説明

舗装機械の折畳み式レベリング指針装置

【課題】伸縮スクリードが最縮状態のときであっても、レベリング目盛り部の表示内容を容易かつ確実に視認できるようにする。
【解決手段】レベリング目盛り部31に対して指針バー32の上下動によりレベリングアームの前端枢着部の高さ位置を示す折畳み式レベリング指針装置30であって、指針バー32は、前記レベリングアームの前端枢着部と一体に上下動可能に設けられたロッド33の上端部に水平に回転自在に取り付けられている。レベリング目盛り部31は、機体38側の部材35に機体幅の外側に開閉できるように取り付けられ、レベリング目盛り部39の折り曲げ部39に設けた上下方向の長孔40に指針バー32の先端部をスライド自在に係合させることにより、レベリング目盛り部31の開閉動作と一体的に指針バー32が回転できるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装機械の折畳み式レベリング指針装置に関するものであり、特に、レベリング指針の動く位置から舗装厚を読み取るようにした舗装機械の折畳み式レベリング指針装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4及び図5は、従来の舗装機械の一例としてのアスファルトフィニッシャ1を示し、機体2の前部に舗装材を受け入れるホッパ3を設け、該ホッパ3に受け入れた舗装材を機体2の後方へ搬送する不図示のコンベヤと、該コンベヤにより搬送された舗装材を機体2の左右幅方向に広げるスクリュースプレッダ5と、機体2の後部にて牽引されて舗装材を敷き均す伸縮スクリード6とを備えている。
【0003】
また、機体2の左右両側にレベリングアーム(スクリードアーム)7の前端部を枢着するとともに、該レベリングアーム7の後端部を前記伸縮スクリード6の左右外側面に連結する。
【0004】
そして、前記レベリングアーム7の前端枢着部7aをレベリングシリンダ(油圧シリンダ)8の一端部に接続するとともに、該レベリングシリンダ8の他端部を機体2の前後方向略中央部に取り付ける。なお、レベリングシリンダ8は、機体2の左右幅(機体幅)の内側に配置されている。
【0005】
これにより、レベリングシリンダ8を伸縮すれば、前記レベリングアーム7の前端枢着部7aの高さが変更されるため、前記伸縮スクリード6の高さ、即ち、舗装厚を変更することができる。
【0006】
また、レベリングシリンダ8の伸縮量を検出して、舗装厚を表示するレベリング指針装置(舗装厚表示装置)9が知られている。このレベリング指針装置9は、前記レベリングシリンダ8の近傍位置、即ち、機体2の中央上部にて機体2の左右幅の内側に設置されている(特許文献1、2参照)。
【0007】
図6乃至図9は、レベリング指針装置9の従来例を示す。レベリング指針装置9は、前記レベリングシリンダ8の伸縮動作に連動するように、レベリングアーム7の前端枢着部7aにレベリング指針部11の下端部をレベリングシリンダ8の連結棒8aに一体に取り付けるとともに、レベリング指針部11の上端部に対応する位置には、レベリング目盛り部12が配置されている。
【0008】
このレベリング目盛り部12は、機体2上面である機体フロア13上に鉛直に固定されている。また、該レベリング目盛り部12及び前記レベリング指針部11は、機体2の左右幅の内側に配置されている。
【0009】
従って、レベリングシリンダ8が伸縮動作すると、これと一体にレベリング指針部11が上下動する。このため、オペレータMは、レベリング指針部11で指示されたレベリング目盛り部12の表示内容を読み取ることにより、レベリングシリンダ8の伸縮量、即ち、舗装厚を読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−253615
【特許文献2】特許第3673229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、従来構造のレベリング指針装置では、機体幅の内側にレベリング目盛り部12及びレベリング指針部11が配置されていた。このため、図4に示すように、伸縮スクリード6の後部側のスクリードステップ14に立っているオペレータMは、レベリング指針部11が指示するレベリング目盛り部12の表示内容を視認し難いという不具合があった。
