説明

自動車のブレーキ装置

【課題】
制御電子ユニット或いは電気エネルギー供給部が省略されても、作動力の倍力が可能であるブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】
この発明は、作動モード「ブレーキ・バイ・ワイア」では車両運転者に快適なペダル感覚を伝えるペダル移行シミュレータを備えるブレーキ装置に関する。制御電子部或いは電気エネルギー供給部の省略の際にも作動力の倍力を可能とするために、この発明は、第一ピストン(2)と第三ピストン(5)との間に第四ピストン(8)が配置されており、この第四ピストンが第三ピストン(5)と共働作業して液圧室(9)を限定し、この液圧室(9)がブレーキペダル作動によって圧力媒体貯蔵容器(31)に対して遮断できる液圧接続部を有し、その貯蔵容器には作動力によって圧力が発生され得て、そして室(9)に導入された液圧圧力によって弁配列体(10)が作動でき、この弁配列体により空間(11)に導入された圧力が変更できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪ブレーキシリンダが接続できるマスターシリンダと、作動力を伝達する押圧ロッドによってブレーキペダルに連結されている第一ピストンと、マスターシリンダを作動するように使用した第二ピストンと、第一ピストンにより作動できて第二ピストンと動力伝達接続して移動できる第三ピストンと、「ブレーキ・バイ・ワイア」作動モードにおいて操作者に快適なペダル感覚を与えるペダル移行シミュレータを形成する少なくとも一つの弾性要素と、ハウジング内の第三ピストンの移行路に依存して作動される第一と第三ピストンの移動を連結する手段と、液圧を作用できる第二ピストンと第三ピストンの間の空間であって、空間の圧力作用が第二と第三ピストンに対向方向に付勢させる空間と、圧力媒体により空間の充填と排出を可能とする圧力供給モジュールとから成る自動車のブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車技術では、「ブレーキ・バイ・ワイア」ブレーキシステムは増加割合で使用される。このブレーキシステムの場合には、ブレーキは運転者の積極的作用なしに電子信号に基づいて「独立に」作動できる。この電子信号は例えば電子安定プログラムESP或いは間隔制御システムACCによって出力され得る。この種の独立作動が運転者による作動に重ねられるので、自動車の運転者がブレーキペダルにおける反動に注意する。ブレーキペダルにおけるこの反動効果が運転者のために驚きであり且つ不快であるので、運転者が交通の臨界状況にてブレーキペダルをこの状況に適合された程度に作動できない、というのは運転者がブレーキペダルにおけるブレーキの独立作動に起因した反動によって苛立たされるからである。
【0003】
前記タイプのブレーキ装置はドイツ特許出願公開第102004025638号明細書(特許文献1)から知られている。予め知られたブレーキ装置の「独立作動」或いは空間の圧力作用が空間と圧力供給モジュールの間の液圧接続部を開放するか又は遮断する電気的作動可能な弁手段による圧力供給モジュールによって作動モード「ブレーキ・バイ・ワイア」で行われる。予め知られたブレーキ装置では、電子ユニットと自動車に設けられたエネルギー供給部(電池)がもとのままである場合に自動車操作者により生じた作動力の倍力が可能である事実は、欠点として見做される。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102004025638号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、この発明の課題は、制御電子ユニット或いは電気エネルギー供給部が省略されても、作動力の倍力が可能である前記種類のブレーキ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、この発明によると、第一ピストンと第三ピストンとの間には第四ピストンが配置されていて、第三ピストンとの共働作業で液圧室を限定し、その液圧室がブレーキペダル作動によって遮断できる圧力媒体貯蔵容器に対する液圧接続部を有し、その貯蔵容器には作動力により圧力が発生され得て、液圧室に導入された液圧によって弁配列体が作動でき、その弁配列体により空間内で制御された圧力が変更できることによって解決される。
【0006】
