説明

自動車組立てラインにおける車体搬送台車

【課題】自動車組立てラインにおける車体搬送台車を、ドア組付け作業エリアへのドアの供給手段に利用出来るようにする。
【解決手段】ドアDを、車体Bを搬送する搬送台車1の下側に設けられたドア収納部7Aから当該搬送台車1の横側部の起伏動作位置へ水平に搬送すると共に当該起伏動作位置で垂直に起立可能にするドア搬送手段8が、ドア収納部7Aと起伏動作位置との間で水平横動自在に支持された横動台17、この横動台17に水平姿勢と垂直起立姿勢との間で起伏揺動自在に軸支されたドア支持体18、及びこのドア支持体18に設けられたカム従動ローラー47aを備え、搬送台車1の走行経路側には、横動台17と共に起伏動作位置に位置するドア支持体18を、搬送台車1の走行に伴いカム従動ローラー47aを介して起伏動作させるカムレール49が敷設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車組立てラインにおいて、車体を搬送する搬送台車に当該車体に組み付けるドアも搭載して、車体とドアとを一体に搬送出来るようにした車体搬送台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な自動車組立てラインでは、特許文献1に記載されるように、車体搬送手段とは別に、例えばトロリーコンベヤなどを利用したドア専用の搬送手段が配設され、このドア専用搬送手段により、車体搬送手段で搬送される車体に組み付けるべきドアを搬送し、このドア専用搬送手段から下したドアを車体搬送手段側に移動させて、ドアの組付け作業などを行うように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−317881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の自動車組立てラインでは、ドア専用搬送手段を別途設けなければならないため、設備コストが非常に高くつくだけでなく、設備全体の占有床面積が大きくなり、工場建屋内の利用効率を高めることが出来なかった。又、自動車組立てラインのレイアウトの変更も容易ではなかった。そこで、搬送台車を利用した車体搬送手段を採用し、この車体搬送台車そのものにドアを搭載して車体とドアを一体に搬送することが考えられたが、具体的な構成を開示されるまでには至ってなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のように車体搬送台車によって車体とドアを一体に搬送するようにした新しい車体搬送台車を提案するものであって、請求項1に記載の本発明に係る自動車組立てラインにおける車体搬送台車は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、自動車組立てラインにおいて車体(B)を搬送する搬送台車(1)の下側に、前記車体(B)へ取り付けるドア(D)を水平姿勢で収納するドア収納部(7A)が設けられ、前記ドア(D)を前記ドア収納部(7A)から当該搬送台車(1)の横側部の起伏動作位置へ水平に搬送すると共に当該起伏動作位置で垂直に起立可能にするドア搬送手段(8)が設けられた車体搬送台車であって、前記ドア搬送手段(8)は、前記搬送台車(1)の下側で前記ドア収納部(7A)と起伏動作位置との間で水平横動自在に支持された横動台(17)、この横動台(17)に水平姿勢と垂直起立姿勢との間で起伏揺動自在に軸支されたドア支持体(18)、及びこのドア支持体(18)に設けられたカム従動ローラー(47a)を備え、前記搬送台車(1)の走行経路側には、前記横動台(17)と共に起伏動作位置に位置する前記ドア支持体(18)を、搬送台車(1)の走行に伴い前記カム従動ローラー(47a)を介して起伏動作させるカムレール(49)が敷設された構成になっている。
【0006】
上記本発明を実施する場合、具体的には請求項2に記載のように、前記ドア支持体(18)が前記横動台(17)と一体に前記ドア収納部(7A)と起伏動作位置との間を横動する間、当該ドア支持体(18)と前記横動台(17)を水平姿勢に支持するガイドレール(20a,20b)を搬送台車(1)側に設けることが出来る。この場合、請求項3に記載のように、前記横動台(17)は、搬送台車走行方向に間隔を隔てて配設された一対の横動単体(17a,17b)とこの両横動単体(17a,17b)どうしを連結する連結部材(17c)から構成し、前記ドア支持体(18)は、前記一対の横動単体(17a,17b)間に配置すると共に、その両側部を前記一対の横動単体(17a,17b)に互いに同心状の水平支軸(29a,29b)で起伏自在に軸支し、前記ガイドレール(20a,20b)は、前記一対の横動単体(17a,17b)と前記ドア支持体(18)の両側部の両方を横動自在に支持させ、前記ドア支持体(18)が前記起伏動作位置に達したとき、当該ドア支持体(18)のみが前記ガイドレール(20a,20b)から外れて前記一対の横動単体(17a,17b)に対し起伏揺動自在になるように構成することが出来る。
【0007】
