説明

自己較正機能を備える表面特性解析用システム

【課題】半導体のような試料の表面特性を測定するためのシステムに関し、自己較正機能を備えたエリプソメータを提供する。
【解決手段】照会用放射ビーム11を試料20に照射する前および後に、前記ビームの偏光を変調するために2つの位相変調器または偏光要素が用いられる。試料からの変調放射が検出され、検出された信号から解析器26までの高調波が導出する。解析器26までの高調波は、固定偏光要素、円形減衰補償、偏光要素の偏光解消および位相変調器のリターダンスなどのエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するために用い得る。自己較正エリプソメータならびに組合わせシステムは、膜厚および試料により引き起こされた放射の偏光解消さなどの試料特性を測定するために用い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体のような試料の表面特性を測定するためのシステムに関し、より詳細には自己較正機能を備えたそのようなシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、1999年2月9日出願の米国特許出願第09/246,922号(特許文献1)の一部継続出願である。
【0003】
分光光度計およびエリプソメータは、半導体のような基板上の単層または複層の膜厚および屈折率などの表面特性の測定に使用されてきた。半導体上に一般的に見られる材料としては、酸化物、窒化物、ポリシリコン、チタンおよびチタン窒化物が含まれる。エリプソメータは、単波長または広帯域光源、偏光子、変調器、解析器および少なくとも1つの強度検出器を利用できる。このタイプの従来のエリプソメータにおいては、光源からの光が変調され、検出器により検出される。検出器信号は、エリプソメトリックパラメータを計算するために解析される。このタイプのエリプソメータは、例えば、米国特許第5,608,526号(特許文献2)に記載されている。
【0004】
偏光解析測定は、温度変化および機械的振動のような環境に影響される。この目的のため、エリプソメータはそのような環境の影響を明らかにするため定期的に較正される。厚さおよび光学的特性が分かっている標準試料が較正の間使用されてきた。しかしながら、半導体デバイスの絶え間ないダウンサイジングに伴い、厚さが数オングストロームオーダーの皮膜層を測定できる超高感度エリプソメータが開発された。これらのシステムは、正確な較正のために薄膜を有する標準試料を必要とする。そのような薄膜標準試料が使われる時には、微小な酸化または汚染でさえも影響しかつ結果として重大な較正エラーを生じ得る。従って、より優れた較正特性を備えたエリプソメータのような改良された表面光学測定システムを提供することが望ましい。国際出願第PCT/US98/11562号(特許文献3)には、安定波長較正エリプソメータが、標準試料上の膜厚を正確に決定するために用いられている。較正エリプソメータからの測定結果は、薄膜光学測定システム中の他の光学測定装置の較正に用いられる。しかしながら、これを行なうには、薄膜光学測定システムを測定用に用いるたびに標準試料を較正エリプソメータで較正する必要があり、そのためこの手順が面倒になることがある。さらに、標準試料上の1つまたは複数の皮膜の特性が、特に較正手順のすぐ後にすべての測定がなされるのでない場合には、較正の時間と測定の時間との間に変わってしまいかねない。
【0005】
米国特許第5,416,588号(特許文献4)には、十分小さい位相変調(通常、3〜4°のオーダー)が光弾性変調器(PEM)によって適用される別のアプローチが提示されている。位相変調を数度に制限することによって、検出可能な信号は比例して減少し、それによって米国特許第5,416,588号(特許文献4)におけるスキーマの信号対雑音比は多くの用途にとって望ましいレベル以下になり得る。小さい位相変調のみを使うことにより、測定システム自身のパラメータについて得られる情報量は限定され、それによりいくつかのシステムおいて重要なシステムパラメータのすべてを特徴付けることが不可能になり得る。
【0006】
上記のシステムのどれも完全に満足のいくものではない。従って、上記の困難が存在しない改良された較正特性を備えたエリプソメータを提供することが望ましい。自己較正機能を備えたエリプソメータを提供することが特に望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第09/246,922号
【特許文献2】米国特許第5,608,526号
【特許文献3】国際出願第PCT/US98/11562号
【特許文献4】米国特許第5,416,588号
【特許文献5】米国特許第4,306,809号
【特許文献6】米国特許第5,747,813号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"ANALYSIS OF SEMICONDUCTOR SURFACES WITH VERY THIN NATIVE OXIDE LAYERS BY COMBINED IMMERSION AND MULTIPLE ANGLE OF INCIDENCE ELLIPSOMETRY", Ivan OHLIDAL and Frantisek LUKES," Applied Surface Science 35 (1988-89) 259-273, North Holland, Amsterdam
【非特許文献2】"Rotating-compensator multichannel ellipsometry for characterization of the evolution of nonuniformities in diamond thin-film growth," Joungchel Lee et al., Applied Physics Letters, Vol. 72, No. 8, February 23, 1998, pp. 900-902
【発明の概要】
【0009】
自己較正機能を備えるエリプソメータが提案される。時間の経過につれてまたは環境要因に起因して変化し得るエリプソメータシステムパラメータを較正する代わりに、これらは、エリプソメトリックパラメータと共にエリプソメータで測定されたデータから導出し得る。従って、標準試料または較正エリプソメータの必要は皆無である。ユーザが行なう必要があることは、エリプソメトリックパラメータの測定精度に影響し得るシステムパラメータのどのような変更も考慮し得るように、システムパラメータをエリプソメトリックパラメータと共に導出することだけである。システムパラメータは、エリプソメトリックパラメータが導出されるのと同じデータから導出し得るので、較正プロセスと測定プロセスとの間でシステムパラメータが同じままであったと仮定する必要はなく、システムパラメータにおけるどのような変化も正確に説明し得る。本発明はまた、小さい位相変調に限定されない。従って、測定器の信号対雑音比は、広範なシステムおよび用途における自己較正に十分である。
【0010】
好ましい実施態様においては、直線的に偏光された成分を有する放射のビームが試料に供給される。試料によって変更されたビームからの放射が検出される。放射のビームの偏光はその検出に先がけて変調され、試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータおよび上記のプロセスで用いられたシステムの1つ以上のパラメータが変調の大きさについての制限なしで導出される。
【0011】
従来のエリプソメータにおいては、実質的に非偏光の放射が光源により偏光子に供給され、放射が試料に適用される前にその放射を偏光させ、偏光されたビームからの放射は、試料による変更後にその放射が検出器に適用される前に解析器に渡される。従来のスキーマにおいては、偏光子あるいは解析器の一方が回転されるが両方ともではない。本発明に関連した側面における1つの改良されたデザインとして、放射のビームが、試料への適用前に第1の回転偏光子を通される。試料による変更後のビームからの放射も、変調されたビームを提供するために、第2の回転偏光子により変調される。変調されたビームからの放射は検出器により検出される。検出器出力から、試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータが得られる。好ましくは、システムパラメータならびに1つ以上のエリプソメトリックパラメータが、システムを自己較正しかつ測定精度を高めるために、検出された放射から導出される。また好ましくは、放射のビームは、放射源と検出器との間の固定偏光子を通される。
【0012】
さらに別の改良されたデザインとして、偏光成分を有するビームからの放射が試料に供給される。試料により変調されたビームからの放射が検出される。ビームからの放射は試料による変更の前または後に変調されるが、回転偏光要素によるその検出の前である。検出される変調放射も、その検出に先がけて固定直線偏光子を通される。次に、検出された放射から、試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータが導出され得る。
【0013】
エリプソメータの測定精度に影響する別の要因は、試料の傾きまたは試料の高さのバラツキに起因する焦点の変化である。従来の偏光解析法では、集束精度および試料の傾きを検出するために用いられる光学パスは、偏光解析測定のために用いられるパスとは別個のものである。これは、2つのサブシステム間のドリフトまたは心狂いに起因する誤差を結果的に生じる。本発明は、検出器に向けられた放射の一部を、試料の傾きあるいは試料の高さにおける変化のような要因に起因する集束における不正確さを検出するための感受検出器に転用することを意図する。この特徴は、偏光解析ならびに分光測光法のような他の表面光学測定システムにおいて用い得る。
【0014】
半導体製造では、偏光解析測定に用い得る小さい電気接触パッドをウェハ上に確保することがしばしば行なわれ、その場合、その領域はしばしば四角形である。偏光解析における照明ビームは、典型的には斜めの角度で試料に向けられる。従って、もし照明ビームが円形断面を有していれば、結果的に試料上の照明スポットは楕円形になる。半導体上に偏光解析用に確保された正方形パッドのサイズが小さいことがあるので、そのようなパッド内に楕円形スポットを収めることは難しいことがある。試料上に照明ビームを集束するために円柱対物レンズを用いると、これには楕円形スポットを平坦にし、パッド境界内にうまく収める効果がある。好ましくは、円柱対物レンズは、形が実質的に円形のスポットに照明ビームを集束する。
【0015】
上述のエリプソメータは、試料を測定するための別の光学計測器と共に用いるのが有利である。好ましくは、エリプソメータおよび他の光学計測器の出力は、試料情報ならびに測定精度を高めるためのエリプソメータのパラメータを導出するために用い得る。ある1つの用途においては、組み合せシステムを、試料の膜厚情報および試料により引き起こされた放射の偏光解消の測定に用い得る。導出された偏光解消により、表面粗さのような試料特性を示し得る。
【0016】
別の方法として、エリプソメータの様々な各構成を単独で膜厚および試料により引き起こされた偏光解消の測定に、同じ測定出力からエリプソメータのシステムパラメータを導出してまたはしないで、用いることがでる。
【0017】
説明を簡明にするため、本出願において同一の構成要素は同じ番号により特定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施態様を例示する2つの位相リターダを用いるエリプソメータを示す。
【図2】図1のシステムの検出器出力における時間の関数としての検出器信号の例を示すグラフプロットである。
【図3】本発明の第2の実施態様を例示する2つの回転偏光要素を用いる自己較正エリプソメータを示す。
【図4】図3のシステムの検出器出力を例示する時間経過に伴う検出器信号のグラフプロットである。
【図5】試料に向けられた放射の偏光を変更させる種々の要素の角度定義を例示する概略図である。
【図6】本発明を例示するための図1および図3のシステムにおけるエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出する方法を示すフローチャートである。
【図7A】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7B】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7C】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7D】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7E】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7F】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7G】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図7H】本発明の付加的な実施態様を説明する、8つの自己較正エリプソメータを例示し、各々は2つ以上の偏光要素または位相リターダと偏光要素との組合せを用いている。
【図8A】図1のシステムの一部および本発明の別の側面を説明する試料の傾きおよび集束検出サブシステムの概略図である。
【図8B】図3のシステムの一部および本発明の別の側面を説明する試料の傾きおよび集束検出サブシステムの概略図である。
【図9】親出願の発明の好ましい実施態様を例示する、分光エリプソメータと偏光解析システムを含む組合せ測定器の概略図である。
【図10】図9の偏光解析システムの斜視図である。
【図11A】偏光解析パラメータ測定のための図9のシステムの一部を簡略化した概略図である。
【図11B】図11Aの照明アパーチャを図解するものである。
【図12】親出願の発明の別の実施態様を例示する、偏光解析パラメータ測定用システムの一部の簡略化した概略図である。
【図13A】親出願の発明の好ましい実施態様を例示する、照明ビームまたは反射ビームがアパーチャを通される図9の偏光解析パラメータを測定するためのシステムの簡素化した概略図である。
【図13B】親出願の発明を例示する、試料の複屈折の軸と関連する図13Aのアパーチャの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施態様を例示する、2つの位相リターダを用いるエリプソメータを示す。図1に示すように、エリプソメータ10は放射源12を含んでおり、これは実質的に単波長の放射を供給し得る。実質的に単波長の放射を供給するため、超安定ヘリウムネオンレーザを用い得る。源12からの放射は、固定偏光子14を通される。固定偏光子14は、それを通過する放射が直線偏光成分を有するようにするものである。固定偏光子14は、好ましくは、システム10の残余光学成分についてその方位に固定された直線偏光子である。代わりに、固定偏光子14は、それを通過する放射に直線偏光成分を含む楕円偏光を持たせ得る。説明したように、好ましくは、直線偏光成分を有する放射が変調器16に供給されるが、このことは必要とされないことおよび変調器16に供給された偏光成分を有するその放射は十分なものでありかつ本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。
【0020】
偏光成分、好ましくは直線偏光成分を有し、偏光子14から出る放射11は、レンズ16により集束されかつ位相リターダ18を通され、半導体ウェハ20のような試料表面に適用され、この表面が、反射などにより、偏光成分の偏光状態を含む放射の偏光を変える。半導体ウェハ以外の試料については、放射は、透過、散乱、回折またはさらに別のプロセスによって変えられる得るが、そのようなおよびその他の変化は本発明の範囲内にある。試料20により変更された後、変更された放射13は第2の位相リターダ22を通され、レンズ24により、集められ、第2の固定偏光子26を通され、低雑音光検出器28に適用される。
【0021】
リターダ18、22は、試料20による偏光の前および後に放射の偏光を変調するために異なる速度で回転される。検出器28により検出された放射は、ウェハ20のエリプソメトリックパラメータを導出するために、データ取得部30に供給される。
【0022】
システム10は、参照によりここに完全に組み入れられる米国特許第4,306,809号(特許文献5)においてAzzamにより提案された偏光計とは異なる。Azzamは試料のミュラー行列を導出している。システム10は、検出器28から検出された放射を用いてエリプソメトリックパラメータだけでなく、システム10自体における成分のパラメータを導出するためにも使用できる。これらのシステムパラメータには、例えば、固定偏光子14および解析器26の総合倍率、角度(偏光軸の方位)および円形減衰補償、ならびにリターダ18、24の角度、位相、線形減衰および偏光変調(リターダンス)振幅、さらには放射源12により供給された放射におけるいかなる偏光も含まれる。総合倍率は、放射源強度および検出器応答度を含み得る。偏光子14および解析器26の角度は、放射の入射面を横切る方向の試料傾きにより変えられ得る。
【0023】
以下により明確に示されるように、図1のシステム10を用いて、25の高調波が生成され、これはエリプソメトリックパラメータとシステムパラメータの双方を決定するのに十分すぎるほどである。システムパラメータは、エリプソメトリックパラメータと共に検出器28の出力から導出されるので、システム10は自己較正しており、それによりシステムパラメータを前もって較正する必要は全くない。従って、較正用に標準試料または較正計器を使用する必要が全くない。測定がなされる都度、システムパラメータがエリプソメトリックパラメータと同時に導出され、それによりエリプソメトリックパラメータは、システムパラメータの変動による悪影響を受けることなく正確に導出され、そこではこれらのシステムパラメータも同様に正確に計算され得る。さらに、減衰補償、偏光解消および開口積分効果などのシステムパラメータは、従来のシステムにおいては較正しづらいことがある。対照的に、これらの要因は、図1のシステム10においては自動的に考慮される。
【0024】
図2は、検出器28の出力における時間の関数としての検出器信号の例を示すプロットのグラフである。位相リターダまたは他の位相変調器の代わりに、要素18、22も偏光子とし得る。
【0025】
図3には、本発明の第2の実施態様を説明するため、2つの回転偏光要素すなわち位相リターダを用いた自己較正型広帯域エリプソメータ100を示す。最初に、システム100において2つの回転偏光子要素が使われることが仮定される。図3に示すように、システム100は広帯域の源102を含んでいる。広帯域放射を供給するため、深紫外領域を含む広いスペクトルをカバーするためキセノンランプならびに重水素ランプを用いることが望ましいことがあり、それにより源12が供給する放射が190〜約1ミクロンの範囲に及ぶようになる。明らかに、複数波長放射(例えば、複数のレーザから)または他の波長を供給する光源も使用することができ、かつ本発明の範囲に入る。
【0026】
固定偏光子14は、それを通過する放射が、偏光成分、好ましくは直線偏光を有するようにする。そのような成分を有する放射は、回転偏光要素すなわち位相変調器106に供給され、鏡108により試料20に集束される。反射または透過(あるいは、図1について上で列挙したいずれかのプロセス)などにより、試料20によって変更された放射は、収集鏡110によって集められ、回転偏光要素112を通って、固定解析器26へリレーされる。解析器26から出る放射は次に、広帯域放射を種々の波長成分に分離するための分光計120に供給され、それにより種々の波長の強度が個々に検出できるようになる。そのような強度は次に、解析のため、データ取得システム30へ供給される。
【0027】
色収差を回避するため、集束および集光鏡がレンズの代わりに用いられ、かつ検出された広帯域放射中の種々の波長を測定用波長成分に分離するために分光計が用いられる。放射源102はレーザの代わりの広帯域源である。図4は、分光計20により検出された波長成分の1つにおける強度信号をプロットしたグラフである。位相リターダが用いられるシステムとは異なり、回転直線偏光子は、その偏光軸が固定偏光子14のそれに垂直な場合には、放射を実質的に全く通さない。この理由により、強度は周期的に実質的に0になる。
【0028】
図5は、図3の実施態様を説明するため、入射面の相対的な方位、固定偏光子14の軸および回転偏光要素106の軸を示す概略図である。図5は、照明ビーム122の方向に反対の方向(すなわち、中をのぞくように)に沿って見た図である。図5に示すように、基準x軸は、試料20に向けられたビーム122およびその反射124の入射面に沿っている。固定偏光子14の軸は角度P1の矢印x’に沿っており、回転偏光要素106の軸はx軸から角度P0 +P(t)の矢印x”に沿っている。要素106が回転しているので、その軸は時間tの関数として変化する。従って、P0 を時間0におけるその軸の角度とすると、時間tにおけるその軸の角度はP0 +P(t)である。同様の量A0 +A(t)は、図3の変更(図3のケースでは、反射)されたビーム124の方向と反対の方向に沿って見たときの、入射面を基準とした回転解析器112の角度について定義できる。従って、偏光要素106が周波数fP で回転しかつ偏光要素112が周波数fA で回転していれば、回転偏光要素106、112の軸の偏光角度は、下記の式(1)で与えられるPR t)、AR (t)である(式中tは時間を表す)。

