説明

自動車のシート格納構造

【課題】乗員用シートに設けられたアームレストの損傷を防止しつつ、簡単な操作で乗員用シートを格納状態に移行させ得るようにした。
【解決手段】車室の側壁部近傍に設置された乗員用シートのシートバック16をその使用位置と前方の格納位置とに変位可能に支持するシート支持手段と、乗員用シートの上記側壁部側に配設されたアームレスト18を略水平な使用位置とシートバック16に沿った格納位置とに変位可能に支持するアームレスト支持手段19とを備えた自動車のシート格納構造であって、上記車室の側壁部には、乗員用シートのシートバック16を上記使用位置から格納位置に移動させる際にアームレスト18の移動軌跡と干渉する位置に突出部29が設けられ、この突出部29にアームレスト18が当接したときに、このアームレスト18の後退を許容する後退機構が上記アームレスト支持手段19に設けられた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内に配設された乗員用シートのシートバックをその使用位置と前方の格納位置とに変位可能に支持する自動車のシート格納構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、乗員用シートのシートバックフレームにアームレスト本体を回動自在に枢支し、上記アームレスト本体を使用位置および格納位置においてそれぞれロックするロック機構を設けるとともに、上記アームレスト本体の後端部に後方に突出するリンクを設け、このリンクにワイヤの一端を連結し、このワイヤの他端をリクライニング機構のベース側に連結し、シートバックの前傾時に上記ワイヤが引っ張られることにより、上記アームレスト本体を使用位置から格納位置に自動的に回動させ、格納位置において上記ロック機構によりロックさせるように構成したアームレストの支持構造が知られている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、シートクッションに設けられたリクライニング機構によりシートバックが前後に傾動可能に支持されるとともに、このシートバックの左右両側面にアームレストを回動可能に取り付けた運転席において、シートクッション後部とアームレスト動部周端位置間にリンクを連結してアームレストをシートバックおよびアームレストの各取付ボルト類、リンクの両端連結部で構成される不等辺4節リンク機構に支持し、上記シートバックの前傾に連動してアームレストを自動的に反転退避させるように構成した建設機械の運転席が知られている。
【特許文献1】実開昭58−89437号公報
【特許文献2】実開平05−40358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1,2に開示されているように乗員用シートのシートバックを起立状態の使用位置から前方の格納位置に傾動変位させる操作に応じ、シートバックに設けられたアームレストをシートバックに沿わせた格納状態に自動的に移動させるように構成した場合には、上記乗員用シートの後方に配設された後列シートに対する乗降時等に、上記アームレストをシートバックに沿わせるように手動で揺動変位させるという煩雑な操作を要することなく、上記アームレストをシートバックとともに格納位置に移行させることができるという利点がある。
【0005】
しかし、車室の側壁部に車室内へ向けて突出する突出部が形成されている場合には、乗員用シートのシートバックを前方の格納位置に移行させる操作に応じ、上記アームレストを格納位置に移行させるように構成しても、このアームレストが上記突出部に干渉してアームレストの格納操作が阻害され、無理に格納しようとするとアームレスト等が損傷する可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、乗員用シートに設けられたアームレストの損傷を防止しつつ、簡単な操作で乗員用シートを格納状態に移行させることができる自動車のシート格納構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車室の側壁部近傍に設置された乗員用シートのシートバックをその使用位置と前方の格納位置とに変位可能に支持するシート支持手段と、乗員用シートの上記側壁部側に配設されたアームレストを略水平な使用位置とシートバックに沿った格納位置とに変位可能に支持するアームレスト支持手段とを備えた自動車のシート格納構造であって、上記車室の側壁部には、乗員用シートのシートバックを上記使用位置から格納位置に移動させる際にアームレストの移動軌跡と干渉する位置に突出部が設けられ、この突出部にアームレストが当接したときに、このアームレストの後退を許容する後退機構が上記アームレスト支持手段に設けられたものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のシート格納構造において、上記アームレスト支持手段に設けられた後退機構に、アームレストに一定値以上の押圧力が作用するまでアームレストの後退を規制するとともに、アームレストを後退させる方向の押圧力が一定値以上となった時点でアームレストの後退を許容する後退規制手段が設けられたものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の自動車のシート格納構造において、上記シートバックが、アームレストと突出部との干渉範囲を超えて前方へ倒伏可能に支持され、上記アームレスト支持手段がシートバックの倒伏時にアームレストを後退位置に保持するとともに、シートバックが倒伏状態から起立状態に移行する過程で上記アームレストの後退保持状態を解除するロック手段を備えたものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造において、上記アームレスト支持手段に、アームレストを揺動可能に枢支する枢支軸と、この枢支軸を摺動自在に支持するスリット状の支持溝と、上記枢支軸またはアームレストを前進させる方向に付勢する付勢手段とが設けられたものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造において、上記突出部に、車載機器の操作スイッチが設けられたものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造において、上記乗員用シートの後方に後列シートが配設されるとともに、この乗員用シートおよび後列シートに対して乗員が乗降する際に使用される乗降用開口部を開閉するスライドドアが車室の側面部に設置され、上記シート支持手段は、乗降用開口部から後列シートに対して乗員が乗降する際に邪魔にならない位置に上記乗員用シートのシートバックを前傾させる機能を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、乗員用シートのシートバックを上記使用位置から格納位置に移動させる際に、そのアームレストが車室の側壁部に設けられた突出部と干渉した場合に、上記アーレストが後退するのを許容するように構成したため、上記突出部にアームレストが強固に押し付けられて損傷するという事態を生じることなく、上記乗員用シートのシートバックを使用位置から格納位置に変位させることができるとともに、その際に上記アームレストを手動でシートバックに沿った格納位置または上記突出部との干渉を回避し得る位置に揺動変位させる等の煩雑な操作を要することなく、上記シートバックの揺動変位に連動させてアームレストを自動的に後退させることにより、その損傷を防止しつつ、起立状態の使用位置にある上記シートバックをシートクッション上に折り畳んだ格納位置に容易に変位させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、アームレスト支持手段に設けられた後退機構に、アームレストに一定値以上の押圧力が作用するまでアームレストの後退を規制するとともに、このアームレストを後退させる方向の押圧力が一定値以上となった時点でアームレストの後退を許容する後退規制手段を設けたため、通常の使用時にアームレストを前方の使用位置に安定して保持できるとともに、このアームレストが損傷するように大きな押圧力が作用した場合に、アームレストを後退させることにより、その損傷を効果的に防止できるという利点がある。
【0015】
請求項3に係る発明では、アームレストと突出部との干渉範囲を超えてシートバックを前方へ倒伏可能に支持するとともに、このシートバックの倒伏時にアームレストを後退位置に保持し、かつシートバックが倒伏状態から起立状態に移行する過程で上記アームレストの後退保持状態を解除するロック手段を設けた構成としたため、シートバック上に折り畳まれた格納位置にあるシートバックを起立させることにより使用位置に変位させる際に、アームレストの先端部が上記突出部に圧接されるのを防止することができ、これによりアームレストまたは突出部が損傷するのを防止しつつ、上記シートバックを使用位置に変位させる操作を容易に行うことができる。そして、上記アームレストの先端部が突出部から離間した後に、上記ロック手段による上記アームレストの後退保持状態が解除されるため、アームレストが前方の使用位置にスライド変位させることが許容されることになる。
【0016】
請求項4に係る発明では、アームレストを揺動可能に枢支する枢支軸と、この枢支軸を摺動自在に支持するスリット状の支持溝と、上記枢支軸を前進させる方向に付勢する付勢手段とをアームレスト支持手段に設けたため、シートバックを使用位置に変位させる操作に応じて上記ロック手段によるアームレストの後退保持状態が解除された時点で、付勢手段の付勢力に応じて枢支軸を支持溝に沿って前方に移動させるとともに、これに連動してアームレストを自動的に前方の使用位置に移動させることができる。
【0017】
請求項5に係る発明では、パワーウインド用スイッチ、スライドドア駆動用スイッチ、後席乗員用空調スイッチまたは後席乗員用オーディオスイッチ等からなる車載機器の操作スイッチを上記突出部に設けたため、上記乗員用シートに着座した乗員がアームレスト上に載置した手を少し伸ばすだけで、上記操作スイッチを容易に操作できるという利点がある。
【0018】
