自動販売機
【課題】不正アクセスを有効に防止する。不正アクセスによるトラフィックの増大を防ぐ。
【解決手段】 自動販売機によるインターネット接続サービスの対価を電子マネーにより決済するに際して、利用者が所持する電子マネーＩＤを自動販売機に提示し、該電子マネーＩＤに基づき上位の管理サーバで決済を行う。利用者が使用する端末機の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス）が電子マネーＩＤ情報に対応付けられており、自動販売機に提示した電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを取得し、該自動販売機にアクセスしてきた端末機の機器ＩＤと該電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤとを照合し、一致していれば、インターネット接続を許可する。
【解決手段】 自動販売機によるインターネット接続サービスの対価を電子マネーにより決済するに際して、利用者が所持する電子マネーＩＤを自動販売機に提示し、該電子マネーＩＤに基づき上位の管理サーバで決済を行う。利用者が使用する端末機の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス）が電子マネーＩＤ情報に対応付けられており、自動販売機に提示した電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを取得し、該自動販売機にアクセスしてきた端末機の機器ＩＤと該電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤとを照合し、一致していれば、インターネット接続を許可する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インターネット接続サービスを提供する機能を備えた自動販売機に関する。
【背景技術】
【０００２】
公衆インターネット接続サービスとして、都市内の任意の地域に構築された無線式ローカルエリアネットワーク（以下、「無線ＬＡＮ」と略称する）を利用するシステムがあることは公知である。しかし、従来公知の公衆無線ＬＡＮ利用インターネット接続サービスにおいては、各利用者が個別にインターネットプロバイダと無線ＬＡＮによるインターネット利用契約を結んでおく必要があったので、誰でもが簡便に利用できるものではなかった。
【０００３】
これに対して、下記特許文献１においては、自動販売機に無線ＬＡＮアクセスポイントの機能を備えさせ、利用者が自動販売機に料金を投入することにより該無線ＬＡＮアクセスポイントを使用する権利を所定時間分だけ購入し、該購入した時間分だけ利用者のパーソナルコンピュータ（以下、「パソコン」と略称する）又はＰＤＡ等の端末機を該無線ＬＡＮアクセスポイントを介してインターネットに接続させるようにした発明が示されている。しかし、この特許文献１に示された発明は、利用者が特定場所に設置された自動販売機における無線ＬＡＮアクセスポイントの使用権を時間購入できるだけのものにすぎないので、利用者が予め特定のインターネットプロバイダと無線ＬＡＮ利用契約を結んでいなければ、インターネット接続ができないという不都合がある。
【０００４】
一方、下記特許文献２においては、自動販売機においてローカルエリアネットワークを構築する手段（アクセスポイント）を具備すると共にインターネット接続を行うための通信インターフェースを具備し、利用者のパソコン等の端末機を該ローカルエリアネットワーク経由で通信インターフェースを介して当該自動販売機の管理者が契約している所定のプロバイダに接続し、該所定のプロバイダを介して該利用者のパソコン等の端末機をインターネットに接続させるようにした発明が示されている。これによれば各利用者が個別に特定のインターネットプロバイダと無線ＬＡＮによるインターネット利用契約を結んでおく必要がないので、任意の利用者であっても、簡便にインターネット接続サービスを受けることができる。
【０００５】
ところで、特許文献２に示された発明における利用者のアクセス方式は、利用者が購入したいインターネット接続サービスの対価を現金又は電子マネーで支払うと、自動販売機から利用ＩＤが発行され、利用者のパソコンからこの利用ＩＤを入力することでローカルエリアネットワーク（無線ＬＡＮ）のアクセスポイントに接続できるようになっている。その際、自動販売機のアクセスポイントでは、常に電源ＯＮとなっていて、任意の利用者からの利用ＩＤがエントリされることを待ち受けており、何らかのＩＤエントリがなされると、その情報を自動販売機内部の制御装置に伝達し、該制御装置において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を随時行えるような態勢となっている。そのため、不正利用を意図する利用者が、当該自動販売機のローカルエリアネットワーク（無線ＬＡＮ）の有効エリア内に入り、自己のパソコンから任意のＩＤをエントリした場合、自動販売機のアクセスポイントではエントリされたＩＤを無条件に受け付けて自動販売機内部の制御装置に伝達し、該制御装置において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行わねばならず、該アクセスポイントにおける処理が絶えず活性化され、該アクセスポイントに余計なトラフィック（負荷データ）が加えられることになる。このようなトラフィック（負荷データ）の増大は、自動販売機のローカルエリアネットワークの限りある資源を無駄に費やすことになるので、正規利用者の接続状態を不安定にするという不都合をもたらし、また、その間アクセスポイントにおける処理が活性化され続けるために消費電力等の浪費ももたらす。そして、ついには不正利用者がエントリした利用ＩＤがたまたま正規のＩＤに一致したとすると、不正なインターネット接続が許されてしまうことになる、という不都合もある。更に、不正利用者が自動販売機から正規に発行された利用ＩＤを不正に知得してエントリするケースも起こり得るが、従来技術ではそのような不正利用を防ぐことができなかった。
【０００６】
更に、特許文献２に示された発明においては、個別の自動販売機それ自体がインターネット用の通信インターフェースを介して直接インターネットに接続される構成となっているので、個別の自動販売機それ自体がインターネット接続を制御する管理機能（インターネットサーバー機能）を持たねばならない。従って、複数の自動販売機でインターネット接続サービスシステムを組む場合、無駄が多いシステムとなってしまう。
【０００７】
一方、図６に示すように、自動販売機１を外部の管理サーバ２とを所定の通信回線網３（例えばＦＯＭＡ：Freedom Of Mobile Multimedia Access：マルチメディアの移動体のアクセスの自由）に接続し、自動販売機１にアクセスしてきた利用者端末機のインターネット接続の許可／不許可の制御を該管理サーバ２の側で行うシステムも考えられている。この場合、個別の自動販売機１それ自体がインターネット接続を制御する管理機能（インターネットサーバー機能）を持つ必要がないので、複数の自動販売機でインターネット接続サービスシステムを組むのに適している。この場合、個別の自動販売機１は、インターネット接続サービスに関しては、無線ＬＡＮのアクセスポイント（ＡＰ）装置、通信回線網３を介してサーバ２に接続するためのモデム装置、及びこれらを制御する制御装置を具備していればよい。しかし、このようなシステムにおいても、利用者のアクセス方式は、特許文献２と同様のものであったため、上述と同様の問題が生じる。
【０００８】
すなわち、自動販売機１のアクセスポイントＡＰでは、常に電源ＯＮとなっていて、任意の利用者からの利用ＩＤがエントリされることを待ち受けており、何らかのＩＤエントリがなされると、その情報を通信回線網３を介してサーバ２に伝達し、該サーバ２において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行い、接続可であれば、当該利用者の端末機を自動販売機１のアクセスポイントＡＰ、通信回線網３、及び該サーバ２を介してインターネットに接続させる。この場合、自動販売機のアクセスポイントＡＰの有効エリア内に入った端末機は、無条件で通信回線網３を経由しサーバ２までアクセスし得る。そのため、不正利用を意図する利用者が、当該自動販売機のアクセスポイントＡＰの有効エリア内に入り、自己のパソコンから任意のＩＤをエントリした場合、自動販売機１のアクセスポイントＡＰではエントリされたＩＤを無条件に受け付けて通信回線網３を介してサーバ２に伝達し、該サーバ２において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行わねばならず、該アクセスポイントＡＰ及び通信回線網３が絶えず活性化され、該アクセスポイントＡＰ及び通信回線網３に余計なトラフィック（負荷データ）が加えられることになる。このようなトラフィック（負荷データ）の増大は、自動販売機１のローカルエリアネットワークの限りある資源を無駄に費やすことは勿論のこと、自動販売機１とサーバ２とを接続する通信回線網３の限りある資源を無駄に費やすことにもなるので、正規利用者のインターネット接続状態を不安定にするという不都合をもたらする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００５−１６５６５７９号
【特許文献２】特開２００９−１５７６５８号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用できるように工夫した自動販売機を提供しようとするものである。更には、不正アクセスによるトラフィックの増大を防ぎ、インターネット接続サービスの提供を適正に運用できるように工夫した自動販売機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明に係る自動販売機は、利用者が購入品目を選択するために該利用者によって操作される品目選択手段と、ここで、該品目選択手段によって選択される品目には、利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれており、利用者の操作に従って、電子マネー決済のために使用する電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる入力手段と、前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得する取得手段と、外部の管理サーバと通信するための第１の通信手段と、ここで、該管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する機能と、インターネットへの接続を制御する機能を持ち、利用者が携帯する端末機と通信するための第２の通信手段と、前記第２の通信手段にアクセスしてきた端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る読み取り手段と、前記管理サーバにおいて管理する前記電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、前記入力手段を介して提示された前記電子マネーＩＤ情報を前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに送信する決済処理手段と、前記取得手段を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、前記読み取り手段を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する照合手段と、前記品目選択手段によって選択された購入品目に前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくとも前記照合手段によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することを許可する接続制御手段とを具備し、前記接続制御手段によって前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することが許可されたとき、前記第２の通信手段を介して接続されている該端末機を更に前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに接続し、該管理サーバ経由で該端末機をインターネットに接続させることを特徴とする。
