説明

自動車用ドアロックケーブル

【課題】高耐久化されたドアロックケーブルを提供する。
【解決手段】ドアロックケーブル10は、インナーケーブル20とアウターケーブル30を備えている。インナーケーブル20は、軸に垂直方向の断面が円形である一本の金属線22からなる。アウターケーブル30は、インナーケーブル20が挿通されている。インナーケーブル20とアウターケーブル30のクリアランス12は、0.05〜0.5mmに設定されている。インナーケーブル20とアウターケーブル30の間には、シリコングリス40が充填されている。インナーケーブル20の外表面にはメッキ層24が設けられている。メッキ層24の膜厚は、3〜35μmに設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のドアロックケーブルに関する。本明細書において、「ドアロックケーブル」とは、自動車のドアロック用の軽荷重用コントロールケーブルをいう。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、金属の単線からなるインナーケーブルと、そのインナーケーブルが挿通されているチューブ状のアウターケーブルとを備えたドアロックケーブルが開示されている。ドアロックケーブルは、押し引き操作を必要とするため、プッシュプルケーブルが用いられる。特許文献1のドアロックケーブルでは、インナーケーブルの外周に軸方向に伸びる3本以上の突条が形成されている。インナーケーブルの外周に突条が形成されることで、アウターケーブルがインナーケーブルをバランスよく支持することができ、ドアロックケーブルの高耐久化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−342917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のドアロックケーブルでは、インナーケーブルの外周に突条を形成しなければならないため、軸に垂直な方向の断面が円形となるインナーケーブルを製造する場合と比較して、素線からインナーケーブルへの加工が難しいという問題がある。また、アウターケーブルでインナーケーブルをバランスよく支持するためには、インナーケーブルの外周に精度良く突条を成形しなければならない。インナーケーブルの外周に成形する突条の形状精度がばらつくと、コントロールケーブルの特性にもばらつきが生じる。そのため、軸に垂直な方向の断面が円形のインナーケーブルを用いて、コントロールケーブルの高耐久化を実現する技術が求められている。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされた。すなわち本発明は、従来から使用されている軸に垂直な方向の断面が円形のインナーケーブルを用いて、長期間に亘って荷重効率が低下し難い高耐久化されたドアロックケーブルを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ドアロックケーブルを高耐久化する方法としては、通常、インナーケーブルとアウターケーブルの間に充填されているグリスを変更する手段が採用される。例えば、成分調整により付着性の良いグリスを選択することで、ドアロックケーブルを高耐久化することができる。しかし、グリスの変更が他の部品に影響を及ぼすことがある。例えば、グリスは長時間の使用によりその一部が気化する。気化したグリスが周辺の電気部品に付着すると、電気部品に絶縁や短絡等の不具合が発生し、電気部品の故障の原因となる。グリスの変更による他の部品への影響の有無を評価するためには、使用を予定しているグリスを用いた耐久試験や環境試験等の種々雑多な試験を行わなければならない。このため、グリスを変更する以外の方法によって、ドアロックケーブルを高耐久化することが望まれる。
【0007】
本発明者らは、ドアロックケーブルの時間の経過に伴って荷重効率が低下する原因を研究した結果、インナーケーブルの外表面に設けられたメッキ層に原因があることを発見した。具体的には、インナーケーブルの外表面に設けられたメッキ層が長年の使用により剥離し、その剥離されたメッキ粉がグリス内に入り込むことで、インナーケーブルとアウターケーブルとの間の摺動抵抗を増大させていることが解った。本発明者らは、さらに研究を進め、メッキ層の膜厚を制御すると共にインナーケーブルとアウターケーブルとのクリアランスを制御することで、インナーケーブルからメッキ層が剥離することを効果的に抑制することができることを突き止めた。本明細書で開示されるドアロックケーブルは、上記の知見に基づいて創作された。
【0008】
なお出願人は、特開平11−325048(以下、特許文献2と呼ぶ)において、インナーケーブルの外表面に設けられるメッキ層の膜厚を制御することで摺動抵抗を低減させる技術を開示している。本明細書で開示される技術は、メッキ層の膜厚を制御する点において特許文献2の技術と類似する。しかし、本明細書で開示される技術が低荷重用のドアロックケーブルに関係するのに対して、特許文献2の技術は自動車の変速機とシフトレバーとを連結するコントロールケーブルに関係している。その結果、本明細書と特許文献2とでは、インナーケーブルの構成において大きく異なる。すなわち、特許文献2の技術は、芯線と芯線の外周に所定の巻ピッチ角で螺巻された多数の側線で構成される、いわゆる撚り線のインナーケーブルに関している。撚り線のインナーケーブルの場合、アウターケーブルの内周面にはインナーケーブルの側線が部分的に接触する。一方、本明細書の技術は、軸に垂直な方向の断面が円形の単線のインナーケーブルであり、インナーケーブルの全周でアウターケーブルの内周面と接触する。このため、特許文献2の技術では、インナーケーブルのメッキ層の膜厚、並びに、側線の巻きピッチ及び直径が制御されるのに対して、本明細書ではインナーケーブルのメッキ層の膜厚、並びに、インナーケーブルとアウターケーブルのクリアランスが制御される。このように、本明細書の技術と特許文献2の技術とは、全く異なるものである。
