説明

自閉症スペクトラム障害を診断するための組成物および方法

本発明は、一般に自閉症スペクトラム障害を診断するための組成物および方法に関する。ある実施形態では、本発明は、被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を提供する。1つの実施形態では、本発明は、被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を含む。その方法は、被験体からの生物学的試料(例えば組織試料または体液試料)から核酸を得て、被験体の核酸中に変異型配列が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施する工程を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この発明は、米国特許法119(e)の下、2009年9月8日に出願された米国仮特許出願第61/240,469号への優先権を主張する。米国仮特許出願第61/240,469号の開示は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)を診断するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自閉症は、社会的相互作用およびコミュニケーションスキルの領域において脳の正常な発達を妨げる複雑な発達障害である。典型的には、自閉症の小児および成人は、言語および非言語コミュニケーション、社会的相互作用、ならびに娯楽または遊びの活動が困難である。
【0004】
自閉症は一般に、社会的相互作用およびコミュニケーションスキルを含む、発達のいくつかの領域における重篤で広汎性の障害を特徴とする神経学的障害のカテゴリーである、広汎性発達障害(PDD)の傘の下に入る5つの障害の1つとして特徴づけられる。PDDに属する5つの障害は、自閉症障害、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む。これらの障害の各々についての特定の診断基準は、米国精神医学会によって配布された、American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fourth Edition,Text Revision.Washington,DC,American Psychiatric Association,2000に見出すことができる。
【0005】
自閉症の生物学的症状発現に関する確定診断試験はなく、従って、自閉症は依然として、ほとんど全面的に行動症状を通して診断しなければならない唯一の神経学的障害の1つである。DSM−IVは、自閉症を12の診断基準によって特徴づけられる広汎性発達障害(PDD)と分類する。これらの基準は3つのカテゴリーに属する:社会的相互作用の障害;コミュニケーションの障害;および限られた範囲の活動と興味。自閉症の診断は、小児が12の症状の少なくとも6つを示すことを必要とする。
【0006】
小児が上記に挙げた自閉症の定義に適合しない場合は、特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)と呼ばれる状態を有すると診断され得る。特定不能の形態の広汎性発達障害(PDD)のそのような診断は、例えば遅い年齢での発症、または閾値下もしくは非定型症状のために上記カテゴリーに属さない非定型自閉症を包含し得る。DSM−IVによれば、自閉症様行動が存在する場合、特に社会的および言語的コミュニケーションスキルの発達の重篤な障害が存在するが、小児が古典的自閉症またはいかなる他の特定の広汎性発達障害、統合失調症、統合失調型人格障害もしくは回避性人格障害についての基準にも合致しない場合にこの診断が使用されるべきである。
【0007】
農薬および/または出生時欠損を引き起こすことがある作用物質への暴露を含むがこれらに限定されない、様々な作用物質が自閉症の発症に関連すると主張されてきた。少なく一部の症例では、自閉症は遺伝学的基礎を有し得ると思われる。自閉症の遺伝学は複雑であると思われる。例えば、コピー数の変異および染色体の構造異常(大型および小型の両方)が、特に、自閉症または自閉症行動が一般的である症候群を有する患者の特定のゲノム領域に存在することが示されている(非特許文献1)。DNAハイブリダイゼーション試験は、自閉症集団における構造異常を示した。多くの異なる遺伝子の遺伝的変異についての因果的役割が、関連研究分析または連鎖研究分析からの証拠に基づいて示唆されている。まだ、ゲノムワイド関連研究分析は、単独でまたは組合せとして作用する、特定の共通変異型を関連づけることはできていないが、そのような研究は、他の原因となる遺伝子または経路を指摘し得る関連ピークを同定した。遺伝的変異が少なくとも非症候性自閉症の原因であり得るというある程度の証拠が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】AbrahamsおよびGeschwind,Nature Reviews Genetics(2008)9:341〜355
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
小児を診断するための評価は、典型的には医師と小児の両親を含むチームによって行われる。自閉症スペクトラム障害の診断は主観的であるので、小児の誤診が高い頻度で起こることがある。従って、被験体が自閉症スペクトラム障害に罹患しているかどうかの客観的決定を提供することができる診断試験に対する満たされていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一般に自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための組成物および方法に関する。本発明の方法および組成物は、その被験体または他の被験体について自閉症スペクトラム障害(ASD)の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを客観的に診断するために、被験体から遺伝情報を得るまたは遺伝情報を提供するために使用し得る。
【0011】
1つの実施形態では、本発明は、被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を含む。その方法は、被験体からの生物学的試料(例えば組織試料または体液試料)から核酸を得て、被験体の核酸中に変異型配列が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施する工程を含み得る。ある実施形態では、前記方法は、その変異型を自閉症スペクトラム障害に関連する公知の変異型と比較して、その変異型が自閉症に関連するとこれまでに同定されている変異型であるかどうかを決定することを含み得る。または、前記方法は、変異型を、新しい、これまでに特徴づけられていないまたはこれまでに記述されていない変異型として同定することを含み得る。変異型が新しい変異型である場合、本発明の方法は、その突然変異が遺伝子の発現および/または遺伝子によってコードされるタンパク質の機能に有害であると予想されるか否かを決定する分析を実施することをさらに含み得る。本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するために変異型プロフィール(すなわち被験体において同定された突然変異の集積)を利用することをさらに含み得る。一部の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの遺伝子についてのサンプル核酸配列を得るために、被験体からの組織試料または体液試料から核酸を得て、核酸の少なくとも一部を配列決定することを含み得る。
【0012】
本発明のさらなる他の実施形態は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクと相関する突然変異(すなわち変異型)を同定するための方法を含み得る。その方法は、突然変異した場合、自閉症の発症に関連し得る配列を有すると評価される核酸を同定する工程を含み得る。また、前記方法は、自閉症スペクトラム障害を有する被験体からの生物学的試料(例えば組織試料または体液試料)から核酸試料を得て、自閉症スペクトラム障害を有さない個体における核酸配列と比較して、自閉症を有する被験体において核酸配列の突然変異が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施し、自閉症スペクトラム障害を有する被験体における突然変異の存在が、前記突然変異が自閉症スペクトラム障害の発症に関連し得ることを指示することを含み得る。変異型が新しい変異型である場合、本発明の方法は、その突然変異が遺伝子の発現および/または遺伝子によってコードされるタンパク質の機能に有害であると予想されるか否かを決定する分析を実施することをさらに含み得る。本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するために使用できる種々の突然変異のパネルを集積することをさらに含み得る。
【0013】
さらなる他の実施形態では、本発明は、以下の遺伝子またはゲノム領域:TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBまたはUBE3Aの少なくとも1つの核酸を含む単離された核酸を含み、前記配列は、自閉症スペクトラム障害の指標となるまたは自閉症スペクトラム障害に関連する変異型を含む。
【0014】
本発明のさらなる特徴を以下で述べる。本発明は、その適用を以下の特許請求の範囲、説明および図面で示される詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行または実施することができる。
【0015】
本発明の様々な特徴、態様および利点は、以下の図面を参照してより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従ったmGluRシグナル伝達に関与する遺伝子を示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従った変異型分類のための方法を示す。
【図3−1】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−2】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−3】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−4】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−5】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−6】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−7】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−8】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−9】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−10】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−11】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−12】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−13】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−14】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−15】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−16】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−17】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−18】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−19】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−20】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−21】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−22】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−23】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−24】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−25】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−26】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−27】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−28】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−29】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−30】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−31】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−32】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−33】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−34】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−35】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−36】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−37】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−38】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−39】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−40】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−41】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−42】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−43】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−44】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−45】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−46】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−47】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−48】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−49】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−50】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−51】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−52】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−53】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−54】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−55】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−56】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−57】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−58】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−59】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−60】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図3−61】図3のパネルA〜LLは、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子についてのDNA配列ならびに配列番号:1〜38としてこれらの遺伝子によってコードされるタンパク質配列を示す。
【図4−1】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−2】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−3】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−4】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−5】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−6】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−7】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−8】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−9】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−10】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−11】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−12】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−13】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−14】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−15】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−16】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−17】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−18】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−19】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−20】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−21】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−22】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−23】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−24】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−25】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−26】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−27】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−28】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−29】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−30】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−31】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−32】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【図4−33】図4は、配列番号:39〜271としてTSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子中の突然変異を同定するために実施例で述べるように使用されるエクソンおよび隣接配列ならびに前記配列の染色体位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例で示す数値は可能な限り正確に報告されている。いかなる数値も、しかし、それぞれの試験測定において認められる標準偏差から必然的に生じるある程度の誤差を本質的に含む。さらに、本明細書で開示されるすべての範囲は、その中に組み込まれるありとあらゆる部分範囲を包含することが理解されるべきである。例えば、「1〜10」と明記された範囲は、最小値の1から最大値の10までの間(両端を含む)のありとあらゆる部分範囲;すなわち、最小値の1またはそれ以上、例えば1〜6.1で始まり、最大値の10またはそれ以下、例えば5.5〜10で終わるすべての部分範囲を包含するとみなされるべきである。加えて、「本明細書に組み込まれる」と言及されるいかなる参考文献も、その全体が組み込まれると理解されるべきである。
