説明

自動販売機

【課題】 購入者のそれぞれの嗜好にあわせて、購入意欲を高め、広告効果の高い情報を表示することができる自動販売機を提供する。
【解決手段】 ディスプレイ駆動部31は、第2制御部30からの画像データ、文字データ及び制御信号に基づいてディスプレイ4を駆動して画像出力を行い、音声出力部32は、第2制御部30からの音声データ及び制御信号に基づいてスピーカ5を駆動して音声出力を行う。ICチップリーダ10は、ICチップAに記憶されたICチップ情報を読取り第2制御部30に送出する。モデム33は、通信回線35、通信アンテナ36等により第2制御部30からの制御信号に基づいて外部からデータを受信し、第2制御部30に送出する。記憶装置34は、複数の部品データを記憶し、第2制御部30の制御信号に基づいてモデム33によって受信したデータを記憶し、又は記憶しているデータを第2制御部30へ送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売可能な商品の情報を含む所定の情報を表示する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機としては、Webサーバを利用して外部の任意のパソコン等から自動販売機に設けられる表示装置の表示データの設定/登録を行い、所望のデータを表示させるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、広告出力機能を有する自動販売機において、広告対象となる地域、商品等の属性に基づいて広告情報を出力するようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−149118号公報
【特許文献2】特開2003−132264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動販売機は、販売者や広告主が考える多くの購入者を対象とした最大公約数的な意見に基づき表示する内容を決定していたため、一人一人の購入者にとって必ずしも購入意欲を高め、広告効果の高い、表示をしていないという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、購入者のそれぞれの嗜好にあわせて、購入意欲を高め、広告効果の高い情報を表示することができる自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、販売可能な商品の情報を含む所定の情報を表示手段によって表示する自動販売機であって、前記所定の情報を表示する要素となる複数の部品データを記憶する記憶手段と、前記複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを含むICチップ情報を外部のICチップから読取る読取手段と、前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成するデータ作成手段とを備え、前記表示手段は前記データ作成手段が作成したデータに基づいて表示を行う手段を有する自動販売機を提案する。
【0007】
上記構成よりなる自動販売機によれば、所定の情報を表示する要素となる複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを含むICチップ情報が外部のICチップから読み取られ、前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成され、作成されたデータに基づいて販売可能な商品の情報を含む所定の情報の表示が行われる。従って、表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0008】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記複数の部品データを記憶する第2記憶手段を有するサーバとネットワークを介して接続する通信手段を備え、前記データ作成手段は、前記表示構成データに基づいて前記通信手段によって受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0009】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記複数の部品データを記憶する第2記憶手段を有するサーバとネットワークを介して接続され、前記表示構成データに基づいて受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、サーバが記憶する複数の部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報を表示することができる。
【0010】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記複数の部品データを前記記憶手段に書き込む書込手段を備え、前記データ作成手段は、前記表示構成データに基づいて前記記憶手段に書き込まれた前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0011】
上記構成よりなる自動販売機によれば、所定間隔ごと受信する前記複数の部品データが記憶され、前記表示構成データに基づいて記憶された前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、所定間隔ごとに記憶手段に記憶している部品データをサーバが記憶する部品データに変更し、変更した部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報を表示することができる。