【００１２】
本発明によれば、自動販売機によるインターネット接続サービスを電子マネーにより決済するものとし、その決済に際しては電子マネーＩＤ情報（例えば電子マネーとして機能する個別のギフト券又はカード等の媒体に付された固有のＩＤを示す情報、あるいは特定の価値を付与された電子マネーそのものに付された固有のＩＤを示す情報など）を使用するものとし、そのような電子マネーＩＤ情報を用いた決済を可能にするために上位の管理サーバを使用している。そして、電子マネーＩＤ情報に機器ＩＤを対応付けるものとし、決済に用いる電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに該当する固有の機器ＩＤを持つ端末機が、当該自動販売機によるインターネット接続サービスを受けることができるようにしている。なお、特定の電子マネーＩＤ情報に対する特定の機器ＩＤの対応付けは、当該電子マネーＩＤが発行されたとき等、予め適宜になされるものとする。これにより、利用者が携帯する端末機の機器ＩＤが、決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに一致しない場合は、インターネット接続サービスを許可しないものとするので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用することができるようになる。また、インターネット接続サービス使用対価の決済を上位の管理サーバで行うようにしているので、端末の利用者は、自己が所持する電子マネーのＩＤのみを提示すればよく、簡便であり、セキュリティの面でも優れている。また、個々の自動販売機においてインターネット接続サービス用の電子マネー決済機能を持つ必要がないので、構成が簡単であり、既存の自動販売機へのインターネット接続サービス機能の導入が行い易いものとなる。
【００１３】
好ましい実施態様においては、前記第２の通信手段は、前記取得手段を介して前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた前記機器ＩＤが取得された後に、前記利用者が携帯する端末機との通信を開始する。これにより、利用者が携帯する端末機は、従来のように自動販売機のアクセスポイントの有効エリア内に入っただけでは、該アクセスポイントにアクセスできないこととなり、不正利用によるトラフィックの増大を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施例に係る自動販売機の内部構成の概略ブロック図及び該自動販売機１を含むインターネット接続サービスシステムのブロック図。
【図２】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第一例を示すシーケンス図。
【図３】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第二例を示すシーケンス図。
【図４】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第三例を示すシーケンス図。
【図５】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第四例を示すシーケンス図。
【図６】自動販売機を用いたインターネット接続サービスシステムの従来例を示すブロック図。
【００１５】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図１は、本発明の一実施例に係る自動販売機１０の内部構成の概略ブロック図及び該自動販売機１０を含むインターネット接続サービスシステムのブロック図である。自動販売機１０は、公知の自動販売機が持つ装置及び機構に加えて、本発明に関連する電子マネー端末装置２０を具備している。
【００１６】
まず、本発明に係る自動販売機１０を含むインターネット接続サービスシステムの前提的事項について説明する。このインターネット接続サービスシステムにおいては、自動販売機１０によるインターネット接続サービスを電子マネーにより決済するものとし、その決済に際しては電子マネーＩＤ情報（例えば電子マネーとして機能する個別のギフト券又はカード等の媒体に付された固有のＩＤを示す情報、あるいは物理的媒体に付されることなく、特定の金銭的価値を付与された電子マネーそのものに付された固有のＩＤを示す情報など）を使用するものとし、そのような電子マネーＩＤ情報を用いた決済を可能にするために上位の管理サーバ５０を使用している。つまり、管理サーバ５０が、個別の電子マネーＩＤ毎に該電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を管理する。その場合の電子マネーとしては、ギフト券、クーポン券、ポイント累積値など、どのような性格のものであってもよい。すなわち、現金以外の金銭に代替し得る価値を持つ何ものかを本発明における「電子マネー」と言う。そして、本発明においては、電子マネーは個別の電子マネーＩＤを用いて所定の管理サーバ５０で管理される。例えば、個別のギフト券に対して特定の電子マネーＩＤが付与され、該ギフト券つまり電子マネーＩＤが持つ金銭的価値は所定の管理サーバ５０によって管理される。つまり、管理サーバとしての権限を有さない者は電子マネーＩＤを知得又は認識しただけではそれが持つ金銭的価値が分からず、所定の管理サーバを介在させることで初めてその金銭的価値が判明する。なお、このようなサーバ管理型のギフト券等については既に公知の概念である。
【００１７】
更に、本発明においては、利用者が所持する特定の電子マネーＩＤ情報に対応付けて、当該利用者が当該インターネット接続サービスシステムで使用する端末機（パソコン、ＰＤＡ、電子ゲーム機等）を特定する固有の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス：メディア・アクセス・コントロール・アドレス）を管理サーバ又は該電子マネーＩＤ情報を記録した媒体に登録するものとする。そして、インターネット接続サービスの利用対価の決済に際して使用しようとする電子マネーＩＤと、該インターネット接続サービスで使用する端末機の機器ＩＤとの対応付けが登録済のものと合致している場合にインターネット接続サービスの利用を許可するようにしている。なお、電子マネーＩＤと特定の端末機の機器ＩＤとの対応付けの登録は、どのような機会にどのような手法で行ってもよい。例えば、当該電子マネーＩＤの発行時に特定の端末機の機器ＩＤとの対応付けを登録するようにしてもよいし、あるいは、当該電子マネーＩＤの発行後に利用者の申し出に基づいて登録するようにしてもよい。
【００１８】
図１において、自動販売機１０は、自動販売機主制御部１１、品目選択部１２、硬貨処理装置（コインメックＣ／Ｍ）１３、紙幣識別装置（ビルバリデータＢ／Ｖ）１４、物品排出機構１５などの公知の装置・機構を具備する。
【００１９】
品目選択部１２は、利用者が購入品目（商品）を選択するために該利用者によって操作されるスイッチ等からなる。この品目選択部１２によって選択可能な品目には、利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれている。例えば、所定の１つの品目選択スイッチに対して「インターネット接続サービス」が割り当てられており、「インターネット接続サービス」の利用（時間借り）を希望する利用者は、該「インターネット接続サービス」に対応する当該品目選択スイッチをオンする。この場合、該品目選択スイッチで選択可能な「インターネット接続サービス」の利用時間（借り時間）が例えば１時間のように所定時間に固定されていてもよいし、あるいは、図示しないテンキーボードなどの入力手段を自動販売機１０に設け、該入力手段で所望の「インターネット接続サービス」利用時間を入力できるようにしてもよい。若しくは、複数の品目選択スイッチに対してそれぞれ異なる利用時間（借り時間）の「インターネット接続サービス」を割り当てておき、利用者が所望の時間に対応するいずれかの品目選択スイッチを選択操作するように構成してもよい。なお、通常は利用時間（借り時間）の長さに応じて利用料金が異なるようにする。なお、自動販売機１０が通常知られているように物品販売機能を持っている場合は、インターネット接続サービスが購入されたとき、おまけとしてジュース等何らかの物品が併せて排出されるようになっていてもよい。その逆に、ジュース等何らかの物品が購入されたとき、おまけとしてインターネット接続サービスを受けることができるようになっていてもよい。なお、「インターネット接続サービス」専用の品目選択スイッチを電子マネー端末装置２０の側に具備していてもよい。
【００２０】
電子マネー端末装置２０は、制御部２１、電子マネーＩＤ入力部２２、対応機器ＩＤ入力部２３、機器ＩＤ読取部２４、ＡＰ電力モード切替制御部２５、通信モジュール２６等を含んでいる。
【００２１】
通信モジュール２６及びアンテナ４１は、所定の通信回路網（例えばＦＯＭＡ）４０を介して自動販売機１０が外部の管理サーバ５０と通信を行うことを可能にする通信インターフェース（第１の通信手段）である。電子マネー端末装置２０に関連して無線ＬＡＮのアクセスポイント（ＡＰ）装置１６が設けられている。このアクセスポイント（ＡＰ）装置１６は、当該自動販売機１０が設置された場所の周辺のエリアに無線ＬＡＮを構築し、該エリア内に入った利用者が携帯する端末機３０と該自動販売機１０（すなわち該自動販売機１０内の電子マネー端末装置２０）が通信できるようにする手段（第２の通信手段）である。
【００２２】
電子マネーＩＤ入力部２２は、電子マネー決済のために使用される電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる（入力させる）ためのものである。例えば、電子マネーＩＤ情報が該利用者が所持するＩＣカードあるいは磁気カード等の記録媒体に記録されているものとすると、電子マネーＩＤ入力部２２は、外部から近接した若しくは挿入された記録媒体に記録された情報の少なくとも読み取りを行う媒体読取器からなっていてよく、該記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報を媒体読取器で読み取ることにより該電子マネーＩＤ情報を入力することができる。この場合、勿論、媒体読取器は、書込み機能をも具えた読み書き器であってもよい。なお、記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報は、バーコードあるいは２次元バーコードなどの光学的情報であってもよく、その場合、携帯電話のディスプレイに電子マネーＩＤ情報を表示させ、これを媒体読取器にて光学的に読み取る構成であってもよい。別の例としては、電子マネーＩＤ入力部２２として、文字入力スイッチ及び／又はテンキースイッチ等の文字及び／又は数字入力装置を使用し、利用者のキー操作によって電子マネーＩＤ情報を入力させる構成からなっていてもよい。
【００２３】
対応機器ＩＤ取得部２３は、前記電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得するためのものである。電子マネーＩＤ情報を記録した前記記録媒体において該電子マネーＩＤ情報に対応付けられた特定の機器ＩＤをも記録している場合は、前記媒体読取器が該対応機器ＩＤ取得部２３の機能を担い、該媒体読取器において前記電子マネーＩＤ情報と共に該電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤをも同時に読み取ることで、機器ＩＤを取得するようにする構成であってよい。別の例としては、対応機器ＩＤ取得部２３として、文字入力スイッチ及び／又はテンキースイッチ等の文字及び／又は数字入力装置を使用し、利用者のキー操作によって機器ＩＤを入力させる構成からなっていてもよい。更に別の例として、対応機器ＩＤ取得部２３は、前記電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報を管理サーバ５０に送信し、該管理サーバ５０で管理している電子マネーＩＤと機器ＩＤとの対応付けテーブルから該機器ＩＤを引き出し、これを通信回路網４０を介して自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に返してもらうことで、該電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得するよう構成されていてもよい。