又、請求項4に記載のように、前記カム従動ローラー(47a,47b)は、搬送台車走行方向に間隔を隔てて一対軸支し、前記カムレール(49)は、前記ドア支持体(18)を水平姿勢から垂直起立姿勢まで起立揺動させるときは搬送台車走行方向側のカム従動ローラー(47a)に作用すると共に、逆に前記ドア支持体(18)を垂直起立姿勢から水平姿勢まで倒伏揺動させるときは搬送台車走行方向側とは反対側のカム従動ローラー(47b)に作用するように構成することが出来る。
【0008】
更に、請求項5に記載のように、前記カムレール(49)は、前記ドア支持体(18)を介して横動台(17)を前記ドア収納部(7A)と起伏動作位置との間で横動させる領域(49B,49F)と、前記横動台(17)と共に起伏動作位置に位置する前記ドア支持体(18)を、搬送台車(1)の走行に伴い前記カム従動ローラー(47a)を介して起伏動作させる領域(49C,49E)とを備えた構造とすることが出来る。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明の構成によれば、車体を搬送する搬送台車のドア収納部に、当該車体に取り付けるべきドアを収納して、ドア組付け作業エリアまで当該ドアを車体搬送台車により車体と一体に搬送することが出来、従来のようにドア専用搬送手段を別途併設する必要がなくなるので、このドア専用搬送手段を必要とする従来システムにおける種々の問題点を解消出来るのであるが、特に本発明の構成によれば次のような効果が期待出来る。
【0010】
即ち、ドア搬送手段に支持されて前記ドア収納部に収納されているドアは、ドア組付け作業エリアの入り口において、前記ドア収納部から搬送台車の横側方の起伏動作位置に移動させると共に垂直起立姿勢に起立させて、車体への組付け前のドアに対する部品取付け作業と、部品取付けが済んだドアを車体側に移す作業が容易に行える状態にする必要があるが、本発明の構成では、搬送台車に設けられた前記ドア搬送手段のドア支持体を、搬送台車の横側方の起伏動作位置で起伏動作させるための動力源として搬送台車自体の走行力を、ドア支持体側のカム従動ローラーと搬送台車走行経路側のカムレールを介して利用するのであるから、シリンダーユニットやモーターなど、流体圧源や電力を必要とする駆動手段を搬送台車に搭載する必要がなくなり、搬送台車そのものの構成をシンプルにし得ると共に前記動力源の制御も不要であるから、安価に実施することが出来る。
【0011】
尚、ドア搬送手段には、ドア収納部と前記起伏動作位置との間で往復移動する横動台と、この横動台に起伏自在に軸支されたドア支持体が必要になるが、請求項2に記載の構成によれば、ドア支持体がドア収納部と起伏動作位置との間で横動するとき、当該ドア支持体側の全重量を前記横動台のみで受け持たせるのではなく、その全重量の一部分を、当該横動台を水平姿勢に支持させる搬送台車側のガイドレールによって受け持たせることが出来るので、前記横動台を小型軽量に構成しながらドア支持体を水平姿勢に安定的に支持させて水平移動させることが出来る。この請求項2に記載の構成は、請求項3に記載の構成によって容易に実施することが出来る。
【0012】
又、ドア支持体に1つのカム従動ローラーを設けて本発明を実施することも可能であるが、請求項4に記載の構成によれば、ドア支持体を起伏動作位置で起立動作させるときと、逆にドア支持体を起伏動作位置で倒伏動作させるときの何れにおいても、水平移動するドア搬送手段で支持されるドアとカムレールとの干渉を避けることが容易であり、当該干渉を避けるためにドア支持体に対するカム従動ローラーの位置(高さ)に関する制約が少なくなり、本発明の実施が容易になる。
【0013】
尚、本発明におけるドア搬送手段は、ドア支持体を起伏自在に軸支した横動台をドア収納部内の位置とドア支持体の起伏動作位置との間で往復横動させることを、作業者の人為的操作や、シリンダーユニットやモーターなどの駆動源によって駆動される横動台駆動手段で行わせることが出来るものであるが、特に請求項5に記載の構成によれば、作業者の人為的操作は勿論のこと、前記のようなシリンダーユニットやモーターなどの駆動源を搬送台車に搭載する必要がないにもかかわらず、ドア搬送手段の横動台を、ドア支持体を苦服動作位置で起伏動作させるためのカム従動ローラーとカムレールを利用して、自動的にドア収納部内の位置とドア支持体の起伏動作位置との間で往復横動させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は自動車組立てラインの中のドア組付け作業エリアを示す概略平面図である。
【図2】図2は上記自動車組立てラインに使用される搬送台車の一部切欠き正面図である。
【図3】図3は上記搬送台車の一部切欠き平面図である。
【図4】図4は上記搬送台車の側面図である。
【図5】図5は上記搬送台車に設けられた1つのドア搬送手段の側面図である。
【図6】図6は上記ドア搬送手段の平面図である。
【図7】図7Aは上記ドア搬送手段の正面図、図7Bは同ドア搬送手段のドア支持体に対するドア支持具の支持構造を示す正面図である。
【図8】図8はドア組付け作業エリアに進入する直前の搬送台車におけるドア搬送手段を示す概略平面図である。
【図9】図9はドア組付け作業エリアに進入途中の搬送台車におけるドア搬送手段を示す概略平面図である。
【図10】図10はドア組付け作業エリアに進入した直後の搬送台車におけるドア搬送手段を示す概略平面図である。
【図11】図11はドア収納部から起伏動作位置に達したときのドア搬送手段を示す正面図である。