この発明の好ましい実施態様では、ペダルシミュレータを形成する弾性要素が作用的に圧力ロッドと第四ピストンの間に配置されている。図示された構成では、弾性要素は圧縮可能な材料から成るエラストマーばねとほぼ非圧縮性弾性材料から成る圧縮ばねとから成り、後者は液圧空間に配置されている。
【0007】
この発明対象の別の構成の場合には、液圧遮断装置が第一と第三ピストンの移動を連結するために設けられ、第三ピストンの移行に依存してハウジング内で作動される。この場合には、遮断装置は遮断可能な液圧接続部によって形成され、この液圧接続部は遮断装置の作動されていない状態ではシミュレータ空間の圧力媒体貯蔵容器との接続を許容し、その接続は第三ピストンの変位移行の戻しによって遮断される。
【0008】
この発明対象の別の構成の場合には、ペダルが作動されていないときに、室が液圧的に遮断装置或いは圧力媒体貯蔵容器と接続されており、この接続は第四ピストンの第三ピストンに対する相対移動によって遮断できる。それによりペダルが作動されていないときに、室には圧力がなく(容器圧力)、ブレーキペダルが作動されるときにはブレーキペダル作動力と室圧力の間にいつも増加する機能関係が存在することが達成される。
【0009】
液圧接続部は第四ピストンの前壁に形成された開口によって形成され、この開口は第三ピストンに配置された密封要素と共働する。別の構成では、第四ピストンの第三ピストンに対する相対移動によって遮断できる液圧接続部を実現するために特に第四ピストン内に形成された流路が設けられ、この流路は第三と第四ピストンの間に配置されたパッキングを迂回する。
【0010】
遮断装置に含有されたシミュレータ空間と圧力媒体貯蔵容器との接続部は、特にペダル移行シミュレータを液圧減衰する液圧絞り要素として用いられる。この場合には、液圧絞り要素の少なくとも一つが貫流方向に依存する性能を有するときに、特に好ましい。
【0011】
好ましい実施態様では、回転角度センサーはブレーキペダル位置と移動を検出するために設けられ、そのセンサーの出力信号が電子制御ユニットに供給されて圧力供給モジュールを作動するのに用いられる。その外に、圧力センサーは圧力供給モジュールから出力された液圧を検出するために設けられ、そのセンサーの出力信号が電子制御ユニットに供給されるときに、有効である。
【0012】
圧力供給モジュールは他の実施態様では液圧高圧アキュムレータから成る。
【0013】
この発明の別の好ましい実施態様は、圧力供給モジュールが高圧アキュムレータを充填する手段から成ることを暗示する。その外に、圧力供給モジュールは特に電気的に制御可能な弁を包含する。
【0014】
この発明の別の好ましい実施態様では、電子制御ユニットは圧力供給モジュールと連通している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次の本文では、この発明の実施態様が任意の概略図面を参照して詳細に説明され、図1にはこの発明のブレーキ装置の構成を示し、図2にはブレーキ装置に実現可能な三つの作動モードの線図的表示を示す。
【実施例】
【0016】
図面に図示されたこの発明のブレーキ装置は、作動ロッド28を介して第一ピストン2と作用的に接続されているブレーキペダル3を有する。ブレーキペダル移行は回転角度センサー37によって検出され得る。第一ピストン2は第四ピストン8内に配置されていて、第一ピストン2と第四ピストン8の間にはシミュレータ空間21が形成されており、その空間には圧縮ばね6が配置されて、ペダルが作動されない場合には第一ピストン2を第四ピストン8に当接させる。第四ピストン8は第三ピストン5内に移動自在に案内されて、後部に液圧室9を形成し、この室は開口或いは通路35を介してシミュレータ空間21と連通している。第四ピストン8の第三ピストン5に対する移動が通路35を遮断し、ピストン5がこのために密封要素36を支持する。移行応答方法で流体流れにより通過できるピストンは、遮断代用として使用され得る。弾性要素7、例えばエラストマーばねは作動ロッド28と第四ピストン8の間に作用的に配置されて、ばね6と一緒にペダル移行シミュレータを形成し、このシミュレータはブレーキ装置の作動の際に自動車操作者に通常のブレーキペダル特性に一致する慣習的ペダル感覚を伝達する。これは、僅かなブレーキペダル移行では抵抗がゆっくりと増加され、大きなブレーキペダル移行では過剰比例して増加することを意味する。前記圧縮ばね6が同様に「乾燥」状態に、即ちシミュレータ空間21の外部に配置され、例えばエラストマーばね7と平行に配置され得る。