【0012】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記表示構成データは、前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって前記第2記憶手段が記憶する前記複数の部品データを組み合わせて作成され、前記端末のICチップ書込手段によって前記ICチップに書き込まれたものであり、前記読取手段は、該表示構成データを含むICチップ情報を外部の該ICチップから読取る手段を有する自動販売機を提案する。
【0013】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって、前記第2記憶手段が記憶する前記複数の部品データを組み合わせて前記表示構成データが作成され、前記端末のICチップ書込手段によって前記ICチップに書き込まれた表示構成データを含むICチップ情報が読取られる。従って、ICチップ情報に含まれる表示構成データを変更することができ、変更した表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0014】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記読取手段によって読取られるICチップ情報は表示構成データ以外のデータを含み、前記データ作成手段は、該ICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0015】
上記構成よりなる自動販売機によれば、表示構成データ以外のデータを含むICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、ICチップ情報ごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0016】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記読取手段は、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方を備える自動販売機を提案する。
【0017】
上記構成よりなる自動販売機によれば、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方が備わっている。従って、非接触式ICチップ又は接触式ICチップのうち少なくとも一方のICチップ情報を読取ることができる。
【0018】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つを含む自動販売機を提案する。
【0019】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つが含まれる。従って、部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報の表示を行うことができる。
【0020】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記複数の部品データは音声を含み、前記データ作成手段が作成したデータに基づいて音声を出力する音声出力手段を備える自動販売機を提案する。
【0021】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記複数の部品データは音声が含まれ、
作成したデータに基づいて音声が出力される。従って、部品データに基づいて販売可能な商品に関する音声を出力することができる。
【0022】
また、本発明は前記目的を達成するために、販売可能な商品の情報を含む所定の情報を表示手段によって表示する自動販売機であって、前記所定の情報を表示する要素となる複数の部品データを記憶する記憶手段と、ICチップごとに一意となるICチップ識別データを含むICチップ情報を外部のICチップから読取る読取手段と、前記ICチップ識別データごとに前記複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを記憶する第2記憶手段を有するサーバにネットワークを介して接続する通信手段と、該通信手段によって受信する前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成するデータ作成手段とを備え、前記表示手段は前記データ作成手段が作成したデータに基づいて表示を行う手段を有する自動販売機を提案する。
【0023】
上記構成よりなる自動販売機によれば、ICチップごとに一意となるICチップ識別データを含むICチップ情報が外部のICチップから読み取られ、前記ICチップ識別データごとに所定の情報を表示する要素となる複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを記憶する第2記憶手段を有するサーバにネットワークを介して接続される。さらに、受信する前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成され、作成されたデータに基づいて販売可能な商品の情報を含む所定の情報の表示が行われる。従って、表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0024】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記表示構成データを前記記憶手段に書き込む書込手段を備え、前記データ作成手段は、前記記憶手段に書き込まれた前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0025】
