説明

自動食器洗浄機用固体組成物

【課題】食器の洗浄において、リンス剤を用いることなく、汚れの除去と同時に食器の乾燥を速め、ウォータースポットの低減を可能にする自動食器洗浄機用固体組成物を提供する。
【解決手段】(A)4級アンモニウム基を有するモノマー及びアミノ基を有するモノマーから選ばれるモノマーに由来する構成単位と陰イオン性の基を有するモノマーに由来する構成単位とを有する高分子化合物を0.6質量%以上、並びに、(B)水中において次亜塩素酸イオンを生成する塩を含有し、〔(A)の含有量〕+〔(B)の含有量〕/〔(A)の含有量〕(但し、(B)成分の含有量は、有効塩素換算の含有量である)〕]の質量比が2〜4である自動食器洗浄機用固体組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動食器洗浄機用固体組成物に関する。特に、業務用の食器洗浄機での使用に適した自動食器洗浄機用固体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄機は汚れた皿、グラス、料理器具などの食器を洗浄する設備であり、家庭やレストラン、喫茶店などの厨房で使用されている。通常、食器洗浄は洗浄工程−濯ぎ工程の順で行われ、洗浄工程には手洗い用食器洗浄剤と異なる、無泡性或いは低泡性の食器洗浄機用洗浄剤が使用されている。また、レストラン、喫茶店などの厨房で使用されている業務用食器洗浄機には濯ぎ工程でリンス剤が使用されている。
【0003】
リンス剤は食器の乾燥を速め、ウォータースポットとよばれる白斑を低減して美観良く仕上げるために使用されている。ウォータースポットは食器表面に付着した水滴が流れ落ちる前に乾燥して、カルシウム、マグネシウム、シリカなどの硬度成分が食器表面に沈着したものである。特にガラス製食器の場合は美観を大きく損なう。
【0004】
一般的にリンス剤にはグリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤が配合されており、濯ぎ水を乳化して食器との表面張力を下げて水滴を流れ落ちやすくする。その結果、食器の乾燥が速くなり、ウォータースポットを低減させることができる。したがって、食器の使用頻度が高いレストランや喫茶店ではリンス剤を使用している。
【0005】
しかし、リンス剤にはウォータースポットを低減する効果は認められるものの、決して満足できるものではなく、レストランや喫茶店などでは、食器に付着したウォータースポットを取り除くため、タオルで拭き取る作業を行っている。また、リンス剤は濯ぎ工程で使用されるため、洗浄工程で使用される洗浄剤とは異なる供給装置が必要である。更に、リンス剤の購入費や在庫管理費が必要となり、レストランや喫茶店では大きな負担となっているのが実状である。
【0006】
特許文献1には、正電荷を含むポリマー、リン酸塩スケール形成を抑制する水溶性ポリマーを含有し、塩化ナトリウムや濯ぎ補助組成物の非存在下でも優れた洗浄効果とガラス外観を示す食器洗浄組成物が開示されている。特許文献2、3には、カチオン性ないし両性のポリマーを食器洗浄機の洗浄剤に用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2004−508456号公報
【特許文献2】国際公開第99/58633号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第0835925号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ウォータースポットの低減には、水溶性ポリマーが有効である。しかしながら、汚れの洗浄槽内への持ち込みが多い場合や、洗浄時の食器等の汚れ付着状態が劣悪な場合など、洗浄水中の汚れの量が多くなるような条件では、水溶性ポリマーの食器類への吸着が抑制されて、ウォータースポットの低減効果が損なわれる。
【0009】
本発明の課題は、陶磁器、ガラス、プラスチックなどの食器の洗浄において、リンス剤を用いることなく、ウォータースポットの低減を可能にする自動食器洗浄機用固体組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(A)4級アンモニウム基を有するモノマー及びアミノ基を有するモノマーから選ばれるモノマーに由来する構成単位(a1)と陰イオン性の基を有するモノマーに由来する構成単位(a2)とを有する高分子化合物を0.6質量%以上、並びに、(B)水中において次亜塩素酸イオンを生成する化合物を含有し、[〔(A)の含有量〕+〔(B)の含有量〕]/〔(A)の含有量〕(但し、(B)の含有量は、有効塩素換算の含有量である)が質量比で2〜4である自動食器洗浄機用固体組成物に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄水中の汚れの量が多くなるような条件でも、ウォータースポットの低減効果に優れた自動食器洗浄機用固体組成物が提供される。更に、同じ組成物で食器を繰り返し洗浄しても、優れた仕上がり性を維持することができる自動食器洗浄機用固体組成物が提供される。本発明の自動食器洗浄機用固体組成物では、このような効果を、リンス剤を使用せずに得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<(A)成分>
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は(A)成分として、4級アンモニウム基を有するモノマー及びアミノ基を有するモノマーから選ばれる1種類以上のモノマーに由来する構成単位(a1)〔以下、モノマー単位(a1)という〕及び、陰イオン性の基を有するモノマーに由来する構成単位(a2)〔以下、モノマー単位(a2)という〕を有する高分子化合物を含有する。(A)成分は、モノマー単位(a1)、(a2)を、それぞれ1種以上有することができる。
【0013】
