説明

航空機の座席システム

【課題】旅客機において使用される、複数の座席システムと1つのフレームとを含む方法と装置を提供する。
【解決手段】複数の座席システム230のうちの第1の座席システム234は、複数の座席システムのうちの第2の座席システム238とは異なる寸法を有している。フレーム232は、複数の座席システムに接続するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して航空機に関し、具体的には航空機の座席システムに関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機には客室が含まれることが多い。この客室とは、乗客が乗り込む航空機の区画である。民間旅客機では、客室は複数の部分に分割されている。このような部分には、例えば、限定されないが、乗客用エリア、客室乗務員用エリア、ギャレー、機内サービス用倉庫、及び他の適切な区画が含まれる。乗客用エリア内の座席は、横列と通路とに構成されている。乗客一人当たりに与えられたスペースの量は、座席のクラスが上がる程増大する。種々の座席クラスに応じた様々な乗客用エリアは、カーテン及び/又はモニュメントを使用して分割される。
【0003】
航空機の客室のような乗客用エリアの設計においては、乗客の密度を最大にすることが望ましい。すなわち、乗客席の様々な要件を満たしながら、乗客用エリアに可能な限り多数の乗客を収容することが望ましい。これらの要件には、例えば、限定されないが、座席のクラスに基づく一定の乗客用スペース、安全規格、及び他の適用可能な要件が含まれる。
【0004】
乗客席は、選択されたサイズの乗客用に設計することができる。例えば、限定しないが、乗客席は、サイズに関して概ね95パーセンタイル内の乗客を収容するように設計することができる。結果として、乗客のサイズが約95パーセンタイルを上回る場合、この乗客は座席を使用することができない可能性がある。
【0005】
現在、航空会社は、このような乗客は単一の座席には収まらないため、機内において1つではなく2つの座席にその乗客を配している。2つ目の座席は他の乗客に販売できなくなったわけなので、場合によっては、乗客が追加のチケット代の支払いを求められることがある。
【0006】
複数の座席を必要とする乗客が追加の座席料を支払えない場合がある。加えて、追加チケット購入要件を不公平なものとみなして、乗客が追加の座席料の支払いを拒否する場合がある。その結果、航空会社が収益を失い、及び/又はもう1つの座席のための追加料金の支払いを求められて乗客が不愉快な思いをする場合がある。
【0007】
したがって、上述した問題の少なくとも一部と、起こりうる他の問題とを考慮する方法および装置を有することが有利である。
【発明の概要】
【0008】
有利な一実施形態では、旅客機の座席装置は、複数の座席システムと1つのフレームとを備えている。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、複数の座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有している。第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有する。第1の寸法は、第1の種類の乗客が座るように構成され、第2の寸法は、第2の種類の乗客が座るように構成される。第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している。フレームは、複数の座席システムに接続するように構成することができる。
【0009】
別の有利な実施形態では、航空機の座席ユニットは、複数の座席システムと、任意の数の調節可能なアームレストと、1つのフレームとを備えている。複数の座席システムは、第1のシートクッション及び第1のシートバックを有する第1の座席システムと、第2のシートクッション及び第2のシートバックを有する第2の座席システムとを有する。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、複数の座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有している。第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有する。第1の寸法は、第1の種類の乗客が座るように構成され、第2の寸法は、第2の種類の乗客が座るように構成される。第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している。第1の座席システムの第1の幅は約20〜26インチであり、第2の座席システムの第2の幅は約16〜19インチである。フレームは、複数の座席システムに接続するように構成される。
【0010】
