説明

自動車のワイパー装置等用の液圧コネクタ

【課題】
本発明は、例えば自動車用のワイパー装置に用いられる液圧コネクタに関する。
【解決手段】
液圧コネクタ1は、洗浄液および除氷液を供給する孔が開いている管3、4を有するワイパーブレード2が配設され、流体供給源に接続するのに適する少なくとも1つの入口接続部5、6と、前記孔の開いた管3、4に接続されている少なくとも1つの出口接続部9、10、11を有する分配部7、8とを備えている。前記液圧コネクタ1は、流体を前記入口接続部5、6から、前記分配部7、8へ供給するための内部通路23、24を有する。前記液圧コネクタ1を貫通する前記内部通路23、24により、前記入口接続部5、6は、前記分配部7、8へ直接供給することなく、液圧コネクタ1の様々な位置に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車用のワイパー装置に用いられる液圧コネクタを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、駆動アームとワイパーブレードと液圧コネクタとを備えるワイパー装置、コネクタを備える駆動アーム、コネクタを備えるワイパーブレードを提供することである。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラスの洗浄または除氷に用いられるワイパー装置は、通常、駆動アームに接続されているワイパーブレードと同様に、流体、洗浄液、および/または除氷液の供給源、および、モータに接続される駆動アームを有する。
【0003】
拭き取りの間、駆動アームとワイパーブレードの間で相対的運動があるため、駆動アームとワイパーブレードとは、駆動アームに対してワイパーブレードが回転できるように接続しなければならない。
【0004】
また、ワイパーブレードは、交換や保守のために駆動アームから着脱容易であることが必要である。
【0005】
さらに、アダプタが、通常、接続及び上述したような駆動アームとワイパーブレードとの相対的運動のために、駆動アームとワイパーブレードとの間に設けられる。
【0006】
流体の噴出が、例えば、自動車のボンネットに配置されたノズルから行われる場合、駆動アームとワイパーブレードとの接続部は、上述した以外の機能を有しない。
【0007】
一方、洗浄または除氷の動作を、かつ正確且つ効果的に行うために、流体は、ワイパーブレードからフロントガラスへ直接噴出される。
【0008】
この場合、ワイパーブレードに流体を供給する必要がある。通常、ワイパーブレードは、1つまたは2つの孔の開いた管を備えている。流体入口管は、直接、孔の開いた管に接続することができる。しかしながら、流体接続部は、駆動アームとワイパーブレードとの相対的運動により、必ずしも信頼できるものではない。さらに、流体入口管を隠すか、または、保護することは困難である。結局、接続または取り外しは、すり減ったワイパーブレードを交換したいユーザにとって容易ではない。
【0009】
上述の問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されているように、駆動アームとワイパーブレードとのアダプタの接続は、液圧接続部を用いて行われる。
【0010】
特許文献1に記載のものでは、接続要素を、駆動アームを回転可能に組み付けるための貫通孔19を備えるアダプタ15と、最終的には、アダプタ15の中に組み込まれる洗浄液分配部27とに分解できる。
【0011】
洗浄液分配部27は、各端部に設けられ、ワイパーブレードの1つの孔の開いた管に直接接続される2つの出口接続部21と、流体入口接続部に接続されるための中央の分配シリンダに直交して開口する入口接続部22とを備えている。
【0012】
2つの孔の開いた管を備えるワイパーブレードの場合、2つの対称的な接続要素は、第1接続要素のプラグセット17と第2接続要素の孔18とを、協働させて組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2006/056406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような接続要素によって生じる問題は、複雑であること、並びに製造、組立のためのコストが高くなることである。
【0015】
さらに、ワイパーブレードの接続または取り外しは、容易ではない。
【0016】