モノマー単位(a1)を構成するために用いられる、4級アンモニウム基を有するモノマーとしては、下記一般式(a1−1)の化合物が好適であり、アミノ基を有するモノマーとしては、下記一般式(a1−2)の化合物が好適である。モノマー単位(a1)は下記一般式(a1−1)の化合物及び下記一般式(a1−2)の化合物から選ばれる1種以上のモノマーに由来する構成単位であることが好適である。
【0014】
【化1】

【0015】
[式中、R1a、R2a、R3a、R7a、R8a、R9aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は炭素数1〜3のアルキル基である。X、Yは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキレン基、−(CO)OR12a−、−(CO)(NH)R12a−、−O(CO)R12a−、及び、−R13a−O(CO)−R12a−から選ばれる基である。ここでR12a、R13aは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基である。R4aは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR1a2aC=C(R3a)−X−である。R5aは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基であり、R6aはヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はベンジル基であり、R6aがアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はベンジル基の場合は、Z-は陰イオンを示す。R6aがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基を含む場合、Z-は存在せず、R6a中のこれらの基は陰イオンとなる。Z-の陰イオンとしては、たとえば、塩素イオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい芳香族スルホン酸イオン、ヒドロキシイオンを挙げることができる。R10aは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR7a8aC=C(R9a)−Y−である。R11aは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。]
【0016】
一般式(a1−1)の化合物として具体的に好ましいものはアクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルケニル(炭素数2〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数2〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が好適であり、特にジアリルジメチルアンモニウム塩が良好である。
【0017】
一般式(a1−2)の化合物として具体的に好ましいものはアクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシアルキル(炭素数1〜5)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(ω−アルケニル(炭素数2〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数2〜10))−N−アルキル(炭素数1〜3)アミン、アリルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミンが好適であり、特に、アリルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン、アクリロイル(又はメタクリロイル)アミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシエチル−N,N−ジメチルアミンが良好である。
【0018】
食器等の表面への吸着力の観点から、(A)成分はモノマー単位(a1)を全モノマー単位に対して10〜99モル%、好ましくは30〜90モル%、より好ましくは50〜90モル%、特に好ましくは60〜80モル%含む。このモル%は、〔モノマー単位(a1)のモル数/全モノマー単位のモル数〕×100により算出される。
【0019】
モノマー単位(a2)を構成するために用いられる、陰イオン性の基を有するモノマーとしては、下記(a2−1)が挙げられる。
【0020】
(a2−1)アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、アリルスルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、並びに、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる化合物
【0021】
モノマー単位(a2)は、仕上がり性の観点から、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、並びに無水マレイン酸から選ばれる陰イオン性の基を有するモノマーに由来する陰イオン性のモノマー単位が好ましい。
【0022】
モノマー単位(a2)は、仕上がり性の観点から、アクリル酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩、メタクリル酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩、マレイン酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩が好ましい。
【0023】
