説明

自己加熱シェービングフォーム製品

自己加熱シェービングフォーム及びシェービングフォーム製品を提供する。一部の実施において、シェービングフォームは、例えば1つ以上の脂肪族アルコールエトキシレート類を包含する非イオン性乳化剤システムを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自己加熱シェービングフォーム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、広く用いられている周知の形態のシェービング調製物はシェービングフォームと呼ばれる種類のものである。こうした組成物は、一般に水中油型エマルションの形態をとり、こうした形態では一般に揮発性(すなわち低沸点の)脂肪族炭化水素である発泡剤が油相に溶解され、水相が水分散性の石鹸又は遮断石鹸(interrupted soap)構成成分を含む。こうした製品は、揮発性の炭化水素発泡剤の揮発によって生じたフォーム状の泡として分配される。一般に製品は、油相及び水相が分配前によく混合されるように振盪が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
湿式シェービング用かみそりのユーザーは一般に、シェービング中に自らの皮膚に暖かさを感じることを高く評価する。この暖かさは快適であり、またユーザーの皮膚に潤いを与え、ひげを柔らかくするので、より快適にシェービングできる。シェービング中に暖かさを感じさせるために種々の試みがなされてきた。例えば、石鹸ベースのシェービングフォームは、シェービング缶から放出される際に発熱反応を起こすように配合されており、結果としてフォームは皮膚を暖かくすることが、例えば米国特許第3,341,418号、米国特許第3,772,203号、米国特許第3,819,524号、米国特許第3,866,800号、及び米国特許第3,878,118号に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、2つの別個のチャンバーを有する容器を包含する自己加熱シェービングフォーム製品を特徴とし、そのチャンバーの1つは酸化剤構成成分を含有し、もう一方は還元剤構成成分を含有する。容器はまた、チャンバーの内容物を分配するために少なくとも1つの分配バルブを有する。酸化剤構成成分は、第1シェービングフォームベース及び酸化剤を包含し、還元剤構成成分は、第2のシェービングフォームベース及び還元剤を包含する。シェービングフォームベースはそれぞれ独立に、水、21℃で約276kPa(約40psig)以上の蒸気圧を有する揮発性発泡剤、及び非イオン性界面活性剤を包含する水分散性界面活性剤を含む水中油型エマルションを包含する。前記酸化剤及び前記還元剤の量及び割合は、シェービングフォーム製品の使用中に、酸化剤構成成分及び還元剤構成成分を混合する際に所望の熱特性を伴う発熱反応を行うように選択される。
【0005】
好ましくは、シェービングフォームベースの少なくとも1つ、又はより好ましくは両方が、石鹸及びイオン性界面活性剤(例えば陰イオン性界面活性剤)を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、シェービングフォームベースが、約2%未満の石鹸及びイオン性界面活性剤、好ましくは約1.5%未満の石鹸及びイオン性界面活性剤、より好ましくは約1%未満の石鹸及びイオン性界面活性剤、最も好ましくは0%の石鹸及びイオン性界面活性剤を含有することを意味する。
【0006】
非イオン性の石鹸を実質的に含まない配合物は、暖かい感覚を生じさせるために使用される活性剤と適合性であり、その活性剤の存在下で安定である。非イオン性シェービングフォームベースはまた、石鹸ベースの製品に関連する問題を緩和するなどのさらなる利益を提供できる。非イオン性界面活性剤は、2つの界面活性剤のブレンドを含むことができ、その界面活性剤の一方は他方よりも疎水性である。通常、界面活性剤ブレンドは、相対的に長い及び相対的に短いポリエチレンオキシド鎖(ポリオキシエチレン鎖)を有する脂肪族アルコールエトキシレート類を包含していてもよい。例えば、ブレンドは、2〜20のエトキシ基を有する脂肪族アルコールエトキシレート及び21〜100のエトキシ基を有する脂肪族アルコールエトキシレートを包含していてもよいが、ただし約2.5:1〜約1:2.5の比の範囲である。
【0007】
好ましくは、第1のシェービングフォームベース及び第2のシェービングフォームベースは実質的に同一であり、それは、シェービングフォームベースのそれぞれが、他方のシェービングフォーム中にあるものと同一の少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも5つの成分を有し、最も好ましくはこうした成分が他方のシェービングフォームベースとほぼ同じ割合で存在することを意味する。
【0008】
別の態様において、本発明は上述のシェービングフォーム製品を使用する方法を特徴とする。この方法は、分配前又は分配中に容器を振盪することなしに、容器からシェービングフォームを分配する工程、及び酸化剤構成成分と還元剤構成成分とを接触させ発熱反応をもたらす工程を包含する。この方法は、そのシェービングフォームを皮膚に適用する工程をさらに包含することができる。
【0009】
それらを実施することは、次の1つ以上の利点を示すことができる。シェービングフォーム製品は、相対的に長い貯蔵安定性、好ましくは約1年から約3年の安定性を有する。一部の実施形態において、シェービングフォーム製品はシェービングフォームを生成するために振盪する必要がない。一部の実施において、シェービングフォーム製品の発泡剤及びその他の成分は、相分離して不均一な混合物にならずに容器での保存中に乳化したまま安定である。このため、2つの構成成分を有する容器では不利益となり得る振盪を使用前にシェービングフォーム製品に行う必要がなくなる。シェービングフォーム製品は、審美的な泡特性とともに、シェービング前及びシェービング中にユーザーに心地よい暖かい感覚を与える。シェービングフォームの加熱効果は、ユーザーの毛髪(例えばひげ)に潤いを与え、シェービングのために毛髪を整え、ユーザーの快適さを改善するのに役立つ。シェービングフォーム製品は、貯蔵安定性があり(例えば、それらの内容物は容器内で相分離しない)、魅力的な審美形態で容器から分配される。