また別の有利な実施形態では、航空機の座席システムは、胴体、第1の種類の座席システム、第2の種類の座席システム、第1の複数の座席システム、及び第2の複数の座席システムを備えている。胴体は、テーパの付いていない区画と、テーパの付いた区画とを有しうる。第1の種類の座席システムは、第1の種類の乗客が座るように構成された第1の寸法を有している。第2の種類の座席システムは、第2の種類の乗客が座るように構成された第2の寸法を有している。第2の寸法は第1の寸法とは異なっている。第1の種類の乗客は、第2の種類の座席システムには入らない腰幅を有している。テーパの付いていない区画内にある第1の複数の座席システムは、選択された1つの横列内に選択された数の座席システムを有し、テーパの付いた区画の1つの横列に位置する第2の複数の座席システムは、その横列内に、選択された横列内の第1の複数の座席システムより少なくとも1つ少ない座席システムを有する。第2の複数の座席システムは、第1の種類の座席システムを、第1の複数の座席システムより少なくとも1つ多く含むことができる。
【0011】
さら別の有利な実施形態では、航空機を構成する方法が提供される。航空機の胴体設計が特定される。座席ユニットを有する乗客用エリアは、任意の数の座席ユニットが複数の座席システムを有するように構成される。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、複数の座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有している。第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有する。第1の寸法は、第1の種類の乗客が座るように構成され、第2の寸法は、第2の種類の乗客が座るように構成される。第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している。任意の数の座席ユニットは、複数の座席システムに接続するように構成された1つのフレームも有している。
【0012】
さら別の有利な実施形態では、航空機の座席システムを乗客に割り当てる方法が提供される。乗客毎に、乗客の種類を識別する。座席システムは、第1の座席システムから選択された1つであって第1の寸法を有しており、第2の座席システムは第2の寸法を有している。第1の座席システムは、第1の種類の乗客が座るように構成された第1の寸法を有し、第2の座席システムは、第2の種類の乗客が座るように構成された第2の寸法を有している。第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している。
【0013】
つまり、本発明の一態様によれば、複数の座席システムと、それら複数の座席システムに接続する1つのフレームとを含む旅客機の座席装置が提供される。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、同座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有しており、第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有し、第1の寸法は第1の種類の乗客が座るように構成されており、第2の寸法は第2の種類の乗客が座るように構成されており、第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している。
【0014】
有利な旅客機用座席装置では、第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない腰幅を有し、この腰幅は、女性の腰幅の少なくとも約98パーセンタイルである。
【0015】
有利な旅客機用座席装置では、フレームが、航空機のフロア構造の上方において複数の座席システムを支持し、複数の座席システムをフロア構造に接続するように構成されている。
【0016】
有利な旅客機用座席装置では、第1の種類の乗客は、体重について約95パーセンタイル〜約99パーセンタイルの体重を有し、フレームは、第1の種類の乗客が第1の座席システムに座っている時に第1の座席システムを支持するように構成された脚要素を含んでいる。
【0017】
有利な旅客機用座席装置では、第1の座席システムの第1の幅は、第2の座席システムの第2の幅とは異なっている。
【0018】
有利な旅客機用座席装置では、第1の座席システムは第1のシートクッション及び第1のシートバックを有し、第2の座席システムは第2のシートクッション及び第2のシートバックを有する。
【0019】
有利な旅客機用座席装置では、複数の座席システムとフレームとが座席ユニットを形成する。
【0020】
有利な旅客機用座席装置では、第1の座席システムの第1のシートクッションは、第2の座席システムの第2のシートクッションとは異なる寸法を有している。
【0021】
有利な旅客機用座席装置では、第1のシートクッションは第2のシートクッションとは異なる幅を有し、第1のシートバックは第2のシートバックと同じ幅を有している。
【0022】
有利な旅客機用座席装置では、第1のシートクッション及び第1のシートバックは第1の幅を有し、第2のシートクッション及び第2のシートバックは第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅より大きい。
【0023】
有利な旅客機用座席装置は、任意の数の調節可能なアームレストをさらに含み、調節可能なアームレストのうちの第1の調節可能なアームレスト及び第2の調節可能なアームレストは、変更可能に構成された、第1の調節可能なアームレストと第2の調節可能なアームレストとの間の幅を有する。
【0024】