【００２４】
機器ＩＤ読取部２４は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６にアクセスしてきた端末機３０から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る。
【００２５】
ＡＰ電力モード切替制御部２５は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源のＯＮ／ＯＦＦを適切に切替えることで、省エネを図ると共に、不正アクセスをも防ぐ働きをする。
【００２６】
制御部２１は、電子マネー端末装置２０の全体を制御するためのマイクロコンピュータ等で構成されており、例えば、決済処理部２７、ＩＤ照合部２８、接続制御部２９などの機能を実現する。
【００２７】
決済処理部２７は、管理サーバ５０において管理する電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択部１２によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、少なくとも、電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報を通信モジュール２６、アンテナ４１、通信回路網４０を介して管理サーバ５０に送信する。この場合、電子マネーＩＤが持つ金銭的価値そのものは管理サーバ５０で管理しているので、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理は管理サーバ５０で行うのが都合がよい。しかし、これに限らず、電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を示すデータを管理サーバ５０から受理して、電子マネー端末装置２０の側で、サービス対価の減算等の具体的演算処理を行い、その演算結果を管理サーバ５０に戻すようにしてもよい。
【００２８】
ＩＤ照合部２８は、対応機器ＩＤ取得部２３を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機３０の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する。
【００２９】
接続制御部２９は、品目選択部１２によって選択された購入品目に、利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくともＩＤ照合部２８によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続することを許可する。具体的には、該接続制御部２９によって前記利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続することが許可されたとき、前記アクセスポイント（ＡＰ）装置１６（第２の通信手段）を介して接続されている該端末機３０を更に前記通信モジュール２６及びアンテナ４１（第１の通信手段）並びに通信回路網４０を介して管理サーバ５０に接続し、該管理サーバ５０経由で該端末機３０をインターネットに接続させる。
【００３０】
管理サーバ５０は、電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する電子マネー管理サーバ機能と、インターネットへの接続を制御するインターネット接続サーバ機能とを実行する。勿論、電子マネー管理サーバ機能とインターネット接続サーバ機能は、便宜上１つのサーバで行うように示しているが、これに限らず、異なるサーバで分担して行ってもよい。
【００３１】
管理サーバ５０において、通信インターフェース５１は、前記通信回路網４０（例えばＦＯＭＡ）と通信を行うためのインターフェースである。管理サーバ５０は、該通信インターフェース５１を介して前記通信回路網４０を経由してシステム内の各自動販売機１０と通信する。
【００３２】
管理サーバ５０において、制御部５２は、電子マネー管理サーバ機能全体を制御するためのコンピュータからなる。ＩＤ記憶部５３は、このサーバが管理する全ての電子マネーＩＤを記憶すると共に、各電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を記憶し、また、各電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤを記憶する。なお、前述のように、電子マネー端末装置２０の対応機器ＩＤ取得部２３が電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを管理サーバ５０から取得する構成の場合は、制御部５２の制御により、自動販売機１０の側から送られてきた電子マネーＩＤに対応する機器ＩＤをＩＤ記憶部５３から読み出し、これを通信回路網４０を介して自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に送信するものとする。
【００３３】
管理サーバ５０において、決済処理部５４は、制御部５２の制御の下で、自動販売機１０から送信されてくる電子マネーＩＤ情報に基づき、該自動販売機１０の品目選択部１２によって選択された購入品目の対価を決済するための処理を行う。前述のように、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理を管理サーバ５０の側で行う場合は、電子マネーＩＤ情報と共に対価金額を示す情報を自動販売機１０から受信し、受信した電子マネーＩＤ情報に応じてＩＤ記憶部５３から該電子マネーＩＤが現在保持している金銭的価値を読み出し、該金銭的価値から該受信した対価金額を減算し、ＩＤ記憶部５３に記憶する該電子マネーＩＤの金銭的価値を残高で更新する。他方、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理を自動販売機１０の側で行う場合は、受信した電子マネーＩＤ情報に応じてＩＤ記憶部５３から該電子マネーＩＤが現在保持している金銭的価値を読み出し、該金銭的価値を示すデータを自動販売機１０に送る。そして、自動販売機１０における対価金額の減算結果たる残高データを該自動販売機１０から受信し、受信した残高データでＩＤ記憶部５３に記憶する該電子マネーＩＤの金銭的価値を更新すればよい。
【００３４】
管理サーバ５０において、制御部５５は、インターネット接続サーバ機能全体を制御するためのコンピュータからなる。インターネット接続部５６は、通信回路網４０を介して管理サーバ５０に接続してきた端末機３０をインターネットに接続させる処理を、制御部５５の制御の下で、行う。
【００３５】
次に、本発明の一実施例に係る自動販売機１０及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順のいくつかの例について図２〜図５を参照して説明する。図２〜図５に示すシーケンス図において、横方向に並んだ要素（縦ライン）は、図１の実施例における各要素を示し、左から順に、管理サーバ５０、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６、ＩＤ照合部２８、ＡＰ電力モード切替制御部２５、電子マネー端末装置２０の制御部２１、自動販売機主制御部１１、利用者の操作、利用者の端末機３０である。概ね、処理手順の時系列は図で上から下に流れる。適宜の時系列位置で、或る要素（縦ライン）から横に向かう線（横ライン）は、そのタイミングで当該要素で何らかの動作が行われ、その次に横ラインの到達点の要素に処理が移行することを示す。また、各要素（縦ライン）の時系列位置においてブロック中に記載された事項は、当該要素が当該時系列位置で行う処理の内容を代表的に示している。それぞれの具体的処理に関しては、自動販売機主制御部１１が行う処理については自動販売機主制御部１１が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行い、電子マネー端末装置２０が行う処理については電子マネー端末装置２０の制御部２１が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行い、管理サーバ５０が行う処理については管理サーバ５０が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行う。
【００３６】
図２に示す第一例では、自動販売機１０に備わる品目選択部１２を用いてインターネット接続サービスの選択を利用者に行わせ、また、インターネット接続サービス利用の対価の決済は、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤの照合・確認の前に行うようにしている。
【００３７】
図２において、まず、利用者は、自動販売機１０に備わる品目選択部１２に対して所望のインターネット接続サービスを選択する操作を行う（Ｓ１）。これに応じて、自動販売機主制御部１１では、電子マネー端末装置２０に対してインターネット接続サービスが選択されたことを通知し、媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）を起動させる（Ｓ２）。そして、利用者が媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）に自己が所持する電子マネーＩＤを記録した媒体を投入（磁気カードを挿入又はＩＣカード等を近接）すると（Ｓ３）、媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）で該媒体に記録された電子マネーＩＤを読み取り、これを記憶する（Ｓ４）。それから、読み取った（入力された）電子マネーＩＤの情報と選択されたインターネット接続サービスの販売価格情報を管理サーバ５０に送信する（Ｓ５）。
【００３８】
管理サーバ５０では、受信した電子マネーＩＤによりＩＤ記憶部５３を参照し、該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値を引き出すと共に、受信した販売価格情報に応じた価格を該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値から減算する「決済処理」を行う（Ｓ６）。これにより、該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値が選択されたインターネット接続サービスの対価を支払えるのであれば、販売許可すると判定される。販売許可すると判定されたならば、受信した電子マネーＩＤによりＩＤ記憶部５３を参照し、該電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを該ＩＤ記憶部５３から引き出し、これを自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に通知（送信）する。これにより、自動販売機１０の電子マネー端末装置２０は、入力された電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを取得する（Ｓ７）。そして、取得した対応機器ＩＤを一時記憶し（Ｓ８）、ＡＰ電力モード切替制御部２５に対して接続指示を与える（Ｓ９）。ＡＰ電力モード切替制御部２５は、当該電子マネー端末装置２０の無線ＬＡＮの有効エリア内においてインターネットへの接続を正当に要求又は実行している端末機３０が存在していない場合は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６を電源ＯＦＦ（省エネモード）としている。ＡＰ電力モード切替制御部２５は、接続指示が与えられると、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源がまだＯＮとされていなければ、その電源をＯＮとし、無線ＬＡＮを起動する（Ｓ１０）。
【００３９】
アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源がＯＮされると、利用者の端末機３０は、該アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続可能となる（Ｓ１１）。無線ＬＡＮを介してアクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続してきた端末機３０の固有の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス）が電子マネー端末装置２０（機器ＩＤ読取部２４）によって読み取られる（Ｓ１２）。