請求項6に係る発明では、乗員用シートの後方に後列シートが配設されるとともに、この乗員用シートおよび後列シートに対して乗員が乗降する際に使用される乗降用開口部を開閉するスライドドアが車室の側面部に設置された自動車において、乗降用開口部から後列シートに対して乗員が乗降する際に邪魔にならない位置に上記乗員用シートのシートバックを前傾させて格納することができるため、後列シートに対する乗員の乗降を中列シートに邪魔されることなく容易に行うことができ、しかも上記アームレストをスライドドアからなるサイドドアに配設した場合のように、このサイドドアドアの厚みが大きくなることに起因して、そのスライド操作時に上記アームレストが邪魔になること等を防止できるとともに、乗員用シートに着座した乗員が必要時にアームレストを肘置きとして効果的に利用できる等の利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る自動車のシート格納構造を備えた自動車の外観および車室内の構成を示している。この自動車の車体には、その側面部の前後方向中間部にセンターピラー1が上下方向に延びるように設置されるとともに、このセンターピラー1の前方側には、後述の前列シート2に乗員が乗降する際に使用されるヒンジドアからなるフロントサイドドア3が設置されている。また、上記センターピラー1の後方側に位置する車体の側面には、乗降用開口部4が形成されるとともに、この乗降用開口部4を開閉するスライドドアからなるリヤサイドドア5が設置されている。
【0020】
上記車室の底面には、フロアパネル6が設置されており、このフロアパネル6の前部上面には、運転席7および助手席8からなる前列シート2が配設されている。また、この前列シート2の後方側には、中列シート9および後列シート10からなる乗員用シートが前後に配設されており、上記リヤサイドドア5を車体の後方側へスライド変位させることにより開放状態となった乗降用開口部4から、上記中列シート9および後列シート10に対する乗員の乗降が行われるようになっている。
【0021】
上記フロアパネル6は、車室の前方部に形成されたフロントフロア部11と、このフロントフロア部11より後方側の一段高い位置に形成されたセンターフロア部12と、このセンターフロア部12より後方側のさらに一段高い位置に形成されたリヤフロア部13とを有している。そして、上記フロントフロア部11に前列シート2が設置されるとともに、上記センターフロア部12に中列シート9が設置され、かつ上記リヤフロア部13に後列シート10が設置されている。
【0022】
上記中列シート9は、上記リヤサイドドア5からなる車室の側壁部近傍に配設された左右一対の乗員用シートからなり、それぞれ上記センターフロア部12の上面に設置されたガイドレール14に沿って車体の前後方向にスライド自在に支持されたシートクッション15と、その後端部に設けられたシートバック16とを有し、図3の実線で示す前方位置と、仮想線で示す後方位置との間において変位可能に設置されている。ここで、図5は、上記中列シート9の格納状態を示す説明図である。
【0023】
上記中列シート9のシートバック16は、従来周知のリクライニング機構17からなるシート支持手段を介して、図3等に示すように、起立状態となった使用位置と、図5に示すように、シートクッション15上に折り畳まれた前方の格納位置、つまりウォークインモード位置とに変位可能に支持されている。また、この中列シート9の格納状態(ウォークインモード位置)では、図示を省略した昇降機構により中列シート9のシートクッション15およびシートバック16を所定の位置に下降させた状態で格納するように構成されている(図5参照)。
【0024】
上記のように中列シート9からなる乗員用シートおよびその後方に配設された後列シート10に対して乗員が乗降する際に使用される乗降用開口部4を備えるとともに、この乗降用開口部4を開閉するスライドドアからなるリヤサイドドア5が車室の側面部に設置された自動車において、上記リクライニング機構17からなるシート支持手段は、中列シート9のシートバック16を前傾させた状態で支持する機能を有し、これにより上記乗降用開口部4から後列シート10に対して乗員が乗降する際に中列シート9が邪魔になるのを防止するように構成されている。
【0025】
上記中列シート9のシートバック16には、その車外側側面部、つまり車室の側壁部を構成する上記リヤサイドドア5に対向した側面部分に、中列シート9に着座した乗員の肘置き部となるアームレスト18が設けられている。ここで、図6は、上記アームレスト18の格納状態を示す説明図である。上記アームレスト18は、アームレスト支持手段19を介して、図3に示すように略水平に設置された使用位置と、図6に示すように上記シートバック16の側面に沿うように重ねられた格納位置とに変位可能に支持されている。
【0026】
図7は、アームレスト支持手段19の具体的構成を示す図4におけるVII−VII矢視平面断面図であり、図8は、アームレスト支持手段19の具体的構成を示す図7におけるVIII−VIII矢視断面図である。
【0027】
上記アームレスト支持手段19は、図7および図8に示すように、リクライニング機構17を構成する支持軸17aの上方部において、シートバックフレーム20に基端部が固定されるとともに、先端部が車外側(アームレスト18側)に向けて略水平に突設された枢支軸21と、この枢支軸21に回動可能に枢支され上部リンク22と、この上部リンク22に枢支されて上記枢支軸21と平行に延びる平行ピン23と、アームレスト18に装着された取付部24とを有している。そして、この取付部24に形成された支持溝25に上記平行ピン23および上記枢支軸21の先端部が挿入された状態で、この枢支軸21を支点にアームレスト18が揺動可能に支持されている。
【0028】
