説明

自動車制動管理システムおよび方法

車両の少なくとも1つの車輪に作用することができる少なくとも1つのブレーキアクチュエータ(14、15)と、パーキングブレーキを印加する手段とを用いて、パーキングブレーキ補助装置を備えた自動車の制動を管理するシステムが開示され、このシステムは、車両のエンジンが停止した後でパーキングブレーキが印加される度合いを自動的に増大させる手段(6)を備えている。この手段は、エンジンの停止を検出するモジュール(7)と、印加の度合いの増大を命令するモジュール(9)とを備えている。モジュール(7)は、エンジンの状態および電源供給の状態に応じてエンジン停止の特徴を示す信号を発することができる。モジュール(9)は、ブレーキアクチュエータ(14、15)の状態とモジュール(7)に由来するエンジン停止の特徴を示す信号とに応じて、印加の度合いの増大を要求する信号を発することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーアシストパーキングブレーキ(通常は、略称FPAで知られる)を備えた自動車の制動管理に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の自動的にパワーアシストされるパーキングブレーキは、自動車の従来のハンドブレーキに優る飛躍的な進歩を遂げている。具体的には、印加が大き過ぎず、あるいは小さ過ぎずに車両が最適な条件で停止すると、リアブレーキを印加することが可能になる。ドライバが車両を発進させたいとき、例えばドライバがギア比を噛み合わせて十分に加速させることにより車両を走行状態に設定するときに、パーキングブレーキの印加を自動的に解放することが可能になる。パーキングブレーキの印加は、車両のダッシュボードにあってドライバにより作動され得る制御器を介して手動で行なうこともできる。いかなる場合でも、パーキングブレーキの自動解放は坂道発進支援を成す。制動管理システムは、実際にこの場合、センサにより決定されて車両の車載コンピュータにより考慮される傾斜に応じて、車両を前進させるのに十分なトルクをエンジンが与えるときに印加を解放することができる。
【0003】
このようなパワーアシストパーキングブレーキシステムは多くの安全機能を備える。特に、印加がないことを知らせる警報手段の故障時にパーキングブレーキの自動印加が行なわれる本出願人に属する仏国特許出願第2906515号を参照することができる。
【0004】
一般に、パーキングブレーキは、可能な最大印加に対応する決定された印加力をもって印加され、そのため、車両の使用条件を考慮に入れないという欠点を有し、また、長期的には過度の摩耗を引き起こす場合があり、それにより、システムの耐用年数が短くなる。
【0005】
車両の使用の条件に応じて、最大印加を最初に始めずに、暫定的な印加に甘んじることが想起され得る。この場合、印加力は、特に、車両が位置する坂道を考慮に入れることができる。また、エンジンは作動し続けるが車両が静止している場合、すなわち、ドライバが一時停止に直面する場合には、最大印加を下回る印加を行なうこともできる。しかしながら、これらの様々な状況では、時間とともに印加力の損失に気付く場合、または、車両の使用条件が変化する場合に、パーキングブレーキの再印加を行なうことが必要である。しかし、これは、印加力センサなどの更なるセンサの使用を必要とするとともに、経時的に監視要件をもたらし、そのため、特に電力消費に関して不都合となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、これらの問題を解決することであり、また、車両の使用条件を考慮した初期印加を可能にするとともに、電力消費量を増大させる可能性が高いセンサまたは更なる部材を必要としない簡単な手段により自動再印加を可能にする、パワーアシストパーキングブレーキを備えた自動車の制動を管理するためのシステムおよび方法を提案することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、自動車に取り付けられたパワーアシストパーキングブレーキの安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施形態において、パワーアシストパーキングブレーキを備えた自動車の制動を、車両の少なくとも1つの車輪に作用することができる少なくとも1つのブレーキアクチュエータを用いて管理するためのシステムは、パーキングブレーキを印加する手段と、車両エンジンが停止した後にパーキングブレーキの印加を自動的に増大させる手段とを備える。したがって、パーキングブレーキは、印加力の経時的な想定し得る損失を測定する必要なく自動的に再印加される。最初の印加中に、最大印加よりも小さく且つ道路の坂道または車両エンジンが作動している状況などの使用の条件に適した印加力を適用することが可能になる。それにより、パーキングブレーキの耐久性およびその寿命が高められる。
【0009】
好ましい実施形態において、印加を自動的に増大させる手段は、エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュールと、印加の増大を制御するためのモジュールとを備える。
【0010】
エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュールは、エンジンの状態およびエンジン電力供給の状態に応じてエンジンが停止したという特徴を示す信号を送信する手段を備えることが有益である。
【0011】
エンジンの状態、すなわち、エンジンが作動しているか、あるいは停止されたかどうかは、エンジンへの燃料注入の制御から生じる情報、エンジンの様々な部材を互いに接続するコントロールローカルネットワーク(通常はCANと呼ばれる)でとりわけ利用できる情報、および、電子制御ユニットまたは車両の車載コンピュータを有する電源モジュールによって検出することができる。
【0012】
印加の増大を制御するためのモジュールは、ブレーキアクチュエータの状態とエンジンが停止されているという特徴を示す信号とに応じて印加の増大を要求する信号を送信する手段を備えることが好ましい。
【0013】
したがって、特に、単一のブレーキアクチュエータまたは全てのブレーキアクチュエータに障害がある場合、または、車両のドライバがパーキングブレーキの印加を望まない場合には、印加の増大を始めないようにすることができ、その場合、全てのアクチュエータは解放状態にある。
【0014】
他の態様によれば、パワーアシストパーキングブレーキを備えた自動車の制動を、車両の少なくとも1つの車輪に作用することができる少なくとも1つのブレーキアクチュエータを用いて管理するための方法であって、パーキングブレーキの印加および解放が自動的に命令され、あるいは車両のドライバによる要求に応じて命令され、車両エンジンが停止した後にパーキングブレーキの印加の増大が自動的に命令される方法が提案される。
【0015】
エンジンが停止したことは、好ましくは、エンジンの状態およびエンジン電力供給の状態を考慮に入れることにより検出される。
【0016】
したがって、エンジンの状態およびエンジン電力供給の状態を確かめるために、ローカルコントロールネットワーク(CANネットワーク)または直接的な有線接続部から生じる情報を使用することができる。
【0017】
その後、ブレーキアクチュエータの状態とエンジンが停止されているという特徴を示す信号とに応じて、印加の増大を要求する信号が送信される。
【0018】
印加の増大を要求する信号が送信される前に、各アクチュエータが既に印加されたか、あるいは印加されているかどうかが決定されて、各アクチュエータの動作状態が決定されることが好ましい。
【0019】
一変形例として、不十分な印加、すなわち、閾値を下回る印加を検出し、その後、印加の増大を実行することもできる。
【0020】
前述したシステムおよび方法は、1つのブレーキアクチュエータのみを有するパーキングブレーキのケース、および、幾つかのアクチュエータを備える、特に各ブレーキ印加キャリパに1つのアクチュエータを備えるパーキングブレーキのケースに適用される。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として与えられ且つ添付図面を参照してなされる本発明の一実施形態の詳細な説明を読むと明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る自動車の制動を管理するためのシステムの主要な要素を概略的に表わしている。
【図2】エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュールの構造を概略的に示している。
【図3】印加を増大させるための条件を決定するためのモジュールの構造を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示されるように、制動管理システムは、パワーアシストパーキングブレーキ(FPA)を備える図示しない自動車に適合される。車両は、ヒートエンジンおよび1つ以上の電気機械を備えてもよいエンジン1の形態で体系化されるドライブトレインを備え、また、その動作は、図中に参照符号2で示されるエンジン管理コンピュータの形態で表わされる電子制御ユニットによって制御される。接続部4を介してコンピュータ2に接続される電源モジュール3は、エンジンが動作するために必要な電力供給を行なうために、接続部5を介してエンジン1に接続される。
【0024】
制動管理システムの主要な部材はアセンブリ6の状態に組み合わされ、該アセンブリは、エンジンが停止したかどうかを検出するための参照符号7で示されるモジュールと、印加の増大を命令するための参照符号8で示されるモジュールとを備える。モジュール8としては、パーキングブレーキの印加を増大するための条件を決定するための参照符号9で示されるモジュールと、印加の増大を要求するためのモジュール10とを備える。
【0025】
エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール7は、接続部11を介して、エンジンの状態に関する情報、すなわち、特に、エンジンが停止したかどうか、あるいはエンジンが作動しているかどうかに関する情報を受ける。エンジンの電力供給に関する情報の一項目、すなわち、電気点火がONに切り換えられるか否かも、電源モジュール3から生じる接続部12を介して検出モジュール7に供給される。
