説明

自動販売機

【課題】商品の販売効率およびスペース効率の向上を図ることができる自動販売機を提供すること。
【解決手段】本体キャビネット(1)の内部に画成された断熱構造を有する商品収容庫3と、商品収容庫3の内部に配設され、かつ上下方向に沿って延在する商品収納通路21に商品を収納するとともに、払出指令が与えられた場合に商品収納通路21の最下位にある商品を払い出す商品収納ラック20とを備えた自動販売機において、商品収納ラック20に着脱可能となる態様で配設され、該商品収納ラック20に装着された場合には、商品収納通路21を上下に区画して、その上方域に商品を収納するだけの収納空間25を画成する商品棚24を備えたものである。この商品棚24は、縁部に形成された係止片24aが商品収納ラック20の係合孔23に進入することにより該商品収納ラック20に装着されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙パック入り飲料等の商品を収納して販売する自動販売機の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば紙パック入り飲料等の商品を収納して販売する自動販売機として、商品収容庫と商品収納ラックとを備えて構成されたものが知られている。
【0003】
商品収容庫は、自動販売機本体である本体キャビネットの内部に画成された断熱構造を有するものである。商品収納ラックは、商品収納通路の内部に配設され、上下方向に沿って延在する商品収納通路に商品を収納するとともに、払出指令が与えられた場合に商品収納通路の最下位にある商品を払い出すものである。
【0004】
このような自動販売機においては、通常の待機状態においては、商品収納通路に商品が積み重なる態様で収納されており、商品販売時に該当する商品収納ラックに払出指令が与えられて商品収納通路の最下位にある商品が払い出されて販売されることになる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−129842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような自動販売機では、販売時期や商品の種類等によって売れ行きが異なるのが一般的である。このため、売れ行きが好調ではない商品の場合、商品補充時に商品収納通路に収納する商品を少なくすることが考えられるが、そうすると収納された商品のうち最上位にある商品の高さレベルも低くなり、最上位の商品の上方域にはデッドスペースが存在してしまう虞れがあった。また、売れ行きにかかわらず、商品補充時にそれぞれの商品収納通路に等しい数だけ商品を補充した場合には、売れ行きの好調でない商品がいつまでも商品収納ラックに収納される結果、商品の冷却、あるいは加熱を無駄に行うことになり、商品の販売効率も優れたものとはいえなかった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、商品の販売効率およびスペース効率の向上を図ることができる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、自動販売機本体の内部に画成された断熱構造を有する商品収容庫と、前記商品収容庫の内部に配設され、かつ上下方向に沿って延在する商品収納通路に商品を収納するとともに、払出指令が与えられた場合に商品収納通路の最下位にある商品を払い出す商品収納ラックとを備えた自動販売機において、前記商品収納ラックに着脱可能となる態様で配設され、該商品収納ラックに装着された場合には、前記商品収納通路を上下に区画して、その上方域に商品を収納するだけの収納空間を画成する商品棚を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、上述した請求項1において、前記商品棚は、縁部に形成された係止片が前記商品収納ラックの係合孔に進入することにより該商品収納ラックに装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着脱可能となる態様で配設された商品棚が商品収納ラックに装着された場合には、商品収納通路を上下に区画して、その上方域に商品を収納するだけの収納空間を画成するので、売れ行きの良い商品についてはかかる収納空間に収納することができる。これにより、該収納空間に収納された商品は、少なくとも次回の商品補充時までは販売に供されることはないが、商品収容庫の内部で冷却、あるいは加熱することが可能である。そのため、次回以降の商品補充時に、かかる収納空間に収納されて所定の温度にまで冷却、あるいは加熱された商品を該商品が割り当てられた商品収納通路に収納することにより、商品をすぐに販売することが可能になり、販売効率を向上させることができる。特にかかる収納空間を売れ行きが好調ではない商品が割り当てられた商品収納通路に画成することにより、デッドスペースをなくしスペース効率を優れたものにすることができる。従って、商品の販売効率およびスペース効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、例えば紙パック入り飲料等の商品を販売するもので、本体キャビネット1および外扉2を備えている。
