ステージ210とが互いに分離されなければ、上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けが容易にならない。さらに、もう一つの理由は、上記試料ステージ210が複数個で備えられる場合に、複数個の試料ステージ210が上記試料駆動ステージ270と締結及び分離が容易にするためである。
【0035】
図5には上記試料ステージ210が上記試料駆動ステージ270に締結、取り付けられた状態、即ち、完全セッティングされた状態が示されている。図5に示されるように、試料駆動ユニット280の移送路に上記試料駆動ステージ270が位置する。そして、上記試料駆動ステージ270に試料ステージ210が取り付けられている。上記試料ステージ210には組織パンチ対象であるドナーブロック250が複数個取り付けられており、パンチされた組織をアレイするレシピエントブロック220が取り付けられている。
その後、上記試料ステージ210は特定位置へと選択により移動されるか、又は自動移動され、上記抽出モジュール100のために組織のパンチ及びアレイ動作が遂行される。
【0036】
以下で、上記試料駆動ユニット280又は/及び上記試料駆動ステージ270が図示されない状態で、上記試料モジュール200が図示され得る。これは、上記試料モジュール200の重要部分だけを図示し、図面の複雑性を避けるためである。
図6及び図7は、上記抽出モジュール100の詳細な構成及び動作を説明するための図である。図7は上記抽出モジュール100の詳細な構成を示すもので、上記抽出モジュール100の動作を説明するための図である。
図6に示されるように、上記抽出モジュール100は、位置駆動ユニットである支持部材550に付着された第2方向(例えば、Y軸方向)移送ステージ552、及び上記抽出ツール150の第3方向(例えば、Z軸方向)の駆動のための第3方向移送ロボット160を含む。また、上記抽出モジュール100は抽出ツール150、及び上記抽出ツール150のパンチ及びアレイ動作のための抽出駆動ユニットである回転駆動ユニット132と押し駆動ユニット142とを備える。さらに、付随的な動力伝達手段(例えば、ギア、ベルト)138、136及び抽出ツールケース112を備える。
【0037】
上記抽出モジュール100は、支持部材550に位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を介して固定される。上記移送ロボット160と上記移送ステージ552は上記抽出ツール150だけでなく上記抽出モジュール100全体を移動させる構成を有することができる。
上記移送ロボット160は第3方向移動のための移送モータ162及び移送ステージ164を備える。ここで、図示しないが、第2方向移動のための移送モータ(未図示)を含み、第2方向移送ロボット(未図示)がさらに備えられる。別の実施例によれば、上記第3方向移送ロボット160が上記第2方向移送ロボットの役割をさらに遂行することができる。
【0038】
上記抽出ツール150は、複数個のパンチチップ152及び上記パンチチップ152が付着される環状体154を備える。上記回転駆動ユニット132及び押し駆動ユニット142と上記抽出ツール150は回転軸156によって互いに連結される。
上記回転駆動ユニット132は、上記抽出ツール150を回転させ、上記複数個のパンチチップ152中の特定パンチ径のパンチチップ152を選択するために駆動される。このとき、上記選択されたパンチチップ152は平面に対して、垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動される。言い換えれば、上記回転駆動ユニット132は、複数のパンチチップ152のいずれか一つを選択するために備えられる。上記回転駆動ユニット132は少なくとも一つの回転モータを備える。
上記押し駆動ユニット142は、上記選択されたパンチチップ152によりパンチされた組織を上記パンチチップ152外部へ押し出すために備えられる。即ち、パンチされた組織を上記レシピエントブロック220のホールにアレイするために備えられる。そのために、少なくとも一つのプッシュモータを備えることができる。
上記パンチチップ152は、パンチサイズを別にして複数個が備えられていればよい。上記パンチチップ152の個数は、レシピエントブロック220のホール径の種類に対応する個数で設けられる。例えば、上記レシピエントブロック220の可能なホール径の種類が4つの場合、上記パンチチップ152は、これに対応して4個が形成され得る。また、レシピエントブロック220のホール径が5種類であれば、これに対応して、互いに異なるサイズの5個のパンチチップ152が形成され得る。ここでは、上記レシピエントブロック220の可能なホール径が1mm、2mm、3mm、5mmの4種類と仮定する。従って、上記パンチチップ152は1mm、2mm、3mm、5mmのパンチ径を有する4つで形成され得る。
【0039】
従来には、パンチ及びアレイのために、一つのパンチチップを使用することによって、レシピエントブロックのホール径が変わる毎に、パンチチップを交替しければならない不便があった。しかし、本発明によれば、パンチチップの交替に伴う不便を解消することができる。
上記複数個のパンチチップ152は、回転可能な一つの環状体154に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定される形態で形成され得る。上記パンチチップ152が顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定される形態を有するによって、上記環状体154の回転により上記複数個のパンチチップ152のいずれか一つのパンチチップ152が選択される場合に、選択されたパンチチップ152は上記試料モジュール200に対して、完全な垂直方向(第3方向)に位置するようになる。また、選択されないパンチチップは、上記選択されたパンチチップによるパンチ動作に妨害しない(上記ドナーブロックとぶつからない)位置に形成される。上記パンチチップ152の選択は、これは既に説明された通りであり、上記回転駆動ユニット132によって遂行される。
上記パンチチップ152は、円筒状の内部にピストンのような形態のプローブ(probe)(未図示)を備える。上記パンチチップ152は第3方向移動(例えば、Z軸方向下降動作)によりパンチが遂行され、上記押し駆動ユニット142による上記プローブの駆動によりパンチされた組織のアレイが遂行される構造を有する。これを詳しく説明すれば次の通りである。
【0040】
上記プローブは、上記パンチチップ152の外部2mm程度まで移動が可能な構造を有し、パンチ時には上記パンチチップ152の内部へ深く入っていく。即ち、パンチ動作時には、上記プローブが上記パンチチップ152の内部深く入り、パンチされた組織が、上記パンチチップが内部に充填される。以降、パンチ動作が完了すれば、パンチされた組織をレシピエントブロック220のホールに充填するために、レシピエントブロック220の特定ホールの上部2mm位置以内に移動する。次に、上記プローブは上記パンチチップ152内部のパンチされた組織を押し出す動作を遂行する。もちろん、上記プローブの動作は上記押し駆動ユニット142によって遂行される。
【0041】
以下、図6に基づき、図7を参照して上記抽出モジュール100の動作を説明する。
図7に示されるように、上記抽出モジュール100は、第2方向502及び第3方向503に移動が可能な構造を有する。参考として、上記試料モジュール200の試料ステージ210は第1方向501に移動可能な構造と既に説明した。従って、上記試料ステージ210の第1方向501移動、及び上記抽出モジュール100の第2方向502及び第3方向503移動によって所望の位置でのパンチ及びアレイ動作が可能となる。
上記抽出モジュール100は次の通り動作する。まず、パンチ位置移動動作として、上記ドナーブロック250からパンチを遂行するために、下記上記試料ステージ210上のドナーブロック250からパンチするのに適当な位置に上記抽出モジュール100が移動される。これは上記移送ロボット160と上記移送ステージ552による第2方向502及び第3方向503移動により可能となる。
次に、複数のパンチチップ152の中からアレイされるレシピエントブロック220のホール径に対応されるパンチチップ152に対する選択動作が行われる。これは、上記回転駆動ユニット132の回転動作により可能となる。ここで、上記パンチチップの選択動作と上記パンチ位置移動動作は同時に遂行されることもでき、順序を変えてパンチチップの選択動作がまず遂行され、その後、上記パンチ位置移動動作を遂行してもよい。
次に、上記選択されたパンチチップ152によるパンチ動作が遂行される。上記パンチ動作は、上記パンチチップ152を上記第3方向503の位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を利用して第3方向に下降させるにことによって遂行される。上記下降動作は、上記パンチチップ152が下部に位置した上記ドナーブロック250を貫通するまで遂行され得る。第3方向503に上記パンチチップ152が下降し、上記ドナーブロック250を貫通した後、再び上昇すれば、上記パンチチップ152の内部には上記ドナーブロック250で採取された組織が打ち込まれた状態となる。
【0042】
パンチされた組織をアレイするために、レシピエントブロック220のホールの位置まで上記パンチチップ152が移動しなければならない。上記レシピエントブロック220の位置が第2方向502に移動可能な場合には、上記第2方向位置駆動ユニット552によって上記レシピエントブロック220の位置のアレイ位置まで移動される。しかし、上記レシピエントブロック220の位置が、上記ドナーブロック250のパンチ位置から第1方向501に移動しなければならない場合には、上記試料ステージ210の移動によって上記アレイ位置移動が可能となる。本発明では、上記試料ステージ210が移動する第1方向に移動することによってアレイ位置に移動する方法を選択している。第3方向503移動が必要な場合には、第3方向位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を介して上記パンチチップ152を移動させることによって、上記アレイ位置への移動が可能となる。上記アレイ位置は、上記パンチチップ152の端部が上記レシピエントブロック220のホールの2mm真上であってもよい。
次に、上記アレイ位置で、上記押し駆動ユニット142によって駆動される上記パンチチップ152のプローブを介して、パンチされた組織を上記レシピエントブロック220のホールにアレイする。
ここで、上記レシピエントブロック220内のホールが互いに異なるホール径を有する場合には、選択されたホール径に対応されるパンチチップが順次に選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され得る。例えば、上記レシピエントブロック220が1mmホール径のホール及び3mmホール径のホールを備える場合に、1mmホール径のホールが選択される場合には1mmパンチ径のパンチチップが選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され、3mmホール径のホールが選択される場合には、3mmパンチ径のパンチチップが選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され得る。
【0043】
図8及び図9は、上記ビジョンモジュール300の詳細な構成及び動作を説明するための図である。図8は、上記ビジョンモジュール300の詳細な構成を示す図であり、図9は上記ビジョンモジュール300の動作を説明するための図である。
図8に示されるように、上記ビジョンモジュール300は、カメラ350及び変位センサー370を備える。さらに、上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさを調節するビジョンライト310と、上記カメラ350の映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズ320とが備えられる。また、上記ビジョンモジュール300の駆動のための位置駆動ユニットである移送ロボット360を備えることができる。