【0018】
本明細書で使用される場合、単数形態の「a」、「an」および「the」は、明確かつ明白に1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を包含することにさらに留意されたい。「および/または」という用語は一般に、少なくともどちらか一方を指すために使用される。一部の場合には、「および/または」という用語は、「または」という用語と交換可能に使用される。
【0019】
また「部分」および「フラグメント」という用語は、ポリペプチド、核酸または他の分子構築物の部分を指すために交換可能に使用される。
【0020】
「ポリペプチド」および「タンパク質」は、部分的または完全長タンパク質のいずれかを含み得るタンパク質分子を表すために本明細書では交換可能に使用される。「ペプチド」という用語は、文脈が特に指示しない限り、完全長未満のタンパク質または非常に短いタンパク質を意味するために使用される。
【0021】
当技術分野で公知のように、「タンパク質」、「ペプチド」、「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」は、そのα炭素が、1つのアミノ酸のα炭素のカルボキシル基ともう1つ別のアミノ酸のα炭素のアミノ基との間の縮合反応によって形成されるペプチド結合を介して連結されているアミノ酸(典型的にはL−アミノ酸)の鎖である。典型的には、タンパク質を構成するアミノ酸は、タンパク質のアミノ末端残基から出発し、カルボキシ末端残基へと向かう方向で増加して、順に番号づけられる。
【0022】
当技術分野で公知のように、核酸配列を互いにハイブリダイズするための条件は、低ストリンジェンシーから高ストリンジェンシーまでにわたると表すことができる。一般に、抗ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、高温にて低塩緩衝液中でハイブリッドを洗浄することを指す。ハイブリダイゼーションは、結合したDNAを、65℃にて、0.5M NaHPO、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの当技術分野で標準的なハイブリダイゼーション溶液を使用してろ過し、プローブの長さに依存して室温から68℃までの範囲の温度にて、0.25M NaHPO、3.5%SDS中で洗浄し、次いで0.1×SSC/0.1%SDS中で洗浄することであり得る(例えばAusubel,F.M.ら、Short Protocols in Molecular Biology,4th Ed.,Chapter 2,John Wiley & Sons,N.Y参照)。例えば、高ストリンジェンシー洗浄は、14塩基のオリゴヌクレオチドプローブについては37℃、または17塩基オリゴヌクレオチドプローブについては48℃、または20塩基オリゴヌクレオチドプローブについては55℃、または25塩基オリゴヌクレオチドプローブについては60℃、または約250ヌクレオチド長のヌクレオチドプローブについては65℃にて、6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウム中で洗浄することを含む。核酸プローブは、例えば[γ−32P]ATPでの末端標識によって、またはランダムプライマー標識による[α−32P]dCTPなどの放射性標識ヌクレオチドの組込みによって放射性ヌクレオチドで標識し得る。あるいは、ビオチニル化またはフルオレセイン標識ヌクレオチドの組込みによってプローブを標識し、ストレプトアビジンまたは抗フルオレセイン抗体を用いてプローブを検出し得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「上流」という用語は、分子がタンパク質である場合は2番目の残基に対してN末端側である、または分子が核酸である場合は2番目の残基に対して5’側である残基を指す。同じく本明細書で使用される場合、「下流」という用語は、分子がタンパク質である場合は2番目の残基に対してC末端側である、または分子が核酸である場合は2番目の残基に対して3’側である残基を指す。本明細書で開示されるタンパク質、ポリペプチドおよびペプチド配列は、すべてN末端アミノ酸からC末端アミノ酸へと列挙され、本明細書で開示される核酸配列は、すべて分子の5’末端から分子の3’末端へと列挙される。
【0024】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および学術用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。実行者は、当技術分野の定義および用語に関して特にCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel)を参照されたい。アミノ酸残基についての略語は、20の一般的なL−アミノ酸の1つを指すために当技術分野で使用される標準的な3文字および/または1文字表記である。
【0025】
「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチドである。この用語は、一本鎖核酸、二本鎖核酸、ならびにヌクレオチドまたはヌクレオシド類似体から作製されるRNAおよびDNAを包含するために使用される。
【0026】
「同一性」または「パーセント同一」という用語は、2つのアミノ酸配列の間または2つの核酸配列の間の配列同一性を指す。パーセント同一性は、2つの配列を整列することによって決定でき、比較される配列によって共有される位置の同一残基(すなわちアミノ酸またはヌクレオチド)の数を指す。配列アラインメントおよび比較は、当技術分野において標準的なアルゴリズムを用いて(例えばSmithとWaterman,1981,Adv.Appl.Math.2:482;NeedlemanとWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443;PearsonとLipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:2444)、またはBLASTおよびFASTAとして公的に利用可能なこれらのアルゴリズムのコンピュータ化されたバージョン(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison,WI)によって実施し得る。また、National Institutes of Health,Bethesda MDを通して利用可能なENTREZも配列比較のために使用し得る。別の場合には、パーセント同一性を決定するためにGenomeQuestなどの市販のソフトウエアを使用し得る。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合は、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(例えばBLASTN;National Center for Biotechnology Informationについてのインターネットサイトで入手可能な)を使用し得る。1つの実施形態では、2つの配列のパーセント同一性は、各々のアミノ酸ギャップが、それが2つの配列間の1個のアミノ酸のミスマッチであるかのごとくに加重されるように、ギャップ加重1のGCGを用いて決定し得る。または、GCG(Accelrys,San Diego,CA)配列アラインメントソフトウエアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)を使用し得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「保存された残基」という用語は、同じ構造および/または機能を有する複数のタンパク質の間で同じであるアミノ酸を指す。保存された残基の領域はタンパク質の構造または機能にとって重要であり得る。従って、三次元タンパク質において同定される隣接する保存された残基は、タンパク質の構造または機能にとって重要であり得る。保存された残基または3D構造の保存された領域を見つけるために、異なる種からの、または同じ種の個体の同じかまたは類似のタンパク質についての配列の比較を行い得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、アミノ酸またはヌクレオチド配列に言及する場合の「類似」または「ホモログ」という用語は、野生型アミノ酸配列とある程度の相同性または同一性を有するポリペプチドを意味する。相同性比較は、目視によって、またはより一般には、容易に入手可能な配列比較プログラムを用いて実施することができる。これら市販のコンピュータプログラムは、2つ以上の配列の間のパーセント相同性を計算できる(例えばWilbur,W.J.とLipman,D.J.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:726−730)。例えば、相同な配列は、別の実施形態では互いに少なくとも70%同一、75%同一、80%同一、85%同一、90%同一、95%同一、97%同一または98%同一であるアミノ酸配列を包含すると解釈され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、それに少なくとも90%同一という用語は、指示される配列に90〜100%にわたる同一性の配列を包含し、その間のすべての範囲を包含する。従って、それに少なくとも90%同一という用語は、指示される配列に91、91.5、92、92.5、93、93.5.94、94.5、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5パーセント同一である配列を包含する。同様に「少なくとも70%同一」という用語は、70〜100%にわたって同一である配列を包含し、その間のすべての範囲を包含する。パーセント同一性の決定は、本明細書で述べるアルゴリズムを用いて決定される。
【0030】
本明細書で使用される場合、ポリペプチドまたはタンパク質「ドメイン」は、独立した単位を含むポリペプチドまたはタンパク質に沿った領域を含む。ドメインは、構造、配列および/または生物学的活性の見地から定義され得る。1つの実施形態では、ポリペプチドドメインは、タンパク質の残りの部分から実質的に独立して折りたたまれたタンパク質の領域を含み得る。ドメインは、PFAM、PRODOM、PROSITE、BLOCKS、PRINTS、SBASE、ISREC PROFILES、SAMRTおよびPROCLASSなどの、しかしこれらに限定されないドメインデータベースを用いて同定し得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、遺伝子は、遺伝の単位である。一般に、遺伝子は、タンパク質または機能性RNAをコードするDNAの一部である。遺伝子の現代の実用的定義は、遺伝的形質の単位に対応するゲノム配列の位置特定可能な領域である。遺伝子は、調節領域、転写領域、および/または他の機能性配列領域に関連し得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、遺伝子調節エレメントまたは調節配列は、転写因子などの調節タンパク質が、遺伝子発現を調節するために結合するDNAのセグメントである。そのような調節領域は、しばしば調節される遺伝子の上流にある。
【0033】
本明細書で使用される場合、エクソンは、RNAの他の部分(例えば、イントロンとして知られる介在領域)がRNAスプライシングによって除去された後、成熟またはプロセシングされたRNAにおいて認められる核酸配列である。それ自体、エクソン配列は、一般にタンパク質またはタンパク質の部分をコードする。イントロンは、RNAスプライシングによって周囲のエクソン配列から取り除かれるRNAの部分である。
【0034】
本明細書で使用される場合、発現されたRNAは、タンパク質またはポリペプチドをコードするRNA(「コードRNA」)、および転写されるが翻訳されない任意の他のRNA(「非コードRNA」)である。
【0035】
本明細書で使用される場合、マイクロRNAは、遺伝子発現の転写後調節に関与する短い(20〜24ヌクレオチド)非コードRNAであるマイクロRNA(miRNA)である。マイクロRNAは、mRNAの安定性および翻訳の両方に影響を及ぼすことができる。例えば、マイクロRNAは、標的mRNAの3’UTR内の相補的配列に結合して、遺伝子サイレンシングを引き起こすことができる。miRNAは、タンパク質をコードするかまたは非コードのいずれかであり得るキャップされたポリアデニル化一次転写産物(プリmiRNA)の一部としてRNAポリメラーゼIIによって転写される。一次転写産物は、ドローシャリボヌクレアーゼIII酵素によって切断されて、約70ヌクレオチドのステムループ前駆体miRNA(プレmiRNA)を生成することができ、前記前駆体miRNAは、細胞質ダイサーリボヌクレアーゼによってさらに切断されて、成熟miRNAおよびアンチセンスmiRNAスター(miRNA)産物を生成することができる。成熟miRNAは、miRNAとの不完全な塩基対合を介して標的mRNAを認識することができ、最も一般的には標的mRNAの翻訳阻害または不安定化を生じさせる、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれることができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、siRNAは、基本的には約20個の相補的ヌクレオチドからなる二本鎖RNA分子である。siRNAはより大きな二本鎖(ds)RNA分子の分解によって作製される。siRNAは、本質的に、mRNAの分解を導くmRNAとsiRNAの相互作用によってその対応するmRNAを2つに分割することによって遺伝子発現を抑制することができる。siRNAはまた、DNAと相互作用して、クロマチン(chromating)サイレンシングおよびヘテロクロマチンの増加を促進することができる。
【0037】
本明細書で使用される場合、後成的エレメントは、基礎となるDNA配列の変化以外の機構によって遺伝子発現を変化させることができる。そのようなエレメントは、擬似突然変異、刷込み、遺伝子サイレンシング、X染色体の不活性化、位置効果、再プログラム化、トランスベクション、母性効果、ヒストン修飾、およびヘテロクロマチンを調節するエレメントを包含し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、突然変異および変異型という用語は、核酸またはタンパク質配列の変化を表すために交換可能に使用される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「自閉症スペクトラム障害に関連する」は、変異型が、非自閉症対照におけるよりも自閉症を有する患者において多く認められることを意味する。一般に、そのような関連の統計的有意性は、複数の患者を検定することによって決定できる。
【0040】
本明細書で使用される場合、対象領域は、DNA配列中の変異型を検定するために標的される染色体の部分である。
【0041】
自閉症スペクトラム障害を診断するための方法および組成物
本発明の実施形態は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための組成物および方法を含む。本発明の方法および組成物は、その被験体または他の被験体について自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを客観的に診断するために、被験体から遺伝情報を得るまたは遺伝情報を提供するために使用し得る。
【0042】
1つの実施形態では、本発明は、被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を含む。その方法は、被験体からの組織試料または体液試料から核酸を得て、被験体の核酸中に変異型配列(すなわち突然変異)が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施する工程を含み得る。ある実施形態では、前記方法は、その変異型を自閉症スペクトラム障害に関連する公知の変異型と比較して、その変異型が自閉症に関連するとこれまでに同定されている変異型であるかどうかを決定することを含み得る。または、前記方法は、変異型を、新しい、これまでに特徴づけられていない変異型として同定することを含み得る。変異型が新しい変異型である場合、本発明の方法は、その突然変異が遺伝子の発現および/または遺伝子によってコードされるタンパク質の機能に有害であると予想されるか否かを決定する分析を実施することをさらに含み得る。本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するために変異型プロフィール(すなわち被験体において同定された突然変異の集積)を利用することをさらに含み得る。
【0043】
ある実施形態では、本発明は、被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を含み、前記方法は、被験体からの組織試料または体液試料から核酸を得ること;被験体の核酸中に1つの変異型配列または複数の変異型配列が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施すること;検出された各々の変異型について、その変異型が自閉症スペクトラム障害に関連する公知の変異型であるかまたはこれまでに記述されていない変異型であるかを決定すること;前記変異型がこれまでに記述されていない変異型である場合は、変異型が遺伝子発現および/またはタンパク質機能の少なくとも1つに有害な作用を及ぼすと予想されるか否かを決定すること;ならびに検出された変異型配列または複数の変異型配列に基づき、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断することを含む。
【0044】
一部の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの遺伝子についてのサンプル核酸配列を得るために、被験体からの組織試料または体液試料から核酸を得て、核酸の少なくとも一部を配列決定することを含み得る。ある実施形態では、前記方法は、変異型を、自閉症スペクトラム障害に関連する公知の変異型と比較して、その変異型が、自閉症に関連するとこれまでに同定されている変異型であるかどうかを決定することを含み得る。または、前記方法は、変異型を、新しい、これまでに特徴づけられていない変異型として同定することを含み得る。変異型が新しい変異型である場合、またはこれまでに特徴づけられている(すなわち同定されている)変異型に関して一部の場合には、本発明の方法は、その突然変異が遺伝子の発現および/または遺伝子によってコードされるタンパク質の機能に有害であると予想されるか否かを決定する分析を実施することをさらに含み得る。本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するために変異型プロフィール(すなわち被験体において同定された変異型の集積)を利用することをさらに含み得る。