また、駆動アームとワイパーブレードとの相対的運動により、分配部がアダプタから外れるという危険性がある。
【0017】
さらに、入口接続部は、中心から離れたところで、分配部に対して直接に開口しているが、流体入口管を保護し、外観をより良くするために、上記の流体入口管を隠すことは困難である。
【0018】
流体入口管は、通常、駆動アームに沿って隠されて案内され、上記のワイパーブレードに平行な位置に接続されて開口する限り、通常、過剰な圧力がワイパーブレードに平行に生成され、次いで、分配部に平行にかかるという別の問題が生じる。さらに、この過剰圧力により、過剰圧力の方向に対して直交する位置にある分配部において、入口接続部から流体入口管が外れる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、前記問題及び上述した他の問題を解決することを目的としている。
【0020】
本発明の第1の特徴によれば、流体、特に洗浄液および除氷液を供給する少なくとも1本の孔の開いた管を備えるワイパーブレードに組み込まれる液圧コネクタ、例えば自動車用のワイパー装置のための液圧コネクタが提供される。
【0021】
液圧コネクタは、流体供給源に接続するのに適する少なくとも1つの入口接続部と、前記孔の開いた管に接続される少なくとも1つの出口接続部を有する、少なくとも1つの分配部とを備えている。
【0022】
前記液圧コネクタは、流体を入口接続部から、前記分配部へ供給するための少なくとも1つの内部通路を有する。
【0023】
このように、液圧コネクタを貫通する前記内部通路によって、前記入口接続部を、分配部へ直接供給するようにすることなく、前記液圧コネクタの様々な位置に設けることが可能である。
【0024】
前記入口接続部は、過剰圧力の影響を減らし、接続部を隠して保護することができ、かつ接続/取り外しを容易に行うことができる位置に配置することができる。
【0025】
前記入口接続部は、分配部の方向と平行に向けるのが好ましい。または、前記入口接続部を、前記液圧コネクタの頂部から、前記分配部に対して直交する方向に向けてもよい。
【0026】
いずれの場合においても、流体供給源は、液圧コネクタの頂部から、ワイパーブレードに対して平行な方向に向いているため、接続/取り外しが容易である。
【0027】
液圧コネクタは、一体形成されている2つの部品からなっている。一体とされる上記の2つの部品の中の第1部品は、前記入口接続部および内部通路の第1部分を有し、プラスチック材料で成形されることが好ましい。一体に形成される上記の第2部品は、前記内部通路の残部と、前記分配部の全部または一部とを有し、プラスチック材料で成形することが好ましい。
【0028】
このように前記液圧コネクタは、複雑な内部通路があるにもかかわらず、例えば上記の各部品を一体成形することにより、容易に製造することができる。
【0029】
一体に形成される上記の2つの部品は、接続部を、超音波溶接またはオーバーモールドによって行い、シールして組み立てるのが好ましい。上記の接続は、一体形成された前記第1部品および/または第2部品と同じ材料で行われる。
【0030】
また、前記液圧コネクタのボディは、プラスチック材料を一体成形して、形成するのが好ましい。
【0031】
さらに、前記内部通路は複雑な機能を有するため、型開き後に閉塞する必要がある型開き処理のための孔を、1個または2個以上を設ける必要がある。
【0032】
いずれの場合においても、上述の各部品を組み立てた後、一体に組み立てるので、前記液圧コネクタの製造は、それらの接続/分離と同様に、簡単である。
【0033】
前記液圧コネクタは、流体供給源に接続するのに適する2つの入口接続部を備えている。
【0034】
前記液圧コネクタには、流体を供給する2つの孔を開けてある管を有するワイパーブレードに用いる場合には、2つの分配部が設けられている。
【0035】
さらに、これらの分配部のいずれか一方には、2つの孔を開けたある前記管のいずれか一方に接続しうる少なくとも1つの出口接続部を設けてある。
【0036】
このような1または2以上の分配部には、前記孔を設けてある管に接続される2組の対向する出口接続部が設けられる。
【0037】
前記1つの分配部または複数の分配部の、好ましくは中央部には、孔を設けてある。この孔から、前記液圧コネクタが配設される位置、および/または、前記孔の開いた管がそのような液圧コネクタによって遮られる位置であるワイパーブレードの中間部において、前記フロントガラスに向かって吐出可能である。
