説明

自動製パン機

【課題】使用勝手の良い自動製パン機を提供する。
【解決手段】ヒータ3を有する焼成室2と、前記焼成室2内に着脱自在に載置されたパン焼き型4と、前記パン焼き型4の内部に配設された練り羽根6と、前記練り羽根6を駆動するモータ5と、前記焼成室2を開閉する蓋7と、前記焼成室2内の温度を検知する温度検知手段8と、前記ヒータ3や前記モータ5を制御する制御手段B9と、前記制御手段B9によって制御される製パンコースを選択する入力手段10と、前記製パンコースや調理終了時間等を表示する表示手段11とを備え、前記製パンメニュー内に、前記パン焼き型4を乾燥させる専用のコースを設けたもので、洗浄後の濡れたパン焼き型4を焼成室2内にセットして、パン焼き型4を乾燥させる専用コースをスタートするだけで、短時間に簡単にパン焼き型4を乾燥させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に家庭用で使用される自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の自動製パン機として、調理シーケンスの途中で、パン生地にクッキー生地を載せるメロンパンメニューを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、上記特許文献1に記載された従来の自動製パン機のブロック図を示すもので、同図において、1は、自動製パン機本体、2は、加熱手段であるヒータ3と製パン材料を収納するパン焼き型4を内部に有しパンを焼成する焼成室、6は、パン焼き型4の内部に有ってパン生地を捏ね上げる練り羽根、5は、ベルト19とプーリー20により動力を伝達させパン用の練り羽根6を回転させるモータ、7は、焼成室2を開閉する蓋、8は、焼成室2内の温度を検知するサーミスタを含む温度検知手段、14は、マイクロコンピュータを塔載した制御手段Aで、温度検知手段8の検知温度やメニューの選択、調理スタートを行う入力手段10によって、ヒータ3やモータ5を制御駆動する。11は、メニューなどを表示する表示手段11である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来の自動製パン機の構成では、食パンやメロンパンメニューを調理するために作られた専用の調理コースとなっているため、それ以外の用途、洗浄後のパン焼き型の乾燥を行うには、時間が長すぎたりして使い勝手が悪いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗浄後のパン焼き型の乾燥を行うための専用のコースを備え、使用勝手の良い自動製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は、加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室を開閉する蓋と、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段や前記モータを制御する制御手段と、前記制御手段によって制御される製パンコースを選択する入力手段と、前記製パンコースや調理終了時間等を表示する表示手段とを備え、前記製パンメニュー内に、前記パン焼き型を乾燥させる専用のコースを設けたもので、洗浄後の濡れたパン焼き型を焼成室内にセットして、パン焼き型を乾燥させる専用コースをスタートするだけで、短時間に簡単にパン焼き型を乾燥させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自動製パン機は、パン焼き型を乾燥させる専用コースを塔載することで、短時間に簡単に洗浄後のパン焼き型を乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図
【図2】同自動製パン機の入力手段と表示手段の詳細図
【図3】同自動製パン機のパン焼き型乾燥メニューのシーケンスを示す図
【図4】従来の自動製パン機のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室を開閉する蓋と、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段や前記モータを制御する制御手段と、前記制御手段によって制御される製パンコースを選択する入力手段と、前記製パンコースや調理終了時間等を表示する表示手段とを備え、前記製パンメニュー内に、前記パン焼き型を乾燥させる専用のコースを設けたもので、洗浄後の濡れたパン焼き型を焼成室内にセットして、パン焼き型を乾燥させる専用コースをスタートするだけで、短時間に簡単にパン焼き型を乾燥させることができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明のパン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンス時間は、略一定時間としたもので、洗浄後の濡れたパン焼き型を焼成室内にセットして、パン焼き型を乾燥させる専用コースとスタートすることで、いつも決まった時間でパン焼き型を乾燥させることができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のパン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンスは、温度検知手段の検知温度が第1の所定温度を超えるまでは、加熱手段を100%通電で加熱して、前記温度検知手段の検知温度が、前記第1の所定温度を超えてからは、前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度により温度調整するもので、加熱手段への通電100%の時間を最小限として、その後の温度検知手段の検知温度による温度調整により、効率よく洗浄後の濡れたパン焼き型を乾燥させることができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明のパン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンスは、温度検知手段の検知温度の温度勾配が所定以上の場合には、前記パン焼き型の未セットと判断して、加熱手段への通電を停止するもので、パン焼き型を焼成室にセットせずにパン焼き型を乾燥させる専用コースをスタートした場合には、温度検知手段の検知温度の温度勾配により、通電を停止して、パン焼き型の未セット時の不要な通電を停止することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のブロック図、図2は、同自動製パン機の入力手段と表示手段の詳細図、図3は、同自動製パン機のパン焼き型乾燥メニューのシーケンスを示すものである。
