説明

自転車および電動式自転車の異常発生時の対応方法

【課題】 故障やトラブル等の異常が発生した場合、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に対応することが可能な電動式自転車を提供する。
【解決手段】 異常時の対応情報を記録した二次元コード20が電動式自転車のハンドル11に設けられた操作盤12に貼り付けられている。異常発生時、読み取り機能を持つカメラ22a付き携帯電話22で二次元コード20を撮影して二次元コード20の対応情報を読み取り、読み取った対応情報を携帯電話22の表示画面23に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車およびモータを補助動力として利用する電動式自転車の異常発生時の対応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すように、電動式自転車1は、モータからなる電動駆動装置2と、電動駆動装置2に電力を供給するバッテリー3と、電動駆動装置2を制御する制御装置4等を具備している。制御装置4は、ペダル5にかかる負荷をペダルトルクにより検出するトルク検出器と、ペダル5の回転速度を検出するペダル回転速度検出器と、各種必要なデータを予め記憶しているデータベースと、上記各検出器の検出情報とデータベースの記憶情報とに基いてモータを作動させるマイクロコンピュータとを備えている(下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−167162
【特許文献2】特開2005−49973
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、万一、電動式自転車1に故障やトラブル等の異常が発生した場合、異常発生時の対応を記載した取扱い説明書等が手元に無ければ、利用者は迅速且つ正確に対応することが難しいといった課題があった。この対策として、電動式自転車1を利用する際、上記のような取扱い説明書等を常時携帯しておけばよいのであるが、荷物になるため、利用者は敬遠しがちであった。また、取扱い説明書を紛失した場合、新しい取扱い説明書を取り寄せたり、電動式自転車1を自転車店に持って行く必要があり、手間がかかった。
【0004】
また、上記のような電動式自転車や或いは電動式ではない普通の自転車を観光地等においてレンタサイクルに利用した場合、上記自転車を借りた利用者は例えば持参したガイドブックや地図等を見ながら目的地へ自転車を運転するのであるが、万一、上記ガイドブックや地図等の持参を忘れた場合、目的地への案内情報を迅速且つ容易に得ることができない虞れがあった。
【0005】
本発明は、故障やトラブル等の異常が発生した場合、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に上記異常に対応することが可能となり、或いは、レンタサイクル等に利用した場合において、ガイドブックや地図が手元に無くても、目的地に関する案内情報を迅速且つ容易に得ることが可能となる自転車および電動式自転車の異常発生時の対応方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本第1発明における自転車は、所定の情報を記録した二次元コードを付したものである。
これによると、例えば、所定の情報の一例として異常時の対応情報を二次元コードに記録しておくことにより、自転車に異常が発生した場合、利用者は、例えば読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話等の携帯用端末を用いて二次元コードを撮影して二次元コードの対応情報を読み取り、読み取った対応情報を表示画面上に表示させる。このようにして表示画面上に表示された説明の内容に従って適切な処置を施すことにより、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に対応することができる。
【0007】
また、所定の情報の他の例として観光地の地図や店等のURL情報を二次元コードに記録しておくことにより、利用者は、例えば読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話等の携帯用端末を用いて二次元コードを撮影して二次元コードのURL情報を読み取り、読み取ったURL情報を表示画面上に表示させる。これにより、ガイドブックや地図が手元に無くても、URL情報に基いてインターネットに接続することで、目的地までの地図等の案内情報を上記表示画面上に表示することができ、目的地に関する案内情報を迅速且つ容易に得ることが可能となる。
【0008】
また、本第2発明における電動式自転車の異常発生時の対応方法は、異常時の対応情報を記録した二次元コードを電動式自転車に付しておき、電動式自転車に異常が発生した時、読み取り機能と表示画面とを備えた携帯用端末を用いて二次元コードの上記対応情報を読み取り、読み取った対応情報を表示画面に表示させるものである。
【0009】
これによると、電動式自転車に異常が発生した場合、利用者は、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に対応することができる。
また、本第3発明における電動式自転車の異常発生時の対応方法は、携帯用端末として、読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話を利用し、異常発生時、携帯電話で二次元コードを撮影して二次元コードの対応情報を読み取り、読み取った対応情報を表示画面上に表示させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、異常時の対応情報を二次元コードに記録しておくことにより、自転車に異常が発生した場合、利用者は、例えば読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話等の携帯用端末を用いて二次元コードの対応情報を読み取り、この対応情報を表示画面上に表示させる。このようにして表示画面上に表示された説明の内容に従って適切な処置を施すことにより、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に対応することができる。
【0011】
