説明

自転車用センサの制御装置、自転車用センサの制御方法

【課題】自転車の回転部品の回転速度によらず、安定して自転車の走行状態に応じて変化する物理量を計測するセンサの制御装置を提供する。
【課題手段】回転部品を有する自転車に装着されるセンサの制御装置10であって、回転部品の回転状態を検出する検出部11と、検出部11の検出結果に応じてセンサ20における検出頻度を変更する制御部12と、を含む。これにより、当該制御装置10は、回転部品の回転状態に応じてセンサ20における検出頻度を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を測定するセンサの制御装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、センサは、タイマ等を用いて、所定の時間間隔毎に何らかの物理現象を測定する。これは、自転車の部品にかかる力を計測する装置においても同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自転車の部品にかかる力をセンサによって所定の時間間隔毎に測定する場合、どのような走行状態であっても十分な測定精度を得るために、測定間隔をできるだけ短く設定しておく必要がある。このため、走行状態によっては、過剰な測定を行うことによって、不所望に電力が消費されてしまう。
【0004】
そこで本発明は、電力消費量を抑制しながらも、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を測定するセンサを十分な測定精度が得られるように制御する制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための制御装置は、回転部品を有する自転車に装着されるセンサの制御装置であって、回転部品の回転状態に応じてセンサにおける検出頻度を変更する。
【0006】
上記の課題を解決するための制御方法は、回転部品を有する自転車に装着されるセンサの制御方法であって、回転部品の回転状態に応じてセンサにおける検出頻度を変更する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電力消費量を抑制しながらも、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を測定するセンサを十分な測定精度が得られるように制御する制御装置及び制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る自転車用計測装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】ダイナモにより実現された検出部の一例を示す図。
【図3】ダイナモが装着された回転部品が回転した際に発生する交流電圧及びその交流電圧を処理した電圧の一例を示す図。
【図4】スピードメータの磁気センサによって実現された検出部の一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る自転車用計測装置の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】制御部が車速に応じてセンサのサンプリングレートを変更する場合の、車速とサンプリングレートとの関係を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る自転車用計測装置を、図面を参照して説明する。本実施形態における自転車用計測装置は、ライダーがペダルを漕ぐことによって進行する通常の自転車ばかりでなく、エアロバイクのような固定された自転車に装着されてもよい。図1は、本実施形態の自転車用計測装置の概略構成を示すブロック図である。自転車用計測装置1は、制御装置10、センサ20、無線回路30を備える。制御装置10は、検出部11、制御部12を備える。センサ20は、センサデバイス21、アンプ回路22、A/D変換回路23、物理量算出部24を備える。
【0010】
制御装置10は、自転車の回転部品の回転状態に応じて、自転車に装着されるセンサ20における検出頻度を変更する。この回転部品は、車輪、クランク、ハブ、スプロケット、プーリー、および、ペダルのいずれかを含む。クランクは、クランク軸とクランク軸の両端に設けられる一対のクランクアームとを含む。
【0011】
センサ20は、制御装置10によって変更された検出頻度に基づいて、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を計測する。この物理量とは、典型的には、回転部品にかかるトルク、または、前記回転部品の回転に要するパワー(仕事率)であるが、チェーンテンション、ペダルを踏む力、ハンドルバー、フレームなどのねじれやたわみなども含む概念である。
【0012】
無線回路30は、センサ20で計測された物理量に関するデータを、図示しないサイクルコンピュータに送信する。
【0013】
検出部11は、例えば、ダイナモもしくはスピードメータの磁気センサ等によって実現される。検出部11は、磁石111と磁石検出部112を含む。検出部11の詳細については後述する。
【0014】