【0026】
エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール7は、エンジンが停止されていることに対応する信号を、印加を増大させるための条件を決定するためのモジュール9へ接続部13を介して送信する。また、モジュール9は、パーキングブレーキアクチュエータの状態に関する情報も受ける。図示の例では、制動システムは、参照符号14、15でそれぞれ示される2つのパーキングブレーキアクチュエータNo.1およびNo.2を備える。これらの2つのアクチュエータ14、15の状態は、それぞれの接続部16、17を介してモジュール9へ伝えられる。モジュール9は、接続部18を介して、印加の増大を要求するためのモジュール10に接続され、該モジュール10は印加増大命令を送信することができ、該印加増大命令は接続部19、20を介してパーキングブレーキアクチュエータ14、15へ送信される。
【0027】
上記システムは以下のように動作する。すなわち、エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール7は、接続部11を介してもたらされるエンジンの状態に応じて、また、接続部12を介してもたらされるエンジン電力供給の状態に応じて、エンジンが実際に停止されていることに対応する信号を、出力接続部13を介して確実に送信することができる。
【0028】
印加を増大させるための条件を決定するためのモジュール9は、該モジュールに対してそれぞれの接続部16、17を介して伝えられるブレーキアクチュエータ14、15の状態を考慮に入れる。2つのアクチュエータが作動しており且つ初期に形成された第1の印加に対応する印加もなされる場合、モジュール9は、エンジンが停止されていることに対応する信号も受けていると、エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール7から接続部13を介してモジュール9に伝えられる信号を、出力接続部18を介して送信することができる。モジュール10は、印加の増大を引き起こすために、接続部19、20を介して2つのアクチュエータ14、15に作用する制御信号を発生させる。
【0029】
図2は、エンジンが停止したかどうかを検出するための図1に参照符号7で示されるモジュールの想定し得る実施形態を示している。図2に示されるモジュールは、図示の例では数が5つである以下の入力パラメータに関連する特定の条件に対応する一連の論理テストの後、エンジン停止済み信号を送信する。
−図1に示されるコンピュータ2によって供給されるエンジンの状態に対応するEtat_M、
−エンジン状態信号が使用可能であるという事実、すなわち、例えばコンピュータ2の故障が全くない場合のエンジンの状態に事実上対応する状況を反映するパラメータであるEtat_M_Valide、
−Alim_Confirmは、ローカルコントロールネットワーク(CANネットワーク)に現れるエンジンの電力供給の状態の確認を表わすパラメータである、
−Alim_Confirm_Valideは、先のパラメータの使用可能特性を反映する、すなわち、CANネットワークの障害が何らないことを反映するパラメータである、
−Alim_Filは、今回はCANコントロールネットワークからではなく直接的な有線接続から生じる情報項目によってもたらされるエンジンの電力供給に対応するパラメータである。このパラメータは、CANネットワークが正常に機能しない場合であっても電力供給に関する情報項目を供給することができる。
【0030】
実行される第1の論理テストはエンジンの状態に関連する。したがって、まず最初に、パラメータEtat_Mが基準値Arret_Mに等しいかどうかのチェックがイコールユニット21で行われる。これが当てはまっている場合には、論理信号が論理ユニットAND22の入力のうちの1つに対して送信される。並行して、エンジンの状態に関連するパラメータの有効性が検証される。したがって、パラメータEtat_M_Valideが論理ユニット22の第2の入力へ伝えられる。これらの2つの入力が、実際に、エンジンが停止した状態に対応しており、この状態が有効である場合には、論理信号がユニットAND22の出力に現れ、該論理信号が出力ユニットOR23の入力のうちの1つへ伝えられる。
【0031】
エンジンの電力供給時に特定数の論理テストも実行される。まず最初に、イコールユニット29において、パラメータAlim_Confirmが基準値no ignitionと比較される。エンジン電源が確かにOFFに切り換えられる場合には、論理信号がイコールユニット29の出力に現れ、該論理信号が論理ユニットAND25の入力のうちの1つへ伝えられる。並行して、エンジンの電力供給に関する情報が確かに有効であるかどうかに関するチェック、すなわち、CANネットワークに障害がないことのチェックが行なわれる。したがって、パラメータAlim_Confirm_Valideが論理ユニットAND25の第2の入力へ伝えられる。電源が確かにOFFに切り換えられ且つこの情報が有効である場合には、信号が論理ユニットAND25の出力に現れ、該信号が論理ユニットOR30の入力のうちの1つへ伝えられる。
【0032】