有利な旅客機用座席装置では、第1の種類の乗客の腰幅は、第2の座席システムの両側の調節可能なアームレストの間の、第2の座席システムには入らず、調節可能なアームレストは、フレーム上の接続ポイントに接続されている。
【0025】
有利な旅客機用座席装置では、第1の座席システムは、約20インチ〜約26インチの第1の幅を有し、第2の座席システムは約16〜19インチの第2の幅を有する。
【0026】
有利な旅客機用座席装置では、第1の座席システムは、腰幅に関して95パーセンタイル及び98パーセンタイルの少なくとも1つより大きな腰幅を有する第1の種類の乗客が座るように構成されている。
【0027】
本発明の別の態様によって、複数の座席システムと、1つのフレームと、任意の数の調節可能なアームレストとを含む座席ユニットが提供される。複数の座席システムは、第1のシートクッション及び第1のシートバックを有する第1の座席システムと、第2のシートクッション及び第2のシートバックを有する第2の座席システムとを有しており、第1の座席システムは第2の座席システムとは異なる寸法を有し、第1の座席システムは第1の寸法を、第2の座席システムは第2の寸法を、それぞれ有しており、第1の寸法は第1の種類の乗客が座るように、第2の寸法は第2の種類の乗客が座るように、それぞれ構成されており、第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない腰幅を有しており、第1の座席システムの第1の幅は約20〜26インチであり、第2の座席システムの第2の幅は約16〜19インチである。フレームは、航空機のフロア構造の上方において複数の座席システムを支持し、複数の座席システムをフロア構造に接続するように構成されている。任意の数の調節可能なアームレストは、フレーム上の接続点に接続されており、調節可能なアームレストのうちの第1の調節可能なアームレスト及び第2の調節可能なアームレストは、変更可能に構成された、第1の調節可能なアームレストと第2の調節可能なアームレストとの間の幅を有している。
【0028】
本発明のさらなる態様によって、テーパの付いていない区画及びテーパの付いた区画を有する胴体と;第1の種類の乗客が座るように構成された第1の寸法を有する第1の種類の座席システムと;第2の種類の乗客が座るように構成された、第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2の種類の座席システムであって、第1の種類の乗客の腰幅が入らない第2の種類の座席システムと;選択された1つの横列に選択された数の座席システムを有するテーパの付いていない区画内の第1の複数の座席システムと;テーパの付いていない区画内の第1の複数の座席システムであって、選択された1つの横列内に選択された数の座席システムを有する第1の複数の座席システムと;テーパの付いた区画内の1つの横列内に位置する第2の複数の座席システムであって、その横列内に、選択された横列内の第1の複数の座席システムより少なくとも1つ少ない座席システムを有しており、且つ第1の複数の座席システムより第1の種類の座席システムを少なくとも1つ多く有している第2の複数の座席システムとを含む航空機用座席システムが提供される。
【0029】
有利な航空機用座席システムでは、第1の複数の座席システムに含まれるすべての座席システムが第2の種類の座席システムである。
【0030】
有利な航空機用座席システムでは、テーパの付いていない区画は第1の幅を有し、この幅がテーパの付いていない区画の長さに沿って変化せず、テーパの付いた区画は第2の幅を有し、この幅がテーパの付いた区画の長さに沿って減少する。
有利な航空機用座席システムでは、第1の種類の座席システムは、少なくとも約20インチである第1の座席幅を有し、第2の種類の座席システムは約16インチ〜19インチである第2の座席幅を有する第2の座席幅を有する。
【0031】
有利な航空機用座席システムでは、第1の種類の座席システムは、腰幅について98パーセンタイルを上回っている第1の種類の乗客が座るように構成された第1の座席幅を有する。
【0032】
有利な航空機用座席システムでは、座席ユニットは、航空機のテーパの付いた区画内の未使用スペースが減少するように選択される。
【0033】
本発明のさらなる一態様によって、航空機の構成方法が提供される。この方法は、任意の数の座席ユニットが複数の座席システムを含んでいる複数の座席ユニットと、複数の座席システムに接続するように構成された1つのフレームとを用いて航空機の乗客用エリアを構成することを含む。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、同座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有しており、第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有し、第1の寸法は第1の種類の乗客が座るように構成されており、第2の寸法は第2の種類の乗客が座るように構成されており、第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない。
【0034】
有利な方法では、第1の座席システムの第1の幅は、第1の座席システムの第2の幅とは異なっている。
【0035】