【図12】図12は起伏動作位置で起立動作途中にあるドア搬送手段を示す正面図である。
【図13】図13は起伏動作位置で起立動作完了後のドア搬送手段を示す正面図である。
【図14】図14は図13に示すドア搬送手段の平面図である。
【図15】図15は図13に示すドア搬送手段のドア支持具を垂直軸心の周りに180度回転させた状態を示す正面図である。
【図16】図16は図15に示すドア搬送手段の平面図である。
【図17】図17Aは図14に示すドア支持具に対するロック手段のロック解除状態を示す平面図、図17Bは図16に示すドア支持具に対するロック手段のロック解除状態を示す平面図である。
【図18】図18Aは図17Aに示すロック手段の正面図、図18Bは図17Bに示すロック手段の背面図である。
【図19】図19Aは図17Aに示すロック手段のロック作用状態を示す正面図、図19Bは図17Bに示すロック手段のロック作用状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図4において、1は車体搬送台車であって、自動車組立てラインに沿って敷設されたガイドレール2a,2b上に左右一対前後二組の車輪3a〜3dを介して支持され、図1に示すように自動車組立てラインを、各車体搬送台車1の台車上面が台車走行方向に連続する状態で定速前進走行する。この自動車組立てラインでの各車体搬送台車1の走行は、従来周知の各種台車走行用駆動手段、例えば車体搬送台車1の台車走行方向と平行な両側辺に形成された摩擦駆動面1a,1bに圧接する摩擦駆動輪とバックアップローラーとを使用する摩擦駆動手段などにより実現される。尚、4つの車輪3a〜3dの内、片側のガイドレール2a上を転動する車輪3a,3bには、当該ガイドレール2aを左右両側から挟む位置決め用垂直軸ローラー4が併設されている。
【0016】
各車体搬送台車1は、台車上面1aの中央部に昇降自在に設置された車体支持台5、この車体支持台5の昇降駆動手段6、及び台車四隅の下側に設けられたドア収納部7A〜7D、及び各ドア収納部7A〜7Dに併設されたドア搬送手段8を備えている。車体支持台5とその昇降駆動手段6は如何なる構成のものでも良いが、図示の実施例における車体支持台5は、左右一対の支持台単体5a,5bを夫々パンタグラフリンク機構9a,9bにより平行昇降自在に支持して構成され、昇降駆動手段6は、各支持台単体5a,5bを支持する突上げ引下げ用チエンユニット10a,10b、このチエンユニット10a,10bを駆動する駆動ユニット11a,11b、及び各駆動ユニット11a,11bを連動駆動する減速機付きモーター12から構成されている。突上げ引下げ用チエンユニット10a,10bは、各支持台単体5a,5bを支持する垂直起立部分において、互いに隣接して垂直起立姿勢を維持する2本のチエン13a,13bから構成された従来周知のものである。
【0017】
上記車体支持台5の左右一対の支持台単体5a,5bで支持された車体Bは、昇降駆動手段6の突上げ引下げ用チエンユニット10a,10bの突上げ引下げ動作により水平姿勢を保って上昇下降するが、車体搬送台車1の台車上面には、図3に示すように平面視において、車体Bの少なくとも左右両側に作業者が搭乗する作業用エリア14a,14bが確保され、この作業用エリア14a,14bには、部品収納台車15A,15Bを台車走行方向と平行に移動自在に支持するガイドレール16a,16bが敷設されると共に、その前後両端の下側に前記ドア収納部7A〜7Dが設けられている。
【0018】
各ドア収納部7A〜7Dに併設されたドア搬送手段8の構成を図5〜図7に基づいて説明すると、ドア搬送手段8は、台車走行方向に対して直角向きの左右水平方向に横動自在な横動台17、この横動台17に支持されたドア支持体18、及びドア支持体18に支持されたドア支持具19から構成されている。各ドア収納部7A〜7Dには、横動台17を支持する一対のガイドレール20a,20bが架設され、横動台17は、各ガイドレール20a,20bに各別に支持される横動単体17a,17bとこの両横動単体17a,17bどうしを連結する連結部材17cから構成されている。この各横動単体17a,17bは、夫々ガイドレール20a,20bを上下両側から挟む水平軸ローラー21と各ガイドレール20a,20bの内側面に隣接する垂直軸ローラー22とによって、ガイドレール20a,20bと平行な姿勢を保って当該ガイドレール20a,20bの長さ方向に往復移動自在に支持されている。
【0019】
ドア支持体18は、各横動単体17a,17bの内側に平行に配置された左右一対の両側部材23a,23b、これら両側部材23a,23bを互いに連結一体化する連結部材24、及び両側部材23a,23bから連設されて各横動単体17a,17bの前方位置でガイドレール20a,20bと平行に位置する左右一対の延長部材25a,25bから構成され、この左右一対の延長部材25a,25bにガイドレール20a,20bを上下両側から挟むように軸支された水平軸ローラー26によって、ドア支持体18がガイドレール20a,20bと平行な姿勢を保って当該ガイドレール20a,20bの長さ方向に往復移動自在に支持されている。そしてこのドア支持体18の両側部材23a,23bの後端部には、隣接する各横動単体17a,17bの上側に延出する軸受け部材27a,27bが連設され、この軸受け部材27a,27bの上側に重なるように各横動単体17a,17bから連設された軸受け部材28a,28bと前記軸受け部材27a,27bとが、横動台17の横動方向に対して直交する互いに同心状の水平支軸29a,29bにより連結され、ドア支持体18が水平支軸29a,29bの周りで上下揺動自在に構成されている。