上記支持溝25は、枢支軸21および平行ピン23の直径に対応した溝幅を有するとともに上記アームレスト18の長手方向に延びるスリットからなり、この支持溝25および上記枢支軸21等によってアームレスト18が車体の後方側に変位するのを許容する後退機構が構成されている。また、上記アームレスト18の後端部側に位置する支持溝25の基端部近傍には、上記枢支軸21が支持溝25に沿ってその先端部側に相対移動するのを規制する上下一対の係止爪26,26が形成されている。
【0029】
すなわち、通常時には、上記枢支軸21が支持溝25の基端部側から先端部側に相対移動するのを係止爪26,26により規制し、上記アームレスト18に一定値以上の押圧力が作用するまでアームレスト18の後退を規制した状態、つまり前方に引き出した前進位置に保持する後退規制手段が上記アームレスト支持手段19に設けられている。そして、上記アームレスト18を後退させる方向の押圧力が一定値以上なった時点で、図9に示すように、上記枢支軸21が係止爪26,26の設置部を乗り越えて支持溝25の前方側に相対移動することが許容され、これにより上記アームレスト18が車体の前方側に突出した状態から所定距離だけ車体の後方側に変位させ得るようになっている。
【0030】
また、上記シートバック16の傾動支点となるリクライニング機構17の支持軸17aには、上記上部リンク22と同一のリンク長さを有する下部リンク27が枢支されるとともに、これらの上部リンク22および下部リンク27の先端部が連結リンク28を介して互いに連結されることにより平行リンクが構成されている。
【0031】
そして、通常時には、シートクッション15の側面部に設けられたシートバックフレーム20に突設されたストッパ30によって上記下部リンク27が水平状態に保持されるとともに、これに対応して上記上部リンク22が上記連結リンク28を介して水平状態に保持されることにより、上記平行ピン23が枢支軸21の前方側に位置した状態となって上記アームレスト18が水平状態に保持されている。すなわち、上記上部リンク22、下部リンク27および連結リンク28等からなる平行リンク機構により、シートバック16の傾斜角度に如何に拘わらずに上記アームレスト18を水平状態の使用位置に保持する保持機構が構成されている。
【0032】
上記のようにして水平状態に保持されたアームレスト18の先端部を上方に持ち上げると、図10に示すように、上記枢支軸21を支点にしてアームレスト18および上部リンク22が揺動変位してシートバック16に沿った起立状態(格納位置)に変位するとともに、上記上部リンク22の揺動変位が上記連結リンク28を介して下部リンク27に伝達されることにより、この下部リンク27が上部リンク22と同角度の起立状態に変位することになる。
【0033】
車室の側壁部を構成する上記リヤサイドドア5の車室内側壁面には、図3および図4に示すように、車室内側に突出する突出部29が、上記中列シート9の車外側側面部に設けられたアームレスト18の前方に配設されている。具体的には、上記リヤサイドドア5の側壁前部に設けられたインナハンドルHの下方に上記突出部29が突設されている。この突出部29の上面には、パワーウインド用スイッチ、スライドドア駆動用スイッチ、後席乗員用空調スイッチまたは後席乗員用オーディオスイッチ等からなる車載機器の操作スイッチ31が配設されている。
【0034】
そして、上記中列シート9のアームレスト18をアームレスト支持手段19により略水平な使用位置に保持するとともに、このアームレスト18を前方に突出させ、かつ中列シート9を車体の前方側に位置させた状態で、上記リクライニング機構17の支持軸17aを支点に、中列シート9のシートバック16を略鉛直に起立させた使用位置から前方の格納位置に傾動変位させる際に、図11に示すように、上記アームレスト18の移動軌跡と干渉する位置に上記突出部29が配設されている。
【0035】
上記構成において、中列シート9に着座した乗員がアームレスト18を使用する際には、図8に示すように、支持溝25に設けられた係止爪26,26等からなる後退規制手段により、アームレスト18が前方に引き出した状態に保持されるとともに、上部リンク22、下部リンク27および連結リンク28等からなる保持機構により、上記アームレスト18が水平状態の使用位置に保持されている。
【0036】
一方、上記アームレスト18の不使用時には、アームレスト18の先端部を上方に持ち上げることにより、図6および図10に示すように、アームレスト18をシートバック16に沿った格納位置に変位させるとともに、このアームレスト18の回動支持部に作用する摩擦抵抗等に応じてアームレスト18を格納位置に保持する。このようにして上記中列シート9からなる乗員用シートに乗り降りする際に、上記アームレスト18を邪魔にならないように格納することにより、中列シート9に対する乗降を容易に行うことができる。
【0037】
また、図11に示すようにアームレスト18を使用位置に保持した状態で、中列シート9のシートバック16を起立させた使用位置から、図5に示すように、シートクッション15上に折り畳んだ格納位置(ウォークインモード位置)に変位させる際には、その過程で、リヤサイドドア5の車室内側壁面に設けられた突出部29にアームレスト18の先端部が当接する。この状態で、上記シートバック16の前傾角度を大きくして上記格納位置に変位させようとすると、上記アームレスト18を後退させる方向の押圧力が作用する。
【0038】