【0012】
なお、伸縮スクリード6が伸長状態にあれば、オペレータMはスクリードステップ14の外側端部に立って、機体幅よりも外側の位置からレベリング目盛り部12を視認できる。つまり、オペレータMは、機体2の側面上部に設けた手擦り15等で視界が遮られないので、レベリング目盛り部12を容易に見ることができる。依って、伸縮スクリード6の伸長状態では、通常、レベリング目盛り部12の視認については何らの問題も生じない。
【0013】
上記レベリング目盛り部の視認性の不具合を改善するには、レベリング目盛り部及びレベリング指針部を機体幅の外側に配置して取り付けることが考えられる。しかし、レベリング目盛り部及びレベリング指針部は、舗装機械の車検や輸送などの関係から、機体幅の外側に取り付けることができない。そのため、現状では、レベリング目盛り部及びレベリング指針部を、可能な限り機体幅の外方へ変位した位置に配設している。
【0014】
このように、レベリング目盛り部等を機体幅外側へ変位した位置に配設しても、伸縮スクリードを最縮状態に移動させた施工では、スクリードステップの外側端部にオペレータが立ってレベリング指針部等を目視しても、機体の外側近傍に設けた手擦り等が邪魔になり、レベリング目盛り部等を視認できないという不具合があった。
【0015】
つまり、伸縮スクリードが最縮状態のときには、オペレータは、手擦り等の物体により視界が遮られて、レベリング目盛り部の表示内容が視認できなくなる。従って、特に機体幅とほぼ同等の幅の狭い場所で施工する場合には、オペレータは、施工作業の目安となるレベリング目盛り部の表示内容を確認できない状態で、舗装施工をせざるを得ないという問題があった。
【0016】
そこで、伸縮スクリードが最縮状態のときであっても、レベリング目盛り部の表示内容を容易かつ確実に視認できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、機体の後部に伸縮スクリードを備え、機体の左右両側にレベリングアームの前端部がレベリングシリンダを介して枢着され、該レベリングシリンダの上下伸縮により前記レベリングアームの前端枢着部の高さが変更可能に構成された舗装機械において、レベリング目盛り部に対する指針バーの上下動により、レベリングアームの前端枢着部の高さ位置を示す折畳み式レベリング指針装置であって、該指針バーは、前記レベリングアームの前端枢着部と一体に上下動可能に設けられたロッドの上端部に水平に回転自在に取り付けられ、前記レベリング目盛り部は、機体の左右幅の外側及び内側に開閉できるように設けられているとともに、該レベリング目盛り部側に設けた長孔には、前記指針バーの先端部が上下方向にスライド自在に係合し、該指針バーは、前記レベリング目盛り部の開閉動作と一体的に回転移動できるように構成されていることを特徴とする舗装機械の折畳み式レベリング指針装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、レベリング目盛り部は、機体の左右幅の外側及び内側に開閉できるように設けられているとともに、該レベリング目盛り部側に設けた長孔には、前記指針バーの先端部が上下方向にスライド自在に係合している。このため、レベリング目盛り部を機体幅の外側に開くと、指針バーは、レベリング目盛り部の開放動作と一体的に回転移動する。
【0019】
依って、オペレータは、伸縮スクリードが最縮状態のときであっても、手擦りなどで視界を遮られることもなく、機体幅の外側位置からレベリング目盛り部の表示内容を容易に視認できる。
【0020】
請求項2記載の発明は、前記レベリング目盛り部にはロック機構が付設され、該ロック機構は、該レベリング目盛り部を折り畳んだ位置でロックするロックピンを有することを特徴とする請求項1記載の舗装機械の折畳み式レベリング指針装置を提供する。
【0021】