【0045】
本発明の方法の各々の実施形態において、本発明の方法は、関連の統計的有意性を決定するために複数の個体においてアッセイ(例えば配列決定)を実施することを含み得る。
【0046】
本発明の方法の様々な実施形態においておよび本明細書でより詳細に述べるように、アッセイは、核酸配列決定、ハイブリッドキャプチャー法(hybrid capture)および/または後成的分析の少なくとも1つを含む。例えば、ある実施形態では、次世代(大量並列シーケンシング)を使用し得る。または、サンガーシーケンシングを使用し得る。または、次世代(大量並列シーケンシング)とサンガーシーケンシングの組合せを使用し得る。加えておよび/または選択的に、配列決定は、合成による1分子シーケンシング(single-molecule sequencing-by-synthesis)の少なくとも1つを含む。従って、ある実施形態では、変異を示す試料を同定するために複数のDNA試料をプール中で分析する。加えてまたは選択的に、ある実施形態では、少なくとも2つのプールにおいて同じ変異を示す個々の試料を同定するために複数のDNA試料を複数のプール中で分析する。
【0047】
また、様々な実施形態において、実施する工程中の核酸は、遺伝子、RNA、エクソン、イントロン、遺伝子調節エレメント、発現されたRNA、siRNAまたは後成的エレメントを含む。また、スプライス部位、転写因子結合、A−Iエディティング部位、マイクロRNA結合部位、および機能性RNA構造部位を含む調節エレメントを突然変異(すなわち変異型)に関して評価し得る。
【0048】
ある実施形態では、変異型を分析するために選択される核酸は、1つ以上の自閉症スペクトラム障害に関連することが公知の配列または関連することが疑われる配列から選択される配列を含む。例えば、核酸は、表1中の遺伝子の1つの少なくとも一部を含む。または、核酸は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症において重要であり得る生化学的経路に関与するタンパク質をコードする遺伝子を含み得る。例えば、ある実施形態では、核酸は、代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路中のタンパク質をコードする遺伝子に由来する。例えば、ある実施形態では、変異型は、表2中の変異型の少なくとも1つを含む。従って、本発明の方法のある実施形態では、核酸は、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBまたはUBE3Aの少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、核酸は、TSC1、TSC2、SHANK3またはHOMER1の少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む。ある実施形態では、変異型は、以下の突然変異:HOMER 1 c.195G>T、M65I;HOMER 1 c.290C>T、S97L;HOMER 1 c.425C>T、P142L;GRM5 c.3503T>C、L1168P;MAPK2 c.581−1G>T;HRAS c.383G>A、R128Q;a MECP2 c.1477G>T、E483Xの少なくとも1つを含む。
【0049】
本発明の方法の様々な実施形態において、自閉症スペクトラム障害は、非症候性自閉症(non-syndromic autism)、古典的自閉症(classical autism)、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、または特定不能の広汎性発達障害(pervasive developmental disorder not otherwise specified)(PDD−NOS)の少なくとも1つであり得る。ある実施形態では、自閉症スペクトラム障害は非症候性自閉症(すなわち、自閉症の症状を呈するが、自閉症でしばしば認められる身体的症状発現を示さない患者)を含む。
【0050】
本発明の方法は、顕在表現型を含む、自閉症に関係する遺伝的症候群の存在または遺伝的症候群を発症する増大したリスクを診断することをさらに含み得る。例えば、ある実施形態では、遺伝的症候群は、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、15q11−q13重複、脆弱X症候群、脆弱X前突然変異(fragile X premutation)、染色体2qの欠失、XYY症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アペール症候群、ARX遺伝子の突然変異、ド・ランゲ症候群、スミス・メイジェニス症候群(Smith-Magenis syndrome)、ウィリアムズ症候群、ヌーナン症候群、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群、筋緊張性ジストロフィー、シュタイネルト病、結節硬化症、デュシェーヌ病、ティモシー症候群(Timothy syndrome)、10p染色体末端欠失、カウデン症候群、45,X/46,XYモザイク、ミーレ症候群(Myhre syndrome)、ソトス症候群、コーエン症候群、ゴルドナール症候群、ジュベール症候群、Lujan−Fryns症候群、メビウス症候群(Moebius syndrome)、伊藤のメラニン減少症、神経線維腫症1型、CHARGE症候群、および/またはHEADD症候群の少なくとも1つを含む。
【0051】
本発明の方法は、まだASDの症状を示していない、または診断があいまいである個体の診断を助けるために使用し得る。例えば、被験体は小児または胎児であり得る。
【0052】
核酸(DNAおよびRNAの両方)を配列決定するための技術は高感度であり、それ故、被験体から採取されたほとんどいかなる生物学的試料(すなわち組織または体液)も使用できる。例えば、選択的実施形態では、体液は、脳脊髄液、血液、羊水、母体血または尿の少なくとも1つを含む。
【0053】
上述したように、ある実施形態では、突然変異を評価する遺伝子は、自閉症の発症に関連する生化学的経路中のタンパク質をコードする遺伝子である。例えば、ある実施形態では、遺伝子は代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路に関与する。1つの実施形態では、経路は、mGluR5シグナル伝達経路であるおよび/またはmGluR5受容体の活性にとって重要な遺伝子を含む。または、特定の型の自閉症症候群に関連する他の生化学的経路を評価し得る。例えば、ある実施形態では、表1中の遺伝子および/またはゲノム領域の少なくとも1つを評価し得る。
【0054】
経路がmGluR5シグナル伝達経路であるおよび/またはmGluR5受容体の活性にとって重要な遺伝子を含む場合、DNA配列は、表2に示す遺伝子または表2に示す遺伝子を含むゲノム領域に由来し得る。本発明の方法のある実施形態では、ASDの存在または増大したリスクを指示し得る突然変異に関して評価される遺伝子および/またはゲノム領域は、ARC、EIF4E、FMR1、GRM1、GRM5、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、MECP2、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAF1、RHEB、SHANK3、TSC1、TSC2および/またはUBE3Aである。ある実施形態では、アッセイにおいて使用される天然または非変異型配列は、以下の遺伝子:ARC、EIF4E、FMR1、GRM1、GRM5、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、MECP2、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAF1、RHEB、SHANK3、TSC1、TSC2および/またはUBE3Aの少なくとも1つからのエクソン配列を含む。例えば、ある実施形態では、変異型に関して評価される遺伝子配列はエクソン配列を含む。または、イントロン配列または他の非コード領域を潜在的に有害な突然変異に関して評価し得る。ある実施形態では、エクソン配列および付加的な隣接配列(例えば、UTRおよび/またはイントロン配列の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55以上のヌクレオチド)をアッセイにおいて分析する。または、これらの配列の部分を使用し得る。ある実施形態では、評価される遺伝子配列は、以下の遺伝子:HOMER1、SHANK3、TSC1および/またはTSC2の少なくとも1つからのエクソン配列および/または隣接するイントロンもしくはUTR配列を含む。ある実施形態では、評価される遺伝子配列は、HOMER1遺伝子からのエクソン配列を含む。そのような変異型遺伝子配列は、表2に示す突然変異の少なくとも1つを有する配列を含み得る。
【0055】
本発明のさらなる他の実施形態は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクと相関する突然変異を同定するための方法を含み得る。その方法は、突然変異した場合、自閉症の発症に関連し得る、遺伝子またはゲノム領域などの核酸配列を同定する工程を含み得る。また、前記方法は、自閉症スペクトラム障害を有する被験体からの組織試料または体液試料から核酸試料を得ること;および自閉症スペクトラム障害を有さない個体における核酸配列と比較して、自閉症を有する被験体において核酸配列の突然変異が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施し、自閉症スペクトラム障害を有する被験体における突然変異の存在が、前記突然変異が自閉症スペクトラム障害の発症に関連し得ることを指示することを含み得る。または、前記方法は、選択した遺伝子またはゲノム領域の配列を新しい変異型(すなわち、これまでに発見されていない突然変異)に関して分析することを含み得る。変異型が新しい変異型である場合、またはこれまでに同定されている変異型に関して一部の場合には、前記方法は、その突然変異が遺伝子の発現および/または遺伝子によってコードされるタンパク質の機能に有害であると予想されるか否かを決定する分析を実施することをさらに含み得る。前記方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するために使用できる種々の突然変異のパネルを集積することをさらに含み得る。
【0056】
従って、本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクと相関する突然変異を同定するための方法であって、突然変異した場合、自閉症の発症に関連し得るまたは関連する配列を有すると評価される核酸を同定すること;自閉症スペクトラム障害を有する被験体からの組織試料または体液試料から核酸試料を得ること;および自閉症スペクトラム障害を有さない個体における核酸配列と比較して、自閉症を有する被験体において核酸配列の突然変異が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施し、自閉症スペクトラム障害を有する被験体における突然変異の存在が、前記突然変異が自閉症スペクトラム障害の発症に関連し得ることを指示することを含む方法を含み得る。
【0057】
新しい突然変異を同定するための本発明の方法の実施形態では、本発明の方法は、関連の統計的有意性を決定するために複数の個体においてアッセイ(例えば配列決定)を実施することを含み得る。
【0058】
ある実施形態では、突然変異は、これまでに自閉症スペクトラム障害の発症に関連づけられていた変異型である。または、突然変異は、これまでに記述されていない変異型であり得る。本発明の方法は、突然変異が遺伝子発現および/またはタンパク質機能の少なくとも1つに有害な作用を及ぼすと予想されるか否かを決定することを付加的に含み得る。
【0059】
ある実施形態では、変異型に関して分析するために選択される核酸は、1つ以上の自閉症スペクトラム障害に関連することが公知の配列または関連することが疑われる配列から選択される配列を含む。例えば、核酸は、表1中の遺伝子の1つの少なくとも一部を含む。または、核酸は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症において重要であり得る生化学的経路に関与するタンパク質をコードする遺伝子を含み得る。例えば、ある実施形態では、核酸は、代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路中のタンパク質をコードする遺伝子に由来する。例えば、ある実施形態では、変異型は、表2中の変異型の少なくとも1つを含む。従って、本発明の方法のある実施形態では、核酸は、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBまたはUBE3Aの少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、核酸は、TSC1、TSC2、SHANK3またはHOMER1の少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む。
【0060】
本発明の方法の様々な実施形態では、自閉症スペクトラム障害は、非症候性自閉症、古典的自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、または特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)の少なくとも1つであり得る。ある実施形態では、自閉症スペクトラム障害は非症候性自閉症を含む。
【0061】
または、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、15q11−q13重複、脆弱X症候群、脆弱X前突然変異、染色体2qの欠失、XYY症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アペール症候群、ARX遺伝子の突然変異、ド・ランゲ症候群、スミス・メイジェニス症候群、ウィリアムズ症候群、ヌーナン症候群、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群、筋緊張性ジストロフィー、シュタイネルト病、結節硬化症、デュシェーヌ病、ティモシー症候群、10p染色体末端欠失、カウデン症候群、45,X/46,XYモザイク、ミーレ症候群、ソトス症候群、コーエン症候群、ゴルドナール症候群、ジュベール症候群、Lujan−Fryns症候群、メビウス症候群、伊藤のメラニン減少症、神経線維腫症1型、CHARGE症候群、および/またはHEADD症候群の少なくとも1つのような、自閉症に関連する(例えば遺伝的に関係する)他の症候群と変異型の関連性。
【0062】
本発明の方法の様々な実施形態においておよび本明細書でより詳細に述べるように、アッセイは、核酸配列決定、ハイブリッドキャプチャー法および後成的分析の少なくとも1つを含む。例えば、ある実施形態では、次世代(大量並列シーケンシング)を使用し得る。または、サンガーシーケンシングを使用し得る。または、次世代(大量並列シーケンシング)とサンガーシーケンシングの組合せを使用し得る。加えておよび/または選択的に、配列決定は、合成による1分子シーケンシングの少なくとも1つを含む。従って、ある実施形態では、変異を示す試料を同定するために複数のDNA試料をプール中で分析する。加えてまたは選択的に、ある実施形態では、少なくとも2つのプールにおいて同じ変異を示す個々の試料を同定するために複数のDNA試料を複数のプール中で分析する。
【0063】
また、様々な実施形態において、実施する工程中の核酸は、遺伝子、RNA、エクソン、イントロン、遺伝子調節エレメント、発現されたRNA、siRNAまたは後成的エレメントを含む。また、スプライス部位、転写因子結合、A−Iエディティング部位、マイクロRNA結合部位、および機能性RNA構造部位を含む調節エレメントを突然変異(すなわち変異型)に関して評価し得る。
【0064】
本発明の方法は、まだASDの症状を示していない、または診断があいまいである個体の診断を助けるために使用し得る。例えば、被験体は小児または胎児であり得る。
【0065】
核酸(DNAおよびRNAの両方)を配列決定するための技術は高感度であり、それ故、被験体から採取されたほとんどいかなる生物学的試料(すなわち組織または体液)も使用できる。例えば、選択的実施形態では、体液は、脳脊髄液、血液、羊水、母体血または尿の少なくとも1つを含む。
【0066】
再び、ある実施形態では、新しい突然変異を評価する遺伝子は、自閉症の発症に関連する生化学的経路中のタンパク質をコードする遺伝子である。例えば、ある実施形態では、遺伝子は代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路に関与する。1つの実施形態では、経路はmGluR5シグナル伝達経路であり、および/またはmGluR5受容体の活性にとって重要な遺伝子を含む。または、特定の型の自閉症症候群に関連する他の生化学的経路を評価し得る。例えば、ある実施形態では、表1中の遺伝子および/またはゲノム領域の少なくとも1つを評価し得る。
【0067】
経路がmGluR5シグナル伝達経路であるおよび/またはmGluR5受容体の活性にとって重要な遺伝子を含む場合、DNA配列は、表2に示す遺伝子または表2に示す遺伝子を含むゲノム領域に由来し得る。本発明の方法のある実施形態では、ASDの存在または増大したリスクを指示し得る新しい突然変異に関して評価される遺伝子および/またはゲノム領域は、ARC、EIF4E、FMR1、GRM1、GRM5、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、MECP2、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAF1、RHEB、SHANK3、TSC1、TSC2および/またはUBE3Aである。ある実施形態では、天然または非変異型配列は、以下の遺伝子:ARC、EIF4E、FMR1、GRM1、GRM5、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、MECP2、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAF1、RHEB、SHANK3、TSC1、TSC2および/またはUBE3Aの少なくとも1つからのエクソン配列を含む。例えば、ある実施形態では、変異型に関して評価される遺伝子配列はエクソン配列を含む。ある実施形態では、エクソン配列および付加的な隣接配列(例えば、UTRおよび/またはイントロン配列の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55以上のヌクレオチド)をアッセイにおいて分析する。または、イントロン配列または他の非コード領域を潜在的に有害な突然変異に関して評価し得る。または、これらの配列の部分を使用し得る。そのような変異型遺伝子配列は、表2に示す突然変異の少なくとも1つを有する配列を含み得る。
【0068】
本発明の他の実施形態は、自閉症スペクトラム障害に関連する突然変異を含む単離された遺伝子配列を提供する。そのような遺伝子配列は、被験体についての自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを客観的に診断するために使用し得る。ある実施形態では、単離された核酸は、ARC、EIF4E、FMR1、GRM1、GRM5、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、MECP2、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAF1、RHEB、SHANK3、TSC1、TSC2および/またはUBE3Aのいずれか1つまたはそれらの組合せの非変異型配列または変異型配列を含み得る。例えば、ある実施形態では、遺伝子配列はエクソン配列を含む。ある実施形態では、エクソン配列および付加的な隣接配列(例えば、UTRおよび/またはイントロン配列の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55以上のヌクレオチド)をアッセイにおいて分析する。または、イントロン配列もしくは他の非コード領域を使用し得る。または、これらの配列の部分を使用し得る。ある実施形態では、遺伝子配列は、以下の遺伝子:HOMER1、SHANK3、TSC1および/またはTSC2の少なくとも1つからのエクソン配列を含む。ある実施形態では、遺伝子配列は、HOMER1遺伝子からのエクソン配列を含む。そのような変異型遺伝子配列は、表2に示す突然変異の少なくとも1つを有する配列を包含する。1つの実施形態では、単離された核酸は、以下の変異型:HOMER 1 c.195G>T、M65I;HOMER 1 c.290C>T、S97L;HOMER 1 c.425C>T、P142L;GRM5 c.3503T>C、L1168P;MAPK2 c.581−1G>T;HRAS c.383G>A、R128Q;a MECP2 c.1477G>T、E483Xの少なくとも1つを含み得る。