上記構成よりなる自動販売機によれば、所定間隔ごとに受信する前記表示構成データが記憶され、記憶された表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、所定間隔ごとにサーバが記憶する表示構成データに変更し、変更した表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0026】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記第2記憶手段は前記複数の部品データを記憶する手段を有し、前記データ作成手段は、前記表示構成データに基づいて前記通信手段によって受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0027】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記表示構成データに基づいて受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、サーバが記憶する複数の部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報を表示することができる。
【0028】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記複数の部品表示データを前記記憶手段に書き込む第2書込手段を備え、前記データ作成手段は、前記表示構成データに基づいて前記記憶手段に書き込まれた前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する自動販売機を提案する。
【0029】
上記構成よりなる自動販売機によれば、所定間隔ごとに受信する前記複数の部品データが記憶され、前記表示構成データに基づいて記憶された前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、所定間隔ごとに記憶手段に記憶している部品データをサーバが記憶する部品データに変更し、変更した部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報を表示することができる。
【0030】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記第2記憶手段に記憶されているデータは、前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって前記表示構成データが作成されて、前記端末のICチップ読取手段によって読取られた前記ICチップ識別データとともに前記第2記憶手段に書き込まれたものであり、前記データ作成手段は、前記通信手段によって受信する該表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する自動販売機を提案する。
【0031】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって、前記表示構成データが作成され、前記端末のICチップ読取手段に読取られた前記ICチップ識別データとともに前記第2記憶手段に書き込まれた表示構成データが受信され、該表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、サーバに記憶される表示構成データを変更することができる。
【0032】
また、本発明は、前記読取手段によって読取られるICチップ情報は表示構成データ以外のデータを含み、前記データ作成手段は、該ICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段とを有する自動販売機を提案する。
【0033】
上記構成よりなる自動販売機によれば、表示構成データ以外のデータを含むICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータが作成される。従って、ICチップ情報ごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができる。
【0034】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記読取手段は、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方を備える自動販売機を提案する。
【0035】
上記構成よりなる自動販売機によれば、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方が備わっている。従って、非接触式ICチップ又は接触式ICチップのうち少なくとも一方のICチップ情報を読取ることができる。
【0036】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つを含む自動販売機を提案する。
【0037】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つが含まれる。従って、部品データに基づいて販売可能な商品に関する情報の表示を行うことができる。
【0038】
また、本発明は、上記構成の自動販売機において、前記複数の部品データは音声を含み、前記データ作成手段が作成したデータに基づいて音声を出力する音声出力手段を備える自動販売機を提案する。
【0039】
上記構成よりなる自動販売機によれば、前記複数の部品データは音声が含まれ、
作成したデータに基づいて音声が出力される。従って、部品データに基づいて販売可能な商品に関する音声を出力することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の自動販売機によれば、外部のICチップのICチップ情報含まれる表示構成データに基づいて複数の部品データを組み合わせることにより、表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、ICチップを所有する購入者のそれぞれの嗜好にあわせて、購入意欲を高め、広告効果の高い情報を表示することが可能となる。