【0013】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の形態を成し、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって形成したものである。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口部を覆うのに十分な大きさを有したもので、鋼材により堅牢に形成してある。この外扉2は、本体キャビネット1の前面開口部を開閉可能にする態様で該本体キャビネット1の一側縁部に支承してある。また、図には明示していないが、外扉2には、その前面側に商品見本を展示する展示室と、商品を選択するための商品選択ボタンと、硬貨を投入するための硬貨投入口と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口と、商品を取り出すための商品取出口と、硬貨を返却するための硬貨返却口とが設けてある一方、その背面側に自動販売機の動作を制御するための制御基板と、硬貨投入口から受け入れた硬貨の金銭処理を行う硬貨処理装置と、紙幣挿入口から受け入れた紙幣の金銭処理を行う紙幣処理装置とが設けてある。
【0014】
上記本体キャビネット1の内部には、断熱構造の商品収容庫3が設けてある。より詳細には、本体キャビネット1の内部は、断熱底壁1aにより上下に区画されており、下方側に機械室4が設けてある一方、上方側に商品収容庫3が設けてある。
【0015】
商品収容庫3は、例えば紙パック入り飲料等の商品を所望の温度状態に維持して収容するためのものであり、本体キャビネット1と同様に前面が開口してあり、断熱扉体である内扉(図示せず)により開閉可能となっている。
【0016】
この商品収容庫3の下部には、商品シュータ5が設けてある。商品シュータ5は、後方側(奥方側)から前方側(手前側)に向けて漸次下方に傾斜する態様で形成してあり、後述する商品収納ラック20から払い出された商品を転動させて商品取出口に導くためのものである。この商品シュータ5の下方域には、蒸発器(冷却器)6、ヒータHおよび庫内ファンFが設けてある。
【0017】
蒸発器6は、機械室4に配設された冷凍機である圧縮機7、凝縮器8および膨張機構9等と冷媒配管10を通じて接続されて、封入された冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成し、周囲を通過する空気、すなわち商品収容庫3の内部空気(内部雰囲気)を冷却するためのものである。ヒータHは、通電状態にある場合に、周囲空気、すなわち商品収容庫3の内部空気を加熱するためのものである。
【0018】
庫内ファンFは、蒸発器6により冷却された内部空気を送風して商品収容庫3の内部で循環させる循環手段である。
【0019】
このように商品収容庫3は、内部空気を冷却することにより収容する商品を所望の冷却温度に冷却して維持するものである。尚、図示の例では、本体キャビネット1の内部に商品収容庫3が一つ設けたものであるが、本発明においては、商品収容庫3が本体キャビネット1の内部に複数設けてあっても良い。商品収容庫3が本体キャビネット1の内部に複数(少なくとも2つ)設けてある場合には、その内部に収容した商品を冷却、あるいは加熱した状態でそれぞれ収容できる。
【0020】
そのような商品収容庫3の上壁下面にはスライド手段11が設けてある。スライド手段11は、商品収容庫3の上壁下面に固定した固定レール部11aと、この固定レール部11aに対してスライド可能に支承された中間レール部11bおよび可動レール部11cとを備えて構成したものである。
【0021】
固定レール部11aは、商品収容庫3の左右方向に沿って複数設けてあり、それぞれ前後方向に沿う態様で延在している。可動レール部11cは、図2に示すように、それぞれ中間レール部11bを介して固定レール部11aの前方に向けてスライド移動することが可能であり、個々の下面に商品収納ラック(商品収納装置)20が配設してある。
【0022】
商品収納ラック20は、図3に示すように、商品を上下方向に沿って積み重なる態様で収納する商品収納通路21を画成しており、下部には払出機構22が設けてある。払出機構22は、いわゆるベンドメックと称されるものであり、商品収納通路21に対して進退移動可能となる態様で揺動可能に配設したペダル22aおよび補助ペダル(図示せず)を備えている。
【0023】
ペダル22aは、通常状態において商品収納通路21に向けて進出した状態で保持され、商品に当接することによってその通過を阻止する一方、商品の払出指令が与えられた場合に商品収納通路21から退避する態様で下方に揺動することによって商品の通過を許容するものである。
【0024】