制御部12は、検出部11の検出結果に応じてセンサ20における検出頻度を変更する。また、制御部12は、センサ20における検出を行うとき、センサ20に電力を供給する。制御部12は、場合により、センサ20の検出頻度を算出する演算部を含む。制御部12の詳細については後述する。
【0015】
センサデバイス21は、自転車の一部分であってライダーによる力がかかる部品に装着されている。ライダーによる力がかかる部品とは、例えば、クランクアーム、クランク軸、ペダル、ボトムブラケット、フレーム、ハンドルバー、サドルなどがある。センサデバイス21は、典型的には歪みゲージにより形成されるが、磁歪素子、変位センサ、流体などを利用した圧力センサなどによって形成されてもよい。センサデバイス21は、制御部12による給電により起動され、ライダーが当該部品にかける力を測定する。
【0016】
アンプ回路22は、センサデバイス21から出力されるアナログ電気信号を増幅する。A/D変換回路23は、増幅されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。物理量算出部24は、当該デジタル信号から自転車の走行状態に応じて変化する物理量を算出する。例えば、物理量算出部24は、リアハブに装着されたセンサデバイス21の出力からリアハブに掛かるトルクを算出してもよい。また、物理量算出部24は、クランクアームまたはクランク軸に装着されたセンサデバイス21の出力からクランク軸に掛かるトルクを算出してもよい。また、物理量算出部24は、ボトムブラケットに装着されたセンサ20の出力からチェーンテンションを算出してもよい。また、物理量算出部24は、ペダルに装着されたセンサデバイス21の出力からペダル軸に掛かる力を算出してもよい。さらに、物理量算出部24は、センサ20の出力から算出される上述したトルク、チェーンテンションまたは力からライダーが自転車を漕ぐパワー、および後輪が出力するパワーを算出してもよい。
【0017】
図2は、ダイナモにより実現された検出部11の一例である。このダイナモは、ハブダイナモのような、回転部品の回転軸に装着されるダイナモである。図2は、当該ダイナモを、回転軸方向から見た断面図である。
【0018】
ダイナモの中央には、発電コイルが内部にあるステーター113が設けられている。ステーター113は、図1の磁石検出部112に相当する。ステーター113は、回転軸線まわりの周囲に複数の一対の磁極片113a、113bを有する。一方の磁極片113aは、対向する他の2つの磁極片113bの間に嵌まり込むように形成されて、回転軸線まわりの周方向に磁極片113aと磁極片113bとが交互に設けられている。
【0019】
ステーター113の外部には、ローター114が設けられている。ローター114は、環状のヨーク114aとヨーク114aの内周面に固着されたマグネット114bとから成る。マグネット114bは、図1の磁石111に相当する。図2では、4つのマグネット114bが固着されているが、ダイナモによっては、異なる数のマグネット114bが固着されていてもよい。各マグネット114bは、周方向においてN極とS極とを交互に有する。図2は、各マグネットがN極とS極とを合わせて8極を形成している例を示しており、ローター1周で32極が形成されている。なお、ローター1周分の極数は、32極に限定されない。ただし、制御部12がセンサ20による検出タイミングが十分に得られるだけの極数である必要がある。
【0020】
図3は、図2に示すダイナモが装着された回転部品が回転した際に発生する交流電圧及びその交流電圧を処理した電圧の一例を示す。図3(a)は、ダイナモが発生する交流電圧の一例である。この電圧は、磁極片113a、113bが、マグネット114bのN極に対向する位置からS極に対向する位置、あるいはS極に対向する位置からN極に対向する位置に移動するたびに発生する。したがって、図3(a)に図示した交流電圧の1周期Tは、磁極片113a、113bが、マグネット114bのN極に対向する位置からS極に対向する位置に移動し、またN極に対向する位置に移動する(あるいは、S極に対向する位置からN極に対向する位置に移動し、またS極に対向する位置に移動する)までの期間である。
【0021】
図3(b)は、図3(a)の交流電圧を波形整形回路に通して処理した電圧の一例を示す。このように処理すると、交流電圧の半周期に1回パルス波を出力するような出力信号が得られる。言い換えれば、この出力信号のパルスは、磁極片113a、113bが異なる極に対向する位置に移動した、すなわち回転部品の回転軸が360°をローター1周分の極数で除算した角度だけ回転したことを示している。
【0022】
図3(c)は、図3(a)の交流電圧を半波整流回路及び波形整形回路に通して処理した電圧の一例を示す。このように処理すると、交流電圧の1周期に1回パルス波を出力するような信号が得られる。言い換えれば、この出力信号のパルスは、磁極片113a、113bが異なる極に対向する位置に移動した後に再び同じ極に対向する位置に移動した、すなわち、回転部品の回転軸が360°をローターの1周分のS極の極数またはローターの1周分のN極の極数で除算した角度だけ回転したことを示している。
【0023】
