自然風合の集成板材の製造方法及び自然風合の集成板材
【課題】桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から得られた板材の木目の色合や風合を有する自然風合の集成板材を得る方法を開発する。
【解決手段】人工林にて循環生産が可能な木材の小ブロックを着色剤の溶液に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で取り出し、柾目を揃えて接着して集成板材となし、冬目が濃く、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得る自然風合の集成板材の製造方法及び自然風合の集成板材を提供する。
【解決手段】人工林にて循環生産が可能な木材の小ブロックを着色剤の溶液に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で取り出し、柾目を揃えて接着して集成板材となし、冬目が濃く、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得る自然風合の集成板材の製造方法及び自然風合の集成板材を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の板材を製造する自然風合の板材の製造方法及び該方法にて製造された自然風合の板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材は、高級感があり人気がある一方、これらの樹木は成長に時間がかかり、植林による供給ができないので、市場に供される機会が近年ますます減少し、これらの樹種の大径木による板材は、すでに一般的な建築や家具製造に用いられなくなって久しい。また、屋久島の屋久杉や白神山地のブナ、あるいは台湾の台桧等はユネスコの世界遺産に指定されたり、国家によって伐採が禁止されたりして、建築や家具の用材として用いるのは不可能な状況にある。
【0003】
しかしながら、屋久杉や白神山地のブナ、あるいは台湾の台桧等は困難としても、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材が醸し出す高級感を求める需要は根強く、これに応えるために様々な工夫がなされてきた。例えば、上記樹種の大径木の木目を印刷によって再現して家具や建築に貼り付ける等の方法は、極めて安易であるがよく行われてきた。しかし、印刷では誰が見ても見劣りがするので、最近ではこの方法はあまり用いられなくなっている。
【0004】
また、比較的安価で成長が早く、植林にて十分に供給可能な樹種を製材して、例えば黒檀に似せるというのなら黒色の顔料あるいは染料で着色するという試みも行われてきた。しかし、従来の方法では、製材された板材全体が均一に黒色に着色されてしまい、黒檀の持つ風味とは程遠い、単なる黒い板材を得ることができるだけであった。この状況は、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等に似せた板材を得る方法でも同様で、やはり本物とは程遠い、単なる色の付いた板材を得ることができるだけであった。
【0005】
すなわち、従来の方法は、できるかぎり色ムラのない着色方法を希求することにその主眼が置かれていたので、結果として、天然大径木の有する風合いとは程遠い結果しか導出できなかったといって良い。できるかぎり色ムラのない均一な着色方法に関する発明の一例として、下記特許文献1に記載の方法を紹介する。また、下記特許文献2には、印刷によって木目を付加する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001‐1308号公報
【特許文献2】特開2004−52492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明においては、叙上のような状況に鑑み、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の集成板材を製造する自然風合の集成板材の製造方法の開発及び該方法によって自然風合の集成板材を得ることを目的とし、この目的を達成するために、次の2つの課題を設定した。
<課題1>
桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材は、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等のように大径木となるものが少ない。したがって、小径木からでも恰も大径木から採ったかのような木目の整合性を有する幅の広い板材を得る方法を開発する。
<課題2>
桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から採られた板材を着色する際に、できる限り黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の大径木から得られた板材の木目の色合や風合に近づくような着色方法を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下に示す解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段2>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段3>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段4>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段5>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段6>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段7>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段8>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段9>
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする解決手段1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段10>
解決手段1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【発明の効果】
【0008】
本発明の、解決手段1の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0009】
本発明の、解決手段2の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0010】
本発明の、解決手段3の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0011】
本発明の、解決手段4の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0012】
本発明の、解決手段5の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0013】
本発明の、解決手段6の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0014】
本発明の、解決手段7の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。なお、この方法にて得られた集成板材をさらにスライス又は製材して、比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を得ることも当然可能である。
【0015】
本発明の、解決手段8の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。なお、この方法にて得られた集成板材をさらにスライス又は製材して、比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を得ることも当然可能である。
【0016】
本発明の、解決手段9の発明は、着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする解決手段1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の不燃性の高い集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0017】
本発明の、解決手段10の発明は、解決手段1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材であり、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能であるので、希少価値のある天然大径木の伐採を極力減らして、自然環境の保護にも役立ち、しかも希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の集成板材を極めて安価に提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1は解決手段1の発明の1実施例であり、実施例2は解決手段2の発明の1実施例であり、実施例3は解決手段3の発明の1実施例であり、実施例4は解決手段4の発明の1実施例であり、実施例5は解決手段5の発明の1実施例であり、実施例6は解決手段6の発明の1実施例であり、実施例7は解決手段7の発明の1実施例であり、実施例8は解決手段8の発明の1実施例であり、実施例9は解決手段9の発明の1実施例である。