【0041】
また、ネットワークを介してサーバが記憶する複数の部品データを受信し、ICチップ情報に表示構成データを書き込むことにより、サーバが記憶する部品データに基づくタイムリーな情報を表示することができるとともに、変更した表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、変更した表示構成データに基づく購入者のそれぞれの嗜好の変化を反映させた表示をすることが可能となる。
【0042】
さらに、ICチップ情報に基づいて複数の部品データを組み合わせることにより、ICチップ情報ごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、購入者のそれぞれの無意識な嗜好を反映させた表示をすることが可能となる。
【0043】
本発明の前記目的とそれ以外の目的、構成特徴、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明の第1実施形態における自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図、図3は本発明の第1実施形態におけるネットワークを介するデータ送受信を示す機能ブロック図、図4は本発明の第1実施形態における表示構成データを説明する図、図5は図1に示した自動販売機の商品表示の流れを示すフローチャートである。
【0045】
まず、図1を参照して自動販売機1の構造を説明する。
【0046】
外扉2は自動販売機1の前面に開閉自在に設けられており、この外扉2の表面上部には化粧パネル3が設けられている。この化粧パネル3は商品名や商品メーカ名等を文字で表示するための広告部3aと、ディスプレイ4の表示面を露出するための窓穴3bと、左右のスピーカ5を有している。
【0047】
ディスプレイ4は静止画、動画、文字等を表示するためのもので、その表示面が窓穴3bから露出するように化粧パネル3の内側に配置されている。なお、ディスプレイ4は例えば液晶ディスプレイであり、同様の表示を可能としたものであれば、周知のCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。
【0048】
スピーカ5は音声等を出力するためのもので、ディスプレイ4の下方両側に配置されている。なお、スピーカ5はステレオ方式等による立体的な音響効果を得るため2個以上設けることが好ましいが、1個であってもよい。
【0049】
また、外扉2の前面中央には、ロック操作レバー6、硬貨投入口7、返却レバー8、紙幣投入口9、ICチップリーダ10が設けられている。
【0050】
ロック操作レバー6は外扉2内に設けられたロック機構(図示せず)を動作させるためのもので、専用キーによって使用可能な状態となる。
【0051】
ICチップリーダ10は外部のICチップA、例えば非接触ICカードや非接触ICチップ搭載型携帯電話のICチップ、に記憶された情報を読取るためのものである。なお、ICチップリーダ10は非接触式のものに限らず、接触式のものや非接触式と接触式の両方を備えたものであってもよく、また、ICチップリーダ/ライタであってもよい。
【0052】
また、外扉の表面下部には、硬貨返却口11、商品取出口12が設けられており、商品取出口12には、手動により開放可能なフラップドア13が設けられている。
【0053】
次に、図2を参照して図1に示した自動販売機1の制御系構成について説明する。
【0054】
第1制御部20は商品の温調及び搬出等を主として制御するためのもので、第2制御部30はディスプレイ4、スピーカ5の出力及び外部とのデータ通信等を主として制御するためのものである。第1制御部20と第2制御部30はそれぞれCPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータから成り、制御において必要なデータの交換を相互に行うことができる。なお、第1制御部20と第2制御部30は一台のコンピュータで構成してもよいことは言うまでない。
【0055】
第1制御部20には、硬貨処理機21、紙幣識別機22、搬出駆動部23、圧縮機駆動部24、ヒータ駆動部25、温調設定器26が接続されている。
【0056】
硬貨処理機21と紙幣識別機22は外扉2内に配置されていて、硬貨処理機21は硬貨投入口7を通じて投じられた硬貨の真偽識別と計数と貯蔵を行い、投入硬貨の金額に関するデータを第1制御部20に送出する。紙幣識別器22は紙幣投入口9を通じて投入された紙幣の真偽識別と貯蔵を行い、投入紙幣の金額に関するデータを第1制御部20に送出する。
【0057】
搬出駆動部23は、商品収納ラック(図示せず)に設けられ、商品を落下搬出するためのベンド機構27の動作、詳しくはベンド機構27に用いられるソレノイド等のアクチュエータの動作を制御するためのもので、第1制御部20からの制御信号に基づいて所定のベンド機構27を動作させて所期の商品搬出を行う。
【0058】
圧縮機駆動部24は、冷凍機を構成する圧縮機28の動作、詳しくは圧縮機28を駆動するためのモータの運転を制御するためのもので、第1制御部20からの制御信号に基づいて所期の圧縮機駆動を行う。
【0059】
ヒータ駆動部25は、冷凍機を構成する複数のヒータ29への通電を制御するためのもので、第1制御部20からの制御信号に基づいて所期のヒータ29への通電を行う。
【0060】
温調設定器26は、冷却と加温等の複数のモードから何れか1つを選択するためのもので、モード選択用の押しボタンスイッチ等を備え、選択されたモードに関するデータを第1制御部20に送出する。
【0061】
第2制御部30には、ディスプレイ駆動部31と、音声出力部32と、ICチップリーダ10と、モデム33と、記憶装置34とが接続されており、ディスプレイ駆動部31及び音声出力部32に送出するデータを作成する手段とモデム33を介して受信するデータを記憶装置34に書き込む手段を有する。
