説明

自動車のエンジンフード

【課題】軽量で高剛性を有すると共に、交通事故時における歩行者の頭部障害を軽減することも可能となる自動車のエンジンフードを提供すること。
【解決手段】自動車の進行方向Fに延びる互いに平行な一対のスリット18,18間のインナーパネル部材をアウターパネル12側に突出するように切り起こして、その切り起こし部の幅:Wが、10mm以上、50mm未満なとるようにして切り起こし部16を形成すると共に、そのような切り起こし部16の上端部であるアウター接触部22をアウターパネル12に対して接着剤にて接着して、自動車のエンジンフード10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンフードに関し、特に、歩行者との衝突時における歩行者保護に良好に対応し得ると共に、軽量で高剛性を備えた自動車のエンジンフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のエンジンフードは、アウターパネルと、このアウターパネルの補強部材として、アウターパネルの内面側に重ね合わされるようにして設けられ、エンジンフードの骨格を形成してエンジンフードの剛性を確保するインナーパネルとから、構成されている。
【0003】
そして、このような構成とされたエンジンフードにおいて、高剛性のエンジンフードを得るためには、エンジンフードを最も効果的に補強し得るインナーパネルの構成として、複数の補強梁を格子状に配置する構造が、考えられる。
【0004】
しかしながら、近年、交通事故時における歩行者保護が強く要請されている状況下において、自動車が歩行者と衝突した際に、歩行者の頭部がエンジンフードに衝突することが少なくなく、これが致命傷になる恐れがあることが認められている。このため、上記のようにインナーパネルを複数の補強梁を格子状に配置する構造とした場合には、かかる複数の補強梁の交差部が、エンジンフードの他の部位に比べて高剛性となるため、自動車が歩行者と衝突したときに、歩行者が前記交差部により強い衝撃を受け易くなるといった問題を惹起することとなるのである。
【0005】
そこで、そのような問題に対処すべく、特開2001−151159号公報(特許文献1)においては、アウターパネルに接合する補強パネルに多数のビードを配置して、曲げ剛性が縁部から中央部に向かって連続的に増加するようにして、実質的に同一の剛性を持たせて局部的な高剛性部位を無くし、エンジンフードの如何なる部位への頭部衝突の場合にも、常に同一の衝撃を受けるようにしたエンジンフードが、明らかにされている。
【0006】
また、国際公開:WO02/47961号公報(特許文献2)においては、アウターとインナーとが空間を介した閉断面構造をとって結合されたパネル構造体であって、インナーパネルを、インナー全面にわたって複数本の波形ビードが略平行に設けられた波形形状を呈するように構成して、その断面形状が、略頭部外径に近い波長のサイン曲線、サインn乗曲線、又はスプライン曲線である波形フード構造とされているエンジンフードが、明らかにされている。このようなエンジンフードによれば、エンジンフードへの衝突位置によらず、均一で優れた頭部衝突耐性を実現でき、且つ張り剛性等も高剛性化することが出来るとされている。
【0007】
しかしながら、自動車の乗員を保護するといった観点からすると、エンジンフードには高い剛性が必要とされ、また、環境保護の観点からは、燃費向上の要請もあるため、軽量のものが求められている。そこで、軽量で高剛性を備えると共に、衝突時の歩行者保護にも対応することの出来る自動車のエンジンフードが求められてきているのである。
【0008】
【特許文献1】特開2001−151159号公報
【特許文献2】国際公開:WO02/47961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、軽量で高剛性を有すると共に、交通事故時における歩行者の頭部障害を軽減することも可能となる自動車のエンジンフードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明にあっては、そのような課題を解決すべく、自動車のエンジンフードのインナーパネルの構造についてシミュレーションによる検討を鋭意重ねた結果として為されたものであって、その要旨とするところは、アウターパネルとインナーパネルからなる自動車のエンジンフードにおいて、該インナーパネルに、自動車の進行方向に延びる互いに平行な一対のスリットの複数と、該一対のスリット間のインナーパネル部位を前記アウターパネル側に突出させた切り起こし部とが形成され、且つ該切り起こし部の上端部がアウターパネルに接着されている一方、該切り起こし部の幅:Wが、10mm以上、50mm未満とされていることを特徴とする自動車のエンジンフードにある。