制御部12は、このパルスをもとに、センサ20による検出タイミングに、センサデバイス21を起動させる。例えば、回転部品の回転軸が360°÷N(Nは、ローター1周分の極数)だけ回転すると、センサ20による検出タイミングとなるのであれば、制御部12は、図3(b)のパルス波が発生するタイミングで、センサデバイス21を起動する。制御部12は、センサデバイス21を所定時間起動させた後、センサデバイス21による検出を停止させる。前記所定時間は、隣接するパルスの間隔よりも短い時間に選ばれる。パルス波が発生するタイミングとは、パルスの立ち上がりのタイミングおよびパルスの立下りのタイミングいずれでもよい。この場合、図3(b)の信号を生成する波形整形回路は、制御部12に相当する。また、回転部品の回転軸が360°÷M(Mは、ローター1周分のS極の極数またはローターの1周分のN極の極数)だけ回転すると、センサ20による検出タイミングとなるのであれば、制御部12は、図3(c)のパルス波が発生するタイミングで、センサデバイス21を起動する。この場合、図3(c)の信号を生成する半波整流回路及び波形整形回路は、制御部12に相当する。
【0024】
さらに、回転部品の回転軸が360°÷N(Nはローター1周分の極数)×K(Kは整数)だけ回転するなど、図3(b)のパルスが出力される角度と異なる角度で回転すると、センサ20による検出タイミングとなるのであれば、制御部12は、図3(b)の信号を生成する波形整形回路に加えて、パルス数を計測するカウンタをさらに備えるとよい。この場合、カウンタは、図1の演算部121に相当する。そして、制御部120は、カウンタ値が所定の値(上述の例では、K)の倍数となる場合、トリガ信号となるパルス波をセンサデバイス21に出力する。
【0025】
なお、上述したパルス波は、センサデバイス21が起動するためのトリガ信号として使用されてもよい。この場合には、センサ20は、トリガ信号を受信して、センサデバイス21を起動するセンサデバイス駆動部を備える。
【0026】
また、上述したパルス波は、センサデバイス21の起動電圧として使用されてもよい。この場合、パルス電圧がセンサデバイス21の起動電圧としてセンサ20に供給される。パルス電圧をセンサデバイス21の起動電圧として用いる場合、ダイナモの回転速度の変化によってパルス電圧が変動しないように、制御部12は、電圧制限回路を備えるとよい。
【0027】
つぎに、スピードメータの磁気センサにより検出部11が実現される場合について説明する。図4は、スピードメータの磁気センサによって実現された検出部11の一例である。この検出部では、車輪300のスポーク310にはマグネット115a〜115cが取り付けられており、自転車のフォーク320にはリードスイッチ116が取り付けられている。このマグネット115a〜115cは、図1の磁石111に相当し、リードスイッチ116は、図1の磁石検出部112に相当する。車輪が回転し、マグネット115a〜115cがリードスイッチ116の前を通過する度にリードスイッチ116がON/OFFされ、このON/OFF信号が検出部11の出力として出力される。マグネット115a〜115cは、制御部12がセンサ20による検出タイミングを検出するのに必要な数だけ設置されるのであれば、どのような配置方法でも構わない。図3では、車輪が120°だけ回転すると、センサ20による検出タイミングとなる場合のマグネットの配置方法を図示している。図3において、車輪の回転中心330を点Oとし、マグネット115a〜115cの各中心をそれぞれA〜Cとするとき、∠AOB=∠BOC=∠COA=120°となるように配置している。
【0028】
図4の場合において、制御部12は、波形整形回路を備え、上述したリードスイッチのON/OFF信号を入力し、ON/OFF信号をパルス波に整形した信号に基づいてセンサデバイス21を所定時間だけ起動する。この場合、当該パルス波に整形した信号は、前述したダイナモの信号を整形したパルス波と同様に用いられてもよい。なお、マグネット115a〜115cが、センサ20による検出タイミングを計測するのに必要な角度分解能よりもさらに高い角度分解能を測定できるように配置される場合、制御部12は、演算部121としてカウンタを備え、所定のタイミングになる場合、パルス波を出力する構成としてもよい。
【0029】
つぎに、本実施形態の自転車用センサにおける計測方法の処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態の自転車用センサにおける計測方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
まず、制御部12は、センサ20による検出タイミングであるか否か判定する(ステップS1)。センサ20による検出タイミングでない場合(ステップS1でNO)、制御部100は、そのタイミングになるまで待つ(ステップS1)。これは、上述したように、検出部11の出力信号が波形整形回路等で処理されることによって行われる。
【0031】
制御部12がセンサ20による検出タイミングであると判定すると(ステップS1でYES)、制御部12は、センサデバイス21を起動する(ステップS2)。なお、ステップS2において、制御部12がセンサデバイス21を起動するのに代えて、センサデバイスがデータを取得するためのトリガ信号を送信するのでもよい。これは、制御部12がパルス波をセンサデバイス21に出力することによって、行われる。
【0032】
自転車部品およびフレームなど、自らが装着された部分にかかる力を、歪み量などをもとに計測する(ステップS3)。そして、センサデバイス21は、計測結果をアナログ電気信号として出力する。すなわち、センサデバイス21は、装着された部位の歪み量などに応じた電気信号を出力する。