上記アームレスト18を後退させる押圧力は、シートバック16の前傾角度が大きくなるのに応じて増大し、この押圧力が一定値以上となった時点で、図9に示すように、上記枢支軸21が係止爪26,26の設置部を乗り越えて支持溝25の前方側に相対移動するとともに、これに応じて上記アームレスト18が車体の前方側に突出した状態から車体の後方側にスライド変位することにより、上記シートバック16を、さらに前傾させて上記格納位置に変位させる操作が許容されることになる。
【0039】
そして、上記シートバック16の前傾角度が一定値以上になると、アームレスト18の先端部が上記突出部29から離間して、図5に示すように、シートバック16とアームレスト18とをシートクッション15上に折り畳んだ格納位置に変位させることができる。また、上記格納位置では、下部リンク27および連結リンク28等からなる保持機構により、上記アームレスト18が水平状態に保持されるため、この位置においてアームレスト18に、がたつきが生じることはない。
【0040】
図5に示す格納位置にあるシートバック16を起立させることにより使用位置に変位させる際には、その過程で図12に示すように、アームレスト18は、車体の後方側に変位した状態、および水平状態を維持しつつ、シートバック16とともに変位するため、上記突出部29に干渉することなく、上記シートバック16の傾動変位に応じて上部後方側に変位する。したがって、上記アームレスト18が車室の側壁部に突設された突出部29に干渉することに起因してシートバック16の揺動変位が規制されるという事態を生じることなく、このシートバック16を使用位置に変位させて起立状態とする操作を容易に行うことができる。
【0041】
このようにしてシートバック16を起立状態の使用位置に変位させた後、アームレスト18の前端部を持って前方に引っぱり、あるいはアームレスト18の後端部を前方に押動する等により、上記枢支軸21を係止爪26,26の設置部よりも支持溝25の後端部側に相対移動させるとともに、これに応じて上記アームレスト18を車体の前方側にスライド変位させることにより、車体の前方へ突出させた使用状態に移行させる。
【0042】
上記のように車室の側壁部近傍に設置された中列シート9からなる乗員用シートのシートバック16をその使用位置と前方の格納位置とに変位可能に支持するリクライニング機構17からなるシート支持手段と、上記中列シート9の上記側壁部側に配設されたアームレスト18を略水平な使用位置とシートバック16に沿った格納位置とに変位可能に支持するアームレスト支持手段19とを備えた自動車のシート格納構造において、上記車室の側壁部に、中列シート9のシートバックを上記使用位置から格納位置に移動させる際にアームレスト18の移動軌跡と干渉する位置に突出部29を設け、この突出部29にアームレスト18が当接したときに、このアームレスト18の後退を許容する後退機構を上記アームレスト支持手段19に設けたため、上記中列シート9に設けられたアームレスト18の損傷を防止しつつ、簡単な操作で中列シート9のシートバック16をシートクッション15上に折り畳んだ格納状態に移行できるという利点がある。
【0043】
すなわち、上記第1実施形態では、アームレスト18に設けられた支持溝25に、シートバックフレーム20に突設された枢支軸21の先端部を嵌入し、この枢支軸21を支持溝25に沿ってその前方側に相対移動可能に支持することにより、上記アームレスト18が車体の前方側に突出した状態から、上記支持溝25の設置長さに対応した距離だけ車体の後方側に変位するのを許容するように構成したため、起立状態の使用位置にある中列シート9のシートバック16を、シートクッション15上に折り畳んで格納位置に変位させる際に、その過程で図11に示すように、アームレスト18の先端部が、リヤサイドドア5の車室内側壁面に設けられた突出部29に当接した場合に、上記アームレスト18を自動的に後退させつつ、上記シートバック16を格納位置に傾動変位させることができる。
【0044】
したがって、上記突出部29にアームレスト18が強固に押し付けられて損傷するという事態を生じることなく、上記リクライニング機構17の支持軸17aを支点に、中列シート9のシートバック16を使用位置から格納位置に変位させることができるとともに、その際に、上記アームレスト18を手動でシートバック16に沿った格納位置または上記突出部29との干渉を回避し得る位置に揺動変位させる等の煩雑な操作を要することなく、上記シートバック16の揺動変位に連動させてアームレスト18を自動的に後退させることにより、その損傷を防止しつつ、起立状態の使用位置にある上記シートバック16を、シートクッション15上に折り畳んだ格納位置に容易に変位させることができる。
【0045】
また、上記第1実施形態では、アームレスト支持手段19に設けられた後退機構に、アームレスト18に一定値以上の押圧力が作用するまでアームレスト18の後退を規制するとともに、このアームレスト18を後退させる方向の押圧力が一定値以上となった時点でアームレスト18の後退を許容する後退規制手段を設けたため、通常の使用時にアームレスト18を前方の使用位置に安定して保持できるとともに、このアームレスト18が損傷するように大きな押圧力が作用した場合に、アームレスト18を後退させることにより、その損傷を効果的に防止できるという利点がある。
【0046】