【0011】
なお、このような本発明に従うエンジンフードの望ましい態様の一つによれば、前記インナーパネルに形成される切り起こし部は、切り起こされた傾斜部とアウターパネル接触部とから構成されることとなる。
【0012】
また、かかる本発明に従うエンジンフードの別の望ましい態様の一つにあっては、前記インナーパネルに形成される切り起こし部は、切り起こされた一対の傾斜部と平坦なアウターパネル接触部とからなる断面台形状とされることとなる。
【0013】
さらに、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記一対のスリットは、自動車の進行方向に対して0〜20°の角度を設けて配設されることとなる。
【0014】
更にまた、本発明の別の好ましい態様の一つにあっては、前記インナーパネルに形成される切り起こし部は、自動車の進行方向において互いに平行または千鳥状に配置されることとなる。
【発明の効果】
【0015】
従って、このような本発明に従う構成とされたエンジンフードによれば、インナーパネルに形成された複数のスリット間を、アウターパネル側に突出するようにそれぞれ切り起こして、その切り起こし部の上端部をアウターパネルに接着せしめると共に、かかる切り起こし部の幅:Wが、10mm以上、50mm未満となるように構成されているところから、高い剛性を有すると共に、効率的に衝撃を吸収することが可能となり、交通事故時における歩行者の頭部障害値を有利に軽減することが出来る、軽量化されたエンジンフードを提供することが可能となるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0017】
先ず、図1には、本発明に従う自動車のエンジンフードの一実施形態が、下面図において、換言すれば、インナーパネル側から見た平面形態において、概略的に示されている。そこにおいて、エンジンフード10は、自動車の前後方向に相当する図の上下方向における上辺及び下辺が、それぞれ上方に凸なる略円弧形状を呈する形態において、車体外側となるアウターパネル12と、車体内側、即ちエンジンルーム側となるインナーパネル14とを重ね合わせて、構成されており、そしてインナーパネル14の端部が、アウターパネル12の外周縁部に、公知のヘミング加工等の結合方式を用いて結合されている。また、アウターパネル12の内側表面とインナーパネル14との間は、インナーパネル14に設けられた複数(ここでは、18個)の切り起こし部16の上端部位において、部分的に、接着剤による接着によっても、結合されている。
【0018】
より詳細には、アウターパネル12に重ね合わされて、それを補強するインナーパネル14は、アルミニウム合金板や高張力鋼板等から形成されており、そのようなインナーパネル14上には、図1に示されるように、アウターパネル12側に立ち上がる複数の切り起こし部16が、それぞれが所定間隔を隔てるようにして設けられ、ここでは、短冊形状、換言すれば細長な帯状形状を呈する切り起こし部16が、自動車の進行方向Fに所定長さ延びるように整列されて、形成されている。即ち、複数(ここでは18個)の切り起こし部16が、2個づつの列をもって2段に整列して、配設されているのである。なお、このような切り起こし部16の個数は、エンジンフードの大きさや形状によって、適宜調整されるものであって、18個に限定されるものではない。
【0019】
また、かかる切り起こし部16は、図1のA部を拡大した図2や、図3〜図4の断面図にも示される如く、インナーパネル14に形成された、自動車の進行方向Fに向かって延びる互いに平行な一対のスリット18,18の間のインナーパネル部位が、アウターパネル12側に突出するように加工されて、形成されているのである。即ち、ここでは、切り起こし部16は、切り起こされた一対の傾斜部20,20と、アウターパネル12と接触する平坦なアウター接触部22とから構成されており、スリット18に平行な面で切断した断面形状が、台形形状を呈するように、構成されている(図4参照)。そして、そのようなアウター接触部22は、接着剤bを介して、アウターパネル12の内側表面に接着せしめられているのである。