【0009】
本明細書で開示されるドアロックケーブルは、自動車のドアロックケーブルであり、インナーケーブルとアウターケーブルとを備えている。インナーケーブルは、軸に垂直方向の断面が円形である一本の金属線からなる。アウターケーブルには、インナーケーブルが挿通されている。このドアロックケーブルでは、インナーケーブルとアウターケーブルのクリアランスが0.05〜0.5mmに設定されており、インナーケーブルとアウターケーブルの間にグリスが充填されている。また、インナーケーブルの外表面にはメッキ層が設けられており、そのメッキ層の膜厚は3〜35μmに設定されている。
【0010】
このドアロックケーブルでは、インナーケーブルの軸に垂直方向の断面を円形としつつ、インナーケーブルとアウターケーブルとのクリアランスを上記の範囲内とし、かつ、インナーケーブルの外表面に設けられたメッキ層の膜厚を上記の範囲内とすることで、ドアロックケーブルの高耐久化を実現している。すなわち、インナーケーブルの外表面に設けられるメッキ層の膜厚を、従来のドアロックケーブルと比較して小さく設定すると共に、インナーケーブルとアウターケーブルのクリアランスを従来のドアロックケーブルと比較して大きく設定する。これによって、インナーケーブルとアウターケーブルの摺動によりメッキ層がインナーケーブルから剥離することが抑制され、その結果、インナーケーブルから剥離したメッキ層によりインナーケーブルとアウターケーブルの間の摺動抵抗が上昇することが長期間に亘って抑制される。これによって、高耐久化されたドアロックケーブルを実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、軸方向の断面が円形のインナーケーブルを用いて、高耐久化されたドアロックケーブルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ドアロックケーブル10の断面図。
【図2】摺動抵抗Rの測定結果を示す図。
【図3】耐久試験を説明する図。
【図4】耐久試験の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を具現化した一実施形態に係るドアロックケーブル10について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態のドアロックケーブル10は、インナーケーブル20とアウターケーブル30によって構成されている。
【0014】
インナーケーブル20は、一本の金属線22によって構成されており、その外表面にメッキ層24が形成されている。金属線22の軸に垂直方向の断面は円形をしており、直径が1.15〜1.25mmの鋼線である。金属線22の直径を1.15〜1.25mmとすることで、ドアロックケーブルに必要とされる大きさの荷重を伝達することができる。メッキ層24には、膜厚を厚くでき、かつ、摺動抵抗の小さな金属メッキを用いることができる。メッキ層24には、例えば、亜鉛メッキ又は亜鉛アルミメッキを用いることができる。メッキ層24を金属線22の外表面に形成することで、インナーケーブル20の表面を滑らかにしている。
【0015】
アウターケーブル30は、ポリエチレンからなるライナー34と、そのライナー34の外周面に互いに間隔を設けずに配置された複数本の金属素線36からなるシールド層と、そのシールド層を被覆するポリプロピレンからなる被覆層38によって構成されている。ライナー34は、筒状部材であり、その中心の貫通孔32にインナーケーブル20が摺動自在に挿入されている。ライナー34の内径は1.30〜1.65mmとなるように調整されている。ライナー34の内径を1.30mm以上とすることで、アウターケーブル30とインナーケーブル20のクリアランスを十分に取ることが可能となる。また、ライナー34の内径を1.65mm以下とすることで、ドアロックケーブル10の自動車のドア内への配索を容易に行うことができる。金属素線36は、直径が0.5mmの硬鋼線である。金属素線36の直径を0.5mmとすることで、ドアロックケーブルに必要とされる柔軟性を確保するとともに、外部から加えられる力からインナーケーブル20を十分に保護することができる。図1では点線で略して記載されているが、本実施例では、ライナー34の外周面に15本もしくは16本の金属素線36が互いに間隔を設けずに配置されてシールド層が構成されている。インナーケーブル20とアウターケーブル30の間にはクリアランス12が設けられている。クリアランス12には、シリコングリス40が充填されている。ドアロックケーブル10では、クリアランス12にシリコングリス40が充填されることで、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間の摺動抵抗が抑制される。