式中、初期角度P0 およびA0 は、tが0のときの偏光子および解析器要素106、112の初期角度に相当する。
【0029】
分光計120における検出器信号S(m) D は次に、これらの回転偏光要素により変調され、時間tの関数として記録される。ここで、検出器信号についての式中の「m」は、これがモデルからの理論的なものというよりも、測定された検出器信号であることを示す。この同じ注釈は、下記で他の量についても当てはまる。
【0030】
検出器信号の1つの例が図4に示してある。以下に示されるように、測定された検出器信号から25の高調波を導出することができ、その場合にエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するためのモデルの高調波とこの25の高調波を比較できる。ただし、そのような比較を論じる前に、以下で説明されるようにシステムのモデルを最初に検討する必要がある。
【0031】
システムモデリング
検出器信号のミュラー行列表示
解析的には、検出器信号は、

として表すことができる。
式中、
P (P):試料に入射するビームの4×1ストークスベクトル、
s :試料の4×4ミュラー行列、
S’A (A):解析器中の要素を表すミュラー行列の第1行の投射。
【0032】
式2の最後の部分では、単純にするため、P(t)、およびA(t)は単にPおよびAと書かれ、これらが時間の関数であることが理解される。同じ単純化は下記の説明でもなされる。
【0033】
偏光生成側における要素のモデリング
システム100の生成側は、固定偏光子14、回転偏光子106および鏡108を有する。生成側のすべてのシステムパラメータおよび回転角度Pは、ストークスベクトルSP (P)に符号化される。次に、生成側の各要素における光の挙動、および1つの要素から次の要素への伝播を記述するためにミュラー定式化が用いられる。光源102が完全に非偏光であると仮定すると、以下の式が得られる。

式中、
R:ミュラー回転行列、
P1:固定偏光子14のミュラー行列
P :生成側の回転偏光要素106のミュラー行列。
【0034】
解析側における要素のモデリング
解析側は、鏡110、回転偏光子112、および固定偏光子26を有する。解析側のすべてのシステムパラメータおよびx軸に関する偏光子112の回転角度Aは、解析側要素S’A (A)を表すミュラー行列の第1行の投射において符号化される。
同様に、

式中、
A1:固定解析器26のミュラー行列
A :解析側の回転偏光要素112のミュラー行列。
【0035】
フーリエ解析
数学的な扱い式(3)の偏光生成側の回転角度と関連した高調波から、ストークスベクトルSP (P)中の各要素が5つの高調波、すなわち回転周波数fP のDC、2重、および4重の高調波から成ることが見出される。

式中、a00,a01,,,は、システム100の生成側を特徴付ける係数である。
【0036】
解析側における回転角度に関する高調波
同様に、解析側ミュラー行列の第1行も5つの高調波から成っている。

式中、b00,b01,,,は、システム100の解析側を特徴付ける係数である。
【0037】
検出器信号の高調波
明らかに、検出器信号は25の高調波から成る。

【0038】
回帰
高調波係数Fの回帰
好ましくは、時間領域における100〜数千のデータ点が測定により得られる。試料構造(皮膜のインデックスおよび厚さ)およびシステムパラメータ(入射角、角度P0 、P1 、A0 、A1 、固定偏光子および解析器などの偏光解消等)は、検出器信号データから直接的に回帰できる。しかしながら、この回帰は非線形である。1000のデータ点の非線形回帰はあまり効率的ではない。一方、F係数の回帰は線形であり、従って回帰効率を改善する。次式、

の最小化により、高調波係数Fc0(m) 、Fcn(m) 、およびFsn(m) 、n=1,2,,,12が決定される。回帰において、ベクトルxは次式として定義される。

【0039】
試料構造およびシステムパラメータの回帰
上記線形回帰において、試料構造およびシステムパラメータは使用されない。一方、高調波係数は試料構造およびシステムパラメータと関連している。実際のところ、それらは試料構造およびシステムパラメータと関連した非線形関数である。これらの非線形関係は、システムモデルおよび膜モデルにより得られる。

【0040】
そのようなシステムおよび膜モデルを構成するための方法は当業者には公知であり、ここでは詳述しない。これにより、試料構造およびシステムパラメータを下記の式(11)に回帰することができるようになる。