【0033】
アンプ回路22は、当該アナログ電気信号をA/D変換処理に適したレンジまで増幅する(ステップS4)。A/D変換回路23は、増幅されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換する(ステップS5)。
【0034】
つぎに、物理量算出部24は、デジタル信号から自転車の走行状態に応じて変化する物理量を算出する(ステップS6)。典型的には、物理量算出部24は、リアハブ、クランク、ボトムブラケット、および、ペダル等に装着されたセンサデバイス21の出力からリアハブ、後輪、クランク軸などの回転部品に掛かるトルク、チェーンテンション、またはペダルの踏力などを算出する。そして、物理量算出部24は、リアハブ、後輪、クランク軸などの回転部品に掛かるトルク、チェーンテンション、またはペダルの踏力などに関する情報と、予め定められる演算式とを用いて、自転車が出力するパワーおよび/またはライダーが出力するパワーなどを算出する。
【0035】
たとえば、物理量算出部24は、クランク軸に掛かるトルクと、検出部11により検出されるケイデンス(クランク回転速度)から以下の式(1)によってライダーが自転車を漕ぐパワーを算出することができる。

パワー(W)=トルク(N・m)×ケイデンス(rpm)×2π/60 …(1)

また、たとえば、物理量算出部24は、自転車が出力するパワーを、後輪にかかるトルクと、後輪の回転数とに基づいて算出することができる。
【0036】
検出部11がクランク軸に装着されている場合、ケイデンスは、検出部11により測定される回転速度となる。ただし、検出部11が車輪に装着されている場合、物理量算出部24は、検出部11による回転速度からギア比に基づいてクランクの回転速度を推定し、その推定された回転速度をもとに、パワーを算出する。
【0037】
なお、物理量算出部24は、上述した部品以外に装着されたセンサデバイス21の出力信号に基づいて、異なる物理量を算出してもよい。このような物理量は、例えば、チェーンテンション、ペダルを踏む力、ハンドルバー、フレームなどのねじれやたわみなどがある。
【0038】
最後に、無線回路30は、物理量算出部24が算出した算出結果を、サイクルコンピュータに送信する(S7)。
【0039】
<第1の実施形態の効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の自転車用計測装置は、回転部品の回転状態に応じてセンサにおける検出頻度を変更することができるので、不必要な検出を行わなくてよい。したがって、電力消費量を抑制しつつ十分な測定精度が得られる。
【0040】
さらに、自転車用測定装置は、回転部品の回転量が所定の値になった場合に、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を測定するので、回転部品が一定の位相となったときに、常に、当該物理量を測定することができる。また、自転車用測定装置は、車輪一回転またはクランク一回転あたりの検出回数を、その回転速度に関係なく一定とすることができる。その結果、測定精度が安定する。また、自転車が低速で進行する場合においても、検出回数が増えないため、消費電力を低減することができる。
【0041】
なお、検出部として、ダイナモを利用した場合と、スピードメータの磁気センサを利用した場合の2つを例に挙げて説明したが、スピードメータの磁気センサは、測定遅延が生じるのに対し、ダイナモを利用した検出部は、測定遅延を生じない。よって、ダイナモを利用した検出部は、スピードメータの磁気センサを利用した検出部に比べて高い測定精度を実現することができる。
【0042】
<変形例>
なお、制御部12におけるセンサ20による検出タイミングの判定方法は、上述したものに限定されない。例えば、検出部11が車速を検出するサイクルコンピュータであって、制御部12は、検出部が出力する車速を入力し、図6に示すように車速に応じてサンプリングレートを決定し、決定されたサンプリングレートに合わせて、センサ20を所定時間起動するのでもよい。なお、車速v〜vの間(v<v)で車速に比例してサンプリングレートをfmin〜fmax(fmin<fmax)まで増加させる、図6に示したサンプリングレートの決定方法は、あくまで一例に過ぎない。たとえば、車速vはゼロであってもよく、車速vは無限大であってもよい。車速が早くなるにつれてサンプリングレートが大きくなるのであれば、いかなる方法が用いられても構わない。
【0043】
また、制御装置10による回転部品の回転量の検出方法は、上述の実施形態において述べたものに限定されない。例えば、検出部11としてロータリーエンコーダなど異なるデバイスを使用したものであってもよい。
【0044】
さらに、図2は、ハブダイナモのような回転部品の回転軸に装着されるダイナモを図示しているが、これに代えてブロックダイナモが利用されてもよい。また、図4の検出部11は車輪に装着されているが、クランクに装着されたものであってもよい。
【0045】
また、センサ20の内部構成は、必ずしも上述の実施形態において述べたものに限定されない。例えば、センサデバイス21がデジタル信号を出力するものである場合、アンプ回路22、A/D変換回路23は省略されていてもよい。また、センサ20で計測された物理量に関するデータが有線によってサイクルコンピュータに送信される場合、無線回路30は省略されてもよい。