有利な方法では、第1の座席システムは第1のシートクッション及び第1のシートバックを有し、第2の座席システムは第2のシートクッション及び第2のシートバックを有する。
【0036】
有利な方法では、第1の座席システムの第1のシートクッションは、第2の座席システムの第2のシートクッションとは異なる寸法を有している。
【0037】
有利な方法では、第1のシートクッションは第2のシートクッションとは異なる幅を有し、第1のシートバックは第2のシートバックと同じ幅を有している。
【0038】
有利な方法では、第1のシートクッション及び第1のシートバックは第1の幅を有し、第2のシートクッション及び第2のシートバックは第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅より大きい。
【0039】
有利な方法では、複数の座席システムとフレームとが座席ユニットを形成する。
【0040】
本発明のさらなる態様では、航空機の座席システムを乗客に割り当てる方法が提供される。この方法は、乗客一人一人について、座席システムに関する乗客の嗜好を特定すること;その乗客について乗客の種類を特定すること;及び乗客の種類及び乗客の嗜好に基づいて乗客のために座席システムを選択することを含む。
【0041】
有利な方法は、さらに、乗客の嗜好に基づいて座席のクラスを特定することを含み、乗客の種類及び乗客の嗜好に基づいて座席を選択することが、乗客の種類及び乗客の嗜好に基づいて特定された座席のクラスで利用可能な座席システムから座席システムを選択することを含む。
【0042】
有利な方法は、乗客について乗客の種類を特定することが、乗客の、幅、肩幅、腰幅、及び身長のうちの少なくとも1つに基づいて、乗客について乗客の種類を特定することを含む。
【0043】
有利な方法は、さらに、乗客のために選択された座席システムをこの乗客に割り当てることを含む。
【0044】
有利な方法では、乗客の種類及び乗客の嗜好に基づいて座席システムを選択することが、第1の寸法を有する第1の座席システム及び第2の寸法を有する第2の座席システムのうちの一つから座席システムを選択することを含み、ここで、第1の座席システムは、第1の種類の乗客が座るように構成された第1の寸法を有し、第2の座席システムは、第2の種類の乗客が座るように構成された第2の寸法を有し、第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない。
【0045】
有利な方法では、第1の種類の乗客は、第2の種類の座席システムには入らない腰幅を有している。
【0046】
本発明のさらなる態様によって、航空機の座席システムを乗客に割り当てる方法が提供される。この方法は、乗客一人ひとりについて、座席システムに関する乗客の嗜好を特定することと;乗客の、幅、肩幅、腰幅、及び身長のうちの少なくとも1つに基づいて、この乗客について乗客の種類を特定することと;乗客の嗜好に基づいて座席のクラスを特定することと;乗客の種類及び乗客の嗜好に基づいて特定された座席のクラスで利用可能な座席システムから座席システムを選択することであって、座席システムが、座席のクラスで利用可能な座席システムに含まれる第1の寸法を有する第1の座席システムと第2の寸法を有する第2の座席システムとから選択される1つであり、第1の座席システムは第1の種類の乗客が座るように構成された第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の種類の乗客が座るように構成された第2の寸法を有し、第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない腰幅を有することと;乗客のために選択された座席システムを乗客に割り当てることとを含む。
【0047】
上述のフィーチャ、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現することが可能であるか、さらに別の実施形態で組み合わせることが可能である。これらの実施形態について、後述の記載及び図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
新規のフィーチャと考えられる有利な実施形態の特徴は、特許請求の範囲に明記される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モードと、さらにはその目的及び利点とは、添付図面を参照して本発明の有利な一実施形態の後述の詳細な説明を読むことにより最もよく理解されるであろう。
【0049】
【図1】有利な一実施形態による航空機を示している。
【図2】有利な一実施形態による航空機のブロック図である。
【図3】有利な一実施形態による航空機設計環境を示している。
【図4】有利な一実施形態による航空機座席選択システムを示している。
【図5】有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。
【図6】有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。
【図7A】有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。
【図7B】有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。
