説明

自動製パン機

【課題】各メニューのカロリーが分かる使用勝手の良い自動製パン機を提供する。
【解決手段】ヒータ3を有する焼成室2と、前記焼成室2内に着脱自在に載置されたパン焼き型4と、前記パン焼き型4の内部に配設された練り羽根7と、前記練り羽根7を駆動するモータ5と、前記焼成室4内の温度を検知する温度検知手段10と、メニューの選択や調理スタートを行う入力手段13と、選択メニューや調理時間等を表示する表示手段14と、前記温度検知手段10の検知温度によりメニュー毎に記憶している調理シーケンスに従って、前記ヒータ3と前記モータ5を制御する制御手段15とを備え、前記入力手段14を操作することで選択されているメニューのカロリーを前記表示手段14に表示するようにしたもので、使用者は、入力手段13を操作するだけで、選択したメニューのカロリーを簡単に知ることができ、使用勝手のよい自動製パン機を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭で使用される自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭でも簡単にパンを作ることができる自動製パン機がよく用いられるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、上記特許文献1に記載された従来の自動製パン機のブロック図であり、1は、自動製パン機本体、2は、加熱手段であるヒータ3とパン焼き型4を内部に有し、パンを焼成する焼成室、5は、ベルト6とプーリー8を介して動力を伝達させ、パン焼き型4内にあってパン生地を捏ね上げる練り羽根7を回転させるモータ、10は、焼成室2内の温度を検知するサーミスタ9を含む温度検知手段、12は、モータ5を駆動制御するモータ制御手段、11はヒータ3を駆動制御するヒータ制御手段、13は、メニューコースの選択等を行う入力手段、29は、選択しているメニューやでき上がり時刻等を表示する液晶表示を搭載した表示手段、30は、温度検知手段10、ヒータ制御手段11、モータ制御手段12、入力手段13、表示手段29等を制御するマイクロコンピュータを搭載した制御手段である。
【0004】
ここで、使用者が入力手段13を操作して、希望のメニューを選択すると、表示手段29に、選択された製パンコースに必要な複数のパン材料の材料名と分量とを表示するようになっている。
【特許文献1】特開2002−337870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の自動製パン機の構成では、製パンコースに必要なパン材料を表示手段29に表示するのみで、製パンメニューのカロリー表示には対応しておらず、使用者は、都度、選択したメニューのパン材料の種類、使用分量からカロリーを算出しなければならず、非常に使用勝手が悪いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、自動製パン機のメニュー選択時に、選択しているメニューのカロリー表示を行うことができる自動製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は、加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、メニューの選択や調理スタートを行う入力手段と、選択メニューや調理時間等を表示する表示手段と、前記温度検知手段の検知温度によりメニュー毎に記憶している調理シーケンスに従って、前記加熱手段と前記モータを制御する制御手段とを備え、前記入力手段を操作することで選択されているメニューのカロリーを前記表示手段に表示するようにしたもので、使用者は、入力手段を操作するだけで、選択したメニューのカロリーを簡単に知ることができるので、非常に使用勝手のよい自動製パン機を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自動製パン機は、使用者は、入力手段を操作するだけで、選択しているメニューのカロリーを簡単に知ることができるので、非常に使用勝手のよいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、メニューの選択や調理スタートを行う入力手段と、選択メニューや調理時間等を表示する表示手段と、前記温度検知手段の検知温度によりメニュー毎に記憶している調理シーケンスに従って、前記加熱手段と前記モータを制御する制御手段とを備え、前記入力手段を操作することで選択されているメニューのカロリーを前記表示手段に表示するようにしたもので、使用者は、入力手段を操作するだけで、選択したメニューのカロリーを簡単に知ることができるので、非常に使用勝手のよい自動製パン機を提供することができる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の表示手段は、各メニューに必要な材料分量を表示するもので、選択しているメニューのカロリーおよび材料分量も表示することで、材料分量の確認も併せて行うことができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第2の発明の入力手段により、各メニューに必要な材料分量を変えた場合に、表示手段に表示するカロリー表示を変更するもので、選択しているメニューの材料分量を変えた場合でも、カロリー表示も併せて変更することができる。
【0012】
第4の発明は、特に、第2又は第3の発明の材料分量の上・下限設定を設けたもので、選択してるメニューに使用する材料分量の上限、下限の確認ができるので、よりわかり易く材料分量の確認をすることができる。
【0013】
第5の発明は、特に、第3又は第4の発明の選択したメニューなどを記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段に、変更後の材料分量およびカロリーを記憶するもので、選択しているメニューの変更された材料分量を記憶することで、過去の材料分量を簡単に確認することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図、図2は、同自動製パン機の入力手段と表示手段の構成を示す図、図3、図4は、同自動製パン機の入力手段と表示手段の動作を示す図である。
【0016】
本実施の形態における自動製パン機は、表示手段と制御手段の動作のみ、上記従来の自動製パン機と異なるもので、それ以外の同一構成および同一作用、効果を奏する部分には、同じ符号を付して、詳細な説明を省略し、異なる処を中心に説明する。
【0017】
図1〜4において、14は、選択しているメニューやでき上がり時刻等の他に、選択しているメニューのカロリー表示を行う表示手段で、15は、温度検知手段10、ヒータ制御手段11、モータ制御手段12、入力手段13、表示手段14等を制御すると共に、選択しているメニューのカロリーを記憶する記憶手段(図示せず)を有するマイクロコンピュータを搭載した制御手段である。
【0018】