この構成によれば、レベリング目盛り部を折り畳んだときは、ロック機構のロックピンにより、レベリング目盛り部が折り畳んだ状態にロックされる。その結果、レベリング目盛り部及び指針バーは、これに意図しない外力が作用しても、機体幅の外側に開く虞がない。
【0022】
請求項3記載の発明は、前記レベリング目盛り部は、前記機体側の部材にバネ付蝶番を介して取り付けられ、該バネ付蝶番は、該レベリング目盛り部を機体幅の外側へ開く方向に弾性的に付勢していることを特徴とする請求項2記載の舗装機械の折畳み式レベリング指針装置を提供する。
【0023】
この構成によれば、レベリング指針装置の使用時には、レベリング目盛り部は、バネ付蝶番の弾性力により開いた状態に保持される。このため、レベリング目盛り部及び指針バーが周囲の物体と衝突したとしても、レベリング目盛り部及び指針バーは、閉じる方向に退避移動するので破損する虞が無い
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明は、施工中、伸縮スクリードが最縮状態のときであっても、オペレータは、手擦りなどで視界を遮られずに、レベリング目盛り部の表示内容を視認できる。特に、機体幅とほぼ同等の幅の狭い場所で施工する場合でも、レベリング目盛り部の表示内容を容易かつ確実に目視して、舗装施工を効率良く行うことができる。
【0025】
また、レベリング目盛り部を機体幅の内側に閉じることにより、レベリング目盛り部と指針バーを折り畳んだ状態にすることができるので、車体の回送時などのように、レベリング指針装置を使用しない時に、安全面などの観点からも極めて好都合となる。
【0026】
請求項2記載の発明は、ロック機構のロック作動によりレベリング目盛り部を折り畳み状態に保持できるので、請求項1記載発明の効果に加えて、レベリング目盛り部及び指針バーは、不如意に車体の外側に開くことがなく、依って、車体外側の物体と衝突する虞も無い。
【0027】
請求項3記載の発明は、レベリング指針装置の使用時には、バネ付蝶番の弾性力により、レベリング目盛り部及び指針バーを開いた状態に保持できる。この状態では、レベリング目盛り部が何かの物体と衝突しても、レベリング目盛り部及び指針バーは閉じる方向に自動的に移動するので、請求項2記載発明の効果に加えて、物体との衝突によってレベリング目盛り部及び指針バーを破損させる恐れはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、折畳み式レベリング指針装置の構成を説明する正面図。
【図2】図1の左側面図。
【図3】図2の折畳み式レベリング指針装置の上面図。
【図4】従来技術を示し、アスファルトフィニッシャの側面図。
【図5】図4のアスファルトフィニッシャの上面図。
【図6】従来技術に係るレベリング指針装置の側面図。
【図7】図6のレベリング指針装置のレベリング目盛り部の構成を説明する正面図。
【図8】図7の左側面図。
【図9】図8のレベリング指針装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、伸縮スクリードが最縮状態のときであっても、レベリング目盛り部の表示内容を容易かつ確実に視認できるようにするという目的を達成するために、機体の後部に伸縮スクリードを備え、機体の左右両側にレベリングアームの前端部がレベリングシリンダを介して枢着され、該レベリングシリンダの上下伸縮により前記レベリングアームの前端枢着部の高さが変更可能に構成された舗装機械において、レベリング目盛り部に対する指針バーの上下動により、レベリングアームの前端枢着部の高さ位置を示す折畳み式レベリング指針装置であって、該指針バーは、前記レベリングアームの前端枢着部と一体に上下動可能に設けられたロッドの上端部に水平に回転自在に取り付けられ、前記レベリング目盛り部は、機体の左右幅の外側及び内側に開閉できるように設けられているとともに、該レベリング目盛り部側に設けた長孔には、前記指針バーの先端部が上下方向にスライド自在に係合し、該指針バーは、前記レベリング目盛り部の開閉動作と一体的に回転移動できるように構成されていることによって実現した。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の好適な実施例を図1乃至図3に基づいて説明する。本発明が適用された舗装機械(アスファルトフィニッシャ)の構成は、レベリング指針装置の部分を除いて、図4及び図5に示したアスファルトフィニッシャ(1)と基本的に略同一の構成である。尚、本実施例に係るアスファルトフィニッシャの全体の構成図は省略している。
