説明

自走式作業機の遠隔操作装置

【課題】オペレータの直進操作の負担を軽減することができる自走式作業機の遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】それぞれ独立して駆動制御される左側及び右側の走行体を有する自走式作業機の遠隔操作装置であって、遠隔操作装置20の本体21と、遠隔操作装置の本体21の左側面に設けた左前進スイッチ24と、遠隔操作装置の本体21の左側面に設けた左後進スイッチ25と、遠隔操作装置の本体21の右側面に設けた右前進スイッチ27と、遠隔操作装置の本体21の右側面に設けた右後進スイッチ28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式作業機の遠隔操作装置に係り、更に詳しくは、それぞれ独立して駆動制御される左側及び右側の走行手段を有する自走式作業機の遠隔操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自走式破砕機、自走式スクリーン、自走式土質改良機等の自走式作業機械においては、機械を自走させる際に、機械の周囲の状況確認を容易にするために、有線式、無線式の遠隔操作装置を用いて自走式作業機械を走行操作する場合がある。
【0003】
この遠隔操作装置として、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された遠隔操作装置は、本体が縦長に形成されており、この本体の前面右上側には緊急停止スイッチが、緊急停止スイッチの左側には動作モード切換スイッチが設けられ、緊急停止スイッチの下には、自走式作業機械の右側の走行手段に対応する前進走行操作スイッチと後進走行操作スイッチとが上下に設けられ、また、動作モード切換スイッチの下には、自走式作業機械の左側の走行手段に対応する前進走行操作スイッチと後進走行操作スイッチとが上下に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−114631号公報(段落0035−0037.図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術における遠隔操作装置を用いて自走式作業機械を前進走行させる場合、オペレータは、遠隔操作装置を両手で把持し、右手及び左手の各指で右側の前進走行操作スイッチ及び左側の前進走行操作スイッチをそれぞれ押し続ける操作が必要である。
【0006】
上述した遠隔操作装置による自走式作業機械の走行操作において、自走式作業機械を他の作業箇所に移動させる場合に、自走式作業機械の移動距離が長いと、オペレータは、遠隔操作装置を両手で把持し、右手及び左手の各指で右側の前進走行操作スイッチ及び左側の前進走行操作スイッチをそれぞれ押し続けなければならず、オペレータの負担が多大であった。
【0007】
本発明は、上述した事柄に基づいてなされたもので、その目的は、オペレータの走行操作の負担を軽減することができる自走式作業機の遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、それぞれ独立して駆動制御される左側及び右側の走行体を有する自走式作業機の遠隔操作装置であって、前記遠隔操作装置の本体と、前記遠隔操作装置の本体の左側面に設けられ、前記左側の走行体に前進指令を出力する左前進スイッチと、前記遠隔操作装置の本体の左側面に設けられ、前記左側の走行体に後進指令を出力する左後進スイッチと、前記遠隔操作装置の本体の右側面に設けられ、前記右側の走行体に前進指令を出力する右前進スイッチと、前記遠隔操作装置の本体の右側面に設けられ、前記右側の走行体に後進指令を出力する右後進スイッチと、前記遠隔操作装置の本体に設けられ、信号を前記自走式作業機側に出力する信号出力部とを備え、前記自走式作業機の走行操作を片手で行えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記遠隔操作装置の本体は、前記左前進スイッチ及び前記左後進スイッチが設けられる左側の遠隔操作装置の本体と、前記右前進スイッチ及び前記右後進スイッチが設けられる右側の遠隔操作装置の本体と、前記左側の遠隔操作装置の本体及び前記右側の遠隔操作装置の本体の前記各スイッチが配置された面がそれぞれ前面又は側面を向くように選択的に連結可能な連結手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
更に、第3の発明は、第2の発明において、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とは、信号線で接続され、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とのいずれか一方に前記信号出力部を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第2又は第3の発明において、前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体を折り畳み可能に連結するヒンジであることを特徴とする。
【0012】
更に、第5の発明は、第2又は第3の発明において、前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とを分離可能に接合するパチン錠であることを特徴とする。
【0013】