【0016】
図1において、1は、自動製パン機本体、2は、ヒータ3と製パン材料を収納するパン焼き型4を内部に有しパンを焼成する焼成室、6は、パン焼き型4の内部に有ってパン生地を捏ね上げる練り羽根、5は、ベルト19とプーリー20により動力を伝達させパン用の練り羽根6を回転させるモータ、7は、焼成室2を開閉する蓋、8は、焼成室2内の温度を検知するサーミスタを含む温度検知手段、9は、マイクロコンピュータを塔載した制御手段Bで、温度検知手段8の検知温度やメニューの選択、調理スタートを行う入力手段10によって、ヒータ3やモータ5、メニューなどを表示する表示手段11を制御駆動する。
【0017】
次に、入力手段10と表示手段11について、図2に従って説明する。
【0018】
31は、表示手段11を構成する液晶表示装置で、選択しているメニューや調理残時間などを表示するもので、図2は、液晶表示装置31が全セグメントを表示している状態を示している。また、本実施の形態における自動製パン機においては、選択可能メニューは、食パンとフランスパン、パン焼き型乾燥の3メニューとなっている。
【0019】
入力手段10は、メニューを選択するメニュースイッチ32と、調理終了までの残時間を増加させて調理時間を延長するためのタイマースイッチ33と、選択しているメニューを実行するためのスタートスイッチ34と、選択していたメニューやスタートを実行しているメニューをキャンセルするための取消スイッチ35から構成されている。
【0020】
次に、パン焼き型乾燥メニューのシーケンスについて、図3に従って説明する。
【0021】
一度食パンなどを焼き上げたパン焼き型4を洗浄したのち、濡れた状態で、パン焼き型4を、焼成室2内にセットして、蓋7を閉める。
【0022】
次に、メニュースイッチ32を操作して、パン焼き型乾燥メニューを選択して、スタートスイッチ34を操作して、スタートさせる。
【0023】
パン焼き型乾燥メニューのシーケンスは、図3に示すように、まずステップ1に従って動作する。具体的には、温度検知手段8の検知温度が、第1の所定温度(例えば、100℃)に達するまで、ヒータ3を100%で通電して、焼成室2内を加熱する。ここで、温度検知手段8の検知温度の温度勾配が所定以上の場合(例えば、60℃から90℃に達するまでの時間が100秒未満)には、パン焼き型4の未セットと判断して、ヒータ3への通電を停止する。
【0024】
また、温度検知手段8の検知温度が60℃から90℃に達するまでの時間が100秒以上の場合には、そのまま動作を継続して、温度検知手段8の検知温度が100℃に達すると、ステップ2に移行する。
【0025】
ステップ2では、温度検知手段8の検知温度が、第1の所定温度より低い第2の所定温度(例えば、80℃)より低い場合には、ヒータ3を通電率40%で加熱して、検知温度が80℃より高い場合には、ヒータ3への通電を停止する。スタート時から略一定時間(例えば、10分)経過すると、ヒータ3への通電を停止して、メニューを終了する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明にかかる自動製パン機は、短時間に簡単に洗浄後のパン焼き型を乾燥させることができるもので、パン焼き型を改良した餅つき機などにおいても有用である。
【符号の説明】
【0027】
1 自動製パン機本体
2 焼成室
3 ヒータ(加熱手段)
4 パン焼き型
5 モータ
6 練り羽根
7 蓋
8 温度検知手段
9 制御手段B(制御手段)
10 入力手段
11 表示手段
14 制御手段A
31 液晶表示装置
32 メニュースイッチ
33 タイマースイッチ
34 スタートスイッチ
35 取消スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室を開閉する蓋と、前記焼成室内の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段や前記モータを制御する制御手段と、前記制御手段によって制御される製パンコースを選択する入力手段と、前記製パンコースや調理終了時間等を表示する表示手段とを備え、前記製パンメニュー内に、前記パン焼き型を乾燥させる専用のコースを設けた自動製パン機。
【請求項2】
パン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンス時間は、略一定時間とした請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
パン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンスは、温度検知手段の検知温度が第1の所定温度を超えるまでは、加熱手段を100%通電で加熱して、前記温度検知手段の検知温度が、前記第1の所定温度を超えてからは、前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度により温度調整する請求項1または2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
パン焼き型を乾燥させる専用コースのシーケンスは、温度検知手段の検知温度の温度勾配が所定以上の場合には、前記パン焼き型の未セットと判断して、加熱手段への通電を停止する請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−45016(P2012−45016A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186810(P2010−186810)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】