説明

自動車ヘッドランプのための発光ダイオード・モジュール

【課題】複数のLEDを囲むことができる集光モジュールを提供し、光出力を増加させ、必要な光学要素の数を減少させる。
【解決手段】単一の光伝達面16を含む第1端部14を備える一体型の本体12、および複数のアーム20を含み各アーム20は矩形である独立した集光端22を有する第2端部18を含む集光モジュール10が提供される。本発明の好ましい実施例では、本体の第1端部14も矩形である。集光モジュール10はアクリル、プラスチック、ガラス、または他の適切な材料から作られ、光出力が最大化されるようにクラッディングを持たないことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年10月21日に出願の米国特許仮出願第60/620,933号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は自動車ヘッドランプに関し、更に詳細には、発光ダイオード(以降、LEDと称する)を利用するヘッドランプに関する。更に詳細には、本発明は、複数のLEDを使用するが点光源を模倣し、光源が、例えば、投影レンズと一緒に使用されることを可能にするヘッドランプに関する。
【背景技術】
【0003】
LED光源の長寿命および顕著な耐久性が、そのような光源を自動車用途で使用する願望を生成してきた。現在、これらの用途はストップライト、テールライト、および内部の照明に限定される。白色光を放出できる最近開発されたLEDは、それらもヘッドランプに使用できることを示唆してきた。例えば、米国特許第6,406,172号は、赤色、緑色、および青色を放出する(マトリックス状に配置された)複数のLEDの利用を教示し、それらの光は混合されて白色光の一種を放出する。また、光出力はコンピュータ制御により変化させることができ、LEDが使用される車両による方向の変化に対応できる。
【0004】
白色光を放出するLEDの新バージョンは、青色および紫外線放出LEDを黄色光放出蛍光体と組み合わせて利用し、出力を混合して白色光にする。
【0005】
縦軸のまわりに配置された円周壁を備えるベースを有するハウジング、縦軸のまわりに対称に配置されたベースから突出している中空体、縦軸に沿って配置された単一の出力端部を有し半径方向に伸長する複数のアームを有し各アームが入力端部を有する光ファイバ、および半径方向に伸長するアームに対して動作可能なように配置された複数の発光ダイオードを含むランプが最近提案された。本発明の好ましい実施例では、複数の発光ダイオードが、円周壁のまわりに配置される。後者のアプローチは、2004年09月22日に出願の米国特許仮出願第60/612,080号に記載される。それは実行可能な解決方法を提供するが、一般にファイバのアームは単一のLEDだけを囲む。従って、集光モジュール、および集光モジュールを利用するランプを提供することは改善であり、モジュールの各アームが複数のLEDを囲み、従って、光出力を増加させ、必要な光学要素の数を減少させる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,406,172号明細書
【特許文献2】米国特許仮出願第60/612,080号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、従来技術の短所を除去することである。
【0008】
本発明の他の目的は、複数のLEDを囲むことができる光ファイバ、または集光モジュールを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、確定した放出面を備える標準的なLED光源をLEDの数と無関係に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的は、本発明の1側面で、単一の光伝達面を含む第1端部を備える一体型の本体、および複数のアームを含み、各アームが、矩形である独立した集光端を有する第2端部を含む集光モジュールの提供により達成される。複数のアームに対する矩形端の使用は、各アームが複数のLEDから集光することを可能にする。
【0011】
更に、これらの目的は、本発明の他の側面で、ハウジング、ハウジングの前方部のレンズ、およびハウジングの中に配置された上記の集光モジュールを含む自動車ヘッドランプにより達成される。モジュールの第1端部が、レンズと動作可能なように関連付けられる。ユニットは小さくコンパクトで、効率的な光源を車両ヘッドランプに提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を更に理解するために、以下の開示を図面と組み合わせて参照する。
【0013】
図を更に詳細に参照すると、単一の光伝達面16を含む第1端部14を備える一体型の本体12、および複数のアーム20を含み各アーム20は矩形である独立した集光端22を有する第2端部18を含む集光モジュール10が図1に示される。本発明の好ましい実施例では、本体の第1端部14も矩形である。集光モジュール10はアクリル、プラスチック、ガラス、または他の適切な材料から作られ、光出力が最大化されるようにクラッディングを持たないことが好ましい。集光モジュール10を単一片から作ることにより、多数のファイバの各々を方向付ける必要性が解消される。
【0014】