【0069】
自閉症スペクトラム障害は、一般に広汎性発達障害(PDD)の傘の下に入る5つの障害の1つとして特徴づけられる。PDDに属する5つの障害は、自閉症(古典的自閉症)、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、および特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)を包含する。本発明によれば、5つの障害の1つおよび/または自閉症スペクトラム障害に関連することが公知のまたは関連することが疑われる遺伝子のパネルを分析し得る。ある実施形態では、自閉症は非症候性自閉症である。または、他の型の自閉症スペクトラム障害の存在もしくは発症の増大したリスクを特徴づけてもよい。
【0070】
本発明の方法および組成物は、さらに、自閉症に関係する遺伝的症候群を発症する増大したリスクを診断するまたは予測するために使用してもよく、それにより被験体が症候性自閉症または非症候性自閉症または別の自閉症スペクトラム障害に罹患している、また発症する危険度が高いかどうかを決定し得る。自閉症に一般に関係する遺伝性障害は、例えば、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、15q11−q13重複、脆弱X症候群、脆弱X前突然変異、染色体2qの欠失、XYY症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アペール症候群、ARX遺伝子の突然変異、ド・ランゲ症候群、スミス・メイジェニス症候群、ウィリアムズ症候群、ヌーナン症候群、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群、筋緊張性ジストロフィー、シュタイネルト病、結節硬化症、デュシェーヌ病、ティモシー症候群、10p染色体末端欠失、カウデン症候群、45,X/46,XYモザイク、ミーレ症候群、ソトス症候群、コーエン症候群、ゴルドナール症候群、ジュベール症候群、Lujan−Fryns症候群、メビウス症候群、伊藤のメラニン減少症、神経線維腫症1型、CHARGE症候群、およびHEADD症候群を包含する。
【0071】
本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害に関連する変異型を同定するために、核酸配列決定、ハイブリダイゼーション、定量的PCRまたは当技術分野で公知の他の技術を利用し得る。そのような技術の説明は、当業者によって使用されるテキストにおいて見出され得る。または、本明細書でより詳細に述べるようなより新しいシーケンシング技術を使用し得る(例えば、Bowersら、2009,Nature Methods,6:593−595;Ozsolakら、Nature,2009,461:814−818参照)。客観的診断試験を利用することにより、本発明の方法は、自閉症スペクトラム障害を診断する主観的方法に関連する誤診を大きく低減するおよび/または排除する。
【0072】
例えば、ある実施形態では、本発明は、被験体(例えば小児または胎児)から核酸試料を得て、自閉症スペクトラム障害の指標となる配列変異型、再構成、コピー数変異型等を同定することにより、被験体における自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を提供する。配列変異型は、ASDを有する被験体においてこれまでに同定されているものであり得る。または、配列変異型は新しい(すなわちこれまでに記述されていない)ものであり得る。変異型の同定は、経験的であり得るか、または本明細書で教示する1つ以上の自閉症スペクトラム障害に関連する公知の配列変化との比較によって行い得る。
【0073】
核酸供給源材料は、脳脊髄液、血液、羊水、母体血、口腔スワブ、痰または尿などの体液または組織から入手し得る。診断は、遺伝子、エクソン、イントロン、遺伝子調節エレメント、イントロン、発現されたRNA、マイクロRNA、siRNAおよび後成的エレメントなどの、しかしこれらに限定されない任意の遺伝要素の分析によって行い得る。単一コピーの遺伝子を検出するのに十分な感度の配列決定法を使用し得る。
【0074】
ゲノム中のさらなる他のエレメントも遺伝子発現にとって重要であり得、それら自体、ASDの診断において使用し得る変異型として企図される。例えば、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBおよびUBE3A遺伝子について、スプライス部位、転写因子結合、A−Iエディティング部位、マイクロRNA結合部位、機能性RNA構造部位を包含する調節エレメントがマッピングされており、本明細書で述べる突然変異(変異型)に関して評価することができる。
【0075】
従って、本発明の方法および組成物の各々に関して、変異型は、以下の少なくとも1つを含有する核酸配列を含み得る:(1)A−Iエディティング部位−アデノシンからイノシンへの(A−I)RNAエディティングは脳において明確な局所特異性を示し、正常な行動のために必須であり、特定のエディティング部位における変化は、てんかんおよび統合失調症を包含する様々な神経病変に関連づけられてきた;(2)スプライス部位−原因となる突然変異のほぼ半数がプレmRNAスプライシングに影響を及ぼし、筋緊張性ジストロフィーおよび第17番染色体に連鎖するパーキンソン症候群を包含する、多くの神経疾患がスプライシング欠損によって引き起こされると推定される;(3)保存された機能性RNA構造−一本鎖RNAを介した調節は構造依存性であり、ヘアピンおよびステムループなどのいくつかのコア二次構造が繰り返し使用され、これらの構造の変化は、SEPN1関連ミオパシーの古典的な例におけるように、それらの機能に影響を及ぼして疾患を引き起こし得る;(4)実証された転写因子結合部位(TFBS)−「Encyclopedia of DNA Elements(DNAエレメントの百科事典)」(ENCODE)プロジェクトは、CHiP−seqを使用して予測される転写因子結合部位(TFBS)へのいくつかの転写因子の結合を実証しており、TFBSにおける突然変異は、統合失調症および双極性障害を包含するいくつかの精神障害に関連する;(5)マイクロRNA(miRNA)結合部位−miRNAは、標的mRNAをサイレンシングすることによって遺伝子発現プログラムの全体的なシフトを誘導する、脳発達の鍵となる調節因子としてますます認識されており、マイクロRNA結合部位の突然変異はツレット症候群およびTDP43陽性の前頭側頭型認知症に関係づけられている;(6)ポリアデニル化部位−mRNAの安定化のためには3ポリアデニル化が必要であり、ポリアデニル化欠損は、それらのmRNAの変化した発現を間接的に導き得るか、またはまれに、眼咽頭筋ジストロフィーにおけるような機能作用を直接獲得し得る;(7)公知の調節エレメント−Open REGulatory ANNOtationデータベース(ORegAnno)は、学術文献からの公知の調節エレメントのキュレーションのためのデータベースである;(8)いくつかのmiRNA遺伝子はタンパク質コード遺伝子内に埋め込まれており、miRNA遺伝子の多型はアルツハイマー病および統合失調症に関連するので、関心領域(ROI)内にコードされるmiRNA遺伝子;(9)ROI内にコードされる核小体低分子RNA遺伝子−いくつかのsnoRNA遺伝子はタンパク質コード遺伝子中に保持され、脳特異的snoRNAの変化は特定の疾患、例えばプラダー・ウィリー症候群に関連づけられている;(10)有胎盤哺乳動物全体にわたる超保存されたエレメント−超保存されたエレメントは百万年にもわたっていかなる配列変化も防ぐ極めて強大な進化圧下にあり、それ自体重要な機能的役割を担持すると思われる。
【0076】
例えば、本発明の実施形態は、被験体、例えば小児または胎児において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法を提供する。そのような方法は、被験体からの、または胎児の場合はその母親からの、組織試料または体液試料から核酸を得ることを含み得る。前記方法は、核酸配列またはゲノムの配列もしくはコピー数に変異型が存在するか否かを検出するために核酸を配列決定するまたは核酸のゲノム配列もしくはコピー数を測定する工程をさらに含み得る。前記方法は、自閉症スペクトラム障害についての核酸配列またはゲノム配列もしくはコピー数の変異型の臨床的重要性を評価する工程をさらに含み得る。そのような分析は、罹患集団(すなわち疾患を有する被験体)における変異型配列の関連の程度の評価を含み得る。そのような分析はまた、突然変異が遺伝子発現および/またはタンパク質機能に及ぼし得る影響の程度の分析を含み得る。前記方法はまた、この評価の結果に基づき自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断することを含み得る。
【0077】
本明細書で教示される評価を行うために多くの異なるゲノム分析技術が使用できる。例えば、標的リシーケンシング、全ゲノムシーケンシング、一塩基多型(SNP)分析、コピー数、後成的比較、再構成、欠失、および他の変異型の同定/分析を使用して本明細書で教示される比較および同定を行うことができる。以下の例示は説明を目的とするものであり、当業者は、本明細書で特定される結果を達成するために任意の利用可能なゲノム分析技術を使用できることを理解する。
【0078】
本発明による分析のための核酸は、任意の臨床的に許容される方法でヒト試料から、例えばヒト組織または体液から入手し得る。核酸は、成人または小児から入手できるかまたは胎児性材料(例えば母体血清または羊水からの胎児染色体材料)であり得る。粘液、血液、血漿、血清、血清誘導体、胆汁、血液、母体血、粘液質、唾液、汗、羊水、乳房液、尿および脳脊髄液(CSF)などの組織または体液からの細胞材料を包含する、任意の組織または体液源が許容される。試料はまた、スワブまたは細針吸引液または生検組織であり得る。試料はまた、細胞または生物学的材料を含む培地であり得る。被験体が胎児である実施形態では、羊水または母体血のいずれかから液体試料を得ることができる。
【0079】
試料採取の時点で自閉症スペクトラム障害に罹患していないことが既知の1人以上の個体に由来する参照配列と比較して核酸中の変異型(すなわち突然変異)を検出するために、核酸を配列決定し得るならびに/またはそのゲノム配列および/もしくはコピー数を測定する。上述したように、配列変異型はまた、経験的に入手し得る。核酸は、複数の遺伝要素に由来する複数の核酸を含み得る。配列変異型またはゲノム配列もしくはコピー数を検出する方法は当技術分野において公知であり、配列変異型またはゲノム配列もしくはコピー数は、当技術分野で公知の任意のシーケンシング法、例えば全体的シーケンシングまたは1分子シーケンシングによって、および当技術分野で公知のゲノム配列またはコピー数を検出するための任意の方法、例えばアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーションによって検出できる。
【0080】
シーケンシングを実施する従来の方法の1つは、Sangerら、1977,Proc Natl Acad Sci USA,74:5463−67によって述べられている、チェーンターミネーションおよびゲル分離による。別の従来のシーケンシング法は、核酸フラグメントの化学的分解を含む。Maxamら、1977,Proc.Natl.Acad.Sci.,74:560−564参照。最後に、ハイブリダイゼーションによるシーケンシングに基づく方法が開発されている。例えば、Harrisら、米国特許出願公開第20090156412号参照。これらの参考文献の各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0081】
ある実施形態では、シーケンシングはサンガーシーケンシング技術によって実施される。古典的サンガーシーケンシングは、一本鎖DNA鋳型、DNAプライマー、DNAポリメラーゼ、放射性または蛍光標識ヌクレオチド、およびDNA鎖の伸長を終結させる改変ヌクレオチドを含む。標識がジデオキシヌクレオチドターミネーター(例えば標識プライマー)に結合していないか、または単色標識(例えば放射性同位体)である場合は、DNA試料を、4つの標準的なデオキシヌクレオチド(dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)ならびにDNAポリメラーゼを含む、4つの別々のシーケンシング反応に分ける。各々の反応に4つのジデオキシヌクレオチド(ddATP、ddGTP、ddCTPまたはddTTP)の1つだけを添加する。これらのジデオキシヌクレオチドは、DNA鎖の伸長の間に2つのヌクレオチド間でホスホジエステル結合を形成するために必要な3’−OH基を欠く、鎖終結ヌクレオチドである。しかし、ジデオキシヌクレオチドの各々が異なる標識(例えば4つの異なる蛍光染料)を担持する場合は、別々の反応を必要とせずにすべてのシーケンシング反応を一緒に実施することができる。
【0082】
発生期の、すなわち伸長中のDNA鎖へのジデオキシヌクレオチドの組込みは、DNA鎖の延長を終結させ、様々な長さの入れ子セットのDNAフラグメントを生じさせる。次に、新たに合成して標識したDNAフラグメントを変性し、鎖の長さの1塩基の相違を分離することができる変性ポリアクリルアミド−尿素ゲル上でのゲル電気泳動を用いてサイズによって分離する。4つのDNA合成反応の各々を同じ単色標識(例えば放射性同位体)で標識した場合は、それらをゲルの4つの個別の隣接するレーンの1つにおいて分離し、ゲル中の各レーンを、それぞれの反応において使用されたジデオキシヌクレオチドに従って、すなわちゲルレーンA、T、G、Cと指定する。4つの異なる標識を使用した場合は、反応をゲル上の1つのレーンで組み合わせることができる。次にDNAバンドをオートラジオグラフィーまたは蛍光によって視覚化し、反応生成物がゲル中の特定の点を通り過ぎるときにX線フィルムまたはゲル画像または蛍光の継続的観測からDNA配列を直接読み取ることができる。
【0083】
末端ヌクレオチド塩基を、そのバンドを生じさせた反応に添加されたジデオキシヌクレオチドまたはその対応する直接標識によって同定する。次に、ゲル中の種々のバンドの相対的位置を使用して、指示されるDNA配列を読み取る(最短から最長まで)。サンガーシーケンシング法は、PerkinElmer,Beckman Coulter,Life Technologiesから市販されているものなどのDNAシーケンサーを用いて自動化することができる。
【0084】
他の実施形態では、核酸の配列決定は、単一分子またはPCRなどの方法を介した増幅によって単一分子から誘導される概ね同一の分子の群の大量並列シーケンシング(「次世代シーケンシング」としても知られる)によって達成される。大量並列シーケンシングは、例えば、各々の内容が参照により本明細書に組み込まれる、Lapidusら、米国特許第7,169,560号、Quakeら、米国特許第6,818,395号、Harris、米国特許第7,282,337号およびBraslavskyら、PNAS(USA),100:3960−3964(2003)に示されている。
【0085】
次世代シーケンシングでは、分析用の十分な量の核酸を得るために核酸に関してPCRまたは全ゲノム増幅を実施することができる。次世代シーケンシングの一部の形態では、その方法は増幅されていないDNAからDNA配列を評価することができるので、増幅を必要としない。ひとたび測定されれば、試験試料からの核酸の配列および/またはゲノム配列および/またはゲノムコピー数を、試料を採取した時点で自閉症スペクトラム障害に罹患していないことが既知の1人以上の個体に由来する参照標準と比較する。試験試料からの核酸の配列および/またはゲノム配列および/またはゲノム配列および/またはコピー数と参照標準との間のすべての相違を変異型とみなす。
【0086】
次世代(大量並列シーケンシング)では、すべての関心領域を一緒に配列決定し、参照配列との比較(アラインメント)によって読み取った各配列の起点を決定する。関心領域を1つの反応において一緒に富化することができるか、または別々に富化して、その後シーケンシングの前に組み合わせることができる。ある実施形態では、および本明細書の実施例でより詳細に述べるように、アッセイに含まれる遺伝子のコードエクソンに由来するDNA配列を、無作為に断片化したゲノムDNAの特異的RNAプローブへのバルクハイブリダイゼーションによって富化する。同じアダプター配列をすべてのフラグメントの末端に結合し、1つの反応において1つのプライマー対を用いたPCRによってすべてのハイブリダイゼーション捕捉フラグメントを富化させる。ハイブリダイゼーションによってあまり効率的に捕捉されない領域は、特異的プライマーでのPCRによって増幅する。加えて、特異的プライマーを用いたPCRは、ゲノム内の別の場所に類似の配列(「偽エクソン」)が存在するエクソンを増幅するために使用し得る。
【0087】
大量並列シーケンシングを使用するある実施形態では、PCR産物を連結して長い一続きのDNAを形成し、それを短いフラグメントに切断する(例えば音響エネルギーによって)。この工程は、フラグメントの末端が関心領域全体に分布されることを確実にする。その後、一続きのdAヌクレオチドを各フラグメントの3’末端に付加し、フラグメントをオリゴ(dT)プライマーで被覆した平面に結合させる(「フローセル」)。次に、オリゴ(dT)プライマーを蛍光標識ヌクレオチドで伸長することによって各々のフラグメントを配列決定し得る。各シーケンシングサイクルの間に、1つの型のヌクレオチド(A、G、TまたはC)だけを付加し、鎖終結ヌクレオチドの使用を介して1つのヌクレオチドだけを組み込ませる。例えば、1回目のシーケンシングサイクルの間に、蛍光標識したdCTPを付加することができる。このヌクレオチドだけが、次のヌクレオチドとしてCを必要とする成長中の相補的DNA鎖に組み込まれる。各シーケンシングサイクル後に、フローセルの画像を撮影し、どのフラグメントが伸長したかを決定する。Cを組み込んだDNA鎖は発光するが、Cを組み込まなかったDNA鎖は暗く見える。鎖終結を逆転させて、成長中のDNA鎖を再び伸長可能にし、このプロセスを合計120サイクル反復する。
【0088】
画像を、各フラグメントの3’末端の25〜60塩基を反復する、一般に「リード」と称される一続きの塩基に変換する。次にリードを、分析されたDNAについての参照配列と比較する。任意の所与の一続きの25塩基は、典型的にはヒトゲノムにおいて1回だけ生じるので、大部分のリードをヒトゲノム内の1つの特定の位置に「整列」することができる。最後に、利用可能なリードから各ゲノム領域のコンセンサス配列を構築し、その位置の正確な参照配列と比較し得る。コンセンサス配列と参照配列の間の相違が配列変異型と呼ばれる。
【0089】
自閉症マーカーを同定する方法
ある実施形態では、本発明は、自閉症マーカー(すなわち、自閉症と統計的に有意に関連する核酸配列中の変異型)を同定する方法を含む。新しいマーカーに関して検定される遺伝子および/またはゲノム領域は、自閉症との関連および/または因果関係を示す生化学的経路におけるそれらの重要性に基づいて選択され得る。または、マーカーに関して検定される遺伝子および/またはゲノム領域は、家族における自閉症の継承に遺伝的に関係するDNA領域との遺伝的関連性に基づいて選択され得る(例えば、AbrahamsとGeschwind,2008)。または、マーカーに関して検定される遺伝子および/またはゲノム領域は、まだ評価されていない染色体の特定の領域をカバーするように体系的に評価され得る。
【0090】
本明細書で論じる場合、自閉症スペクトラム障害は、一般に広汎性発達障害(PDD)の傘の下に入る5つの障害の1つとして特徴づけられる。PDDに属する5つの障害は、自閉症障害、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、および特定不能のPDD(PDD−NOS)を含む。ある場合には、自閉症は非症候性であり得る。以下の表1は、本発明の方法に従って自閉症スペクトラム障害を診断するために新しいマーカーに関して評価し得る遺伝子またはゲノム領域のパネルを提供する。
【0091】
【表1−1】