【0016】
本実施形態では、メッキ層24の膜厚が、3〜35μmとなるように設定される。メッキ層24の膜厚を3μm以上とすることで、金属線22の表面に形成されたメッキ層24が削れ、金属線22が剥き出しとなることが抑制される。これにより、インナーケーブル20の地金である金属線22とアウターケーブル30とが接触し、ドアロックケーブル10の摺動抵抗が大きくなることが長期間に亘って抑制される。
【0017】
また、メッキ層24の膜厚を35μm以下とすることで、インナーケーブル20から多量のメッキ層24が剥離することが抑制される。これにより、インナーケーブル20から剥離したメッキ層24がシリコングリス40内に入り込み、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間の摺動抵抗が上昇することが長期間に亘って抑制される。
【0018】
また、本実施形態では、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間のクリアランス12が、0.05〜0.5mmとなるように設定される。クリアランス12を0.05mm以上とすることで、インナーケーブル20とアウターケーブル30の摺動性が向上し、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間の摺動抵抗が低く抑えられる。なお、クリアランス12の幅を0.5mm以下としたのは、クリアランス12を0.5mmよりも広く設定すると、ドアロックケーブル10の外径が大きくなり、ドアロックケーブル10の配索容易性を損なうとともに、ドアロックケーブル10を押し引き操作する際のストロークロスが増大することを抑制するためである。
【0019】
本実施形態のドアロックケーブル10では、インナーケーブル20のメッキ層24の膜厚を3〜35μmとし、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間のクリアランス12を0.05〜0.5mmとすることで、高耐久化されたドアロックケーブル10を実現している。その結果、本実施形態のドアロックケーブル10を自動車に使用した場合には、ドアロックケーブルに要求される荷重効率を長期間に亘って満足することができる。これによって、自動車の耐用期間内において、ドアロックケーブル10の交換作業を不要にすることができる。
【実施例1】
【0020】
(実験1)
次に、上述した本実施形態に係るドアロックケーブルと、メッキ層の膜厚を変えた比較例に係るドアロックケーブルとを実際に製作し、その製作したドアロックケーブルに各種試験を実施した結果を説明する。
【0021】
まず、クリアランスの幅が0.02〜0.5mmの範囲で変化するように複数のドアロックケーブルを製作し、各ドアロックケーブルに対して摺動抵抗R(N)の測定を実施した。この試験に用いたドアロックケーブルでは、インナーケーブルの外径を1.15〜1.25mmとし、ライナーの内径を1.30〜1.65mmとした。また、メッキ層には亜鉛メッキを用い、メッキ層の厚さは18μmとした。また、インナーケーブルとアウターケーブルの間にはシリコングリスを充填した。摺動抵抗Rの測定では、ドアロックケーブルを実際に自動車のドアに配索し、一端を無負荷の状態とし、この状態でドアロックケーブルの他端をドアロックケーブルの軸方向に引くのに必要な力Mを測定した。摺動抵抗Rは、力M(即ち、R=M)として求められる。
【0022】
図2に、ドアロックケーブルの摺動抵抗Rの測定結果を示す。測定結果から明らかなように、クリアランスが0.1mm以上となるドアロックケーブルでは、摺動抵抗Rが略0.5N程度に抑えられ、クリアランスが変化しても摺動抵抗Rは殆ど変化しなかった。その一方、クリアランスが0.1mmよりも小さいドアロックケーブルでは、クリアランスの減少に従って摺動抵抗Rの著しい増加が見られ、特にクリアランスが0.05mmよりも小さいドアロックケーブルでは、摺動抵抗Rが2N以上にまで増加した。この摺動抵抗Rの測定結果から、クリアランスが0.05mm以上の範囲であれば、摺動抵抗Rが2N未満に抑えられることが判明した。なお、この摺動抵抗「2N」という数値は、自動車において、低温域を含めた使用環境において、ドアロックをロック又はロック解除する際の操作力を得ることができる要求値である。
【0023】
(実験2)
上述した実験1から、インナーケーブルとアウターケーブルとのクリアランスが0.05mm以上となると、摺動抵抗は2N程度となることが判明した。このため、実験2では、インナーケーブルとアウターケーブルとの間のクリアランスを、摺動抵抗が2N程度に抑えられる範囲の内で最も効率劣化しやすい0.05mmとし、かつ、メッキ層の膜厚を1〜54μmの範囲で変化させた複数のドアロックケーブルを製作し、各ドアロックケーブルに対して耐久試験を実施した。耐久試験に用いたドアロックケーブルでは、インナーケーブルの外径を1.25mm(メッキ層の膜厚を含む)とし、ライナーの内径を1.30mmとした。また、メッキ層には亜鉛メッキを用い、インナーケーブルとアウターケーブルの間のクリアランスにシリコングリスを充填した。ここで、図3を用いて耐久試験の試験方法を説明する。耐久試験では、ドアロックケーブル10の一端に5kgfのウエイト42を吊り下げ、ドアロックケーブル10の中間部を半径100mmの半円状に屈曲させる。