式中、「m」が付された量は、上記で説明したように分光計120からの測定された検出器信号から得られ、モデルからのものではない。
【0041】
エリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するためのプロセスを、図6を参照して説明する。最初に、上述のように生データが得られ、これは分光計120(ブロック150)の出力において現れる。データに関してフーリエ解析が実行され、25の測定された重調和係数が得られる(ブロック152、154)。膜モデルおよびシステムモデルは式10に示されるように構成される(ブロック156)。考慮されるシステムパラメータには、上で論じたものの1つ、いくつかまたはすべてを含み得る(ブロック156)。上記の式11の回帰アルゴリズムが次に、高調波係数Fについて解を出すために実行される(ブロック158)。これらのF係数から、エリプソメトリックパラメータn、kおよびシステムパラメータを次に導出し得る(ブロック160)。分光計出力から導出し得るシステムパラメータは、例えば、固定偏光子14および解析器26の総合倍率、角度(偏光軸の方位)および円形減衰補償、ならびに偏光子106および解析器112の角度、偏光解消、そして源102により供給される放射のいかなる偏光も含まれる。上で説明したものと同じモデルおよびプロセスは、源102、12が、いくつかの非偏光成分を有する放射源と交換される場合に使用され得る。
【0042】
図3を参照すると、回転要素106、112は、偏光要素の代わりに位相リターダなどの位相変調器であり、上記の式すなわち式(1)〜(11)と実質的に同じ式を構成することができかつ図6に関する上記説明と同様のプロセスをエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するために実施し得る。要素106、112が位相変調器である場合には、これらの要素の各々は速い軸と遅い軸とを有している。これら2つの軸の1つが要素の軸として扱われ、上記の同じ解析を、エリプソメトリックパラメータn、kおよびシステムパラメータを測定しかつ導出するために適用し得る。もし要素106、112の1つ以上が、1つ以上の位相変調器および1つ以上の偏光子を複合したものであれば、同じことがあてはまる。
【0043】
上述の方法は図1のシステム10にも適用可能である。従って、検出器28の出力は次に、上記で要素12、14、16、18、22、24および26について上記で列挙したようなエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するために用いられる。
【0044】
上述の解析から、25の高調波は、エリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを解きあるいは導出するのに十分である。いくつかの用途においては、そのようなパラメータを導出するのに25の高調波すべてが必要とされるわけではない。そのような場合、図1および図3に示したものよりも単純なシステムを代わりに用い得る。そのような構成が図7A〜図7Hに示してある。図面を簡略化するため、光源、検出器、データ取得および解析装置は省略されている。図7A〜図7Bは、2つの偏光子を用いる従来のエリプソメータを例示するものである。図7Aでは、非偏光光が回転偏光子206を通され、試料20に供給される。試料により反射された放射は、固定偏光子226を通され、エリプソメトリックパラメータを導出するために検出器へ送られる。図7Bでは、非偏光放射が、固定直線偏光子214を通され、試料20に適用される。反射された放射は次に、それがエリプソメトリックパラメータを導出するために検出器に適用される前に、回転偏光子212を通される。
【0045】
図7C〜図7Hに例示した構成は可能であり、本発明に従って用いるのが有利である。従って、図7Cでは、非偏光放射が回転偏光子206を通され、試料20に適用され、試料により変更された放射が次に回転解析器212を通され、放射が単波長か広帯域であるかによって、検出器28または分光計120などの検出器に送られる。図7Dでは、非偏光放射は最初に固定偏光子214を、次に回転偏光子206を通されて、試料20に適用される。変更された放射は、固定解析器226へ渡され検出器へ送られる。図7Eでは、非偏光放射が、固定偏光子214を通され、試料20によって変更され、回転解析器212および固定解析器226を通されて検出器に適用される。図7Fでは、非偏光放射が、固定偏光子214、回転偏光子206を通して試料20に適用され、試料によって変更された放射は、回転解析器212を通して検出器へ渡される。図7Gでは、非偏光放射は回転偏光子206を通して試料20に適用され、試料により変更された放射は、回転解析器212および固定解析器226を通して検出器へ送られる。集束鏡が全く用いられないこと以外は、図7Hの構成は図3の構成と同様である。
【0046】
従って、図7C、図7F、図7Gおよび図7Hの構成において、試料による変更の前後に、回転偏光子または解析器により変えられ、その場合、放射は1つ以上の固定偏光要素を通すことも通さないこともできる。図7D、図7Eの構成においては、試料による変更の前後に、放射は固定偏光要素を通されるが、試料による変更の前あるいは後の一方において1つの回転偏光子または解析器のみが使用され、変化の前後双方においてではない。
【0047】
図7C〜図7Eの器具または構成が用いられる場合、検出された信号から5つの高調波が生成し得る。5つの高調波は、いくつかの用途についてエリプソメトリックパラメータおよびシステムパラメータを導出するのに十分であり得る。特定の用途においては、より多くの高調波が必要または望ましいことがあり、これらの用途については、図7F、図7G、図7Hおよび3が望ましいであろう。
【0048】
上述の解析は、上述の図7C〜図7Hの構成のいずれか1つについて若干修正し得る。明らかに、図3におけるように鏡が全く用いられない場合、これらの鏡を必要とするシステムパラメータは解析において省略し得る。放射が試料に適用される前に放射を変更するために回転偏光子が全く用いられない場合には、回転偏光子の回転軸角度を表す変数Pは定数または0に設定できる。放射が試料により反射または他の方法で変更された後に、その放射を修正するために回転解析器が全く用いられない場合には、回転解析器の角度を表す量Aも定数または0に設定できる。そのような違いは別として、上述の解析を、図7C〜図7Hの構成においてエリプソメトリックパラメータを導出するために適用し得る。
【0049】
上で論じた理由から、いくつかの用途については、エリプソメトリックパラメータと共にシステムパラメータを導出することが有利であるが、図3、図7C〜図7Hの構成におけるように、システムパラメータも導出せずにエリプソメトリックパラメータを単に導出すれば充分なこともある。そのようなまた他の変更形態は本発明の範囲内にある。
【0050】
25の高調波を生成するためには、2つの偏光子、変調器(18、22および106、112)を異なる速度で回転させるべきである。一方の偏光子または変調器の回転速度が、対になる他方の回転速度の整数倍である場合には、25の高調波が検出器信号から導出されるのに十分な情報がないことがある。従って、25の高調波を導出するため、2つの偏光子または変調器各々の回転速度が他方の偏光子または変調器の回転速度で割り切れない整数であることが望ましい。言い換えると、2つの整数速度の最大最小公分母が1であることが望ましい。さらに、十分な検出器情報を得るため、試料によりそして変調器または偏光子により変調された放射を検出器信号が検出している間、2つの変調器または偏光子の少なくとも1つが13回以上の完全な回転により回転されることが望ましい。
【0051】
これら2つの偏光子または位相変調器は、連続的または断続的に回転させられ得る。回転が断続的である場合、検出器は、位相変調器または偏光子が静止している間に検出するために使用できる。回転偏光子または回転リターダを用いる代わりに、光弾性変調器またはポッケルスセルを代わりに用い得る。回転リターダはフレネルロムとし得る。図7A〜図7Gの構成は、1つ以上の要素14、106、112、26を図3のシステム100から取り去ることによって達成でき、これは図3のモータ250によって遂行できる。図6および式に関して上で説明したアルゴリズムは、データ取得30により実行でき、これは単にコンピュータとし得る。
【0052】
図8Aは、図1のシステムの一部および試料の傾きまたは試料の高さを感知するための装置の概略図である。上で言及したように、従来の測定システムにおいては、試料の傾きまたは高さは、測定パスとは異なりかつ別個の光学パスを介して測定される。これによりシステムは扱いにくくなり、かつ不正確になることがある。適切に較正したシステムにもかかわらず、そのような不正確さが測定エラーにつながり得るので、試料の傾きと高さの測定は重要である。従って、図8Aに示すように、試料により変更された後、放射は位相変調器22または回転偏光子112などの変調器を通って、レンズ24により固定解析器26を通され、格子302に伝えられる。ビームのエネルギーのほとんどは、アパーチャ304を通過して検出器28に至るゼロ次光線として現われる。ビーム13中の放射は実質的に単色であり、そのため回折格子302は、回折された+1次のビームを検出器306へ向けて回折する。検出器306は、レンズ24から格子302までおよび格子302から検出器306までの総光学パスがレンズ24の焦点距離と実質的に等しくなるように置かれる。従って、たとえ代わりに、試料20の表面20aがより低いレベル20a’にあったとしても、表面20a’および格子302からの+1次光線は、依然として同じ方向で検出器306へ向けられ、それにより検出器306の検出は試料の高さの影響を受けない。しかしながら、検出器306は、位置20aから位置20a”への試料の傾きを検出し、このことは、格子320からの+1次光線の方向に変化を起こさせ得る。従って、表面20aが適切な傾きにある場合に検出器306が較正されていたのであれば、検出器306を試料の傾きの検出に用いることができ、その場合には、そのような検出は試料の高さの変化に影響されない。
