説明

自動車用ウェザーストリップ

【課題】構成が容易であるにもかかわらず、建付けバラツキによる見切り部分の変化に対応して異音の発生やはみ出しを抑制する。
【解決手段】フード1の内側に取付けられる取付基部21と、取付基部21の前方に一体成形されフード1の閉時には対向するフロントグリル2に弾接して両者の見切り部分Mをシールする中空シール部22を備える自動車用ウェザーストリップ20で、中空シール部22に、フード1の開閉方向Xに略垂直に延びるブリッジ24を設定するとともに、フロントグリル2に対する中空シール部22の弾接中心位置P1及びブリッジ24の車外側の連結位置24aを、フード1の前端縁1aを通る開閉方向を示す直線Xよりも車外側に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフード(ボンネット)やドアといった開閉体と開閉体に対向するボディとの間の見切り部分をシールする自動車用ウェザーストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図5及び図6に示すように、例えば自動車のフード(ボンネット)1とフロントグリル2の間のように車両外観の見切り部分Mには、ウェザーストリップ10を設けてシール性を確保している。
フード1は、図5に示すように、自動車のエンジン(図示しない)部分を覆い、後方に設けられたヒンジ(図示しない)を中心に前方が上下に開閉する開閉体である。また、フロントグリル2は、フロントのライト3とライト4の間に設けられ、空気取入口から自動車のエンジンルーム内に外気を導入する。ここで、フード1の前端縁を通る開閉方向を直線Xで示した。
【0003】
そして、見切り部分Mに設けられたウェザーストリップ10は、図6に示すように、フード1の前方内側に取付けられる取付基部11と、その取付基部11に一体成形された中空シール部12から構成されている。なお、取付基部11の内側には装飾部材13が貼着されている。装飾部材13は、例えばスポンジ材の被膜による。
これにより、フード1の閉時には中空シール部12がフロントグリル2に弾接して見切り部分Mを塞ぐように構成されている。
【0004】
しかし、ウェザーストリップ10の中空シール部12の断面外周形状は円形状であるので、建付バラツキによって、図7に示すように、フード1とフロントグリル2の間の見切り部分Mにおける見切り幅L1が通常よりも広いときは、フロントグリル2のシール面と中空シール部12の車外側下部にできる三角スキSが大きくなる。その三角スキSの存在によって空気が入り込み、高速走行時には異音が発生するので、乗員に不快感を与えるといった問題があった。
一方、図8に示すように、フード1とフロントグリル2の間の見切り部分Mにおける見切り幅L2が通常よりも狭いときは、中空シール部12が見切り部分Mから車外側にはみ出して見栄えが悪いといった問題があった。
なお、フード1の開閉方向Xはフロントグリル2のシール面に対して略垂直方向のため、中空シール部12が撓む際にそのシール位置が移動するベンディングタイプのシール形状については設定できない車両構成となっていた。
【0005】
これに対して、フード1とフロントグリル2の間の見切り部分Mに設けられるウェザーストリップの中空シール部の形状を三角スキSの発生を抑えるように変更したもの、すなわち中空シール部の上部をフード1の前端縁1aの内側に当接するように延長したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】実開昭63−40254号公報
【0006】
また、車両外観の見切り部分として、自動車のドアのサッシュとそれに対向するフロントピラーやルーフとの間に、肉厚調整や突起といった特殊な形状を施した中空シール部を有する自動車用ウェザーストリップを設けることによって、ドア閉時に中空シール部が見切り部分から車外側にはみ出すことを防止したものが知られている(例えば、特許文献2,3)。
【特許文献2】特開平8−192632号公報
【特許文献3】実開平7−31438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明によれば、見切り部分の幅が建付バラツキによって狭い場合に三角スキの発生を抑えることができるが、見切り幅が広い場合には、フードの閉時にフードの前端縁が中空シール部を車内側にえぐるように弾接するため、中空シール部が部分的に見切り部分から車外側にはみ出すといった不具合は依然として残る。
その上、特許文献1に記載の発明によれば、中空シール部の下部に中空シール部とともにフロントグリルに弾接する断面略舌状のリップ部を設ける必要がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明によれば、中空シール部のドアサッシュの非接触部にV字溝を設けたり、中空シール部の車外側の肉厚を他の部分に比較して厚くする必要があるので、加工が煩雑である。また、中空シール部の肉厚が厚すぎるとシール機能が十分発揮されないといった問題もある。
さらに、特許文献3に記載の発明によれば、中空シール部のドア先端部に押圧される部分の内面及びその内面に相対する面に一対の突起を設け、しかも一対の突起は、ドアにより押圧された際に互いに干渉し合うように位置決めする必要があるので、高精度性が要求される。