【0031】
即ち、本実施例が適用されたアスファルトフィニッシャは、機体の前部に舗装材を受け入れるホッパを備え、機体の後部に舗装材を敷き均す伸縮スクリードが牽引され、機体の左右両側には、レベリングアームの前端部が枢着され、該レベリングアームの後端部は、前記伸縮スクリードの左右外側面に連結されている。
【0032】
レベリングシリンダの一端部には、レベリングアーム前端部の枢着部が接続され、該レベリングシリンダの他端部は機体に取り付けられている。更に、レベリングアームの前端枢着部は、レベリングシリンダの一端部に枢着されており、該レベリングシリンダを伸縮すれば、レベリングアームの前端枢着部の高さ(舗装厚)が変更される。
【0033】
本実施例に係る折畳み式レベリング指針装置は、機体の中央部位置に設置され、レベリングシリンダの伸縮量を検出して舗装厚を表示する。即ち、図1に示すように、折畳み式レベリング指針装置30は、上記レベリングシリンダの伸縮動作に伴い、ロッド33を介して指針バー32が、レベリング目盛り部31に対し相対的に上下動することにより、上記レベリングアームの前端枢着部の高さ位置(舗装厚)を指示できるように構成されている。
【0034】
具体的には、折畳み式レベリング指針装置30は、上下方向に延びるロッド33を有し、ロッド33は、上記レベリングアームの前端枢着部と一体に上下動できるように設けられている。このロッド33の上側先端部には段差部が形成され、この段差部に指針バー32の基端部が取外し可能にネジ等で保持されている。
【0035】
また、指針バー32は、ロッド33に対し直角な水平状態に取り付けられ、指針バー32の基端部は、ロッド33の上端側段差部に遊嵌して保持されている。このため、指針バー32は水平状態のまま、ロッド33を中心にして自由に回転できるようになっている。
【0036】
レベリング目盛り部31は、機体フロア34の上方位置に配設されている。図示例では、レベリング目盛り部31は、機体フロア34に立設した支持部材35に、複数のバネ付蝶番(以下「バネチョウバン」という)37を介して開閉可能に取り付けられている。
【0037】
このため、レベリング目盛り部31は、バネチョウバン37の鉛直軸回りに、自由に回転できるように構成されている。依って、レベリング目盛り部31を回転させることにより、機体38の外側/内側に自在に開放/閉鎖動作できるようになっている。
【0038】
施工作業時には、オペレータMは、レベリング目盛り部31を手動で機体38の外側に開くことで、レベリング目盛り部31を開いた状態にキープすることできる。レベリング目盛り部31の外側端部は、図2における右側、即ち、機体38の後方側へ直角に折り曲げられており、この折り曲げ部39には長孔40が形成されている。
【0039】
長孔40は、折り曲げ部39の長手方向と平行に上下方向に延びている。この長孔40の長さは、上記レベリングシリンダと一体に上下動するロッド33及び指針バー32の上下ストロークよりもやや長くなるように設定されている。
【0040】
折り曲げ部39に形成された長孔40内には、水平状態の指針バー32の先端部がスライド自在に嵌入係合している。これにより、レベリング目盛り部31の開閉動作に伴い、指針バー32がレベリング目盛り部31と一体的に回転移動できるように構成されている。
【0041】
そして、施工中に、レベリング目盛り部31を機体幅の外側に開いて使用するときは、レベリング目盛り部31を機体幅の外側へ回転させることにより、図3の符号OPで示す開いた状態の位置までレベリング目盛り部31を移動させる。これにより、レベリング目盛り部31は、バネチョウバン37のトルクの作用によって開いた状態のまま保持される。