【図8】有利な一実施形態による座席ユニットを有する乗客用エリアを示している。
【図9】有利な一実施形態による座席ユニットを有する乗客用エリアを示している。
【図10】有利な一実施形態による、胴体のテーパの付いた区画内に座席ユニットを有する乗客用エリアを示している。
【図11】有利な一実施形態による座席ユニットを有する胴体を示している。
【図12】有利な一実施形態による座席ユニットを示している。
【図13】有利な一実施形態による座席ユニットの分解図である。
【図14】有利な実施形態によるフレームの一部におけるアームレストを示している。
【図15】有利な一実施形態によるアームレストの構成を示している。
【図16】有利な一実施形態による航空機構成プロセスのフロー図である。
【図17】有利な一実施形態による座席システム割り当てプロセスのフロー図である。
【図18】有利な一実施形態による、座席ユニットの特定に使用される乗客の特徴を示している。
【図19】有利な一実施形態によるデータ処理システムを示している。
【図20】有利な一実施形態による航空機の製造及び保守方法を示している。
【図21】有利な一実施形態を実施可能な航空機を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
種々の有利な実施形態は、一又は複数の異なる検討事項を認識し、且つ考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、ある乗客が複数の座席を必要とするとき、別の乗客がその座席を使用できないことを認識し、且つ考慮している。その結果、フライトが満席である場合、一人の乗客がはじき出されてしまう。
【0051】
加えて、種々の有利な実施形態は、エコノミークラスで複数の座席を必要としうる乗客が、ビジネスクラス又はファーストクラスの単一のシートを使用できる可能性を認識し、且つ考慮している。しかしながら、乗客がこのような高額な座席の料金を支払えない場合が多い。このような状況は、数名の乗客が座席を購入できないという事態を招き、不快感、不満、及び他の望ましくない結果を生む可能性がある。
【0052】
したがって、種々の有利な実施形態は、航空機内部の空間使用の柔軟性を向上させる航空機用座席システムを提供する。例えば、有利な一実施形態では、装置は1つのフレーム内に複数の座席システムを含む。複数の座席システムのうちの第1の座席システムは、複数の座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる特徴を有している。フレームは、複数の座席システムに接続するように構成することができる。
【0053】
種々の有利な実施形態は、胴体の幅を変化させることにより、所望の数の座席を、特に航空機の胴体のテーパの付いた区画に嵌め込むために必要な空間的余裕を提供できることを認識し、且つ考慮している。種々の有利な実施形態は、この種の変化は予想する程容易でないことを認識し、且つ考慮している。
【0054】
例えば、胴体の幅を1インチだけ変更することにより、航空機の重量及び抗力がはるかに大きく変化することがある。胴体の幅を1インチだけ変更することにより、航空機の表面積がはるかに大きく増大することがある。表面積のこのような増大は抗力を増大させる。重量も同様に増大しうる。したがって、種々の有利な実施形態は、胴体の幅又は他の寸法の変更は望ましくないばかりか非現実的であることを認識し、且つ考慮している。
【実施例】
【0055】
ここで図面を参照する。特に図1には、有利な一実施形態による航空機が示されている。この実施例では、航空機100は、乗客を運搬するように構成された旅客機101である。航空機100は、胴体106に取り付けられた翼102、及び翼104を有する。航空機100は、水平安定板108、水平安定板110、及び垂直安定板112も有する。エンジン114は翼104に取り付けられており、エンジン116は翼102に取り付けられている。
【0056】
このような実施例では、一又は複数の有利な実施形態は、胴体106内部に位置する客室118において実施される。このような有利な実施形態の一又は複数は、客室118内で運搬される乗客の快適さ及び/又は数を増大させることができる。
【0057】
この実施例では、胴体106は、テーパの付いていない区画120と、テーパの付いた区画122とを有しており、それらの中に客室118が位置している。図示のように、テーパの付いていない区画120は、テーパの付いていない区画120の長さ126に沿ってほぼ同じ幅124を有する。図示のように、テーパの付いた区画122は、テーパの付いた区画122の長さ130に沿って次第に狭くなる幅128を有する。
【0058】
図2は、有利な一実施形態による航空機のブロック図である。この実施例では、図1の航空機100は図2のブロック図に示す航空機200の一実装態様の一例である。
【0059】
この実施例では、航空機200は、旅客機201であり、胴体202を有し、胴体202の構造パラメータ204を有している。構造パラメータ204には、例えば、限定されないが、重量、胴体の断面積、胴体の周長、胴体の形状、構造的補強、及び他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0060】