【0017】
さらに、マスターシリンダ1の作動ピストンである第二ピストン4が設けられている。示された例では、マスターシリンダ1はテンダムマスターシリンダとして形成され、このマスターシリンダでは、第二ピストン4に別のピストン19が後部接続されている。マスターシリンダ1には制御可能な車輪ブレーキ圧修正モジュール29を介して車両の車輪ブレーキが接続されており、車輪ブレーキ圧修正モジュール29には電子制御調整ユニット30が連動されている。
【0018】
すべてのピストン2、4、5、8、19は一つのハウジング20内に収納され、マスターシリンダの第二、第三及び第五ピストンは図示された実施態様では同じ直径或いは同じ横断面を有する。第三ピストン5と第二ピストン4の間には空間11が存在し、この空間は液圧接続部によって電気液圧式圧力供給モジュール13と接続されていて、このモジュールは空間11の圧力作用を可能とする。この圧力供給モジュール13は液圧圧力源として用いられる高圧アキュムレータ22と、高圧アキュムレータ22を充填するモータ駆動されるポンプ23と、圧力制御弁15、16、17及び圧力媒体貯蔵容器18を包含する。空間11に導入された圧力を監視するために圧力センサー24が用いられ、この圧力センサーは同様に圧力供給モジュール13に一体化され得る。高圧アキュムレータ22は、ポンプ23がそのロータの質量慣性に基づいて例えば突然の完全ブレーキのために必要なポンプ出力をすぐに準備できないとき、又は電気エネルギーがポンプ23を駆動するために利用できないとき、ブレーキを作動するエネルギーを与える。圧力供給モジュール13には電子制御ユニット25が連動されており、この制御ユニットには回転角度センサー37及び圧力センサー24の出力信号が連動されて、モータ駆動されるポンプ23及び圧力制御弁15ー17を作動するのに用いられる。
【0019】
その外に、空間11と電気液圧式圧力供給モジュール13の間の液圧接続部12には液圧作動可能な弁配列体10が挿入されており、この弁配列体は液圧制御導管26を介して前記室9に導入された圧力によって制御できる。この方法では電子的成分の協力なしにブレーキ力の倍力が行われ得る。
【0020】
空間11は接続部12を介して圧力を作用され、これにより、第二ピストン4はマスターシリンダ1内で作動され、第三ピストン5がハウジング20内のストッパ27に押圧され、このストッパには第三ピストン5がブレーキ装置の作動前に当接する。この場合には、ハウジング20内のストッパ27は、図示されるように、必ずしも設けられなくともよく、第三ピストン5の乾燥側に形成され、同様に良くストッパが例えば圧力媒体を充填した空間11内に配置され得る。圧力制御するために使用された電気制御可能な弁には種々の構成が可能である。例えばスライド弁が使用できる。好ましい弁構成は図示されたものであり、これには三つの別に作動できる座弁が使用され得る。第一圧力制御弁15は圧力発生を制御し、第二圧力制御弁16は圧力降下を制御する。両者が特に無段調整可能なアナログ弁であり、電流なしの状態では閉鎖されている。第三弁17は拡張処理のために温度変更により空間11と圧力媒体貯蔵容器18との必要な接続を形成する。このために、この弁は特に切換弁として形成され、そして電流なしの状態では開放する。この弁は特に圧力供給モジュールの電子ユニット25の内部の監視ユニットに電気的に接続されている。これはブレーキ中に電子ユニット25の制御モジュールにおける臨界的ミスを検出すると、ユニットを遮断し、圧力制御弁15と16をその閉鎖された位置に移動させる。同時に切換弁17がエネルギー付勢され、それでこのミスの場合に企図された空間11の遮断が確保される。自然に電磁弁がもはや作動できない電流不足の場合にも、次の実施態様に図示されるように、ブレーキ装置が運転者に支配できるままである:圧力媒体の温度依存型容積変更は比較的ゆっくりと行われるので、弁17の開口横断面が非常に小さく保持され得る。この措置によって、電流不足の場合にすべての弁15、16、17が図示されたエネルギー消去切換状態をとるときに、空間11内にある圧力媒体が圧力媒体貯蔵容器18に非常にゆっくりとのみ漏れ得ることが保証される。これは、電流不足の場合にも突然の運転者に苛立たさせる突然のペダル移行不足を阻止する。
【0021】