【0062】
ディスプレイ駆動部31は、外扉2に設けられたディスプレイ4の出力を制御するためのもので、第2制御部30からの画像データ、文字データ及び制御信号に基づいてディスプレイ4を駆動して所期の画像表示を行う。
【0063】
音声出力部32は、第2制御部30からの音声データ及び制御信号に基づいてスピーカ5を駆動して所期の音声出力を行う。
【0064】
ICチップリーダ10は、ICチップAに記憶されたICチップ情報を読取るためのもので、読み取ったICチップ情報を第2制御部30に送出する。なお、電子マネー機能を搭載したICチップAに対応して、硬貨処理機21と紙幣識別機22に代えて、又は硬貨処理機21と紙幣識別機22と共に、金額に関するデータを送出し、金額に関するデータをICチップに書き込むようにしてもよい。その際には、ICチップリーダ10は、ICチップリーダ/ライタとなる。
【0065】
モデム33は、通信回線35、通信アンテナ36等を利用して外部のサーバ等との間で有線又は無線によりデータ通信を行うためのもので、第2制御部30からの制御信号に基づいて外部からデータを受信し、第2制御部30に送出する。なお、通信回線35及び通信アンテナ36はどちらか一方のみでもよい。
【0066】
記憶装置34は、商品の情報を含む所定の情報を表示する要素となる複数の部品データ、例えば商品画像データ、背景動画データ、ニュース文字データ、効果音声データ等、を記憶するためのもので、第2制御部30の制御信号に基づいてモデム33によって受信したデータを記憶し、又は記憶しているデータを第2制御部30へ送出する。
【0067】
次に、図3及び図4を参照して第1実施形態におけるネットワークを介するデータ送受信について説明する。
【0068】
サーバSはハードディスク等の大容量記憶装置(図示せず)を有し、複数の部品データを含む自動販売機1に関するデータを記憶しており、複数の部品データを適宜最新データに変更している。
【0069】
第2制御部30は、モデム33に接続する通信回線35又は通信アンテナ36によってネットワークNを介してサーバSに接続することができ、所定間隔ごとにサーバが記憶する部品データを受信して、記憶装置34に書き込む。なお、部品データは定期的にサーバSから受信して記憶装置34に書き込む場合に限らない。必要に応じてサーバSから受信して記憶装置34に書き込まないようにしてもよいし、サーバSから受信せずに商品補充のときにメモリーカードやCD−ROM等の媒体によって記憶装置34に書き込むようにしてもよい。
【0070】
ICチップAに記憶されたICチップ情報には表示構成データが含まれている。表示構成データは複数の部品データの所定の組合せを示すものであり、例えば、複数の部品データを複数の属性に分類し、属性の種類ごとに定めたコードを組み合わせたものである。図4に示すように、商品、ボタン、背景、効果音、ニュース、といった属性に対してそれぞれ選択可能な種類とその種類に対するコードが定められている場合、最初の二桁が商品のコードを表し、次の二桁がボタンのコードを表し、次の二桁が背景のコードを表し、次の二桁が効果音のコードを表し、次の二桁がニュースのコードを表す、といった表示構成データが作成される。なお、表示構成データは複数の部品データを複数の属性に分類する場合に限定されず、部品データそのものにコードを定め、部品データのコードを組み合わせたものであってもよい。
【0071】
表示構成データは図3に示す端末Tを用いて、ネットワークNを介してサーバSに接続し、サーバに記憶されている複数の部品データを組み合わせて作成することができる。作成した表示構成データは、端末Tが有するICチップライタTaによってICチップAに書き込まれる。従って、ICチップ情報に含まれる表示構成データを変更することができる。なお、サーバSは一台に限らず、性能、機能、通信量、記憶容量等により適宜複数台で構成するようにしてもよい。
【0072】
次に、図5を参照して図1に示した自動販売機1における商品表示の動作について説明する。
【0073】
第2制御部30は、ICチップリーダ10によって外部のICチップAに記憶された表示構成データを含むICチップ情報を読取る(S11)。読み取った表示構成データをコードごとに解読し(S12)、記憶装置34に記憶する複数の部品データまたはモデム33を介して受信する複数の部品データの中から、コードに該当する部品データを組み合わせ、出力するデータを作成する(S13)。
【0074】
第2制御部30は、出力するデータに含まれるデータ種類に応じて、動画、静止画等の画像データや文字データはディスプレイ駆動部31に、音声データは音声出力部32に、制御信号とともに送出し、ディスプレイ4及びスピーカ5を駆動して(S14)、販売可能な商品を表示するとともに、販売キャンペーン等の広告や新商品ニュース等の所定の情報を表示する(S15)。
【0075】
なお、ICチップ情報に表示構成データ以外のデータ、例えば商品購入履歴や駅乗降履歴、ICチップが搭載されたカードの発行会社、ポイント数等、を含めるようにしておき、S13において、これらの購入者の無意識な嗜好を反映したデータも考慮して、複数の部品データを組み合わせるようにしてもよい。
【0076】
このように、上記構成及び動作の自動販売機によれば、外部のICチップAのICチップ情報を読取り、ICチップ情報含まれる表示構成データに基づいて複数の部品データを組み合わせることにより、表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、ICチップを所有する購入者のそれぞれの嗜好にあわせて、購入意欲を高め、広告効果の高い情報を表示することが可能となる。
【0077】