本明細書において、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙されたアイテムのいずれかが一つだけあればよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。
【0061】
このような実施例では、任意の数の客室206が胴体202の内部に存在している。この実施例では、任意の数の客室206は任意の数のデッキ208上に位置している。任意の数のデッキ208の各々は、航空機200の異なるレベルに位置している。図示のように、任意の数の客室206のうちの客室210は、任意の数のデッキ208のうちのデッキ212上に位置している。
【0062】
任意の数の客室206は様々なエリアを有しうる。例えば、限定しないが、任意の数の客室206のうちの客室210は、例えば、限定しないが、客室乗務員用エリア214、ギャレー216、倉庫用エリア218、乗客用エリア220、及び他の適切なエリアを含む。
【0063】
客室210内の乗客用エリア220には複数の座席ユニット222が存在する。複数の座席ユニット222は、乗客用エリア220内において、複数の横列224と複数の縦列226とに配置されている。
【0064】
この実施例では、複数の座席ユニット222のうちの座席ユニット228は、複数の座席システム230及びフレーム232を含む。
【0065】
座席ユニット228の複数の座席システム230のうちの第1の座席システム234は、第1の寸法236を有する。複数の座席システム230の第2の座席システム238は第2の寸法240を有する。
【0066】
図示のように、第1の寸法236は、第2の寸法240とは異なっている。換言すると、第1の寸法236は、第2の寸法240とは異なる寸法242である。具体的には、第1の座席システム234の第1の寸法236における第1の幅244は、第2の座席システム238の第2の寸法240における第2の幅246と異なっている。
【0067】
一実施例として、第1の幅244は第2の幅246より大きい。例えば、第1の幅244は約21インチ〜約25インチであり、第2の幅246は約18インチである。この実施例では、第2の幅246は標準的な幅である。標準的な幅は、サイズについて約95パーセンタイル内の乗客に適合するように構成されたものである。サイズで95パーセンタイル内の乗客とは、乗客のうち大きい方の約5パーセントより小さい乗客である。
【0068】
このような実施例において、フレーム232は、複数の座席システム230に接続される。ここで使用する場合、第2のコンポーネント(例えば、複数の座席システム230のうちの1つ)に「接続される」第1のコンポーネント(例えば、フレーム232)とは、第1のコンポーネント(フレーム232)が、第2のコンポーネント(複数の座席システム230のうちの1つ)に直接に又は間接に接続可能であることを意味する。すなわち、第1のコンポーネント(フレーム232)と第2のコンポーネント(複数の座席システム230のうちの1つ)との間には、別のコンポーネントが存在してもよい。2つのコンポーネントの間に一又は複数の別のコンポーネントが存在する場合には、第1のコンポーネント(フレーム232)は第2のコンポーネント(複数の座席システム230のうちの1つ)に間接的に接続されているものと考えられる。第1のコンポーネント(フレーム232)が第2のコンポーネント(複数の座席システム230のうちの1つ)に直接的に接続されている場合、2つのコンポーネントの間に別のコンポーネントは存在しない。
【0069】
図示のように、第1の座席システム234は第1のシートクッション248と第1のシートバック250とを有する。第2の座席システム238は、第2のシートクッション252と第2のシートバック254とを有する。第1の幅244は、第1のシートクッション248の第1のシート幅256である。第2の幅246は、第2のシートクッション252の第2のシート幅258である。
【0070】
第1のシートクッション248及び第2のシートクッション252は、航空機のシートクッションに現在使用されている任意の材料を使用して製造される。同様に、第1のシートバック250及び第2のシートバック254も、航空機のシートバックに現在使用されている任意の材料を使用して製作される。
【0071】
フレーム232は、乗客又は他の荷重を有する複数の座席システム230を支持するために使用するのに適した任意の材料から製作される。例えば、フレーム232は、複合材料、アルミニウム、鋼、チタン、及び他の適切な種類の材料のうちの少なくとも1つから製作することができる。このような実施例では、選択される材料は、複数の座席システム230と任意の数の乗客を支持するための所望の量の構造強度を提供することができるものである。このような実施例では、材料の選択は、フレーム232の構成に基づいて、約95パーセンタイルより大きな乗客を支持するように設計される。
【0072】
加えて、ピッチ260は、複数の座席ユニット222の横列224間で調整される。例えば、乗客用エリア220の一部において足元の空間的余裕を広げるために、ピッチ206を増大させることができる。例えば、このような実施例では、他の横列又はエリア内の座席ユニットと比較して、座席ユニット228の足元の空間的余裕を広げるためにピッチを増大させることができる。
【0073】