【0092】
【表1−2】

【0093】
【表1−3】

他の実施形態では、新しいマーカーに関して評価される遺伝子またはゲノム領域は、自閉症の発症に関係し得る生化学的経路の一部であり得る。例えば、ある実施形態では、遺伝子および/またはゲノム領域は、代謝型グルタミン酸受容体経路に関与する。1つの実施形態では、経路は、mGluR5シグナル伝達経路であるおよび/またはmGluR5受容体のようなmGluR5受容体の活性にとって重要な遺伝子を含む。従って、mGluR5受容体シグナル伝達経路は、脆弱X症候群の発症におけるその明らかな重要性および広く定義されるmGluR5シグナル伝達経路内のいくつかの他の成分とASDとの関連性に基づき、ASDを予測するマーカーを提供し得る。同じ表現型への、所与の経路の多数の成分内の個別のまれな配列変異型の累積的な寄与が、他の遺伝性疾患に関して起こることが示されている。または、特定の型の自閉症症候群に関連する他の生化学的経路を評価し得る。
【0094】
例えば、図1は、mGluR5シグナル伝達経路に関与し、そのような遺伝子における突然変異が自閉症の発症に関係するか否かを決定するために本発明に従って評価し得る遺伝子の描写を提供する。そのような配列変異が自閉症の発症に関係し得ることが証拠で指示される場合は、被験体における自閉症の存在および/または自閉症を発症する増大したリスクの指示を提供する、患者試料のDNAシーケンシングにおいて使用するための単離された配列が提供され得る。例えば、および本明細書でより詳細に述べるように、表2は、評価し得る遺伝子および/またはゲノム領域、ならびに自閉症被験体(すなわち非症候性自閉症を有すると診断された患者)において認められる突然変異のサブセットを提供する。
【0095】
図2に描写されるように、変異型および/または変異型の組合せを、以下の方法の1つ以上に基づき自閉症スペクトラム障害に関するそれらの臨床的重要性について評価し得る。変異型または変異型の組合せが、自閉症スペクトラム障害を有する被験体からの核酸において自閉症スペクトラム障害を有さない被験体におけるよりも頻繁に起こることが報告されるかまたは認知される場合は、少なくとも潜在的に自閉症スペクトラム障害に対する素因があるとみなされる。変異型または変異型の組合せが、自閉症スペクトラム障害を有する個体に排他的にまたは選択的に伝播されることが報告されるかまたは認知される場合は、少なくとも潜在的に自閉症スペクトラム障害に対する素因があるとみなされる。逆に、変異型が両方の集団において同様の頻度で認められる場合は、自閉症症候群障害(ASD)の発症に関連する可能性は低い(図2、右側参照)。
【0096】
タンパク質または生物学的系の機能を測定するのに適切な実験モデル系において、変異型または変異型の組合せがこのタンパク質またはこの生物学的系の機能に対して全体的に有害な作用を及ぼすことが報告されるかまたは認知される場合、およびこの変異型または変異型の組合せが、自閉症スペクトラム障害に関連することが公知の遺伝子に影響を及ぼす場合は、少なくとも潜在的に自閉症スペクトラム障害に対する素因があるとみなされる。例えば、変異型または変異型の組合せが、タンパク質または核酸の配列および/または構造への予測される作用に基づき、タンパク質または遺伝子発現に対して全体的に有害な作用を及ぼす(すなわち、ナンセンス突然変異、フレームシフト突然変異またはスプライス部位突然変異、さらにはミスセンス突然変異を生じさせる)ことが予測される場合、ならびにこの変異型または変異型の組合せが、自閉症スペクトラム障害に関連することが公知の遺伝子に影響を及ぼす場合は、少なくとも潜在的に自閉症スペクトラム障害に対する素因があるとみなされる(図2、左側参照)。
【0097】
また、ある実施形態では、変異型の全体的な数が重要であり得る。試験試料において、個別にまたは組合せとして、少なくとも高い確実性で自閉症スペクトラム障害に関連すると評価される1つの変異型またはいくつかの変異型が検出される場合、その遺伝物質中でこの変異型またはこれらの変異型が検出された個体は、自閉症スペクトラム障害に罹患しているまたは自閉症スペクトラム障害を発症する危険度が高いと診断され得る。
【0098】
自閉症スペクトラム障害を診断するための方法および組成物
ある実施形態では、自閉症スペクトラム障害の診断は、核酸または核酸のパネルの配列、ゲノム上の位置もしくはゲノム配列、および/またはゲノムコピー数の変異を検出することによって実施される。例えば、一部の実施形態では、変異型に関して評価される遺伝子またはゲノム領域は、表1中の遺伝子から選択される。パネルは、表1中の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80または90個の遺伝子を含むことができる。他の実施形態では、診断は、表1からの5個未満の遺伝子で行われ、ある実施形態では、表1からの1個だけの遺伝子で行われる。
【0099】
例えば、以下の表2は、少なくともその一部がmGluR5受容体シグナル伝達に関与する、表1からの遺伝子のサブセットを提供する。表2はまた、自閉症を有する被験体において検出され得るこれらの遺伝子についての変異型も提供する。これらの変異型は、本発明の方法および組成物のある実施形態では、被験体における自閉症スペクトラム障害を指示し得る。
【0100】
【表2−1】

【0101】
【表2−2】

【0102】
【表2−3】

【0103】
【表2−4】

【0104】
【表2−5】

【0105】
【表2−6】

【0106】
【表2−7】

表2において、変異型に関するすべての番号および名称は、genome.ucsc.eduウエブサイトMarch of 2006(hg18)に公表されたヒト参照配列に対するものであり、Human Genome Variation Societyによって提案されたシステムによる。HGVSシステムによれば、コード配列の開始点(すなわち開始コドンATGの「A」)は+1と指定される。指定されたmRNAアイソフォーム中のすべてのコードヌクレオチド、すなわちすべてのエクソンヌクレオチドは連続的に番号づけられる。イントロンヌクレオチドは、最も近いエクソンヌクレオチドに対して番号づけられる。例えば、遺伝子の最初の3個のヌクレオチド(atg)は、以下に示すように番号づけられた非エクソンエレメントと共にそれぞれ1、2および3と番号づけられる(考察に関しては、例えばCorrelagenウエブサイト参照)。
【0107】
【表2−8】