【実施例1】
【0019】
図1に示すように、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18を得る。次に、木材ブロック11〜18を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された木材ブロック11〜18を乾燥させて、図2に見るように、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の木材ブロック11〜18を得る。
【0020】
冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観の状態を詳細に示すと、例えば図15に拡大図示するような状態で、図15の木材ブロック10の外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、図15にて符号wで示すのが冬目であり、符号sで示すのが夏目である。
【0021】
これらの複数個の木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1(図6参照)を得る。この際、集成板材1の厚さD11を40mmを越える厚さとする場合には、集成板材1を構成する木材ブロック11〜18の夫々の上面の幅d11〜d18の上限は40mm以下とする。その理由は、集成板材1の厚さD11が40mmを越えた場合に、木材ブロック11〜18の幅d11〜d18に40mmを越えるものを用いると、現在の技術では着色の段階で着色剤の含浸が充分に行われず、結局集成板材1の上面に未着色の部分が残ることになるからである。しかしながら、将来的に、着色剤の含浸の際の圧力や温度の調節、あるいは着色剤や溶剤の成分検討等により、40mmを越えても着色剤の含浸が充分に行われるような技術開発が行われ得る展望は十分にあるので、上記の限定は現状の技術に関する限りのものである。すなわち、将来的には集成板材1の厚さD11と木材ブロック11〜18の幅d11〜d18が共に40mmを越えるものを使用できる可能性は十分にある。なお、集成板材1の厚さD11の下限は木材ブロック11〜18の製材(あるいはスライス)可能限界の0.2mm程度となるが、木材ブロック11〜18の段階で側面同士を接着させることを考えれば、厚さD11は最低3〜5mm程度は必要である。なお、D12は集成板材1の幅を表し、幅D12は幅d11〜d18の合計となる。また、D13は集成板材1の長さを表す。
【0022】
このようにして、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1(図6参照)が得られるものであるが、木材ブロック11〜18に着色する際に、着色剤に黒色系統の顔料や染料を用いれば、集成板材1は黒檀等の黒色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となり、着色剤に赤色系統の顔料や染料を用いれば、紫檀等の赤色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となり、着色剤に茶色系統の顔料や染料を用いれば、チーク等の茶色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となる。このようにして顔料や染料の色味を調節することにより、様々な天然大径木の風合が再現可能となる。
【0023】
すなわち、冬目wと夏目s(図15参照)に着色剤である顔料や染料が滲透する速度が異なるので、この滲透速度の差を利用し、冬目wが完全に着色され、夏目sはまだ完全に着色されていない状態にて着色剤の溶液から取り出し、乾燥させるのである。なお、乾燥はどのような方法でも良いが、通常は集成材板材1をスポンジローラー(図示せず)にて挟着して余分な着色剤を絞り出した後、自然乾燥又は熱風乾燥を行う。
【0024】
なお、ゴム等のある程度色味の強い木材を原料として、メープル等の白色系の天然大径木の風合を再現する場合には、木材ブロック11〜18に着色する前に、木材ブロック11〜18を脱色剤の溶液に浸漬して脱色し、乾燥させる。しかるのち、メープルの淡い黄味がかった白色を再現できるような色彩の着色剤(僅かに黄味がかった色)を用いて着色する。すなわち、原材料として用いる木材の色が、目標とする天然大径木の色より濃い場合には、着色の前に脱色のステップを挿入するものである。この点は、後に述べる他の実施例にてもすべて共通である。
【0025】
一例として、桐材を原材料として、黒檀に似た風合いの集成板材を作る工程を具体的に述べる。まず、桐材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18(図1参照)とし、次に、これらの複数個の木材ブロック11〜18を、耐圧容器(図示せず)に入れ、耐圧容器内を減圧して略真空状態とし、この状態で約5時間保持した後、耐圧容器内に着色剤の溶液(図示せず)を注入して、集成板材1の全体が着色剤の溶液に浸漬される状態とした。着色剤の溶液は、黒色顔料を3〜5重量%含有する水溶液であるが黒色染料を用いることも無論可能である。また、顔料や染料の種類によって、溶剤は水以外にメチルアルコール、アセトン等の各種溶剤を用いることができ、さらに、色の固定剤としてフェノール、カゼイン、ウレタン等を添加することも可能である。また、耐圧容器内を減圧する理由は、集成板材1に含有されている水分を脱抜するという目的である。水分が多く残留していると顔料や染料の滲透性が悪くなるので、着色の前段階として、このような処置を行うことは広く知られている。
【0026】
着色剤の溶液を注入後、耐圧容器内を常圧(1気圧)に戻し、さらに7気圧にまで加圧して5時間保持した後、耐圧容器内を再び常圧(1気圧)に戻し、木材ブロック11〜18を取り出した。取り出した木材ブロック11〜18はスポンジローラー(図示せず)に挟着して余分な水分を搾り出した後、自然乾燥にて乾燥し、含水率を15重量%以下とした。そして、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、厚さ(D11)100mm、幅(D12)320mm、長さ(D13)1000mmの集成板材1(図6参照)とした。
【0027】
その結果、黒檀の大径木から得られる板材と風合の酷似した集成板材1を得ることができた。すなわち、冬目wには完全に顔料が滲透して冬目wは略黒色となり、夏目sは部分的に薄墨色に着色された状態であり、このような風合は、まさに黒檀の大径木から得られる板材の風合そのものである(着色状態の詳細は図15参照)。なお、ここでいう風合とは、全体の色味や木目の形状、また冬目wと夏目sの着色状況の差などを総合的に捕らえた外観の状態をいうものである。
【0028】
なお、着色のステップにて着色剤の溶液を注入後に加圧する理由は、木材ブロック11〜18への顔料あるいは染料の滲透を促進させるためである。この際、上記のように常温で滲透させる場合と加熱状態で滲透させる場合とでは、着色に要する時間が変わってくる。このように、加圧したり加熱したりして顔料あるいは染料の滲透を促進させることも、広く行われている方法である。
【0029】
この際、着色剤の溶液への含浸を過度に行うと、冬目wも夏目sも完全に着色が行われ、図16に示す木材ブロック100のような状態となってしまう。材質に色味のある樹種であっても、図16のように冬目wにも夏目sにも全く区別がなく色が付いている樹種は自然界には存在しないので、このような状態になると、自然の風合からは程遠い印象の集成板材100が得られることになる。しかしながら、従来は、木材への着色といえばこのような状態、つまり冬目wも夏目sも完全に着色が行われた状態が完成状態であるという認識が通常であった。
【0030】
しかるに、実施例1の方法においては、冬目が濃く、夏目が淡く着色されるので、この着色状態の差が、恰も天然の大径木の木目の如き風合を生み、専門家でも遠目にはわからないくらいの外観的類似を齎すものである。しかも、集成板材1は木材ブロック11〜18により構成されているものであるが、もともとの木材ブロック11〜18が同一の樹の隣接部位から採られたものとは限らず、樹種は同じでも個体は様々で採取部位もばらばらになるのが通常であるので、木材ブロック11〜18の着色状態は、たとえ同時に着色したとしても一定にならず、微妙な相違を見せる。そして、この微妙な相違(いわば染めムラ)が人間の目には一層自然らしく映ずる。
【0031】
すなわち、木材ブロックを合成して集成材とし、それを着色するのは、一つには小径木から恰も大径木から採ったかのような幅の広い板材を得るという目的もあるが、また、個々の木材ブロックのばらつきが着色後の自然らしさを強調するという効果も齎すのである。そして、この点は、以下に述べる実施例2〜9にても同様である。
【実施例2】
【0032】