上記カメラ350は、上記抽出モジュール100のパンチ及びアレイ動作の撮影及び上記試料モジュール200の撮影のためのものである。さらに、上記ドナーブロック250のパンチ位置選定、レシピエントブロック220のホールの選択、及び複数個のパンチチップ152が備えられる場合、いずれか一つのパンチチップの選択などのために上記カメラ350の映像が利用され得る。即ち、上記カメラ350は、上記パンチチップ152によるパンチ動作又はアレイ動作を撮影するための用途でも使用されるが、タッチスクリーン機能の具現のためにも使用される。
【0044】
例えば、複数個のドナーブロック250のいずれか一つのドナーブロックを選択しようとする場合に、上記カメラ350の撮影映像が表示されるディスプレイ画面上に現れた複数のドナーブロック250のいずれか一つをタッチすることによって、所望のドナーブロック250が選択される。これは、レシピエントブロック220のホールの選択又は複数個のパンチチップ152中の所望のパンチ径を有するパンチチップ152を選択する場合にも同一に適用され得る。また、上記カメラ350を介して撮影された映像は別途のメモリーに保存され得る。
上記変位センサー370は、パンチング深さの調節のために、上記ドナーブロック250の高さを測定するためのものである。上記変位センサー370は、上記ドナーブロック250の高さに対応し、長さが変わる測定プローブ(未図示)を備えることができる。この場合には、上記測定プローブ長の変化程度を測定するによって、上記ドナーブロック250の高さ測定が可能となる。この他にも、上記変位センサー370を介した上記ドナーブロック250の高さ測定は、レーザーを用いた距離測定方式などを含み、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に公知の測定方式などが用いられる。ここで、上記変位センサー370を介した測定方式が変更されるにつれて、上記変位センサー370の種類が変更されることは当然のことである。
上記ドナーブロック250は既に説明した通り、皮膚組織から骨断片まで多様に存在しうる。従って、第1方向及び第2方向サイズは同じであっても、第3方向サイズ、即ち、厚さは互いに異なっている。従って、上記ドナーブロック250の厚さを予め測定すれば、上記パンチチップ152のパンチ時、パンチング深さを調節することが可能となる。即ち、上記ドナーブロック250の厚さは、上記パンチチップ152がどの位置まで第3方向に下降しなければならないのかの下降位置を決定する要素として機能する。
【0045】
上記変位センサー370は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有するものに公知の様々な種類の変位センサー370が用いることができる。
上記ビジョンモジュール300は、上記抽出モジュール100の説明時、既に説明された通り、上記抽出モジュール100に付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動され得る。上記ビジョンモジュール300が分離されて駆動される場合には、第3方向駆動のための移送ロボット(図10の360)をさらに備えればよい。
上記移送ロボット360は、第3方向移動のための移送モータ362及び移送ステージ364、及び支持部材366を備える。ここで、図示しない第2方向移動は上記第2方向移送ステージ552を共有し、上記抽出モジュール100の場合と同じ方式によって遂行され得る。
【0046】
以下、図8に基づき、図9を参照して上記ビジョンモジュール300の動作を説明する。
上記ビジョンモジュール300は、第2方向502及び第3方向503に移動が可能な構造を有する。参考として、上記試料モジュール200の試料ステージ210が第1方向501に移動可能な構造と既に説明した。従って、上記試料ステージ210の第1方向501移動、及び上記抽出モジュール100の第2方向502及び第3方向503移動によって所望の位置での撮影及びセンシングが可能となる。
まず、上記抽出モジュール100を介したパンチ動作前に、上記変位センサー370を利用して上記ドナーブロック250の高さ測定が遂行される。そのために、上記試料ステージ210は第1方向501に移動され、上記変位センサー370は第2方向502及び第3方向503に移動する。
上記カメラ350は、第2方向502及び第3方向502移動を介して所望の位置に移動し、リアルタイムで撮影を遂行する。例えば、パンチ動作が遂行される場合には、上記ドナーブロック250及びパンチチップ152の動作を撮影し、アレイ動作が遂行される場合には、上記レシピエントブロック220及び上記パンチチップ152の動作を撮影する。これに伴い、作業者が撮影された映像のディスプレイを介して、パンチ動作又はアレイ動作が正しく行われているかが分かる。
【0047】
図10は、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の全体概略図である。図10は図2と違って、試料モジュール200にドナーブロック250及びレシピエントブロック220が完全にセッティングされた状態を示す、以下、図1〜図9に基づき、図10を介して上記自動組織マイクロアレイ装置の全体動作を説明する。
図10に示されるように、まず、試料モジュール200の試料ステージ210に、ドナーブロック250とレシピエントブロック220とを取り付ける。また、上記試料ステージ210を上記試料駆動ステージ270に固定させる。これは作業者によって手作業で遂行される。
以降、ディスプレイ画面上で、レシピエントブロック220の種類、即ち、取り付けられたレシピエントブロック220の種類を選択する。これはレシピエントブロック220のホール径を選択することを意味する。その後、上記レシピエントブロック220のホール径に対応されるパンチチップ152を選択する。上記パンチチップ152の選択は、上記レシピエントブロック220の種類選択、即ち、ホール径選択により自動で選択され得る。
次に、上記ディスプレイ画面上のタッチスクリーン機能を利用して、上記ドナーブロック250のパンチ位置を選択する。次いで、上記レシピエントブロック220のホールの位置を、上記タッチスクリーン機能を利用して選択する。
ここで、上記レシピエントブロック220のホールの選択、ドナーブロック250のパンチ位置選定、及びパンチチップ152の選択は、上記タッチスクリーン機能の他に、マウス、キーパッド、キーボードなどのコマンド入力手段を利用して遂行することができる。この場合、上記ドナーブロック250の位置又は上記レシピエントブロック220のホール径を直ちに選択できるボタンを備え、迅速な選択が可能にすることができる。例えば、キーボードの数字キーの1を選択すれば、上記レシピエントブロック220のホール径とパンチチップ152のパンチ径(1mm)を選択するようにするコマンドが入力されるようにする構成を持たせると、数字キーの1を介して上記ホール径及びパンチチップ152の迅速な選択が可能になる。ここで、上記ドナーブロック250のそれぞれの位置及びレシピエントブロック220のホールの位置選定データは別途のメモリーに保存され得る。
【0048】
次に、上記変位センサー370を利用して上記ドナーブロック250の高さを測定する。測定された上記ドナーブロック250の高さは自動保存される。
その後は、オート(auto)モードで動作する。即ち、上記制御部50に保存されたプログラムにより自動で上記ドナーブロック250のパンチ及び上記レシピエントブロック220に組織をアレイする動作を遂行する。上記制御部50は、上記レシピエントブロック220のホールを順序に従って自動で変えながらアレイするよう制御する。
上記オートモード動作とは別に、マニュアル動作モードで動作することもできる。上記マニュアル動作モードは、作業者がパンチチップ152の位置を直接確認し、上記パンチチップ152の移動を直接制御しながらパンチ動作とアレイ動作を遂行することをいう。上記マニュアル動作モードは、アレイされるレシピエントブロック220のホールの位置を別に指定し、アレイ動作が遂行されるようにすることを含む。
【0049】
本発明によれば、上記試料モジュール200が第1方向駆動が可能で、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が第2方向及び第3方向駆動を可能な構造であって、特定位置でのパンチ動作、アレイ動作、及び撮影又は測定動作が可能な構造を有する。しかし、これと違って、上記試料モジュール200は固定され、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が第1方向、第2方向、及び第3方向駆動が可能にする構造も可能である。また、上記試料モジュール200が第2方向及び第3方向に駆動され、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が、第1方向駆動が可能な構造も可能である。また、上記試料モジュール200は、第1方向駆動が可能で、上記抽出モジュール300は第2方向及び第3方向駆動が可能で、上記ビジョンモジュール300は第1方向〜第3方向駆動が可能な構造も可能である。これらの構造は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって容易に具現できる。
【0050】
本発明の図面上には図示されているが、説明しない構成は、説明がなくても本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって、その構成が公知であるか、又は容易に分かる内容であり、本発明の範囲に含まれることは当然のことである。
【0051】
以上で、説明された実施例では、複数個のドナーブロック250及び一つのレシピエントブロック220が取り付けられた場合について説明した。
しかし、本発明の別の実施例によれば、上記試料モジュール200に、複数個のレシピエントブロック220が取り付けられる場合もある。もちろん、ホール径が同じ複数個のレシピエントブロック220が取り付けられていてもよく、ホール径が互いに異なるレシピエントブロック220が取り付けられていてもよい。即ち、上記複数のレシピエントブロック220の取り付け方法は必要に応じて様々である。
ここでは、二つのレシピエントブロック220が互いに異なるホール径を有する場合、例えば、1mmホール径のレシピエントブロックと5mmホール径のレシピエントブロックの2つが、上記試料モジュール200に取り付けられる場合の動作について説明する。図面上には示していないが、理解の便宜のために、1mmホール径のレシピエントブロックを‘第1レシピエントブロック’、5mmホール径のレシピエントブロックを‘第2レシピエントブロック’と称し、1mmパンチ径のパンチチップを‘第1パンチチップ’、5mmパンチ径のパンチチップを‘第2パンチチップ’と定義し、説明する。
上記第1レシピエントブロック及び上記第2レシピエントブロックが取り付けられる場合に、上記抽出モジュール100でパンチチップ152が二つ選択される。上記第1及び第2レシピエントブロックのホール径に対応するように、1mmパンチ径を有する第1パンチチップと5mmパンチ径を有する第2パンチチップが選択される。
その後、パンチ動作及びアレイ動作が遂行される。上記パンチ動作及びアレイ動作は既に説明されたように、一つのレシピエントブロック220が取り付けられた場合と同様に進行される。例えば、上記第1パンチチップを利用して上記ドナーブロック250から組織をパンチし、上記第1レシピエントブロックのホールにアレイする第1動作と、上記第2パンチチップを利用して上記ドナーブロックから組織をパンチし、上記第2レシピエントブロックのホールにアレイする第2動作を遂行する。
上記第1動作と上記第2動作は同時に遂行することもでき、交互に遂行することもできる。また、第1動作又は第2動作を、まず遂行し、以降、残りの動作を遂行することができる。ここで、上記パンチ動作時に、第1パンチチップのパンチ対象となるドナーブロックと上記第2パンチチップのパンチ対象となるドナーブロックは同じであっても、異なっていてもよい。
この場合には、多くのレシピエントブロックの取り付けが可能になるので、短時間に多様なホール径の複数個の自動組織マイクロアレイブロック製作が可能な効果がある。
【0052】
図11は、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置500の外形を示す図である。