表2に示すように、配列変異型は、それらがDNA配列において引き起こす変化および(存在する場合は)生じるペプチド配列の変化によって命名される。最も一般的な種類の変化は、1個のヌクレオチドの別のヌクレオチドによる置換である(例えばc.3G>T)。他の種類の変異型は、1つ以上のヌクレオチドの欠失(例えばc.4_6delGAA)、1つ以上のヌクレオチドの挿入(例えばc.4_5insT)、または、欠失したヌクレオチドと挿入されたヌクレオチドの数が異なり得る場合は、ヌクレオチドの1つの群の異なるヌクレオチドの群による置換(例えばc.4_6delinsT)を包含する。
【0108】
突然変異は、1つのヌクレオチドの置換でさえも、非常に異なる結果を生じることがある。スプライス部位突然変異は、既存のスプライス部位を破壊するかまたは新しいスプライス部位を創造する。両方の種類の変異が変化したmRNAプロセシングを導き、従って、劇的に異なる成熟mRNA及び異なるタンパク質を導くことがある。
【0109】
ナンセンス突然変異は、コード領域の中央に終結コドンを導入し、これはタンパク質のトランケーションを導く。ミスセンス突然変異は、タンパク質内の1つのアミノ酸を別のアミノ酸に変化させる。同義突然変異は、アミノ酸配列を変化させない突然変異である。
【0110】
フレームシフト突然変異は、突然変異の下流のアミノ酸配列(すなわちフレームシフト部位)の完全な変化を導くリーディングフレームのシフトを生じさせる。フレームシフト突然変異は、3で割り切れない数のヌクレオチドの正味の欠失または挿入によって引き起こされる。インフレーム欠失および/または挿入は、タンパク質内の1つ以上のアミノ酸の欠失または挿入を導くが、リーディングフレームを変化させず、そのため欠失または挿入部位の下流のアミノ酸配列を変化させない。
【0111】
表2の変異型は、本明細書で述べる方法を用いて非症候性自閉症を有する被験体において検出された。ある実施形態では、自閉症スペクトラム障害の診断は、変異型を含む試料核酸を表2中の遺伝子から選択される核酸変異型を包含する核酸のパネルと比較することによって実施できる。または、新規変異型をパネルに含めてもよい。パネルは、表2中の遺伝子の少なくとも1、2、3、5、10、15、16個または全部を含み得る。他の実施形態では、診断は、表2からの3個未満の遺伝子で行われ、ある実施形態では、表2からの1個だけの遺伝子で行われる。
【0112】
従って、ARC(活性調節性細胞骨格関連)は、シナプス可塑性の統合ならびに長期記憶の形成のために重要なタンパク質をコードする。ARCはまた、シナプス活動に応答してAMPA受容体のエンドサイトーシスを調節し、AMPA受容体の恒常的シナプススケーリングに関与する。ARC遺伝子は、第8番染色体の8q24.3に位置し、p末端より143,689,412bpから始まって、p末端より143,692,835bpで終了する(3,424塩基;方向:マイナス鎖)。ARCのゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000008に見出される。遺伝子配列(NM_015193)を図3Aに配列番号:1として示す(202〜1392のコード配列);タンパク質配列を図3Bに配列番号:2として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0113】
EIF4E(真核生物翻訳開始因子4E)は、真核生物翻訳開始因子4Eをコードする。EIF4Eは、リボソームをmRNAの7−メチル−グアノシンキャップ構造へと向かわせることに関与する真核生物翻訳開始因子である。EI4FEは、EIF4Eプレ開始複合体の一部である。EIF4Eのゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000004に見出される。遺伝子配列(NM_001968)を図3Cに配列番号:3として示す(1524〜2177のコード配列);タンパク質配列を図3Dに配列番号:4として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0114】
FMR1(脆弱X精神遅滞1)は、脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP)をコードする。このタンパク質は、通常多くの組織で作られ、脳内の神経細胞間のシナプス結合の発生において役割を果たし得る。FMRPは、記憶および学習において重要であり得る、シナプス可塑性の調節に関与し得る。FMR1遺伝子はX染色体の長腕の27.3に位置し、塩基対146,699,054から塩基対146,736,156までにわたる。FMR1のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000023に見出される。遺伝子配列(NM_002024)を図3Eに配列番号:5として示す(230〜2128のコード配列);タンパク質配列を図3Fに配列番号:6として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0115】
GRM1(グルタミン酸受容体、代謝型1)は、代謝型グルタミン酸受容体1(mGluR1)タンパク質をコードする。GRM5(グルタミン酸受容体、代謝型5)は、代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)タンパク質をコードする。L−グルタミン酸は中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり、イオンチャネル型グルタミン酸受容体および代謝型グルタミン酸受容体の両方を活性化する。グルタミン酸神経伝達は、正常な脳機能の大部分の局面に関与し、多くの神経病理学的状態において障害され得る。代謝型グルタミン酸受容体は、配列相同性、推定上のシグナル伝達機構および薬理学的特性に基づいて3つの群に分けられてきた、Gタンパク質共役受容体のファミリーである。第I群はGRM1およびGRM5を含み、これらの受容体はホスホリパーゼCを活性化することが示されている。第II群はGRM2およびGRM3を含み、第III群はGRM4、GRM6、GRM7およびGRM8を含む。第II群と第III群の受容体はサイクリックAMPカスケードの阻害に関係するが、それらのアゴニスト選択性が異なる。
【0116】
GRM1遺伝子は、第6番染色体の6q24に位置し、p末端より146,390,611bpから始まって、p末端より146,800,427bpで終了する(409,817塩基;方向:プラス鎖)。GRM1のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000006に見出される。遺伝子配列(NM_000838)を図3Gに配列番号:7として示す(471〜4055のコード配列);タンパク質配列を図3Hに配列番号:8として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0117】
GRM5遺伝子は、第11番染色体の11q14.2−q14.3に位置し、p末端より87,880,626bpから始まって、p末端より88,438,761bpで終了する(558,136塩基;方向:マイナス鎖)。GRM5のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000011に見出される。遺伝子配列(NM_000842)を図3Iに配列番号:9として示す(369〜3911のコード配列);タンパク質配列を図3Jに配列番号:10として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0118】
HOMER1は、樹状突起タンパク質のhomerファミリーのメンバーをコードする。このファミリーのメンバーは、第1群代謝型グルタミン酸受容体機能を調節する。HOMER1遺伝子は、第5番染色体の5q14.2に位置し、p末端より78,704,215bpから始まって、p末端より78,845,796bpで終了する(141,582塩基;方向:マイナス鎖)。HOMER1のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000005に見出される。遺伝子配列(NM_004272)を図3Kに配列番号:11として示す(1104〜2168のコード配列);タンパク質配列を図3Lに配列番号:12として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0119】
HRASはRas癌遺伝子ファミリーに属し、そのメンバーは哺乳動物肉腫レトロウイルスのトランスフォーミング遺伝子に関連する。これらの遺伝子によってコードされる産物はシグナル伝達経路において機能する。これらのタンパク質はGTPおよびGDPに結合することができ、固有のGTPアーゼ活性を有する。HRAS遺伝子は、第11番染色体の11p15.5に位置し、p末端より522,242bpから始まって、p末端より525,591bpで終了する(3,350塩基;方向:マイナス鎖)。HRASのゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000011に見出される。遺伝子配列(NM_176795)を図3Mに配列番号:13として示す(189〜701のコード配列);タンパク質配列を図3Nに配列番号:14として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0120】
MAP2K1(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1)は、MEK1プロテインキナーゼとして知られるタンパク質をコードする。MAP2K2(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ2)は、MEK2プロテインキナーゼとして知られるタンパク質をコードする。これらのタンパク質は、細胞の外側からの化学的シグナルを細胞の核に伝達する、RAS/MAPK経路と呼ばれるシグナル伝達経路の一部である。RAS/MAPKシグナル伝達は、細胞の成長と分裂(増殖)、細胞が特定の機能を果たすように成熟するプロセス(分化)、細胞運動、および細胞の自己破壊(アポトーシス)を制御するのを助ける。
【0121】
MAP2K1遺伝子は、第15番染色体の15q22.1−q22.33に位置し、p末端より64,466,674bpから始まって、p末端より64,570,936bpで終了する(104,263塩基;方向:プラス鎖)。MAP2K1のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000015に見出される。遺伝子配列(NM_002755)を図3Oに配列番号:15として示す(476〜1657のコード配列);タンパク質配列を図3Pに配列番号:17として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0122】
MAP2K2遺伝子は、第19番染色体の19p13.3に位置し、p末端より4,041,319bpから始まって、p末端より4,075,126bpで終了する(33,808塩基;方向:マイナス鎖)。MAP2K2のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000019に見出される。遺伝子配列(NM_030662)を図3Qに配列番号:17として示す(255〜1457のコード配列);タンパク質配列を図3Rに配列番号:18として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0123】
MECP2遺伝子(メチルCpG結合タンパク質2)は、正常な脳発達のために必須のタンパク質(MeCP2)をコードする。このタンパク質は、脳内の神経細胞の機能のために重要であると思われ、成熟神経細胞中に高レベルで存在する。研究は、MeCP2タンパク質が、細胞間コミュニケーションが起こる、神経細胞間のシナプスを形成するうえで役割を果たすことを示唆する。このタンパク質はいくつかの他の遺伝子を沈黙化させ、それらがタンパク質を生成するのを妨げる。MECP2遺伝子はX染色体のXq28に位置し、p末端より152,940,218bpから始まって、p末端より153,016,406bpで終了する(76,189塩基;方向:マイナス鎖)。MECP2のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000023に見出される。遺伝子配列(NM_004992)を図3Sに配列番号:19として示す(227〜1687のコード配列);タンパク質配列を図3Rに配列番号:20として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0124】
PIK3CAは、ATPを利用してPtdIns、PtdIns4PおよびPtdIns(4,5)P2をリン酸化する、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼの触媒サブユニットであるタンパク質をコードする。この遺伝子は第3番染色体の3q26.3に位置し、p末端より180,349,005bpから始まって、p末端より180,435,194bpで終了する(86,190塩基;方向:プラス鎖)。ゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000003に見出される。遺伝子配列(NM_006218)を図3Uに配列番号:21として示す(158〜3364のコード配列);タンパク質配列を図3Vに配列番号:22として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0125】
PIK3R1は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼの85kDの調節ユニットであるタンパク質をコードする。この遺伝子は第5番染色体の5q13.1に位置し、p末端より67,558,218bpから始まって、p末端より67,633,405bpで終了する(75,188塩基;方向:プラス鎖)。ゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000005に見出される。遺伝子配列(NM_181523)を図3Wに配列番号:23として示す(43〜2217のコード配列);タンパク質配列を図3Xに配列番号:24として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0126】
PTENは、テンシン様ドメインならびに二重特異性タンパク質チロシンホスファターゼのものに類似する触媒ドメインを含む3,4,5−三リン酸3−ホスファターゼである、ホスファターゼおよびテンシンホモロジータンパク質をコードする。PTENタンパク質は、ホスホイノシチド基質を選択的に脱リン酸化し、細胞においてホスファチジルイノシト−3,4,5−三リン酸の細胞内レベルを負に調節する。PTENタンパク質は細胞周期の調節に関与し、細胞が急速に増殖し過ぎるのを防ぐ。ゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_007466に見出される。遺伝子配列(NM_000314)を図3Yに配列番号:25として示す(1032〜2243のコード配列);タンパク質配列を図3Zに配列番号:26として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0127】
RAF1は、それが直接結合しているRasファミリーの膜結合GTPアーゼの下流で機能するMAPキナーゼをコードする。ひとたび活性化されると、細胞RAF1タンパク質は、二重特異性プロテインキナーゼMEK1およびMEK2をリン酸化して活性化することができ、それらが次にセリン/トレオニン特異的プロテインキナーゼERK1およびERK2をリン酸化して活性化する。活性化されたERKは、細胞生理現象の多面的エフェクターであり、細胞分裂周期、アポトーシス、細胞分化および細胞移動に関与する遺伝子発現の制御において重要な役割を果たす。RAF1遺伝子は第3番染色体の3p25に位置し、p末端より12,600,108bpから始まって、p末端より12,680,678bpで終了する(80,571塩基;方向:マイナス鎖)。RAF1のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000003に見出される。遺伝子配列 (NM_002880)を図3AAに配列番号:27として示す(416〜2362のコード配列);タンパク質配列を図3BBに配列番号:28として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0128】
RHEBは、脳で豊富なRasホモログ(Homology)として知られるGTP結合タンパク質をコードする。RhebはRasスーパーファミリーのメンバーであり、神経可塑性に関与し得る。このタンパク質は低分子GTPアーゼスーパーファミリーのメンバーであり、Ras関連GTP結合領域の5回の反復を有する脂質固定細胞膜タンパク質をコードする。RHEBのゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000007に見出される。遺伝子配列(NM_005614)を図3CCに配列番号:29として示す(414〜968のコード配列);タンパク質配列を図3DDに配列番号:30として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0129】
SHANK3は、脳内でシナプスを構築するために必要なタンパク質をコードする。Shankタンパク質は、神経伝達物質受容体、イオンチャネルおよび他の膜タンパク質をアクチン細胞骨格およびGタンパク質共役シグナル伝達経路に連結するシナプス後肥厚部のマルチドメイン足場タンパク質である。Shankタンパク質はまた、シナプス形成および樹状突起棘成熟においても役割を果たす。この遺伝子は、第22番染色体の22q13.3に位置し、p末端より49,459,936bpから始まって、p末端より49,518,507bpで終了する(58,572塩基;方向:プラス鎖)。SHANK3のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000022に見出される。遺伝子配列(NM_001080420)を図3EEに配列番号:31として示す(1〜5244のコード配列);タンパク質配列を図3FFに配列番号:32として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0130】
TSC1(結節硬化症1)は、腫瘍サプレッサーとして関係づけられてきた末梢膜タンパク質をコードする。TSC1はまた、TSC2と複合して、小胞輸送およびドッキングに関与する。TSC1遺伝子は第9番染色体の9q34に位置し、p末端より134,756,557bpから始まって、p末端より134,809,841bpで終了する(53,285塩基;方向:マイナス鎖)。TSC1の遺伝子配列は、GenBankアクセッション番号NC_000009に見出される。遺伝子配列(NM_000368)を図3GGに配列番号:33として示す(235〜3729のコード配列);タンパク質配列を図3HHに配列番号:34として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0131】
TSC2遺伝子(結節硬化症2)は、ツベリンと呼ばれる、腫瘍サプレッサーとして関係づけられてきたタンパク質をコードする。その遺伝子産物は、サイトゾル複合体においてハマルチンと結合し、ハマルチンについてのシャペロンとして働く。TSC2は小胞輸送において機能を有し、TSC1とTSC2の間の相互作用は小胞のドッキングを促進する。TSC1およびTSC2の遺伝子産物は、細胞の増殖および大きさを制御するのを助けるように協力して働く。TSC2遺伝子は第16番染色体の16p13.3に位置し、p末端より2,037,991bpから始まって、p末端より2,078,714bpで終了する(40,724塩基;方向:プラス鎖)。TSC2のゲノム配列は、GenBankアクセッション番号NC_000016に見出される。遺伝子配列(NM_000548)を図3IIに配列番号:35として示す(107〜5530のコード配列);タンパク質配列を図3JJに配列番号:36として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0132】
UBE3A(ユビキチンプロテインリガーゼE3A)は、ユビキチンプロテインリガーゼE3Aと呼ばれる酵素をコードする。この酵素は、細胞内でタンパク質を標的して破壊する(分解する)ことに関与する。この遺伝子は第15番染色体の15q11−q13に位置し、p末端より23,133,489bpから始まって、p末端より23,235,221bpで終了する(101,733塩基;方向:マイナス鎖)。ゲノム配列はGenBankアクセッション番号NC_000015に見出される。遺伝子配列(NM_130839)を図3KKに配列番号:37として示す(658〜3276のコード配列);タンパク質配列を図3LLに配列番号:38として示す。本明細書で注記される場合を除き、この配列中の変異型は、少なくとも一部の自閉症スペクトラム障害(例えば非症候性自閉症)に関連することがこれまでに示されていないと考えられ、表2中の変異型は、非症候性自閉症または症候性自閉症に関連することがこれまでに示されていない。
【0133】
例えば、表2中の最初のARC変異型については、配列番号:1のDNA配列を使用して、変異型:c65T>Gをコードする遺伝子のコード配列を決定することができ、変異型p.Val22Glyを有するタンパク質のタンパク質配列を使用して、この変異型がミスセンス突然変異を含むことを決定し得る。突然変異の性質は、タンパク質配列(配列番号:2)および機能に関してさらに評価し得る。例えば、ValからGlyへのアミノ酸置換は保存的置換であるとみなされ得るので、この突然変異は中等度から軽度の影響を及ぼすと予想され得る。または、タンパク質についての三次元立体配座データのより詳細な分析は、突然変異がタンパク質機能に有害であり得ることを指示し得る。同様の分析を、図4、パネル(panes)A〜LLに示す配列を使用して、表2に記載されている変異型の各々について実施し得る。
【0134】
従って、ある実施形態では、ASD(例えば非症候性自閉症)を有する患者および対照(すなわち非自閉症個体)からの試料中の、mGluR5経路に関与する多くのキータンパク質をコードする19個の遺伝子におけるコード領域および隣接するRNA調節領域内のDNA配列変異型の数および性質を検討し得る。標的領域を試料のプール中で富化し、まれな変異型の検出を可能にする次世代技術によって配列決定し得る。そのような方法の1つの実施形態を本明細書の実施例においてより詳細に論じる。そのような配列決定は、一般に、本明細書で述べる方法を用いて許容されるコストで高感度および低い偽発見率の条件下にて実施される。変異型検出の感度は、一般にこの位置をカバーするリードの数(「深度」または「カバー率」として知られる)、すなわちその特定の位置に関して利用可能な配列情報の量に依存し得る。富化方法およびシーケンシング工程の両方が配列の背景によって影響されるので、カバー率は領域によって異なり得る。加えて、変異型検出の感度も変異型の種類(置換対欠失および/または挿入)によって異なる。高いカバー率(すなわち≧30x領域のシーケンシング)で、感度は、ある実施形態では、置換変異型の検出については約99%、≦5塩基にわたる欠失および/または挿入の検出については90%、ならびに6〜約40塩基にわたる欠失および/または挿入の検出については約30%である。またある実施形態では、≦5塩基または≧6塩基にわたる挿入および/または欠失は、すべての変異型発生のそれぞれ約10%および1%、すべての病原性変異型発生のそれぞれ約16%および2.6%を占める。配列決定される領域内の各々の塩基位置におけるカバー率、配列決定される領域の長さおよび変異型の種類に特異的な感度を考慮に入れて、アッセイに含まれる各遺伝子についての変異型検出の全体的感度が提供され得る。例えば、遺伝子中の分析される塩基の80%が97%の感度に対応するカバー率を有し、15%が92%の感度に対応するカバー率を有し、そして5%が80%の感度に対応するカバー率を有する場合、その遺伝子についての全体的な感度は95%と計算される。一般に、50%未満の感度を有するエクソンは、各遺伝子ごとの全体的感度評価には含まれないが、配列決定されないセグメントとして別途に報告される。
【0135】
ある実施形態では、病原性であることが公知のまたは病原性であると予測される、次世代シーケンシングによって検出されるすべての配列変異型ならびに新規である(すなわちこれまでに文献またはデータベースに記載されていない)すべての配列変異型を、一方向サンガーシーケンシングによって確認する。それ故、報告される変異型の偽陽性率は一般に非常に低い。この方法を使用して、いくつかの異なる遺伝子における対照と比較した場合、全体としてのまれな変異型の数ならびにまれな、潜在的に破壊性の変異型の数の統計的に有意の増加を検出し得る。
【0136】
例えば、1つの実施形態では、罹患していない個体では見られない、表2に示す変異型は、あるタイプの自閉症症候群(すなわち非症候性自閉症)を有する個体からの試料中で認められた。
【0137】
例えば、表3〜5は、自閉症の症状を示さなかった(すなわち対照)または非症候性自閉症を有すると診断された個体において認められる、mGluR5シグナル伝達に関連する変異型の分析を提供する。本明細書の実施例でより詳細に述べるように、表2の変異型は、自閉症スペクトラム障害(非症候性自閉症)を有する290名の個体からの試料において認められた。
【0138】
表3〜5に示すように、これらの遺伝子の少なくとも4つ(SHANK3、TSC1、TSC2およびHOMER1)は、自閉症患者における高い検出に基づく突然変異を有していた。また、これらの遺伝子および検定したその他の遺伝子の少なくとも一部に関して、遺伝子発現またはタンパク質機能に関する突然変異の重要度は、変異型が非症候性自閉症の発症に関連し得ることを指示した。これらの突然変異はまた、他の種類の自閉症症候群にも関与し得る。これらの遺伝子の少なくとも1つ(HOMER1)は、これまでに機能的または遺伝的に自閉症に関連づけられていなかった。
【0139】
表3は、対照(すなわち自閉症またはASDを有さない個体)と比べた場合の、AGRE試料データベースによって提供される、非症候性自閉症を有する患者からの試料中の一般的変異型およびまれな変異型の数の比較を示す。遺伝子の一部に関して、患者プールからの個体ではまれな変異型の数の明確な増加が存在し、一方より一般的な変異型は両方の群において同様の頻度を示すことがわかる。
【0140】
【表3】