また、ネットワークNを介してサーバが記憶する複数の部品データを所定間隔ごとに又は必要に応じて受信し、ICチップ情報に含まれる表示構成データを変更することにより、サーバが記憶する最新の部品データに基づくタイムリーな情報を表示することができるとともに、変更した表示構成データごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、購入者のそれぞれの嗜好の変化を反映させた表示をすることが可能となる。
【0078】
さらに、表示構成データのみならずICチップ情報に含まれる表示構成データ以外のデータに基づいて複数の部品データを組み合わせることにより、ICチップ情報ごとに販売可能な商品に関する情報の表示を変えることができ、購入者のそれぞれの無意識な嗜好を反映させた表示をすることが可能となる。
【0079】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0080】
図6は本発明の第2実施形態におけるネットワークを介するデータ送受信を示す機能ブロック図、図7は本発明の第2実施形態における自動販売機の商品表示の流れを示すフローチャートである。前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。
【0081】
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態ではICチップ情報にICチップIDやICチップ番号といったICチップAごとに一意となるICチップ識別データが含まれており、サーバSがICチップ識別データごとに表示構成データを記憶していることである。なお、サーバSは複数の部品データを記憶せず、記憶装置34にのみ複数の部品データを記憶していてもよい。
【0082】
第2制御部30は、第1実施形態と同様に、ネットワークNを介してサーバSに接続し、所定間隔ごとにサーバが記憶する表示構成データを受信して、記憶装置34に書き込む。なお、サーバから受信する所定間隔は複数の部品データの所定間隔と異なっていても同じであってもよい。また、表示構成データは定期的にサーバSから受信して記憶装置34に書き込む場合に限らないのは、第1実施形態における複数の部品データの場合と同様である。
【0083】
購入者は図6に示す端末Tを用いて、ネットワークNを介してサーバSに接続し表示構成データを作成し、作成した表示構成データは、端末Tが有するICチップリーダTbによって読み取られたICチップ識別データとともに、サーバSの大容量記憶装置(図示せず)に書き込まれる。
【0084】
商品表示の動作において、図7に示すように、第2制御部30は、ICチップリーダ10によって外部のICチップAに記憶されたICチップ識別データを含むICチップ情報を読取る(S21)。記憶装置34に記憶する表示構成データまたはモデム33を介して受信する表示構成データの中から、読み取ったICチップ識別データに対応する表示構成データを取得する(S22)。以降のS23〜S26の動作は第1実施形態のS12〜S15と同様である。
【0085】
このように、上記構成及び動作の自動販売機によれば、外部のICチップAのICチップ識別情報に表示構成データを含まない場合においても、ICチップ識別データを含むICチップ情報を読取ることにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
なお、本発明の構成及び動作は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1実施形態における自動販売機の正面図
【図2】1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1実施形態におけるネットワークを介するデータ送受信を示す機能ブロック図
【図4】本発明の第1実施形態における表示構成データを説明する図
【図5】図1に示した自動販売機の商品表示の流れを示すフローチャート
【図6】本発明の第2実施形態におけるネットワークを介するデータ送受信を示す機能ブロック図
【図7】本発明の第2実施形態における自動販売機の商品表示の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0088】
1…自動販売機、2…外扉、3…化粧パネル、3a…広告部、3b…窓穴、4…ディスプレイ、5…スピーカ、6…ロック操作レバー、7…硬貨投入口、8…返却レバー、9…紙幣投入口、10…ICチップリーダ、11…紙幣投入口、12…商品取出口、13…フラップドア、20…第1制御部、21…硬貨処理機、22…紙幣識別機、23…搬出駆動部、24…圧縮機駆動部、25…ヒータ駆動部、26…温調設定器、27…ベンド機構、28…圧縮機、29…ヒータ、30…第2制御部、31…ディスプレイ駆動部、32…音声出力部、33…モデム、34…記憶装置、35…通信回線、36…通信アンテナ、A…ICチップ、N…ネットワーク、S…サーバ、T…端末、Ta…ICチップライタ、Tb…ICチップリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売可能な商品の情報を含む所定の情報を表示手段によって表示する自動販売機であって、
前記所定の情報を表示する要素となる複数の部品データを記憶する記憶手段と、
前記複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを含むICチップ情報を外部のICチップから読取る読取手段と、
前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成するデータ作成手段とを備え、
前記表示手段は前記データ作成手段が作成したデータに基づいて表示を行う手段を有する
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記複数の部品データを記憶する第2記憶手段を有するサーバとネットワークを介して接続する通信手段を備え、