図3に示すように、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック21〜27を得る。次に、木材ブロック21〜27を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された木材ブロック21〜27を乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の木材ブロック21〜27を得る(図4参照)。
【0033】
次に、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、集成板材2(図8参照)を得る。この際、板目が上面に現れている木材ブロック21を略中央に位置させると、集成板材2の上面に現れた木目は全体が自然な板目として視認され易い。集成板材2の風合いは、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材2の外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。
【0034】
なお、集成板材2の厚さD21を40mmを越える厚さとする場合には、集成板材2を構成する木材ブロック21〜27の夫々の上面の幅d21〜d27の上限は40mm以下とする。その理由は、実施例1における木材ブロック11〜18の幅d11〜d18の数値限定と同様である。なお、図8のように木材ブロック21の幅d21をある程度広めにすれば、集成板材2の上面はより自然らしい板目に見える。
【0035】
なお、集成板材2の厚さD21の下限は木材ブロック21〜27の製材(あるいはスライス)可能限界の0.2mm程度となるが、木材ブロック21〜27の段階で側面同士を接着させることを考えれば、厚さD21は最低3〜5mm程度は必要である。なお、D22は集成板材2の幅を表し、幅D22は幅d21〜d27の合計となる。また、D23は集成板材2の長さを表す。
【実施例3】
【0036】
実施例1にて得られた自然風合の集成板材1を、図9に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)柾目の単板の集成板材1aを得る。集成板材1aは、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材である。このようにして、スライス又は製材を繰り返せば、集成板材1aと同様の風合の複数枚の柾目の単板の板材を得ることができる。スライス又は製材は、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観が保持可能な限り連続可能である。なお、スライスと製材においては、当然必要乾燥程度が異なってくる(一般に、製材においては内部まで乾燥していることが好ましいが、スライスにおいては全体が湿っていることが好ましい)が、この点は当業者には公知の事実であり、本発明の要部でもないので詳述はしない。
【実施例4】
【0037】
実施例2にて得られた自然風合の集成板材2を、図10に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)全体が板目に見える単板の集成板材2aを得る。集成板材2aは、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材である。このようにして、スライスを繰り返せば、板材2aと同様の風合の全体が板目に見える複数枚の単板の集成板材を得ることができる。スライス又は製材は、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観が保持可能な限り連続可能である。
【実施例5】
【0038】
実施例1にて、図1に示す木材ブロック11〜18を得た段階で、木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、未着色の集成板材1を得る(図5参照)。次に、この未着色の集成板材1を図11に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)柾目の単板の集成板材1aを得る。さらに、集成板材1aを溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された集成板材1aを乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1aを得る。この際の集成板材1aの風合は、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材1aの外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、集成板材1を構成する木材ブロック11〜18の幅d11〜d18及び集成板材1の厚さD11に関する数値限定は実施例1と同様である。
【0039】
一例として、桐材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18(図1参照)とした。次に、これらの複数個の木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、集成板材1(図5参照)を得た。集成板材1の寸法は、厚さD11が100mm、幅D12が320mm、長さD13は1000mm、とした。さらにこの集成板材1を図11に示すように上面に平行にスライスして、厚さ0.5mm、幅320mm、長さ1000mmの単板の集成板材1aを得た。
【0040】
次に、この集成板材1aを黒色顔料を3〜5%含有した着色剤の溶液(図示せず)に約7分間浸漬した後、着色剤の溶液から取り出し、スポンジローラー(図示せず)に挟着して余分な水分を搾り出した後、自然乾燥にて乾燥し、含水率を15重量%以下とした。その結果、黒檀の大径木から得られる板材と風合の酷似した単板の集成板材1aを得ることができた。なお、全工程を、常圧(1気圧)常温(20℃)にて行った。
【実施例6】
【0041】
実施例2にて、図3に示す木材ブロック21〜27を得た段階で、木材ブロック21〜27を、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、未着色の集成板材2を得る(図7参照)。次に、この未着色の集成板材2を図12に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)全体が板目に見える単板の集成板材2aを得る。さらに、集成板材2aを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された集成板材2aを乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材2aを得る。この際の集成板材2aの風合は、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材2aの外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、集成板材2を構成する木材ブロック21〜27の幅d21〜d27及び集成板材2の厚さD21に関する数値限定は実施例2と同様である。
【実施例7】
【0042】
実施例1にて、図1に示す木材ブロック11〜18を得た段階で、木材ブロック11〜18を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた段階で着色剤の溶液から取り出し、乾燥させる。しかる後、木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた集成板材1を得る。次に、この集成板材1の上面を図13に見るように上面に平行に剥離して表面の集成板材1bを除去する。すると、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるので、さらにスライス又は製材して冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の単板の集成板材1cを得る。
【0043】
仮に、集成板材1cの木目も冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であれば、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるまでさらにスライスを続ける。なお、集成板材1cは、両側面と両木口の木目においては冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であるので、この部分を除去することにより、全体が冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観となる。
【実施例8】
【0044】
実施例2にて、図3に示す木材ブロック21〜27を得た段階で、木材ブロック21〜27を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた段階で着色剤の溶液から取り出し、乾燥させる。しかる後、木材ブロック21〜27を、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた集成板材2を得る。次に、この集成板材2の上面を図14に見るように上面に平行に剥離して表面の集成板材2bを除去する。すると、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるので、さらにスライス又は製材して冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の単板の集成板材2cを得る。