【0042】
このレベリング目盛り部31が開いた状態では、仮にレベリング目盛り部31に何かの物体が衝突したとしても、レベリング目盛り部31及び指針バー32は一体的に自由に回転して、機体38の内側へ退避動作するため、物体との衝突によってレベリング目盛り部31及び指針バー32を破損させる恐れはない。
【0043】
また、アスファルトフィニッシャの回送などにおいて、レベリング目盛り部31を機体幅の内側に閉じた状態に保持したい場合、オペレータMは、手動でレベリング目盛り部31を閉じる方向、即ち、図3における反時計回り方向に回転させることにより、同図の符号CLで示す閉じた状態の位置までレベリング目盛り部31を移動させる。これにより、レベリング目盛り部31及び指針バー32は、閉じた状態の位置CLに折り畳まれる。
【0044】
このように、レベリング目盛り部31を折り畳むと、指針バー32もこれと一緒に回転して、機体38の内側に折り畳まれるが、本実施例では、図2及び図3に示すように、レベリング目盛り部31の背面側にはロック機構43が付設されている。このロック機構43は、支持部材35側に設けた被係合部にロックピン44が係合することで、レベリング目盛り部31を折り畳み状態にロック保持できるようになっている。
【0045】
例えば、ロック機構43は、下方のロック位置に突出可能なロックピン44を備えている。また、ロックピン44と対応する下側には板部材45が配設され、該板部材45に形成された不図示の被係合部(ロック用の孔部、凹部又は切欠部)には、ロックピン44が係脱自在に係合できるようになっている。前記板部材45は、機体フロア34上の支持部材35の下部側に固定されている。
【0046】
尚、ロック機構43は図示例に限定されず、要は、レベリング目盛り部31を折り畳み状態にロック保持できる構成であればよい。
【0047】
本実施例では、レベリング目盛り部31及び指針バー32は、図3における開放位置OPから機体幅の内側に約80度ないし90度の角度だけ回転移動して折り畳んだ閉鎖位置CLで、ロック機構43のロックピン44によりロックされるようになっている。
【0048】
即ち、ロックピン44を板部材45側の被係合部に係合させることにより、レベリング目盛り部31及び指針バー32は、機体幅の内側の折り畳み位置にてロックした状態、つまり、回転・開閉不能な状態に保持固定される。依って、折り畳み状態のレベリング目盛り部31及び指針バー32は、意図しない外力などにより、機体幅の外側に開くことがない。
【0049】
尚、オペレータMがロック機構43のロックピン44を手動で解除して、レベリング目盛り部31を開いたときは、ロックピン44をロック状態に設定できないようになっている。
【0050】
逆に、レベリング目盛り部31を折り畳み位置CLの閉じた状態から、機体幅の外側に回転させて開放状態に移動させると、指針バー32もこれと一緒にロッド33の回りを回転し、これにより、レベリング目盛り部31及び指針バー32は、機体幅の外側にて開いた状態にセットされる。
【0051】
本実施例では、施工中に、レベリング目盛り部31を開いた状態の位置OPに保持することにより、レベリング目盛り部31及び指針バー32が機体幅の外側に位置するようになる。従って、上記スクリードステップに立ったオペレータM(図4参照)は、レベリング目盛り部31を視認する際に、手擦り等の物体で視界が遮断されなくなるため、レベリング目盛り部31の表示内容を確実に目視にて確認することができる。
【0052】
叙上の如く本発明によると、レベリング目盛り部を折り畳んだときは、ロック機構のロックピンが機体側の被係合部に係合しでロックされる。このロック状態では、レベリング目盛り部及び指針バーは、折り畳んだ状態に拘束保持されるため、レベリング目盛り部及び指針バーを機体幅の外側に開くことができない。従って、レベリング目盛り部及び指針バーは、不如意に車体の外側に開くことがなく、車体外側の物体などと衝突する虞も無い。
【0053】