【0020】
上記構成によりドア支持体18は、連結部材24を底辺とするコ字形構造となっており、このコ字形構造の内側に前記ドア支持具19が配置されている。このドア支持具19は、ドア支持体18の延長部材25a,25bの内側に位置する左右一対の側枠材30a,30bと、ドア支持体18の連結部材24の内側に配置されて両側枠材30a,30bの内端部を互いに連結一体化する連結部材31から構成された、コ字形構造のドア支持体18と同一向きのコ字形構造のものであって、ドア支持体18の底辺である連結部材24とドア支持具19の底辺である連結部材31とが、横動台17の横動方向(ガイドレール20a,20b)と平行な支軸32によって連結され、ドア支持具19がドア支持体18に対して前記支軸32の周りで回転自在に構成されている。尚、前記支軸32は、連結部材24の下側に配設されている。従ってドア支持具19は、前記支軸32の周りで180度正逆回転することにより、ドア支持体18とほぼ同一レベルの定常姿勢と、ドア支持体18より一段低い反転姿勢とに切り換えられる。
【0021】
ドア支持具19には、その側枠材30a,30bと連結部材31とで囲まれたエリア内で前記支軸32の軸心レベルで当該ドア支持具19と平行に配置されたドアDを保持するための治具が取り付けられている。具体的には、ドア支持具19の両側辺である両側枠材30a,30bには、ドアDの前後両側辺をドアヒンジやドアロック機構などを利用して保持するドア保持用治具35,36が取り付けられ、ドア支持具19の底辺である連結部材31には、ドアDの底辺が嵌合するドア保持用治具37が取り付けられている。そしてドアDの前側辺を保持する側の側枠材30aと支軸32との間の距離は、ドアDの後側辺を保持する側の側枠材30bと支軸32との間の距離よりも長くなっており、ドア支持具19が支軸32の周りに回転したときの、ドアDの前側辺を保持する側の側枠材30aの回転軌跡は、ドア支持体18の両側部材23a,23bの内側に隣接するが、反対側の側枠材30bの回転軌跡は、ドア支持体18の両側部材23a,23bから内側に十分に離されている。
【0022】
又、ドア支持体18とドア支持具19との間には、ドア支持具19をドア支持体18とほぼ同一レベルの定常姿勢と、ドア支持具19をドア支持体18より一段低い反転姿勢とでロックするロック手段38が設けられている。このロック手段38は、図17〜図19に示すように、ドア支持具19のドアDの前側辺を保持する側の側枠材30aの基部に設けられた操作用ロックピン39と、ドア支持体18の両側部材23a,23bに夫々設けられた係止部材40a,40b及びドア支持具19の回転制限用受け板41a,41bによって構成されている。ドア支持具19の両側枠材30a,30bは、連結部材31が連結される短尺部材42と、この短尺部材42の先端部に基端部を重ねて一体化した長尺部材43とから構成されている。前記操作用ロックピン39は、側枠材30aにおける短尺部材42の外側に取り付けられたピンガイド44に側枠材30aの長さ方向に挿通され、その外端部に直角横向きに突設されたレバーピン39aを利用して、ロックピン39を係止部材40a,40bに対する差し込みロック位置と引き抜き解除位置とに保持するロックピン保持ガイド45が併設されている。
【0023】
尚、定常姿勢になったドア支持具19を受け止める回転制限用受け板41aと係止部材40aは、ドア支持体18における側部材23aの先端部に直接取り付けられているが、反転姿勢になったドア支持具19を受け止める回転制限用受け板41bと係止部材40bは、ドア支持具19側のロックピン39を支持する側枠材30a(短尺部材42)がドア支持体18における側部材23bの先端部から大きく離れることになるので、当該ドア支持体18における側部材23bの先端部に突設された柱状支持部材46の先端部に取り付けられている。
【0024】
上記構成のドア搬送手段8には、そのドア支持体18に一対のカム従動ローラー47a,47bが取り付けられている。即ち、ドア支持体18の両側部材23a,23bと連結部材24の両端との間の接合部下側に垂直下方に柱状支持体48a,48bが突設され、これら一対の柱状支持体48a,48bの下端に垂直支軸によりカム従動ローラー47a,47bが、同一レベルで且つ台車走行方向に直列するように軸支されている。一方、車体搬送台車1の走行経路側には、図1に示すように、車体搬送台車1の左右同一側にある前後2つのドア収納部7A,7Bのカム従動ローラー47a,47bを操作するカムレール49と、反対側にある前後2つのドア収納部7C,7Dのカム従動ローラー47a,47bを操作するカムレール50とが、左右対称形に敷設されている。
【0025】