【0009】
そこで、本発明の目的とするところは、構成が容易であるにもかかわらず、建付けバラツキによる見切り部分の変化に対応して異音の発生やはみ出しを抑制しうる自動車用ウェザーストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップは、開閉体(1)の内側に取付けられる取付基部(21)と、該取付基部(21)の前方に一体成形され前記開閉体(1)の閉時には開閉体(1)に対向するボディ(2)に弾接して開閉体(1)とボディ(2)との間の見切り部分(M)をシールする中空シール部(22)を備える自動車用ウェザーストリップ(20)であって、
前記中空シール部(22)に、前記開閉体(1)の開閉方向(X)に略垂直に延びるブリッジ(24)を設定するとともに、前記ボディ(2)に対する前記中空シール部(22)の前記弾接中心位置(P1)及び前記ブリッジ(24)の車外側の連結位置(24a)を、前記開閉体(1)の前端縁(1a)を通る前記開閉方向を示す直線(X)よりも車外側に設定したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記中空シール部(22)の断面外周形状は、三角形の各辺(22a,22b,22c)を外側に向けて膨出湾曲させた略三角むすび形状であり、前記見切り部分(M)から視認しうる前記中空シール部(22)の車外側を、前記三角形の第一辺(22a)とするとともに、前記弾接時には、前記第一辺(22a)の前記ボディ(2)側端部に形成された前記三角形の頂部(P1)から前記ボディ(2)に弾接させるようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記弾接時には、前記開閉体(1)の前端縁(1a)を、前記中空シール部(22)の前記第一辺(22a)の前記ボディ(2)側端部(P1)とは逆側の端部(P3)に押付けるように当接させ、前記ボディ(2)との間に前記中空シール部(22)を撓ませるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記開閉体(1)はフード(1)であり、前記開閉体(1)が弾接する前記ボディ(2)の部位はフロントグリル(2)の上面であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載の自動車用ウェザーストリップは、ボディ(5)のドア(6)開口縁に沿って固定されたドリップフランジ(F)に取付けられる取付基部(31)と、該取付基部(31)に一体成形され前記ドア(6)の閉時にはドアサッシュ(7)に弾接してドア(6)とボディ(5)との間の見切り部分(N)をシールする中空シール部(32)を備える自動車用ウェザーストリップ(30)であって、
前記中空シール部(32)に、前記ドア(6)の開閉方向(Y)に対して略45度に延び、一端(34a)が中空シール部(32)の車外側に他端(34b)が中空シール部(32)の前記取付基部(31)側の付け根部に連結されるブリッジ(34)を設定するとともに、前記弾接時には、前記ドアサッシュ(7)の上端縁(7a)を、前記中空シール部(32)における前記ブリッジ(34)の一端(34a)が連結された部位と前記ブリッジ(34)の他端(34b)が連結された部位の間で、しかも前記ブリッジ(34)の一端(34a)寄りに弾接させるようにしたことを特徴とする。
【0015】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップによれば、中空シール部内には、フードなどの開閉体の開閉方向に対して略垂直に延びるブリッジを設定しているので、開閉体の閉時に中空シール部が開閉体に対向するフロントグリルなどのボディに弾接するときに、中空シール部が車外側にはみ出す量を極小に抑えることができる。
よって、建付バラツキの発生で、開閉体とボディの間の見切り部分における見切り幅が通常よりも狭い場合であっても、中空シール部の車外側へのはみ出しを抑えることができるので、特に見栄えを悪くすることはない。
また、中空シール部に設定したブリッジの車外側の連結位置を、中空シール部の弾接中心位置とともに、開閉体の前端縁を通る開閉方向を示す直線よりも車外側に設定しているので、ボディのシール面と中空シール部の車外側下部にできる三角スキの大きさを、中空シール部の弾接中心位置を開閉体の前端縁を通る開閉方向を示す直線よりも車内側に設定する場合と比較して小さくすることができる。
よって、建付バラツキの発生で、開閉体とボディの間の見切り部分における見切り幅が通常よりも広い場合であっても三角スキを小さくすることができるので、高速走行時における異音の発生を抑制し、乗員に不快感を与えることもない。
【0017】
このように、請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップによれば、特に車両構造を変更したり、あるいは中空シール部の肉厚を部分的に変化させることなく、ブリッジを中空シール部内の所定位置に設けるといった簡単な構成だけで、三角スキの縮小と中空シール部の車外側へのはみ出し量の縮小を同時に行うことができる。
【0018】