具体的には、上記支持溝25に設けられた係止爪26,26からなる後退規制手段により枢支軸21が支持溝25の基端部側から先端部側に相対移動するのを規制して、上記アームレスト18に一定値以上の押圧力が作用するまで、このアームレスト18を前進位置に保持するように構成したため、使用者の意思に反して上記アームレスト18が後退することによる違和感の発生を効果的に防止することができる。そして、上記アームレスト18を後退させる方向の押圧力が一定値以上なった時点で、図9に示すように、上記枢支軸21が係止爪26,26の設置部を乗り越えて支持溝25の前方側に相対移動することが許容されるため、上記突出部29にアームレスト18が強固に押し付けられて損傷するのを効果的に防止できるという利点がある。
【0047】
また、上記第1実施形態に示すように、上部リンク22、下部リンク27および連結リンク28等を備えた平行リンク機構からなる保持機構により、シートバック16の傾斜角度に如何に拘わらずに上記アームレスト18を水平状態の使用位置に保持するように構成した場合には、上記中列シート9からなる乗員用シートのリクライニング機構17を使用してシートバック16の起立角度を使用者の好みに応じて変化させても、上記アームレスト18を水平状態に保持できるため、その使い勝手を向上させることができる。
【0048】
しかも、上記シートバック16を格納位置に変位させるとともに、アームレスト18をシートクッション15上に折り畳んだ状態に変位させた状態では、この状態を上記保持機構により保持してアームレスト18にがたつきが生じるのを効果的に防止することができるため、上記シートクッション15およびアームレスト18の上面を荷物等の載置面として利用する際の利便性を効果的に向上させることができる。
【0049】
また、上記第1実施形態に示すように、パワーウインド用スイッチ、スライドドア駆動用スイッチ、後席乗員用空調スイッチまたは後席乗員用オーディオスイッチ等からなる車載機器の操作スイッチ31を上記突出部29に設け場合には、上記中列シート9からなる乗員用シートに着座した乗員が上記アームレスト18上に載置した手を少し伸ばすだけで、上記操作スイッチ31を容易に操作できるという利点がある。
【0050】
さらに、上記第1実施形態に示すように、上記中列シート9からなる乗員用シートの後方に後列シート10が配設されるとともに、この中列シート9および後列シート10に対して乗員が乗降する際に使用される乗降用開口部4を開閉するスライドドアからなるリヤサイドドア5が車室の側面部に設置された自動車において、上記リクライニング機構17からなるシート支持手段に、乗降用開口部4から後列シート10に対して乗員が乗降する際に邪魔にならない位置に中列シート9のシートバック16を前傾させる機能を備えさせた構成によれば、上記リヤサイドドア5の側壁部に車室内側に突出する突出部29が設けられているにも拘わらず、後列シート10に対する乗員の乗降を中列シート9に邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0051】
しかも、上記リヤサイドドア5にアームレストを配設した場合のように、このリヤサイドドア5の厚みが大きくなることに起因して、そのスライド操作時に上記アームレストが邪魔になり、リヤサイドドア5の車幅方向外側への引き出し量を大きくしなければならなくなる等の問題が生じるのを防止できるとともに、中列シート9に着座した乗員が必要時に上記アームレスト18を肘置きとして効果的に利用できるという利点がある。
【0052】
図13〜図15は、本発明に係る自動車のシート格納構造の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、リクライニング機構17を構成する支持軸17aの上方部において、一端部がアームレスト18の取付部24に枢支されるとともに、他端部がシートバックフレーム20に形成されたスリットからなる支持溝32に支持された枢支軸33と、この枢支軸33を上記支持溝32の前端部側に付勢する引張ばねからなる第1付勢手段34とを有している。
【0053】
上記第1付勢手段34の付勢力に応じて枢支軸33が支持溝32の前端部側に付勢されることにより、通常時には、上記アームレスト18が車体の前方側に位置した状態に保持されるように構成されている。また、上記枢支軸33には、支持溝32の幅寸法に対応した偏平部33aが形成され、この偏平部33aが上記支持溝32に係合されることにより、上枢支枢軸33の回動変位が規制されるとともに、この枢支軸33が支持溝32に沿ってスライド変位することが許容された状態で、上記シートバックフレーム20に枢支軸33が支持されるようになっている。
【0054】
上記枢支軸33には、歯車35が固定されるとともに、上記アームレスト18には、歯車35に係合されることにより上記枢支軸33を支点としてアームレスト18が揺動変位するのを規制するロックピン36と、このロックピン36を歯車35に係合させる方向に付勢する圧縮ばね等からなる第2付勢手段37と、この第2付勢手段37の付勢力に抗して上記ロックピン36を歯車35から離間させる方向に駆動する駆動レバー38および駆動ロッド39とが設けられている。
【0055】