分配後、シェービングフォームは、滑らかで、クリ−ム状の安定な泡を与え、その泡はフォームが皮膚に広げられたときに素早く延びる。ユーザーの皮膚(例えばユーザーの顔)に適用された後、泡はシェービング中、フォームが発熱反応によって加熱される場合であっても皮膚に残る(例えば泡は顔から流れ落ちない)。泡は、毛髪(例えばひげ毛髪)を柔らかくし、シェービング中に皮膚を保護するのに役立つ。泡は、シェービングフォーム組成物が加熱される場合であっても、クリーム状で安定なままである。シェービングフォームは、潤滑性及び皮膚への優しさというような所望の性能特性を提供し、加熱中及び加熱後にそれらを維持する。シェービングフォームを加熱するために使用される加熱システムの化学反応は、皮膚に使用するのに安全であり、皮膚に刺激を与えない。シェービング後、泡は比較的容易に皮膚から除去できる。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、発明を実施するための最良の形態及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本出願で使用される時、(特に指示されない限り)全ての百分率は固形分に基づく重量基準である。
【0012】
シェービングフォーム組成物は、2つの別個の構成成分、(a)第1のシェービングフォームベース及び酸化剤を含有する酸化剤構成成分、及び(b)第2のシェービングフォームベース及び還元剤を含有する還元剤構成成分に分割される。製品貯蔵寿命の間、酸化剤によって容易に酸化され得るいずれかの成分は、還元剤構成成分に包含される。これら2つの構成成分は、以下でさらに議論されるように、シェービングフォーム組成物の包装にて別々に維持され、分配中又は分配後に混合される。2つの構成成分が混合されるとき、発熱反応が生じ、シェービングフォーム組成物を加熱する。発熱反応がユーザーの皮膚に刺激を与える傾向のある酸を発生させる場合、1つの構成成分(好ましくは還元剤構成成分)は一般に、この酸を中和するための中和剤を包含する。
【0013】
本発明に使用するための好ましいシェービングフォームベースは、水、非イオン性界面活性剤を含む水分散性界面活性剤、及び21℃で約276kPa(約40psig)以上の蒸気圧を有する揮発性発泡剤を包含する。好ましくは、水分散性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤から本質的に成る。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤のブレンド、より好ましくは相対的に疎水性の非イオン性界面活性剤と相対的に親水性の非イオン性界面活性剤とのブレンドを含む。より好ましいシェービングフォームベースは、上述成分に加えて、次の任意成分の1つ以上(又は、最も好ましい実施形態においては全て)を包含する。水溶性ポリマー、脂肪族アルコール、両性界面活性剤、皮膚軟化剤(例えば油)、及び増粘剤。シェービングフォームベースは、通常、水中油型エマルションの形態である。
【0014】
好ましくは界面活性剤のブレンドである水分散性界面活性剤は、いくつかの機能を提供するように選択される。それは、乳化剤、可溶化剤、洗剤、及び展延剤又は分散剤として機能する。まず、界面活性剤は製品の貯蔵寿命の間は安定なエマルションを提供し、製品がほとんど又は全く相分離することなしに、シェービングフォーム組成物として分配できるようにする。第2に、界面活性剤は発泡中の泡立てを提供する。第3に、界面活性剤は、高温、すなわちシェービングフォーム組成物が加熱の間に到達し得る温度、通常、約35℃〜約50℃にて安定なままである泡を提供できる。「安定」とは、ユーザーの手にたまることも、ユーザーの顔から滴ることもなく、むしろ加熱前、加熱中及び加熱後に実質的に同じ粘稠度を維持することを意味する。界面活性剤のブレンドは、好ましくは酸化剤及び還元剤構成成分の両方に存在し、その結果両方の構成成分がフォーム形態に分散できる安定なエマルションとして提供できる。
【0015】
水分散性界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、より好ましくは2つ以上の非イオン性界面活性剤のブレンドが含まれる。非イオン性界面活性剤は弱酸類及びアルカリ類の存在下で安定であるので、それらは石鹸を用いる場合には一般に不可能である配合の柔軟性を得ることができる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、ポリエトキシレート化脂肪族アルコールエーテル類が挙げられる。これらは、約2〜150、好ましくは2〜100のエチレンオキシド単位(すなわちエトキシ基)でエトキシル化されたC12〜C24、好ましくはC12〜C20の炭化水素鎖(0〜2の不飽和度を有する)を有する脂肪族アルコール類から得られる。故に、1つ以上の脂肪族アルコールエトキシレート類は次の一般式を有することができる。
【0016】
CH3−(CH2x−CH2−O−(CH2−CH2−O−)yH、
式中、xは10〜22(好ましくは10〜18)であり、yは2〜150(好ましくは2〜100)である。こうした界面活性剤の例としては、ステアレス−21、ステアレス−100、マイレス(Myreth)−4、マイレス−10、ラウレス−4、及びラウレス−35が挙げられる。一部の実施形態において、水分散性界面活性剤は、長い(C16〜C24)炭化水素鎖を有する非イオン性界面活性剤及び/又は中程度の(C12〜C14)炭化水素鎖を有する非イオン性界面活性剤の混合物を含むことができる。
【0017】
脂肪族アルコールエトキシレート類のブレンドは次を包含することができる。
(a)長いポリエチレンオキシド鎖長(すなわち、21〜150、好ましくは21〜100のエチレンオキシド単位又はエトキシ基)を有する少なくとも1つの脂肪族アルコールエトキシレート、及び短いポリエチレンオキシド鎖長(すなわち、2〜20エチレンオキシド単位又はエトキシ基)を有する少なくとも1つの脂肪族アルコールエトキシレート、並びに/あるいは
(b)長いポリエチレンオキシド鎖長を有する少なくとも1つの脂肪族アルコールエトキシレート及び長いポリエチレンオキシド鎖長を有する異なる脂肪族アルコールエトキシレート、並びに/あるいは