複数の発光ダイオード24は、集光端22の各々と関連付けられるハウジング35の中に配置される。LEDは、図2および図3に示されるように、1つの単位としてパッケージ化された個別のLEDであるか、または複数のチップを有する単一のパッケージである。また、複数のLEDの間隔も、複数のLEDを側面へのワイヤボンディングにより近接して配置することにより調節できる。更に、複数のLEDは、基板(例えば、セラミック基板、またはメタルコア基板)へ直接的に実装できる。本発明の好ましい実施例では、図5で「C」により示されるように各ダイオード・チップは1mm四方であり、5個のチップが縦軸方向に5.4mmにわたって配置され、チップの間隔は約100μmであることが好ましい。複数の光ファイバ・アームは、6〜7mmの長さ「L」および約2mmの幅「W」を有する。もちろん、5個より多いか少ないチップを有するハウジング35も必要なら利用できる。
【0015】
複数のハウジング35は熱伝導セラミック37に実装されるのが好ましく、同様に、熱伝導セラミック37はヒートシンクに実装され、ヒートシンクはアルミニウムまたは銅でよい。
【0016】
光学封止材38はハウジング35の壁部40の間の隙間を埋め、距離「D」だけLEDの表面より高い位置まで伸長する。良好な光学的結合を保証するために、「D」は「W」と比較して小さくなければならない。
【0017】
集光モジュール10を含む自動車ヘッドランプ30が図式的に図4に示され、レンズ34を備えるハウジング32を自動車ヘッドランプ30の前方部44に有する。レンズ34は、投影レンズであることが好ましい。集光モジュール10はハウジング32の中に配置され、第1端部14はレンズ34と動作可能なように関連付けられる。モジュール12の出力端部は、レンズ34の焦点付近に配置されることが好ましい。
【0018】
車両ヘッドランプまたはバックライトのために、複数のLEDが白色光を(例えば、蛍光体と組み合わされた放出面を有する既知のLEDから)放出することが理想であるが、他の色も利用できる。
【0019】
複数のLEDへの電気的接続(図示されない)は、プリント基板を含む任意の適切な方法で行われる。ヒートシンクのサイズおよび熱的性能は、LEDの効率、およびLEDを駆動するのに必要な電力を含む複数の要因に依存する。
【0020】
従って、経済的に製造でき、集光モジュールの形状による優れた集光機能を有する、車両のための実行可能なヘッドランプが提供される。
【0021】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形および変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の1側面による集光モジュールの実施例の斜視図である。
【図2】本発明と一緒に使用できるLEDハウジングの斜視図である。
【図3】集光モジュールのLEDハウジングおよびアームの断面図である。
【図4】自動車ヘッドランプの線図である。
【図5】所望する関係を図示するLEDハウジングの端面図である。
【符号の説明】
【0023】
10 集光モジュール
12 本体
14 第1端部
16 光伝達面
18 第2端部
20 アーム
22 集光端
24 発光ダイオード
30 自動車ヘッドランプ
32,35 ハウジング
34 レンズ
36 ヒートシンク
37 熱伝導セラミック
38 光学封止材
40 壁部
44 前方部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光モジュールであって、
単一の光伝達面を含む第1端部を備える一体型の本体、および
複数のアームを含み、各アームが、矩形である独立した集光端を有する第2端部を含むことを特徴とする集光モジュール。
【請求項2】
前記本体の前記第1端部が矩形であることを特徴とする、請求項1に記載の集光モジュール。
【請求項3】
複数の発光ダイオードが各集光端に関連付けられることを特徴とする、請求項2に記載の集光モジュール。
【請求項4】
自動車ヘッドランプであって、
ハウジング、
前記ハウジングの前方部のレンズ、および
前記ハウジングの中に配置された集光モジュールを含み、前記集光モジュールが
単一の光伝達面を含む第1端部を備える一体型の本体、および
複数のアームを含み、各アームが、矩形である独立した集光端を有する第2端部を含み、
前記第1端部が、前記レンズと動作可能なように関連付けられることを特徴とする自動車ヘッドランプ。
【請求項5】
前記本体の前記第1端部が矩形であることを特徴とする、請求項4に記載の自動車ヘッドランプ。
【請求項6】
複数の発光ダイオードが各集光端に関連付けられることを特徴とする、請求項5に記載の自動車ヘッドランプ。
【請求項7】
前記レンズが投影レンズであることを特徴とする、請求項5に記載の自動車ヘッドランプ。
【請求項8】
前記複数の発光ダイオードがハウジングの中に配置され、前記ハウジングがヒートシンクに実装されることを特徴とする、請求項7に記載の自動車ヘッドランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−120640(P2006−120640A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305829(P2005−305829)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】