図11に示されるように、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置500の外形は矩形構造の胴体590と、上記胴体590の上部面と側面に維持補修のためのメンテナンスパネル598、597が配置される。また、上記試料モジュール200にドナーブロック250とレシピエントブロック220との取り付けのためのドア592が配置される。また、上記胴体590の側面には、キーボード、マウス、外部通信機器、外装ハードなどの連結のための連結ポット596が備えられる。さらに、正面の上記ドア592に隣接し、ディスプレイ画面594が備えられる。上記ディスプレイ画面594は図1のディスプレイ部60の一部を構成するもので、タッチによるコマンドの入力が可能なタッチスクリーン機能が設けられる。また、ビジョンモジュール300のカメラ350の映像がディスプレイされる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上述するように、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置は、従来とは違って、レシピエントブロックにホールを作る過程が不要である。即ち、レシピエントブロックは既に製造されているものを使用するので、ホールを作るのに必要とする時間と労力を低減することができる長所がある。また、レシピエントブロック製造用パンチチップが不要である。従来の場合には、レシピエントブロックのホール径が変わる毎に、パンチチップを交替しなければならなかったが、本発明の場合には、サイズ別に複数個のパンチチップが内蔵されているので、使用が非常に便利になった。また、複数個のパンチチップ内蔵方式は、それぞれ他のホール径を有する複数個のレシピエントブロックを同時に取り付けることができ、短時間に様々なホール径の複数個の自動組織マイクロアレイブロック製作が可能な効果がある。
さらに、従来の装備の場合には、外部制御方式、即ち、外部PCなどを連結して使用する方法を取っており、使用に不便があったが、本発明は制御部が内蔵され、タッチスクリーン機能が、制御方式を有しているので、使用に便利で、且つ容易に制御が可能な長所がある。
以上で本発明の記載された具体例だけを詳細に説明した。しかし、本発明の技術思想範囲内で様々な変形及び修飾が可能であることは当業者にとって自明なことであり、このような変形及び修飾が添付された特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0054】
10・・・試料モジュール
20・・・抽出モジュール
50・・・制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織をパンチ(採取)して配列する組織マイクロアレイ装置及びその製造方法に関する。詳しくは、自動でドナー(donor)ブロックの組織をパンチ(採取)し、レシピエント(recipient)ブロックに配列する自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野及び生命工学分野の生体組織検査(研究用)は、パラフィンブロックで作られた生体の組織を、組織ミクロトームを用いて薄切(4〜8μm)し、これをガラススライドに付着させた後、検査を行った。しかし、上記パラフィンブロックの組織の大きさは、1cm×2cm×0.4cm以上であるため、一枚のガラススライドに一個の組織だけを付着することができ、色々と不便が多かった。例えば、多数の組織を比較検査する時には、複数枚のスライドと薄切時に使われる消耗品、検査に使われる試薬などが必要とされ、従来のように一個の組織だけを付着可能な場合には、多くの時間と費用が必要とされた。また、比較すべき組織を個別的に検査しなければならないことによって、検査の一貫性が劣り、結果の信頼度の低い問題点があった。このような問題点を克服するための方法として、組織を一度に検査できる組織マイクロアレイ(Tissue Micro-array)技法が導入された。
【0003】
組織マイクロアレイ(Tissue Micro-array)技法とは、普通2.5cm×7.5cmサイズのガラススライド上に、多数の組織を付着させた研究材料及びこれを製造する技術をいう。
ここで、対象となる生体組織は人体組織、実験動物組織、及び培養細胞であり、ガラススライドは細胞内のタンパク質、DNA、RNA分析及び顕微鏡観察用途で利用される。この場合、上記スライドは上記組織を利用する通常的な検査技法(例、Immunohistochemistry, in situ hybridization, special stain, in situ PCR)に広く適用することができる。
このような組織マイクロアレイ技法に関連した従来の方法では、穿孔機を用いてヒトの力で直接組織をパンチし、レシピエントブロックに配列する方法が使用していたが、これは、ヒトの目視と手により遂行される作業であることから、作業効率性や正確性の面で多くの問題点を有している。
【0004】
他の従来技術の一つとしては、特許文献1が挙げられる。上記特許文献1の技術は、ドナー用パンチとレシピエント用パンチを別に備え、レシピエントブロックを製作すると同時に、組織マイクロアレイブロックを製作しうる構成を有している。しかし、上記特許文献1はレシピエント用パンチとドナー用パンチが別に取り付けなければならなく、レシピエントブロックのホール径が変る毎に、パンチを使用者が直接交替しなければならない。これは使用上の不便さと作業効率が劣る問題点として作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,383,801号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、上記した従来の問題点を克服しうる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、自動で組織をパンチし、配列できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、パンチ動作及び配列動作をリアルタイムで確認することができる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、パンチ動作の正確性及び配列動作の正確性を確認することができる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックを製造できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供するところにある。
本発明のさらに別の目的は、同時に様々なサイズの組織マイクロアレイブロックを製造できる自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、使用し易く、且つ便利な自動組織マイクロアレイ装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る自動組織マイクロアレイ装置は、駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する試料モジュールと;少なくとも二つの方向に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップを備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチし、上記レシピエントブロックにアレイするための抽出モジュールと;上記試料モジュール及び上記抽出モジュールの駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュールでのパンチ及びアレイ動作を制御する制御部と;を備える。
【0008】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、少なくとも二つの方向に駆動可能であって、上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、上記ドナーブロックの位置や高さ測定、及び上記レシピエントブロックのホールの位置測定のためのビジョンモジュールをさらに備えることができる。
【0009】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、上記ビジョンモジュールから提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイしながら、使用者のタッチによりコマンド入力及び位置設定が可能なタッチスクリーン機能を備えるディスプレイ部をさらに備えることができる。
【0010】
上記ドナーブロックは、同一種類又は異なる種類で複数個が備えられており、上記レシピエントブロックは少なくとも一つのホール径を有する複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物であってもよい。
【0011】
上記試料モジュールは、第1方向に駆動可能であり、上記抽出モジュールは上記第1方向とは垂直の第2方向及び上記第1方向及び上記第2方向と垂直の第3方向に駆動可能であってもよい。
【0012】
上記試料モジュールは、上記複数個のドナーブロック及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間が備えられた試料ステージと;上記試料ステージが取り付けられ、上記試料ステージを特定位置に移動させるための試料駆動ステージと;駆動モータを備え、上記駆動ステージを上記第1方向に駆動するための試料駆動ユニットと;を備えることができる。
【0013】
上記抽出モジュールは、上記パンチ動作及びアレイ動作のための少なくとも一つのパンチチップを備える抽出ツールと;少なくとも二つの駆動モータを備え、上記第2方向及び上記第3方向駆動を遂行し、特定位置に上記抽出ツールを移動させる位置駆動ユニットと;を備えることができる。
【0014】
上記抽出ツールは、パンチ径が異なる複数個のパンチチップを、回転可能な一つの環状体に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定させる形態であってもよい。
上記抽出ツールは、上記抽出ツールを回転させ、上記複数個のパンチチップの中から、使用者により選択されたパンチチップが平面に対して垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動させるために、少なくとも一つの回転モータを備える回転駆動ユニットと;上記パンチチップによりパンチされた組織を上記パンチチップ外部へ押し出すために少なくとも一つのプッシュモータを備える押し駆動ユニットと;をさらに備えることができる。
【0015】
上記パンチチップは、上記位置駆動ユニットの第3方向下降により上記ドナーブロックの組織をパンチし、内部に上記押し駆動ユニットにより駆動されるプローブ(probe)を備え、上記パンチされた組織を上記レシピエントブロックの特定ホールにアレイすることができる。
【0016】
上記複数個のパンチチップは、上記試料モジュールに取り付け可能な上記レシピエントブロックのホール径種類に対応する個数で形成され得る。
上記ビジョンモジュールは、パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを測定するための変位センサーと;上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、並びに上記試料モジュールの撮影のためのカメラと;を備えることができる。
上記ビジョンモジュールは、上記抽出モジュールに付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動され得る。
【0017】
上記ビジョンモジュールは、上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさが調節されるビジョンライトと;上記カメラの映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズと;をさらに備えることができる。
【0018】
上記ドナーブロックのパンチ位置選定、レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップが備えられる場合、ある一つのパンチチップの選択は、上記タッチスクリーンを介したコマンド入力により遂行され得る。
【0019】
本発明の別の具体例において、本発明に係る自動組織マイクロアレイブロック製造方法は、試料モジュールに、少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとを取り付ける工程と;上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップを選択する工程と;上記選択されたパンチチップの駆動により上記ドナーブロックから組織をパンチし、パンチされた組織を上記レシピエントブロックのホールに自動でアレイする工程と;を備える。