【0045】
仮に、集成板材2cの木目も冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であれば、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるまでさらに剥離を続ける。なお、集成板材2cは、両側面と両木口の木目においては冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であるので、この部分を除去することにより、全体が冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観となる。
【実施例9】
【0046】
実施例1〜8の自然風合の集成板材の製造方法において、着色剤に、不燃材としてホウ酸あるいは無機リン酸等を配合し、難燃性の自然風合の集成板材1、2、1a、1c、2a、2cを得た。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の集成板材を製造する自然風合の集成板材の製造方法及び該方法にて製造された自然風合の集成板材に関するものであるので、地球環境保護及び資源保護に寄与しつつ、高級感のある天然大径木の味わいを持った集成板材を使用することができる。したがって、建築や建具、家具の分野から日用品や玩具の分野に至るまで、多方面にわたって応用でき、様々な展開が可能となる。
【0048】
なお、本発明の解決手段1〜4、7〜10においては、最初に長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップがあり、それらの木材ブロックを集成する前に個々に着色を施していたが、この順序を逆転して、まず木材ブロックを集成して集成板材となし、それからその集成板材全体を着色剤の溶液に浸漬して着色するという方法も無論有り得るものである。ただし、この場合には、集成板材を着色剤の溶液に浸漬するための圧力調節容器として大規模なものが必要となることも想定される。したがって、この方法は、産業上の利用可能性に応じて、適宜採り得る方法であるといえる。なお、解決手段5,6の方法においては、着色前に集成板材を得て、それをスライスあるいは製材して薄い集成板材としてから着色するので、全体が浸漬されるサイズの通常の容器があれば良く、圧力調節容器は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施例5の方法を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施例6の方法を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施例3の方法を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施例4の方法を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施例5の方法を説明するための説明図である。
【図12】本発明の実施例6の方法を説明するための説明図である。
【図13】本発明の実施例7の方法を説明するための説明図である。
【図14】本発明の実施例8の方法を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施例1〜8の方法を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施例1〜8の方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 集成板材
1a 集成板材
1b 集成板材
1c 集成板材
10 木材ブロック
100 木材ブロック
11 木材ブロック
12 木材ブロック
13 木材ブロック
14 木材ブロック
15 木材ブロック
16 木材ブロック
17 木材ブロック
18 木材ブロック
2 集成板材
2a 集成板材
2b 集成板材
2c 集成板材
21 木材ブロック
22 木材ブロック
23 木材ブロック
24 木材ブロック
25 木材ブロック
26 木材ブロック
27 木材ブロック
D11 厚さ
D12 幅
D13 長さ
D21 厚さ
D22 幅
D23 長さ
d11 幅
d12 幅
d13 幅
d14 幅
d15 幅
d16 幅
d17 幅
d18 幅
d21 幅
d22 幅
d23 幅
d24 幅
d25 幅
d26 幅
d27 幅
s 夏目
w 冬目
【技術分野】
【0001】
本発明は、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の板材を製造する自然風合の板材の製造方法及び該方法にて製造された自然風合の板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材は、高級感があり人気がある一方、これらの樹木は成長に時間がかかり、植林による供給ができないので、市場に供される機会が近年ますます減少し、これらの樹種の大径木による板材は、すでに一般的な建築や家具製造に用いられなくなって久しい。また、屋久島の屋久杉や白神山地のブナ、あるいは台湾の台桧等はユネスコの世界遺産に指定されたり、国家によって伐採が禁止されたりして、建築や家具の用材として用いるのは不可能な状況にある。
【0003】
しかしながら、屋久杉や白神山地のブナ、あるいは台湾の台桧等は困難としても、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材が醸し出す高級感を求める需要は根強く、これに応えるために様々な工夫がなされてきた。例えば、上記樹種の大径木の木目を印刷によって再現して家具や建築に貼り付ける等の方法は、極めて安易であるがよく行われてきた。しかし、印刷では誰が見ても見劣りがするので、最近ではこの方法はあまり用いられなくなっている。
【0004】
また、比較的安価で成長が早く、植林にて十分に供給可能な樹種を製材して、例えば黒檀に似せるというのなら黒色の顔料あるいは染料で着色するという試みも行われてきた。しかし、従来の方法では、製材された板材全体が均一に黒色に着色されてしまい、黒檀の持つ風味とは程遠い、単なる黒い板材を得ることができるだけであった。この状況は、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等に似せた板材を得る方法でも同様で、やはり本物とは程遠い、単なる色の付いた板材を得ることができるだけであった。
【0005】
すなわち、従来の方法は、できるかぎり色ムラのない着色方法を希求することにその主眼が置かれていたので、結果として、天然大径木の有する風合いとは程遠い結果しか導出できなかったといって良い。できるかぎり色ムラのない均一な着色方法に関する発明の一例として、下記特許文献1に記載の方法を紹介する。また、下記特許文献2には、印刷によって木目を付加する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001‐1308号公報
【特許文献2】特開2004−52492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明においては、叙上のような状況に鑑み、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の集成板材を製造する自然風合の集成板材の製造方法の開発及び該方法によって自然風合の集成板材を得ることを目的とし、この目的を達成するために、次の2つの課題を設定した。
<課題1>
桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材は、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等のように大径木となるものが少ない。したがって、小径木からでも恰も大径木から採ったかのような木目の整合性を有する幅の広い板材を得る方法を開発する。
<課題2>
桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から採られた板材を着色する際に、できる限り黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の大径木から得られた板材の木目の色合や風合に近づくような着色方法を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下に示す解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段2>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段3>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段4>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段5>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段6>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段7>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段8>