図示していない補助ペダルは、ペダル22aが下方に揺動するに先だって商品収納通路21に進出する態様で突出し、最下位から2番目に位置する商品の下方に当接することによりそれ以上に位置する商品の落下を阻止するものである。
【0025】
つまり、商品収納ラック20は、払出指令が与えられた場合に、ペダル22aおよび補助ペダルの駆動により、その上方域に収納された商品、すなわち商品収納通路21に積み重なる態様で収納された商品のうち、最下位にある商品を下方に払い出すものである。払い出された商品は、商品シュータ5を通じて商品取出口まで搬送されることになる。
【0026】
このような商品収納ラック20の例えば中間位の高さレベルには、前面、後面および一側面に係合孔23が形成してある。そして、任意の商品収納ラック20には、係合孔23に係止片24aが進入する態様で商品棚24が着脱自在に配設してある。
【0027】
商品棚24は、例えば鋼板等を加工して形成された平板部材であり、商品収納ラック20の前面、後面および一側面に対向する縁部にそれぞれ係止片24aが形成してある。これら係止片24aが対応する係合孔23に進入する結果、商品棚24は商品収納ラック20に装着される。商品収納ラック20に装着された商品棚24は、商品収納通路21を上下に区画し、その上方域に商品を積み重ねて収納するための収納空間25を画成するものである。
【0028】
図4は、上記自動販売機の特徴的な制御系を示すブロック図である。かかる図4を用いながら上記自動販売機についてさらに説明する。この図4に示すように、上記自動販売機は、下部サーミスタ(第1温度検知手段)26、上部サーミスタ(第2温度検知手段)27および制御ユニット(制御手段)30を備えている。
【0029】
下部サーミスタ26は、図1に示すように、商品収容庫3の下部に配設してあり、商品収納通路21に収納された商品のうち最下位にある商品の近傍の温度を検知する検知手段である。
【0030】
上部サーミスタ27は、図1に示すように、商品収容庫3の上部に配設してあり、商品収納通路21に収納された商品のうち最上位にある商品の近傍の温度を検知する検知手段である。
【0031】
制御ユニット30は、上部サーミスタ27および下部サーミスタ26の検知結果に応じて、圧縮機7および庫内ファンFの駆動を制御するものである。尚、本実施の形態では、制御ユニット30として独立して例示しているが、制御ユニット30は、自動販売機の動作を統括的に制御する制御ボックスに組み込まれているものであっても構わないし、制御ボックスとは別個に設けたものであっても構わない。
【0032】
このような制御ボックスは、冷却制御部31と循環制御部32とを備えている。冷却制御部31は、所定のプログラムに従って圧縮機7の駆動を制御する冷却制御を行うものであり、入力処理部311、比較部312および圧縮機駆動処理部313を備えている。
【0033】
入力処理部311は、下部サーミスタ26で検知された下部温度(第1検知温度)を入力処理するものである。
【0034】
比較部312は、冷却制御用メモリ31aに予め記憶されている第1基準温度情報を読み出して第1基準温度情報に含まれる第1基準温度範囲と、入力処理部311を通じて入力処理された下部温度とを比較するものである。ここで、第1基準温度範囲は、蒸発器(冷却器)6の冷却量を所望の範囲に調整するために予め決められたものであり、第1基準温度情報として冷却制御用メモリ31aに記憶されている。より詳細に述べると、この第1基準温度範囲は、次の販売機会の際に払い出される可能性のある商品、すなわち最下位にある商品を販売時に求められる温度状態(適温状態)にするために決められたものである。
【0035】
圧縮機駆動処理部313は、比較部312を通じての比較結果に応じて圧縮機7の駆動処理を行うものである。具体的には、圧縮機7をオン・オフ制御、すなわち圧縮機7を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
【0036】
循環制御部32は、所定のプログラムに従って庫内ファンFの駆動を制御する循環制御を行うものであり、入力処理部321、比較部322および庫内ファン駆動処理部323を備えている。
【0037】
入力処理部321は、上部サーミスタ27で検知された上部温度(第2検知温度)を入力処理するものである。
【0038】
比較部322は、循環制御用メモリ32aに予め記憶されている第2基準温度情報を読み出して第2基準温度情報に含まれる第2基準温度範囲と、入力処理部321を通じて入力処理された上部温度とを比較するものである。ここで、第2基準温度範囲は、庫内ファンFの送風量を調整して商品収容庫3の内部空気の循環量を所望の範囲に調整するために予め決められたものであり、第2基準温度情報として循環制御用メモリ32aに記憶されている。また、第2基準温度範囲は、第1基準温度範囲よりも全体的に高いものとされており、より詳細には、次の販売機会の際に払い出される可能性の低い商品、すなわち最上位の商品等を適温状態にまで冷却しなくても品質が低下しない程度に冷却するために決められたものである。
【0039】