モノマー単位(a2)の有する陰イオン性の基の対イオンは、モノマー単位(a1)の有するカチオン基(4級アンモニウム基及び/又はアミノ基)部分であっても良い。
【0024】
本発明の(A)成分のモノマー単位(a1)とモノマー単位(a2)のモル比は、モノマー単位(a1)/モノマー単位(a2)=10/90〜90/10、更に30/70〜85/15、特に50/50〜80/20であることが好ましい。
【0025】
本発明の(A)成分の高分子化合物は、仕上がり性の観点から、モノマー単位−SO2−(以下、モノマー単位(a3)と呼ぶ)を含むことが好ましい。このようなモノマー単位を高分子化合物に導入する方法としては、所定量のSO2ガスを一般式(a1−1)の化合物及び/又は一般式(a1−2)の化合物を含有する溶液に吹き込み、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレルニトリロ、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸、過硫酸塩、過酸化水素から選ばれる重合開始剤を用いて重合することで得られる。重合時には溶媒を用いることができ、具体的には水、メタノール、エタノール、プロパノールから選ばれるアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンから選ばれるケトン類、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルイミダゾリジノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、キシレン、ヘキサンを用いることが可能である。重合温度は溶媒や開始剤の組み合わせにより異なり、好ましくは−20〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、本発明では光や放射線によっても重合することが可能であり、特に300〜450nmの波長の光を照射することで効率良く重合することができる。
【0026】
仕上がり性の観点から、モノマー単位(a3)/モノマー単位(a1)のモル比は0.01〜1が好ましく、より好ましくは0.03〜0.75、更に好ましくは0.05〜0.5である。
【0027】
また、本発明の(A)成分は、ノニオン性モノマーに由来する構成単位〔以下、モノマー単位(a4)という〕を有することもできる。ノニオン性モノマーとしては、下記(a4−1)〜(a4−3)から選ばれるモノマーが挙げられる。
【0028】
(a4−1)アクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、及び、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物
【0029】
(a4−2)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、及び、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物
【0030】
(a4−3)エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、及び、α−メチルスチレンから選ばれるオレフィン系化合物
【0031】
モノマー単位(a4)としては、仕上がり性の観点から、(a4−1)のモノマー由来のモノマー単位が好ましい。
【0032】
(A)成分がモノマー単位(a4)を有する場合、モノマー単位(a4)/モノマー単位(a1)のモル比は、仕上がり性の観点から、0.05〜1、更には0.1〜0.75、特には0.2〜0.5が好ましい。
【0033】
本発明の高分子化合物は重量平均分子量が好ましくは1,000〜6,000,000、より好ましくは1,000〜3,000,000、さらに好ましくは1,000〜1,000,000、特に好ましくは5,000〜600,000であり、この重量平均分子量はアセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝液)を展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として求めたものである。
【0034】
本発明で用いる(A)成分の高分子化合物は、モノマー単位(a1)、モノマー単位(a2)及び好ましくはモノマー単位(a3)、(a4)が、高分子化合物中の主鎖または側鎖のいずれに存在していても構わない。これらはランダム重合したもの、ブロック重合したものでも、グラフト重合したものなどでも構わない。本発明ではモノマー単位(a1)、モノマー単位(a2)及びモノマー単位(a3)のみから構成される高分子化合物を用いることが最も好ましい。
【0035】
(A)成分は、ハンドリング性の観点から25〜40質量%濃度の水溶液として用いることが好ましい。従って、(A)成分は水溶性の高分子化合物が好ましい。なお、(A)成分を水溶液で用いる場合、水溶液中の水分量は、カールフィッシャー法により測定することができる。その際、例えば、平沼微量水分測定装置AQ7を用い、発生液としてクーロマットAK(林純薬工業(株))、対極液としてクーロマットCGK(林純薬工業(株))を用いることができる。実施例の高分子化合物(1)の水溶液と高分子化合物(2)の水溶液について、この方法で水分量を測定したところ、高分子化合物(1)の水溶液では65.0質量%(有効分35.0質量%)、高分子化合物(2)の水溶液では60.0質量%(有効分40.0質量%)であった。
【0036】
本発明で用いる(A)成分の高分子化合物のラジカル開始剤としては、分子中にアゾ基を有する水溶性ラジカル開始剤や過硫酸塩系ラジカル開始剤を好ましく用いる事ができる。ラジカル開始剤として過硫酸塩系ラジカル開始剤が好ましい。
【0037】