【００４０】
ＩＤ照合部２６では、管理サーバ５０から取得した電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４によって読み取られた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する（Ｓ１３）。両機器ＩＤが一致していなければ、不正なアクセスと判定して処理を終了する。なお、この場合、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続中の他の端末機３０が存在していなければ、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源をすぐにＯＦＦしてよい。
【００４１】
一方、両機器ＩＤが一致している場合は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続している端末機３０がインターネット接続サービスを受けることを許可し、端末機３０が通信回線網４０を経由して管理サーバ５０に接続できるようにする（Ｓ１４）。これに応じて、管理サーバ５０は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６及び通信回線網４０を経由して該管理サーバ５０にアクセスしてきた端末機３０を、インターネットに接続させる処理を行う（Ｓ１５）。
【００４２】
それから、管理サーバ５０は、端末機３０のインターネット接続が開始されたことを電子マネー端末装置２０に通知する（Ｓ１６）。この通知を受けて、電子マネー端末装置２０の制御部２１ではタイマカウント動作を開始する（Ｓ１７）。このタイマは、端末機３０のインターネット接続時間を計測するものである。利用者が購入したインターネット接続サービスの利用可能時間が経過すると、タイマ終了通知を管理サーバ５０に与える（Ｓ１８）。これに応じて、管理サーバ５０は、当該端末機３０のインターネット接続を切断する（Ｓ１９）。それから、管理サーバ５０は、接続終了通知を電子マネー端末装置２０に送信する（Ｓ２０）。これに応じて、電子マネー端末装置２０の制御部２１は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に対して、当該端末機３０の接続を切断するよう指示する（Ｓ２１）。また、一時記憶していた対応機器ＩＤの記憶をクリアする（Ｓ２２）。それから、他に接続している端末機がなければ、ＡＰ電力モード切替制御部２５に対して省エネモードに移行するよう指示を与える（Ｓ２３）。これに応じて、ＡＰ電力モード切替制御部２５は、アクセスポイント装置１６（無線ＬＡＮ）の電源をＯＦＦとするよう指示する（Ｓ２４）。
【００４３】
このように、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤが決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに一致した場合にインターネット接続サービスを許可し（Ｓ１３）、その段階で初めて、端末機３０を通信回線網４０に接続させ、該通信回線網４０を経由して管理サーバ５０を介して該端末機３０をインターネットに接続させるようにしているので、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続してきた端末機３０が決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた正規の機器ＩＤを持っていない場合、当該不正な端末機３０は自動販売機１０と管理サーバ５０とをつなぐ通信回線網４０（例えばＦＯＭＡ）そのものに接続することができない、従って、自動販売機１０と管理サーバ５０とをつなぐ通信回線網４０（例えばＦＯＭＡ）のトラフィックが無駄に増大することを防ぐことができ、正規の利用者が無駄なトラフィックの増大による不利益を被ることがない。また、機器ＩＤが一致しない場合は、インターネット接続を許可しないものとするので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用することができるようになる。更に、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６は、その有効エリア内にアクセスしようとする端末機３０が存在していない場合は電源ＯＦＦとされており、アクセスしようとする端末機３０が出現した場合に電源ＯＮとされる（Ｓ１０）ので、利用者が携帯する端末機３０は、従来のように自動販売機１０のアクセスポイント（ＡＰ）の有効エリア内に入っただけでは、該アクセスポイント（ＡＰ）にアクセスできないこととなり、この点でも、不正利用によるトラフィックの増大を有効に防止することができる。
【００４４】
次に、図３に示す第二例では、自動販売機１０に従前から備わる品目選択部１２ではなく、電子マネー端末装置２０に設けたインターネット接続サービス選択用の品目選択手段を用いて利用者に行わせるようにした点が、図２に示す第一例と相違しており、その他は第一例と同様である。
【００４５】
次に、図４に示す第三例では、自動販売機１０に備わる品目選択部１２を用いてインターネット接続サービスの選択を利用者に行わせ、また、インターネット接続サービス利用の対価の決済は、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤの照合・確認の後に行うようにしている。
【００４６】
図４において、図２と異なる点は、管理サーバ５０で行われる決済処理（Ｓ６）が機器ＩＤ照合処理（Ｓ１３）で機器ＩＤ一致が確認された後に行われる点である。すなわち、図４においては、読み取った（入力された）電子マネーＩＤの情報を管理サーバ５０に送信すると（Ｓ５）、管理サーバ５０は受信した電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを該ＩＤ記憶部５３から引き出し、これを自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に通知（送信）する（Ｓ７）。そして、管理サーバ５０から取得した電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４によって読み取られた端末機の機器ＩＤに一致している場合（Ｓ１３）、電子マネー端末装置２０から管理サーバ５０に販売価格情報を送信して該管理サーバ５０が決済処理を行うよう指示する。これに応じて、管理サーバ５０が決済処理を行う（Ｓ６）。そして、決済処理が終了すると、決済終了通知を電子マネー端末装置２０に送り、電子マネー端末装置２０の制御部２１ではアクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続している端末機３０がインターネット接続サービスを受けることを許可する（Ｓ１３’）。これに応じて、端末機３０が通信回線網４０を経由して管理サーバ５０に接続できるようにする（Ｓ１４）。その他の処理手順は、図２と同じである。
【００４７】
次に、図５に示す第四例では、自動販売機１０に従前から備わる品目選択部１２ではなく、電子マネー端末装置２０に設けたインターネット接続サービス選択用の品目選択手段を用いて利用者に行わせるようにした点が、図４に示す第三例と相違しており、その他は第三例と同様である。
【符号の説明】
【００４８】
１０ 自動販売
１１ 自動販売機主制御
１２ 品目選択部
２０ 電子マネー端末装置
２１ 制御部
２２ 電子マネーＩＤ入力部
２３ 対応機器ＩＤ入力部
２４ 機器ＩＤ読取部
２５ ＡＰ電力モード切替制御部
２６ 通信モジュール
４０ 通信回路網
５０ 管理サーバ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インターネット接続サービスを提供する機能を備えた自動販売機に関する。
【背景技術】
【０００２】
公衆インターネット接続サービスとして、都市内の任意の地域に構築された無線式ローカルエリアネットワーク（以下、「無線ＬＡＮ」と略称する）を利用するシステムがあることは公知である。しかし、従来公知の公衆無線ＬＡＮ利用インターネット接続サービスにおいては、各利用者が個別にインターネットプロバイダと無線ＬＡＮによるインターネット利用契約を結んでおく必要があったので、誰でもが簡便に利用できるものではなかった。
【０００３】
これに対して、下記特許文献１においては、自動販売機に無線ＬＡＮアクセスポイントの機能を備えさせ、利用者が自動販売機に料金を投入することにより該無線ＬＡＮアクセスポイントを使用する権利を所定時間分だけ購入し、該購入した時間分だけ利用者のパーソナルコンピュータ（以下、「パソコン」と略称する）又はＰＤＡ等の端末機を該無線ＬＡＮアクセスポイントを介してインターネットに接続させるようにした発明が示されている。しかし、この特許文献１に示された発明は、利用者が特定場所に設置された自動販売機における無線ＬＡＮアクセスポイントの使用権を時間購入できるだけのものにすぎないので、利用者が予め特定のインターネットプロバイダと無線ＬＡＮ利用契約を結んでいなければ、インターネット接続ができないという不都合がある。
【０００４】
一方、下記特許文献２においては、自動販売機においてローカルエリアネットワークを構築する手段（アクセスポイント）を具備すると共にインターネット接続を行うための通信インターフェースを具備し、利用者のパソコン等の端末機を該ローカルエリアネットワーク経由で通信インターフェースを介して当該自動販売機の管理者が契約している所定のプロバイダに接続し、該所定のプロバイダを介して該利用者のパソコン等の端末機をインターネットに接続させるようにした発明が示されている。これによれば各利用者が個別に特定のインターネットプロバイダと無線ＬＡＮによるインターネット利用契約を結んでおく必要がないので、任意の利用者であっても、簡便にインターネット接続サービスを受けることができる。
【０００５】
ところで、特許文献２に示された発明における利用者のアクセス方式は、利用者が購入したいインターネット接続サービスの対価を現金又は電子マネーで支払うと、自動販売機から利用ＩＤが発行され、利用者のパソコンからこの利用ＩＤを入力することでローカルエリアネットワーク（無線ＬＡＮ）のアクセスポイントに接続できるようになっている。その際、自動販売機のアクセスポイントでは、常に電源ＯＮとなっていて、任意の利用者からの利用ＩＤがエントリされることを待ち受けており、何らかのＩＤエントリがなされると、その情報を自動販売機内部の制御装置に伝達し、該制御装置において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を随時行えるような態勢となっている。そのため、不正利用を意図する利用者が、当該自動販売機のローカルエリアネットワーク（無線ＬＡＮ）の有効エリア内に入り、自己のパソコンから任意のＩＤをエントリした場合、自動販売機のアクセスポイントではエントリされたＩＤを無条件に受け付けて自動販売機内部の制御装置に伝達し、該制御装置において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行わねばならず、該アクセスポイントにおける処理が絶えず活性化され、該アクセスポイントに余計なトラフィック（負荷データ）が加えられることになる。このようなトラフィック（負荷データ）の増大は、自動販売機のローカルエリアネットワークの限りある資源を無駄に費やすことになるので、正規利用者の接続状態を不安定にするという不都合をもたらし、また、その間アクセスポイントにおける処理が活性化され続けるために消費電力等の浪費ももたらす。そして、ついには不正利用者がエントリした利用ＩＤがたまたま正規のＩＤに一致したとすると、不正なインターネット接続が許されてしまうことになる、という不都合もある。更に、不正利用者が自動販売機から正規に発行された利用ＩＤを不正に知得してエントリするケースも起こり得るが、従来技術ではそのような不正利用を防ぐことができなかった。
【０００６】