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段9>
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする解決手段1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
<解決手段10>
解決手段1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【発明の効果】
【0008】
本発明の、解決手段1の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0009】
本発明の、解決手段2の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0010】
本発明の、解決手段3の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0011】
本発明の、解決手段4の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0012】
本発明の、解決手段5の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0013】
本発明の、解決手段6の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0014】
本発明の、解決手段7の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した柾目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。なお、この方法にて得られた集成板材をさらにスライス又は製材して、比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を得ることも当然可能である。
【0015】
本発明の、解決手段8の発明は、人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと、該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップから構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した板目の外観を呈する自然風合の比較的厚め(通常は厚さ数mm以上)の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。なお、この方法にて得られた集成板材をさらにスライス又は製材して、比較的薄め(厚さ0.2mm〜数mm程度)の集成板材を得ることも当然可能である。
【0016】
本発明の、解決手段9の発明は、着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする解決手段1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法であるので、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の不燃性の高い集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能である。
【0017】
本発明の、解決手段10の発明は、解決手段1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材であり、希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の集成板材を、人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材から得ることが可能であるので、希少価値のある天然大径木の伐採を極力減らして、自然環境の保護にも役立ち、しかも希少価値のある天然大径木を製材して得られる板材に外見上酷似した自然風合の集成板材を極めて安価に提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1は解決手段1の発明の1実施例であり、実施例2は解決手段2の発明の1実施例であり、実施例3は解決手段3の発明の1実施例であり、実施例4は解決手段4の発明の1実施例であり、実施例5は解決手段5の発明の1実施例であり、実施例6は解決手段6の発明の1実施例であり、実施例7は解決手段7の発明の1実施例であり、実施例8は解決手段8の発明の1実施例であり、実施例9は解決手段9の発明の1実施例である。
【実施例1】
【0019】
図1に示すように、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18を得る。次に、木材ブロック11〜18を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された木材ブロック11〜18を乾燥させて、図2に見るように、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の木材ブロック11〜18を得る。
【0020】
冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観の状態を詳細に示すと、例えば図15に拡大図示するような状態で、図15の木材ブロック10の外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、図15にて符号wで示すのが冬目であり、符号sで示すのが夏目である。
【0021】
これらの複数個の木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1(図6参照)を得る。この際、集成板材1の厚さD11を40mmを越える厚さとする場合には、集成板材1を構成する木材ブロック11〜18の夫々の上面の幅d11〜d18の上限は40mm以下とする。その理由は、集成板材1の厚さD11が40mmを越えた場合に、木材ブロック11〜18の幅d11〜d18に40mmを越えるものを用いると、現在の技術では着色の段階で着色剤の含浸が充分に行われず、結局集成板材1の上面に未着色の部分が残ることになるからである。しかしながら、将来的に、着色剤の含浸の際の圧力や温度の調節、あるいは着色剤や溶剤の成分検討等により、40mmを越えても着色剤の含浸が充分に行われるような技術開発が行われ得る展望は十分にあるので、上記の限定は現状の技術に関する限りのものである。すなわち、将来的には集成板材1の厚さD11と木材ブロック11〜18の幅d11〜d18が共に40mmを越えるものを使用できる可能性は十分にある。なお、集成板材1の厚さD11の下限は木材ブロック11〜18の製材(あるいはスライス)可能限界の0.2mm程度となるが、木材ブロック11〜18の段階で側面同士を接着させることを考えれば、厚さD11は最低3〜5mm程度は必要である。なお、D12は集成板材1の幅を表し、幅D12は幅d11〜d18の合計となる。また、D13は集成板材1の長さを表す。
【0022】
このようにして、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1(図6参照)が得られるものであるが、木材ブロック11〜18に着色する際に、着色剤に黒色系統の顔料や染料を用いれば、集成板材1は黒檀等の黒色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となり、着色剤に赤色系統の顔料や染料を用いれば、紫檀等の赤色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となり、着色剤に茶色系統の顔料や染料を用いれば、チーク等の茶色系の天然大径木から製材した板材に酷似した風合となる。このようにして顔料や染料の色味を調節することにより、様々な天然大径木の風合が再現可能となる。
【0023】
すなわち、冬目wと夏目s(図15参照)に着色剤である顔料や染料が滲透する速度が異なるので、この滲透速度の差を利用し、冬目wが完全に着色され、夏目sはまだ完全に着色されていない状態にて着色剤の溶液から取り出し、乾燥させるのである。なお、乾燥はどのような方法でも良いが、通常は集成材板材1をスポンジローラー(図示せず)にて挟着して余分な着色剤を絞り出した後、自然乾燥又は熱風乾燥を行う。
【0024】
なお、ゴム等のある程度色味の強い木材を原料として、メープル等の白色系の天然大径木の風合を再現する場合には、木材ブロック11〜18に着色する前に、木材ブロック11〜18を脱色剤の溶液に浸漬して脱色し、乾燥させる。しかるのち、メープルの淡い黄味がかった白色を再現できるような色彩の着色剤(僅かに黄味がかった色)を用いて着色する。すなわち、原材料として用いる木材の色が、目標とする天然大径木の色より濃い場合には、着色の前に脱色のステップを挿入するものである。この点は、後に述べる他の実施例にてもすべて共通である。
【0025】