障害がCANネットワークで現れるケースも考慮に入れられる。このケースでは、パラメータAlim_Confirm_Valideが伝えられるユニットNO28が、その出力で、論理信号をユニットAND26の入力のうちの1つへ送信する。このユニットAND26の第2の入力は、パラメータAlim_Filをその入力で受けるユニットNO27から生じる論理信号を受ける。電源がOFFに切り換えられ、且つこの情報が障害に起因してCANネットワークから来ることができず車両の有線接続部から来る場合には、その結果として、論理信号がユニットAND26の出力で現れ、この信号がユニットOR30の第2の入力へ伝えられる。また、ユニットOR30は論理ユニットAND25からの出力も受ける。
【0033】
これらの条件では、電力供給がないことが正常にCANネットワークを介して送られるかどうかにかかわらず、あるいは、CANネットワークに障害がある場合には、有線ネットワークを介して、論理信号が論理ユニットOR30の入力のうちの1つに現れ、論理ユニットOR30が、論理ユニットAND31の第2の入力へ伝えられる信号をその出力で送信する。また、論理ユニットAND31は、その第1の入力で、パラメータEtat_M_Valideをその入力で受けるユニットNO24を介して送信される論理信号を受ける。このように、電力供給がないことが前述したように確認されると、あるいは、エンジンの状態に対応する信号が有効でないと、論理信号がユニットAND31の出力に現れる。ユニットAND31の出力の論理信号は、ユニットOR23の第2の入力へ伝えられる。
【0034】
したがって、エンジンが停止されていることは、以下の条件にしたがって検出される。
−Etat_M(CANネットワークによって供給され且つ例えばエンジンへの燃料の注入に対応する情報の項目)が「エンジン作動」から「エンジン停止」へ切り換わる、
または(OR)、
情報項目Etat_Mが有効でなくおよび(AND)エンジンの電力供給に関する情報(CANネットワークに現れて図1の電源モジュール3から生じる情報)がOFFに切り換えられる、
または(OR)、
情報項目Etat_Mおよび情報項目Alim_ConfirmがCANネットワークで有効でない、および(AND)電力供給に関する有線情報がOFFに切り換えられる。
【0035】
このように、エンジンが停止したことが事実上確かめられると、ブレーキアクチュエータの印加の増大が系統的に求められる。エンジンの状態に関する情報がCANネットワークで利用できない場合には、電力供給に関する情報が使用される。エンジンの状態および電力供給に関する情報の項目がCANネットワークで利用できない場合には、有線接続部から生じる情報が直接に使用される。しかしながら、ユニットOR23の存在のおかげにより、エンジンが停止されているという誤った検出を制限するため、1つの有効な情報項目だけが使用される。
【0036】
図3は、印加を増大させるための条件を決定するためのモジュール9における想定し得る実施形態を示している。
【0037】
印加を増大させるための条件を決定するためのモジュールは、図1に参照符号14、15で示されるブレーキアクチュエータNo.1およびNo.2に関する情報に基づいて、様々な論理テストを実行する。これらの情報項目は、以下のパラメータによって象徴される。
−Etat_Act1は、図1に参照符号14で示されるアクチュエータNo.1の状態である。この状態は、既になされた印加、または、「印加されている」状況に対応する。
−パラメータAct1_casseは、アクチュエータNo.1の故障に対応する。
−パラメータEtat_Act2は、図1に参照符号15で示されるアクチュエータNo.2の状態に対応する。
−パラメータAct2_casseは、アクチュエータNo.2の故障に対応する。
【0038】
第1の論理テストはイコールユニット32a、33aおよび32b、33bで実行される。添え字「a」はアクチュエータNo.1に対応し、一方、添え字「b」はアクチュエータNo.2に対応する。これらのテスト中、それぞれのアクチュエータの状態は、値brake appliedまたはbrake being appliedに対応するアクチュエータから生じる情報を比較することによって検証される。
【0039】
これらの状況の一方または他方に対応する論理信号は2つのORユニット34a、34bの入力へ伝えられ、これらのORユニットは、2つの他のORユニット35a、35bの入力へ伝えられる論理信号を送信する。パラメータAct1_casseおよびパラメータAct2_casseに基づいてそれぞれのアクチュエータが動作しているかどうかに関するチェックも行なわれる。故障状況は、それぞれのORユニット35a、35bの第2の入力へ伝えられる論理信号を生み出す。2つのアクチュエータNo.1およびNo.2がいずれも正しく動作している場合、対応する論理信号が、それぞれのNOユニット36a、36bの出力で、ORユニット37の入力へ伝えられる。ORユニット35a、35b、37の出力はANDユニット38の入力へ伝えられ、ANDユニット38は、エンジンが停止したかどうかを検出するための図1に参照符号7で示されるモジュールから生じるengine stopped信号も入力で受けて、図2に示される論理テストを実行する。ANDユニット38の出力18には、印加の増大を命令するための信号が現れ、該信号は、2つのブレーキアクチュエータ14、15のうちの少なくとも一方の印加の増大を制御するために、図1に示されるモジュール10へ送信される。