更に、特許文献２に示された発明においては、個別の自動販売機それ自体がインターネット用の通信インターフェースを介して直接インターネットに接続される構成となっているので、個別の自動販売機それ自体がインターネット接続を制御する管理機能（インターネットサーバー機能）を持たねばならない。従って、複数の自動販売機でインターネット接続サービスシステムを組む場合、無駄が多いシステムとなってしまう。
【０００７】
一方、図６に示すように、自動販売機１を外部の管理サーバ２とを所定の通信回線網３（例えばＦＯＭＡ：Freedom Of Mobile Multimedia Access：マルチメディアの移動体のアクセスの自由）に接続し、自動販売機１にアクセスしてきた利用者端末機のインターネット接続の許可／不許可の制御を該管理サーバ２の側で行うシステムも考えられている。この場合、個別の自動販売機１それ自体がインターネット接続を制御する管理機能（インターネットサーバー機能）を持つ必要がないので、複数の自動販売機でインターネット接続サービスシステムを組むのに適している。この場合、個別の自動販売機１は、インターネット接続サービスに関しては、無線ＬＡＮのアクセスポイント（ＡＰ）装置、通信回線網３を介してサーバ２に接続するためのモデム装置、及びこれらを制御する制御装置を具備していればよい。しかし、このようなシステムにおいても、利用者のアクセス方式は、特許文献２と同様のものであったため、上述と同様の問題が生じる。
【０００８】
すなわち、自動販売機１のアクセスポイントＡＰでは、常に電源ＯＮとなっていて、任意の利用者からの利用ＩＤがエントリされることを待ち受けており、何らかのＩＤエントリがなされると、その情報を通信回線網３を介してサーバ２に伝達し、該サーバ２において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行い、接続可であれば、当該利用者の端末機を自動販売機１のアクセスポイントＡＰ、通信回線網３、及び該サーバ２を介してインターネットに接続させる。この場合、自動販売機のアクセスポイントＡＰの有効エリア内に入った端末機は、無条件で通信回線網３を経由しサーバ２までアクセスし得る。そのため、不正利用を意図する利用者が、当該自動販売機のアクセスポイントＡＰの有効エリア内に入り、自己のパソコンから任意のＩＤをエントリした場合、自動販売機１のアクセスポイントＡＰではエントリされたＩＤを無条件に受け付けて通信回線網３を介してサーバ２に伝達し、該サーバ２において該エントリされたＩＤが正規に発行された利用ＩＤであるか否かの照合を行わねばならず、該アクセスポイントＡＰ及び通信回線網３が絶えず活性化され、該アクセスポイントＡＰ及び通信回線網３に余計なトラフィック（負荷データ）が加えられることになる。このようなトラフィック（負荷データ）の増大は、自動販売機１のローカルエリアネットワークの限りある資源を無駄に費やすことは勿論のこと、自動販売機１とサーバ２とを接続する通信回線網３の限りある資源を無駄に費やすことにもなるので、正規利用者のインターネット接続状態を不安定にするという不都合をもたらする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開２００５−１６５６５７９号
【特許文献２】特開２００９−１５７６５８号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用できるように工夫した自動販売機を提供しようとするものである。更には、不正アクセスによるトラフィックの増大を防ぎ、インターネット接続サービスの提供を適正に運用できるように工夫した自動販売機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明に係る自動販売機は、利用者が購入品目を選択するために該利用者によって操作される品目選択手段と、ここで、該品目選択手段によって選択される品目には、利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれており、利用者の操作に従って、電子マネー決済のために使用する電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる入力手段と、前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得する取得手段と、外部の管理サーバと通信するための第１の通信手段と、ここで、該管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する機能と、インターネットへの接続を制御する機能を持ち、利用者が携帯する端末機と通信するための第２の通信手段と、前記第２の通信手段にアクセスしてきた端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る読み取り手段と、前記管理サーバにおいて管理する前記電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、前記入力手段を介して提示された前記電子マネーＩＤ情報を前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに送信する決済処理手段と、前記取得手段を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、前記読み取り手段を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する照合手段と、前記品目選択手段によって選択された購入品目に前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくとも前記照合手段によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することを許可する接続制御手段とを具備し、前記接続制御手段によって前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することが許可されたとき、前記第２の通信手段を介して接続されている該端末機を更に前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに接続し、該管理サーバ経由で該端末機をインターネットに接続させることを特徴とする。
【００１２】
本発明によれば、自動販売機によるインターネット接続サービスを電子マネーにより決済するものとし、その決済に際しては電子マネーＩＤ情報（例えば電子マネーとして機能する個別のギフト券又はカード等の媒体に付された固有のＩＤを示す情報、あるいは特定の価値を付与された電子マネーそのものに付された固有のＩＤを示す情報など）を使用するものとし、そのような電子マネーＩＤ情報を用いた決済を可能にするために上位の管理サーバを使用している。そして、電子マネーＩＤ情報に機器ＩＤを対応付けるものとし、決済に用いる電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに該当する固有の機器ＩＤを持つ端末機が、当該自動販売機によるインターネット接続サービスを受けることができるようにしている。なお、特定の電子マネーＩＤ情報に対する特定の機器ＩＤの対応付けは、当該電子マネーＩＤが発行されたとき等、予め適宜になされるものとする。これにより、利用者が携帯する端末機の機器ＩＤが、決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに一致しない場合は、インターネット接続サービスを許可しないものとするので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用することができるようになる。また、インターネット接続サービス使用対価の決済を上位の管理サーバで行うようにしているので、端末の利用者は、自己が所持する電子マネーのＩＤのみを提示すればよく、簡便であり、セキュリティの面でも優れている。また、個々の自動販売機においてインターネット接続サービス用の電子マネー決済機能を持つ必要がないので、構成が簡単であり、既存の自動販売機へのインターネット接続サービス機能の導入が行い易いものとなる。
【００１３】
好ましい実施態様においては、前記第２の通信手段は、前記取得手段を介して前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた前記機器ＩＤが取得された後に、前記利用者が携帯する端末機との通信を開始する。これにより、利用者が携帯する端末機は、従来のように自動販売機のアクセスポイントの有効エリア内に入っただけでは、該アクセスポイントにアクセスできないこととなり、不正利用によるトラフィックの増大を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施例に係る自動販売機の内部構成の概略ブロック図及び該自動販売機１を含むインターネット接続サービスシステムのブロック図。
【図２】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第一例を示すシーケンス図。
【図３】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第二例を示すシーケンス図。
【図４】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第三例を示すシーケンス図。
【図５】同実施例に係る自動販売機及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順の第四例を示すシーケンス図。
【図６】自動販売機を用いたインターネット接続サービスシステムの従来例を示すブロック図。
【００１５】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図１は、本発明の一実施例に係る自動販売機１０の内部構成の概略ブロック図及び該自動販売機１０を含むインターネット接続サービスシステムのブロック図である。自動販売機１０は、公知の自動販売機が持つ装置及び機構に加えて、本発明に関連する電子マネー端末装置２０を具備している。
【００１６】
まず、本発明に係る自動販売機１０を含むインターネット接続サービスシステムの前提的事項について説明する。このインターネット接続サービスシステムにおいては、自動販売機１０によるインターネット接続サービスを電子マネーにより決済するものとし、その決済に際しては電子マネーＩＤ情報（例えば電子マネーとして機能する個別のギフト券又はカード等の媒体に付された固有のＩＤを示す情報、あるいは物理的媒体に付されることなく、特定の金銭的価値を付与された電子マネーそのものに付された固有のＩＤを示す情報など）を使用するものとし、そのような電子マネーＩＤ情報を用いた決済を可能にするために上位の管理サーバ５０を使用している。つまり、管理サーバ５０が、個別の電子マネーＩＤ毎に該電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を管理する。その場合の電子マネーとしては、ギフト券、クーポン券、ポイント累積値など、どのような性格のものであってもよい。すなわち、現金以外の金銭に代替し得る価値を持つ何ものかを本発明における「電子マネー」と言う。そして、本発明においては、電子マネーは個別の電子マネーＩＤを用いて所定の管理サーバ５０で管理される。例えば、個別のギフト券に対して特定の電子マネーＩＤが付与され、該ギフト券つまり電子マネーＩＤが持つ金銭的価値は所定の管理サーバ５０によって管理される。つまり、管理サーバとしての権限を有さない者は電子マネーＩＤを知得又は認識しただけではそれが持つ金銭的価値が分からず、所定の管理サーバを介在させることで初めてその金銭的価値が判明する。なお、このようなサーバ管理型のギフト券等については既に公知の概念である。
【００１７】
更に、本発明においては、利用者が所持する特定の電子マネーＩＤ情報に対応付けて、当該利用者が当該インターネット接続サービスシステムで使用する端末機（パソコン、ＰＤＡ、電子ゲーム機等）を特定する固有の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス：メディア・アクセス・コントロール・アドレス）を管理サーバ又は該電子マネーＩＤ情報を記録した媒体に登録するものとする。そして、インターネット接続サービスの利用対価の決済に際して使用しようとする電子マネーＩＤと、該インターネット接続サービスで使用する端末機の機器ＩＤとの対応付けが登録済のものと合致している場合にインターネット接続サービスの利用を許可するようにしている。なお、電子マネーＩＤと特定の端末機の機器ＩＤとの対応付けの登録は、どのような機会にどのような手法で行ってもよい。例えば、当該電子マネーＩＤの発行時に特定の端末機の機器ＩＤとの対応付けを登録するようにしてもよいし、あるいは、当該電子マネーＩＤの発行後に利用者の申し出に基づいて登録するようにしてもよい。