【0020】
上記レシピエントブロックのそれぞれは、複数個で取り付けられる場合に、互いに同じホール径又は異なるホール径を有していてもよい。
【0021】
上記選択されたパンチチップを通じたパンチ動作前に、パンチング深さの調節のために、上記ドナーブロックの高さを、変位センサーを用いて測定する工程をさらに備えることができる。
【0022】
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップの選択は、タッチスクリーンを介したコマンド入力方式により遂行され得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、自動で組織をパンチし、アレイすることができる長所がある。また、リアルタイムで作業状況の確認が可能であり、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックの製造が可能となる。また、同時に、様々なサイズの組織マイクロアレイブロックの製造が可能である。さらに、作業効率が改善され、パンチ動作の正確性及び配列動作の正確性を確認することができ、使用し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の構成ブロック図である。
【図2】図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の全体概略図である。
【図3】図2の試料ステージの具体的構成及び動作を説明するための図である。
【図4】図2の試料ステージの具体的構成及び動作を説明するための図である。
【図5】組織のパンチ及びアレイのために完全にセッティングされた試料モジュールの状態を示す図である。
【図6】図2の抽出モジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図7】図2の抽出モジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図8】図2のビジョンモジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図9】図2のビジョンモジュールの詳細な構成及び動作を説明するための図である。
【図10】図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の全体動作を説明するための図である。
【図11】図2の外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明するが、これは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に、本発明の徹底した理解を提供するためだけであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
以下で説明される、用語‘パンチ’は、組織(tissue)を採取するという意味であり、パンチチップを用いて組織を採取する動作を表現するために使われた用語にすぎない。従って、組織を採取する道具やユニットがパンチチップでない他の道具やユニットの場合には、適切な用語に変更できる。上記用語パンチによって組織を採取する道具や装置が制限されるか、又は限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の構成ブロック図である。
図1に示されるように、本発明の一実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置は、試料モジュール20、抽出モジュール10、及び制御部50を備える。付加的には、ビジョンモジュール30、ディスプレイ部60、及びコマンド入力及び設定部40が備えられていてもよい。ここで、上記ディスプレイ部60がタッチスクリーン機能を備える場合に、上記コマンド入力及び設定部40は上記ディスプレイ部60の一構成要素であってもよい。
上記試料モジュール20は、第1方向(例えば、X軸方向)に駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する。
上記抽出モジュール10は、少なくとも二つの方向(例えば、Y軸及びZ軸方向)に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップ(punching tip)を備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチ(採取)し、上記レシピエントブロックにアレイする。
上記制御部50は、上記試料モジュール20及び上記抽出モジュール10の駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュール10でのパンチ及びアレイ動作を制御する。そのために、上記制御部50には、上記抽出モジュール10及び試料モジュールの動作を制御するためのプログラムが内蔵される。また、上記制御部50は、上記ディスプレイ部60のタッチスクリーン機能が可能にするために、タッチスクリーン基盤のコマンド入力に応答し、動作が制御されるようにする構成を有することができる。即ち、上記制御部50はタッチスクリーン基盤のプログラム制御方式に適した構成を有することができる。
【0027】
上記ビジョンモジュール30は、少なくとも二つの方向(例えば、Y軸及びZ軸方向)に駆動可能であり、上記抽出モジュール10のパンチ及びアレイ動作の撮影、上記ドナーブロックの位置や高さ測定、及び上記レシピエントブロックのホールの位置測定のために備えられていてもよい。
上記ディスプレイ部60は、上記ビジョンモジュール30から提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイする。一般的に、よく知られたLCDモニターなどが利用できる。また、タッチスクリーン機能を備える場合、使用者のタッチによりコマンド入力及び位置設定が可能にする構成を有することができる。この場合、上記ディスプレイ部60は上記コマンド入力及び設定部40を代替することができる。
上記コマンド入力及び設定部40は、上記ディスプレイ部60にタッチスクリーン機能がない場合に備えられるのが一般的であるが、直接入力又は正確な入力のために上記タッチスクリーン機能の具現と関係なく、別に備えられていてもよい。上記コマンド入力及び設定部40は、キーパッド、マウス、キーボードなど様々な入力装置を介してコマンド入力及び位置設定などを遂行することができる。
【0028】
以下、上述したような構成を有する自動組織マイクロアレイ装置の各構成別動作及び構成を図2〜図10を参照して詳細に説明する。図2〜図10は、図1のブロック図とは違って、実際具現された装置の構成を示しているので、同じ構成であっても図面符号を別にした。
図2は図1の構成を有する自動組織マイクロアレイ装置500の全体概略図である。
図2に示されるように、上記抽出モジュール100は、少なくとも一つのパンチチップを有する抽出ツール150を備える。また、上記抽出ツール150の駆動のための位置駆動ユニットである支持部材550に付着された第2方向(例えば、Y軸方向)移送ステージ552、及び上記抽出ツール150の第3方向(例えば、Z軸方向)の駆動のための移送ロボット160を含む。上記移送ロボット160及び上記移送ステージ552は、上記抽出ツール150だけでなく、上記抽出モジュール100全体を移動させる構成を有することができる。上記抽出モジュール100は、支持部材550に上記移送ロボット160を介して固定される。上記抽出モジュール100の詳細な構成及び動作は、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
【0029】
上記試料モジュール200は、試料ステージ210、試料駆動ステージ270、及び試料駆動ユニット280を備える。
上記試料ステージ210は、上記少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとが取り付けられるための空間を提供する。上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280の移送路に沿って駆動可能な構造を有し、上記試料ステージ210が取り付けられるようにする構成を有する。
上記試料駆動ユニット280は、上記試料駆動ステージ270を第1方向(例えば、X軸方向)に駆動するための移送ロボットを備える。上記試料駆動ユニット280は上記制御部50により制御される。上記試料モジュール200の詳細な構成及び動作は図3〜図5を参照して詳細に説明する。
【0030】
上記ビジョンモジュール300は、ドナーブロックの高さ測定や上記試料モジュール200及び上記抽出モジュール100の動作をリアルタイムで撮影するか、又は位置設定のための映像を提供する。上記ビジョンモジュール300はカメラ(例えば、CCDカメラ)と変位センサーなどを備えることができる。また、第2方向及び第3方向駆動のための位置駆動ユニットである移送ロボット360を備えることができる。
ここで、上記ビジョンモジュール300は、上記抽出モジュール100と一体的に構成され、駆動を共にすることができる。この場合、上記抽出モジュール100の移送ロボット160及び上記ビジョンモジュール300の移送ロボット360のいずれかは省略することができる。しかし、上記ビジョンモジュール300と上記抽出モジュール100とが分離され、駆動可能な場合には、上記抽出モジュール100の移送ロボット160及び上記ビジョンモジュール300の移送ロボット360はいずれも備えられていなければならない。本実施例では、上記ビジョンモジュールが上記抽出モジュール100と分離され、駆動可能な場合を例えて説明する。上記ビジョンモジュール300の詳細な構成及び動作は図8及び図9を参照して詳細に説明する。
【0031】
図3〜図5は、上記試料モジュール200の構成要素の斜視図である。図3は試料ステージ210の構成及び上記試料ステージ210に、ドナーブロック250とレシピエントブロック220とが取り付けられる動作を説明するための図面であり、図4は上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220が取り付けられた上記試料ステージ210が試料駆動ステージ270に取り付けられる動作過程を説明するための図面である。また、図5は組織のパンチ及び配列のために完全にセッティングされた試料モジュール200の状態を示す図である。
図3に示されるように、上記試料ステージ210は一定個数のドナーブロック250及び少なくとも一つのレシピエントブロック220が取り付けられるための溝214、216が形成されている。上記ドナーブロック250の個数は多ければ多いほど有利であるが、装置のサイズに応じて適当な個数で取り付けられるのがよい。本実施例では、5個のドナーブロック250が備えられる場合を仮定した。
上記試料ステージ210に備えられる溝214、216は、取り付けられるレシピエントブロック220又はドナーブロック250のサイズに対応されるサイズで形成されることが一般的である。これと別に、多様なサイズのレシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けのために多様な溝214、216サイズを有する複数の試料ステージ210の構成が可能となる。
上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の横及び縦のサイズが複数の種類の場合に、多様なサイズの溝を有する試料ステージ210を複数個備えることができる。この時は、レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けのために、上記ドナーブロック又はレシピエントブロックのサイズに合う溝サイズを有する試料ステージ210に交替して使用することが可能である。
【0032】
本発明の一実施例では、上記ドナーブロック250は複数個(例えば、5個)が取り付けられ、上記レシピエントブロック220は1個が取り付けられるものを例えて説明する。上記ドナーブロック250又は上記レシピエントブロック220が取り付けられるカセット230、及び上記カセット230と上記試料ステージ210の溝214、216との結合を媒介するカセット締結ユニット240は、標準規格で製作される。従って、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220の横及び縦サイズは標準規格に従わなければならない。