【0040】
したがって、エンジンが停止した状況で印加を増大させるための命令は、以下の条件にしたがって送信される。
−エンジンが実際に停止されたことの検出、
および(AND)
−パーキングブレーキアクチュエータが印加された状態にあり、あるいは印加されている、
−または(OR)アクチュエータのうちの一方が故障しており、一方、他方のアクチュエータが印加された状態にあり、あるいは印加されている。
【0041】
一方、2つのアクチュエータが故障状態にあるときには、印加を増大させるための要求はない。この場合、印加の増大は、安全のために無効にされる。ドライバの特定の要望に対応するブレーキ解放状態の場合にも、印加の増大のための要求が全くない。
【0042】
図示の例では、2つのパーキングブレーキアクチュエータNo.1およびNo.2が使用されてきたが、本発明が1つのアクチュエータしか有さないパワーアシストパーキングブレーキシステムのケースで大きな変更を伴わずに適用されることは理解されるであろう。
【0043】
不十分な印加が検出される場合には、印加の増大を命令することもでき、その場合、イコール論理ユニット32a、33aおよび32b、33bが各アクチュエータの状態と不十分な印加に対応する値とを比較できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーアシストパーキングブレーキ備えた自動車の制動を、車両の少なくとも1つの車輪に作用することができる少なくとも1つのブレーキアクチュエータ(14、15)とパーキングブレーキを印加する手段とを用いて管理するためのシステムであって、車両のエンジンが停止した後で前記パーキングブレーキの印加を自動的に増大させる手段(6)を備えることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記印加を自動的に増大させる手段が、前記エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール(7)と、印加の増大を制御するためのモジュール(9)とを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エンジンが停止したかどうかを検出するためのモジュール(7)が、エンジンの状態とエンジン電力供給の状態とに応じて前記エンジンが停止したという特徴を示す信号を送信する手段を備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記印加の増大を制御するためのモジュール(9)が、前記ブレーキアクチュエータの状態とエンジンが停止しているという特徴を示す信号とに応じて印加の増大を要求する信号を送信する手段を備えている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
パワーアシストパーキングブレーキを備えた自動車の制動を、車両の少なくとも1つの車輪に作用することができる少なくとも1つのブレーキアクチュエータを用いて管理する方法であって、パーキングブレーキの印加および解放を自動的に命令するか、あるいは車両のドライバによる要求に応じて命令するもので、車両エンジンが停止した後でパーキングブレーキの印加の増大が自動的に命令されることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記エンジンが停止したか否かを、エンジンの状態と、エンジン電力供給の状態とを考慮することにより検出する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エンジンの状態と、前記エンジン電力供給の状態とを確認するために、ローカルコントロールネットワークまたは直接的な有線接続から生じる情報を使用する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ブレーキアクチュエータの状態と、エンジンが停止されているという特徴を示す信号とに応じて、印加の増大を要求する信号を送信する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記印加の増大を要求する信号を送信する前に、各アクチュエータが既に印加されたか、あるいは印加中であるかどうかを決定し、各アクチュエータの動作状態を決定する、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−501894(P2012−501894A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525594(P2011−525594)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051590
【国際公開番号】WO2010/026330
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】