また、レベリング目盛り部を機体幅の外側に開くと、指針バーは、レベリング目盛り部の開放動作と一体的に回転移動する。依って、伸縮スクリードが最縮状態のときでも、オペレータは、手擦りなどで視界を遮られることなく、機体幅の外側の位置から、指針バーの指示するレベリング目盛り部の表示内容を視認することができる。
【0054】
斯くして、特に機体幅とほぼ同等の幅の狭い場所で施工する場合であっても、レベリング目盛り部の表示内容を容易かつ確実に目視して、舗装施工を効率良く行うことができる。また、レベリング目盛り部を機体幅の内側に閉じることにより、レベリング目盛り部と指針バーを折り畳んだ状態に格納でき、車体の回送時などのように、折畳み式レベリング指針装置を使用しない時に、安全面などからも極めて好都合となる。
【0055】
また、レベリング目盛り部は、バネ付蝶番の弾性力により開く方向に常に付勢されている。これにより、折畳み式レベリング指針装置の使用時には、レベリング目盛り部及び指針バーは開いた状態に安定して保持される。この場合、レベリング目盛り部等は、開いた状態で何かの物体と衝突しても、バネ付蝶番の弾性力に抗して、機体幅内側へ閉じるように即座に退避移動する。その結果、レベリング目盛り部及び指針バーが、衝突によって破損する虞も無い。
【0056】
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【0057】
例えば、実施例では、レベリング目盛り部は、バネ付蝶番を介して鉛直軸回りに回転・開閉可能に構成したが、要は、レベリング目盛り部を機体幅の内外に開閉できる構成であれば、他の開閉機構を採用することも可能である。更に、レベリング目盛り部を開く方向に付勢する手段は、バネ以外にゴム部材などの弾発付勢手段を採択しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、レベリング指針装置を機体の前端部よりも後方の位置に配設した舗装機械にも応用することができる。
【符号の説明】
【0059】
30 折畳み式レベリング指針装置
31 レベリング目盛り部
32 指針バー
33 ロッド
34 機体フロア
35 支持部材
37 バネ付蝶番(弾発付勢手段兼用開閉連結手段)
38 機体
39 折り曲げ部
40 長孔
43 ロック機構
44 ロックピン
45 板部材







【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の後部に伸縮スクリードを備え、機体の左右両側にレベリングアームの前端部がレベリングシリンダを介して枢着され、該レベリングシリンダの上下伸縮により前記レベリングアームの前端枢着部の高さが変更可能に構成された舗装機械において、
レベリング目盛り部に対する指針バーの上下動により、レベリングアームの前端枢着部の高さ位置を示す折畳み式レベリング指針装置であって、
該指針バーは、前記レベリングアームの前端枢着部と一体に上下動可能に設けられたロッドの上端部に水平に回転自在に取り付けられ、
前記レベリング目盛り部は、機体の左右幅の外側及び内側に開閉できるように設けられているとともに、該レベリング目盛り部側に設けた長孔には、前記指針バーの先端部が上下方向にスライド自在に係合し、該指針バーは、前記レベリング目盛り部の開閉動作と一体的に回転移動できるように構成されていることを特徴とする舗装機械の折畳み式レベリング指針装置。
【請求項2】
前記レベリング目盛り部にはロック機構が付設され、該ロック機構は、該レベリング目盛り部を折り畳んだ位置でロックするロックピンを有することを特徴とする請求項1記載の舗装機械の折畳み式レベリング指針装置。
【請求項3】
前記レベリング目盛り部は、前記機体側の部材にバネ付蝶番を介して取り付けられ、該バネ付蝶番は、該レベリング目盛り部を機体幅の外側へ開く方向に弾性的に付勢していることを特徴とする請求項2記載の舗装機械の折畳み式レベリング指針装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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