このような実施例では、乗客のために、複数の座席システム230の1つが乗客の種類269に基づいて選択される。このような実施例では、乗客の種類269は乗客の寸法に基づいている。このような寸法は、例えば、限定しないが、幅、腰幅、肩幅、身長、及び/又は他の適切な寸法である。
【0074】
第1の座席システム234は第1の種類の乗客270に割り当てられ、第2の座席システム238は第2の種類の乗客272に割り当てられる。このような実施例では、第1の種類の乗客270は、第2の種類の乗客272用に構成された第2の座席システム238には入らない。
【0075】
このような実施例では、第1の寸法236は第1の種類の乗客270が座るように構成されており、第2の寸法240は第2の種類の乗客272が座るように構成されている。第1の種類の乗客270が第2の種類の乗客272より大きいとき、第2の種類の乗客272は第1の座席システム234も使用することができる。
【0076】
第1の種類の乗客270に適合するように構成された第1の寸法236を有する第1の座席システム234があることにより、第2の寸法240を有する第2の座席システム238に第1の種類の乗客270が座れないとき、座席システムをもう1つ割り当てる必要なく、第1の種類の乗客270に座席システムを割り当てることができる。例えば、第1の種類の乗客270が第2の座席システム238に割り当てられる場合、第1の種類の乗客270を収容するためには、第2の種類の乗客272は別の座席システム、例えば第2の座席システム238を必要とする。
【0077】
その結果、座席ユニット228のような座席ユニットがないと、座れる乗客の数が減る。このような実施例では、第1の幅244、及び特に第1のシート幅256は、第1の乗客270の第1の幅273に適合するように構成されている。この実施例では、第1の幅273は、第1の種類の乗客270の第1の腰幅274である。加えて、第1のシート幅256は、第1の種類の乗客272の第2の幅275にも適合できる。図示のように、第2の幅275は、第2の種類の乗客272の第2の腰幅276である。このような実施例では、第2の幅246、特に第2の座席システム238の第2のシート幅258は、第1の種類の乗客270の第1の腰幅274には適合できないが、第2の種類の乗客272の第2の腰幅276には適合する。
【0078】
図示の実施例では、第2の座席システム238は標準的座席システム278であり、第1の座席システム234は大型の座席システム280である。標準的座席システム278は、腰幅で約98パーセンタイル内の第2の腰幅276を有する第2の種類の乗客272を収容するように構成される。約98パーセンタイル内である腰幅とは、腰幅が大きい方の約2%より小さいことを意味している。この種の構成では、大型の座席システム280は、約98パーセンタイルより大きな第1の腰幅274を有する第1の種類の乗客270が座るように構成される。言うまでもなく、他の実装態様に他のパーセンタイルを選択してもよい。
【0079】
非限定的な別の実施例として、標準的座席システム278は、約95パーセンタイル内の第2の腰幅276を有する第2の種類の乗客278が座るように構成される。この実施例では、大型の座席システム280は、約95パーセンタイルより大きな第1の腰幅274を有する第1の種類の乗客270が座るように構成される。
【0080】
さらに、大型の座席システム280の場合、この座席システムは、約99パーセンタイルより大きな腰幅の範囲に含まれる第1の腰幅274を有する第1の種類の乗客270も収容するように構成することができる。さらに、このような実施例では、腰幅に基づいた乗客の収容を説明しているが、乗客の他の測定値を考慮してもよい。例えば、限定しないが、乗客の身長、肩幅、及び他の適切な測定値を使用することができる。
【0081】
このような実施例では、第1の座席システム234は、複数の座席ユニット222に含まれる第1の種類の座席システム282である。第2の座席システム238は、複数の座席ユニット222のうち第2の種類の座席システム284である。
【0082】
図2に示す航空機200は、有利な実施形態を実施できる方法に対する物理的又はアーキテクチャ的な制限を示唆するものではない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることがある。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。有利な一実施形態において実施される場合、これらのブロックの一又は複数を、異なるブロックに統合及び/又は分割することができる。
【0083】
例えば、幾つかの実施例では、航空機200は、特定の実装態様に応じて、単一のデッキ、2つのデッキ、又は他の何らかの数のデッキを有することができる。さらに、幾つかの実施例では、乗客用エリア220は縦1列の座席しか有さない。
【0084】
さらに、第1の寸法236及び第2の寸法240の他の寸法は、座席ユニット228内で異なってもよい。例えば、シートクッションの深さは互いに異なってもよい。また、第1のシートバック250及び第2のシートバック254の幅は、特定の実装態様に応じて異なってもよく、同じでもよい。
【0085】