また、請求項2に記載の自動車用ウェザーストリップによれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、中空シール部の断面外周形状を略三角むすび形状とし、見切り部分から視認しうる中空シール部の車外側を、前記三角形の第一辺とするとともに、弾接時には、第一辺のボディ側端部に形成された前記三角形の頂部からボディに弾接させるようにしたので、断面外周形状を円形状とする中空シール部の車外側と比較した場合、曲率半径は大きく周長は短くなる。
よって、建付バラツキによって、開閉体とボディの間の見切り部分における見切り幅が通常よりも広い場合、ボディのシール面と中空シール部の車外側下部にできる三角スキを、断面外周形状を円形状とする中空シール部の場合に生じる三角スキと比較して小さく抑えることができ、その結果、高速走行時における異音の発生を抑制することができる。
【0019】
さらに、請求項3に記載の自動車用ウェザーストリップによれば、請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、弾接時には、開閉体の前端縁を、中空シール部の第一辺のボディ側端部とは逆側の端部に押付けるように当接させ、ボディとの間に中空シール部を撓ませるようにしたので、開閉体の前端縁からの押圧力が中空シール部の第一辺のボディ側端部とは逆側の端部に集中的に伝わり、その押圧力は中空シール部の弾接中心位置となる頂部に作用する。これにより、中空シール部の車外側へのはみ出し量をより抑えることができる。
【0020】
また、請求項5に記載の自動車用ウェザーストリップによれば、中空シール部内には、ドアの開閉方向に対して略45度に延びるブリッジを設定しているので、ドア閉時に中空シール部がドアサッシュに弾接するときに、中空シール部が車外側にはみ出す量を抑えることができる。
それに加えて、弾接時には、ドアサッシュの上端縁を、中空シール部におけるブリッジの一端が連結された部位とブリッジの他端が連結された部位の間で、しかもブリッジの一端寄りに弾接させるようにしたので、中空シール部が車外側にはみ出す量を一層抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ20について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ20を示すもので、図5のA−A線拡大断面図に相当する。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0022】
本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ20は、開閉体となるフード(ボンネット)1の内側に取付けられる取付基部21と、その取付基部21の前方に一体成形されフード1の閉時にはそのフード1に対向するボディ側のフロントグリル2の上面に弾接してフード1とフロントグリル2との間の見切り部分Mをシールする中空シール部22を備えている。なお、取付基部21の内側には装飾部材23,ここではスポンジ材の被膜がされている。
【0023】
取付基部21は、フード1の前部内側において前方に向いて延び、略中央部が内側に折れ曲がった板状であり、二つ折りの折れ曲がり部から後方全体がフード1の内側に固定され、折れ曲がり部から前方についてはフード1の前端縁1aに向けて延びるが特にフード1に対して固定されていない。
【0024】
中空シール部22は、取付基部21の前方の前端に押出成形によって一体的に取付けられている。
中空シール部22は、断面の外周形状が、三角形の各辺である第一辺22a,第二辺22b,第三辺22cをそれぞれ外側に向けて膨出湾曲させた略三角むすび形状であり、見切り部分Mから視認しうる中空シール部22の車外側を、三角形の第一辺22aとし、車内側の下部を第二辺22b,車内側の上部を第三辺22cとしている。なお、中空シール部22の各辺22a,22b,22cの厚さは同じであり部分的に厚肉にするといったことは特に行っていない。
フード1がフロントグリル2に弾接する時には、第一辺22aのフロントグリル2側端部に形成された三角形の頂部P1を中心にして、その頂部P1からフロントグリル2の略水平面に弾接させるようにしている。また、弾接時には、フード1の前端縁1aだけを、中空シール部22の第一辺22aのフロントグリル2側端部に形成された頂部P1とは逆側となるフード1側端部に形成された頂部P3に押付けるように当接させ、頂部P3から集中的に押圧することによってフロントグリル2との間に中空シール部22を撓ませるようにしている。
【0025】
そして、中空シール部22に、中空シール部22の断面を2分割するブリッジ24を設定している。ブリッジ24は、フード1の開閉方向を示す直線Xに対して略垂直に延びるものであり、車外側の連結位置24aを第一辺22aの略中央とするとともに、車内側の連結位置24bを第三辺22cの頂部P2寄りとしている。
また、ブリッジ24の車外側の連結位置24aを、中空シール部22の弾接中心位置となる頂部P1の位置とともに、フード1の前端縁1aを通る開閉方向を示す直線Xよりも車外側に設定している。
【0026】