以上のように構成された車体搬送台車1は、図1に示すように自動車組立てラインを、台車上面が台車走行方向に連続する状態で前進走行するのであるが、各車体搬送台車1の4つのドア収納部7A〜7Dには、ドア搬送手段8を介して夫々ドアDが収納保持されている。そして車体搬送台車1が、図1に示すドア組付け作業エリアを含む自動車組立てラインを前進走行するのに伴って、各ドア収納部7A〜7Dのドア搬送手段8が夫々カム従動ローラー47a,47bを介して走行経路側のカムレール49,50によって位置及び姿勢の制御作用を受けることになるが、左右のドア収納部7A,7Cのドア搬送手段8及びドア収納部7B,7Dのドア搬送手段8は、左右対称形のカムレール49,50によって左右対称に制御され、前後のドア収納部7A,7Bのドア搬送手段8及びドア収納部7C,7Dのドア搬送手段8は、夫々同一のカムレール49又は50によって時間差をおいて同一向きに制御されるので、以下の説明では、図5〜図16に示す前側左のドア収納部7Aのドア搬送手段8と、当該ドア搬送手段8を制御する片側のカムレール49を例にとって説明する。
【0026】
車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリアに向かって前進走行しているときは、ドア収納部7Aのドア搬送手段8は、図2〜図8に示すように、ガイドレール20a,20bに沿った横動経路の後退限位置(車体搬送台車1の横側辺から最も内側に入った位置)に位置している。このとき、ドア搬送手段8の横動台17は、水平軸ローラー21と垂直軸ローラー22を介してガイドレール20a,20bに水平に支持されており、当該横動台17に水平支軸29a,29bを介して上下揺動自在に支持されているドア支持体18は、その左右一対の延長部材25a,25bが水平軸ローラー26を介してガイドレール20a,20bに支持されているので、横動台17と同様に水平姿勢で安定している。そして当該ドア支持体18に支軸32の周りに回転自在に支持されているドア支持具19は、当該支軸32の軸心レベルより上側でドア支持体18と重なるレベルの定常姿勢にあって、ロック手段38によりドア支持体18に結合されている。ドアDは、水平状態のドア支持具19の内側において各ドア保持用治具35〜37を介して水平に、そしてその底辺がドア支持具19の底辺に隣接し且つその内側面(車体内に面する側)が下側になる向きで保持されている。
【0027】
上記のようにドア支持具19が定常姿勢にあるとき、図17〜図19の各A図に示すように、ドア支持具19の側枠材30a(短尺部材42)がドア支持体18の側部材23aに取り付けられている回転制限用受け板41aに当接し、ロックピン39が、その先端が係止部材40aのピン孔に嵌合する差し込みロック位置に切り換えられており、ドア支持体18に対してドア支持具19が定常姿勢にロックされている。
【0028】
そして、車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリアに向かって前進走行しているとき、ドア搬送手段8を前記後退限位置に保持するために、台車走行経路側のカムレール49に、ドア搬送手段8の台車走行方向に直列する2つのカム従動ローラー47a,47bの外側に隣接して、当該ドア搬送手段8が不測に横側方へ進出移動するのを防止する内側直線状領域49Aが設けられている。尚、図6及び図7では、カムレール49の内側直線状領域49Aが、カム従動ローラー47a,47bを左右両側から挟む平行な一対のレール部材51a,51bで構成しているが、ドア搬送手段8の横動台17を後退限位置で受け止めるストッパーをガイドレール20a,20b側に併設しておくときは、内側のレール部材51bは省くことが出来る。
【0029】
上記作用により、車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリアに向かって前進走行しているとき、ドア搬送手段8はカムレール49の内側直線状領域49Aによって後退限位置に保持され、当該ドア搬送手段8で支持されたドアDは、その内側面が下側になる水平の定常姿勢を保って、当該車体搬送台車1により車体Bと共に搬送される。而して、この車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリア内に進入するとき、図1及び図9に示すように、ドア搬送手段8は、前後一対のカム従動ローラー47a,47bの内、台車走行方向側のカム従動ローラー47aがカムレール49の外向きの水平傾斜領域49Bによって外側へ水平に押し出される結果、ドアDを支持したドア搬送手段8の全体がガイドレール20a,20bに沿って後退限位置から外側へ平行に押し出される。
【0030】
カムレール49の外向きの水平傾斜領域49Bによってドア搬送手段8が外側へ水平に押し出される結果、図11に示すように、ドア搬送手段8が、その横動台17がガイドレール20a,20bの外端に達する前進限位置に到達することになるが、横動台17よりも当該横動台17の前進方向側に突出しているドア支持体18の延長部材25a,25bは、既にガイドレール20a,20bの前端から離脱しており、横動台17に対してドア支持体18が水平支軸29a,29bの周りに重力で下向きに回動しようとする。この動きを、カム従動ローラー47aを介してカムレール49の外向きの水平傾斜領域49Bによって受け止めるように構成しても良いが、図6及び図7Aに示すように、ドア支持体18の延長部材25a,25bの後端部下側に、横動台17の横動単体17a,17bの先端に当接する当接部材52a,52bを突設しておき、横動台17に対してドア支持体18が水平姿勢から上側の領域でのみ上下揺動自在に構成しておくのが望ましい。