通常時には、第2付勢手段37の付勢力に応じて上記ロックピン36を歯車35に係合することにより、上記枢支軸33を支点にアームレスト18が揺動変位するのを規制してこのアームレスト18が例えば略水平な使用位置に保持されるように構成されている。そして、上記アームレスト18をシートバック16に沿わせた格納位置に変位させる場合、またはアームレスト18の設置角度を変化させる場合には、図14の仮想線で示すように上記駆動レバー38を操作してその駆動力を駆動ロッド39からロックピン36に伝達し、このロックピン36を歯車35から離間させることにより、枢支軸33を支点にしたアームレスト18の揺動変位が許容されるようになっている。
【0056】
また、上記シートバックフレーム20に形成された支持溝32の近傍には、上記枢支軸33が支持溝32の後端部側に変位するのを許容するとともに、この支持溝32の後端部側に変位した枢支軸33が上記後退位置から前方側に移動するのを規制するロックレバー40が設置されている。上記ロックレバー40と、このロックレバー40を回動可能に枢支する支持軸41と、ロックレバー40の先端部を上記後退規制位置に向けて付勢する捩りばねからなる第3付勢手段42と、上記ロックレバー40に駆動力を伝達するリンクロッド43と、シートバック16の傾動支点となるリクライニング機構17の支持軸17aに外嵌されたシート基部側カム44等とにより、上記シートバック16の倒伏時にアームレスト18を後退位置に保持するとともに、シートバック16が倒伏状態から起立状態に移行する過程で上記アームレスト18の後退保持状態を解除するロック手段45が構成されている。
【0057】
上記構成において、アームレスト18を略水平な使用位置に保持した状態で、中列シート9のシートバック16を起立させた使用位置から、シートクッション15上に折り畳んだ格納位置に変位させる際には、その過程で、リヤサイドドア5の車室内側壁面に設けられた突出部29にアームレスト18の先端部が当接する。そして、この突出部29にアームレスト18の先端部が圧接されることにより付与される押圧力に応じ、上記アームレスト18が後退することが許容されつつ、上記シートバック16を格納位置に傾動変位させる操作が行われることになる。
【0058】
上記シートバック16の格納操作に応じ、図16に示すように、リンクロッド43の下端がシート基部側カム44の切欠き領域に変位した時点で、上記第3付勢手段42の付勢力によりロックレバー40が枢支軸33の後退規制位置に変位する。この状態では上記支持溝32に沿って枢支軸33が後退することが許容されるが、この後退位置に侵入した枢支軸33の前方変位が規制されるため、突出部29にアームレスト18が当接することより付与される押圧力に応じて上記アームレスト18が後退すると、この後退状態が上記ロック手段45により保持されつつ、シートバック16を前方の格納位置に変位させる操作が行われる。
【0059】
また、上記のようにシートバック16上に折り畳まれた格納位置にあるシートバック16を起立させることにより使用位置に変位させる際にも、上記ロック手段45によりアームレスト18が後退位置に保持されるため、その過程でアームレスト18の先端部が上記突出部29に圧接されることが防止されつつ、上記シートバック16を使用位置に変位させる操作が行われる。そして、上記アームレスト18の先端部が突出部29から離間した状態で、図15に示すように、リンクロッド43の下端がシート基部側カム44上に乗り上げることにより、ロックレバー40が支持溝32の下方に変位するように駆動されて上記枢支軸33の後退保持状態が解除される。このため、上記第1付勢手段34の付勢力に応じて枢支軸33が支持溝32に沿って前方に駆動されるとともに、これに連動してアームレスト18が前方の使用位置に自動的にスライド変位する。
【0060】
上記のようにアームレスト18と突出部29との干渉範囲を超えてシートバック16を前方へ倒伏可能に支持されるとともに、このシートバック16の倒伏時にアームレスト18を後退位置に保持するとともに、シートバック16が倒伏状態から起立状態に移行する過程で上記アームレスト18の後退保持状態を解除するロック手段45を設けた構成とした場合には、シートバック16上に折り畳まれた格納位置にあるシートバック16を起立させることにより使用位置に変位させる際に、アームレスト18の先端部が上記突出部29に圧接されるのを防止できるため、アームレスト18または突出部29が損傷するのを防止しつつ、上記シートバック16を使用位置に変位させる操作を容易に行うことができる。そして、上記アームレスト18の先端部が突出部29から離間した後に、上記ロック手段45による上記アームレストの後退保持状態を解除することにより、アームレスト18が前方の使用位置にスライド変位させることが許容される。
【0061】
特に、上記実施形態に示すように、アームレスト18を揺動可能に枢支する枢支軸33と、この枢支軸33を摺動自在に支持するスリット状の支持溝32と、上記枢支軸33を前進させる方向に付勢する第1付勢手段34とをアームレスト支持手段に設けた構成とした場合には、シートバック16を使用位置に変位させる操作に応じて上記ロック手段45による上記アームレスト18の後退保持状態が解除された時点で、上記第1付勢手段34の付勢力に応じて枢支軸33を支持溝32に沿って前方に移動させるとともに、これに連動してアームレスト18を自動的に前方の使用位置に移動させることができるという利点がある。
【0062】