一例として、桐材を原材料として、黒檀に似た風合いの集成板材を作る工程を具体的に述べる。まず、桐材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18(図1参照)とし、次に、これらの複数個の木材ブロック11〜18を、耐圧容器(図示せず)に入れ、耐圧容器内を減圧して略真空状態とし、この状態で約5時間保持した後、耐圧容器内に着色剤の溶液(図示せず)を注入して、集成板材1の全体が着色剤の溶液に浸漬される状態とした。着色剤の溶液は、黒色顔料を3〜5重量%含有する水溶液であるが黒色染料を用いることも無論可能である。また、顔料や染料の種類によって、溶剤は水以外にメチルアルコール、アセトン等の各種溶剤を用いることができ、さらに、色の固定剤としてフェノール、カゼイン、ウレタン等を添加することも可能である。また、耐圧容器内を減圧する理由は、集成板材1に含有されている水分を脱抜するという目的である。水分が多く残留していると顔料や染料の滲透性が悪くなるので、着色の前段階として、このような処置を行うことは広く知られている。
【0026】
着色剤の溶液を注入後、耐圧容器内を常圧(1気圧)に戻し、さらに7気圧にまで加圧して5時間保持した後、耐圧容器内を再び常圧(1気圧)に戻し、木材ブロック11〜18を取り出した。取り出した木材ブロック11〜18はスポンジローラー(図示せず)に挟着して余分な水分を搾り出した後、自然乾燥にて乾燥し、含水率を15重量%以下とした。そして、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、厚さ(D11)100mm、幅(D12)320mm、長さ(D13)1000mmの集成板材1(図6参照)とした。
【0027】
その結果、黒檀の大径木から得られる板材と風合の酷似した集成板材1を得ることができた。すなわち、冬目wには完全に顔料が滲透して冬目wは略黒色となり、夏目sは部分的に薄墨色に着色された状態であり、このような風合は、まさに黒檀の大径木から得られる板材の風合そのものである(着色状態の詳細は図15参照)。なお、ここでいう風合とは、全体の色味や木目の形状、また冬目wと夏目sの着色状況の差などを総合的に捕らえた外観の状態をいうものである。
【0028】
なお、着色のステップにて着色剤の溶液を注入後に加圧する理由は、木材ブロック11〜18への顔料あるいは染料の滲透を促進させるためである。この際、上記のように常温で滲透させる場合と加熱状態で滲透させる場合とでは、着色に要する時間が変わってくる。このように、加圧したり加熱したりして顔料あるいは染料の滲透を促進させることも、広く行われている方法である。
【0029】
この際、着色剤の溶液への含浸を過度に行うと、冬目wも夏目sも完全に着色が行われ、図16に示す木材ブロック100のような状態となってしまう。材質に色味のある樹種であっても、図16のように冬目wにも夏目sにも全く区別がなく色が付いている樹種は自然界には存在しないので、このような状態になると、自然の風合からは程遠い印象の集成板材100が得られることになる。しかしながら、従来は、木材への着色といえばこのような状態、つまり冬目wも夏目sも完全に着色が行われた状態が完成状態であるという認識が通常であった。
【0030】
しかるに、実施例1の方法においては、冬目が濃く、夏目が淡く着色されるので、この着色状態の差が、恰も天然の大径木の木目の如き風合を生み、専門家でも遠目にはわからないくらいの外観的類似を齎すものである。しかも、集成板材1は木材ブロック11〜18により構成されているものであるが、もともとの木材ブロック11〜18が同一の樹の隣接部位から採られたものとは限らず、樹種は同じでも個体は様々で採取部位もばらばらになるのが通常であるので、木材ブロック11〜18の着色状態は、たとえ同時に着色したとしても一定にならず、微妙な相違を見せる。そして、この微妙な相違(いわば染めムラ)が人間の目には一層自然らしく映ずる。
【0031】
すなわち、木材ブロックを合成して集成材とし、それを着色するのは、一つには小径木から恰も大径木から採ったかのような幅の広い板材を得るという目的もあるが、また、個々の木材ブロックのばらつきが着色後の自然らしさを強調するという効果も齎すのである。そして、この点は、以下に述べる実施例2〜9にても同様である。
【実施例2】
【0032】
図3に示すように、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック21〜27を得る。次に、木材ブロック21〜27を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された木材ブロック21〜27を乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の木材ブロック21〜27を得る(図4参照)。
【0033】
次に、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、集成板材2(図8参照)を得る。この際、板目が上面に現れている木材ブロック21を略中央に位置させると、集成板材2の上面に現れた木目は全体が自然な板目として視認され易い。集成板材2の風合いは、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材2の外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。
【0034】
なお、集成板材2の厚さD21を40mmを越える厚さとする場合には、集成板材2を構成する木材ブロック21〜27の夫々の上面の幅d21〜d27の上限は40mm以下とする。その理由は、実施例1における木材ブロック11〜18の幅d11〜d18の数値限定と同様である。なお、図8のように木材ブロック21の幅d21をある程度広めにすれば、集成板材2の上面はより自然らしい板目に見える。
【0035】
なお、集成板材2の厚さD21の下限は木材ブロック21〜27の製材(あるいはスライス)可能限界の0.2mm程度となるが、木材ブロック21〜27の段階で側面同士を接着させることを考えれば、厚さD21は最低3〜5mm程度は必要である。なお、D22は集成板材2の幅を表し、幅D22は幅d21〜d27の合計となる。また、D23は集成板材2の長さを表す。
【実施例3】
【0036】
実施例1にて得られた自然風合の集成板材1を、図9に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)柾目の単板の集成板材1aを得る。集成板材1aは、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材である。このようにして、スライス又は製材を繰り返せば、集成板材1aと同様の風合の複数枚の柾目の単板の板材を得ることができる。スライス又は製材は、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観が保持可能な限り連続可能である。なお、スライスと製材においては、当然必要乾燥程度が異なってくる(一般に、製材においては内部まで乾燥していることが好ましいが、スライスにおいては全体が湿っていることが好ましい)が、この点は当業者には公知の事実であり、本発明の要部でもないので詳述はしない。
【実施例4】
【0037】
実施例2にて得られた自然風合の集成板材2を、図10に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)全体が板目に見える単板の集成板材2aを得る。集成板材2aは、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材である。このようにして、スライスを繰り返せば、板材2aと同様の風合の全体が板目に見える複数枚の単板の集成板材を得ることができる。スライス又は製材は、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観が保持可能な限り連続可能である。
【実施例5】
【0038】
実施例1にて、図1に示す木材ブロック11〜18を得た段階で、木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、未着色の集成板材1を得る(図5参照)。次に、この未着色の集成板材1を図11に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)柾目の単板の集成板材1aを得る。さらに、集成板材1aを溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された集成板材1aを乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材1aを得る。この際の集成板材1aの風合は、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材1aの外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、集成板材1を構成する木材ブロック11〜18の幅d11〜d18及び集成板材1の厚さD11に関する数値限定は実施例1と同様である。
【0039】