ここで、上記レシピエントブロック220は、本出願人によって出願された国際出願PCT/KR2006/001298号に開示されたレシピエントブロックを使用することが好ましい。しかし、上記国際出願PCT/KR2006/001298号に開示されたレシピエントブロックと同じサイズを有する別の種類の様々なレシピエントブロックを使用することも可能である。言い換えれば、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220は、上記カセット230に取り付けられるサイズであれば、その種類又は厚さを問うことなく使用可能である。
上記レシピエントブロック220は、一つのレシピエントブロック内に少なくとも二つ以上のサイズ種類のホールを備えることができ、同一の一つのサイズ種類のホールを備えることもできる。
上記ドナーブロック250は、生体組織サンプルであって、ヒトや動物の皮膚組織又は骨断片など様々なサンプルを含むことができる。
上記ドナーブロック250と上記レシピエントブロック220は、その取り付け位置が異なる点を除いては、その取り付け動作が同一である。従って、上記ドナーブロック250が上記試料ステージ210に取り付けられる動作は省略し、上記レシピエントブロック220が、上記試料ステージ210に取り付けられる動作を説明すれば、次のとおりである。
【0033】
まず、上記レシピエントブロック220が、図3の矢印方向201に、上記カセット230に取り付けられる。ここで、上記レシピエントブロック220は複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物だけを指すものとして定義されるが、複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物220が上記カセット230に取り付けられた状態を一つのレシピエントブロックとして定義することもある。以下では、混同を避けるために、上記レシピエントブロック220が複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物だけを指すものとする。
上記レシピエントブロック220が上記カセット220に取り付けられた後に、上記レシピエントブロック220が取り付けられたカセット230は、矢印202方向に、上記カセット締結ユニット240に締結され、上記試料ステージ210の溝216に取り付けられる。ここで、上記カセット230と上記カセット締結ユニット240は分離されることなく、一体的に構成され得る。
上記レシピエントブロック220が上記試料ステージ210に締結されれば、上記試料ステージ210に構成されているスプリング212により上記レシピエントブロック220が抜けないように固定される。上記ドナーブロック250の取り付け過程も、上記レシピエントブロック220の取り付け過程と同じである。上述したような動作により、上記試料ステージ210に、上記ドナーブロック250及び上記レシピエントブロック220が取り付けられる。
【0034】
図4に示されるように、上記レシピエントブロック220及び上記ドナーブロック250が取り付けられた試料ステージ210が、上記試料駆動ユニット280の試料駆動ステージ270に取り付けられる。上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280と一体的に構成され、分離しない構造を有するが、上記試料駆動ステージ270に備えられた移送路に沿って矢印501方向である第1方向に駆動可能である。即ち、上記試料駆動ステージ270は、上記試料駆動ユニット280に備えられたモータ(未図示)などの移動制御手段を介して上記第1方向501の特定位置に移動可能である。
上記試料駆動ステージ270と上記試料ステージ210とが分離されて構成される理由は、上記試料ステージ210が分離されるようにすれば、上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けが容易になるからである。上記試料駆動ステージ270と上記試料ステージ210とが互いに分離されなければ、上記レシピエントブロック220又はドナーブロック250の取り付けが容易にならない。さらに、もう一つの理由は、上記試料ステージ210が複数個で備えられる場合に、複数個の試料ステージ210が上記試料駆動ステージ270と締結及び分離が容易にするためである。
【0035】
図5には上記試料ステージ210が上記試料駆動ステージ270に締結、取り付けられた状態、即ち、完全セッティングされた状態が示されている。図5に示されるように、試料駆動ユニット280の移送路に上記試料駆動ステージ270が位置する。そして、上記試料駆動ステージ270に試料ステージ210が取り付けられている。上記試料ステージ210には組織パンチ対象であるドナーブロック250が複数個取り付けられており、パンチされた組織をアレイするレシピエントブロック220が取り付けられている。
その後、上記試料ステージ210は特定位置へと選択により移動されるか、又は自動移動され、上記抽出モジュール100のために組織のパンチ及びアレイ動作が遂行される。
【0036】
以下で、上記試料駆動ユニット280又は/及び上記試料駆動ステージ270が図示されない状態で、上記試料モジュール200が図示され得る。これは、上記試料モジュール200の重要部分だけを図示し、図面の複雑性を避けるためである。
図6及び図7は、上記抽出モジュール100の詳細な構成及び動作を説明するための図である。図7は上記抽出モジュール100の詳細な構成を示すもので、上記抽出モジュール100の動作を説明するための図である。
図6に示されるように、上記抽出モジュール100は、位置駆動ユニットである支持部材550に付着された第2方向(例えば、Y軸方向)移送ステージ552、及び上記抽出ツール150の第3方向(例えば、Z軸方向)の駆動のための第3方向移送ロボット160を含む。また、上記抽出モジュール100は抽出ツール150、及び上記抽出ツール150のパンチ及びアレイ動作のための抽出駆動ユニットである回転駆動ユニット132と押し駆動ユニット142とを備える。さらに、付随的な動力伝達手段(例えば、ギア、ベルト)138、136及び抽出ツールケース112を備える。
【0037】
上記抽出モジュール100は、支持部材550に位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を介して固定される。上記移送ロボット160と上記移送ステージ552は上記抽出ツール150だけでなく上記抽出モジュール100全体を移動させる構成を有することができる。
上記移送ロボット160は第3方向移動のための移送モータ162及び移送ステージ164を備える。ここで、図示しないが、第2方向移動のための移送モータ(未図示)を含み、第2方向移送ロボット(未図示)がさらに備えられる。別の実施例によれば、上記第3方向移送ロボット160が上記第2方向移送ロボットの役割をさらに遂行することができる。
【0038】
上記抽出ツール150は、複数個のパンチチップ152及び上記パンチチップ152が付着される環状体154を備える。上記回転駆動ユニット132及び押し駆動ユニット142と上記抽出ツール150は回転軸156によって互いに連結される。
上記回転駆動ユニット132は、上記抽出ツール150を回転させ、上記複数個のパンチチップ152中の特定パンチ径のパンチチップ152を選択するために駆動される。このとき、上記選択されたパンチチップ152は平面に対して、垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動される。言い換えれば、上記回転駆動ユニット132は、複数のパンチチップ152のいずれか一つを選択するために備えられる。上記回転駆動ユニット132は少なくとも一つの回転モータを備える。
上記押し駆動ユニット142は、上記選択されたパンチチップ152によりパンチされた組織を上記パンチチップ152外部へ押し出すために備えられる。即ち、パンチされた組織を上記レシピエントブロック220のホールにアレイするために備えられる。そのために、少なくとも一つのプッシュモータを備えることができる。
上記パンチチップ152は、パンチサイズを別にして複数個が備えられていればよい。上記パンチチップ152の個数は、レシピエントブロック220のホール径の種類に対応する個数で設けられる。例えば、上記レシピエントブロック220の可能なホール径の種類が4つの場合、上記パンチチップ152は、これに対応して4個が形成され得る。また、レシピエントブロック220のホール径が5種類であれば、これに対応して、互いに異なるサイズの5個のパンチチップ152が形成され得る。ここでは、上記レシピエントブロック220の可能なホール径が1mm、2mm、3mm、5mmの4種類と仮定する。従って、上記パンチチップ152は1mm、2mm、3mm、5mmのパンチ径を有する4つで形成され得る。
【0039】
従来には、パンチ及びアレイのために、一つのパンチチップを使用することによって、レシピエントブロックのホール径が変わる毎に、パンチチップを交替しければならない不便があった。しかし、本発明によれば、パンチチップの交替に伴う不便を解消することができる。
上記複数個のパンチチップ152は、回転可能な一つの環状体154に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定される形態で形成され得る。上記パンチチップ152が顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定される形態を有するによって、上記環状体154の回転により上記複数個のパンチチップ152のいずれか一つのパンチチップ152が選択される場合に、選択されたパンチチップ152は上記試料モジュール200に対して、完全な垂直方向(第3方向)に位置するようになる。また、選択されないパンチチップは、上記選択されたパンチチップによるパンチ動作に妨害しない(上記ドナーブロックとぶつからない)位置に形成される。上記パンチチップ152の選択は、これは既に説明された通りであり、上記回転駆動ユニット132によって遂行される。
上記パンチチップ152は、円筒状の内部にピストンのような形態のプローブ(probe)(未図示)を備える。上記パンチチップ152は第3方向移動(例えば、Z軸方向下降動作)によりパンチが遂行され、上記押し駆動ユニット142による上記プローブの駆動によりパンチされた組織のアレイが遂行される構造を有する。これを詳しく説明すれば次の通りである。
【0040】
上記プローブは、上記パンチチップ152の外部2mm程度まで移動が可能な構造を有し、パンチ時には上記パンチチップ152の内部へ深く入っていく。即ち、パンチ動作時には、上記プローブが上記パンチチップ152の内部深く入り、パンチされた組織が、上記パンチチップが内部に充填される。以降、パンチ動作が完了すれば、パンチされた組織をレシピエントブロック220のホールに充填するために、レシピエントブロック220の特定ホールの上部2mm位置以内に移動する。次に、上記プローブは上記パンチチップ152内部のパンチされた組織を押し出す動作を遂行する。もちろん、上記プローブの動作は上記押し駆動ユニット142によって遂行される。
【0041】
以下、図6に基づき、図7を参照して上記抽出モジュール100の動作を説明する。
図7に示されるように、上記抽出モジュール100は、第2方向502及び第3方向503に移動が可能な構造を有する。参考として、上記試料モジュール200の試料ステージ210は第1方向501に移動可能な構造と既に説明した。従って、上記試料ステージ210の第1方向501移動、及び上記抽出モジュール100の第2方向502及び第3方向503移動によって所望の位置でのパンチ及びアレイ動作が可能となる。
上記抽出モジュール100は次の通り動作する。まず、パンチ位置移動動作として、上記ドナーブロック250からパンチを遂行するために、下記上記試料ステージ210上のドナーブロック250からパンチするのに適当な位置に上記抽出モジュール100が移動される。これは上記移送ロボット160と上記移送ステージ552による第2方向502及び第3方向503移動により可能となる。
次に、複数のパンチチップ152の中からアレイされるレシピエントブロック220のホール径に対応されるパンチチップ152に対する選択動作が行われる。これは、上記回転駆動ユニット132の回転動作により可能となる。ここで、上記パンチチップの選択動作と上記パンチ位置移動動作は同時に遂行されることもでき、順序を変えてパンチチップの選択動作がまず遂行され、その後、上記パンチ位置移動動作を遂行してもよい。