【0053】
検出器308は、格子302からの−1次回折を検出するために設置されている。検出器308は、適切な高さで試料表面20aを検出するために較正される。従って、もし試料の表面20aが、図8Aにおいて点線で示した位置20a' に下降(または上昇)されていれば、このことは、−1回折の方向の変化を引き起こしかつ検出器308により感知されるであろう。
【0054】
図8Bは、図3のシステム100の一部ならびに試料の傾きと試料の高さの変化を感知するための装置の概略図である。波長依存性である格子を用いる代わりに、図8Bに示す2つのペリクルのような、本質的には透過性であるが若干反射性の2つの要素を用い得る。従って、ペリクル312、314は、固定解析器26と分光計120との間の光学パスに置き得る。両方のペリクルは、光学パスに対してほとんど直角な位置に置かれ、放射の大半は2つのペリクルを通るが、少量の放射はペリクルによって光学パスから若干それた方向に反射されて検出器316、318へそれぞれ向けられる。鏡110とペリクル312との間およびペリクル312と検出器316との間の総光学パス長が鏡110の焦点距離と実質的に等しくなるように検出器316が置かれる。図8Aの検出器306について述べたものと同様な理由のため、試料高さの変化により影響されずに試料の傾きを検出するために検出器316を使用することが可能である。また、図8Aの検出器308と同様に、検出器318は、試料高さの変化が検出器318により検出されるように、適切な高さで試料表面20aを検出するために較正されている。
【0055】
半導体製造では、偏光解析測定用に用い得る小さい電気接触パッド領域をウェハ上に確保することがしばしば行なわれ、その場合にその領域はしばしば正方形である。偏光解析における照明ビームは、典型的には斜の角度で試料に対して向けられる。従って、もし照明ビームが円形断面を有していれば、その結果として試料上の照明スポットは楕円形になるであろう。偏光解析用に半導体上に確保された正方形のパッドはサイズが小さいことがあるので、そのようなパッド内に楕円形のスポットを納めるのは困難なことがある。
【0056】
試料上に照明ビームを集束するために円柱対物レンズを使用または付加すると、これには楕円形スポットを平坦にしてパッドの限界内にうまく納めるようにできるという効果がある。好ましくは、円柱対物レンズは、形が実質的に円形のスポットに照明ビームを集束する。従って、試料20上の照明スポットを平坦にするため、図1のレンズ16を円柱レンズにするか、あるいは円柱レンズを図1に付加してビーム11を集束することができる。同様に、試料20上の照明スポットを平坦にするため、図3の鏡108も円柱鏡とするか、あるいは円柱鏡を付加することができる。好ましくは、レンズ16または鏡108あるいはレンズと鏡の組合せの入射面における集束力は、照明スポットが円形になるようなものである。
【0057】
図9〜図13Bに関する以下の説明は、本質的に1999年2月9日出願の特許願第09/246,922号(特許文献1)から取ったものである。
【0058】
図9は、親出願の発明の好ましい実施態様を説明するための、分光エリプソメータと偏光解析システムを含む組合せ計器の概略図である。組合せ計測器の分光エリプソメータを論じる前に、最初に偏光解析システム1008を、図9および図10を参照してある程度詳細に説明する。以下に示されるように、好ましくは、図9の組合せ計測器におけるようにシステム1008を分光(または単波長)エリプソメータと共に用いるのが有利である一方、このシステムは、それ自体で試料測定に用いても有利である。
【0059】
偏光解析システム1008の全体的な光学的配置は、米国特許第5,747,813号(特許文献6)に記載の分光反射率計と似ており、その単純さを保持している。しかしながら、そのような分光反射率計とは異なり、親出願の発明のシステム1008は、米国特許第5,747,813号(特許文献6)のシステムにおけるような偏光非感受性反射率スペクトルというよりは偏光解析反射率スペクトルを測定するものである。従ってシステム1008は、米国特許第5,747,813号(特許文献6)のシステムよりも表面特性に敏感である。好ましい実施態様において、親出願の発明は試料により反射された放射の検出として例示されているのに対し、親出願の発明は本質的に、本出願で説明されるように、試料により伝えられた放射が代わりに検出される場合に作動することが理解されるであろうし、そのようなおよび他の変更形態は親出願および本出願の発明の範囲内にある。単純にするため、好ましい実施態様は、放射された放射の測定として以下で説明するが、そのような説明は伝達された放射の測定に容易に拡張できることは了解の上である。
【0060】
試料パス、基準パス、フィールド照明パス、測定照明パスおよびエリプソメータパスを示す取り決めは、図9の右上隅に示してある。上で言及したように、偏光解析パラメータを測定するためのシステムにおける全体的な光学的配置は、以下で図9および図10を参照して説明する。
【0061】
図9および図10はそれぞれ、偏光解析パラメータを測定するための親出願の発明による、光学システムの同じ実施態様を示す。図9のシステム1008の集束部分および他の光学要素ならびに分光エリプソメータは、図を簡素化するため、図10においては省略してある。これらの要素は、他の要素に関してのそれらの配置を最も明確に示す図と共に以下で説明してある。図9を参照すると、ウェハ1003の相対反射率スペクトル測定用の光学システム1008は、照明サブシステム、反射率計サブシステム、観察サブシステム、および自動焦点サブシステムを含んでおり、どのような特定の光学要素でも1つ以上のサブシステムの一部となり得る。照明サブシステムは、可視および/または紫外(UV)光の光ビーム1012を発するキセノンアークランプなどのランプ1010、ランプハウジングウインドウ1014、軸外し放物面鏡1016、フリップインUVカットオフフィルタ1018、カラーフィルタホイール1020、平面鏡1022、凹面鏡1024、フリップイン40μmファインフォーカスアパーチャ1030を備えたアパーチャ鏡1028、大型色消しレンズ1032、フィールド照明シャッター1031、折り曲げ鏡1036、および小型色消しレンズ1038を含んでいる。図10では、対物レンズ1040は、鏡1040a、1040bおよびこれを収納するハウジング1040’を含んでいるが、ハウジングとウェハとの間に、分光エリプソメータ(図10では図示せず)からの斜めの照明ビームのための十分な間隔を残してある。
【0062】
照明システムは、測定ビーム25とフィールド照明ビーム1034から成る組合せビーム1042を提供する。ランプ1010は、ランプハウジングウインドウ1014を通して光ビーム1012を放つ。ランプハウジングウインドウは光学的な理由から必要ではないが、ランプ1010が万一割れたり破裂したときのために備えてある。タングステンまたは重水素ランプなどの他のランプよりもキセノンランプが好まれる。なぜならば、キセノンランプは、UVから近赤外までのスペクトルをカバーするよりフラットな出力を与えるからである。190〜220nmの範囲の波長成分を有する試料ビームを提供するため、深UVを含むより広いスペクトルをカバーすべく付加的な重水素ランプ1088がキセノンランプ1010と共に用いられる。2つのランプを一緒に用いることにより、その結果として試料検出用に供給される放射の組合せスペクトルは、約190〜800ないし830nmの範囲にまで拡張できる。スペクトルを深UV範囲にまで拡張することは、フォトリソグラフィに有用である。ランプ1088からの放射は、レンズ1093により集束され、鏡1095によりフィルタ1018へ反射され、ランプ1010からの放射と組合されて組合せビーム1012’を形成する。鏡1095を矢印1099に沿ってビーム1012のパス中へまたはパスから動かすことにより、重水素ランプ1088からの放射を、測定ビーム1025に含めあるいはこれから除外することが可能である。
【0063】
軸外し放物面鏡1016は光ビーム1012を平行にし、このビームは、ランプ1088からの放射と組合わせてをビーム1012’を形成後、フリップインUVカットオフフィルタ1018およびカラーフィルタホイール1020で任意に濾光できる。フリップインUVカットオフフィルタ1018は、光ビーム1012’が回折格子により拡散される際に1次および2次回折ビームが重ならないようにするため、光ビーム1012’のスペクトルを部分的に制限するために用いられる。光ビーム1012’の一部は、平面鏡1022により凹面鏡1024へ反射され、測定ビーム1025を形成する。凹面鏡1024は、測定ビーム1025をアパーチャ鏡1028上へ集束する。
【0064】
光ビーム1012の別の部分、すなわちフィールド照明ビーム1034、は大型色消しレンズ1032によって折り曲げ鏡1036近くに集束され、折り曲げ鏡1036はランプ1010、1088の像を小型色消しレンズ1038に向けて反射する。光がアパーチャ鏡1028から反射する前に、小型色消しレンズ1038はフィールド照明ビーム1034中の光を集める。アパーチャ鏡1028は、溶融シリカプレートであって、片面に反射性コーティングを備え、該反射コーティングに150μm四方のエッチングで測定ビーム1025用アパーチャを設けてある。アパーチャは、対物レンズ1040の共役直径の一方に置かれる。フィールド照明は、フィールド照明ビーム1034の光学パス中にフィールド照明シャッター1031を置くことにより遮断できる。
【0065】
狭い測定ビーム1025と広いフィールド照明ビーム1034とがアパーチャ鏡1028において再結合され、フィールド照明ビーム1034はアパーチャ鏡1028の前面で反射し、測定ビーム1025はアパーチャと偏光子1102を通過し、前記偏光子はモータ1101によりビーム1025のパス中へまたはパスから外へ移動され得る。
【0066】