また、観光地の地図や店等のURL情報を二次元コードに記録しておくことにより、利用者は、例えば読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話等の携帯用端末を用いて二次元コードを撮影して二次元コードのURL情報を読み取り、読み取ったURL情報を表示画面上に表示させる。これにより、ガイドブックや地図が手元に無くても、URL情報に基いてインターネットに接続することで、目的地までの地図等の案内情報を上記表示画面上に表示することができ、目的地に関する案内情報を迅速且つ容易に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明における実施の形態を図1〜図3に基いて説明する。尚、従来と同じ部材については同一の符号を付記して説明を省略する。
電動式自転車1のハンドル11には操作盤12が設けられており、操作盤12の操作面12aには、電源をオン・オフする電源ボタン13と、ライト14の点灯・消灯を切替えるライトボタン15と、電動駆動装置2による補助力の強弱を切替えるアシスト切替ボタン16と、補助力の強弱を表示するアシストランプ17と、バッテリー3の残量を表示するインジケータランプ18とが設けられている。また、上記操作面12aは平坦な面であり、操作面12aには、異常時の対応情報(所定の情報の一例)を記録した二次元コード20が貼り付けられている。
【0013】
図4に、上記二次元コード20に記録されている異常時の対応情報の具体的な内容の一部を表示する。尚、上記図4は異常時の対応情報の具体的な内容の一部を抜粋したものであり、実際には、さらに多項目に関する対応情報が記録されている。
【0014】
電動式自転車1に乗って走行する際には、先ず、電源ボタン13を押して電源を入れる。これにより、インジケータランプ18が所定時間点灯した後に消灯し、アシストランプ17が点灯する。上記のように電源を入れた時は、電動駆動装置2による補助力が強モードに設定されており、弱モードに切替えたい場合は、アシスト切替ボタン16を押すことにより、強モードから弱モードに切替えられ、アシストランプ17が点滅する。
【0015】
万一、電動式自転車1に異常が発生した場合、利用者は、携帯している読み取り機能を持つカメラ22a付き携帯電話22(携帯用端末の一例)を用いて上記二次元コード20を撮影することで、二次元コード20の対応情報を読み取り、携帯電話22の表示画面23に対応情報を表示させる。これにより、表示画面23には上記表1の内容が表示される。
【0016】
そして、利用者は、上記のようにして表示画面23に表示された説明の内容に従って適切な処置を施すことにより、取扱い説明書が手元に無くても、迅速且つ正確に対応することができる。
【0017】
例えば、異常の一例として、上記表1に示すように、電源ボタン13を押しても、アシストランプ17とインジケータランプ18とが点灯しない場合、利用者は、上記のようにして表示画面23に表示された説明の内容に従って、バッテリー3が確実に取付けられているかを確認したり、ヒューズが切れていないかを確認すればよい。また、これ以外の異常についても同様に対応すればよい。
【0018】
尚、上記携帯電話22としては、撮影された二次元コード20を解読するプログラムが搭載されている機種を使用する。
また、二次元コード20に、異常時の対応情報に加えてサービスセンターの電話番号を記録してもよい。これによると、異常発生時、利用者は、携帯電話22の表示画面23に表示される電話番号に基いてサービスセンターに連絡し、サービスセンターから適切なアドバイスを受けることができる。さらに、詳しい情報のサイト等にリンクさせて表示させてもよい。
【0019】
上記実施の形態では、二次元コード20を操作盤12に設けているが、操作盤12に限定されるものではなく、操作盤12以外の箇所、例えばバッテリー3のケースの外面の平坦な箇所等に貼り付けてもよい。尚、上記二次元コード20は多数の文字や数字等を小さなスペースに記録することができるため、電動式自転車1に僅かな空きスペースさえあれば、この空きスペースに二次元コード20を貼り付けることができる。
【0020】
上記実施の形態では、電動式自転車1を対象にしたが、電動式ではない普通の自転車を対象にしてもよい。また、所定の情報として、異常時の対応情報を二次元コード20に記録しているが、異常時の対応情報に限定されるものではない。例えば、電動式自転車1や或いは電動式ではない普通の自転車を観光地等においてレンタサイクルに利用した場合、所定の情報として、観光地の地図や店等のURL情報を二次元コード20に記録してもよい。この場合、電動式自転車1や上記普通の自転車を借りた利用者は、携帯電話22を用いて二次元コード20を撮影して二次元コード20のURL情報を読み取り、読み取ったURL情報を表示画面23上に表示させる。これにより、ガイドブックや地図が手元に無くても、URL情報に基いてインターネットに接続することで、目的地までの地図等の案内情報を上記表示画面23上に表示することができ、目的地に関する案内情報を迅速且つ容易に得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、現在、広く普及している携帯電話を利用して、電動式自転車の異常に迅速且つ正確に対応したり、或いは、電動式自転車や電動式ではない普通の自転車をレンタルしている観光地に関する案内情報を迅速且つ容易に得ることができるといった優れた点を有しており、さらには、自転車以外の車両等にも適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における電動式自転車の側面図
【図2】同、電動式自転車に備えられた操作盤の拡大図
【図3】同、電動式自転車の操作盤に貼り付けられた二次元コードの拡大図
【図4】同、電動式自転車に貼り付けられた二次元コードに記録されている異常時の対応情報の具体的な内容の一部を示す図表
【図5】従来の電動式自転車の側面図
【符号の説明】
【0023】
1 電動式自転車
20 二次元コード
22 携帯電話
22a カメラ
23 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を記録した二次元コードを付したことを特徴とする自転車。
【請求項2】
異常時の対応情報を記録した二次元コードを電動式自転車に付しておき、電動式自転車に異常が発生した時、読み取り機能と表示画面とを備えた携帯用端末を用いて二次元コードの上記対応情報を読み取り、読み取った対応情報を表示画面に表示させることを特徴とする電動式自転車の異常発生時の対応方法。
【請求項3】
携帯用端末として、読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話を利用し、
異常発生時、携帯電話で二次元コードを撮影して二次元コードの上記対応情報を読み取り、読み取った対応情報を表示画面上に表示させることを特徴とする請求項2記載の電動式自転車の異常発生時の対応方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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