【0031】
図11に示すように、ドア搬送手段8が前進限位置に到達したとき、カム従動ローラー47aがカムレール49の外向きの水平傾斜領域49Bの終端に達しており、この外向きの水平傾斜領域49Bの終端に続くカムレール49には、横動台17を横側方に押し出すことなく、前記カム従動ローラー47aを介してドア支持体18のみを車体搬送台車1の走行に伴って上方に押し上げる捩じり上り勾配領域49Cが形成されている。従って、ドア搬送手段8が前進限位置に到達した後の車体搬送台車1の前進走行に伴って、横動台17に対しドア支持体18のみがカム従動ローラー47aを介してカムレール49の捩じり上り勾配領域49Cにより、図10、図12及び図13に示すように水平支軸29a,29bの周りに回動し、カムレール49の捩じり上り勾配領域49Cの終端にカム従動ローラー47aが到達したときには、ドア支持体18が垂直起立姿勢に切り換えられている。このとき、前進限位置にある横動台17は車体搬送台車1の下側にあって、当該横動台17とドア支持体18を連結している水平支軸29a,29bは、車体搬送台車1の横側辺より内側に入った位置にあるが、ドア支持体18の両側部材23a,23b及び延長部材25a,25bに対して軸受け部材27a,27bが直角上向きに延出していて、ドア支持体18が側面形状でL字形になっているので、ドア支持体18の両側部材23a,23b及び延長部材25a,25bを、車体搬送台車1と干渉させることなく、当該車体搬送台車1の横外側で垂直に起立させることが出来る。
【0032】
カムレール49の捩じり上り勾配領域49Cの終端に続くカムレール49は、カム従動ローラー47a,47bを介してドア搬送手段8のドア支持体18を垂直起立姿勢に保持する外側直線状水平領域49Dとなっている。従って、垂直起立姿勢に切り換えられたドア支持体18は、図1に示すドア組付け作業エリアの出口まで、当該垂直起立姿勢を保ったまま車体搬送台車1と共に移動することになる。即ち、車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリア内に進入すると、ドア収納部7A内のドアDが、ドア搬送手段8と当該ドア搬送手段8を車体搬送台車1の走行に伴って位置及び姿勢制御するカムレール49により、車体搬送台車1の前進走行に伴って車体搬送台車1の横側方に水平に引き出されると共に垂直起立姿勢に切り換えられる。垂直起立姿勢に切り換えられたコ字形のドア支持体18、同じ向きのコ字形のドア支持具19、及び当該ドア支持具19に支持されるドアDは、夫々の底辺が下で水平になる向きとなっている。
【0033】
車体搬送台車1の横側方で垂直起立姿勢になった正立姿勢のドアDは、図2及び図15に示すように、その内側面が、車体搬送台車1に対して横外向きの状態であるから、図2に示すように、台車走行経路の両横外側に立つ作業者が当該ドアDの内側面に対する部品組付け作業などを行うことが出来る。この場合、台車走行経路の両横外側に、車体搬送台車1と同期して駆動されるマンコンベヤ53a,53bを並設しておけば、作業者は前進走行する車体搬送台車1に追従して歩行しなくとも、マンコンベヤ53a,53b上でドアDの内側面に対する部品組付け作業などを安全且つ容易に行うことが出来る。又、台車走行経路の両横外側に立つ作業者が車体搬送台車1の横側方で垂直起立姿勢になったドアDの外側面に対して作業を行う場合や、車体搬送台車1上の車体Bの左右両側の作業用エリア14a,14bに立つ作業者が前記ドアDの内側面に対する部品組付け作業などを行うとき、或いは前記作業用エリア14a,14bに立つ作業者が前記ドアDをドア支持具19から取り外して車体Bに組み付ける作業を行う場合など、車体搬送台車1の横側方で垂直起立姿勢にあるドアDの内側面が車体搬送台車1上の車体Bの左右両側の作業用エリア14a,14bに面している方が好都合なときは、垂直起立姿勢のドアDを支持しているドア支持具19をドア支持体18に対し、このとき垂直上下向きになっている支軸32の周りで180度回転させて、図15及び図16に示すように反転姿勢に切り換えることが出来る。
【0034】
即ち、図19Aに示すように、ドア支持具19を定常姿勢でドア支持体18に固定しているロック手段38のロックピン39を、レバーピン39aによりロックピン保持ガイド45に対して差し込みロック位置から引き抜き解除位置に切り換える操作を行って、ドア支持体18の側部材23a側の係止部材40aから離脱させた後、ドア支持具19とこれに支持されている垂直起立姿勢のドアDを、このとき垂直上下向きになっている支軸32の周りで、ドア支持具19の側枠材30a(短尺部材42)がドア支持体18の側部材23a側の回転制限用受け板41aから離れる方向に回転させる。ドアDがドア支持具19と共に180度回転すると、図17〜図19の各B図に示すように、ドア支持具19の側枠材30b(短尺部材42)がドア支持体18の側部材23b側の回転制限用受け板41bに当接するので、ここでロック手段38のロックピン39を、レバーピン39aによりロックピン保持ガイド45に対して引き抜き解除位置から差し込みロック位置に切り換える操作を行って、ドア支持体18の側部材23b側の係止部材40bのピン孔にロックピン39の先端を嵌合させることにより、180度回転して反転姿勢になったドア支持具19とこれに支持されるドアDとがドア支持体18に固定される。