図9は、光学システム1008の反射率計、観察およびオートフォーカスサブシステムを示すもので、対物レンズ1040、ビーム分割鏡1045、試料ビーム1046、任意の基準ビーム1048、凹面鏡1050、平面鏡1043、基準分光計ピンホール1056を備えた基準プレート1052、試料分光計ピンホール1058を備えた試料プレート1054、第2の折り曲げ鏡1068、回折格子1070、試料直線フォトダイオードアレイ1072、基準直線フォトダイオードアレイ1074、短焦点距離色消しレンズ1080、鏡1082、ビームスプリッタキューブ1084、ペンタプリズム1086、長焦点距離色消しレンズ1090、中性密度フィルタホイール1097、第3の折り曲げ鏡1091、およびビデオカメラ1096を含む。これらの構成要素のいくつかは簡明にするため図10では示してない。
【0067】
対物レンズ1040についてはいくつかの倍率が可能である。1つの実施態様においては、シュワルツシルド型の全反射性対物レンズを回転可能なタレットに取り付けることができ、このタレットにより、試料ビーム1046の光学パス中にいくつかの異なる対物レンズ(図示せず)の1つを置くことができる。親出願の発明における測定に大きな影響を与えることなく、低パワーの屈折性要素を試料ビーム1046の光学パスに含めることが可能である。
【0068】
ウェハ1003の相対反射率スペクトルの測定を次に説明する。フィールド照明シャッター1031がフィールド照明ビーム1034のパス中に置かれた場合、組合せビーム1042は測定ビーム1025のみから成る。組合せビーム1042はビーム分割鏡1045により分割され、これは組合せビーム1042の半分を対物レンズ1040に向けて偏向させるために置かれた完全反射鏡であって、従って試料ビーム1046を形成し、組合せビーム1042の偏向されなかった残り半分は基準ビーム1048を形成する。試料ビーム1046および任意の基準ビーム1048が同じ源、ランプ1010、1088から導出され、また組合せビーム1042が放射状に均一なので、基準ビーム1048および試料ビーム1046は、比例的に依存するスペクトル強度を有する。さらに、ビーム分割鏡1045は、全光学パス中の部分反射鏡というよりも光学パスの半分における完全反射鏡なので、連続的な広帯域スペクトルは良好な輝度で反射される。
【0069】
基準ビーム1048は当初、ビーム分割鏡1045と相互作用しないが、代わりに凹面鏡1050を照明する。凹面鏡1050は軸をわずかに外してあり、それによって基準ビーム1048はビーム分割鏡1045の裏面上に反射され、その場合、平面鏡1043が基準ビーム1048を基準分光計ピンホール1056と一直線状に再反射する。平面鏡1043は、基準ビーム1048を試料ビーム1046と再整列するために設けてあり、それにより双方のビームが、実質的に平行なそれぞれの分光計ピンホールを通過する。これにより双方のチャネルについての分光計要素の整列がより簡単になる。なぜならば基準ビームが試料ビームに平行な分光計に入るからである。
【0070】
基準ビーム1048は、ビーム1046を反射するビーム分割鏡1045の表面と相互作用しないので、基準ビーム1048がビーム分割鏡1045を通過する際に基準強度の損失が全くない。基準ビーム1048がビーム分割鏡1045の裏面で鏡1043と相互作用する一方、光がビーム分割鏡1045を全く通過しなかったので、これらの2つの鏡は独立である。実際、ビーム分割鏡1045の2つの反射面を1つの光学要素上に一緒に設置するのが容易でない別の実施態様においては、反射面は別個の鏡要素上に存在する。
【0071】
凹面鏡1050の焦点距離は、基準ビーム1048が基準分光計ピンホール1056に集束するようなものである。基準分光計ピンホール1056を通り折り曲げ鏡1068で反射する光は、回折格子1070により拡散される。結果として生じる1次回折ビームは基準直線フォトダイオードアレイ1074によって集められ、それにより相対基準スペクトルを測定する。
【0072】
偏光された試料ビーム1046は、ビーム分割鏡1045から対物レンズ1040へ向けて反射され、その場合試料ビーム1046はウェハ1003上に集束され、反射された試料ビーム1046’は対物レンズ1040によって試料分光計ピンホール1058上に集束される。反射された試料ビーム1046' は反射されたパス上でビーム分割鏡1045と相互作用しない。なぜならば、反射された試料ビーム1046’はビーム分割鏡1045の後ろのスペースを通され、ここを基準ビーム1048も通過するからである。試料1003からの反射された試料ビーム1046’からの放射は、それがピンホール1058に達する前に解析器1104を通る。試料分光計ピンホール1058を通り折り曲げ鏡1068で反射する光は、光の波長に従って回折格子1070により拡散される。基準ビームと同様、結果として生じる試料ビームの1次回折ビームが試料直線フォトダイオードアレイ1072によって集められ、それによって、試料偏光解析スペクトルを測定する。2つのビームが回折格子1070で交差するので、図10において試料ビーム1046と外見上整列されているフォトダイオードアレイは実際には基準ビーム1048用のフォトダイオードアレイであり、逆もまた同様である。偏光子1102および解析器1104は回転せず、好ましくは静止している。従って、解析器1104は、試料により変更され、固定偏光面に従って対物レンズ1040によって集められた放射を解析する。
【0073】
相対反射率スペクトルは次に、各波長における試料光強度を、各波長における相対基準強度で単に割ることで得られる。典型的には、これには512回の除算計算を必要とし、その場合試料および基準スペクトルの記録に、512ダイオード直線フォトダイオードアレイを用い得る。好ましい実施態様においては、スペクトルは約190nm〜800ないし830nmに及ぶ。
【0074】
親出願の本発明の1実施態様においては、回折格子1070は、凹面ホログラフィック格子であり、分光計ピンホールは15mm離れている。15mmの間隔ではどちらのビームも格子上で中心に置けないので、回折格子はホログラフィー的に補正されて複数のスペクトルを結像する。そのような格子の1つは、Instruments S.A.製のマルチプルスペクトルイメージング格子である。また、検出器の角度により、検出器からの反射が格子から離れて落ちるように、格子は設計される。
【0075】
フィールド照明を含み得る組合せビーム1042は、ビーム分割鏡1045からウェハ1003へ向けて反射される。反射率スペクトル測定およびオートフォーカスが実行されている時には、散乱光を最小限にするためにフィールド照明はオフである。
【0076】
図9および図10における偏光解析システム1008は、試料ビーム1046が本出願のシステムにおいては偏光される点が米国特許第5,747,813号(特許文献6)に記載のものと異なる。従って、試料ビーム1046が対物レンズ1040によって試料1003へ向けて反射される時、ウェハ上に集束されるビームは多重すなわち複数の異なる偏光状態を有している。これは図11A、図11Bを参照して、より明確に説明される。試料ビーム1046は、鏡1040aによって鏡1040bに向けて集束され、次に、図11Aに示すように、これが試料1003に向けてビームを集束する。図11Bは、ウェハ1003上に集束される時の、試料ビーム1046の照明アパーチャの概略図である。図11A、図11Bにおける種々の量は、円柱座標ρ、φおよびθを参照することにより定義され、ここでρは座標系中の点の半径(原点への距離)であり、φは前記点を含む試料面に垂直な面から試料表面に垂直な基準面への角度であり、θは法線から前記点と原点とを結ぶ線の試料表面への角度(法線への入射角)である。
【0077】
図11Aに関しては、偏光子1102が、φP の平面により定義される偏光平面を有し、それによって偏光子から出てビーム分割1045により反射された試料ビーム1046もこの偏光を有すると仮定している。ビーム1046が最初に鏡1040aにより、次に試料1003の上にビームを集束する鏡1040bにより反射される場合、試料1003上に集束されたビームは、図11A、図11bに示されるように、種々の入射面に到着する。図11Bでは、ビーム1046の偏光面φP は1103で示される。
【0078】
上記の説明から、ビーム分割鏡1045は、偏光されたビームの約半分を屈曲して試料ビーム1046とし、ビームの残り半分を基準ビーム1048として通す。この理由のため、図11Bの照明アパーチャ(斜線領域1106)は、ほぼ半円形となって現れる。従って、対物レンズ1040によって試料1003上に集束された放射は、半円形領域に広がる入射面で試料上に入射する。前記領域における角度φの1つの値で1つの入射面でウェハ上に入射する放射は、その領域における別の角度φを有する入射面の放射とは異なるs−およびp−偏光を有する。種々の入射面の放射のs−およびp−偏光は、定義により、種々の方位を有し、それにより1つの入射面における入射放射の偏光状態は、別の入射面における放射のそれとは異なる。従って、試料1003に入射する放射は、φの関数として多数すなわち複数の偏光状態を有する。
【0079】
試料1003上に集束されるビームは、以下で説明されるように、試料ビーム1046と比べ、対物レンズ1040a、1040bの組合せ反射係数に応じて強度が減少する。試料ビーム1046から出て、対物レンズ1040によって試料上に集束される放射は試料により反射され、それにより再度強度が減少し、試料の反射係数の関数として各偏光成分の位相が変わる。そのような放射は、対物レンズ1040により反射され、ビーム分割1045および解析器1104を通り分光器へ送られる。好ましい実施態様においては、放射を試料上に集束するために用いられる同じ対物レンズを、解析器および分光器へ向けて反射された放射を集めるためにも用いることができる一方で、これは必要とされず、かつ別の集光対物レンズを集束対物レンズに加えて用いることができ、そのようなおよび他の変更形態は親出願の発明および本出願の範囲に入ることが理解できるであろう。
【0080】
図11Bの座標(ρ,φ)を有する点1105から半円形照明アパーチャへ、試料表面上の原点に向かって方向φP に沿って偏光して入射する放射を考える。この点における電場は、次のように、図11A、図11Bに示されるs−およびp−偏光に分解できる。