【0020】
このように、インナーパネル14に多数の切り起こし部16が形成されて、かかる切り起こし部16のアウター接触部22において、インナーパネル14とアウターパネル12とが接着されているところから、アウターパネル12とインナーパネル14の結合が、それらの全面に亘って均一に行なわれることとなり、以て、エンジンフード10の剛性を、全面に亘って均一に高めることが可能となる。
【0021】
なお、かかるインナーパネル14に形成された切り起こし部16におけるアウター接触部22の長さ:L1としては、一般に、50mm以上、300mm以下とされることが好ましい。これは、アウター接触部22の長さ(L1)が50mm未満とされた場合においては、エンジンフード10にインパクタが衝突した際の変形領域が小さくなってしまうことから、衝撃吸収能が低下し、衝撃吸収材としての効果が小さくなってしまうからである。また、かかる長さが300mmより大きくされた場合は、実質的に、切り起こし部16におけるスリット18の長さ:L3が300mmより大きくなるところから、エンジンフード10のねじり剛性が低下してしまうのである。
【0022】
また、そのような切り起こし部16の全長(平面視における)に相当するスリット18の長さ:L3は、50mm以上、300mm以下であることが、好ましい。これは、その長さ(L3)が50mm未満とされた場合にあっては、実質的に切り起こし部16におけるアウター接触部22の長さが50mmより小さくなってしまうことから、インパクタ衝突時の変形領域が小さくなり、衝撃吸収能が低下してしまうからである。一方、それが300mmより大きくされた場合にあっては、フードインナー(インナーパネル14)のねじり剛性が低下してしまうのである。
【0023】
さらに、アウター接触部22の長さ:L1は、好ましくは、L1>L3×0.5とされることとなる。これは、L1≦L3×0.5とされた場合に、インパクタ衝突時の変形領域が小さくなることから、衝撃吸収能が低下し、衝撃吸収材としての効果が小さくなってしまうのである。
【0024】
更にまた、傾斜部20の長さ:L2は、〔(2×L2)+L1〕/L3≦1.35の関係を満足することが好ましい。これは、〔(2×L2)+L1〕/L3>1.35とされた場合にあっては、インナーパネルを成形する際に、切り起こし部16のひずみ量が大きくなり過ぎるため、くびれや破断等の成形不良が発生する恐れがあるためである。
【0025】
加えて、かかる切り起こし部16の幅:Wは、本発明に従って、10mm以上、50mm未満とされることとなる。これは、そのような幅が10mm未満とされた場合にあっては、インパクタ衝突時の変形領域が小さくなることから、衝撃吸収能が低下し、衝撃吸収材としての効果が小さくなるからである。一方、それが50mmより大きくされた場合には、フードインナー(インナーパネル16)のねじり剛性が低下してしまうのである。
【0026】
また、切り起こし部16の高さ:Hは、10mm以上、50mm以下とされることが好ましいのであるが、この切り起こし部3の高さ:Hは、接着剤b層が極めて薄いため、図3にも示されるように、アウターパネル12とインナーパネル14との間の距離とほぼ同等となり、この距離が、かかる範囲内とされることが望ましい。このアウターパネル12とインナーパネル14の間の距離は、自動車のデザイン等にも左右されるが、10mm未満ではねじり剛性が低下してしまい、50mmより大きい場合にはフード直下のエンジン等の部品との接触が問題となるからである。
【0027】
このように、本発明に従う自動車のエンジンフード10によれば、各部位における剛性が均一とされているところから、交通事故時の歩行者障害値を軽減することが出来ると共に、軽量な構造とすることも出来るのである。しかも、インナーパネル14に対して、切り起こし部16を成形することは、比較的容易であるところから、例えばアルミニウム合金のうち耐力の高い材料を使用しても成形高さを大きくすることが出来、従って、高剛性で且つ衝撃吸収の大きいエンジンフード10を成形することが可能となる。
【0028】
以上、本発明の代表的な実施形態の一つとその製作方法について詳述してきたが、それらは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0029】