次に、上記選択されたパンチチップ152によるパンチ動作が遂行される。上記パンチ動作は、上記パンチチップ152を上記第3方向503の位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を利用して第3方向に下降させるにことによって遂行される。上記下降動作は、上記パンチチップ152が下部に位置した上記ドナーブロック250を貫通するまで遂行され得る。第3方向503に上記パンチチップ152が下降し、上記ドナーブロック250を貫通した後、再び上昇すれば、上記パンチチップ152の内部には上記ドナーブロック250で採取された組織が打ち込まれた状態となる。
【0042】
パンチされた組織をアレイするために、レシピエントブロック220のホールの位置まで上記パンチチップ152が移動しなければならない。上記レシピエントブロック220の位置が第2方向502に移動可能な場合には、上記第2方向位置駆動ユニット552によって上記レシピエントブロック220の位置のアレイ位置まで移動される。しかし、上記レシピエントブロック220の位置が、上記ドナーブロック250のパンチ位置から第1方向501に移動しなければならない場合には、上記試料ステージ210の移動によって上記アレイ位置移動が可能となる。本発明では、上記試料ステージ210が移動する第1方向に移動することによってアレイ位置に移動する方法を選択している。第3方向503移動が必要な場合には、第3方向位置駆動ユニットである上記移送ロボット160を介して上記パンチチップ152を移動させることによって、上記アレイ位置への移動が可能となる。上記アレイ位置は、上記パンチチップ152の端部が上記レシピエントブロック220のホールの2mm真上であってもよい。
次に、上記アレイ位置で、上記押し駆動ユニット142によって駆動される上記パンチチップ152のプローブを介して、パンチされた組織を上記レシピエントブロック220のホールにアレイする。
ここで、上記レシピエントブロック220内のホールが互いに異なるホール径を有する場合には、選択されたホール径に対応されるパンチチップが順次に選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され得る。例えば、上記レシピエントブロック220が1mmホール径のホール及び3mmホール径のホールを備える場合に、1mmホール径のホールが選択される場合には1mmパンチ径のパンチチップが選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され、3mmホール径のホールが選択される場合には、3mmパンチ径のパンチチップが選択され、パンチ及びアレイ動作が遂行され得る。
【0043】
図8及び図9は、上記ビジョンモジュール300の詳細な構成及び動作を説明するための図である。図8は、上記ビジョンモジュール300の詳細な構成を示す図であり、図9は上記ビジョンモジュール300の動作を説明するための図である。
図8に示されるように、上記ビジョンモジュール300は、カメラ350及び変位センサー370を備える。さらに、上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさを調節するビジョンライト310と、上記カメラ350の映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズ320とが備えられる。また、上記ビジョンモジュール300の駆動のための位置駆動ユニットである移送ロボット360を備えることができる。
上記カメラ350は、上記抽出モジュール100のパンチ及びアレイ動作の撮影及び上記試料モジュール200の撮影のためのものである。さらに、上記ドナーブロック250のパンチ位置選定、レシピエントブロック220のホールの選択、及び複数個のパンチチップ152が備えられる場合、いずれか一つのパンチチップの選択などのために上記カメラ350の映像が利用され得る。即ち、上記カメラ350は、上記パンチチップ152によるパンチ動作又はアレイ動作を撮影するための用途でも使用されるが、タッチスクリーン機能の具現のためにも使用される。
【0044】
例えば、複数個のドナーブロック250のいずれか一つのドナーブロックを選択しようとする場合に、上記カメラ350の撮影映像が表示されるディスプレイ画面上に現れた複数のドナーブロック250のいずれか一つをタッチすることによって、所望のドナーブロック250が選択される。これは、レシピエントブロック220のホールの選択又は複数個のパンチチップ152中の所望のパンチ径を有するパンチチップ152を選択する場合にも同一に適用され得る。また、上記カメラ350を介して撮影された映像は別途のメモリーに保存され得る。
上記変位センサー370は、パンチング深さの調節のために、上記ドナーブロック250の高さを測定するためのものである。上記変位センサー370は、上記ドナーブロック250の高さに対応し、長さが変わる測定プローブ(未図示)を備えることができる。この場合には、上記測定プローブ長の変化程度を測定するによって、上記ドナーブロック250の高さ測定が可能となる。この他にも、上記変位センサー370を介した上記ドナーブロック250の高さ測定は、レーザーを用いた距離測定方式などを含み、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に公知の測定方式などが用いられる。ここで、上記変位センサー370を介した測定方式が変更されるにつれて、上記変位センサー370の種類が変更されることは当然のことである。
上記ドナーブロック250は既に説明した通り、皮膚組織から骨断片まで多様に存在しうる。従って、第1方向及び第2方向サイズは同じであっても、第3方向サイズ、即ち、厚さは互いに異なっている。従って、上記ドナーブロック250の厚さを予め測定すれば、上記パンチチップ152のパンチ時、パンチング深さを調節することが可能となる。即ち、上記ドナーブロック250の厚さは、上記パンチチップ152がどの位置まで第3方向に下降しなければならないのかの下降位置を決定する要素として機能する。
【0045】
上記変位センサー370は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有するものに公知の様々な種類の変位センサー370が用いることができる。
上記ビジョンモジュール300は、上記抽出モジュール100の説明時、既に説明された通り、上記抽出モジュール100に付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動され得る。上記ビジョンモジュール300が分離されて駆動される場合には、第3方向駆動のための移送ロボット(図10の360)をさらに備えればよい。
上記移送ロボット360は、第3方向移動のための移送モータ362及び移送ステージ364、及び支持部材366を備える。ここで、図示しない第2方向移動は上記第2方向移送ステージ552を共有し、上記抽出モジュール100の場合と同じ方式によって遂行され得る。
【0046】
以下、図8に基づき、図9を参照して上記ビジョンモジュール300の動作を説明する。
上記ビジョンモジュール300は、第2方向502及び第3方向503に移動が可能な構造を有する。参考として、上記試料モジュール200の試料ステージ210が第1方向501に移動可能な構造と既に説明した。従って、上記試料ステージ210の第1方向501移動、及び上記抽出モジュール100の第2方向502及び第3方向503移動によって所望の位置での撮影及びセンシングが可能となる。
まず、上記抽出モジュール100を介したパンチ動作前に、上記変位センサー370を利用して上記ドナーブロック250の高さ測定が遂行される。そのために、上記試料ステージ210は第1方向501に移動され、上記変位センサー370は第2方向502及び第3方向503に移動する。
上記カメラ350は、第2方向502及び第3方向502移動を介して所望の位置に移動し、リアルタイムで撮影を遂行する。例えば、パンチ動作が遂行される場合には、上記ドナーブロック250及びパンチチップ152の動作を撮影し、アレイ動作が遂行される場合には、上記レシピエントブロック220及び上記パンチチップ152の動作を撮影する。これに伴い、作業者が撮影された映像のディスプレイを介して、パンチ動作又はアレイ動作が正しく行われているかが分かる。
【0047】
図10は、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置の全体概略図である。図10は図2と違って、試料モジュール200にドナーブロック250及びレシピエントブロック220が完全にセッティングされた状態を示す、以下、図1〜図9に基づき、図10を介して上記自動組織マイクロアレイ装置の全体動作を説明する。
図10に示されるように、まず、試料モジュール200の試料ステージ210に、ドナーブロック250とレシピエントブロック220とを取り付ける。また、上記試料ステージ210を上記試料駆動ステージ270に固定させる。これは作業者によって手作業で遂行される。
以降、ディスプレイ画面上で、レシピエントブロック220の種類、即ち、取り付けられたレシピエントブロック220の種類を選択する。これはレシピエントブロック220のホール径を選択することを意味する。その後、上記レシピエントブロック220のホール径に対応されるパンチチップ152を選択する。上記パンチチップ152の選択は、上記レシピエントブロック220の種類選択、即ち、ホール径選択により自動で選択され得る。
次に、上記ディスプレイ画面上のタッチスクリーン機能を利用して、上記ドナーブロック250のパンチ位置を選択する。次いで、上記レシピエントブロック220のホールの位置を、上記タッチスクリーン機能を利用して選択する。
ここで、上記レシピエントブロック220のホールの選択、ドナーブロック250のパンチ位置選定、及びパンチチップ152の選択は、上記タッチスクリーン機能の他に、マウス、キーパッド、キーボードなどのコマンド入力手段を利用して遂行することができる。この場合、上記ドナーブロック250の位置又は上記レシピエントブロック220のホール径を直ちに選択できるボタンを備え、迅速な選択が可能にすることができる。例えば、キーボードの数字キーの1を選択すれば、上記レシピエントブロック220のホール径とパンチチップ152のパンチ径(1mm)を選択するようにするコマンドが入力されるようにする構成を持たせると、数字キーの1を介して上記ホール径及びパンチチップ152の迅速な選択が可能になる。ここで、上記ドナーブロック250のそれぞれの位置及びレシピエントブロック220のホールの位置選定データは別途のメモリーに保存され得る。
【0048】
次に、上記変位センサー370を利用して上記ドナーブロック250の高さを測定する。測定された上記ドナーブロック250の高さは自動保存される。
その後は、オート(auto)モードで動作する。即ち、上記制御部50に保存されたプログラムにより自動で上記ドナーブロック250のパンチ及び上記レシピエントブロック220に組織をアレイする動作を遂行する。上記制御部50は、上記レシピエントブロック220のホールを順序に従って自動で変えながらアレイするよう制御する。
上記オートモード動作とは別に、マニュアル動作モードで動作することもできる。上記マニュアル動作モードは、作業者がパンチチップ152の位置を直接確認し、上記パンチチップ152の移動を直接制御しながらパンチ動作とアレイ動作を遂行することをいう。上記マニュアル動作モードは、アレイされるレシピエントブロック220のホールの位置を別に指定し、アレイ動作が遂行されるようにすることを含む。
【0049】
本発明によれば、上記試料モジュール200が第1方向駆動が可能で、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が第2方向及び第3方向駆動を可能な構造であって、特定位置でのパンチ動作、アレイ動作、及び撮影又は測定動作が可能な構造を有する。しかし、これと違って、上記試料モジュール200は固定され、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が第1方向、第2方向、及び第3方向駆動が可能にする構造も可能である。また、上記試料モジュール200が第2方向及び第3方向に駆動され、上記抽出モジュール100及び上記ビジョンモジュール300が、第1方向駆動が可能な構造も可能である。また、上記試料モジュール200は、第1方向駆動が可能で、上記抽出モジュール300は第2方向及び第3方向駆動が可能で、上記ビジョンモジュール300は第1方向〜第3方向駆動が可能な構造も可能である。これらの構造は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって容易に具現できる。