また、第6の発明は、第2又は第3の発明において、前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とを分離可能に接合する磁石であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自走式作業機の遠隔操作装置を片手で操作可能にしたので、自走式作業機の遠隔走行操作の負担が軽減するとともに、自走式作業機の遠隔直進操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の遠隔操作装置の実施の形態を適用した自走式作業機の側面図である。
【図2】本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の正面図である。
【図3】図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の左側面図である。
【図4】図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の右側面図である。
【図5】図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図6】図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の操作状態を示す正面図である。
【図7】本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の正面図である。
【図8】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の左側面図である。
【図9】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の右側面図である。
【図10】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の下面図である。
【図11】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図12】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の他の使用形態を示す正面図である。
【図13】図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の他の使用形態を示す底面図である。
【図14】本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の正面図である。
【図15】図14に示す本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の下面図である。
【図16】図14に示す本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の他の使用形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の遠隔操作装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の遠隔操作装置の実施の形態を適用した自走式作業機の側面図を示すもので、この例では岩石等の被破砕物を破砕する自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)を示してある。
図1に示した自走式破砕機(自走式ジョークラッシャ)1は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を破砕対象とし、これらを被破砕物として受け入れて破砕するものである。
【0017】
この自走式破砕機1は、走行体2と破砕機本体部3を備えており、破砕機本体部3の下部に設けた走行体2によって自走可能である。また、自走式破砕機1は、建屋や他の自走式リサイクル機間の狭い空間の駐機スペース内に駐機させたり、前述した狭い空間の駐機スペース内に駐機している自走式破砕機1を駐機場から出す場合には、自走操作のための遠隔操作装置(後述する)によって走行操作される。
【0018】
自走式破砕機1における走行体2は、トラックフレーム2a、トラックフレーム2aの両端にそれぞれ設けた従動輪2b及び駆動輪2cと、従動輪2bと駆動輪2cに掛け回した履帯2d、及び駆動輪2cの軸に連結した走行用駆動装置2eを備えている。トラックフレーム2aの幅方向中央部には、本体フレーム4が走行体2の上方にほぼ水平に設けられている。
【0019】
破砕機本体部3は、破砕対象(被破砕物)を受け入れるホッパ5、ホッパ5に受け入れた被破砕物を粒度選別し後段工程に供給するグリズリフィーダ6、グリズリフィーダ6により供給された被破砕物を破砕するジョークラッシャ(破砕装置)7、ジョークラッシャ7で破砕した破砕物等を機外に排出する排出コンベア8、及び機体各所に搭載した作動装置の動力源等を内蔵した動力装置(パワーユニット)9を備えている。
【0020】
排出コンベア13の上方には、排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機10が備えられている。動力装置9内には、ジョークラッシャ7の動力源となるエンジンや、エンジンによって駆動される油圧ポンプ、油圧ポンプから吐出された圧油の流通方向や流量を制御して対応の油圧アクチュエータに供給する制御弁装置等が備えられている。
【0021】
上述した油圧機器、エンジン等を操作する操作盤11が、本体フレーム4の下側に装設されている。また、自走式破砕機1には、建屋や他の自走式リサイクル機間の狭い空間の駐機スペース内に自走式破砕機1を駐機させたり、また、前述した狭い空間の駐機スペース内に駐機している自走式破砕機1を駐機場から出す場合等に用いる走行操作用の遠隔操作装置(後述する)が、接続されている。