【0038】
1または2以上の入口接続部は、流体供給源の雌接続部に接続するための、例えば管状の雄接続部である。
【0039】
また、1または2以上の入口接続部を、例えば、管状の雄接続部の流体供給源に接続するために、例えば、前記液圧コネクタの表面に設けられた孔である雌接続部とすることもある。
【0040】
また、本発明は、他の局面として、ワイパー装置に関し、特に自動車用のワイパー装置に関する。
【0041】
このワイパー装置は、流体、特に洗浄液および除氷液を供給する少なくとも孔の開いた管を有するワイパーブレードを備えている。
【0042】
前記ワイパーブレードは、前記アダプタによって、駆動アームに接続されている。
【0043】
前記アダプタは、上述したように、液圧コネクタに回動可能に接続されている。
【0044】
前記液圧コネクタは、前記孔の開いた管の出口接続部に接続されており、かつ1または2以上の流体供給源の入口接続部に接続されている。
【0045】
さらに、本発明は、他の局面として、流体、特に洗浄液および除氷液を供給するための少なくとも1つの孔が開いている管を有するワイパープレード、特に自動車用のワイパープレード装置のためのワイパープレードにも関する。
【0046】
前記ワイパープレードは、上述したように、前記孔の開いた管の出口接続部に接続される液圧コネクタを備えている。
【0047】
さらに、本発明は、ワイパーブレードの駆動アーム、特に自動車用のワイパーブレードの駆動アームにも関する。
【0048】
前記駆動アームは、上述したように、液圧コネクタに回動可能に接続されたアダプタを備えている。
【0049】
前記液圧コネクタの入口接続部は、1または2以上の流体供給源に接続するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明の他の特徴や利点は、非制限的である以下の好適な実施形態の説明、および添付の図面を参照することにより、より明確になると思う。
【図1A】ワイパーブレードの一実施形態を示す概略分解斜視図。
【図1B】ワイパーブレードの一実施形態を示す横断面図。
【図2A】液圧コネクタの第1実施形態を示す概略分解斜視図。
【図2B】液圧コネクタの第1実施形態を示す横断面図。
【図3A】液圧コネクタの第2実施形態を示す概略分解斜視図。
【図3B】液圧コネクタの第2実施形態を示す横断面図。
【図4A】液圧コネクタの第3実施形態を示す概略分解斜視図。
【図4B】液圧コネクタの第3実施形態を示す横断面図。
【図5A】液圧コネクタの第4実施形態を示す概略分解斜視図。
【図5B】液圧コネクタの第4実施形態を示す横断面図。
【図6】液圧コネクタの第5実施形態を示す全体斜視図。
【図7A】液圧コネクタの第6実施形態を示す概略分解斜視図。
【図7B】液圧コネクタの第6実施形態を示す横断面図。
【図8A】液圧コネクタの第7実施形態を示す全体斜視図。
【図8B】液圧コネクタの第7実施形態の実施形態を示す部分斜視図。
【図8C】同じく異なる実施形態を示す部分斜視図。
【図8D】同じく異なる実施形態を示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1Aおよび図1Bに示すように、ワイパーブレード2は、ワイパー装置を構成するために、アダプタ19を介して、駆動アーム(図示なし)に接続されているか、または、接続されるようになっている。
【0052】
アダプタ19は、ヒンジ軸22と、液圧コネクタ1およびアダプタ19を備える取付孔20、21とにより、図2〜図8を参照して、以下の各種の実施形態において説明する液圧コネクタ1に、回転可能に接続されている。
【0053】
この実施形態では、上記の液圧コネクタ1は、洗浄液および/または除氷液の流体供給源に接続される入口接続部5を有する。
【0054】
液圧コネクタ1は、さらに、ワイパーブレード2の孔の開いた管3、4に接続される複数の出口接続部9、10、11を有する。
【0055】
より正確には、液圧コネクタ1は、それぞれの反対側の出口に、2つの出口接続部の各端部が配置された2つの分配部7、8を有する。
【0056】
このようにして、分配部7は、第1の出口接続部9と、第1の出口接続部9の反対側に、図1Aの斜視図では図示されていない第2の出口接続部とを有する。また、分配部8は、第1の出口接続部10と、第1の出口接続部10の反対側の第2の出口接続部11とを有する。