一例として、桐材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロック11〜18(図1参照)とした。次に、これらの複数個の木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、集成板材1(図5参照)を得た。集成板材1の寸法は、厚さD11が100mm、幅D12が320mm、長さD13は1000mm、とした。さらにこの集成板材1を図11に示すように上面に平行にスライスして、厚さ0.5mm、幅320mm、長さ1000mmの単板の集成板材1aを得た。
【0040】
次に、この集成板材1aを黒色顔料を3〜5%含有した着色剤の溶液(図示せず)に約7分間浸漬した後、着色剤の溶液から取り出し、スポンジローラー(図示せず)に挟着して余分な水分を搾り出した後、自然乾燥にて乾燥し、含水率を15重量%以下とした。その結果、黒檀の大径木から得られる板材と風合の酷似した単板の集成板材1aを得ることができた。なお、全工程を、常圧(1気圧)常温(20℃)にて行った。
【実施例6】
【0041】
実施例2にて、図3に示す木材ブロック21〜27を得た段階で、木材ブロック21〜27を、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、未着色の集成板材2を得る(図7参照)。次に、この未着色の集成板材2を図12に見るように上面に平行にスライス又は製材して比較的厚さの薄い(0.2mm〜数mm程度)全体が板目に見える単板の集成板材2aを得る。さらに、集成板材2aを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出す。そして、着色剤の溶液から取り出された集成板材2aを乾燥させて、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材2aを得る。この際の集成板材2aの風合は、図15に拡大して示すような木材ブロック10と同様の状態で、集成板材2aの外観は、着色剤の色により、黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材と酷似した風合となる。なお、集成板材2を構成する木材ブロック21〜27の幅d21〜d27及び集成板材2の厚さD21に関する数値限定は実施例2と同様である。
【実施例7】
【0042】
実施例1にて、図1に示す木材ブロック11〜18を得た段階で、木材ブロック11〜18を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた段階で着色剤の溶液から取り出し、乾燥させる。しかる後、木材ブロック11〜18を、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた集成板材1を得る。次に、この集成板材1の上面を図13に見るように上面に平行に剥離して表面の集成板材1bを除去する。すると、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるので、さらにスライス又は製材して冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の単板の集成板材1cを得る。
【0043】
仮に、集成板材1cの木目も冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であれば、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるまでさらにスライスを続ける。なお、集成板材1cは、両側面と両木口の木目においては冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であるので、この部分を除去することにより、全体が冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観となる。
【実施例8】
【0044】
実施例2にて、図3に示す木材ブロック21〜27を得た段階で、木材ブロック21〜27を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液(図示せず)に浸漬し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた段階で着色剤の溶液から取り出し、乾燥させる。しかる後、木材ブロック21〜27を、木材ブロック21のみは長手方向に板目が現れている面を上面にし、残りの木材ブロック22〜27は柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目にも夏目にも均一に着色が行われた集成板材2を得る。次に、この集成板材2の上面を図14に見るように上面に平行に剥離して表面の集成板材2bを除去する。すると、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるので、さらにスライス又は製材して冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の単板の集成板材2cを得る。
【0045】
仮に、集成板材2cの木目も冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であれば、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する木目が現れるまでさらに剥離を続ける。なお、集成板材2cは、両側面と両木口の木目においては冬目にも夏目にも均一に着色が行われた状態であるので、この部分を除去することにより、全体が冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観となる。
【実施例9】
【0046】
実施例1〜8の自然風合の集成板材の製造方法において、着色剤に、不燃材としてホウ酸あるいは無機リン酸等を配合し、難燃性の自然風合の集成板材1、2、1a、1c、2a、2cを得た。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、桐、ポプラ、ラジアタパイン、ホワイトウッド、ゴム等の人工林にて短いサイクルでの循環生産が可能な木材を用いて、希少価値の高い黒檀、紫檀、花梨、チーク、メープル、タモ、ナラ等の天然大径木から製材した板材に似た風合いの自然風合の集成板材を製造する自然風合の集成板材の製造方法及び該方法にて製造された自然風合の集成板材に関するものであるので、地球環境保護及び資源保護に寄与しつつ、高級感のある天然大径木の味わいを持った集成板材を使用することができる。したがって、建築や建具、家具の分野から日用品や玩具の分野に至るまで、多方面にわたって応用でき、様々な展開が可能となる。
【0048】
なお、本発明の解決手段1〜4、7〜10においては、最初に長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップがあり、それらの木材ブロックを集成する前に個々に着色を施していたが、この順序を逆転して、まず木材ブロックを集成して集成板材となし、それからその集成板材全体を着色剤の溶液に浸漬して着色するという方法も無論有り得るものである。ただし、この場合には、集成板材を着色剤の溶液に浸漬するための圧力調節容器として大規模なものが必要となることも想定される。したがって、この方法は、産業上の利用可能性に応じて、適宜採り得る方法であるといえる。なお、解決手段5,6の方法においては、着色前に集成板材を得て、それをスライスあるいは製材して薄い集成板材としてから着色するので、全体が浸漬されるサイズの通常の容器があれば良く、圧力調節容器は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施例5の方法を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施例1の方法を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施例6の方法を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施例2の方法を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施例3の方法を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施例4の方法を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施例5の方法を説明するための説明図である。
【図12】本発明の実施例6の方法を説明するための説明図である。
【図13】本発明の実施例7の方法を説明するための説明図である。
【図14】本発明の実施例8の方法を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施例1〜8の方法を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施例1〜8の方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 集成板材
1a 集成板材
1b 集成板材
1c 集成板材
10 木材ブロック
100 木材ブロック
11 木材ブロック
12 木材ブロック
13 木材ブロック
14 木材ブロック
15 木材ブロック
16 木材ブロック
17 木材ブロック
18 木材ブロック
2 集成板材
2a 集成板材
2b 集成板材