(c)短いポリエチレンオキシド鎖長を有する少なくとも1つの脂肪族アルコールエトキシレート及び短いポリエチレンオキシド鎖長を有する異なる脂肪族アルコールエトキシレート。
【0018】
好ましい長いポリエチレンオキシド鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート類としては、ステアレス−100(100はポリエチレンオキシド鎖長を示す)及びステアレス−21が挙げられる。他の長いポリエチレンオキシド鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート類、例えばセテス−100、オレス−100、マイレス−100、及びベヘネス−100を使用できる。これらの長いポリエチレンオキシド鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート界面活性剤は、15〜18の好ましいHLB範囲を有する。適した短いポリエチレンオキシド鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート類としては、例えばステアレス−2、ステアレス−10、セテス−10、セテス−20、ステアレス−20、マイレス−20、オレス−20及びベヘネス−20が挙げられる。これらの短いポリエチレンオキシド鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート界面活性剤は、4〜16の好ましいHLB範囲を有する。
【0019】
短い及び長いポリエチレンオキシド鎖長を有する界面活性剤は、フォームに所望の審美性及び性能特性を付与する比で包含される。界面活性剤の濃度及び種類は、成分(界面活性剤を除く)と界面活性剤システムのHLBとを適合させたHLBに基づいて選択されてもよい。これを達成するために高いHLBと低いHLBの界面活性剤とのブレンドを使用するのが好ましい。例えば、ステアレス−2(HLB4.9)及びステアレス−100(HLB18.8)は、約15のHLBを与えるようにブレンドできる。界面活性剤の濃度は、所望の安定性及び配合審美性を提供するようにさらに最適化されてもよい。故に、2つの界面活性剤の相対量は、特性の所望のバランスを得るように調節されてもよい。良好な粘稠度及び泡立てを有するシェービングフォームのために、短いポリエチレンオキシド鎖(より疎水性)の界面活性剤と長いポリエチレンオキシド鎖(より親水性)の界面活性剤との適した比は、一般にそれぞれ約2.5:1〜約1:2.5の範囲である。
【0020】
エトキシル化界面活性剤に加えて、又はその代替として、適した界面活性剤ブレンドは、1つ以上の非エトキシル化界面活性剤、例えば脂肪族エーテル又はエステル界面活性剤(例えば、ポリグリセリル脂肪酸エステル類、糖エーテル類、糖エステル類、糖誘導体のエステル類)を包含することができる。ポリグリセリル脂肪酸エステル類の例としては、デカグリセリルジパルミテート、デカグリセリルオレエート、デカグリセリルステアレート、ヘキサグリセリルモノステアレート/オレエート、デカグリセリルミリステート、ヘキサグリセリルミリステート、デカグリセリルラウレート、ヘキサグリセリルラウレート、及びトリグリセリルステアレートが挙げられる。糖エーテル類の例としては、セテアリルポリグルコシド、ベヘニルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド、及びココヤシ油ポリグルコシドが挙げられる。糖エステル類の例としては、スクロースエステル類、例えばスクロースモノステアレート及びスクロースジステアレートが挙げられる。糖誘導体のエステル類の例としては、ソルビタンエステル類、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、及びソルビタンイソステアレートが挙げられる。一般に、こうした非エトキシル化界面活性剤はまた、酸化剤の存在下でも安定であると測定されない限り、還元剤構成成分中に包含される。
【0021】
シェービングフォームベースのいずれか又は各々(又は全体としての組成物)の水分散性界面活性剤の総量は、一般に約2%〜約15%、好ましくは約3%〜約12%の範囲である。界面活性剤の濃度が高すぎると、シェービングフォームベースの不十分な混合を招くことがあり、それがシェービングフォームベース間の発熱反応を制限する可能性があるので、シェービングフォームの暖かさが低減する。界面活性剤の濃度が低すぎると、シェービングフォーム組成物が不安定になる場合がある。上述の短い及び長い鎖長を有する脂肪族アルコールエトキシレート類のブレンドは、油滴を安定化することができ、それが水相に分配され、そこに吹込みガス(発泡剤)が留まる。
【0022】
特定の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分は、約2%〜約8%、好ましくは約2%〜約6%の非イオン性界面活性剤を包含することができる。特定の実施形態において、酸化剤構成成分は、約1%〜約6%、好ましくは約2%〜約4%の短いポリエチレンオキシド鎖長の非イオン性界面活性剤、例えばステアレス−2を含んでいてもよい。あるいは又は、酸化剤構成成分は、約1%〜約6%、好ましくは約2%〜約4%の長いポリエチレンオキシド鎖長の非イオン性界面活性剤、例えばステアレス−21をさらに含んでいてもよい。一部の実施形態において、酸化剤構成成分は、約1%〜約6%の1つの非イオン性界面活性剤、及び約1%〜約6%のもう1つの異なる非イオン性界面活性剤を包含していてもよい。
【0023】
特定の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約2%〜約12%、好ましくは約3%〜約8%の非イオン性界面活性剤、例えばステアレス−100又はステアレス−21を含んでいてもよい。還元剤構成成分は、1つ以上の種類の非イオン性界面活性剤を包含しててもよい。例えば、還元剤構成成分は、約1%〜約8%の1つの非イオン性界面活性剤(例えば、ステアレス−21)、及び約1%〜約8%のもう1つの異なる非イオン性界面活性剤(例えば、ステアレス−100)を包含していてもよい。
【0024】