【0035】
以上のように、車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリア内を前進走行する間に、各車体搬送台車1の左右両側に垂直起立姿勢で支持されたドアDの垂直軸心の周りの180度反転操作や、当該ドアDの内外両側面に対する各種作業と、車体搬送台車1が支持している車体Bに対する当該ドアDの組付け作業が行われることになるが、これら作業に際して、車体搬送台車1上の作業用エリア14a,14b上に配置された部品収納台車15A,15Bを適宜移動させて、当該部品収納台車15A,15Bに収納された部品などを利用することが出来る。勿論、車体Bに対するドア組付け作業を行う前には、図2及び図4に夫々仮想線で示すように、上昇位置にあった車体支持台5を昇降駆動手段6により下降限位置まで下げておくことになる。
【0036】
図1に示すドア組付け作業エリアの出口及びその下手側に敷設された前記カムレール49には、前記外側直線状水平領域49Dの終端に続くように、当該ドア組付け作業エリアの入り口に配設されたカムレール49の捩じり上り勾配領域49Cと前後対称形の捩じり下り勾配領域49E、外向きの水平傾斜領域49Bと前後対称形の内向きの水平傾斜領域49F、及び内側直線状領域49Aと前後対称形の内側直線状領域49Gが形成されている。
【0037】
車体Bに対するドア組付け作業が完了した車体搬送台車1が図1に示すドア組付け作業エリアから前進退出走行するとき、ドアDが取り除かれて空の状態のドア支持具19を支持している垂直起立姿勢のドア支持体18は、その前後一対のカム従動ローラー47a,47bの両方が外側直線状水平領域49Dから離れるまでは垂直起立姿勢を保って車体搬送台車1と共に移動するが、後ろ側のカム従動ローラー47bがカムレール49の外側直線状水平領域49Dから離れてこれに続く捩じり下り勾配領域49Eに進入すると、車体搬送台車1の前進走行に伴って後ろ側のカム従動ローラー47bが捩じり下り勾配領域49Eに案内されながら重力で降下することになる。即ち、ドア支持具19とドア支持体18が一体に、前進限位置で待機していた横動台17との間の水平支軸29a,29bの周りに、車体搬送台車1の前進走行に伴って下向きに回動し、後ろ側のカム従動ローラー47bが捩じり下り勾配領域49Eの終端に達したときには、垂直起立姿勢にあったドア支持具19とドア支持体18が、図11に示す水平姿勢まで戻される。尚、垂直起立姿勢においてドア支持具19が定常姿勢から180度回転した反転姿勢に切り換えられているときは、車体搬送台車1がドア組付け作業エリアから前進退出する前に、元の定常姿勢に戻しておいても良いし、場合によってはその反転姿勢のままでドア組付け作業エリアから前進退出走行させても良い。
【0038】
ドア支持体18の後ろ側のカム従動ローラー47bがカムレール49の捩じり下り勾配領域49Eの終端からこれに続く内向きの水平傾斜領域49Fに進入すると、当該後ろ側のカム従動ローラー47bが車体搬送台車1の前進走行に伴ってカムレール49の内向きの水平傾斜領域49Fによって内側へ引き込まれ、横動台17、ドア支持体18、及びドア支持具19から成る水平姿勢のドア搬送手段8の全体がガイドレール20a,20bに沿って内向きに横動し、ドア支持体18の前側のカム従動ローラー47aがカムレール49の内側直線状領域49G内に進入するときには、ドア搬送手段8は元のドア収納部7A内の後退限位置に戻されていることになる。尚、ドア組付け作業エリアの出口側のカムレール49は、その捩じり下り勾配領域49Eの終端とこれに続く内向きの水平傾斜領域49Fの始端との間に、後ろ側のカム従動ローラー47bが通過して内向きの水平傾斜領域49Fの内側に進入するための開口部を備えている。
【0039】
以上のように各車体搬送台車1の前側左のドア収納部7A内のドア搬送手段8が、当該車体搬送台車1の前進走行に伴って、カム従動ローラー47a,47bと台車走行経路側のカムレール49とによって位置及び姿勢制御されるのであるが、制御の説明を省略したドア収納部7B内のドア搬送手段8は、前記カムレール49によって、同一の制御を受ける。又、図1に示すように、反対側のカムレール50にも、カムレール49に形成された各領域49A〜49Gと左右対称形の各領域50A〜50Gが形成されているので、反対側のドア収納部7C,7D内のドア搬送手段8は、前記ドア収納部7A,7B内のドア搬送手段8と位置及び姿勢が左右対称の制御を受けることになる。
【0040】