2c 集成板材
21 木材ブロック
22 木材ブロック
23 木材ブロック
24 木材ブロック
25 木材ブロック
26 木材ブロック
27 木材ブロック
D11 厚さ
D12 幅
D13 長さ
D21 厚さ
D22 幅
D23 長さ
d11 幅
d12 幅
d13 幅
d14 幅
d15 幅
d16 幅
d17 幅
d18 幅
d21 幅
d22 幅
d23 幅
d24 幅
d25 幅
d26 幅
d27 幅
s 夏目
w 冬目
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項2】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項3】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項4】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項5】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項6】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項7】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項8】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項9】
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする請求項1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項2】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項3】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項4】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項5】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項6】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項7】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項8】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項9】
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【請求項1】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項2】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項3】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項4】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項5】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項6】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項7】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項8】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項9】
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする請求項1〜8に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項2】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項3】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項4】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
着色剤の溶液から取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップと、
得られた自然風合の集成板材を上面に平行にスライス又は製材して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する複数枚の自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項5】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項6】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面同士を接着剤にて相互に接着し、集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材を上面に平行にスライス又は製材して複数枚の集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の集成板材を、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の集成板材を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の段階で着色剤の溶液から取り出し、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項7】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、夫々の木材ブロックの柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着剤にて接着し、冬目も夏目も完全に着色された集成板材を得るステップと、
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項8】
人工林にて循環生産が可能な木材を製材して、長手方向に柾目が現れている面を有する複数個の直方体状の木材ブロックを得るステップと、
該ステップにて得られた夫々の木材ブロックを、溶剤に溶解させ液状とした着色剤の溶液に浸漬するステップと、
浸漬された夫々の木材ブロックを、冬目も夏目も完全に着色された段階で着色剤の溶液から取り出すステップと、
取り出された夫々の木材ブロックを、1個の木材ブロックのみは板目が現れている面が上面となり、残りの木材ブロックは柾目が現れている面が上面となるように集合させ、隣接する側面の冬目も夏目も完全に着色された層を剥離してから隣接する側面同士を接着し、集成板材を得るステップと
該ステップにて得られた集成板材の表面を、冬目が完全に着色され、夏目が着色途中の面が現れるまで剥離して、冬目が濃く着色され、夏目が淡く着色された自然な外観を有する自然風合の集成板材を得るステップ、
から構成されることを特徴とする自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項9】
着色剤の溶液に、不燃剤を配合したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の自然風合の集成板材の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の自然風合の集成板材の製造方法によって製造された自然風合の集成板材。
【図1】
【図3】
【図5】
【図7】
【図11】
【図12】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図3】
【図5】
【図7】
【図11】
【図12】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−231581(P2006−231581A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46539(P2005−46539)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【特許番号】特許第3785626号(P3785626)
【特許公報発行日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(596106733)尾州木材工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【特許番号】特許第3785626号(P3785626)
【特許公報発行日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(596106733)尾州木材工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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