水は、組成物の主要な構成成分であり、界面活性剤構成成分を可溶化又は分散するため、水中油型エマルションの連続相を形成するため、同時に、望ましい泡立て及び洗い流し特性を持つ適した粘度の安定したフォームを提供するために十分な量で使用される。全ての構成成分の総量を100%にするのに十分な量(q.s.)で水を添加する。組成物(すなわち、酸化剤構成成分と還元剤構成成分それぞれ独立に)は、通常、約55%〜約95%、好ましくは約60%〜約90%、より好ましくは約65%〜約85%の水を含む。特定の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分は、約60%〜約90%、好ましくは約70%〜約85%の水を包含することができる。一部の実施形態において、還元剤構成成分は、約55%〜約90%、好ましくは約70%〜約85%の水を包含することができる。特定の実施形態(例えば、還元剤構成成分がトリエタノールアミン中和剤を包含する実施形態)では、還元剤構成成分は約58%〜約70%の水を包含していてもよい。
【0025】
各シェービングフォームベースは、製品を放出し、分配時にフォーム状の泡を生成するために揮発性の発泡剤を包含する。発泡剤は、十分低い沸点を有するいずれかの揮発性炭化水素又はハロ炭化水素であることができる。こうした剤の典型的な沸点は、一般に約−30℃〜約40℃、好ましくは約−25℃〜約10℃の範囲である。好ましい発泡剤は、3〜6個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素類又はハロ炭化水素類、例えばn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、1,1−ジフルオロエタン、プロパン、及びこれらの混合物から選択される。1,1−ジフルオロエタン(例えば、ダイメル(Dymel)−152a)及びイソブタンとプロパンの重量比(イソブタン:プロパン)が約1:0〜約7:1、好ましくは約3:1〜約6:1の混合物(例えば、ダイバーシファイド(Diversified)A−46)が最も好ましい。発泡剤は、通常、21℃で約276kPa〜約483kPa(約40psig〜約70psig)、好ましくは21℃で約310kPa〜約448kPa(約45psig〜約65psig)の蒸気圧を有するように選択される。発泡剤は、一般に約1%〜約6%、好ましくは約2%〜約5%、より好ましくは約3%〜約4.5%の量で酸化剤及び還元剤構成成分の両方に含まれ、各構成成分の他の成分と予備混合することによって形成される濃縮物に添加されてもよい。
【0026】
1つ又は両方のシェービングフォームベースは、所望の化粧品特性を提供するために皮膚軟化剤を包含するのが好ましい。エマルションの油相は、シェービングフォーム組成物に使用するのに安全であり、組成物の他の成分と適合性であり、所望の審美性及びシェービング中の潤滑性を提供するいずれかの所望の皮膚軟化剤を包含することができる。適した皮膚軟化剤としては、鉱油、ワセリン、スクアラン/スクアレン、水素添加/不飽和ポリイソブテン及びこれらの混合物が挙げられる。これらの皮膚軟化剤は、上述の界面活性剤ブレンドと共に用いるのに適している。好ましくは、組成物は約0.25%〜約15%の皮膚軟化剤、より好ましくは約0.5%〜約12%の皮膚軟化剤、最も好ましくは約0.75%〜約8%の皮膚軟化剤を含有する。皮膚軟化剤は、好ましくはシェービングフォームベースの両方に含まれる。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分は、約1%〜約4%の皮膚軟化剤(例えば鉱油)を包含することができる。特定の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約1%〜約5%の皮膚軟化剤(例えば鉱油)を包含することができる。
【0027】
増粘剤は、シェービングフォームの粘稠度及び安定性を改善するとともに、その粘度を調節するために任意に包含される。増粘剤はまた、一般にシェービングフォームにボリュームを提供する。増粘剤は水溶性増粘剤、非水溶性増粘剤、又はこれらの混合物であってもよい。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物のいずれか又は両方(好ましくは両方)の構成成分は、約0.01%〜約15%、好ましくは約0.1%〜約11%の増粘剤を含むことができる。特定の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分及び/又は還元剤構成成分は、約1%〜約10%、好ましくは約3%〜約6%の増粘剤をそれぞれ包含することができる。酸化剤構成成分に含まれる増粘剤は、もちろん、酸化剤の存在下で安定でなければならない(こうした増粘剤には、例えばポリビニルピロリドンが挙げられる)。
【0028】
好ましい増粘剤は、脂肪族アルコール(非水溶性増粘剤である)である。適した脂肪族アルコール類は、12〜22個の炭素原子の鎖長及び0〜1の不飽和度を有する。適した脂肪族アルコールとしては、例えばミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、ココヤシ油アルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが挙げられる。一般に組成物は、約0%〜約15%、好ましくは約0.1%〜約15%、より好ましくは約1%〜約15%、最も好ましくは約2%〜約8%の脂肪族アルコール増粘剤を包含することができる。
【0029】
適した非水溶性増粘剤の他の例としては、エトキシル化又は非エトキシル化脂肪酸エステル類(例えば、PEG−150ジステアレート、PEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、ペンタエリスリチルテトラステアレート、イソステアリルネオペンタノエート、及びこれらの混合物)が挙げられる。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分及び/又は還元剤構成成分は、約0.1%〜約1%のこうした増粘剤、例えばPEG−150ジステアレートを包含することができる。
【0030】
