説明

自動車用書架

【課題】運転手が停車の際に閲覧物をハンドルにホールドさせることにより、容易に調べたり読んだりできるようにするための自動車用書架を提供することを課題とする。
【解決手段】自動車のハンドルを被覆するためのカバー部材と、カバー部材の一方の表面に固定される底部部材と、カバー部材と結合され、底部部材の上方に位置し、底部部材の上に置かれた閲覧物を押さえるための押圧部材と、を備え、さらに、閲覧物を挟持し、底部部材の表面に接着されることにより、閲覧物をハンドルに固定するための固定部材を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用書架に関し、特に自動車のハンドルに用いられる固定ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
統計によれば、交通事故の原因として、飲酒運転、疲労運転、自動車の故障のほか、注意力が散漫となることが挙げられる。運転手の注意力が散漫になる原因としては、携帯電話を使うことや道路状況に不慣れで地図などの案内書物を見ながら運転することが挙げられる。現在、世界の多くの先進国では、運転手が運転時に携帯電話を使用することを法律で禁じ、或いは携帯電話を手に取って聞いたり電話を掛けたりすることを法律で禁じることによって、電話での通話のために注意力が散漫となることによる事故の発生を抑止している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
案内書物を手で支えて調べながら運転すると、運転手の注意力が散漫になることがよくある。例えば、交差点またはゲートを通過する際に手で支えた地図で確認しながら進もうとすると、道路状況に気付かずに事故になることがよくあるので、運転時には、安全を確保するため、運転以外の動作をしないほうがよい。
【0004】
また、停車時に車を降りず車内で誰かを待っている場合には、待っている間に時間を無駄にしないように書籍や雑誌を車内で読むのが通常である。しかしながら、車内では書籍や雑誌を置く装置又は構造がなく、閲覧物を手で支えて読むと手が痛くなり、車内で読むのに不便である。
【0005】
従って、停車時に運転手が車内で待っている間に閲覧物を置くことができ、閲覧物を固定させるための固定ホルダーを如何にして提供するかは、解決が待たれる極めて重要な課題である。
【0006】
そこで、上記の事情に鑑み、本発明は、運転手が停車の際に閲覧物をハンドルにホールドさせることにより容易に調べたり読んだりできるようにするための自動車用書架を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る自動車用書架は、
自動車のハンドルを被覆するためのカバー部材と、
カバー部材の一方の表面に固定される底部部材と、
カバー部材と結合され、底部部材の上方に位置し、底部部材の上に置かれた閲覧物を押さえるための押圧部材と、を備えている。
【0008】
本発明に係る自動車用書架は、さらに、閲覧物が挟持されるための挟持部と底部部材の表面に結合されるための貼り合せ部とを有する固定部材を備え、底部部材と固定部材の貼り合せ部とは互いに対応するマジックテープ(登録商標)セットであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
カバー部材は円環状であり、ハンドルに結合するための皮革カバーである。底部部材は、カバー部材の内側に接続され、押圧部材は、間隔をおいてカバー部材の外表面に接続される2つの弾性バンド、ベルト、板バネまたは押さえ板であり、かつ底部部材との間に間隙を置くことにより、開いた閲覧物を底部部材の表面に置き、閲覧物が押圧部材により押圧されるのが好ましい。こうした構成により、薄い閲覧物例えば地図、雑誌または旅行パンフレット等が押圧部材と底部部材との間に挟持され、閲覧物がハンドル上に挟持されることが可能となっているため、停車時に閲覧物で調べものや読書をするのに便利である。
【0010】
また、厚い閲覧物は、固定部材により挟持され、底部部材の表面上に結合されることにより、閲覧物が安定的にハンドルの上に介在される。また、一枚の紙や紙片で、押圧部材により挟み固定しにくい場合、固定部材により固定され底部部材の表面に直接結合されることが可能である。
【0011】
また、本発明に係る自動車用書架では、閲覧物をハンドル上に取り付けられた書架に固定することにより、停車時に車内で誰かを待っている間に閲覧物を読むことで時間を有効に活用できるとともに、閲覧物を両手で支えて読む時のように手が痛くなることがなく、またユーザーと閲覧物との間は適度な距離が維持されるため、目の保護にも有利である。
【0012】
また、本発明に係る自動車用書架では、地図をハンドル上に取り付けられた書架に固定することにより、赤信号による停車または路肩での駐停車中に経路を調べようとする場合、交差点で躊躇する場合であっても、極めて短時間で確認することができ、地図を手で支えて道路の標示を探す欠点を回避できるため、運転の効率がよくなり、道路状況の把握がしやすくなるとともに、運転の安全性も大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施の形態に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で数々の修正や変更が可能であることは言うまでもない。