庫内ファン駆動処理部323は、比較部322を通じての比較結果に応じて庫内ファンFの駆動処理を行うものである。具体的には、庫内ファンFの回転数を増大させたり、低減させたりするものである。庫内ファンFの回転数を増大させると、図1中の矢印Aに示すように内部空気は庫内全体を循環することになり、庫内ファンFの回転数を低減させると、図1中の矢印Bに示すように内部空気は庫内下部を循環することになる。
【0040】
図5および図6は、制御ユニットが実施する冷却制御および循環制御の処理内容を示すフローチャートである。これら冷却制御および循環制御は、予め設定されたタイムスケジュールに従って個別に行われるものである。これらの図を参照しながら各処理内容を説明することにより、自動販売機の動作を説明する。
【0041】
図5に示す冷却制御において制御ユニット30の冷却制御部31は、圧縮機7が駆動している場合(ステップS101:Yes)には次のような処理を行う。すなわち、入力処理部311を通じて下部サーミスタ26より検知された下部温度を入力した場合(ステップS102:Yes)、冷却制御部31は、比較部312を通じて冷却制御用メモリ31aから第1基準温度情報を読み出し(ステップS103)、ステップS102で入力した下部温度が第1基準温度範囲の下限値を下回っているか否かを比較する(ステップS104)。
【0042】
下部温度が第1基準温度範囲の下限値を下回っている場合(ステップS104:Yes)、冷却制御部31は、圧縮機駆動処理部313を通じて圧縮機7を駆動停止させ(ステップS105)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0043】
これによれば、蒸発器6による商品収容庫3の内部空気の冷却量が低減し、商品収容庫3の内部空気の温度が徐々に上昇する方向に推移することになる。
【0044】
下部温度が第1基準温度範囲の下限値を下回っていない場合(ステップS104:No)、冷却制御部31は、圧縮機7の駆動を維持させて(ステップS106)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0045】
一方、冷却制御部31は、圧縮機7が駆動していない場合(ステップS101:No)には次のような処理を行う。すなわち、入力処理部311を通じて下部サーミスタ26より検知された下部温度を入力した場合(ステップS107:Yes)、冷却制御部31は、比較部312を通じて冷却制御用メモリ31aから第1基準温度情報を読み出し(ステップS108)、ステップS107で入力した下部温度が第1基準温度範囲の上限値を超えているか否かを比較する(ステップS109)。
【0046】
下部温度が第1基準温度範囲の上限値を超えている場合(ステップS109:Yes)、冷却制御部31は、圧縮機駆動処理部313を通じて圧縮機7を駆動させ(ステップS110)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0047】
これによれば、蒸発器6による商品収容庫3の内部空気の冷却量が増大し、商品収容庫3の内部空気の温度が徐々に下降する方向に推移することになる。
【0048】
下部温度が第1基準温度範囲の上限値を超えていない場合(ステップS109:No)、冷却制御部31は、圧縮機7の駆動停止を維持させて(ステップS111)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0049】
図6に示す循環制御において制御ユニット30の循環制御部32は、入力処理部321を通じて上部サーミスタ27より検知された上部温度を入力した場合(ステップS201:Yes)、循環制御部32は、比較部322を通じて循環制御用メモリ32aから第2基準温度情報を読み出し(ステップS202)、ステップS201で入力した上部温度が第2基準温度範囲の上限値を超えているか否かを比較する(ステップS203)。
【0050】
上部温度が第2基準温度範囲の上限値を超えている場合(ステップS203:Yes)、循環制御部32は、庫内ファン駆動処理部323を通じて庫内ファンFの回転数を増大させ(ステップS204)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0051】
これによれば、商品収容庫3の内部空気が庫内全体を循環するので、商品収容庫3の下部の冷却された内部空気が徐々に上昇する方向に推移して、商品収容庫3の商品収納ラック20の上部に収納された商品を適温に冷却することが可能になる。
【0052】
一方、上部温度が第2基準温度範囲の下限値未満の場合(ステップS203:No,ステップS205:Yes)、循環制御部32は、庫内ファン駆動処理部323を通じて庫内ファンFの回転数を低減させ(ステップS206)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0053】
これによれば、商品収容庫3の内部空気が庫内下部を循環するので、商品収容庫3の商品収納ラック20の上部に収納された商品が過剰に冷却されることを回避することが可能になり、消費電力が低減される。