【0050】
本発明の図面上には図示されているが、説明しない構成は、説明がなくても本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって、その構成が公知であるか、又は容易に分かる内容であり、本発明の範囲に含まれることは当然のことである。
【0051】
以上で、説明された実施例では、複数個のドナーブロック250及び一つのレシピエントブロック220が取り付けられた場合について説明した。
しかし、本発明の別の実施例によれば、上記試料モジュール200に、複数個のレシピエントブロック220が取り付けられる場合もある。もちろん、ホール径が同じ複数個のレシピエントブロック220が取り付けられていてもよく、ホール径が互いに異なるレシピエントブロック220が取り付けられていてもよい。即ち、上記複数のレシピエントブロック220の取り付け方法は必要に応じて様々である。
ここでは、二つのレシピエントブロック220が互いに異なるホール径を有する場合、例えば、1mmホール径のレシピエントブロックと5mmホール径のレシピエントブロックの2つが、上記試料モジュール200に取り付けられる場合の動作について説明する。図面上には示していないが、理解の便宜のために、1mmホール径のレシピエントブロックを‘第1レシピエントブロック’、5mmホール径のレシピエントブロックを‘第2レシピエントブロック’と称し、1mmパンチ径のパンチチップを‘第1パンチチップ’、5mmパンチ径のパンチチップを‘第2パンチチップ’と定義し、説明する。
上記第1レシピエントブロック及び上記第2レシピエントブロックが取り付けられる場合に、上記抽出モジュール100でパンチチップ152が二つ選択される。上記第1及び第2レシピエントブロックのホール径に対応するように、1mmパンチ径を有する第1パンチチップと5mmパンチ径を有する第2パンチチップが選択される。
その後、パンチ動作及びアレイ動作が遂行される。上記パンチ動作及びアレイ動作は既に説明されたように、一つのレシピエントブロック220が取り付けられた場合と同様に進行される。例えば、上記第1パンチチップを利用して上記ドナーブロック250から組織をパンチし、上記第1レシピエントブロックのホールにアレイする第1動作と、上記第2パンチチップを利用して上記ドナーブロックから組織をパンチし、上記第2レシピエントブロックのホールにアレイする第2動作を遂行する。
上記第1動作と上記第2動作は同時に遂行することもでき、交互に遂行することもできる。また、第1動作又は第2動作を、まず遂行し、以降、残りの動作を遂行することができる。ここで、上記パンチ動作時に、第1パンチチップのパンチ対象となるドナーブロックと上記第2パンチチップのパンチ対象となるドナーブロックは同じであっても、異なっていてもよい。
この場合には、多くのレシピエントブロックの取り付けが可能になるので、短時間に多様なホール径の複数個の自動組織マイクロアレイブロック製作が可能な効果がある。
【0052】
図11は、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置500の外形を示す図である。
図11に示されるように、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置500の外形は矩形構造の胴体590と、上記胴体590の上部面と側面に維持補修のためのメンテナンスパネル598、597が配置される。また、上記試料モジュール200にドナーブロック250とレシピエントブロック220との取り付けのためのドア592が配置される。また、上記胴体590の側面には、キーボード、マウス、外部通信機器、外装ハードなどの連結のための連結ポット596が備えられる。さらに、正面の上記ドア592に隣接し、ディスプレイ画面594が備えられる。上記ディスプレイ画面594は図1のディスプレイ部60の一部を構成するもので、タッチによるコマンドの入力が可能なタッチスクリーン機能が設けられる。また、ビジョンモジュール300のカメラ350の映像がディスプレイされる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上述するように、本発明の実施例に係る自動組織マイクロアレイ装置は、従来とは違って、レシピエントブロックにホールを作る過程が不要である。即ち、レシピエントブロックは既に製造されているものを使用するので、ホールを作るのに必要とする時間と労力を低減することができる長所がある。また、レシピエントブロック製造用パンチチップが不要である。従来の場合には、レシピエントブロックのホール径が変わる毎に、パンチチップを交替しなければならなかったが、本発明の場合には、サイズ別に複数個のパンチチップが内蔵されているので、使用が非常に便利になった。また、複数個のパンチチップ内蔵方式は、それぞれ他のホール径を有する複数個のレシピエントブロックを同時に取り付けることができ、短時間に様々なホール径の複数個の自動組織マイクロアレイブロック製作が可能な効果がある。
さらに、従来の装備の場合には、外部制御方式、即ち、外部PCなどを連結して使用する方法を取っており、使用に不便があったが、本発明は制御部が内蔵され、タッチスクリーン機能が、制御方式を有しているので、使用に便利で、且つ容易に制御が可能な長所がある。
以上で本発明の記載された具体例だけを詳細に説明した。しかし、本発明の技術思想範囲内で様々な変形及び修飾が可能であることは当業者にとって自明なことであり、このような変形及び修飾が添付された特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0054】
10・・・試料モジュール
20・・・抽出モジュール
50・・・制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動組織マイクロアレイ装置において;
駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する試料モジュールと;
少なくとも二つの方向に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップを備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチし、上記少なくともレシピエントブロックにアレイするための抽出モジュールと;
上記試料モジュール及び上記抽出モジュールの駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュールでのパンチ及びアレイ動作を制御する制御部と;
を備えることを特徴とする自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項2】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、
少なくとも二つの方向に駆動可能であって、上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、上記少なくとも一つのドナーブロックの位置又は高さ測定、及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホールの位置測定のためのビジョンモジュールを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項3】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、
上記ビジョンモジュールから提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイし、使用者のタッチによってコマンド入力及び位置設定が可能なタッチスクリーン機能を備えるディスプレイ部を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項4】
上記ドナーブロックは、同一種類又は互いに異なる種類で複数個が備えられること特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項5】
上記少なくとも一つのレシピエントブロックは、少なくとも一つ種類のホール径を有する複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物であることを特徴とする請求項4に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項6】
上記試料モジュールは、第1方向に駆動可能で、上記抽出モジュールは上記第1方向とは垂直の第2方向及び上記第1方向及び上記第2方向と垂直の第3方向に駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項7】
上記試料モジュールは、
上記複数個のドナーブロック及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間が備えられた試料ステージと;
上記試料ステージが取り付けられ、上記試料ステージを特定位置に移動させるための試料駆動ステージと;
駆動モータを備え、上記駆動ステージを上記第1方向に駆動するための試料駆動ユニットと;
を備えることを特徴とする請求項5に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項8】
上記抽出モジュールは、
上記パンチ動作及びアレイ動作のための少なくとも一つのパンチチップを備える抽出ツールと;
少なくとも二つの駆動モータを備え、上記第2方向及び上記第3方向駆動を遂行し、特定位置に上記抽出ツールを移動させる位置駆動ユニットと;
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項9】
上記抽出ツールは、パンチ径が互いに異なる複数個のパンチチップを、回転可能な一つの環状体に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定させる形態であることを特徴とする請求項8に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項10】
上記抽出ツールは、
上記抽出ツールを回転させ、上記複数個のパンチチップから使用者によって選択されたパンチチップが平面に対して、垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動させるために少なくとも一つの回転モータを備える回転駆動ユニットと;
上記パンチチップによってパンチされた組織を上記パンチチップ外部に押し出すために、少なくとも一つのプッシュモータを備える押し駆動ユニットと;
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項11】
上記パンチチップは、上記位置駆動ユニットの第3方向下降によって上記ドナーブロックの組織をパンチし、内部に上記押し駆動ユニットによって駆動されるプローブ(probe)を備え、上記パンチされた組織を上記レシピエントブロックの特定ホールにアレイすることを特徴とする請求項10に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項12】
上記複数個のパンチチップは、上記試料モジュールに取り付け可能な上記レシピエントブロックのホール径の種類に対応する個数で備えられることを特徴とする請求項11に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項13】
上記ビジョンモジュールは、
パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを測定するための変位センサーと;
上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、並びに上記試料モジュールの撮影のためのカメラと;
を備えることを特徴とする請求項2に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項14】