なお、上記枢支軸33を前進させる方向に付勢する引張ばね等からなる第1付勢手段34を設けた上記第2実施形態に代え、アームレスト18を前方に付勢する弾性体等からなる付勢手段を設けた構成としてもよい。この場合おいても、シートバック16を使用位置に変位させる操作に応じて上記ロック手段45による上記アームレスト18の後退保持状態が解除された時点で、アームレスト18を自動的に前方の使用位置に移動させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシート格納構造を備えた自動車の外観を示す斜視図である。
【図2】上記自動車の車室内の構成を示す斜視図である。
【図3】上記自動車の車室内の構成を示す側面断面図である。
【図4】上記自動車の車室内の構成を示す図3におけるIV−IV矢視平面断面図である。
【図5】中列シートの格納状態を示す説明図である。
【図6】アームレストの格納状態を示す説明図である。
【図7】アームレスト支持手段の具体的構成を示す図4におけるVII−VII矢視断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】アームレストの後退状態を示す図8相当図である。
【図10】アームレストの格納状態を示す図8相当図である。
【図11】中列シートのシートバックの格納過程を示す説明図である。
【図12】中列シートのシートバックの起立過程を示す説明図である。
【図13】本発明に係るシート格納構造の第2実施形態を示す図7相当図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】図13のXV−XV線断面図である。
【図16】アームレストの格納過程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
4 乗降用開口部
5 リヤサイドドア
9 中列シート(乗員用シート)
10 後列シート
15 シートクッション
16 シートバック
17 リクライニング機構(シート支持手段)
18 アームレスト
19 アームレスト支持手段
21 枢支軸(後退機構)
25 支持溝(後退機構)
26 係止爪(後退規制手段)
29 突出部
31 操作スイッチ
32 支持溝
33 枢支軸
34 付勢手段
45 ロック手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の側壁部近傍に設置された乗員用シートのシートバックをその使用位置と前方の格納位置とに変位可能に支持するシート支持手段と、乗員用シートの上記側壁部側に配設されたアームレストを略水平な使用位置とシートバックに沿った格納位置とに変位可能に支持するアームレスト支持手段とを備えた自動車のシート格納構造であって、上記車室の側壁部には、乗員用シートのシートバックを上記使用位置から格納位置に移動させる際にアームレストの移動軌跡と干渉する位置に突出部が設けられ、この突出部にアームレストが当接したときに、このアームレストの後退を許容する後退機構が上記アームレスト支持手段に設けられたことを特徴とする自動車のシート格納構造。
【請求項2】
上記アームレスト支持手段に設けられた後退機構は、アームレストに一定値以上の押圧力が作用するまでアームレストの後退を規制するとともに、アームレストを後退させる方向の押圧力が一定値以上となった時点でアームレストの後退を許容する後退規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のシート格納構造。
【請求項3】
上記シートバックは、アームレストと突出部との干渉範囲を超えて前方へ倒伏可能に支持され、上記アームレスト支持手段は、シートバックの倒伏時にアームレストを後退位置に保持するとともに、シートバックが倒伏状態から起立状態に移行する過程で上記アームレストの後退保持状態を解除するロック手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のシート格納構造。
【請求項4】
上記アームレスト支持手段に、アームレストを揺動可能に枢支する枢支軸と、この枢支軸を摺動自在に支持するスリット状の支持溝と、上記枢支軸またはアームレストを前進させる方向に付勢する付勢手段とが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。
【請求項5】
上記突出部に、車載機器の操作スイッチが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。
【請求項6】
上記乗員用シートの後方に後列シートが配設されるとともに、この乗員用シートおよび後列シートに対して乗員が乗降する際に使用される乗降用開口部を開閉するスライドドアが車室の側面部に設置され、上記シート支持手段は、乗降用開口部から後列シートに対して乗員が乗降する際に邪魔にならない位置に上記乗員用シートのシートバックを前傾させる機能を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−241745(P2009−241745A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90649(P2008−90649)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】