過硫酸塩系ラジカル開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムが挙げられ、これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上組み合わせてもよい。特には、過硫酸ナトリウムが好ましい。
【0038】
<(B)成分>
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は(B)成分として、水中において次亜塩素酸イオンを生成する化合物を含有する。
【0039】
(B)成分の、水中において次亜塩素酸イオンを生成する化合物としては、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム等の塩、トリクロロイソシアヌル酸、サラシ粉、高度サラシ粉等の、水系で次亜塩素酸を発生しうるものを挙げることができる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。(B)成分は、これらの化合物の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
(B)成分としては、仕上がり性の観点から、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが好ましく、仕上がり性の観点から、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム・2水和物がより好ましい。
【0041】
<自動食器洗浄機用固体組成物>
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(A)成分の含有量は、仕上がり性の観点から、好ましくは0.1〜4.5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%、更に好ましくは1〜2質量%である。
【0042】
また、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物では、仕上がり性の観点から、[〔(A)の含有量〕+〔(B)の含有量〕]/〔(A)の含有量〕(但し、(B)の含有量は、有効塩素換算の含有量である)が質量比で1〜5であり、好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4である。ここに(B)成分の有効塩素とは、殺菌効力のある塩素のことであり、有効塩素換算の質量とはJIS K1425(−1959)に記載の方法にて測定することができる有効塩素の質量を示す。
【0043】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(B)成分の含有量は、上記質量比を満たした上で、仕上がり性の観点から、水中において次亜塩素酸イオンを生成する化合物そのものの量として、1〜7質量%が好ましく、より好ましくは2〜6質量%、更に好ましくは、3〜5質量%である。
【0044】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物では、(A)/(B)の質量比(但し、(B)の質量は、有効塩素換算の質量である)は、仕上がり性、有効塩素濃度の観点から、0.05〜1.5が好ましく、0.1〜1がより好ましく、更に0.3〜0.8が好ましく、更に0.35〜0.6が更に好ましい。
【0045】
<(C)成分>
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、仕上がり性の観点から、(C)成分としてノニオン性界面活性剤を含有するのが好ましい。
【0046】
(C)成分のノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンオキシエチレンオキシプロピレングリコールなどを挙げることができ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンオキシエチレンオキシプロピレングリコールが好ましい。
【0047】
(C)成分は、仕上がり性の観点から、下記一般式(c−1)で表されるノニオン活性剤、及び一般式(c−2)で表されるノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤が好ましい。
1c−O−(EO)p−(PO)q−(EO)r−H (c−1)
〔式中、R1cは炭素数8〜18の炭化水素基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。p、q、rはそれぞれ平均付加モル数を表し、p=1〜10、q=0.5〜5、r=1〜10である。「−(EO)p−(PO)q−(EO)r−」はブロック結合である。〕
2c−O−(EO)s−(PO)t−H (c−2)
〔式中、R2cは炭素数8〜18の分岐鎖のアルキル基もしくは分岐鎖のアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。s、tはそれぞれ平均付加モル数を表し、s=4〜10、t=2〜10であり、0.3≦(t/s)≦1.5である。「−(EO)s−(PO)t−」はブロック結合である。〕
【0048】
一般式(c−1)において、R1cは炭素数10〜14の炭化水素基、更に炭素数10〜14の直鎖のアルキル基が好ましく、p=2〜8が好ましく、q=0.5〜4.5、更に1〜3、特に1〜2が好ましく、r=2〜8が好ましく、p+r=1〜30、更に2〜20、特に4〜15が好ましい。一般式(c−1)のノニオン性界面活性剤の具体例として、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1.5)ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(1.5)ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(4.5)ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル等が挙げられる。ここで、当該化合物に関し、( )内はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの平均付加モル数である(以下同様)。