【0022】
上述した本発明に係る走行操作用の遠隔操作装置の第1の実施の形態を、図2乃至図6を用いて説明する。
図2は本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の正面図、図3は図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の左側面図、図4は図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の右側面図、図5は図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態のブロック図、図6は図2に示す本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の操作状態を示す正面図である。
【0023】
本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態を、図2乃至図5を用いて説明する。図2乃至図4において、本発明の送信機として機能する遠隔操作装置20は、前面部21a、背面部21b、上面部21c、下面部21d、左側面部21e、右側面部21fとからなる筐体状の本体21を備えている。
【0024】
本体21の左側面部21eには、図2及び図3に示すように、入切スイッチ23、左前進スイッチ24、及び左後進スイッチ25が上から下に順次配置されている。また、本体21の右側面部21fには、図2及び図4に示すように、緊急停止スイッチ26、右前進スイッチ27、及び右後進スイッチ28が上から下に順次配置されている。本体21の上面には、自走式破砕機1側に接続される有線29が導出されている。なお、図2乃至図6に示した矢印Rは、移動方向、操作方向を示すものである。
【0025】
遠隔操作装置20の本体21内には、図5に示すように、信号出力制御部30が装設されている。信号出力制御部30は、入切スイッチ23、左前進スイッチ24、及び左後進スイッチ25からの信号を受け入れる入力部30aと、緊急停止スイッチ26、右前進スイッチ27、及び右後進スイッチ28からの信号を受け入れる入力部30bと、入力部30a,30bからの信号を伝送用信号に変換する演算部30cと、演算部30cからの伝送用信号を自走式破砕機1側に接続した有線29に出力する出力部30dとで構成されている。この信号出力制御部30はマイクロコンピュータ構成することができる。
【0026】
次に、上述した本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態の動作を説明する。 自走式破砕機1を前進走行させる場合には、遠隔操作装置20を図6に示すように、片手で把持し、親指で右前進スイッチ27を、人指し指で左前進スイッチ24を押すことにより、本体21内の信号出力制御部30は、右前進スイッチ27、及び左前進スイッチ24の入力信号を取り込み、これらの入力信号を伝送用信号に変換し、有線29を介して自走式破砕機1に送信する。これにより、自走式破砕機1は前進する。
【0027】
自走式破砕機1を後進走行させる場合には、遠隔操作装置20の把持を下方にずらして親指で右後進スイッチ28を、人指し指で左後進スイッチ25を押すことにより、自走式破砕機1を後前進させることができる。
【0028】
また、必要に応じて、右前進スイッチ27と左後進スイッチ25とを操作することにより、自走式破砕機1を左旋回させることができ、更に、左前進スイッチ24と右後進スイッチ28とを操作することにより、自走式破砕機1を右旋回させることができる。
【0029】
上述した本発明の遠隔操作装置の第1の実施の形態によれば、遠隔操作装置20を片手で把持した状態で操作することができるので、自走式作業機の遠隔直進操作の負担が軽減するとともに、遠隔操作装置20への操作に関する注力を自走式作業機の移動監視に振り向けることができ、自走式作業機の遠隔走行操作性が向上する。
【0030】
次に、本発明に係る走行操作用の遠隔操作装置の第2の実施の形態を、図7乃至図13を用いて説明する。
図7は本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の正面図、図8は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の左側面図、図9は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の右側面図、図10は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の底面図、図11は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態のブロック図、図12は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の他の使用形態を示す正面図、図13は図7に示す本発明の遠隔操作装置の第2の実施の形態の他の使用形態を示す下面図である。これらの図において、図2乃至図4に示す符号と同符号のものは同一部分である。
【0031】
この第2の実施の形態は、遠隔操作装置20を、自走式破砕機1における左側の走行体2に前後進指令を出力する左側の遠隔操作装置の本体210と、右側の走行体2に前後進指令を出力する右側の遠隔操作装置の本体220とに分離し、左側の遠隔操作装置の本体210と右側の遠隔操作装置の本体220とをヒンジ等の連結手段230で折り畳み可能に連結して構成したものである。