前記第四ピストン8内に配置されたシミュレータ空間21が第二ピストン2と第三ピストン5或いは第四ピストン8の移動を連結する液圧遮断装置の構成部材であり、その装置は第三ピストン5の移行に依存してハウジング20内で作動される。このために、シミュレータ空間21とマスターシリンダ1に連動された圧力媒体貯蔵容器31との間に液圧接続部が設けられ、第三ピストン5内の通路32を介して第四ピストン8内に形成された部分33と接続されており、この部分はシミュレータ空間21に連通している。ブレーキペダルの作動の場合には、適したばね部によってまず最初に第四ピストン8が第三ピストン5内に移動する。それにより液圧通路35が閉鎖され、液圧室9には圧力が発生し得て、この圧力は液圧接続部26を介して圧力供給モジュール13に対して伝達され、空間11内でブースタ圧力を導入するようにこの圧力を惹起させる。一方ではマスターシリンダ1が作動され、他方では第三ピストン5がハウジング側ストッパ27に押圧され、これにより液圧通路35が開放され、ペダル移行シミュレータが機能的にそのままである。空間11内で不十分或いは不足なブースタ圧力の場合には、第三ピストン5がハウジング10内で移動し、それにより第三ピストン5が液圧的に第一ピストン2の移動に連結されるので、液圧通路32が閉鎖され、ペダル移行シミュレータが遮断される。この場合には、接続部26を介して弁配列体10に押し込む僅かな量の液圧液体によるこの連結部における僅かな回復が黙認される。この場合には、遮断装置に包含された液圧接続部がペダル移行シミュレータ7を液圧減衰する液圧絞り要素として用いられて、液圧絞り要素の少なくとも一つが貫流方向に依存する性能を有し得る。
【0022】
第一(通常)作動モード、即ち液圧ブースタ作動モードでは、空間11内の圧力増加弁15の作動によって圧力が発生され、その圧力作用によって第三ピストン5が図面において左へ移動され、その間に第二ピストン4が右へ押圧される。第一作動モードが図2による線図で面「A」によって図示される。電子式制御されて圧力を降下するために圧力減少弁16がエネルギー付勢される。空間11内の圧力は、第三ピストン5を圧力ロッド28を介して伝達するペダル力に逆らってハウジング20内のストッパ27に保持するために十分であるように測定される。その代わりに空間11内の圧力は自由に選定できるので、ブレーキ圧の各所望依存性がブレーキペダル作動によりプログラムされ得る。この場合には、不望のペダル戻し作用が阻止される。この電子式作動圧力制御は、その伝達作用が圧力アキュムレータ、圧力発生弁や分離弁の技術的データによって与えられた動力学の範囲内に自由に選定できるという利点を有する。それ故に、所謂急増機能、即ちブレーキペダル3が軽く接触される場合の所定ブレーキ圧値、ブレーキ補助機能、遅延制御と自動ブレーキの急増は、例えばASR(駆動スリップ制御)、ESP(電子的安定プログラム)、ACC(適応クルーズ制御)のために必要とされるように、ソフトウエア措置によって実現され得る。このために、ブレーキペダル作動の形態の運転者の仕様は移行センサー、動力センサー、或いは他のタイプのセンサーにより検知されて、適当なアルゴリズムを使用する明確に図示されていない計算ユニットによって車輪ブレーキ圧に変換され、その圧力は圧力供給モジュールと次に接続されたABS制御モジュールにおいて電子的切換可能な弁によって実現される。
【0023】
図2による線図にて経過「B」によって図示され且つ第一フォールバックモードに一致する第二作動モードでは、空間11内に圧力を発生させるために高圧アキュムレータ22を支配する残留圧力が使用される。この場合には、圧力発生は前記制御弁配列体10によって液圧的に制御され、制御弁配列体は室9において第四ピストン8の移動によって導入された圧力によって作動される。
【0024】
液圧圧力供給モジュール13から生じる圧力の欠損によって特徴付けられ且つ図2による線図にて経過「C」によって図示される第三作動モードでは、ブレーキ装置が純粋に機械的に作動され得て、第三ピストン5がブレーキペダル作動の影響下でストッパ27から移動し、第二ピストン4を機械的接触により移動させる。マスターシリンダ1の作動は専ら筋力によって行われる。
【0025】
この発明によって、簡単に構成されたブレーキ装置が達成され、このブレーキ装置にはブレーキペダル特性が残りのブレーキ装置の作動状態から依存していなく、それにより運転者ブレーキの場合のペダル感覚が独立作動の同時存在によっても、アンチロック制御、牽引制御或いは走行安定制御ような他の制御作動によっても邪魔されない。
【0026】