【0049】
一般式(c−2)において、R2cは炭素数10〜14の分岐鎖のアルキル基又は分岐鎖のアルケニル基、更に炭素数10〜14の分岐鎖のアルキル基が好ましい。また、R2cの炭素数10〜14の分岐鎖のアルキル基又は分岐鎖のアルケニル基の中でも、炭素数10〜14の2級のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。一般式(c−2)中、s=5〜9が好ましく、t=5〜9が好ましい。一般式(c−2)のノニオン性界面活性剤の具体例として、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−テトラデシルエーテル等が挙げられる。
【0050】
また、一般式(c−2)の化合物は、R2cの分岐鎖(好ましくは2級)炭化水素基を有する分岐鎖(好ましくは2級)アルコールにEOを付加した後、POを付加することで合成できる。
【0051】
また、(C)成分の重量平均分子量は、200〜5,000が好ましく、より好ましくは200〜2,000である。(C)成分の中で、一般式(c−1)の化合物は「エマルゲン」の商品名で花王(株)から入手可能であり、一般式(c−2)の化合物は「ソフタノール」の商品名で(株)日本触媒から入手可能である。(C)成分としては、仕上がり性の観点から、一般式(c−2)のノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0052】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(C)成分の含有量は、仕上がり性及び洗浄性の観点から、0.1〜3質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
【0053】
また、(C)成分を含有する場合、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(A)/(C)の質量比は、洗浄性の観点から、0.1〜3が好ましく、0.1〜2がより好ましく、更に、0.1〜1.55が好ましく、0.1〜1が更に好ましい。
【0054】
また、(C)成分を含有する場合、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(B)/(C)の質量比(但し、(B)の質量は、有効塩素換算の質量である)は、有効塩素濃度・洗浄性の観点から、0.1〜5が好ましく、0.3〜3がより好ましく、0.5〜2が更に好ましい。
【0055】
<(D)成分>
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、仕上がり性の観点から、(D)成分として、珪酸塩及び炭酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物であって、結晶水を有さない無機化合物を含有することが好ましい。
【0056】
(D)成分の無機化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属珪酸塩を挙げることができ、これらのうち、仕上がり性の観点から、結晶水を有さない無水物が用いられる。(D)成分は、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水ケイ酸ナトリウムがより好ましい。
【0057】
(D)成分は1種又は2種以上を組合せて用いることができ、洗浄性の観点から、(D1)珪酸アルカリ金属塩の無水物、中でも無水珪酸ナトリウムと、(D2)炭酸アルカリ金属塩の無水物、中でも無水炭酸ナトリウムを併用することが好ましい。
【0058】
(D)成分として(D1)と(D2)とを併用する場合は、(D1)/(D2)の質量比は、仕上がり性の観点から、10/90〜50/50が好ましく、20/80〜40/60がより好ましい。
【0059】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(D)成分の含有量は、仕上がり性の観点から、30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
【0060】
また、(D)成分を含有する場合、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(D)/(A)の質量比は、洗浄性・仕上がり性の観点から、20〜70が好ましく、30〜70がより好ましい。
【0061】
また、(D)成分を含有する場合、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(D)/(B)の質量比(但し、(B)の質量は、有効塩素換算の質量である)は、有効塩素濃度・洗浄性の観点から、10〜50が好ましく、15〜40がより好ましく、15〜30が更に好ましい。
【0062】
また、(D)成分を含有する場合、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物における(C)/(D)の質量比は、洗浄性・仕上がり性の観点から、10〜50が好ましく、15〜40より好ましく、20〜30が更に好ましい。
【0063】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、ビルダーと称される化合物、特に有機化合物を含有することができる。ビルダーの作用機構としては、金属キレート作用、アルカリ緩衝作用、及び固体粒子分散作用が重要である。なかでも、キレート剤を含有することが好ましい。
【0064】