脂肪族アルコール増粘剤に加えて、又は一部の実施形態ではその代わりに、組成物は他の増粘剤を包含してもよい。他の適した増粘剤の例としては、水溶性増粘剤、例えばヒドロキシアルキルセルロースポリマー類、例えばヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース(それぞれ商標名「ナトロゾル(Natrosol)」及び「クルセル(Klucel)」として販売)、カルボキシメチルセルロース、セルロースメチルエーテル(商標名「メトセル(Methocel)」として販売)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(商標名ストラクチャーXL(Structure XL)」として販売)、他の多糖類、例えばキサンタンガム、グアーガム、修飾されたデンプン及びカラギーナン、及びこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約1%までの水溶性増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロースを含むのが有利な場合がある。
【0031】
増粘剤として及び/又は潤滑性を向上させるために、シェービングフォーム組成物はまた潤滑性の水溶性ポリマーを包含することができる。こうしたポリマー類は、通常、約4.98E−19g(300,000ダルトン)〜約2.49E−17g(15,000,000ダルトン)の分子量を有する。適したポリマー類としては、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。潤滑性の水溶性ポリマーが包含される場合、それは、通常、組成物の約0.005%〜約4%、好ましくは約0.01%〜約1.5%の量でシェービングフォーム組成物に提供される。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約1%までの潤滑性水溶性ポリマー、例えばポリアクリルアミドを包含するのが有利な場合がある。
【0032】
上述のように、加熱試薬には一般に、酸化剤構成成分に包含される酸化剤、及び還元剤構成成分に包含される還元剤が挙げられる。適した酸化剤としては、過酸化物類、例えば過酸化水素(通常、35%溶液として添加される)、過酸化ベンゾイル、ペルオキソモノサルフェート、ペルオキソジサルフェート、尿素過酸化水素、及びt−ブチルペルオキシドが挙げられる。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の酸化剤構成成分は、約2%〜約10%の酸化剤を包含していてもよい。特定の実施形態において、酸化剤構成成分は、約12%〜約16%の酸化剤、例えば過酸化水素(35%)(それは約4%〜約6%のH22活性物質に対応する)を包含することができる。
【0033】
適した還元剤は、配合物の2つの構成成分が混合されるときに酸化剤と反応して知覚可能な発熱反応をもたらすものである。適した還元剤はまた、配合物に使用される量にてヒトの皮膚に使用するのに安全であるべきである。還元剤としては、例えばチオ硫酸塩及び亜硫酸塩化合物、例えば亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム(例えば、チオ硫酸ナトリウム五水和物)、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸カリウム、及びチオ尿素を挙げてもよい。他の適した還元剤としては、チオ尿素骨格を有する化合物、例えば1,5−ジエチル−2−チオバルビツール酸又はその誘導体、あるいはアスコルビン酸が挙げられる。上記還元剤の混合物と、他の適した還元剤も使用してもよい。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約2%〜約10%、好ましくは約3%〜約8%の還元剤を包含してもよい。
【0034】
酸化剤及び還元剤は、一般に、生じる酸化還元反応に基づいておよそ化学量論的割合で包含される。過酸化水素とチオ硫酸ナトリウムの所与の酸化還元反応は、次の通りである。
2S232-+H22→S462-+2OH
【0035】
適量の有効な触媒の存在下では、反応は次の通りである。
Na223+4H22→Na2SO4+3H2O+H2SO4
【0036】
2つの剤の総量は、所望の熱量及び発熱反応の持続時間を提供するように選択される。好ましくは、反応中にシェービングフォームによって得られる最高温度は約30℃〜約60℃であり、この温度は2つの構成成分が混合された約10秒後〜約45秒後に達成される(これは、シェービングフォームの酸化剤構成成分及び還元剤構成成分が、総重量10グラムのシェービングフォームを提供する化学量論的量にてビーカー中で混合される場合にシェービングフォームが到達する温度であり、シェービングフォームの通常量約5グラム〜約8グラムを皮膚に適用する場合、皮膚での実際の温度は通常約28℃〜約45℃である)。上述の酸化剤及び還元剤が使用される場合、シェービングフォーム組成物は、一般に約2%〜約10%の酸化剤及び約2%〜約10%の還元剤をおよそ化学量論的割合で包含する。
【0037】
上述の熱特性を得るために、シェービングフォーム組成物が触媒を包含するのが有利な場合がある。触媒は、皮膚又はシェービングフォームの特性に有害な作用を及ぼすことなく、発熱反応を触媒するように選択される。触媒は、一般にシェービングフォーム組成物の還元剤構成成分に包含される。上述の発熱反応のために適した触媒としては、モリブデン酸ナトリウム(例えば、モリブデン酸ナトリウム二水和物)、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。組成物は一般に、0.1%〜約1.5%、好ましくは約0.2%〜約1.0%の触媒を包含する。
【0038】