式中、Einは偏光子1102による偏光後のビーム1046中の放射の電場、E0 はその振幅、Es in、Ep inはs−およびp−偏光に沿った放射の成分である。放射が対物レンズを出た後は、以下のようになる。

式中、Eout は試料1003による反射後のビーム1046中の放射の電場、Es out 、Ep out s−およびp−偏光に沿った成分、さらにrs s (ro s )およびrs p (ro p )は試料(対物レンズ)についてのs−およびp−偏光についての反射係数である。対物レンズについての反射係数は、図11Aに示されるような2つの鏡の反射係数の積、すなわちro s =ro1so2s およびro p =ro1po2p である。φa の偏光面を有する解析器通過後、分光計における電界は、pa に沿って以下のように得られるであろう。

検出器電流は以下のように表現できる。

もし偏光子1102が省略されれば、半円形アパーチャについての検出器電流は以下のようになる。

式(16)において、Ro s 、Rs s 、Ro p 、Rs p はそれぞれ|ro s2 、|rs s2 、|ro p2 、|rs p2 として定義される。ro s 、rs s 、ro p およびrs p が入射角の関数、すなわちρの関数であることは銘記しておかなければならない。図9〜図11Bに示されるように偏光子1102が所定位置にある場合には、分光器における強度が試料および対物レンズのs−およびp−反射率の関数ならびにΔo 、Δs の関数である場合に一般式を導くことができ、Δo 、Δs は式、

(式中、rs p 、rs s はp−およびs−偏光における放射の試料表面の複合反射係数であり、ro p 、ro s はp−およびs−偏光における放射の対物レンズの複合反射係数である)で定義され、式中、Ψo 、Ψs 、Δo およびΔs もエリプソメトリックパラメータである。従って、システム1008は偏光感受性である。
【0081】
以下にはいくつかの特殊なケースが示してある。
A.φ0 =π