表4は、対照と比べた場合の、非症候性自閉症を有する患者におけるまれな、潜在的に破壊性の突然変異(すなわち、突然変異の性質に基づき、これらの突然変異は遺伝子発現またはタンパク質機能を破壊すると予想される)の数の比較を示す。遺伝子の一部に関して、対照と比較してAGRE集団では潜在的に破壊性の変異型の数の明確な増加が存在することがわかる。
【0141】
【表4】

表5は、1つの試料源だけにおいて認められたまれな、潜在的に破壊性の変異型の数を示す。少なくとも4つの遺伝子(HOMER、SHANK3、TSC1およびTSC2)について、患者(AGRE)集団で認められるが、対照では認められない突然変異が存在することがわかる。これは、mGluR5経路と非症候性自閉症における特定の遺伝子中のまれな(すなわち、これらの変異型が以前に報告されていなかったという意味で新規の)変異型の間の統計的に有意の差を明らかにする。
【0142】
【表5】

従って、ある実施形態では、本発明は、被験体がASDを有するまたはASDを発症する危険度が高いかどうかを決定するために使用できる方法および/または核酸配列を提供する。上述したように、一部の場合には、変異型核酸は、新規(すなわちこれまでに報告されていない)変異型であり得るか、またはASDに関連することがこれまでに認められている変異型であり得る。ある実施形態では、変異型は、新規変異型であり得るか、または代謝型グルタミン酸受容体経路にとって重要な遺伝子の1つにおけるこれまでに報告された変異型であり得る。または、他の生化学的経路からの遺伝子を分析し得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも4つの遺伝子(HOMER、SHANK3、TSC1およびTSC2)について、非症候性自閉症を有する患者において認められるが、対照では認められない突然変異が存在する。
【0143】
1つの実施形態では、変異型(突然変異)は、表2に列挙する変異型の1つであり得る。または、変異型は、c.195G>T、M65I;c.290C>T、S97L突然変異;またはc.425C>T、P142L突然変異などの、しかしこれらに限定されないHOMER1の少なくとも1つであり得る。加えてまたは選択的に、突然変異は、GRM5 c.3503T>C、L1168P突然変異を含み得る。加えてまたは選択的に、突然変異は、MAPK2 c.581−1G>T突然変異および/またはHRAS c.383G>A、R128Q突然変異を含み得る。加えてまたは選択的に、突然変異は、MECP2 c.1477G>T、E483X突然変異を含み得る。
【0144】
例えば、HOMER1変異型の2つ(c.195G>T、M65Iおよびc.290C>T、S97L)は、mGluR1およびmGluR5中のPro−Pro−Ser−Pro−Pheモチーフと相互作用する、Homer1のEVH1ドメイン内に位置する。HOMER1における3番目の潜在的に損傷性の変異型(c.425C>T、P142L)は、EVH1ドメインについての内部結合部位として働く、CRH1ドメインのPモチーフ内の保存されたプロリンの1つに影響を及ぼす。mGluRへのEVH1結合はHomer1のホモ多量体化を誘導し、一方Homer1の内部PモチーフへのEVH1結合はこのホモ多量体化を停止させると提案されている。興味深いことに、AGRE試料中で検出されたGRM5変異型の1つ(c.3503T>C、L1168P)は、mGluR5中の保存されたPro−Pro−Ser−Pro−Phe Homer1結合モチーフに比較的近接して位置する。
【0145】
他の実施形態では、検出される突然変異はTSC1またはTSC2遺伝子中のいずれかである(表2参照)。さらなる他の実施形態では、検出される突然変異はSHANK 3遺伝子中である(表2参照)。
【0146】
他の実施形態では、AGRE試料は、保存されたスプライス部位に影響を及ぼし、従って損傷性である可能性が高いMAP2K2中の変異型(c.581−1G>T)を有し得る。さらなる他の実施形態では、潜在的に損傷性である変異型はまた、RAS/MAPKシグナル伝達経路におけるもう1つの遺伝子である、HRASにおいても検出された。このHRAS変異型(c.383G>A、R128Q)は、GTP結合H−rasの膜結合および機能において重要な役割を果たす128位のアルギニンを破壊する。
【0147】
さらなる他の実施形態では、本発明の方法は、1つのAGRE試料において、ASDのもう1つの症候性形態であるレット症候群に関連することが公知の遺伝子、MECP2中のナンセンス突然変異(c.1477G>T、E483X)をさらに検出し得る。
【実施例】
【0148】
本発明の方法を以下の非限定的実施例によって例示する。
【0149】
実施例1
自閉症候補遺伝子における変異型の発見
AGREコレクションからの290試料およびCoriellコレクションからの民族的に適合する290の試料中の、自閉症スペクトラム障害に関連すると仮定された19の候補遺伝子および肥大型心筋症に関連することが公知の4つの対照遺伝子のすべてのコードエクソンを増幅した。増幅の前に、NANODROP分光光度計での測定によって各試料中のDNA濃度を測定し、次に等しい量のDNAを使用して、各々20のAGRE試料の15プールおよび各々20のCoriell試料の15プールを作製した。
【0150】
各コレクションの10試料を2つのプール中に存在させ、それらの試料中の変異型検出の独立した複製を可能にした。各プールについて、合計約116,000塩基を含む、合計293のPCR産物を生成した。PCR産物は、すべてのmRNAアイソフォームのすべてのコード領域ならびに隣接イントロン領域をカバーした。PCRの間に誤差が導入されるのを最小限に抑えるため、高品質のポリメラーゼをPCR増幅に使用した。PCRプライマーにNotI制限部位を含む配列の尾部を付した。PCR増幅後、PCR産物をプールし、NotI制限酵素での消化に供した。NotI消化したPCR産物を連結して、数kbの長さのコンカテマーを作製した。次にコンカテマーを200〜250bp長のフラグメントに無作為にせん断した。ILLUMINAのプロトコールに従って、フラグメントを末端修復し、A尾部を付加して、フォーク型アダプター分子に連結した。アダプター連結したフラグメントをPCRによって選択的に富化した。富化工程の間に、6bpのインデックスをフラグメントに付加した。フラグメントにインデックスを付けることにより、Illumina GA2装置の同じレーン上で異なる試料プールからのフラグメントを配列決定することが可能になった。
【0151】
ILLUMINA GA2で配列決定を50サイクル実施した。レーン当たりの最小収率は500万リードであった。2つの異なる試料プールからのフラグメントライブラリーを、塩基および試料プール当たり800倍または個体当たり40倍(個体の染色体当たり20倍)の平均標的カバー率について、ILLUMINA GA2レーンごとに配列決定した。この平均カバー率は、20試料のプールにおいて1つのヘテロ接合変異型の発生を検出するのに十分であった。カバー率、従って検出感度は、増幅領域内でおよび増幅領域間で、ならびにフラグメントライブラリー間で異なることが認められた。
【0152】
各々のILLUMINA GA2レーンから導きだされた配列データをベースコーリングのためにBUSTARDを介して処理し、次に出力データをインデックスに基づき種々のファイルに分けた。実際のインデックス配列と1つ以下の塩基が異なるインデックスリードだけを使用した。インデックス分割後、アライナー(MOSAIK)とバリアントコーラー(GIGABAYES)からなる、Boston CollegeにおいてDr.Gabor Marthによって開発されたパイプラインを用いて配列データを分析した。最初のPCR産物ライブラリープラス隣接する非コード配列の約30ヌクレオチドに存在するすべてのコードエクソンについて、配列リードを、hg18由来配列から構築された参照配列に整列した。リードが整列されたとみなされるためには、塩基の少なくとも60%が最大限1つのミスマッチで整列されねばならなかった。プールデータにおけるバリアントコーリングは、3種類のフィルターの連続的な適用、次いでGIGABAYESによって用いられるBayesianベースのバリアントコーリングアルゴリズムの使用に基づいた。フィルターは、以下の実験条件を順守することにより、20試料のプールにおいて1つのヘテロ接合変異型の発生を検出するために80〜90%の感度を維持しつつ、偽陽性率を低減するように設計された:(1)ベースコールのQV値は少なくとも20でなければならない;(2)マイナーアレルコールの最小数を各々のDNA鎖(コードおよび非コード)から導かなければならない;および(3)マイナーアレル頻度が一定の値に達しなければならない。
【0153】
フィルターを以下のように適用した。少なくとも20のQVで各DNA鎖上に少なくとも4回生じたマイナーアレルを潜在的な変異型として考慮した。総カバー率(すなわち任意のQV値のベースコールの総数)が1200以下であった位置では、少なくとも20のQVで各DNA鎖上に少なくとも3回生じたマイナーアレルを潜在的な変異型として考慮した。総カバー率が900以下であった位置では、少なくとも20のQVで各DNA鎖上に少なくとも2回生じたマイナーアレルを潜在的な変異型として考慮した。上述した基準に基づき潜在的な変異型がコールされたすべての位置で、次に、何らかの他の試料プールでの何らかのフィルターによるすべての変異型コールを潜在的な変異型として考慮した。その後、すべての潜在的変異型コールを、プール試料におけるバリアントコーリングのための適切な設定でGIGABAYESバリアントコーリングアルゴリズムに供した。生じた変異型コールのうちで、1.5%以上のマイナーアレル頻度を有するものだけを許容した。
【0154】
実施例2
AGREおよび対照試料において認められた変異型の数
合計536の変異型が、GA2およびHELISCOPEプラットフォームの両方でAGREおよび/または対照試料において検出された(表3)。これらの変異型を、≧1%のアレル頻度で認められた場合は「一般的」、および<1%のアレル頻度で認められた場合はまれなと称した。AGRE試料および対照においてそれぞれ検出された336および310の変異型はまれな変異型であった。一般的およびまれな変異型の両方の数が個々の遺伝子間で異なった。表2は、検出された変異型の少なくとも一部を示す。
【0155】
前記方法は、潜在的に破壊性の作用を有するまれな変異型を選択することを含み得る。この群には、タンパク質レベルでミスセンスまたはナンセンス変化を引き起こす、保存されたスプライス部位に影響を及ぼす、または3’UTRもしくは5’UTR内に位置し、従ってmRNA転写もしくはプロセシングに影響し得る変異型が含まれた。合計216のまれな、潜在的に破壊性の変異型のうちで、147はAGREにおいておよび122は対照において認められた(表4)。それらのうちで、58はAGRE試料においてのみ認められ、31は対照試料でのみ認められ(表5)、AGRE試料におけるまれな、潜在的に破壊性の変異型の統計的に有意の富化を指示した。個々の遺伝子のレベルでは、HOMER1、SHANK3、TSC1およびTSC2遺伝子に関して富化が統計的有意性に達した(表5)。
【0156】
これらの遺伝子の3つ(SHANK3、TSC1およびTSC2)は、自閉症における因果的役割がこれまでに明らかにされている。特に、しかしながら、TSC1またはTSC2中の変異型による自閉症は、典型的には結節硬化症の背景で認められるが、今回の研究では、症候性形態のASDを有する個体からの試料は除外された。4番目の遺伝子(HOMER1)は、これまで自閉症に因果的に関連づけられていなかった。HOMER1変異型の2つ(c.195G>T、M65Iおよびc.290C>T、S97L)は、mGluR1およびmGluR5中のPro−Pro−Ser−Pro−Pheモチーフと相互作用することが示されている、Homer1のEVH1ドメイン内に位置する。HOMER1における3番目の潜在的に損傷性の変異型(c.425C>T、P142L)は、EVH1ドメインについての内部結合部位として働く、CRH1ドメインのPモチーフ内の保存されたプロリンの1つに影響を及ぼす。mGluRへのEVH1結合はHomer1のホモ多量体化を誘導し、一方Homer1の内部PモチーフへのEVH1結合はこのホモ多量体化を停止させると提案されている。興味深いことに、AGRE試料中で検出されたGRM5変異型の1つ(c.3503T>C、L1168P)は、mGluR5中の保存されたPro−Pro−Ser−Pro−Phe Homer1結合モチーフに比較的近接して位置する。
【0157】
AGRE試料においてのみ観察されたまれな、潜在的に破壊性のTSC1およびTSC2変異型のいくつかは、それらが明らかな疾患変異型と共に認められることおよび/または結節硬化症表現型と明瞭に分離されないことから、他所ではまれな多型として分類されてきた。これらの変異型は、従って、結節硬化症に関してはハイポモルフ変異型であり得、TSC1およびTSC2中で他の変異型と共に生じる場合は調節因子として働く。単一遺伝子障害の多形態性およびより軽度の形態の単一遺伝子疾患におけるハイポモルフ変異型の役割がますます広く認識されている。
【0158】
AGRE試料におけるまれな、潜在的に破壊性の変異型の富化は、この初期サンプリングで遺伝子の4つについて統計的有意性に達したが、特定の単一変異型は付加的な遺伝子のASDへの因果関係を示唆する。具体的には、1つのAGRE試料が、保存されたスプライス部位に影響を及ぼし、従って損傷性である可能性が高いMAP2K2中の変異型(c.581−1G>T)を保持していた。潜在的に損傷性の変異型はまた、RAS/MAPKシグナル伝達経路におけるもう1つの遺伝子である、HRASにおいても検出された。このHRAS変異型(c.383G>A、R128Q)は、GTP結合H−rasの膜結合および機能において重要な役割を果たすことが示されている128位のアルギニンを破壊する。MAP2K2およびHRASは、それぞれ、どちらも精神発達遅延および遅滞に関連する単一遺伝子障害である、心臓顔皮膚症候群およびコステロ症候群に関連することが公知である。しかし、MAP2K2はこれまで自閉症に関係づけられていなかったが、初期関連研究はHRASとASDの間の関連性を示唆した。
【0159】
本発明の方法はさらに、1つのAGRE試料において、ASDのもう1つの症候性形態であるレット症候群に関連することが公知の遺伝子、MECP2中の1つのナンセンス突然変異(c.1477G>T、E483X)を検出した。興味深いことに、このナンセンス突然変異はMECP2の3つのC末端アミノ酸の欠失だけを引き起こし、従ってハイポモルフ変異型でもあり得る。
【0160】
いずれかのプールで変異型が検出されたすべての位置における各プール中の各遺伝子についての平均カバー率を決定した。1つまたは少数のプールにおける低いカバー率は、一般的な変異型の検出にはほとんど影響を及ぼさず、というのは、変異型が多くの異なるプールで認められるからである。しかし、まれな変異型は、それらがより低いカバー率のプールでのみ生じた場合は見逃される可能性がある。これらの影響を正しく認識するため、2つの測定を評価した:(1)一定のカットオフ値(例えば20標本のプールについては160および15標本のプールについては120)より低いカバー率を有するプールの数;ならびに(2)一般的変異型とまれな変異型の相対的頻度。いくつかのプールにおける低いカバー率の存在および集団の間での一般的変異型とまれな変異型の不均衡な比率の両方が、所与の遺伝子におけるまれな変異型についての検出信頼度を低下させる。
【0161】
本発明の方法は、候補遺伝子におけるまれな変異型の発見を提供するので、試料プールの大きさが変異型検出の感度を制限しなかったかどうかを決定するためのアッセイを実施した。
【0162】
より大きな(20試料)プールにおける変異型検出の感度を検証するため、これまでにMYBPC3、MHY7、TNNT2およびTNNI3遺伝子のすべてのコードエクソンについてサンガーシーケンシングが実施されている20試料からの検証プールを構築し、PCRを用いてこれらの標的を富化した。PCR産物を鎖状に連結し、せん断して、高いカバー率の条件下にGA2シーケンサーで配列決定した。配列決定は、20試料の1つにおいてのみヘテロ接合的に存在する(シングルトン)20変異型を含む、これまでにサンガーシーケンシングによって検出された46の1ヌクレオチド変異型のすべてを検出し、そのようなプール(例えば高いカバー率の条件下にGA2での20試料プール)における変異型検出の高い感度を明らかにした。シングルトンの一部については、プールで検出されたアレル頻度が0.025の理論値から逸脱していたが、すべてのシングルトンが≧0.012のアレル頻度、または理論値の半分で検出された。このアレル頻度カットオフで、しかしながら、サンガーシーケンシングによって検出されていなかった、従って、64%の偽発見率(FDR)で偽陽性の可能性がある付加的な82の変異型が検出された。
【0163】
実施例3:方法
試料の選択
自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する個体からのDNA試料(n=290)を、以下の選択基準に基づき、the Autism Genetic Research Exchange(AGRE)コレクションから入手した:自閉症診断面接改訂版(Autism Diagnostic Interview,Revised)(ADI−R)および自閉症診断観察スケジュール(Autism Diagnostic Schedule)(ADOS)による自閉症の診断;特発性(すなわち非症候性)自閉症;少なくとも1名の罹患家族;ならびにRAVEN、PeobodyおよびSRSについての完全なデータの利用可能性。試料の民族性は、221名の個体についてはヒスパニック系またはラテン系ではない白色の、1以下の人種;11名の個体についてはヒスパニック系またはラテン系ではない白色の、2以上の人種;53名の個体についてはヒスパニック系またはラテン系;および5名の個体についてはアジア系として与えられた。300の対照DNA試料をCoriellコレクションから入手し、それらはコーカサスまたはヨーロッパ民族性の248試料およびヒスパニック系またはラテン系民族性の52からなった。
【0164】
次世代シーケンシング
NANODROP分析システムを用いてすべての試料についてDNA濃度を測定し、等しい量の対照試料DNAを、各々20試料および15試料の直交プールに混合した。次に各々のプールを、5’末端にNotI制限部位を含む14bp配列の尾部を付した特異的PCRプライマーを使用して、19の候補遺伝子の各々の最長アイソフォームのすべてのコードエクソンをPCR増幅するための1つのDNA鋳型として使用した。同じ鋳型(すなわち試料プール)に由来するすべてのPCR産物をプールし、NotIで消化して、連結してコンカテマーを形成し、その後COVARIS S2装置を用いて150〜300bpの平均サイズを有するフラグメントに無作為にせん断した。これらのフラグメントは、製造者の指示に従ったILLUMINA GA2(20試料プール)またはHELICOS HELISCOPE(15試料プール)のいずれかでのシーケンシングのために調製した。ILLUMINAシーケンシングを50サイクル実施し、50塩基近くまでのリード長を生じさせ、HELISCOPEシーケンシングを120サイクルまたは30クワッド実施して、約32塩基の平均リード長を生じさせた。
【0165】
次世代シーケンシングデータの分析
リードを、30の隣接する非コード塩基で各々の側に「パッドを付加した(padded)」各増幅エクソンンのhg18由来配列を含む参照配列に整列した。GA2リードについてはアライナーMOSAIKを使用し、HELISCOPEリードについてはアライナーINDEXDPを使用した。バリアントコーリングは、GA2についてはGIGABAYESで実施したが、Bayesianベースのアルゴリズムは使用せず、HELISCOPEリードについてはSNPSNIFFERで実施した。SNPSNIFFERは、1%の最小マイナーアレル頻度閾値を必要とした。GIGABAYESでは最小マイナーアレル頻度閾値は設定しなかった。両方の場合に、バリアントコールは、それらが各DNA鎖上で少なくとも1回生じた場合にのみ受け入れた。初期バリアントコーリングの間は他のフィルターを使用しなかった。
【0166】
サンガーシーケンシング
次世代シーケンシングンの間に検出された変異型を確認するため、選択遺伝子領域および選択試料についてサンガーシーケンシングを実施した。PCRプライマーおよび条件は、試料プールの代わりに個々の試料を鋳型として使用したことを除き、前回と同じであった。次に、ABI BIGDYE試薬を使用して、シーケンシングプライマーとしての役割を果たす特異的PCRプライマーで各々のPCR産物をサイクルシーケンシングし、シーケンシング産物をABI3730exlで分離した。SEQUENCESCANNER(ABI)を用いてシーケンシングトレースを視覚化し、所与の突然変異の存在または不在を参照配列との手動比較によって決定した。
【0167】
特許、特許出願、特許公開、定期刊行物、書籍、論文、ウエブコンテンツなどの他の資料の参照および引用を本開示全体を通して行っている。すべてのそのような資料は、すべての目的に関してそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0168】
本発明の様々な変更および等価物ならびにそれらの多くのさらなる実施形態が、本明細書で示し、説明したものに加えて、本明細書で引用される学術および特許文献の参照を含む、本明細書の内容全体から当業者に明らかになる。本明細書の対象は、本発明の様々な実施形態およびその等価物における本発明の実施に適合させることができる情報、例示および指針を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体において自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断するための方法であって、前記方法は:
被験体からの組織試料または体液試料から核酸を得る工程;
前記被験体の核酸中に1つの変異型配列または複数の変異型配列が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施する工程;
検出された各々の変異型について、前記変異型が自閉症スペクトラム障害に関連する公知の変異型であるかまたはこれまでに記述されていない変異型であるかを決定する工程;
前記変異型がこれまでに記述されていない変異型である場合は、前記変異型が遺伝子発現および/またはタンパク質機能の少なくとも1つに有害な作用を及ぼすと予想されるか否かを決定する工程;ならびに
検出された前記変異型配列または前記複数の変異型配列に基づき、前記自閉症スペクトラム障害の存在または前記自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクを診断する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記アッセイが、核酸配列決定、ハイブリッドキャプチャー法および後成的分析の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実施する工程における前記核酸が、遺伝子、エクソン、イントロン、遺伝子調節エレメント、発現されたRNA、siRNAまたは後成的エレメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸が、1つ以上の自閉症スペクトラム障害に関連することが公知の配列または関連することが疑われる配列から選択される配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記核酸が、表1中の遺伝子の1つの少なくとも一部を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記核酸が、代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路中のタンパク質をコードする遺伝子に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記核酸が、TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBまたはUBE3Aの少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記核酸が、TSC1、TSC2、SHANK3またはHOMER1の少なくとも1つについての遺伝子の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記配列決定が、合成による1分子シーケンシングまたは大量並列シーケンシングの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
変異を示す試料を同定するために複数のDNA試料をプール中で分析する、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも2つのプールにおいて同じ変異を示す個々の試料を同定するために複数のDNA試料を複数のプール中で分析する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記自閉症スペクトラム障害が、非症候性自閉症、古典的自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、または特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記自閉症スペクトラム障害が非症候性自閉症を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
顕在表現型を含む、自閉症に関係する遺伝的症候群の存在または遺伝的症候群を発症する増大したリスクを診断する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記遺伝的症候群が、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、15q11−q13重複、脆弱X症候群、脆弱X前突然変異、染色体2qの欠失、XYY症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アペール症候群、ARX遺伝子の突然変異、ド・ランゲ症候群、スミス・メイジェニス症候群、ウィリアムズ症候群、ヌーナン症候群、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群、筋緊張性ジストロフィー、シュタイネルト病、結節硬化症、デュシェーヌ病、ティモシー症候群、10p染色体末端欠失、カウデン症候群、45,X/46,XYモザイク、ミーレ症候群、ソトス症候群、コーエン症候群、ゴルドナール症候群、ジュベール症候群、Lujan−Fryns症候群、メビウス症候群、伊藤のメラニン減少症、神経線維腫症1型、CHARGE症候群、またはHEADD症候群の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記被験体が小児である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記被験体が胎児である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記体液が、脳脊髄液、血液、羊水、母体血および尿の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記変異型が、表2中の変異型の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記変異型が、以下の突然変異:HOMER 1 c.195G>T、M65I;HMER 1 c.290C>T、S97L;HOMER 1 c.425C>T、P142L;GRM5 c.3503T>C、L1168P;MAPK2 c.581−1G>T;HRAS c.383G>A、R128Q;a MECP2 c.1477G>T、E483Xの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
自閉症スペクトラム障害の存在または自閉症スペクトラム障害を発症する増大したリスクと相関する突然変異を同定するための方法であって、
突然変異した場合、自閉症の発症に関連し得るまたは関連する配列を有すると評価される核酸を同定する工程;
自閉症スペクトラム障害を有する被験体からの組織試料または体液試料から核酸試料を得る工程;および
自閉症スペクトラム障害を有さない個体における核酸配列と比較して、自閉症を有する前記被験体において前記核酸配列において突然変異が存在するか否かを同定するためのアッセイを実施する工程であって、自閉症スペクトラム障害を有する被験体における前記突然変異の存在が、前記突然変異が前記自閉症スペクトラム障害の発症に関連し得ることを示す、工程
を含む、方法。
【請求項22】
前記突然変異が、これまでに自閉症スペクトラム障害の発症に関連づけられていた変異型である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記突然変異がこれまでに記述されていない変異型である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記突然変異が遺伝子発現および/またはタンパク質機能の少なくとも1つに有害な作用を及ぼすと予想されるか否かを決定する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
突然変異の存在または不在を評価する前記核酸配列が、代謝型グルタミン酸受容体シグナル伝達経路中のタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも一部である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記自閉症スペクトラム障害が非症候性自閉症である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
以下の遺伝子:TSC1、TSC2、MECP2、SHANK3、GRM1、GRM5、ARC、EIF4E、HOMER1、HRAS、MAP2K1、MAP2K2、RAF1、PIK3CA、PIK3R1、FMR1、PTEN、RHEBまたはUBE3Aの少なくとも1つからの変異型配列を含む単離された核酸であって、前記配列が自閉症スペクトラム障害の指標となる変異型を含む、単離された核酸。
【請求項28】
表2に記載される変異型配列を含む、請求項27に記載の単離された核酸。
【請求項29】
以下の変異型:HOMER 1 c.195G>T、M65I;HOMER 1 c.290C>T、S97L;HOMER 1 c.425C>T、P142L;GRM5 c.3503T>C、L1168P;MAPK2 c.581−1G>T;HRAS c.383G>A、R128Q;a MECP2 c.1477G>T、E483Xの少なくとも1つを含む、請求項27に記載の単離された核酸。