例えば、前述の実施の形態においては、インナーパネル14に成形される切り起こし部16は、細長な略矩形形状の長辺が自動車の進行方向Fに平行となるように整列されて、配列されていたが、図5に示される如く、切り起こし部16が、自動車の進行方向Fに対して0〜20°の角度(α)を設けた、斜め方向に配設されるようにしてもよく、更に、図6に示されるように、切り起こし部16を千鳥状に配置することも、勿論可能である。
【0030】
さらに、切り起こし部16の角部、即ち、インナーパネル14と傾斜部20の接続部分や、傾斜部20とアウター接触部22の接続部分の角部においては、Rを設ける必要はないが、成形が困難な場合は、5mm以下のRを設けることも可能である。
【0031】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明の代表的な実施例の一つを示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
【0033】
市販のFEM解析ソフトにより、シミュレーションを実行するために、先ず、エンジンフードのインナーパネルとアウターパネルをメッシュモデル化したものを作製した。その際、エンジンフードにはアルミニウム合金板(AA6009相当、調質T4)が使用されることを想定し、より実体フードに近い条件にてシミュレーションを実施する目的から、塗装焼付処理後の材料特性を解析モデルに入力した。
【0034】
さらに、メッシュモデルには、図2〜図4に示されるような、切り起こし部16を複数形成し、これらの切り起こし部16を、本発明例となる図1及び図5や、比較例となる図7に示される如き形態に配置した。なお、図7においては、切り起こし部16は、自動車の進行方向に対して直交する方向に延びるように六列、四段にて配設されている。また、何れの例においても、切り起こし部16は、エンジンフード10の外周縁部、車体前部(ロック機構装着部)および運転席側端部(ヒンジ装着部)を除くインナーパネル14の全面に配設され、切り起こし部16にはアウター接触部22が形成され、アウター接触部22はアルミアウターパネル12の内側面と接着されていることを前提とした。
【0035】
ここで、切り起こし部16の配列及び形状が本発明に従うものとされてなる、No.1〜No.6の6種類のエンジンフード10のメッシュモデルを作製し、これを本発明例として、下記表1にそれらの配列及び形状をそれぞれ示した。また、比較例として、配列や形状が本発明の範囲外とされたものである、No.7〜No.12の6種類を作製し、それらの配列及び形状を、下記表2にそれぞれ示した。
【0036】
そして、そのようなメッシュモデル化されたエンジンフードに対して、同様にメッシュモデルによるインパクタを衝突させるシミュレーションを行なった。その際、解析条件として、ユーロNCAP(European New Car Assessment Programme )における子供用頭部の衝突条件に即した条件を入力した。具体的には、重量:2.5kg、外径:130mmのインパクタを使用して、そのようなインパクタを、速度:40km/h、衝突角度:50°で、エンジンフードの数カ所に衝突させ、最大となる頭部障害値を算出して、本発明例に係る頭部障害値を表1に、また比較例における頭部障害値を表2に、それぞれ併せ示した。なお、歩行者の頭部障害値(HIC)は、よく知られているように、下記の式(1)により算出されるものである。
【0037】
[式]

但し、∫はt1 からt2 までの積分値であり、Aは頭部重心における3軸合成加速度、t1 ,t2 は0<t1 <t2 となる時刻で、HICが最大となる作用時間で、(t2 −t1 )は15msec以下とする。
【0038】
さらに、それらのメッシュモデルを用いて、エンジンフード後端の2箇所を拘束し、エンジンフード全体がねじれるような強制変位を与えるシミュレーションを行い、エンジンフードのねじり剛性を評価した。その際、発生する荷重が高いほど、ねじり剛性が優れていることとなるのであるが、ねじり剛性については、法規等による明確な判定基準が存在しないために、従来のエンジンフードとして、鋼板に複数の補強梁を格子状に配置したものをインナーパネルに用いたエンジンフードのメッシュモデルを作製し、それを、前述のNo.1〜No.12のメッシュモデルと同様にシミュレーションを行い、その結果との相対比較を行った。そして、それぞれの比較結果を○、△、×の三段階で評価し、それらの評価結果を、下記表1、表2に併せ示した。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、本発明例となる試験材No.1〜6は、何れも、エンジンフードの全部位において優れた頭部障害値を有しており、ねじり剛性も充分であることが認められる。