【0054】
上部温度が第2基準温度範囲内にある場合(ステップS203:No,ステップS205:No)、循環制御部32は、庫内ファンFの回転数を維持して(ステップS207)、手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0055】
以上説明したように、本発明の実施の形態である自動販売機によれば、着脱可能な商品棚24が該商品収納ラック20に装着された場合には、商品収納通路21を上下に区画して、その上方域に商品を積み重ねて収納する可能な収納空間25を画成するので、売れ行きの良い商品についてはかかる収納空間25に収納することができる。これにより、該収納空間25に収納された商品は、少なくとも次回の商品補充時までは販売に供されることはないが、商品収容庫3の内部で冷却、あるいは加熱することが可能である。そのため、次回以降の商品補充時に、かかる収納空間25に収納されて所定の温度にまで冷却、あるいは加熱された商品を該商品が割り当てられた商品収納通路21に収納することにより、商品をすぐに販売することが可能になり、販売効率を向上させることができる。特にかかる収納空間25を売れ行きが好調ではない商品が割り当てられた商品収納通路21に画成することにより、デッドスペースをなくしスペース効率を優れたものにすることができる。従って、商品の販売効率およびスペース効率の向上を図ることができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更をおこなうことができる。
【0057】
例えば、上述した実施の形態では、上部サーミスタ27は、商品収容庫3の上部に配設してあったが、かかる上部サーミスタ27は、商品収納通路21に収納された商品のうち最上位にある商品の近傍の温度を検知できれば良く、かかる最上位にある商品の近傍の温度を検知できる位置であればどこに配設しても構わない。また、最上位にある商品は、販売毎に徐々に下方に移動する傾向にあるため、かかる上部サーミスタ27も、最上位の商品とともに徐々に下方に移動する態様で配設しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明に係る自動販売機は、例えば紙パック入り飲料等の商品を収納した販売するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態である自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。
【図2】図1に示したスライド手段により商品収納ラックが前方に引き出された状態を示す説明図である。
【図3】図1に示した商品収納ラックを示す斜視図である。
【図4】図1に示した自動販売機の特徴的な制御系を示すブロック図である。
【図5】制御ユニットが実施する冷却制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】制御ユニットが実施する循環制御の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 本体キャビネット
3 商品収容庫
6 蒸発器
7 圧縮機
20 商品収納ラック
21 商品収納通路
22 払出機構
23 係合孔
24 商品棚
24a 係止片
25 収納空間
26 下部サーミスタ
27 上部サーミスタ
30 制御ユニット
31 冷却制御部
311 入力処理部
312 比較部
313 圧縮機駆動処理部
32 循環制御部
321 入力処理部
322 比較部
323 庫内ファン駆動処理部
F 庫内ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機本体の内部に画成された断熱構造を有する商品収容庫と、
前記商品収容庫の内部に配設され、かつ上下方向に沿って延在する商品収納通路に商品を収納するとともに、払出指令が与えられた場合に商品収納通路の最下位にある商品を払い出す商品収納ラックと
を備えた自動販売機において、
前記商品収納ラックに着脱可能となる態様で配設され、該商品収納ラックに装着された場合には、前記商品収納通路を上下に区画して、その上方域に商品を収納するだけの収納空間を画成する商品棚を備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記商品棚は、縁部に形成された係止片が前記商品収納ラックの係合孔に進入することにより該商品収納ラックに装着されることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−20396(P2010−20396A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177957(P2008−177957)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】