【0057】
上述したように、液圧コネクタ1の出口接続部9、10、11は、ワイパーブレード2の孔の開いた管3、4に接続しうるようになっている。この例では、孔の開いた管3、4は、ワイパーブレード2の上部に形成され、液圧コネクタ1の各側部に接続される2つの部分15で構成されるデフレクタ15の一部として機能する。上記の孔の開いた管3、4は、フロントガラス上に、洗浄液および/または除氷液を噴出しうる孔を有する。
【0058】
デフレクタ15は、マウント16を収容するための断面を備えていることが、図1Bの横断面図に詳しく示してある。上記のマウント16は、特定の形状を有し、ストリップ17と、その下部におけるワイパーブレードラバー18または同様のものとを、この順番に収容している。
【0059】
2つの先端具すなわちキャップ14は、マウント16、ストリップ17、およびワイパーブレードラバー18が各凹部から摺動しないように、また美観面から、孔の開いた管3、4の端部を塞ぐように、デフレクタ15の各端部を閉塞している。
【0060】
図2A、図2Bに示す第1実施形態に係る液圧コネクタでは、分配部7、8は、上述したように、対向する2つの出口接続部9、10、11を、端部に有する。
【0061】
さらに液圧コネクタ1は、流体供給源(同じ供給源または2つの異なる供給源)に接続される2つの入口接続部5、6を備えている。上記の入口接続部5、6は、分配部7、8の方向と平行を向き、さらに、分配部7、8の延長方向は、図1Aのワイパーブレード2の孔の開いた管3、4と平行であることが好ましい。
【0062】
ワイパーブレード2が、少なくとも停止位置における駆動アームと実質的に平行を向き、かつ入口接続部5、6に接続される流体供給源が、駆動アームに続く限り、上記の入口接続部5、6は、実質的に、流体供給源の方向と平行に向く。
【0063】
この実施形態において、液圧コネクタ1は、プラスチック材料で一体に形成されている第1部品1aと、同様にプラスチック材料で一体に形成されている第2部品1bとに分解できる。
【0064】
一体に形成されている第1部品1aおよび第2部品1bは、一体化された液圧コネクタ1を構成するために、一体に組み立てられる。
【0065】
この組立体は、密閉する必要があり、第1部品1a、第2部品1bの一方または両方に、好適には同じプラスチック材料を用いて、例えば、超音波溶接または同位のオーバーモールドによって接続される。
【0066】
内部通路23の、入口接続部5は、分配路7に接続され、他の内部通路24の、入口接続部6は、分配路8に接続されていることが、図2Bの断面図から正確に理解できると思う。
【0067】
内部通路23、24の各々は、入口接続部5、6を始点とする第1部分23a、24aを有し、一体に形成されている第1部品1aに属する。
【0068】
23bで示す内部通路23の残部は、分配部7につなげるために、第1部分23aを始点とし、一体に形成されている第2部品1bに属する。
【0069】
同様に、24bで示す内部通路24の残部は、分配部8につなげるために第1部分24aから始まり、一体に形成されている第2部品1bに属する。
【0070】
このように、一体に形成されている第1部品1aは、入口接続部5、6と、内部通路23、24の第1部分23aおよび残部23bとを有する。
【0071】
さらに、一体形成されている第2部品1bは、分配部7、8と同様に、内部通路23の残部23bと、内部通路24の残部24bとを有する。
【0072】
図3A、図3Bに示す第2実施形態に係る液圧コネクタ1では、液圧コネクタ1の一体に形成されている第1部品1aの入口接続部5のみが、一体に形成されている第1部品1aの第1部分23aと、一体に形成されている第2部品1bの残部23bとに細分される内部通路23を介して、液圧コネクタ1の一体に形成されている第2部品1bの分配部8に接続されている。
【0073】
分配部7に開口する内部通路24は、入口接続部5には接続されていない。
【0074】
さらに、ワイパーブレード2の一の形式または他の形式(2つの孔の開いた管または1つの孔の開いた管)に適する液圧コネクタ1を形成し、これらを組み立てるために、一体に形成される第1部品1aを、入口接続部5のみ、若しくは、入口接続部5、6とともに、または、分配部7のみ、若しくは、分配部7、8とともに、一体に形成される第2部品1bとは別に製造することができる。