【００１８】
図１において、自動販売機１０は、自動販売機主制御部１１、品目選択部１２、硬貨処理装置（コインメックＣ／Ｍ）１３、紙幣識別装置（ビルバリデータＢ／Ｖ）１４、物品排出機構１５などの公知の装置・機構を具備する。
【００１９】
品目選択部１２は、利用者が購入品目（商品）を選択するために該利用者によって操作されるスイッチ等からなる。この品目選択部１２によって選択可能な品目には、利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれている。例えば、所定の１つの品目選択スイッチに対して「インターネット接続サービス」が割り当てられており、「インターネット接続サービス」の利用（時間借り）を希望する利用者は、該「インターネット接続サービス」に対応する当該品目選択スイッチをオンする。この場合、該品目選択スイッチで選択可能な「インターネット接続サービス」の利用時間（借り時間）が例えば１時間のように所定時間に固定されていてもよいし、あるいは、図示しないテンキーボードなどの入力手段を自動販売機１０に設け、該入力手段で所望の「インターネット接続サービス」利用時間を入力できるようにしてもよい。若しくは、複数の品目選択スイッチに対してそれぞれ異なる利用時間（借り時間）の「インターネット接続サービス」を割り当てておき、利用者が所望の時間に対応するいずれかの品目選択スイッチを選択操作するように構成してもよい。なお、通常は利用時間（借り時間）の長さに応じて利用料金が異なるようにする。なお、自動販売機１０が通常知られているように物品販売機能を持っている場合は、インターネット接続サービスが購入されたとき、おまけとしてジュース等何らかの物品が併せて排出されるようになっていてもよい。その逆に、ジュース等何らかの物品が購入されたとき、おまけとしてインターネット接続サービスを受けることができるようになっていてもよい。なお、「インターネット接続サービス」専用の品目選択スイッチを電子マネー端末装置２０の側に具備していてもよい。
【００２０】
電子マネー端末装置２０は、制御部２１、電子マネーＩＤ入力部２２、対応機器ＩＤ入力部２３、機器ＩＤ読取部２４、ＡＰ電力モード切替制御部２５、通信モジュール２６等を含んでいる。
【００２１】
通信モジュール２６及びアンテナ４１は、所定の通信回路網（例えばＦＯＭＡ）４０を介して自動販売機１０が外部の管理サーバ５０と通信を行うことを可能にする通信インターフェース（第１の通信手段）である。電子マネー端末装置２０に関連して無線ＬＡＮのアクセスポイント（ＡＰ）装置１６が設けられている。このアクセスポイント（ＡＰ）装置１６は、当該自動販売機１０が設置された場所の周辺のエリアに無線ＬＡＮを構築し、該エリア内に入った利用者が携帯する端末機３０と該自動販売機１０（すなわち該自動販売機１０内の電子マネー端末装置２０）が通信できるようにする手段（第２の通信手段）である。
【００２２】
電子マネーＩＤ入力部２２は、電子マネー決済のために使用される電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる（入力させる）ためのものである。例えば、電子マネーＩＤ情報が該利用者が所持するＩＣカードあるいは磁気カード等の記録媒体に記録されているものとすると、電子マネーＩＤ入力部２２は、外部から近接した若しくは挿入された記録媒体に記録された情報の少なくとも読み取りを行う媒体読取器からなっていてよく、該記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報を媒体読取器で読み取ることにより該電子マネーＩＤ情報を入力することができる。この場合、勿論、媒体読取器は、書込み機能をも具えた読み書き器であってもよい。なお、記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報は、バーコードあるいは２次元バーコードなどの光学的情報であってもよく、その場合、携帯電話のディスプレイに電子マネーＩＤ情報を表示させ、これを媒体読取器にて光学的に読み取る構成であってもよい。別の例としては、電子マネーＩＤ入力部２２として、文字入力スイッチ及び／又はテンキースイッチ等の文字及び／又は数字入力装置を使用し、利用者のキー操作によって電子マネーＩＤ情報を入力させる構成からなっていてもよい。
【００２３】
対応機器ＩＤ取得部２３は、前記電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得するためのものである。電子マネーＩＤ情報を記録した前記記録媒体において該電子マネーＩＤ情報に対応付けられた特定の機器ＩＤをも記録している場合は、前記媒体読取器が該対応機器ＩＤ取得部２３の機能を担い、該媒体読取器において前記電子マネーＩＤ情報と共に該電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤをも同時に読み取ることで、機器ＩＤを取得するようにする構成であってよい。別の例としては、対応機器ＩＤ取得部２３として、文字入力スイッチ及び／又はテンキースイッチ等の文字及び／又は数字入力装置を使用し、利用者のキー操作によって機器ＩＤを入力させる構成からなっていてもよい。更に別の例として、対応機器ＩＤ取得部２３は、前記電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報を管理サーバ５０に送信し、該管理サーバ５０で管理している電子マネーＩＤと機器ＩＤとの対応付けテーブルから該機器ＩＤを引き出し、これを通信回路網４０を介して自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に返してもらうことで、該電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得するよう構成されていてもよい。
【００２４】
機器ＩＤ読取部２４は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６にアクセスしてきた端末機３０から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る。
【００２５】
ＡＰ電力モード切替制御部２５は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源のＯＮ／ＯＦＦを適切に切替えることで、省エネを図ると共に、不正アクセスをも防ぐ働きをする。
【００２６】
制御部２１は、電子マネー端末装置２０の全体を制御するためのマイクロコンピュータ等で構成されており、例えば、決済処理部２７、ＩＤ照合部２８、接続制御部２９などの機能を実現する。
【００２７】
決済処理部２７は、管理サーバ５０において管理する電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択部１２によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、少なくとも、電子マネーＩＤ入力部２２を介して入力された電子マネーＩＤ情報を通信モジュール２６、アンテナ４１、通信回路網４０を介して管理サーバ５０に送信する。この場合、電子マネーＩＤが持つ金銭的価値そのものは管理サーバ５０で管理しているので、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理は管理サーバ５０で行うのが都合がよい。しかし、これに限らず、電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を示すデータを管理サーバ５０から受理して、電子マネー端末装置２０の側で、サービス対価の減算等の具体的演算処理を行い、その演算結果を管理サーバ５０に戻すようにしてもよい。
【００２８】
ＩＤ照合部２８は、対応機器ＩＤ取得部２３を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機３０の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する。
【００２９】
接続制御部２９は、品目選択部１２によって選択された購入品目に、利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくともＩＤ照合部２８によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続することを許可する。具体的には、該接続制御部２９によって前記利用者が携帯する端末機３０をインターネットに接続することが許可されたとき、前記アクセスポイント（ＡＰ）装置１６（第２の通信手段）を介して接続されている該端末機３０を更に前記通信モジュール２６及びアンテナ４１（第１の通信手段）並びに通信回路網４０を介して管理サーバ５０に接続し、該管理サーバ５０経由で該端末機３０をインターネットに接続させる。
【００３０】
管理サーバ５０は、電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する電子マネー管理サーバ機能と、インターネットへの接続を制御するインターネット接続サーバ機能とを実行する。勿論、電子マネー管理サーバ機能とインターネット接続サーバ機能は、便宜上１つのサーバで行うように示しているが、これに限らず、異なるサーバで分担して行ってもよい。
【００３１】
管理サーバ５０において、通信インターフェース５１は、前記通信回路網４０（例えばＦＯＭＡ）と通信を行うためのインターフェースである。管理サーバ５０は、該通信インターフェース５１を介して前記通信回路網４０を経由してシステム内の各自動販売機１０と通信する。
【００３２】
管理サーバ５０において、制御部５２は、電子マネー管理サーバ機能全体を制御するためのコンピュータからなる。ＩＤ記憶部５３は、このサーバが管理する全ての電子マネーＩＤを記憶すると共に、各電子マネーＩＤが持つ金銭的価値を記憶し、また、各電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤを記憶する。なお、前述のように、電子マネー端末装置２０の対応機器ＩＤ取得部２３が電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを管理サーバ５０から取得する構成の場合は、制御部５２の制御により、自動販売機１０の側から送られてきた電子マネーＩＤに対応する機器ＩＤをＩＤ記憶部５３から読み出し、これを通信回路網４０を介して自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に送信するものとする。
【００３３】
管理サーバ５０において、決済処理部５４は、制御部５２の制御の下で、自動販売機１０から送信されてくる電子マネーＩＤ情報に基づき、該自動販売機１０の品目選択部１２によって選択された購入品目の対価を決済するための処理を行う。前述のように、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理を管理サーバ５０の側で行う場合は、電子マネーＩＤ情報と共に対価金額を示す情報を自動販売機１０から受信し、受信した電子マネーＩＤ情報に応じてＩＤ記憶部５３から該電子マネーＩＤが現在保持している金銭的価値を読み出し、該金銭的価値から該受信した対価金額を減算し、ＩＤ記憶部５３に記憶する該電子マネーＩＤの金銭的価値を残高で更新する。他方、決済処理のためのサービス対価の減算等の具体的演算処理を自動販売機１０の側で行う場合は、受信した電子マネーＩＤ情報に応じてＩＤ記憶部５３から該電子マネーＩＤが現在保持している金銭的価値を読み出し、該金銭的価値を示すデータを自動販売機１０に送る。そして、自動販売機１０における対価金額の減算結果たる残高データを該自動販売機１０から受信し、受信した残高データでＩＤ記憶部５３に記憶する該電子マネーＩＤの金銭的価値を更新すればよい。
【００３４】