さらに、ブレーキ装置は、従来のブレーキ装置より簡単に構成されるという利点を有する。電子式安定制御機能(ESP)を備える車両は例えば通常のABS液圧より複雑とされる特殊なESP液圧を必要とし、それはABS液圧と相違してマスターシリンダ圧以上の車輪ブレーキ圧を発生させる能力を有しなければならないからである。
【0027】
この発明のブレーキ装置を備える車両では、特殊なESP液圧は余分であり、この発明の独立ブレーキ液圧は従来のABSシステムと接続してかなり良い機能を得る。従来のESP液圧のためにより僅かな電磁的作動可能な弁で済む。その外に、この発明のブレーキ装置はより良いエネルギー均衡と従来のESP液圧より僅かな騒音の開発を有し、というのは、そこでESP作動で必要なブレーキ液のポンプ送りが圧力制限弁において動的圧力を発生するために除去されるからである。上記先行技術と比較しても、騒音作用の改良が達成され得る、というのは、車両内で固体音臨界的射出壁と結合しているハウジング8により包囲されたモジュールの内部には弁、モータ或いはポンプのような騒音発生構成部材が配置されていないからである。
【0028】
電気エネルギー供給の短時間の不足の場合におけるブレーキ力の倍力を維持する開示された課題は、単に作動モードAが電気エネルギーの存在を前提とし、それに対して作動モードBが液圧エネルギーのみを必要とすることによって解決される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明のブレーキ装置の構成を示す。
【図2】ブレーキ装置に実現可能な三つの作動モードの線図的表示を示す。
【符号の説明】
【0030】
1.....マスターシリンダ
2.....第一ピストン
3.....ブレーキペダル
4.....第二ピストン
5.....第三ピストン
6、7...弾性要素
8.....第四ピストン
9.....液圧室
10....弁配列体
11....空間
13....圧力供給モジュール
20....ハウジング
21....シミュレータ空間
23....ポンプ
24....圧力センサー
25....制御弁
27....ストッパ
28....圧力ロッド
29....車輪ブレーキ圧修正モジュール
30....電子制御ユニット
31....圧力媒体貯蔵容器
35....通路
36....密封要素
37....回転角度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪ブレーキシリンダが接続できるマスターシリンダ(1)と、作動力を伝達する押圧ロッド(28)によってブレーキペダル(3)に連結されている第一ピストン(2)と、マスターシリンダ(1)を作動するように使用した第二ピストン(4)と、第一ピストン(2)により作動できて第二ピストン(4)と力伝達接続して移動できる第三ピストン(5)と、「ブレーキ・バイ・ワイア」作動モードにおいて操作者に快適なペダル感覚を与えるペダル移行シミュレータを形成する少なくとも一つの弾性要素(6、7)と、ハウジング(20)内の第三ピストン(5)の移行路に依存して作動される第一と第三ピストンの移動を連結する手段と、液圧を作用できる第二ピストン(4)と第三ピストン(5)の間の空間(11)であって、空間(11)の圧力作用が第二と第三ピストン(4、5)に対向方向に付勢させる空間と、圧力媒体により空間(11)の充填と排出を可能とする圧力供給モジュール(13)とから成る自動車のブレーキ装置において、第一ピストン(2)と第三ピストン(5)との間には第四ピストン(8)が配置されていて、第三ピストン(5)との共働作業で液圧室(9)を形成し、その液圧室がブレーキペダル作動によって遮断できる圧力媒体貯蔵容器(31)に対する液圧接続部を有し、その貯蔵容器には作動力により圧力が発生され得て、液圧室(9)に導入された液圧によって弁配列体(10)が作動でき、その弁配列体により空間(11)内で制御された圧力が変更できることを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
弁配列体(10)が圧力供給モジュール(13)内に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項3】
弾性要素(6)は作用的に圧力ロッド(28)と第四ピストン(8)の間に配置されていることを特徴とする請求項1或いは2に記載のブレーキ装置。
【請求項4】