【0075】
図4A、図4Bに示す第3実施形態に係る液圧コネクタ1では、中央部の入口接続部5のみが、内部通路23を介して、分配部7にのみ接続されている。
【0076】
上記の分配部7は、孔の開いた管3、4(図1A参照)が遮られるワイパーブレード2の位置に、フロントガラスを洗浄または除氷するために、分配部7の管内の循環する液体を噴出できる孔13を分配部7の中間部に有していることが好ましい。
【0077】
図5A、図5Bは、分配部7にのみ接続される入口接続部5を有する第4実施形態に係る液圧コネクタ1を示す。
【0078】
この第4実施形態において、図4A、図4Bの液圧コネクタ1と異なる点は、入口接続部5が、液圧コネクタ1の頂部から分配部7に対して直交する方向を向いていることである。
【0079】
さらに、通常、分配部(図1A、図2A、図2Bに係る上述の説明を参照)に実質的に平行な方向である流体供給源は、アダプタ19(図1を参照)によって隠され、固定されたL字形状の接続要素を介して入口接続部5に接続されている。
【0080】
前記第4実施形態において、入口接続部5および/または入口接続部6は、雌接続部の流体供給源に挿入される管状の雄接続部である。
【0081】
一方、図6に示す第5実施形態に係る液圧コネクタ1では、入口接続部5は、例えば、管状の雄接続部が挿入される雌接続部またはポートである。
【0082】
この相違点を除いて、上記の第5実施形態に係る液圧コネクタ1は、図5A、図5Bに示した第4実施形態に係る液圧コネクタ1と、他の点では同様である。
【0083】
図7A、図7Bに示す第6実施形態に係る液圧コネクタ1は、入口接続部5、6の各々が、それぞれ内部通路23、24を介して、分配部7、8に接続されている。
【0084】
上記の液圧コネクタ1も、一体に形成される第1部品1a、第2部品1bを備え、上述したように密閉して組み立てられる。
【0085】
第6実施形態では、内部通路23、24の各水平部分に関して、一体に形成されている第1部品1aは、入口接続部5、6と、入口接続部5、6に配設され、内部通路23、24の水平部分に対応する端部にある第1部分23a、24aとを有する。
【0086】
一体に形成されている第2部品1bは、内部通路23、24の残部23b、24bと、(各出口接続部9、10に配設された短い水平部分を除く)分配部7、8の大部分とを有する。
【0087】
さらに、一体に形成されている第2部品1bは、分配部7、8の大部分と同様に、内部通路23、24の大部分を占めている。
【0088】
一体に形成されている第1部品1a、および第2部品1bを、上述したように密閉して組み立てた場合、内部通路23、24のこれら残部23b、24bは、縦方向の開放路を構成する。
【0089】
この第6実施形態において、出口接続部9、10は、一体に形成されている第1部品1aに属し、第1実施形態(図2A、図2B)においては、出口接続部9、10は、一体に形成されている第2部品1bに属している。
【0090】
図8A〜図8Dに示す第7実施形態においては、液圧コネクタ1は、上述した実施形態のように密閉して組み立てられる2つの部分を備えておらず、1つの部分から構成されている。
【0091】
入口接続部5、6は、それぞれ、内部通路23、24を介して、分配部7、8に接続されている。
【0092】
直線ではない内部通路23、24の複雑さを考慮すると、入口接続部5、6は、分配部7、8に配設できないので、各内部通路23、24のために、変形しうるポート25、26を備えていることが必要である。
【0093】
このように、図8Bから了解されるように、各内部通路23、24は、各入口接続部5、6を始点とする第1水平部分を有する。
【0094】
これらの第1水平部分の一つは、例えば、内部通路24に関する部分では、他の水平部分と一部重なっている。
【0095】
2つの第1水平部分については、材料の排出を、入口接続部5、6を通じて行うことができるので、変形は容易である。
【0096】
図8C、図8Dの断面図から理解しうるように、内部通路23、24の各第1水平部分は、分配部7、8に接続する斜行部に延びている。
【0097】
さらに、内部通路23は、入口接続部5と横断した反対側の分配部8とを接続し、内部通路24は、入口接続部6と横断した反対側の分配部7とを接続している。
【0098】
このように、内部通路23、24の各斜行部のために、変形作業において、材料の排出ができるように変形する孔25、26を備えていることが必要である。