管理サーバ５０において、制御部５５は、インターネット接続サーバ機能全体を制御するためのコンピュータからなる。インターネット接続部５６は、通信回路網４０を介して管理サーバ５０に接続してきた端末機３０をインターネットに接続させる処理を、制御部５５の制御の下で、行う。
【００３５】
次に、本発明の一実施例に係る自動販売機１０及びそれに関連したインターネット接続サービスシステムを用いたインターネット接続サービスの処理手順のいくつかの例について図２〜図５を参照して説明する。図２〜図５に示すシーケンス図において、横方向に並んだ要素（縦ライン）は、図１の実施例における各要素を示し、左から順に、管理サーバ５０、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６、ＩＤ照合部２８、ＡＰ電力モード切替制御部２５、電子マネー端末装置２０の制御部２１、自動販売機主制御部１１、利用者の操作、利用者の端末機３０である。概ね、処理手順の時系列は図で上から下に流れる。適宜の時系列位置で、或る要素（縦ライン）から横に向かう線（横ライン）は、そのタイミングで当該要素で何らかの動作が行われ、その次に横ラインの到達点の要素に処理が移行することを示す。また、各要素（縦ライン）の時系列位置においてブロック中に記載された事項は、当該要素が当該時系列位置で行う処理の内容を代表的に示している。それぞれの具体的処理に関しては、自動販売機主制御部１１が行う処理については自動販売機主制御部１１が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行い、電子マネー端末装置２０が行う処理については電子マネー端末装置２０の制御部２１が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行い、管理サーバ５０が行う処理については管理サーバ５０が具備するコンピュータが所要のプログラムを実行することにより行う。
【００３６】
図２に示す第一例では、自動販売機１０に備わる品目選択部１２を用いてインターネット接続サービスの選択を利用者に行わせ、また、インターネット接続サービス利用の対価の決済は、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤの照合・確認の前に行うようにしている。
【００３７】
図２において、まず、利用者は、自動販売機１０に備わる品目選択部１２に対して所望のインターネット接続サービスを選択する操作を行う（Ｓ１）。これに応じて、自動販売機主制御部１１では、電子マネー端末装置２０に対してインターネット接続サービスが選択されたことを通知し、媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）を起動させる（Ｓ２）。そして、利用者が媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）に自己が所持する電子マネーＩＤを記録した媒体を投入（磁気カードを挿入又はＩＣカード等を近接）すると（Ｓ３）、媒体読取器（電子マネーＩＤ入力部２２）で該媒体に記録された電子マネーＩＤを読み取り、これを記憶する（Ｓ４）。それから、読み取った（入力された）電子マネーＩＤの情報と選択されたインターネット接続サービスの販売価格情報を管理サーバ５０に送信する（Ｓ５）。
【００３８】
管理サーバ５０では、受信した電子マネーＩＤによりＩＤ記憶部５３を参照し、該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値を引き出すと共に、受信した販売価格情報に応じた価格を該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値から減算する「決済処理」を行う（Ｓ６）。これにより、該電子マネーＩＤが現在持っている金銭的価値が選択されたインターネット接続サービスの対価を支払えるのであれば、販売許可すると判定される。販売許可すると判定されたならば、受信した電子マネーＩＤによりＩＤ記憶部５３を参照し、該電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを該ＩＤ記憶部５３から引き出し、これを自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に通知（送信）する。これにより、自動販売機１０の電子マネー端末装置２０は、入力された電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを取得する（Ｓ７）。そして、取得した対応機器ＩＤを一時記憶し（Ｓ８）、ＡＰ電力モード切替制御部２５に対して接続指示を与える（Ｓ９）。ＡＰ電力モード切替制御部２５は、当該電子マネー端末装置２０の無線ＬＡＮの有効エリア内においてインターネットへの接続を正当に要求又は実行している端末機３０が存在していない場合は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６を電源ＯＦＦ（省エネモード）としている。ＡＰ電力モード切替制御部２５は、接続指示が与えられると、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源がまだＯＮとされていなければ、その電源をＯＮとし、無線ＬＡＮを起動する（Ｓ１０）。
【００３９】
アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源がＯＮされると、利用者の端末機３０は、該アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続可能となる（Ｓ１１）。無線ＬＡＮを介してアクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続してきた端末機３０の固有の機器ＩＤ（例えばＭＡＣアドレス）が電子マネー端末装置２０（機器ＩＤ読取部２４）によって読み取られる（Ｓ１２）。
【００４０】
ＩＤ照合部２６では、管理サーバ５０から取得した電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４によって読み取られた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する（Ｓ１３）。両機器ＩＤが一致していなければ、不正なアクセスと判定して処理を終了する。なお、この場合、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続中の他の端末機３０が存在していなければ、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６の電源をすぐにＯＦＦしてよい。
【００４１】
一方、両機器ＩＤが一致している場合は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続している端末機３０がインターネット接続サービスを受けることを許可し、端末機３０が通信回線網４０を経由して管理サーバ５０に接続できるようにする（Ｓ１４）。これに応じて、管理サーバ５０は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６及び通信回線網４０を経由して該管理サーバ５０にアクセスしてきた端末機３０を、インターネットに接続させる処理を行う（Ｓ１５）。
【００４２】
それから、管理サーバ５０は、端末機３０のインターネット接続が開始されたことを電子マネー端末装置２０に通知する（Ｓ１６）。この通知を受けて、電子マネー端末装置２０の制御部２１ではタイマカウント動作を開始する（Ｓ１７）。このタイマは、端末機３０のインターネット接続時間を計測するものである。利用者が購入したインターネット接続サービスの利用可能時間が経過すると、タイマ終了通知を管理サーバ５０に与える（Ｓ１８）。これに応じて、管理サーバ５０は、当該端末機３０のインターネット接続を切断する（Ｓ１９）。それから、管理サーバ５０は、接続終了通知を電子マネー端末装置２０に送信する（Ｓ２０）。これに応じて、電子マネー端末装置２０の制御部２１は、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に対して、当該端末機３０の接続を切断するよう指示する（Ｓ２１）。また、一時記憶していた対応機器ＩＤの記憶をクリアする（Ｓ２２）。それから、他に接続している端末機がなければ、ＡＰ電力モード切替制御部２５に対して省エネモードに移行するよう指示を与える（Ｓ２３）。これに応じて、ＡＰ電力モード切替制御部２５は、アクセスポイント装置１６（無線ＬＡＮ）の電源をＯＦＦとするよう指示する（Ｓ２４）。
【００４３】
このように、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤが決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤに一致した場合にインターネット接続サービスを許可し（Ｓ１３）、その段階で初めて、端末機３０を通信回線網４０に接続させ、該通信回線網４０を経由して管理サーバ５０を介して該端末機３０をインターネットに接続させるようにしているので、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続してきた端末機３０が決済に使用しようとする電子マネーＩＤ情報に対応付けられた正規の機器ＩＤを持っていない場合、当該不正な端末機３０は自動販売機１０と管理サーバ５０とをつなぐ通信回線網４０（例えばＦＯＭＡ）そのものに接続することができない、従って、自動販売機１０と管理サーバ５０とをつなぐ通信回線網４０（例えばＦＯＭＡ）のトラフィックが無駄に増大することを防ぐことができ、正規の利用者が無駄なトラフィックの増大による不利益を被ることがない。また、機器ＩＤが一致しない場合は、インターネット接続を許可しないものとするので、不正アクセスを有効に防止し、インターネット接続サービスの提供を適正に運用することができるようになる。更に、アクセスポイント（ＡＰ）装置１６は、その有効エリア内にアクセスしようとする端末機３０が存在していない場合は電源ＯＦＦとされており、アクセスしようとする端末機３０が出現した場合に電源ＯＮとされる（Ｓ１０）ので、利用者が携帯する端末機３０は、従来のように自動販売機１０のアクセスポイント（ＡＰ）の有効エリア内に入っただけでは、該アクセスポイント（ＡＰ）にアクセスできないこととなり、この点でも、不正利用によるトラフィックの増大を有効に防止することができる。
【００４４】
次に、図３に示す第二例では、自動販売機１０に従前から備わる品目選択部１２ではなく、電子マネー端末装置２０に設けたインターネット接続サービス選択用の品目選択手段を用いて利用者に行わせるようにした点が、図２に示す第一例と相違しており、その他は第一例と同様である。
【００４５】
次に、図４に示す第三例では、自動販売機１０に備わる品目選択部１２を用いてインターネット接続サービスの選択を利用者に行わせ、また、インターネット接続サービス利用の対価の決済は、利用者が携帯する端末機３０の機器ＩＤの照合・確認の後に行うようにしている。
【００４６】
図４において、図２と異なる点は、管理サーバ５０で行われる決済処理（Ｓ６）が機器ＩＤ照合処理（Ｓ１３）で機器ＩＤ一致が確認された後に行われる点である。すなわち、図４においては、読み取った（入力された）電子マネーＩＤの情報を管理サーバ５０に送信すると（Ｓ５）、管理サーバ５０は受信した電子マネーＩＤに対応付けられている機器ＩＤを該ＩＤ記憶部５３から引き出し、これを自動販売機１０の電子マネー端末装置２０に通知（送信）する（Ｓ７）。そして、管理サーバ５０から取得した電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、機器ＩＤ読取部２４によって読み取られた端末機の機器ＩＤに一致している場合（Ｓ１３）、電子マネー端末装置２０から管理サーバ５０に販売価格情報を送信して該管理サーバ５０が決済処理を行うよう指示する。これに応じて、管理サーバ５０が決済処理を行う（Ｓ６）。そして、決済処理が終了すると、決済終了通知を電子マネー端末装置２０に送り、電子マネー端末装置２０の制御部２１ではアクセスポイント（ＡＰ）装置１６に接続している端末機３０がインターネット接続サービスを受けることを許可する（Ｓ１３’）。これに応じて、端末機３０が通信回線網４０を経由して管理サーバ５０に接続できるようにする（Ｓ１４）。その他の処理手順は、図２と同じである。