ビルダー成分の有機酸アルカリ金属塩の有機酸としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸が挙げられる。また、有機酸の種類としては、アミノ酸、ヒドロキシカルボン酸が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。ビルダー成分の分子量は1000未満が好ましい。
【0065】
ビルダー成分の有機酸のうち、ジカルボン酸としては、琥珀酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタル酸、グルタミン酸、アジピン酸、スペリン酸、イタコン酸、テレフタル酸などが、トリカルボン酸としては、クエン酸などが、アミノ酸としては、フェニルアラニン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジン、メチオニン、チロシンなどが挙げられる。
【0066】
アルカリ金属塩の種類は、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0067】
ビルダー成分は、ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、酒石酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれるヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩が更に好ましく、クエン酸のアルカリ金属塩がより好ましい。金属イオン捕捉能の観点からクエン酸ナトリウムが更に好ましい。
【0068】
キレート剤を含有するときは、本発明の自動食器洗浄機用固体組成物中、20〜60質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。
【0069】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、さらに水素結合による吸水性を有する粉体の有機高分子化合物を含有することができる。具体的には、デキストリン、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、ペクチン、ローカストビンガム、あるいはこれらの誘導体、加工デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシドなどの合成高分子化合物などが挙げられる。これら吸水性を有する粉体の有機高分子化合物の含有量は、保存安定性の観点から、本発明の食器洗浄機用固体組成物中、好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
【0070】
その他、アニオン性界面活性剤(例えば、国際公開第99/58633号パンフレットに記載されているアニオン性界面活性剤)、両性界面活性剤、酵素、漂白剤〔(B)成分以外のもの〕、消泡剤、防錆剤、ハイドロトロープ剤、表面改質剤、香料などを含有することができる。
【0071】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、固体、即ち、固体ブロック、顆粒、粉末、などの形態である。
【0072】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、通常の方法より製造することができ、特に制限されるものではないが、ナウターミキサーにより製造することが好ましい。
【0073】
本発明の食器洗浄機用固体組成物は、使用にあたっては水等で適当な濃度に希釈した洗浄液として用いることができ、その場合には、0.05〜0.5質量%に希釈して用いることができる。
【0074】
本発明の自動食器洗浄機用固体組成物は、業務用及び家庭用の食器洗浄機用として使用することができるが、特に一度に大量に、かつ1日に何度も洗浄する業務用として適している。
【0075】
業務用の食器洗浄機で洗浄するときには、例えば、業務用食器洗浄機専用ホッパーに食器洗浄機用固体組成物が充填されたプラスチック等の容器ごと決められた方向にセットして、或いはパウチ容器等に充填された自動食器洗浄機用固体組成物を業務用食器洗浄機専用ホッパーに移しかえる。そして、セットされた組成物に対して水や温水をスプレーやシャワーなどが噴霧され、溶解された洗浄液が業務用食器洗浄機内部へ供給され、食器の洗浄に使用される。
【0076】
業務用食器洗浄機では、食器を連続洗浄する場合、洗浄液はポンプで循環させて繰り返し使用されることになる。本発明の組成物から調製された洗浄液は、保存安定性に優れ、有効塩素濃度の低下が少ないため、このような連続して循環させる使用態様においても優れた洗浄効果を得ることができる。
【実施例】
【0077】
表1に示した配合組成の固体漂白剤組成物を粉末状で調製し(合計配合量10kg)、以下の方法で有効塩素濃度の測定、仕上がり性の評価を行った。結果を表1に示す。尚、表1の固体漂白剤組成物は、何れも粉末状であり、嵩密度は0.7〜1.0(g/ml)であった。
【0078】
〔1〕有効塩素濃度
所定量(2kg)の組成物を、業務用コンベア式食器洗浄機DW2000R/L(三洋電機)のホッパーに投入し、洗浄機を組成物の濃度が0.1質量%となるような設定で30回運転し、ホッパー内の組成物が十分湿潤した状態で運転を停止した。その後、組成物がホッパー内で湿潤した状態で1日間放置した後、同様に装置運転を30回行い、洗浄槽内の有効塩素濃度(組成物濃度0.1質量%水溶液中の有効塩素濃度)を下記方法にて測定した。これは、ホッパー内の組成物に水が接触した状態で放置された場合を想定した評価である。
【0079】
[有効塩素濃度の測定方法]
ビーカー200mlに洗浄液(組成物濃度0.1質量%)を100ml正しくはかりとる。よう化カリウム(10%溶液)及び硫酸(10%溶液)を加え混合した後、チオ硫酸ナトリウム0.01(mol/L)溶液にて滴定する。青色が消えた点を終点とした。得られた滴定量(ml)から有効塩素濃度を下記の式により求めた。