【0099】
上述した説明は、実施形態に基づくものであるが、本発明を限定するものではない。
【0100】
特に、入口接続部5、6、分配部7、8、出口接続部9、10、11、12、および内部通路23、24の数は、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0101】
1 液圧コネクタ
1a,1b 液圧コネクタの一体に形成された部品
2 ワイパーブレード
3、4 洗浄液、除氷液を供給する孔の開いた管
5、6 入口接続部
7、8 固定接続要素
9、10、11、12 出口接続部
13 噴出口
14 先端具
15 デフレクタ
16 マウント
17 ストリップ
18 ワイパーブレードラバー
19 アダプタ
20 液圧コネクタ組立用ポート
21 アダプタ組立用ポート
22 ヒンジピン
23,24 内部通路
23a,23b,24a,24b 内部通路の部分
25,26 変形する孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧コネクタ(1)であって、特に、有孔管(3、4)を有するワイパーブレード(2)に搭載されるように設計された自動車のウインドスクリーンワイパシステム用であり、前記有孔管(3、4)は、例えば洗浄液や除氷液である流体を通過させ、前記液圧コネクタ(1)は、少なくとも1つの入口接続部(5、6)と、少なくとも1つの分配部(7、8)を有し、前記入口接続部(5、6)は、流体供給源との接続に適し、前記分配部(7、8)は、少なくとも1つの出口接続部(9、10、11)を有し、前記出口接続部(9、10、11)は、前記有孔管(3、4)に接続されるように設計されている、液圧コネクタ(1)において、
前記液圧コネクタ(1)は、さらに、少なくとも1つの内部通路(23、24)を有し、前記内部通路(23、24)が、前記流体を前記入口接続部(5、6)から前記分配部(7、8)へ通過させ、前記液圧コネクタ(1)を通る前記内部通路(23、24)によって、前記入口接続部(5、6)は、分配部へ直接供給することなく、前記液圧コネクタ(1)の様々な場所に搭載され得るようになっていることを特徴とする液圧コネクタ。
【請求項2】
液圧コネクタ(1)であって、前記入口接続部(5、6)は、前記分配部(7、8)の方向と平行に向いているか、または、前記液圧コネクタ(1)の頂部から、前記分配部(7、8)に対して垂直となる方向を向いていることを特徴とする請求項1記載の液圧コネクタ。
【請求項3】
液圧コネクタ(1)であって、第1部分(1a)と、第2部分(1b)とを有し、前記第1部分(1a)は、プラスチック材料を成形して一体に形成され、前記入口接続部(5、6)と、前記内部通路(23、24)の第1部位(23a、24a)とを有し、前記第2部分(1b)は、プラスチック材料を成形して一体に形成され、前記内部通路(23、24)の残りの部位(23b、24b)と、前記分配部(7、8)の全部または一部とを有していることを特徴とする請求項1または2記載の液圧コネクタ。
【請求項4】
液圧コネクタ(1)であって、一体に形成された前記第1部分(1a)と前記第2部分(1b)は、例えば、超音波溶接、または接続部をオーバーモールドすること、により、封止して組み立てられ、前記接続部は、前記第1部品(1a)および/または前記第2部品(1b)と同じ材料から成ることを特徴とする請求項3記載の液圧コネクタ。
【請求項5】
液圧コネクタ(1)であって、一体に形成された本体から成り、好ましくは、プラスチック材料の成形により、形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の液圧コネクタ。
【請求項6】
液圧コネクタ(1)であって、2つの入口接続部(5、6)を有し、前記2つの入口接続部(5、6)は、前記流体供給源との接続に適していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項7】
液圧コネクタ(1)であって、2つの有孔管(3、4)を有するワイパーブレード(2)への搭載に適しており、前記2つの有孔管(3、4)は、例えば洗浄液や除氷液である流体を通過させる、液圧コネクタ(1)において、