【0046】
またセンサ20は、センサデバイス21のみを備える構成であってもよく、アンプ22、A/D変換回路23および物理量算出部24は、制御部12に設けられてもよい。また物理量算出部24は、サイクルコンピュータに設けられてもよく、この場合にはセンサ20からは、センサデバイス21の出力を表す情報が出力される。
【0047】
またセンサデバイス21は、検出タイミングで制御部12によって所定時間起動される構成としているが、センサデバイス21を常に起動状態としておき、検出タイミングとなったときに、センサデバイス21の出力値が、物理量算出部24、制御部121により取得される、または物理量算出部を設けない場合には無線回路などにより取得される構成としてもよい。
【0048】
また、制御装置10は、物理量算出部24を備えずに、A/D変換回路23から出力される情報を単に記憶する記憶部を設けておき、無線通信または有線通信を用いて、記憶部に記憶された情報が読み出される構成としてもよい。
【0049】
<実装例>
なお、上述した演算部121、物理量算出部24は、典型的にはマイクロコンピュータにより実現されるが、記憶装置(ROM、RAM等)に格納された上述した処理手順を実行可能なプログラムデータが、CPU(Central Processing Unit)によって解釈実行されることで実現されてもよい。また、A/D変換回路23および物理量算出部24は、制御部121とともに1つのマイクロコンピュータによって実現されてもよい。また、制御部12からセンサデバイス21に送信される信号は、単なるパルス波でなく、トリガ信号とすることができる信号、あるいは、センサデバイス21に給電できる信号なら、いかなる形態の信号でもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 位相検出部
11 検出部
12 制御部
20 センサ
21 センサデバイス
22 アンプ回路
23 A/D変換回路
24 物理量算出部
30 無線回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部品を有する自転車に装着されるセンサの制御装置であって、
前記回転部品の回転状態に応じて前記センサにおける検出頻度を変更する制御装置。
【請求項2】
前記回転部品の回転状態を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて前記センサにおける検出頻度を変更する制御部と、
を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記回転部品は、車輪、クランク、ハブ、スプロケット、プーリー、および、ペダルのいずれかを含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記センサは、自転車の走行状態に応じて変化する物理量を検出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記検出部は、ダイナモによって構成されることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記ダイナモは、ハブダイナモまたはブロックダイナモを含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ダイナモが生じる交流電圧に基づいて、前記センサにおける検出頻度を変更することを特徴とする、請求項5または6のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記センサにおける検出を行うとき、前記センサに電力を供給することを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の制御装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記自転車の前輪または後輪の回転速度、あるいはクランクまたはペダルの回転速度を検出することを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の制御装置。
【請求項10】
前記検出部は、
磁石と、
前記磁石を検出する磁石検出部とを含む、請求項2〜9のいずれかに記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記磁石検出部の検出結果に応じて、検出頻度を演算する演算部を備える、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記物理量は、前記回転部品にかかるトルク、または、前記回転部品を回転させるパワーであることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項13】
回転部品を有する自転車に装着されるセンサの制御方法であって、
前記回転部品の回転状態に応じて前記センサにおける検出頻度を変更する、制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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