上述の酸化剤及び還元剤の反応が一般に生じるときに発熱反応により酸が発生する場合、組成物(例えば、還元剤構成成分)はまた中和剤(neutralizing agent)(中和剤(neutralizer))を包含するのが好ましい。中和剤は、発熱反応が完了し、シェービングフォーム組成物がユーザーの皮膚に刺激を与えないように酸を十分中和するのに十分な量で選択及び提供される。好ましくは、全ての酸が実質的に中和される。適した中和剤としては、例えばトリエタノールアミン、酸化物類(例えば金属酸化物類)、水酸化物類(例えば金属水酸化物類)、及び炭酸金属類、例えばアルカリ金属(例えば,ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、バリウム)、又は遷移金属(例えば亜鉛)の炭酸塩類が挙げられる。例えば、中和剤としては、酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又はヒドロキシ炭酸アルミニウムを挙げることができる。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物(好ましくはシェービングフォーム組成物の還元剤構成成分)は、約0.5%〜約10%のこうした中和剤を含むことができる。例えば、還元剤構成成分は、約1%の酸化カルシウム又は約7%のトリエタノールアミンを含むことができる。
【0039】
シェービングフォーム組成物は、通常約1%〜約6%、好ましくは約2%〜約5%の量で追加の非イオン性補助界面活性剤を包含することができる。シェービングフォーム組成物はまた、通常約0.1%〜約3.0%、好ましくは約0.2%〜約1.5%の量で追加の両性補助界面活性剤を包含することができる。これらの追加の界面活性剤はまた、通常、酸化剤の存在下で安定であると測定されない限り、還元剤構成成分中に包含される。
【0040】
適した非イオン性補助界面活性剤としては、ポリヒドロアルコール類の脂肪酸エステル類(例えばポリグリセリルオレエート類)、グリセリド類のポリエチレンオキシド脂肪酸エステル類及び脂肪酸アミド類、特にアルキル置換された脂肪酸アミド類が挙げられる。これらの界面活性剤は、一般に1分子あたり約6〜約100、好ましくは約20〜約50のエチレンオキシド単位を有する。典型的な非イオン性補助界面活性剤としては、例えばPEG−40硬化ヒマシ油及びデカグリセロールモノオレエートが挙げられる。適した両性界面活性剤としては、例えばベタイン類及びスルタイン類、例えばココアミドプロピルベタイン、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココスルタインなどが挙げられる。これらの両性界面活性剤は、起泡増進剤及び安定剤として機能する傾向があり、フォームにさらなる熱安定性を提供し、水たまりになるのを防止する。組成物は、起泡増進剤として約0.2%〜約1.5%の両性界面活性剤を包含するのが好ましい。起泡増進剤として作用し得る他の適した補助界面活性剤としては、ラウロイル乳酸ナトリウム、カプロイル乳酸ナトリウム、及び短鎖アルキルポリグルコシド類(例えば、C12又はそれ以下の炭素鎖長を有するアルキルポリグルコシド類、例えばラウリルグルコシド、カプリルグルコシド、又はカプリリルグルコシド)が挙げられる。
【0041】
有用なシェービングフォーム組成物を形成するのに必ずしも必要ではないが、他の化粧品成分を添加して用途審美性(application aesthetics)を向上し、及び/又は他のシェービング利益を達成するのが有利な場合もある。例えば、組成物は、1つ以上の次の構成成分を包含していてもよい。ひげ湿潤剤、皮膚コンディショニング(例えば、剥離、潤いを与える)剤(例えば、ビタミン前駆体及び誘導体、例えばビタミンA、C及びE、アロエ、アラントイン、パンテノール、α−ヒドロキシ酸類、β−ヒドロキシ酸類、リン脂質類、トリグリセリド類、植物油、アミノ酸類)、起泡増進剤(上述の起泡増進補助界面活性剤以外)、皮膚軟化剤(例えば、ヒマワリ油、脂肪酸エステル類、スクアラン、第四級化合物(例えば、ポリクアテルニウム−10)、保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、ペンチレングリコール)、リン脂質類(例えば皮膚コンディショニング剤を内包するために使用される)、芳香剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、及びその他のこうした成分。一部の実施形態において、シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、約0.1%〜約1.5%の芳香剤を包含することができる。
【0042】
好ましいシェービングフォーム組成物の例は、増粘剤としてセチルアルコール、非イオン性界面活性剤としてステアレス−21、及び約−25℃〜約10℃の沸点及び/又は21℃で約310kPa〜約448kPa(約45psig〜約65psig)の蒸気圧を有する発泡剤を包含するものである。
【0043】
酸化剤構成成分及び還元剤構成成分は、製品が分配されるまで互いに分離されたままである。これは、所望の種類の2つの構成成分包装を用いて達成されてもよく、それは例えば米国特許第3,241,722号、同第3,454,198号、及び同第6,250,505号、並びに同時係属中のU.S.S.N10/283,033(2002年10月29日出願)に記載され、それらの開示は本明細書に参考として組み込まれる。一般に、適した包装は、2つのチャンバーを包含する加圧容器、例えば2つの袋、及びチャンバーの内容物を分配するための少なくとも1つの分配バルブを包含する。2つの構成成分は、分配バルブの作動中に自動で、又は分配後にユーザーによって手動で混合され、均一なシェービングフォームを形成し、それは酸化剤と還元剤が反応すると暖かくなり、皮膚に広げるときに泡を形成する。
【0044】
以下に示されるように、酸化剤及び還元剤構成成分は、第1のシェービングフォームベース及び第2のシェービングフォームベースに酸化剤及び還元剤それぞれを添加することによって形成されてもよい。好ましくは、第1及び第2のシェービングフォームベースは実質的に同一である。故に、有利なことには、酸化剤及び還元剤がそれぞれ同一のシェービングフォームベースの別個の部分に添加されてもよい。単一のシェービングフォームベースを両方の構成成分を製造するために使用すれば、一般に製造を簡潔にでき、2つの構成成分を分配中又は分配後に混合し易くできる。
【0045】
上述のシェービングフォームは、いずれかの適した製造方法を用いて形成されてもよい。適した方法の例は、次の通りである。
【0046】
脱イオン水を約75℃〜約80℃の温度に加熱する。加熱工程中、皮膚軟化剤油(例えば、鉱油)、増粘剤(例えば、脂肪族アルコール、PEG−150ジステアレート)及び界面活性剤を添加する。混合物を約75℃〜約80℃の温度に維持しつつ、約15分間混合する。次いで混合物を室温までそのまま放冷する。冷却期間中、75℃で中和剤を添加する。