前記液圧コネクタ(1)は、2つの分配部(7、8)を有し、前記2つの分配部(7、8)は、それぞれ、少なくとも1つの出口接続部(9、10、11)を有し、前記出口接続部(9、10、11)は、前記2つの有孔管(3、4)のいずれか1つに接続されるようになっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項8】
液圧コネクタ(1)であって、分配部(7、8)、または2つの分配部(7、8)の1つ、または2つの分配部(7、8)の両方は、2つの対向する出口接続部(9、10、11)を有し、前記2つの対向する出口接続部(9、10、11)は、前記有孔管(3、4)、または前記有孔管(3、4)の1つに接続されるようになっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項9】
液圧コネクタ(1)であって、分配部(7、8)、または2つの分配部(7、8)の1つ、または2つの分配部(7、8)の両方は、その中央部にポート(13)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項10】
液圧コネクタ(1)であって、入口接続部(5、6)、または2つの入口接続部(5、6)の1つ、または2つの入口接続部(5、6)の両方は、例えばカニューレタイプ(5、6)である雄接続部(5、6)であり、雌型の流体供給源に接続されるようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項11】
液圧コネクタ(1)であって、入口接続部(5、6)、または2つの入口接続部(5、6)の1つ、または2つの入口接続部(5、6)の両方は、雌接続部であり、前記雌接続部は、例えば前記液圧コネクタ(1)の表面に設けられるポートタイプ(5)であり、例えばカニューレタイプである雄型の流体供給源に接続されるようになっていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液圧コネクタ。
【請求項12】
ウインドスクリーンワイパシステムであって、特に、少なくとも1つの有孔管(3、4)を有するワイパーブレード(2)を備える自動車用であり、前記有孔管(3、4)は、例えば洗浄液や除氷液である流体を通過させ、アダプタ(19)によって駆動アームに接続される、ウインドスクリーンワイパシステムにおいて、
前記アダプタ(19)は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の液圧コネクタ(1)に回動可能に接続され、前記液圧コネクタ(1)は、一方では、前記出口接続部(9、10、11)により、前記有孔管(3、4)に接続され、他方では、前記入口接続部(5、6)により、1つまたは2つの流体供給源に接続されていることを特徴とするウインドスクリーンワイパシステム。
【請求項13】
ワイパーブレードであって、特に、少なくとも1つの有孔管(3、4)を有する自動車のワイパーブレードシステム用であり、前記有孔管(3、4)は、例えば洗浄液や除氷液である流体を通過させる、ワイパーブレードにおいて、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の液圧コネクタ(1)を備え、前記液圧コネクタ(1)は、出口接続部(9、10、11)により、前記有孔管(3、4)に接続されていることを特徴とするワイパーブレード。
【請求項14】
ワイパープレードを駆動するアームであって、特に自動車用であり、
アダプタ(19)を備え、前記アダプタ(19)は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の液圧コネクタ(1)に回動可能に接続され、前記液圧コネクタ(1)は、入口接続部(5、6)により、1つまたは2つの流体供給源へ接続されるのに適していることを特徴とする駆動アーム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate


【公表番号】特表2011−527964(P2011−527964A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517809(P2011−517809)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005138
【国際公開番号】WO2010/006776
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】