液圧遮断装置は第一ピストン(2)と第三ピストン(5)の移動を連結するように設けられ、第三ピストン(5)の移行に依存してハウジング(20)内で作動されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項5】
液圧遮断装置は第三ピストン(5)と第一ピストン(2)により限定されたシミュレータ空間(21)によって形成され、その空間が圧力媒体で充填され、遮断装置の作動されない状態で圧力媒体貯蔵容器(31)と接続されていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ装置。
【請求項6】
室(9)は第三ピストン(5)に対する第四ピストン(8)の相対移動によって遮断できる通路(35)によってシミュレータ空間(21)と接続されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ装置。
【請求項7】
ブレーキペダルが作動されない際には室(9)に付属されたパッキングは流体を溢れて流し、第三ピストン(5)内の第四ピストン(8)の相対移動によって密封的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ装置。
【請求項8】
通路(35)は第四ピストン(8)の前壁に形成されている開口によって形成されており、その開口は第三ピストン(5)に配置された密封要素(36)と共働することを特徴とする請求項6に記載のブレーキ装置。
【請求項9】
遮断装置に包含された液圧接続部がペダル移行シミュレータ(7)を液圧減衰する液圧液圧絞り要素として用いられることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項10】
液圧絞り要素の少なくとも一つが貫流方向に依存する性能を有することを特徴とする請求項9に記載のブレーキ装置。
【請求項11】
回転角度センサー(37)がブレーキペダル位置と移動を検出するために設けられ、そのセンサーの出力信号が電子制御ユニット(25)に供給されて圧力供給モジュール(13)を作動するのに用いられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項12】
圧力センサー(24)は圧力供給モジュール(13)から出力された液圧を検出するために設けられ、そのセンサーの出力信号が電子制御ユニット(25)に供給されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項13】
圧力供給モジュール(13)は液圧高圧アキュムレータ(22)から成ることを特徴とする請求項12に記載のブレーキ装置。
【請求項14】
圧力供給モジュール(13)は液圧高圧アキュムレータ(22)を充填する手段から成ることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項15】
圧力供給モジュール(13)は電気的に制御可能な弁(15、16、17)を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項16】
電子式制御ユニット(25)は圧力供給モジュール(13)と連動されているいることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項17】
圧力供給モジュール(13)の電子制御ユニット(25)と車輪ブレーキ圧修正モジュール(29)の電子制御ユニット(30)とは、一つの構造ユニットを形成するか、またはそれぞれに一つの共通制御ユニットに集合されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項18】
圧力供給モジュール(13)と車輪ブレーキ圧修正モジュール(29)とは一つの構造ユニットを形成することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−516831(P2008−516831A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536183(P2007−536183)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055245
【国際公開番号】WO2006/042823
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】