前記データ作成手段は、
前記表示構成データに基づいて前記通信手段によって受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記複数の部品データを前記記憶手段に書き込む書込手段を備え、
前記データ作成手段は、
前記表示構成データに基づいて前記記憶手段に書き込まれた前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記表示構成データは、
前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって前記第2記憶手段が記憶する前記複数の部品データを組み合わせて作成され、前記端末のICチップ書込手段によって前記ICチップに書き込まれたものであり、
前記読取手段は、
該表示構成データを含むICチップ情報を外部の該ICチップから読取る手段を有する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記読取手段によって読取られるICチップ情報は表示構成データ以外のデータを含み、
前記データ作成手段は、
該ICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の自動販売機。
【請求項6】
前記読取手段は、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の自動販売機。
【請求項7】
前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の自動販売機。
【請求項8】
前記複数の部品データは音声を含み、
前記データ作成手段が作成したデータに基づいて音声を出力する音声出力手段を備える
ことを特徴とする請求項1乃至7に記載の自動販売機。
【請求項9】
販売可能な商品の情報を含む所定の情報を表示手段によって表示する自動販売機であって、
前記所定の情報を表示する要素となる複数の部品データを記憶する記憶手段と、
ICチップごとに一意となるICチップ識別データを含むICチップ情報を外部のICチップから読取る読取手段と、
前記ICチップ識別データごとに前記複数の部品データの所定の組合せを示す表示構成データを記憶する第2記憶手段を有するサーバにネットワークを介して接続する通信手段と、
該通信手段によって受信する前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成するデータ作成手段とを備え、
前記表示手段は前記データ作成手段が作成したデータに基づいて表示を行う手段を有する
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項10】
前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記表示構成データを前記記憶手段に書き込む書込手段を備え、
前記データ作成手段は、
前記記憶手段に書き込まれた前記表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の自動販売機。
【請求項11】
前記第2記憶手段は前記複数の部品データを記憶する手段を有し、
前記データ作成手段は、
前記表示構成データに基づいて前記通信手段によって受信する前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の自動販売機。
【請求項12】
前記通信手段によって所定間隔ごとに受信する前記複数の部品表示データを前記記憶手段に書き込む第2書込手段を備え、
前記データ作成手段は、
前記表示構成データに基づいて前記記憶手段に書き込まれた前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段を有する
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の自動販売機。
【請求項13】
前記第2記憶手段に記憶されているデータは、
前記サーバにネットワークを介して接続した端末によって前記表示構成データが作成されて、前記端末のICチップ読取手段によって読取られた前記ICチップ識別データとともに前記第2記憶手段に書き込まれたものであり、
前記データ作成手段は、
前記通信手段によって受信する該表示構成データに基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する
ことを特徴とする請求項9乃至12に記載の自動販売機。
【請求項14】
前記読取手段によって読取られるICチップ情報は表示構成データ以外のデータを含み、
前記データ作成手段は、
該ICチップ情報に基づいて前記複数の部品データを組み合わせたデータを作成する手段とを有する
ことを特徴とする請求項9乃至13に記載の自動販売機。
【請求項15】
前記読取手段は、非接触式ICチップリーダ又は接触式ICチップリーダのうち少なくとも一方を備える
ことを特徴とする請求項9乃至14に記載の自動販売機。
【請求項16】
前記複数の部品データは、静止画、動画、文字のうち少なくとも何れか1つを含む
ことを特徴とする請求項9乃至15に記載の自動販売機。
【請求項17】
前記複数の部品データは音声を含み、
前記データ作成手段が作成したデータに基づいて音声を出力する音声出力手段を備える
ことを特徴とする請求項9乃至16に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−65564(P2006−65564A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246962(P2004−246962)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】