システムがΔにおける変化に対し感受性を有するには、2(φp −φa )=mπである。もしφp =φa'であれば下記のようになる。

B.φ0 =π/2

もしφp =φa =π/2であれば下記のようになる。

【0082】
上記の解析から、式(18)および(20)の第3項の余弦係数cos(Δo +Δs )は、偏光子および解析器角度が同じである場合に、すなわち偏光子1102および解析器1104が実質的に同じ偏光面を有するときに最大になる。換言すれば、図12に示すように、偏光子および解析器の双方として作動するように、単独の偏光子を使用できる。図12に示すように、偏光子1116を用いて、偏光子1102および解析器1104に代えることができる。フォトダイオードアレイの試料チャネルは式(19)に比例する。この構成において、偏光子は1つだけ必要で、偏光子および解析器は自己整列される。さらに別の選択肢として、もし分割器1045が偏光ビームスプリッタであれば、偏光子1102および解析器1104はすべて省き得る。膜厚検出感度を高めるため、点線で示した波長板または他のリターダ要素1190を、図9のビーム分割器1045と解析器1104との間に挿入して、式(18)、(20)の第3項の余弦係数cos(Δo +Δs )の独立変数に位相のずれを導入することができる。好ましくは、解析および拡散に先がけて要素190により引き起こされる集められた放射中の位相のずれは、約π/4である。鏡1040a、1040bの鏡面コーティング厚さも、薄膜厚さ検出における感度を向上させるために選択することができ、それにより鏡1040a、1040bによって集束かつ集められた放射における位相中の総変化は約π/2である。これにより、次に式(18)、(20)の第3項中の余弦係数cos(Δo +Δs )の独立変数中でΔo がπ/2になり、それによってこれらの式中の余弦項が正弦項に変換する。
【0083】
アレイ1072における検出器電流について測定された偏光解析スペクトルは、試料1003についての有用な情報を導出するために用い得る。例えば、試料1003上の多くの異なる層の材料タイプが既知で、それによりそれらの屈折率が推定できるのであれば、そのような検出器電流は、層の厚さおよび正確な屈折率を導出するのに十分なものであり得る。そのような導出のための方法は当業者には公知であり、ここで詳細に論じる必要はない。代わりに、検出器信号は、膜厚および屈折率を導出するために偏光解析測定と組み合わせることができる。偏光解析システムにおいて検出用に広帯域放射を使うことは有利である。なぜならば、多くの異なる波長でデータ点を得ることができるからである。データ点がそのように豊富にあることは、試料上の複数層の厚さと屈折率を求めるのに非常に有用であり、より正確な曲線当てはめアルゴリズムの適用または測定精度を照合することが可能になり得る。
【0084】
システム1008は、試料表面の他のパラメータの検出にも用い得る。図、特に図11A、図11Bに関連する上記式および説明から、フォトダイオードアレイ1072の分光計により検出された反射スペクトルはΔに関する情報を用いており、これは、偏光解析パラメータで、偏光解析において一般的に使用され、試料表面における膜厚および屈折率と関連している。従って、試料表面の一定の側面が既知であれば、そのような既知の側面を、システム1008により測定した偏光解析パラメータ関連情報と組合せて、膜厚や屈折率などの試料についての有用な情報を導出し得る。
【0085】
好ましい実施態様においては、フォトダイオードアレイ1072から得られたスペクトルは、偏光解析パラメータを導出するために、フォトダイオードアレイ1074からの基準スペクトルと比較され、それにより、信号対雑音比が改善される。しかしながら、いくつかの用途については、そのような偏光解析パラメータは、基準スペクトルを使用することなく、反射スペクトルだけから導出し得る。そのような用途については、基準ビーム1048は必要とされず、ビーム1048の発生に伴うすべての成分および基準スペクトルを図9および図10において省略し得る。そのようなおよび他の変化は、親出願および本出願の発明の範囲内にある。
【0086】
図9の組合せ計測器の分光エリプソメータ1300を説明する。図9に示すように、キセノンアークランプ1010から出て、フォーカス1018、1020を通った放射の一部が、ビームスプリッタ1302によって光ファイバケーブル1304へ方向転換され、このファイバが放射をコリメータ1306へ供給する。平行にされた後、ビームは偏光子1310により偏光され、集束鏡1312によりウェハ1003に集束される。そのようなビームの反射は収集鏡1314により集められ、折り曲げ鏡1316によって反射され、検出のために分光計1322および検出器1324に供給される前に解析器1320を通される。偏光子1310および解析器1320は、ウェハ1003での反射によって引き起こされたビーム1308の偏光状態における変化の振幅および位相が測定できるように、相互に回転される。分光エリプソメータ1300の操作のより詳細な説明については、米国特許第5,608,526号(特許文献2)を参照されたい。
【0087】
薄膜層を有する試料を測定するには、図9に示すように、偏光解析パラメータ測定用システム1008および分光エリプソメータ1300を含む組合せ計測器を用いることが望ましいことがある。システム1008および分光エリプソメータ1300は、試料ビーム1046および試料ビーム1308がウェハ1003上の実質的に同じスポットに集束されるように配置される。システム1008により測定された偏光解析パラメータは次に、膜厚や膜屈折率などの有用な情報を導出するために、システム1300により測定されたエリプソメトリックパラメータと組み合わせることができる。システム1008により得られた偏光解析パラメータおよびシステム1300を用いて得られたエリプソメトリックパラメータは、「"ANALYSIS OF SEMICONDUCTOR SURFACES WITH VERY THIN NATIVE OXIDE LAYERS BY COMBINED IMMERSION AND MULTIPLE ANGLE OF INCIDENCE ELLIPSOMETRY", Ivan OHLIDAL and Frantisek LUKES," Applied Surface Science 35 (1988-89) 259-273, North Holland, Amsterdam 」(非特許文献1)に記載されるような技術と組み合わせることができる。
【0088】
いくつかの分光エリプソメータのスペクトル範囲がたとえ、約157nmのような深UVにまで拡がっていなくても、組合せ計測器を用いることにより、そのような波長における屈折率を正確に測定することが可能である。従って、組合せ計測器は、分光エリプソメータと偏光計システム1008の組合せスペクトルにわたり屈折率を測定するために用い得る。組合せ計測器、ならびにシステム1008および分光エリプソメータ双方からのデータを使うことにより、分光エリプソメータのスペクトル中の波長において試料の種々の膜の厚さおよび屈折率を見出し得る。この厚さ情報は、組合せ計測器からのデータと共に用いて、深紫外部領域における膜の屈折率を見出し得る。アレイ1072、1074中の検出器の数および分光計1322中の検出器1324は、所望の波長で最適な結果でデータを得るために選択し得る。
【0089】
代わりの実施態様においては、試料ビーム1046、1308は、ウェハ1003上の同じスポットに集束する必要がない。ウェハ1003は回転または直線的平行移動、あるいはこの2つの運動の組合せにより、従来のやり方で移動することができ、それにより、システム1008により測定されたスポットは続いてシステム1300により測定され、その逆もまた同様であり、さらに同じスポットを測定するこれら2つのシステムにより得られたデータは上記と同じやり方で組み合わせることができる。回転および平行移動の運動は制御されるので、2つのシステム1008、1300により測定されているスポットの相対的な位置は相関させ得る。
【0090】
好ましくは、説明したように分光エリプソメータは偏光解析システム1008と組み合わされる一方、システム1008を単一波長エリプソメータと組み合わせることも可能である。この目的のためには、図9の配置は、鏡1321と検出器1324との間の、分光計1322の光学パス中の回折格子を取り去ることによって若干修正する必要がある。偏光解析スペクトル中の波長を有するレーザが、単一波長エリプソメータ用放射源として用い得る。単一波長エリプソメータおよびシステム1008によって測定を行なうことにより、偏光解析スペクトルにわたる波長での膜厚および屈折率を導出することがそれでも可能である。
【0091】
図9〜13Bを参照しての上記説明は、本質的に親出願から取られたものである。
【0092】
図9のエリプソメータ1300が自己較正するためには、このエリプソメータを図1、図3、および図7C〜図7Hのスキーマのいずれか1つに従って修正し、エリプソメータのパラメータならびに試料特性を決定するのに十分な情報を提供するために5以上の高調波を提供するようにする必要がある。言い換えると、偏光子1310は、回転偏光子206および固定偏光子214の一方または双方を含む組合せのいずれか1つで置き換えることができ、さらに解析器1320は、図7C〜図7Hに示される固定解析器226および回転解析器212の一方または双方の組合せで置き換えることができる。代わりに、エリプソメータ1300は、偏光子1310と試料との間の放射のパスおよび/または試料と解析器1320との間のパスに位相変調器(位相リターダなど)を挿入することによって変更できる。
【0093】
エリプソメータ1300の様々なシステムパラメータならびに試料1003のエリプソメトリックパラメータを導出するために上で説明したやり方と同じやり方で、分光計1322の出力はプロセッサ(図示しないが、機能においてはプロセッサ30と同様である)により処理され、それによりエリプソメータ1300は上述したすべての付随する利点を備える自己較正機能を有するようになる。エリプソメータ1300の自己較正機能の特徴は、図9の偏光計1008などの、これと共に用いられる他のいずれか光学計測器に有利に適用できる。1つの実施態様において、計測器1008、1300の双方は同じ試料1003の測定に使用でき、双方の計測器の出力は、試料特性ならびに試料1003の測定をより正確なものにするためのエリプソメータ1300のパラメータを導出するために用い得る。別の実施態様においては、自己較正型エリプソメータ1300は、以下で説明するように、偏光計1008の較正に用い得る。
【0094】
エリプソメータは、エリプソメータのハウジング内に比較的安定した環境中に保持された内部標準試料を一般的に備えている。別の実施態様においては、エリプソメータ1300のようなエリプソメータのそのような内部標準試料は、他の光学計測器の較正用の標準を提供するために使用できる。従って、もし試料1003がエリプソメータ1300の内部標準試料であれば、膜厚や屈折率などの試料特性は、上述のような自己較正エリプソメータ1300によって正確に測定でき、さらにそのような標準試料は較正基準を、偏光計1008などの他の光学計測器に提供できる。エリプソメータ1300が自己較正式なので、その較正にはどのような外部較正基準も必要とされず、それによりユーザは、他の光学計測器用の較正基準を提供するために内部標準試料1003の特性が正確に測定されたと確信し得る。
【0095】
自己較正エリプソメータ1300を偏光計1008と組み合わせる代わりに、エリプソメータを、偏光子1002と解析器1004を偏光計1008から単に取り去ることによって分光反射率計と組合せ得る。明らかに、広帯域源の代わりに狭帯域放射源が用いられる場合、狭帯域反射率計をエリプソメータ1300と組合せ得る。代わりに、自己較正エリプソメータ1300を、別のエリプソメータ(単一波長または広帯域)またはどのような他のタイプの光学式試料計測器と組み合わせて使用できる。双方の計測器の出力は、試料特性ならびにエリプソメータ1300の特性、またはエリプソメータ1300と組み合わせた他の計測器の特性を導出するために、上記と本質的に同じやり方で用い得る。すべてのそのような組合せは本発明の範囲内にある。
【0096】