【００４７】
次に、図５に示す第四例では、自動販売機１０に従前から備わる品目選択部１２ではなく、電子マネー端末装置２０に設けたインターネット接続サービス選択用の品目選択手段を用いて利用者に行わせるようにした点が、図４に示す第三例と相違しており、その他は第三例と同様である。
【符号の説明】
【００４８】
１０ 自動販売
１１ 自動販売機主制御
１２ 品目選択部
２０ 電子マネー端末装置
２１ 制御部
２２ 電子マネーＩＤ入力部
２３ 対応機器ＩＤ入力部
２４ 機器ＩＤ読取部
２５ ＡＰ電力モード切替制御部
２６ 通信モジュール
４０ 通信回路網
５０ 管理サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
利用者が購入品目を選択するために該利用者によって操作される品目選択手段と、ここで、該品目選択手段によって選択される品目には、利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれており、
電子マネー決済のために使用する電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる入力手段と、
前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得する取得手段と、
外部の管理サーバと通信するための第１の通信手段と、ここで、該管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する機能と、インターネットへの接続を制御する機能を持ち、
利用者が携帯する端末機と通信するための第２の通信手段と、
前記第２の通信手段にアクセスしてきた端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る読み取り手段と、
前記管理サーバにおいて管理する前記電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、前記入力手段を介して提示された前記電子マネーＩＤ情報を前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに送信する決済処理手段と、
前記取得手段を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、前記読み取り手段を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する照合手段と、
前記品目選択手段によって選択された購入品目に前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくとも前記照合手段によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することを許可する接続制御手段と
を具備し、前記接続制御手段によって前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することが許可されたとき、前記第２の通信手段を介して接続されている該端末機を更に前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに接続し、該管理サーバ経由で該端末機をインターネットに接続させることを特徴とする自動販売機。
【請求項２】
前記第２の通信手段は、前記取得手段を介して前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた前記機器ＩＤが取得された後に、前記利用者が携帯する端末機との通信を開始することを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。
【請求項３】
前記外部の管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤに対応付けて固有の機器ＩＤを特定する機能を具備しており、前記第１の通信手段を介して、前記外部の管理サーバに送信された前記電子マネーＩＤ情報に応答して、該管理サーバから、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤを返し、
前記取得手段は、前記管理サーバから返された機器ＩＤを受信し、前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤとして取得することを特徴とする請求項１又は２に記載の自動販売機。
【請求項４】
前記入力手段は、外部から近接した若しくは挿入された記録媒体に記録された情報の少なくとも読み取りを行う媒体読取手段からなり、該記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報を読み取ることにより該電子マネーＩＤ情報を入力することを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項５】
前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済処理を前記外部の管理サーバにおいて行い、前記決済処理手段は、前記管理サーバから決済結果を受信し、該受信した決済結果に応じて前記品目選択手段によって選択された購入品目の販売可否を決定することを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項６】
前記照合手段による照合処理を前記決済処理手段による決済処理の後に行うことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項７】
前記照合手段による照合処理を前記決済処理手段による決済処理の前に行うことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項８】
前記第２の通信手段は、通常は電源オフとされており、遅くとも前記読み取り手段が前記端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る前までには電源オンとされ、その後、前記端末機のインターネット接続中は電源オンが持続されることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項１】
利用者が購入品目を選択するために該利用者によって操作される品目選択手段と、ここで、該品目選択手段によって選択される品目には、利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスを提供することが含まれており、
電子マネー決済のために使用する電子マネーＩＤ情報を利用者に提示させる入力手段と、
前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤを取得する取得手段と、
外部の管理サーバと通信するための第１の通信手段と、ここで、該管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤが保持する金銭的価値を管理する機能と、インターネットへの接続を制御する機能を持ち、
利用者が携帯する端末機と通信するための第２の通信手段と、
前記第２の通信手段にアクセスしてきた端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る読み取り手段と、
前記管理サーバにおいて管理する前記電子マネーＩＤ情報が保持する金銭的価値を基礎にして、前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済を行うために、前記入力手段を介して提示された前記電子マネーＩＤ情報を前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに送信する決済処理手段と、
前記取得手段を介して取得した前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤが、前記読み取り手段を介して読み取った前記アクセスしてきた端末機の機器ＩＤに一致しているかどうかを照合する照合手段と、
前記品目選択手段によって選択された購入品目に前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続させるサービスが含まれているならば、少なくとも前記照合手段によって機器ＩＤが一致していると判定されたことを条件に、該利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することを許可する接続制御手段と
を具備し、前記接続制御手段によって前記利用者が携帯する端末機をインターネットに接続することが許可されたとき、前記第２の通信手段を介して接続されている該端末機を更に前記第１の通信手段を介して前記管理サーバに接続し、該管理サーバ経由で該端末機をインターネットに接続させることを特徴とする自動販売機。
【請求項２】
前記第２の通信手段は、前記取得手段を介して前記電子マネーＩＤ情報に対応付けられた前記機器ＩＤが取得された後に、前記利用者が携帯する端末機との通信を開始することを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。
【請求項３】
前記外部の管理サーバは、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤに対応付けて固有の機器ＩＤを特定する機能を具備しており、前記第１の通信手段を介して、前記外部の管理サーバに送信された前記電子マネーＩＤ情報に応答して、該管理サーバから、前記電子マネーＩＤ情報によって特定される電子マネーＩＤに対応付けられた機器ＩＤを返し、
前記取得手段は、前記管理サーバから返された機器ＩＤを受信し、前記入力手段を介して提示された電子マネーＩＤ情報に対応付けられた機器ＩＤとして取得することを特徴とする請求項１又は２に記載の自動販売機。
【請求項４】
前記入力手段は、外部から近接した若しくは挿入された記録媒体に記録された情報の少なくとも読み取りを行う媒体読取手段からなり、該記録媒体に記録された電子マネーＩＤ情報を読み取ることにより該電子マネーＩＤ情報を入力することを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項５】
前記品目選択手段によって選択された購入品目の対価の決済処理を前記外部の管理サーバにおいて行い、前記決済処理手段は、前記管理サーバから決済結果を受信し、該受信した決済結果に応じて前記品目選択手段によって選択された購入品目の販売可否を決定することを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項６】
前記照合手段による照合処理を前記決済処理手段による決済処理の後に行うことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項７】
前記照合手段による照合処理を前記決済処理手段による決済処理の前に行うことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項８】
前記第２の通信手段は、通常は電源オフとされており、遅くとも前記読み取り手段が前記端末機から該端末機に固有の機器ＩＤを読み取る前までには電源オンとされ、その後、前記端末機のインターネット接続中は電源オンが持続されることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の自動販売機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１３４０９０（Ｐ２０１１−１３４０９０Ａ）
【公開日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２９２７９１（Ｐ２００９−２９２７９１）
【出願日】平成２１年１２月２４日（２００９．１２．２４）
【出願人】（３０７００３７７７）株式会社日本コンラックス (140)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１２月２４日（２００９．１２．２４）
【出願人】（３０７００３７７７）株式会社日本コンラックス (140)
【Ｆターム（参考）】
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