【0032】
具体的には、左側の遠隔操作装置の本体210は、図7及び図8に示すように、前面部210a、背面部210b、上面部210c、下面部210d、左側面部210e、右側面部210fとからなる筐体状の本体を構成している。
【0033】
左側の遠隔操作装置の本体210の左側面部210eには、図7及び図8に示すように、入切スイッチ23、左前進スイッチ24、及び左後進スイッチ25が上から下に順次配置されている。
【0034】
右側の遠隔操作装置の本体220は、図7及び図9に示すように、前面部220a、背面部220b、上面部220c、下面部220d、左側面部220e、右側面部220fとからなる筐体状の本体を構成している。
【0035】
右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220fには、図7及び図9に示すように、緊急停止スイッチ26、右前進スイッチ27、及び右後進スイッチ28が上から下に順次配置されている。本体21の上面には、自走式破砕機1側に接続される有線29が導出されている。なお、図2乃至図6に示した矢印Rは、移動方向、操作方向を示すものである。
【0036】
左側の遠隔操作装置の本体210内には、図11に示すように、入切スイッチ23、左前進スイッチ24、及び左後進スイッチ25からの信号を受け入れる入力部211が設けられている。連結手段230は、左側の遠隔操作装置の本体210と右側の遠隔操作装置の本体220とが対接する各前面部210a、220aの上下2箇所に設けられている。
【0037】
右側の遠隔操作装置の本体220内には、図11に示すように、信号出力制御部310が装設されている。信号出力制御部310は、緊急停止スイッチ26、右前進スイッチ27、及び右後進スイッチ28からの信号を受け入れる入力部310aと、入力部310aからの入力信号、及び信号線311で接続された左側の遠隔操作装置の本体210内の入力部211からの入切スイッチ23、左前進スイッチ24、及び左後進スイッチ25からの信号を伝送用信号に変換する演算部310bと、演算部310bからの伝送用信号を自走式破砕機1側に接続した有線29に出力する出力部310cとで構成されている。この信号出力制御部310はマイクロコンピュータ構成することができる。
【0038】
この実施の形態においては、前述した実施の形態と同様に、自走式破砕機1を前進走行させる場合には、図7に示すように、左側の遠隔操作装置の本体210の右側面210fと右側の遠隔操作装置の本体220の左側面部220eを対接した状態において、遠隔操作装置20片手で把持し、親指で右前進スイッチ27を、人指し指で左前進スイッチ24を押すことにより、本体21内の信号出力制御部310は、右前進スイッチ27、及び左前進スイッチ24の入力信号を取り込み、これらの入力信号を伝送用信号に変換し、有線29を介して自走式破砕機1に送信する。これにより、自走式破砕機1は前進する。
【0039】
自走式破砕機1を後進走行させる場合には、遠隔操作装置20の把持を下方にずらして親指で右後進スイッチ28を、人指し指で左後進スイッチ25を押すことにより、自走式破砕機1を後前進させることができる。
【0040】
また、必要に応じて、右前進スイッチ27と左後進スイッチ25とを操作することにより、自走式破砕機1を左旋回させることができ、更に、左前進スイッチ24と右後進スイッチ28とを操作することにより、自走式破砕機1を右旋回させることができる。
【0041】
この第2の実施の形態によれば、遠隔操作装置20を片手で把持した状態で操作することができるので、自走式作業機の遠隔直進操作の負担が軽減するとともに、遠隔操作装置20への操作に関する注力を自走式作業機の移動監視に振り向けることができ、自走式作業機の遠隔直進操作性が向上する。
【0042】
また、この第2の実施の形態においては、図12及び図13に示すように、左側の遠隔操作装置の本体210の左側面部210eと右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220fとを、連結手段230を支点として上方向に回動して、左側の遠隔操作装置の本体210の左側面部210eと右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220fとを、遠隔操作装置20の前面側に配置することができる。
【0043】
これにより、遠隔操作装置20を従来のスイッチ配置形式にすることができるので、従来の遠隔操作に慣れている作業者にも違和感無く遠隔操作が可能であり、利便性が向上する。
【0044】
次に、本発明に係る走行操作用の遠隔操作装置の第3の実施の形態を、図14乃至図16を用いて説明する。
図14は本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の正面図、図15は図14に示す本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の底面図、図16は図14に示す本発明の遠隔操作装置の第3の実施の形態の他の使用形態を示す正面図である。これらの図において、図7乃至図9に示す符号と同符号のものは同一部分である。
【0045】
この第3の実施の形態は、左側と右側とに分離した左側の遠隔操作装置の本体210と右側の遠隔操作装置の本体220の上面部210c,220cと下面部210d,220dにパチン錠240,250をそれぞれ設けて構成したものである。
【0046】