【0042】
これに対して、試験材No.7は、切り起こし部におけるアウター接触部の長さL1が短いことから、衝撃吸収効果が小さくなっている。また、No.8は、切り起こし部におけるアウター接触部の長さL1が長すぎることから、ねじり剛性が劣っている。更に、試験材No.9は、L1≦L3×0.5であることから、スリット部の長さL3に対してアウター接触部の長さL1が短いことから、衝撃吸収効果が小さくなっている。更にまた、試験材No.10は、切り起こし部の幅Wが小さく、衝突に対する剛性の低下により、衝撃吸収能力が小さくなっている。加えて、試験材No.11は、切り起こし部の幅Wが大きすぎることから、ねじり剛性が劣っている。また、試験材No.12は、切り起こし部が車体進行方向に対して直角に配置され、インパクターが衝突した際に切り起こし部が均一に変形しないことから、衝撃吸収効果が小さくなっている。そして、試験材No.13は,鋼板に複数の補強梁を格子状に配置した従来のインナーパネルを使用したものであり、衝突に対する剛性が均一でなく、頭部衝撃値が劣っている。
【0043】
このように、比較材となる試験材No.7〜13のものは、何れも、試験材No.1〜6に比べて、頭部衝撃値、或いはねじり剛性が劣っているものとなっているのである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に従うエンジンフードの一例を示す下面説明図である。
【図2】図1におけるA部分を拡大して示す説明図である。
【図3】図2におけるX−X断面を拡大して示す説明図である。
【図4】図2におけるY−Y断面を拡大して示す説明図である。
【図5】本発明に従うエンジンフードの別の一例を示す下面説明図である。
【図6】本発明に従うエンジンフードのさらに別の一例を示す下面説明図である。
【図7】実施例において検討された、本発明とは異なる切り起こし部の配設形態を示す下面説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10 エンジンフード
12 アウターパネル
14 インナーパネル
16 切り起こし部
18 スリット
20 傾斜部
22 アウター接触部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターパネルとインナーパネルからなる自動車のエンジンフードにおいて、該インナーパネルに、自動車の進行方向に延びる互いに平行な一対のスリットの複数と、該一対のスリット間のインナーパネル部位を前記アウターパネル側に突出させた切り起こし部とが形成され、且つ該切り起こし部の上端部がアウターパネルに接着されていると共に、該切り起こし部の幅:Wが、10mm以上、50mm未満とされていることを特徴とする自動車のエンジンフード。
【請求項2】
前記インナーパネルに形成される切り起こし部が、切り起こされた傾斜部とアウターパネル接触部とからなることを特徴とする請求項1に記載の自動車のエンジンフード。
【請求項3】
前記インナーパネルに形成される切り起こし部が、切り起こされた一対の傾斜部と平坦なアウターパネル接触部とからなる断面台形状のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車のエンジンフード。
【請求項4】
前記一対のスリットが、自動車の進行方向に対して0〜20°の角度を設けて配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の自動車のエンジンフード。
【請求項5】
前記インナーパネルに形成される切り起こし部が、自動車の進行方向において互いに平行または千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の自動車のエンジンフード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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