【0014】
図1および図2は、本発明に係る自動車用書架の具体的な実施形態の1つの断面を示す。図に示すように、自動車用書架は少なくとも、自動車のハンドル10に取り付けられ、円環状を成し、その内環側に開口110が形成されることでハンドル10の表面を被覆可能にするカバー部材11と、カバー部材11に設けられ、紡績布、人工皮、動物皮、テープ、ネット層またはこれら1つ以上を接着した底部部材12と、カバー部材11に設けられる、例えば弾性バンド13aの押圧部材と、を備えている。
【0015】
図3に示すように、新聞、雑誌または旅行ガイドパンフレット等の閲覧物20を底部部材12と弾性バンド13aとの間に置き、例えば2つの弾性バンド13aである押圧部材により、開いた閲覧物20が両側に押圧され、閲覧物20がハンドル10上に固定されることにより、停車時において旅行経路を調べるのに便利となる。
【0016】
図4Aおよび図4Bは、押圧部材の他の実施形態を示す。この実施形態においては、押圧部材はベルト13bであり、ベルト13bの一端がカバー部材11に固定され、ベルト13bの他端には第1の固定部材14aが設けられている。カバー部材11に第1の固定部材14aに対応する第2の固定部材14bが設けられている。第1、第2の固定部材14a、14bは、互いに対応する雄雌ボタンまたはマジックテープ(登録商標)セットであり、ベルト13bが第1、第2の固定部材14a、14bにより結合され、閲覧物20の取り外しおよび固定が可能になる。
【0017】
図5は、押圧部材の他の実施形態を示す。この実施形態においては、押圧部材は、湾曲可能の板バネ13cである。この板バネ13cの一端がカバー部材11に固定され、板バネ13cの他端が弾性的に開放され、閲覧物20が弾性的に挟持される。
【0018】
図6Aおよび図6Bは、押圧部材のさらに他の実施形態を示す。この実施形態においては、押圧部材は、押さえ板13dである。この押さえ板13dは湾曲不可能の板材から成り、押さえ板13dの一端が回動部材15によりカバー部材11に固定され、押さえ板13dの他端に第1の固定部材14aが設けられている。カバー部材11に第1の固定部材14aに対応する第2の固定部材14bが設けられ、第1、第2の固定部材14a、14bは、互いに対応する雄雌ボタンまたはマジックテープ(登録商標)セットであり、押さえ板13dが第1、第2の固定部材14a、14bにより結合され、閲覧物20の取り外しおよび固定が可能になる。
【0019】
図7に示すように、底部部材12の底面には強化層12aが設けることができる。強化層12aにより底部部材12の支持強度を強化することもできる
【0020】
図8Aに示すように、底部部材として、接着面を有する底部部材12’であってよい。本発明は、挟持部30aおよび貼り合せ部30bを有する固定部材30を備えている。挟持部30aにより閲覧物20が挟持され、接着面を有する底部部材12’と固定部材30の貼り合せ部30bとは、互いに対応する1組のマジックテープ(登録商標)であり、固定部材30の貼り合せ部30bが接着面を有する底部部材12’の表面に接着され、閲覧物20が固定部材30により接着面を有する底部部材12’に固定され、これにより頁数が多く重い閲覧物20を挟持することが可能となる。
【0021】
図8Bに示すように、閲覧物20’が回数券や駐車カード等の一枚の小紙片の場合、固定部材30を介して閲覧物20’が挟持されることにより接着面を有する底部部材12’に直接接着される。また、装飾品である場合、造形の異なる固定部材30により装飾品を接着固定することができるため、固定部材30の造形を適宜変化させれば容易に固定する目的を達成することができる。
【0022】
また、本発明に係る自動車用書架では、停車時に車内で人を待っている間、閲覧物をハンドル上に取り付けられた書架に固定して読むことができる。そのため閲覧物を手で支えて読むことによって手が痛くなるようなこともなく、ユーザーと閲覧物との間は適度な距離が維持されるため、過度に閲覧物に近づくことによって目が近視になることを回避でき、目の保護にも有利である。
【0023】
また、本発明に係る自動車用書架では、地図をハンドル上に取り付けられた書架に固定することにより、赤信号による停車時または路肩での駐停車中に経路を調べようとする場合、地図を手で支えて道路の標示を探す欠点を回避できるため、運転の効率がよくなり、道路状況の把握がしやすくなるとともに、運転の安全性も大幅に向上する。
【0024】
上記のように、本発明に係る自動車用書架では、利便性、運転の安全性および多機能性といった利点があるため、産業上の利用価値が大幅に向上している。
【0025】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明の請求範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態は例示に過ぎず、それらの各構成要素の組み合わせに、さらにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の請求範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る自動車用書架の断面図である。