【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図3−10】
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【図3−11】
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【図3−12】
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【図3−13】
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【図3−14】
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【図3−15】
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【図3−16】
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【図3−17】
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【図3−18】
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【図3−19】
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【図3−20】
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【図3−21】
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【図3−22】
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【図3−23】
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【図3−24】
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【図3−25】
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【図3−26】
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【図3−27】
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【図3−28】
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【図3−29】
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【図3−30】
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【図3−31】
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【図3−32】
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【図3−33】
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【図3−34】
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【図3−35】
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【図3−36】
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【図3−37】
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【図3−38】
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【図3−39】
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【図3−40】
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【図3−41】
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【図3−42】
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【図3−43】
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【図3−44】
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【図3−45】
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【図3−46】
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【図3−47】
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【図3−48】
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【図3−49】
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【図3−50】
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【図3−51】
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【図3−52】
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【図3−53】
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【図3−54】
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【図3−55】
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【図3−56】
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【図3−57】
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【図3−58】
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【図3−59】
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【図3−60】
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【図3−61】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図4−8】
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【図4−9】
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【図4−10】
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【図4−11】
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【図4−12】
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【図4−13】
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【図4−14】
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【図4−15】
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【図4−16】
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【図4−17】
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【図4−18】
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【図4−19】
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【図4−20】
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【図4−21】
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【図4−22】
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【図4−23】
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【図4−24】
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【図4−25】
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【図4−26】
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【図4−27】
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【図4−28】
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【図4−29】
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【図4−30】
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【図4−31】
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【図4−32】
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【図4−33】
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【図1】
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【公表番号】特表2013−503646(P2013−503646A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528126(P2012−528126)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048164
【国際公開番号】WO2011/031786
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(511172461)ラボラトリー コーポレイション オブ アメリカ ホールディングス (3)
【Fターム(参考)】