このように構成された本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ20によれば、中空シール部22の車外側、すなわち第一辺22aの形状を略三角むすび形状の一辺とするものであるので、従来例(図6)で示したような、断面外周形状を円形状とする中空シール部12の車外側と比較した場合、曲率半径は大きく周長は短くなる。
よって、建付バラツキによって、図2に示すように、フード1とフロントグリル2の間の見切り部分Mにおける見切り幅L1が通常よりも広い場合、フロントグリル2のシール面と中空シール部22の車外側下部にできる三角スキTを、従来例(図6)で示した三角スキSと比較して小さく抑えることができ、その結果、高速走行時における異音の発生を抑制することができる。
【0027】
また、中空シール部22内には、フード1の開閉方向を示す直線Xに対して略垂直に延びるブリッジ24を設定しているので、フード1の閉時に中空シール部22がフロントグリル2に弾接するときに、中空シール部22の車外側となる第一辺22aが車外側にはみ出す量を極小に抑えることができる。
よって、建付バラツキによって、図3に示すように、フード1とフロントグリル2の間の見切り部分Mにおける見切り幅L2が通常よりも狭い場合であっても、中空シール部22の第一辺22aのはみ出しを抑えることができるので、特に見栄えを悪くすることはない。なお、ブリッジ24の剛性は、中空シール部22の剛性よりも高く伸び難い方が好ましい。
【0028】
さらに、中空シール部22に設定したブリッジ24の車外側の連結位置24aを、中空シール部22の弾接中心位置となる頂部P1の位置とともに、フード1の前端縁1aを通る開閉方向を示す直線Xよりも車外側に設定しているので、これによってもフロントグリル2のシール面と中空シール部22の車外側下部にできる三角スキTをより一層抑えることができる。なお、従来例(図6)で示した中空シール部12の弾接中心位置は、フード1の前端縁1aを通る開閉方向を示す直線Xよりも車内側に位置するものであり、三角スキSが大きくなっている。
【0029】
さらにまた、中空シール部22に対してはその頂部P3にフード1の前端縁1aだけが接し、フード1の他の部分は接するものではなく、弾接時には、フード1の前端縁1aからの押圧力が中空シール部22の頂部P3に集中的に伝わり、その押圧力は中空シール部22の弾接中心位置となる頂部P1に作用するので、中空シール部22の車外側へのはみ出し量を抑えられる。
【0030】
なお、ここでは、開閉体としてフード1を例にあげ、そのフード1が弾接するボディの部位をフロントグリル2の上面としたが、特にこれに限定されるものではなく、車両外観の見切り部分において、開閉体側に本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップを適用させることができる。
【0031】
(第2実施形態)
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ30について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ30を示す図5のB−B線拡大断面図である。
【0032】
本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ20は、フード1に取付けられ、フード1とフロントグリル2との間の見切り部分Mを塞ぐものであったが、本発明の第2実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ30は、ボディ、ここではフロントピラー5のドア6開口縁に沿って固定されたドリップフランジFに取付けられ、フロントピラー5とドア6のドアサッシュ7との間の見切り部分Nを塞ぐものである。なお、ボディをフロントピラー5にすることにかえてルーフ側にすることもできる。
【0033】
本発明の第2実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ30は、フロントピラー5から斜め上方に延びるドリップフランジFに取付けられる取付基部31と、取付基部31の上部に押出成形によって一体的に設けられ、ドア6の閉時にはドアサッシュ7に弾接してドアサッシュ7とフロントピラー5との間の見切り部分Nをシールする中空シール部32を備えている。また、取付基部31の車外側下部にはドア6の閉時に中空シール部32とともにドアサッシュ7に弾接するサブシール33が設けられている。
【0034】
そして、中空シール部32に、ドア6の開閉方向を示す直線Yに対して略45度に延び、一端34aが中空シール部32の車外側に連結され、他端34bが中空シール部32の取付基部31側の付け根部に連結されるブリッジ34を設定し、前記弾接時には、ドアサッシュ7の上端縁7aを、中空シール部32におけるブリッジ34の一端34aが連結された部位とブリッジ34の他端34bが連結された部位の間で、しかもブリッジ34の一端34a寄りに弾接させるようにしたものである。
【0035】
これによれば、中空シール部32内には、ドア6の開閉方向を示す直線Yに対して略45度に延びるブリッジ34を設定しているので、ドア6の閉時に中空シール部32がドアサッシュ7に弾接するときに、中空シール部32が車外側にはみ出す量を抑えることができる。