入力手段13と表示手段14の構成について、図2に従って説明する。21は、液晶で全セグメントが点灯している状態になっていて、22は、調理状態を示すLEDで、点灯は調理中を、点滅は、調理終了後の保温を、消灯はそれ以外の状態をそれぞれ示す。23は、メニュースイッチで、24は、材料名やカロリーを表示する表示スイッチで、25は、材料の分量を変更する設定変更スイッチで、26は、タイマ調理のためのタイマスイッチで、27は、調理のスタートのためのスタートスイッチで、28は、調理の取消しを行う取消スイッチとなっている。
【0019】
ここで、まず、メニュースイッチ23を操作して、「食パン」を選択すると、図3(a)に示すように、食パンメニューの選択と標準の調理時間である4時間20分を液晶21に表示する。次に、表示スイッチ24を操作して、強力粉を選択すると、図3(b)に示すように、「設定変更可」と400gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューの標準サイズの1.5斤では、強力粉400gを使用することを示していて、強力粉の変更が可能であることを示している。次に、表示スイッチ23を操作して、バターを選択すると、図3(c)に示すように、「設定変更可」と15gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、バター15gを使用することを示している。
【0020】
次に、表示スイッチ23を操作して、砂糖を選択すると、図3(d)に示すように、「設定変更可」と24gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、砂糖24gを使用することを示している。次に、表示スイッチ23を操作して、スキムミルクを選択すると、図3(e)に示すように、「設定変更可」と10gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、スキムミルク10gを使用することを示している。次に、表示スイッチ23を操作して、塩を選択すると、図3(f)に示すように、「設定変更可」と7gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、塩7gを使用することを示している。
【0021】
次に、表示スイッチ23を操作して、水を選択すると、図3(g)に示すように、300mlを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、水300mlを使用することを示している。次に、表示スイッチ23を操作して、ドライイーストを選択すると、図3(h)に示すように、4gを液晶21に表示する。これは、この食パンメニューでは、ドライイースト4gを使用することを示している。次に、表示スイッチ23を操作して、カロリーを選択すると、図3(i)に示すように、1700kcalを液晶21に表示する。食パンの標準サイズの1.5斤では、1700kcalとなる。
【0022】
本実施の形態では、カロリーは、次の内容により材料配合が変更した場合においても対応できるようになっている。強力粉400gで1460kcal、バター15gで110kcal、砂糖24gで90kcal、スキムミルク10gで40kcalとなっている。
【0023】
次に、図4(a)に示すように、「食パン」を選択し、「バター15g」を表示している状態において、設定変更スイッチ25を操作すると、図4(b)に示すように、「7g」の表示に切り替わる。さらに、設定変更スイッチ25を操作すると、図4(c)に示すように、「下限です」の表示となり、これ以上の分量削減ができないことを示している。この設定の内容で、表示スイッチ23を操作して、カロリーを選択すると、図4(d)に示すように、「1640kcal」を液晶21に表示する。すなわち、今回の食パンでは、1640kcalとなる。また、この分量設定変更は、制御手段15内の記憶手段に記憶され、次のメニュー設定時には、優先的に表示されるようになっている。
【0024】
上記の例では、カロリーは、次の内容で計算が行われている。強力粉400gで1460kcal、バター7gで50kcal、砂糖24gで90kcal、スキムミルク10gで40kcalとなっている。
【0025】
このように、バターなどの材料を変更した場合においてもカロリーの変更が自動的に行われるので、利用者はよりわかり易くカロリーの確認を行うことができる。
【0026】
なお、本実施の形態では、以上のように、各メニューの材料毎に、分量に下限設定を設けているが、さらに、上限設定を設ければ、自動製パン機の使い勝手が一層向上することは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明にかかる自動製パン機は、入力手段を操作するだけで、選択しているメニューのカロリーを簡単に知ることができるので、非常に使用勝手のよいもので、餅つき器等の各種調理機にも適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図
【図2】同自動製パン機の入力手段と表示手段の構成を示す図
【図3】同自動製パン機の入力手段と表示手段の動作図(1)
【図4】同自動製パン機の入力手段と表示手段の動作図(2)
【図5】従来の自動製パン機のブロック図
【符号の説明】
【0029】
1 自動製パン機本体
2 焼成室
3 ヒータ(加熱手段)
4 パン焼き型
5 モータ
6 ベルト
7 練り羽根
9 サーミスタ
10 温度検知手段
11 ヒータ制御手段
12 モータ制御手段
13 入力手段
14 表示手段
15 制御手段
21 液晶
22 LED
23 メニュースイッチ
24 表示スイッチ
25 設定変更スイッチ
26 タイマスイッチ
27 スタートスイッチ
28 取消スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、メニューの選択や調理スタートを行う入力手段と、選択メニューや調理時間等を表示する表示手段と、前記温度検知手段の検知温度によりメニュー毎に記憶している調理シーケンスに従って、前記加熱手段と前記モータを制御する制御手段とを備え、前記入力手段を操作することで選択されているメニューのカロリーを前記表示手段に表示するようにした自動製パン機。
【請求項2】
表示手段は、各メニューに必要な材料分量を表示する請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
入力手段により、各メニューに必要な材料分量を変えた場合に、表示手段に表示するカロリー表示を変更する請求項2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
材料分量の上・下限設定を設けた請求項2又は3に記載の自動製パン機。
【請求項5】
選択したメニューなどを記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段に、変更後の材料分量およびカロリーを記憶する請求項3又は4に記載の自動製パン機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−90052(P2009−90052A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266353(P2007−266353)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】