この状態で、ドアロックケーブル10の他端を、ストローク20mmの条件でドアロックケーブル10の進路方向に5万回往復運動させる。耐久試験では、5万回往復運動させた後に、ドアロックケーブル10を用いてウエイト42を持ち上げるのに必要な力F(kgf)を測定し、荷重効率P(%)を求めた。荷重効率Pは、力F(kgf)を用いて、P=100×(5/F)と表した。この「5万回」という数値は、自動車のドアロックケーブルに要求される耐用回数である。すなわち、1日に3回車を使用したとすると、車のドアのロック/ロック解除の回数は使用毎に使用開始時1回と使用終了時1回となり、1日合計で6回となる。毎日車を使用したとすると、1年間のドアロックケーブル使用回数は365×6=2190回となる。自動車の耐久年数を10年とすると、自動車の耐久年数までのドアロックケーブル使用回数は2190×10=21900回となる。安全率として2倍以上のドアロックケーブル使用回数を見越して、5万回を耐久試験の往復操作回数とした。従って、自動車の耐用年数の間にドアロックケーブルの荷重効率が大きく低下し、これを原因としてドアロックケーブルを交換する必要はないと考えられる。
【0024】
図4に、ドアロックケーブルの耐久試験の結果を示す。図4には、クリアランスが0.05mmに設定されたドアロックケーブルを用いた耐久試験の結果を示す。測定結果から明らかなように、クリアランスが0.05mmに設定されており、かつ、インナーケーブルのメッキ層の膜厚が10〜30μmとなるドアロックケーブルでは、荷重効率Pが80%以上に保たれた。その一方、インナーケーブルのメッキ層の膜厚が30μmを超えるドアロックケーブルでは、膜厚の増加に従って荷重効率Pの著しい低下が観測され、特にメッキ層の膜厚が40μmを超えるドアロックケーブルでは、荷重効率Pが60%以下にまで減少した。同様に、インナーケーブルのメッキ層の膜厚が10μmよりも薄いドアロックケーブルでは、膜厚の減少に従って荷重効率Pの著しい低下が観測され、特にメッキ層の膜厚が1μmを下回るドアロックケーブルでは、荷重効率Pが60%以下にまで減少した。この耐久試験の結果から、メッキ層の膜厚が2〜38μmの範囲であれば、耐久試験後に荷重効率Pが60%以上に保たれることが判明した。しかし、メッキ層の膜厚は製造バラツキ等によって数μm程度変化することが起こりえる。そのため、本実施例では、確実に荷重効率Pが60%以上に保たれる範囲を、3〜35μmとした。なお、荷重効率P「60%」という数値は、ドアロックケーブルによって自動車のドアのロック/ロック解除を確実に行うために最低限必要とされる規格値である。すなわち、自動車では、ドアロックケーブルの荷重効率Pが規格値以上である場合に、ドアロックケーブルを用いて自動車のドアのロック/ロック解除を確実に行うことができるように設計される。自動車の耐用年数に亘って荷重効率Pが規格値以上であると、自動車の耐用年数に亘ってドアロックケーブルを用いて自動車のドアのロック/ロック解除を確実に行うことができる。
【0025】
以上に説明したように、本実施例のドアロックケーブル10では、インナーケーブル20とアウターケーブル30の間のクリアランスを0.05〜0.5mmとし、インナーケーブル20のメッキ層24の膜厚を3〜35μmとすることで、高耐久化されたドアロックケーブル10を実現できることが確認された。このドアロックケーブル10を用いることで、ドアロックケーブル10に要求される荷重効率を長期間に亘って満足することができ、自動車の耐用期間内において、ドアロックケーブル10の交換作業を不要にすることが可能となることが確認された。
【0026】
以上、本明細書によって開示されるドアロックケーブル10の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0027】
10 ドアロックケーブル
12 クリアランス
20 インナーケーブル
22 金属線
24 メッキ層
30 アウターケーブル
32 貫通孔
34 ライナー
36 金属素線
38 被覆層
40 シリコングリス
42 ウエイト
P 荷重効率
R 摺動抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸に垂直方向の断面が円形である一本の金属線からなるインナーケーブルと、
前記インナーケーブルが挿通されているアウターケーブルと、を備えており、
インナーケーブルとアウターケーブルのクリアランスは、0.05〜0.5mmであり、
インナーケーブルとアウターケーブルの間には、グリスが充填されており、
インナーケーブルの外表面にはメッキ層が設けられており、
該メッキ層の膜厚は、3〜35μmであることを特徴とする自動車のドアロックケーブル。
【請求項2】
前記メッキ層は、亜鉛メッキ又は亜鉛アルミメッキであることを特徴とする請求項1に記載の自動車のドアロックケーブル。
【請求項3】
インナーケーブルとアウターケーブルの間に充填されるグリスは、シリコングリスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のドアロックケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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