国際出願第PCT/US98/11562号(特許文献3)では、安定波長較正エリプソメータが、標準試料上の膜厚を正確に決定するために用いられる。この較正エリプソメータからの測定結果は、他の光学計測器を較正するために用いられる。しかしながら、安定波長較正エリプソメータが、標準試料上の膜厚を正確に決定することによって較正標準を提供するためには、エリプソメータの安定波長較正自体が正確に較正されなければならない。従って、安定波長較正エリプソメータの較正自体は、容易に利用可能またはそうでない他の較正基準に頼らなければならない。本発明の自己較正エリプソメータにはそのような欠点が全くない。このエリプソメータの様々なパラメータは、どのような事前の較正を行なうこともまたはどのような他の較正標準に頼ることもなく導出し得るので、上述の問題は回避される。
【0097】
表面粗さなどの特定の試料特性は、試料に適用された放射の偏光解消を引き起こすことがある。従って、試料により引き起こされた放射の偏光解消を測定することにより、表面粗さなどの試料表面特性を確認できる。表面粗さを求めるための偏光解消測定の例については、引用により本願に組み込まれる、「"Rotating-compensator multichannel ellipsometry for characterization of the evolution of nonuniformities in diamond thin-film growth," Joungchel Lee et al., Applied Physics Letters, Vol. 72, No. 8, February 23, 1998, pp. 900-902」(非特許文献2)を参照されたい。これは、膜厚情報および試料により引き起こされた放射の偏光解消を測定するエリプソメータ(自己較正式であるかどうかを問わず)によって実行できる。エリプソメータが、試料により引き起こされた放射の偏光状態の変化を測定するために用い得るので、膜厚情報ならびに試料により引き起こされた偏光解消は、偏光状態のそのような変化に関する十分な情報が提供されるのであれば、偏光解析測定から求めることができる。このことは通常、放射の偏光状態がある周波数で変調される場合、およびそのような変調周波数の5つ以上の高調波における信号成分をエリプソメータの出力が提供する場合に、試料により引き起こされた偏光解消を求めるのに十分な情報が提供されることを意味している。好ましくは、図1、図3および図7C〜図7Hの構成のいずれか1つの自己較正エリプソメータが測定を実行するために用い得る。好ましくは、エリプソメータ1300は、エリプソメータのパラメータ特性ならびに試料の膜厚および試料により引き起こされた偏光解消を導出するため、同じ測定出力中の十分な情報が提供されるようなものであり、いくつかの用途については、エリプソメータの構成は、好ましくは、エリプソメータ検出器出力が、変調周波数の5つ以上の高調波を含むようなものである。より多くの情報を提供するため、エリプソメータ1300が波長のあるスペクトルにわたって測定し、そのスペクトルにわたる種々の波長での出力を提供することも好ましいことがある。膜厚情報および試料により引き起こされた放射の偏光解消を測定するためにエリプソメータを使用する前に、最初にエリプソメータの内部標準試料によって自己較正手順を実行することも可能である。
【0098】
図9に示す組合せ計測器1300、1008は、試料により引き起こされた放射の偏光解消を測定するために使用でき、その場合、単一測定において、双方のシステム1008、1300の出力は、試料の膜厚情報、試料により引き起こされた放射の偏光解消ならびにエリプソメータ1300のパラメータを導出するために用いられる。このプロセスは、エリプソメータ1300の様々なシステムパラメータをプロセス中に含めることによる、上で引用したIvan OhlidalおよびFrantisek Lukesの論文中に記載される技術の単純な拡張である。そのようなプロセスは、現在の用途を勘案して当業者には公知であり、ここでは詳細に説明しない。好ましくは、エリプソメータ1300は、波長のあるスペクトルにわたって測定し、試料特性およびエリプソメータのシステムパラメータを導出するのに十分な情報を提供する。
【0099】
本発明を種々の実施態様を参照して上記で説明したきたが、本発明の範囲を逸脱することなく変更および修正が行なえることが理解されるであろうし、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ定義されるべきである。従って、上述の種々の計算およびアルゴリズムを実行するためにプロセッサが使用されるが、専用回路、個別部品の形で実装されたそのような計算用のプログラマブルロジックコントローラまたは集積回路などの他の回路を用い得ることおよびそれらは本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を測定するための方法であって、
放射のビームを提供する段階と、
成分の時間変化フラクションが前記試料に供給されるように、前記ビームを第1の回転偏光要素に通す段階と、
前記試料による変更後に、変調されたビームを提供するための回転する第2の回転偏光要素を用いて、前記ビームからの放射を変調する段階と、
前記変調されたビームからの放射を検出する段階と、
前記検出された放射から、前記試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータを導出する段階と、
からなる方法。
【請求項2】
試料を測定するための方法であって、
直線偏光された成分を有する放射のビームを提供し、かつ前記ビームからの放射を前記試料に供給する段階と、
前記試料により変調された前記ビームからの放射を検出する段階と、
前記試料による変更の前または後、ただし回転偏光要素を用いての検出前に、前記ビームからの放射を変調する段階と、
前記変調された放射を、その検出前に、固定直線偏光子に通す段階と、
前記検出された放射から、前記試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータを導出する段階と、
からなる方法。
【請求項3】
試料を測定するための器具であって、
放射のビームを提供する源と、
成分の時間変化フラクションが前記試料に供給されるように、前記ビーム中の放射を変調する第1の回転偏光要素と、
前記試料による変調後に、変調されたビームを提供するため、前記ビームからの放射を変調する第2の回転偏光要素と、
前記変調されたビームからの放射を検出する検出器と、
前記検出された放射から、前記試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータを導出する手段と、
を含む器具。
【請求項4】
試料を測定するための器具であって、
直線偏光された成分を有する放射のビームを提供する源と、
前記試料により変調された前記ビームからの放射を検出する検出器と、
前記試料による変更の前または後、ただし回転偏光要素を用いての検出前に、前記ビーム中の放射を変調する回転偏光要素と、
前記要素および前記試料により変調された放射を、前記検出器による検出前に、偏光する固定直線偏光子と、
前記検出された放射から、前記試料の1つ以上のエリプソメトリックパラメータを導出する手段と、
を含む器具。
【請求項5】
試料を測定するための器具であって、
放射のビームを提供する源と、
前記ビームからの放射を前記試料へ印加する手段と、
前記試料により変更された前記ビームからの放射を検出する検出器と、
放射の前記ビームを、その検出の前に、変調する変調装置と、
前記装置による変調後に放射の前記ビームの一部を、前記試料の傾きまたは高さを感知するための位置感知検出器へ方向転換する手段と、
を含む器具。
【請求項6】
試料を測定するための器具であって、
放射のビームを提供する源と、
前記ビームからの放射を前記試料へ、前記試料への垂直方向から離れた方向で集束するための円柱対物レンズを含む手段と、
前記試料により変更された前記ビームからの放射を検出する検出器と、
放射の前記ビームを、その検出の前に、変調する変調装置と、
前記検出された放射から、前記試料の反射率または1つ以上のエリプソメトリックパラメータを導出する手段と、
を含む器具。
【請求項7】
試料を測定するための方法であって、
第1の信号を提供するため、エリプソメータにより前記試料を測定する段階と、
第2の信号を提供するため、光学式計測器により前記試料を測定する段階と、
測定精度を高めるため、前記第1および第2の信号中の情報から、前記試料の1つ以上のパラメータおよび前記エリプソメータの1つ以上のパラメータを導出する段階と、
からなる方法。
【請求項8】
試料を測定するための方法であって、
第1の信号を提供するため、エリプソメータにより前記試料を測定する段階と、
第2の信号を提供するため、光学式計測器により前記試料を測定する段階と、
前記第1および第2の信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報を導出する段階と、
からなる方法。
【請求項9】
試料を測定するための方法であって、
第1の信号を提供するため、エリプソメータにより前記試料を測定する段階と、
測定精度を高めるため、前記第1の信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報と、前記エリプソメータの1つ以上のパラメータとを導出する段階と、
からなる方法。
【請求項10】
試料を測定するための器具であって、
第1の信号を提供するため、前記試料を測定するエリプソメータと、
第2の信号を提供するため、前記試料を測定する光学式計測器と、
測定精度を高めるため、前記第1および第2の信号中の情報から、前記試料の1つ以上のパラメータおよび前記エリプソメータの1つ以上のパラメータを導出する手段と、
を含む器具。
【請求項11】
試料を測定するための器具であって、
第1の信号を提供するため、前記試料を測定するエリプソメータと、
第2の信号を提供するため、前記試料を測定する光学式計測器と、
前記第1および第2の信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報を導出する手段と、
を含む器具。
【請求項12】
試料を測定するための器具であって、
第1の信号を提供するため、前記試料を測定するエリプソメータと、
測定精度を高めるため、前記第1の信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報と、前記エリプソメータの1つ以上のパラメータを導出する手段と、
を含む器具。
【請求項13】
試料を測定するための方法であって、
前記試料をエリプソメータにより測定する段階であって、前記エリプソメータは前記試料へ放射を供給しかつ前記試料による変更後に前記放射を検出して第1の信号を提供し、前記測定段階は前記試料へある周波数で供給された放射を変調する段階を含み、前記第1の信号が前記周波数の5つ以上の高調波での成分を含む段階と、
前記第1の信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報を導出する段階と、
からなる方法。
【請求項14】
試料を測定するための器具であって、
出力信号を提供するため、前記試料を測定するエリプソメータと、
前記信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消に関する情報を導出する手段と、を含み、前記エリプソメータは少なくとも1つの回転偏光子を含む器具。
【請求項15】
試料を測定するための器具であって、
出力信号を提供するため、前記試料を測定するエリプソメータと、
前記信号から、前記試料の膜厚および前記試料により引き起こされた偏光解消を導出するための手段と、を含み、前記エリプソメータは、
偏光された成分を有する放射を前記試料へ第1の光学パス中に供給する源と、
前記偏光された成分の位相を変調する、前記第1の光学パス中の第1の位相変調器と、
第2の光学パスに沿って放射を検出する検出器であって、前記検出器により検出された放射が前記源により供給されかつ前記試料により変更される検出器と、
前記偏光された成分の位相を変調する、前記第2の光学パス中の第2の位相変調器と、
を含む器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2011−191311(P2011−191311A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104901(P2011−104901)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【分割の表示】特願2000−614020(P2000−614020)の分割
【原出願日】平成12年4月21日(2000.4.21)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】