上記ビジョンモジュールは、上記抽出モジュールに付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動されることを特徴とする請求項13に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項15】
上記ビジョンモジュールは、
上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさが調節されるビジョンライトと;
上記カメラの映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズと;
をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項16】
上記ドナーブロックのパンチ位置選定、レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップが備えられる場合、いずれか一つのパンチチップの選択は、上記タッチスクリーンを介したコマンド入力によって遂行されることを特徴とする請求項3に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項17】
自動組織マイクロアレイブロック製造方法において;
試料モジュールに少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとを取り付ける工程と;
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップを選択する工程と;
上記選択されたパンチチップの駆動によって上記ドナーブロックから組織をパンチし、パンチされた組織を上記レシピエントブロックのホールに自動でアレイする工程と;
を備えることを特徴とする自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項18】
上記レシピエントブロックのそれぞれは、複数個で取り付けられる場合に、互いに同じホール径又は互いに異なるホール径を有することを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項19】
上記選択されたパンチチップを介してパンチ動作前に、パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを変位センサーを用いて測定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項20】
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径に対応されるパンチ径を有するパンチチップの選択は、タッチスクリーンを介したコマンド入力方式によって遂行されることを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項1】
自動組織マイクロアレイ装置において;
駆動可能であって、少なくとも一つのドナーブロック及び少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間を提供する試料モジュールと;
少なくとも二つの方向に駆動可能であって、少なくとも一つのパンチチップを備え、上記少なくとも一つのドナーブロックから組織をパンチし、上記少なくともレシピエントブロックにアレイするための抽出モジュールと;
上記試料モジュール及び上記抽出モジュールの駆動動作を制御し、外部から入力されるコマンドに応答し、上記抽出モジュールでのパンチ及びアレイ動作を制御する制御部と;
を備えることを特徴とする自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項2】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、
少なくとも二つの方向に駆動可能であって、上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、上記少なくとも一つのドナーブロックの位置又は高さ測定、及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホールの位置測定のためのビジョンモジュールを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項3】
上記自動組織マイクロアレイ装置は、
上記ビジョンモジュールから提供される映像信号及び測定信号に応答し、撮影された映像及び測定位置をディスプレイし、使用者のタッチによってコマンド入力及び位置設定が可能なタッチスクリーン機能を備えるディスプレイ部を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項4】
上記ドナーブロックは、同一種類又は互いに異なる種類で複数個が備えられること特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項5】
上記少なくとも一つのレシピエントブロックは、少なくとも一つ種類のホール径を有する複数個の円筒ホールが形成されたパラフィン材質の構造物であることを特徴とする請求項4に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項6】
上記試料モジュールは、第1方向に駆動可能で、上記抽出モジュールは上記第1方向とは垂直の第2方向及び上記第1方向及び上記第2方向と垂直の第3方向に駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項7】
上記試料モジュールは、
上記複数個のドナーブロック及び上記少なくとも一つのレシピエントブロックが取り付けられるための空間が備えられた試料ステージと;
上記試料ステージが取り付けられ、上記試料ステージを特定位置に移動させるための試料駆動ステージと;
駆動モータを備え、上記駆動ステージを上記第1方向に駆動するための試料駆動ユニットと;
を備えることを特徴とする請求項5に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項8】
上記抽出モジュールは、
上記パンチ動作及びアレイ動作のための少なくとも一つのパンチチップを備える抽出ツールと;
少なくとも二つの駆動モータを備え、上記第2方向及び上記第3方向駆動を遂行し、特定位置に上記抽出ツールを移動させる位置駆動ユニットと;
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項9】
上記抽出ツールは、パンチ径が互いに異なる複数個のパンチチップを、回転可能な一つの環状体に顕微鏡のレンズ付き構造又は風車翼の構造で固定させる形態であることを特徴とする請求項8に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項10】
上記抽出ツールは、
上記抽出ツールを回転させ、上記複数個のパンチチップから使用者によって選択されたパンチチップが平面に対して、垂直の上記第3方向をパンチ方向とするように移動させるために少なくとも一つの回転モータを備える回転駆動ユニットと;
上記パンチチップによってパンチされた組織を上記パンチチップ外部に押し出すために、少なくとも一つのプッシュモータを備える押し駆動ユニットと;
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項11】
上記パンチチップは、上記位置駆動ユニットの第3方向下降によって上記ドナーブロックの組織をパンチし、内部に上記押し駆動ユニットによって駆動されるプローブ(probe)を備え、上記パンチされた組織を上記レシピエントブロックの特定ホールにアレイすることを特徴とする請求項10に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項12】
上記複数個のパンチチップは、上記試料モジュールに取り付け可能な上記レシピエントブロックのホール径の種類に対応する個数で備えられることを特徴とする請求項11に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項13】
上記ビジョンモジュールは、
パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを測定するための変位センサーと;
上記抽出モジュールのパンチ及びアレイ動作の撮影、並びに上記試料モジュールの撮影のためのカメラと;
を備えることを特徴とする請求項2に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項14】
上記ビジョンモジュールは、上記抽出モジュールに付着されて一体的に駆動されるか、又は分離されて駆動されることを特徴とする請求項13に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項15】
上記ビジョンモジュールは、
上記カメラの映像の品質向上のために照明の明るさが調節されるビジョンライトと;
上記カメラの映像の焦点調節のための少なくとも一つのレンズと;
をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項16】
上記ドナーブロックのパンチ位置選定、レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップが備えられる場合、いずれか一つのパンチチップの選択は、上記タッチスクリーンを介したコマンド入力によって遂行されることを特徴とする請求項3に記載の自動組織マイクロアレイ装置。
【請求項17】
自動組織マイクロアレイブロック製造方法において;
試料モジュールに少なくとも一つのドナーブロックと少なくとも一つのレシピエントブロックとを取り付ける工程と;
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記少なくとも一つのレシピエントブロックのホール径と同じパンチ径を有するパンチチップを選択する工程と;
上記選択されたパンチチップの駆動によって上記ドナーブロックから組織をパンチし、パンチされた組織を上記レシピエントブロックのホールに自動でアレイする工程と;
を備えることを特徴とする自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項18】
上記レシピエントブロックのそれぞれは、複数個で取り付けられる場合に、互いに同じホール径又は互いに異なるホール径を有することを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項19】
上記選択されたパンチチップを介してパンチ動作前に、パンチング深さの調節のために上記ドナーブロックの高さを変位センサーを用いて測定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【請求項20】
上記少なくとも一つのドナーブロックのパンチ位置選定、上記レシピエントブロックのホールの選択、及び複数個のパンチチップから上記レシピエントブロックのホール径に対応されるパンチ径を有するパンチチップの選択は、タッチスクリーンを介したコマンド入力方式によって遂行されることを特徴とする請求項17に記載の自動組織マイクロアレイブロック製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−539470(P2010−539470A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524764(P2010−524764)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/KR2007/005025
【国際公開番号】WO2009/035182
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(509194851)ユニットマ・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/KR2007/005025
【国際公開番号】WO2009/035182
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(509194851)ユニットマ・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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