この構成により、左側の遠隔操作装置の本体210の右側面部210fと右側の遠隔操作装置の本体220の左側面部220eとを対接した状態で、パチン錠240を施錠すれば、図14及び図15にように、左側の遠隔操作装置の本体210の右側面部210eと右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220を、それぞれ側部に配置することができ、遠隔操作装置20を片手操作可能な形態にすることができる。
【0047】
また、図16に示すように、左側の遠隔操作装置の本体210の前面部210aと右側の遠隔操作装置の本体220の前面部220aとを対接した状態で、パチン錠250を施錠すれば、左側の遠隔操作装置の本体210の右側面部210eと右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220を、前面側に配置することができ、遠隔操作装置20を従来と同様な両手による操作可能な形態にすることができる。
【0048】
この第3の実施の形態によれば、前述した第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0049】
なお、上述した第2の実施の形態においては、左側の遠隔操作装置の本体210と右側の遠隔操作装置の本体220との連結手段としてヒンジ230を、また、第2の実施の形態においては、左側の遠隔操作装置の本体210と右側の遠隔操作装置の本体220との連結手段としてパチン錠240,250を用いたが、左側の遠隔操作装置の本体210の前面部210a又は右側の遠隔操作装置の本体220の前面部220a、及び左側の遠隔操作装置210の本体210の右側面部210f又は右側の遠隔操作装置の本体220の右側面部220eに、磁石、密着性のテープ材等の密着形式の連結手段を設けて構成することも可能である。この場合にも、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0050】
なお、上述の実施の形態においては、有線式の遠隔操作装置について説明したが、無線式にも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
20 遠隔操作装置
21 遠隔操作装置20の本体
21a 前面部
21b 背面部
21c 上面部
21d 下面部
21e 左側面部
21f 右側面部
23 入切スイッチ
24 左前進スイッチ
25 左後進スイッチ
26 緊急停止スイッチ
27 右前進スイッチ
28 右後進スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ独立して駆動制御される左側及び右側の走行体を有する自走式作業機の遠隔操作装置であって、
前記遠隔操作装置の本体と、
前記遠隔操作装置の本体の左側面に設けられ、前記左側の走行体に前進指令を出力する左前進スイッチと、
前記遠隔操作装置の本体の左側面に設けられ、前記左側の走行体に後進指令を出力する左後進スイッチと、
前記遠隔操作装置の本体の右側面に設けられ、前記右側の走行体に前進指令を出力する右前進スイッチと、
前記遠隔操作装置の本体の右側面に設けられ、前記右側の走行体に後進指令を出力する右後進スイッチと、
前記遠隔操作装置の本体に設けられ、信号を前記自走式作業機側に出力する信号出力部とを備え、
前記自走式作業機の走行操作を片手で行える
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自走式作業機の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作装置の本体は、前記左前進スイッチ及び前記左後進スイッチが設けられる左側の遠隔操作装置の本体と、前記右前進スイッチ及び前記右後進スイッチが設けられる右側の遠隔操作装置の本体と、前記左側の遠隔操作装置の本体及び前記右側の遠隔操作装置の本体の前記各スイッチが配置された面がそれぞれ前面又は側面を向くように選択的に連結可能な連結手段とを備えた
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自走式作業機の遠隔操作装置において、
前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とは、信号線で接続され、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とのいずれか一方に前記信号出力部を備えた
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の自走式作業機の遠隔操作装置において、
前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体を折り畳み可能に連結するヒンジである
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の自走式作業機の遠隔操作装置において、
前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とを分離可能に接合するパチン錠である
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の自走式作業機の遠隔操作装置において、
前記連結手段は、前記左側の遠隔操作装置の本体と前記右側の遠隔操作装置の本体とを分離可能に接合する磁石である
ことを特徴とする自走式作業機の遠隔操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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