【図2】本発明に係る自動車用書架の立体図を示す。
【図3】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第1の実施形態によって、閲覧物が挟持される立体図を示す。
【図4A】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第2の実施形態の断面を示す。
【図4B】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第2の実施形態の正面図を示す。
【図5】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第3の実施形態の断面図である。
【図6A】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第4の実施形態の断面を示す。
【図6B】本発明に係る自動車用書架の押圧部材の第4の実施形態の正面図を示す。
【図7】本発明に係る自動車用書架の他の実施形態の断面図である。
【図8A】本発明に係る自動車用書架において固定部材により閲覧物が挟持される立体分解図を示す。
【図8B】本発明に係る自動車用書架において固定部材により一枚刷りの閲覧物が挟持される立体図を示す。
【符号の説明】
【0027】
10 ハンドル
11 カバー部材
110 開口
12 底部部材
12’ 接着面を有する底部部材
12a 強化層
13a 弾性バンド
13b ベルト
13c 板バネ
13d 押さえ板
14a 第1の固定部材
14b 第2の固定部材
15 回動部材
20 閲覧物
20’ 閲覧物
30 固定部材
30a 挟持部
30b 貼り合せ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のハンドルを被覆するためのカバー部材と、
前記カバー部材の一方の表面に固定される底部部材と、
前記カバー部材と結合され、前記底部部材の上方に位置し、前記底部部材の上に置かれた閲覧物を押さえるための押圧部材と、
を備えることを特徴とする自動車用書架。
【請求項2】
前記カバー部材は、円環状であり、その内環側に開口が形成されることにより、前記ハンドルの表面を被覆することを特徴とする請求項1に記載の自動車用書架。
【請求項3】
前記底部部材は、紡績布、人工皮、動物皮、テープ、ネット層またはこれらを接着したいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用書架。
【請求項4】
前記底部部材には、強化層がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用書架。
【請求項5】
閲覧物が挟持されるための挟持部と前記底部部材の表面に接着されるための貼り合せ部とを有する固定部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自動車用書架。
【請求項6】
前記底部部材と前記固定部材の貼り合せ部とは互いに対応するマジックテープ(登録商標)セットであることを特徴とする請求項5に記載の自動車用書架。
【請求項7】
前記押圧部材は、間隔をおいて設けられた2つの弾性バンド、ベルト、板バネまたは押さえ板のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用書架。
【請求項8】
前記弾性バンドは、伸縮可能のバンドであることを特徴とする請求項7に記載の自動車用書架。
【請求項9】
前記ベルトの一端が前記カバー部材に固定され、前記ベルトの他端には第1の固定部材が設けられ、前記カバー部材に前記第1の固定部材に対応する第2の固定部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の自動車用書架。
【請求項10】
前記押さえ板は、湾曲不可能な板材から成り、前記押さえ板の一端に回動部材により前記カバー部材に固定され、前記押さえ板の他端に第1の固定部材が設けられ、前記カバー部材に前記第1の固定部材に対応する第2の固定部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の自動車用書架。
【請求項11】
前記第1の固定部材と第2の固定部材とは、互いに対応する雄雌ボタンまたはマジックテープ(登録商標)セットのいずれか一つであることを特徴とする請求項9または10に記載の自動車用書架。
【請求項12】
前記板バネは、湾曲可能のものであり、前記板バネの一端が前記カバー部材に固定され、前記板バネの他端が弾性的に開放され、前記閲覧物が弾性的に挟持されることを特徴とする請求項7に記載の自動車用書架。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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