【0047】
還元剤構成成分を形成するために、活性剤、例えばチオ硫酸ナトリウム及びモリブデン酸ナトリウムを上記で形成されたシェービングフォームベースに添加し、続いて芳香剤及び染料を約35℃〜約45℃で混合しながら添加する。
酸化剤構成成分を形成するために、過酸化水素水溶液をシェービングフォームベースに添加し、約35℃〜約40℃の温度で混合する。
【0048】
各構成成分を、次いで2つの構成成分エアゾール缶に添加し、バルブを用いて密封する。次いで所望の重量%にて発泡剤を1つ又は両方(好ましくは両方)の構成成分にバルブを通して圧力下、約20℃〜約30℃の温度で添加する。缶の内部部分(例えば、缶内の袋中)に酸化剤構成成分を入れ、缶の外側部分に還元剤構成成分を入れるのが好ましい。缶に裂け目(breach)が存在する場合であっても、缶の内部部分に酸化剤構成成分を保持することで一般に缶の一体性を確実にできる。一部の実施形態において、酸化剤構成成分は缶の袋中に入れることができ、還元剤構成成分は、例えば第1の袋を囲む缶の別の袋に入れることができる。
【0049】
以下の実施例は、例示であり、非限定であることが意図される。
【実施例】
【0050】
実施例1
シェービングフォーム組成物は、次の構成成分を用いて調製される。シェービングフォーム組成物は、非イオン性界面活性剤として単一のエトキシル化アルコールを包含し、いかなる中和剤も包含しない。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例2
シェービングフォーム組成物は、次の構成成分を用いて調製される。シェービングフォーム組成物は、非イオン性界面活性剤として単一のエトキシル化アルコールを包含し、いかなる中和剤も包含しない。シェービングフォーム組成物はまた皮膚軟化剤を包含する。
【0053】
【表2】

【0054】
実施例3
シェービングフォーム組成物は、次の構成成分を用いて調製される。シェービングフォーム組成物は、非イオン性界面活性剤としてエトキシル化アルコール類の混合物を包含する。酸化剤構成成分は、化学量論的に過剰の過酸化水素を含有する。
【0055】
【表3】

【0056】
実施例4
シェービングフォーム組成物は、次の構成成分を用いて調製される。還元剤構成成分は、触媒及びCaO中和剤を包含し、化学量論的過剰のチオ硫酸ナトリウムを含有する。
【0057】
【表4】

1アルラセル(Arlacel)P−135(ICI)
【0058】
実施例5
シェービングフォーム組成物の還元剤構成成分は、次の構成成分を用いて調製される。還元剤構成成分は、ポリグリセリル脂肪酸エステルベース(エトキシル化脂肪族アルコールベースではなく)の非イオン性界面活性剤を包含する。この種類の還元剤構成成分は、例えば上述の酸化剤構成成分のいずれかと組み合わせることができる。
【0059】
【表5】

【0060】
分配及び混合されるとき、上述の配合物は、石鹸ベースのシェービングフォームを用いた場合に一般に見られる種類のフォームに比べて、皮膚に濃厚な暖かい泡を形成するが、石鹸ベースフォームのマイナスの特性はない。シェービングに使用するのに適した量(およそ8グラム)のシェービングフォームを皮膚に適用すると、心地よい暖かな感覚を与える。泡は、熱で壊れることがなく、シェービングの全期間にわたって持続される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャンバー及び第2のチャンバー並びに前記チャンバーの内容物を分配するための少なくとも1つの分配バルブを有する容器、
第1のシェービングフォームベース及び酸化剤を含む前記第1チャンバー中の酸化剤構成成分、
第2のシェービングフォームベース及び還元剤を含む前記第2チャンバー中の還元剤構成成分
を含む自己加熱シェービングフォーム製品であって、
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースがそれぞれ独立に、水、21℃で40psig〜70psigの圧力を有する揮発性発泡剤、及び非イオン性界面活性剤を含む水分散性界面活性剤を包含する水中油型エマルションを含み、
シェービングフォームベースのそれぞれが、石鹸及びイオン性界面活性剤を実質的に含まないシェービングフォーム製品。
【請求項2】
前記酸化剤構成成分及び前記還元剤構成成分がそれぞれ独立に、約55%〜約95%の水、約1%〜約6%の揮発性発泡剤、及び約2%〜約15%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項3】
前記酸化剤構成成分及び前記還元剤構成成分がそれぞれ独立に、約60%〜約90%の水、約2%〜約5%の揮発性発泡剤、及び約3%〜約12%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項4】
使用中に前記酸化剤構成成分及び前記還元剤構成成分を混合する際に知覚可能な程度に暖かいフォームを提供するような量及び割合で前記酸化剤及び前記還元剤が選択され、存在する、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤が脂肪族アルコールエトキシレートを含む、請求項2に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項6】
前記脂肪族アルコールエトキシレートがC12〜C24炭化水素鎖及び2〜150のエトキシ基を含む、請求項5に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、2〜20のエトキシ基を有する脂肪族アルコールエトキシレート及び21〜100のエトキシ基を有する脂肪族アルコールエトキシレートを包含する脂肪族アルコールエトキシレート類のブレンドを含む、請求項5に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項8】
前記揮発性発泡剤が、21℃で45psig〜65psigの蒸気圧を有する、請求項6に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項9】