本発明の実施のための具体構成は、上記実施例に限定されるものではなく、請求項1に記載の本発明の技術的範囲内で適宜変更することが出来る。例えば、ドア搬送手段8のドア支持体18を起伏動作位置で起伏動作させることは、当該ドア支持体18に設けられたカム従動ローラーと台車走行経路側のカムレールによって行うものであるが、前記ドア支持体18を起伏自在に軸支した横動台17をドア収納部と起伏動作位置との間で往復動させることは、手作業で行うように構成しても良いし、ドア搬送手段に搭載した、或いは車体搬送台車側に搭載した、シリンダーユニットやモーターなどの動力源により駆動される横動台駆動手段により行わせるように構成することも出来る。又、ドア支持体18にドア支持具19を回転自在に設けて、起立姿勢のドアDを垂直上下方向の支軸32の周りで180度向きを可変に構成したが、このドア支持具19を省いて、ドアDをドア支持体18に直接支持させるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の自動車組立てラインにおける車体搬送台車は、自動車組立てラインの中に設定されたドア組付け作業エリアへのドアの供給を、車体を搬送する車体搬送台車を利用して行うことが出来る手段として活用出来る。
【符号の説明】
【0042】
1 車体搬送台車
5 車体支持台
6 昇降駆動手段
7A〜7D ドア収納部
8 ドア搬送手段
17 横動台
17a,17b 横動単体
18 ドア支持体
19 ドア支持具
20a,20b ガイドレール
21,26 水平軸ローラー
22 垂直軸ローラー
23a,23b 両側部材
17c,24,31 連結部材
25a,25b 延長部材
27a〜28b 軸受け部材
29a,29b 水平支軸
30a,30b 側枠材
32 支軸
35,36 連結治具
37 受け治具
38 ロック手段
39 操作用ロックピン
40a,40b 係止部材
41a,41b 回転制限用受け板
44 ピンガイド
45 ロックピン保持ガイド
47a,47b カム従動ローラー
49,50 カムレール
49A,50A 内側直線状領域
49B,50B 外向きの水平傾斜領域
49C,50C 捩じり上り勾配領域
49D,50D 外側直線状水平領域
49E,50E 捩じり下り勾配領域
49F,50F 内向きの水平傾斜領域
49G,50G 内側直線状領域
52a,52b 当接部材
53a,53b マンコンベヤ
B 車体
D ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車組立てラインにおいて車体を搬送する搬送台車の下側に、前記車体へ取り付けるドアを水平姿勢で収納するドア収納部が設けられ、前記ドアを前記ドア収納部から当該搬送台車の横側部の起伏動作位置へ水平に搬送すると共に当該起伏動作位置で垂直に起立可能にするドア搬送手段が設けられた車体搬送台車であって、前記ドア搬送手段は、前記搬送台車の下側で前記ドア収納部と起伏動作位置との間で水平横動自在に支持された横動台、この横動台に水平姿勢と垂直起立姿勢との間で起伏揺動自在に軸支されたドア支持体、及びこのドア支持体に設けられたカム従動ローラーを備え、前記搬送台車の走行経路側には、前記横動台と共に起伏動作位置に位置する前記ドア支持体を、搬送台車の走行に伴い前記カム従動ローラーを介して起伏動作させるカムレールが敷設されている、自動車組立てラインにおける車体搬送台車。
【請求項2】
前記ドア支持体が前記横動台と一体に前記ドア収納部と起伏動作位置との間を横動する間、当該ドア支持体と前記横動台を水平姿勢に支持するガイドレールが搬送台車側に設けられている、請求項1に記載の自動車組立てラインにおける車体搬送台車。
【請求項3】
前記横動台は、搬送台車走行方向に間隔を隔てて配設された一対の横動単体とこの両横動単体どうしを連結する連結部材から構成され、前記ドア支持体は、前記一対の横動単体間に配置されると共に、その両側部が前記一対の横動単体に互いに同心状の水平支軸で起伏自在に軸支され、前記ガイドレールは、前記一対の横動単体と前記ドア支持体の両方を横動自在に支持し、前記ドア支持体が起伏動作位置に達したとき、当該ドア支持体が前記ガイドレールから外れて起伏揺動自在になるように構成されている、請求項2に記載の自動車組立てラインにおける車体搬送台車。
【請求項4】
前記カム従動ローラーは、搬送台車走行方向に間隔を隔てて一対軸支され、前記カムレールは、前記ドア支持体を水平姿勢から垂直起立姿勢まで起立揺動させるときは搬送台車走行方向側のカム従動ローラーに作用すると共に、逆に前記ドア支持体を垂直起立姿勢から水平姿勢まで倒伏揺動させるときは搬送台車走行方向側とは反対側のカム従動ローラーに作用するように構成されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車組立てラインにおける車体搬送台車。
【請求項5】
前記カムレールは、前記ドア支持体を介して横動台を前記ドア収納部と起伏動作位置との間で横動させる領域と、前記横動台と共に起伏動作位置に位置する前記ドア支持体を、搬送台車の走行に伴い前記カム従動ローラーを介して起伏動作させる領域とを備えている、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車組立てラインにおける車体搬送台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−245846(P2012−245846A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117876(P2011−117876)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】