有効塩素濃度(ppm)=チオ硫酸ナトリウム0.01(mol/L)滴定量(ml)×3.546
【0080】
〔2〕仕上がり性評価
・モデル汚垢の作製
新品のガラス製グラス(内径55mm、高さ113mm)に市販されている飲料用牛乳(メグミルク牛乳、雪印メグミルク(株))1gを塗布した後、50℃にて1時間乾燥したものをモデル汚垢として仕上がり性評価に用いた。又、洗浄槽内に残存する汚れとして、サラダ油(日清オイリオグループ株式会社製:日清サラダ油)を0.5%洗浄槽内に添加した。
【0081】
・評価方法
業務用食器洗浄機〔三洋電機株式会社製 SANYO DR53〕の洗浄槽(38L)に食器洗浄機用固体組成物30gを投入して、55℃の温水で溶解させた。専用ラックにモデル汚垢を塗布したガラス製グラス(内径55mm、高さ113mm)4個をセットして、55℃の洗浄液にて60秒間洗浄した後、リンス剤を用いることなく80℃の濯ぎ水にて10秒間濯いだ。専用ラックからそれらのガラス製グラス(内径55mm、高さ113mm)を取り出し、25℃にて乾燥させた。以下に示す通り、グラス表面のウォータースポットの数により仕上がり性を評価した。
【0082】
・仕上がり性の評価基準
5:ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で10個未満
4:ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で10個以上20個未満
3:ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で20個以上30個未満
2:ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で30個以上40個未満
1:ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で40個以上
【0083】
【表1】

【0084】
(注)表中、[(A)+(B)]/(A)は、[〔(A)の含有量〕+〔(B)の含有量〕]/〔(A)の含有量〕(但し、(B)の含有量は、有効塩素換算の含有量である)の質量比である。また、表中の成分は以下のものである。
・高分子化合物(1)の水溶液:塩化ジアリルジメチルアンモニウムとマレイン酸とSO2(モル比70/25/5)の共重合体(重量平均分子量23,000)の水溶液(有効分35重量%の水溶液)
・高分子化合物(2)の水溶液:塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリル酸(モル比64/36)の共重合体(重量平均分子量450,000、Merquat280、Calgon社製)の水溶液(有効分40重量%の水溶液)
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム・2水和物:ネオクロール55G〔四国化成工業(株)〕
・ノニオン性界面活性剤:一般式(c−2)中のR2cが炭素数12〜14の2級アルキル基、s=7.0、t=8.5のノニオン性界面活性剤〔商品名:ソフタノールEP7085、(株)日本触媒〕
・無水ケイ酸ナトリウム:ムスイメタケイソーD〔広栄化学工業(株)〕
・無水炭酸ナトリウム:ソーダ灰(軽灰)〔セントラル硝子(株)〕
・無水炭酸カリウム:炭酸カリウム〔旭硝子(株)〕
・クエン酸3Na・2水塩:精製クエン酸ナトリウム M〔扶桑化学工業(株)〕
・ポリアクリル酸:Sokalan PA25CL Granules(BASF社製)
・アクリル酸−マレイン酸共重合体:Sokalan CP5 Granules(BASF社製)
・無水硫酸ナトリウム:中性無水ボウ硝〔四国化成工業(株)〕
・トクシールNR:非晶質シリカ〔(株)トクヤマ〕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)4級アンモニウム基を有するモノマー及びアミノ基を有するモノマーから選ばれるモノマーに由来する構成単位(a1)と陰イオン性の基を有するモノマーに由来する構成単位(a2)とを有する高分子化合物を0.6質量%以上、並びに、(B)水中において次亜塩素酸イオンを生成する化合物を含有し、[〔(A)の含有量〕+〔(B)の含有量〕]/〔(A)の含有量〕(但し、(B)の含有量は、有効塩素換算の含有量である)が質量比で2〜4である自動食器洗浄機用固体組成物。
【請求項2】
前記構成単位(a2)が、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、並びに無水マレイン酸から選ばれる陰イオン性の基を有するモノマーに由来する構成単位である、請求項1記載の自動食器洗浄機用固体組成物。
【請求項3】
水中において次亜塩素酸塩を生成する化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム・2水和物である、請求項1又は2記載の自動食器洗浄機用固体組成物。
【請求項4】
さらに、(C)ノニオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の自動食器洗浄機用固体組成物。
【請求項5】
さらに、(D)珪酸塩及び炭酸塩から選ばれる1種以上の無機化合物であって、結晶水を有さない無機化合物を含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の自動食器洗浄機用固体組成物。

【公開番号】特開2013−43940(P2013−43940A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182846(P2011−182846)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】