それに加えて、弾接時には、ドアサッシュ7の上端縁7aを、中空シール部32におけるブリッジ34の一端34aが連結された部位とブリッジ34の他端34bが連結された部位の間で、しかもブリッジ34の一端34a寄りに弾接させるようにしたので、中空シール部32が車外側にはみ出す量を一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車用ウェザーストリップを示す図5のA−A線拡大断面図である。
【図2】見切り幅が大きい場合における、図1に示す自動車用ウェザーストリップの撓み状態を示す図5のA−A線拡大断面図である。
【図3】見切り幅が小さい場合における、図1に示す自動車用ウェザーストリップの撓み状態を示す図5のA−A線拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る自動車用ウェザーストリップを示す図5のB−B線拡大断面図である。
【図5】自動車用ウェザーストリップが取付けられる自動車を示す外観斜視図である。
【図6】従来例に係る自動車用ウェザーストリップを示す図5のA−A線拡大断面図である。
【図7】見切り幅が大きい場合における、図6に示す自動車用ウェザーストリップの撓み状態を示す図5のA−A線拡大断面図である。
【図8】見切り幅が小さい場合における、図6に示す自動車用ウェザーストリップの撓み状態を示す図5のA−A線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 フード
1a 前端縁
2 フロントグリル
3 ライト
4 ライト
5 フロントピラー
6 ドア
7 ドアサッシュ
7a 上端縁
10 自動車用ウェザーストリップ
11 取付基部
12 中空シール部
13 装飾部材
20 自動車用ウェザーストリップ
21 取付基部
22 中空シール部
22a 第一辺
22b 第二辺
22c 第三辺
23 装飾部材
24 ブリッジ
24a 車外側の連結位置
24b 車内側の連結位置
30 自動車用ウェザーストリップ
31 取付基部
32 中空シール部
33 サブシール
34 ブリッジ
34a 一端
34b 他端
F ドリップフランジ
L1 見切り幅
L2 見切り幅
M 見切り部分
N 見切り部分
P1,P2,P3 頂部
S 三角スキ
T 三角スキ
X フードの開閉方向を示す直線
Y ドアの開閉方向を示す直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体の内側に取付けられる取付基部と、該取付基部の前方に一体成形され前記開閉体の閉時には開閉体に対向するボディに弾接して開閉体とボディとの間の見切り部分をシールする中空シール部を備える自動車用ウェザーストリップであって、
前記中空シール部に、前記開閉体の開閉方向に略垂直に延びるブリッジを設定するとともに、前記ボディに対する前記中空シール部の前記弾接中心位置及び前記ブリッジの車外側の連結位置を、前記開閉体の前端縁を通る前記開閉方向を示す直線よりも車外側に設定したことを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。
【請求項2】
前記中空シール部の断面外周形状は、三角形の各辺を外側に向けて膨出湾曲させた略三角むすび形状であり、前記見切り部分から視認しうる前記中空シール部の車外側を、前記三角形の第一辺とするとともに、前記弾接時には、前記第一辺の前記ボディ側端部に形成された前記三角形の頂部から前記ボディに弾接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップ。
【請求項3】
前記弾接時には、前記開閉体の前端縁を、前記中空シール部の前記第一辺の前記ボディ側端部とは逆側の端部に押付けるように当接させ、前記ボディとの間に前記中空シール部を撓ませるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用ウェザーストリップ。
【請求項4】
前記開閉体はフードであり、前記開閉体が弾接する前記ボディの部位はフロントグリルの上面であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の自動車用ウェザーストリップ。
【請求項5】
ボディのドア開口縁に沿って固定されたドリップフランジに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体成形され前記ドアの閉時にはドアサッシュに弾接してドアとボディとの間の見切り部分をシールする中空シール部を備える自動車用ウェザーストリップであって、
前記中空シール部に、前記ドアの開閉方向に対して略45度に延び、一端が中空シール部の車外側に他端が中空シール部の前記取付基部側の付け根部に連結されるブリッジを設定するとともに、前記弾接時には、前記ドアサッシュの上端縁を、前記中空シール部における前記ブリッジの一端が連結された部位と前記ブリッジの他端が連結された部位の間で、しかも前記ブリッジの一端寄りに弾接させるようにしたことを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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