前記揮発性発泡剤が、21℃で45psig〜65psigの蒸気圧を有する、請求項3に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項10】
約0.2%〜約1.5%の両性界面活性剤をさらに含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項11】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースがそれぞれ約1%未満の石鹸及びイオン性界面活性剤を含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項12】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースがそれぞれ約0%の石鹸及びイオン性界面活性剤を含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項13】
前記酸化剤構成成分が約2%〜約10%の前記酸化剤を含み、前記還元剤構成成分が約2%〜約10%の前記還元剤を含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項14】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースがそれぞれ独立に脂肪族アルコールを含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項15】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースがそれぞれ独立に、約2%〜約8%の脂肪族アルコールを含む、請求項8に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項16】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースの少なくとも1つが、皮膚軟化剤、増粘剤、潤滑性の水溶性ポリマー、脂肪族アルコール、及び両性界面活性剤から成る群から選択される少なくとも1つの構成要素を含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項17】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースが実質的に同一である、請求項1、8、又は15に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項18】
前記酸化剤が過酸化物を含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項19】
前記還元剤が、チオ硫酸塩及び亜硫酸塩化合物、チオ尿素化合物、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1又は18に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項20】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースの少なくとも1つが、約1%〜約15%の皮膚軟化剤をさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項21】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースの少なくとも1つが、約0.01%〜約10%の増粘剤をさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項22】
前記増粘剤が、水溶性増粘剤及び非水溶性増粘剤のブレンドを含む、請求項21に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項23】
前記還元剤構成成分が、使用中に前記酸化剤と前記還元剤との間での発熱反応を触媒するように選択される触媒をさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項24】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースの少なくとも1つが、使用中に前記酸化剤と前記還元剤との間の発熱反応によって発生する酸を中和するように選択される中和剤をさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項25】
前記酸化剤構成成分がポリビニルピロリドンをさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項26】
前記第1シェービングフォームベース及び前記第2シェービングフォームベースの少なくとも1つが、ひげ湿潤剤、皮膚コンディショニング剤、起泡増進剤、皮膚軟化剤、保湿剤、芳香剤、着色剤、酸化防止剤、及び防腐剤から成る群から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項27】
前記シェービングフォーム製品が、シェービングフォームを生成するのに振盪を必要としないように配合される、請求項1に記載のシェービングフォーム製品。
【請求項28】
請求項1に記載の自己加熱シェービングフォーム製品を使用する方法であって、
分配前又は分配中に前記容器を振盪することなしに、前記容器から前記シェービングフォームを分配する工程と、
前記酸化剤構成成分と前記還元剤構成成分とを混合し、発熱反応をもたらす工程と、
前記シェービングフォームを皮膚に適用する工程と
を含む方法。

【公表番号】特表2008−509219(P2008−509219A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525645(P2007−525645)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/026827
【国際公開番号】WO2006/020418
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(500006524)ザ ジレット コンパニー (14)
【Fターム(参考)】