また別の実施例では、座席システムの他のコンポーネントの他の寸法も、第1の寸法236と第2の寸法240とにおいて異なってもよい。例えば、限定しないが、シートフロアからのシートクッションの高さは、第1の寸法236及び第2の寸法240のうちの少なくとも1つで変更可能である。シートフロアとは、航空機内において、座席システムが載っている床である。高さは、様々な身長の乗客を収容するために変更することができる。
【0086】
また別の実施例では、複数の座席ユニット222は横列と縦列に配置されると説明したが、複数の座席ユニット222の構成は別の方法で説明されうる。例えば、複数の座席ユニット222は、客室210内において複数のグループに配置される。別の実施例では、複数の座席ユニット222は、客室210の左側部分と、客室210の右側部分とに、横列及びグループに分けて配置される。
【0087】
別の実施例として、第1の座席システム234は、少なくとも約20インチである第1のシート幅256を有し、第2の座席システム238は、約16インチ〜約19インチである第2のシート幅258を有する。さらに具体的な実施例として、第1のシート幅256は、約20インチ〜約26インチである。また別の実施例では、第1の座席システム234は、第1の腰幅274が約98パーセンタイルより大きな第1の種類の乗客270が座るように構成された第1のシート幅256を有する。
【0088】
また別の実施例では、第1の座席システム234の第1の幅244は、第1の種類の乗客270の第1の幅に適合するように構成されており、第1の幅273は、第1の腰幅274に代えて、又は第1の腰幅274に加えて、第1の種類の乗客270の肩幅である。別の実施例として、第2の幅275は、第2の腰幅276に代えて、又は第2の腰幅276に加えて、第2の種類の乗客272の肩幅である。
【0089】
図3は、有利な一実施形態による航空機の設計環境を示している。この実施例では、航空機の設計環境300は、図2のブロック図に示す航空機200の設計に使用される設計環境の一例である。具体的には、航空機の設計環境300は、乗客用エリア220の構成を設計するために使用される。
【0090】
図示のように、設計モジュール302は、入力310に基づいて、乗客用エリアのデザイン306、及び/又は胴体のデザイン308を生成する。乗客用エリアのデザイン306は、図2のブロック図に示す航空機200の乗客用エリア220のデザインである。胴体のデザイン308は、図2のブロック図に示す航空機200の胴体202のデザインである。
【0091】
このような実施例では、乗客用エリアのデザイン306は、胴体のデザイン308に基づいて生成される。他の実施例では、乗客用エリアのデザイン306は、胴体のデザイン308のデザイに影響を与える。
【0092】
図示のように、入力310は、様々な設計の目標又はパラメータを特定する。例えば、限定しないが、入力310は、乗客密度、乗客の数、航空機のサイズ、及び他の適切な種類の入力を含む。幾つかの有利な実施形態では、入力310は胴体のデザイン308を含む。
【0093】
設計モジュール302は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれら二つの組み合わせを使用して実施される。具体的には、設計モジュール302は、コンピュータシステム304内に配置される。コンピュータシステム304は、任意の数のコンピュータを備える。コンピュータシステム304内に複数のコンピュータが存在するとき、これらのコンピュータは相互に通信することができる。
【0094】
入力310により、設計モジュール302は、乗客用エリアのデザイン306のための構成312を生成することができる。乗客用エリアのデザイン306のための構成312は、乗客用エリア(例えば、図2のブロック図に示す乗客用エリア220)を説明する。
【0095】
乗客用エリアのデザイン306は、アカウントポリシー314を考慮する入力310に基づいて生成することができる。ポリシー314は、一組のルールであり、乗客用エリアのデザイン306を生成するデータを含むことができる。例えば、限定しないが、ポリシー314は乗客用エリアのデザイン306内部に収容される乗客の所望の密度又は数を特定する。別の実施例として、ポリシー314は、特定の乗客について望ましい空間の量に関するルールを含むこともできる。また別の実施例では、ポリシー314は、航空機の標準的シートサイズとして選択されたシートサイズに入らない乗客を収容するために必要な任意の数の座席システムを特定することができる。このような実施例では、標準的シートサイズは、サイズで約95パーセンタイルまでの乗客に適合するものである。すなわち、標準的シートサイズは、約95パーセンタイル以下のサイズを有する乗客に適合する。
【0096】
ポリシー314は、胴体のデザイン308の構造設計パラメータ316を考慮に入れることもできる。構造設計パラメータ316は、例えば、限定しないが、断面積の形状318、幅320、長さ322、デッキの数324、及び他の適切なパラメータを含みうる。胴体のデザイン308が特定されたら、ポリシー314に基づく構成312を有するように乗客用エリアのデザイン306を設計することができる。
【0097】
具体的には、構成312は、座席ユニット326、横列328、縦列330、通路332、及び乗客用エリアのデザイン306の他の適切なコンポーネントを含みうる。座席ユニット326は、乗客用エリアで使用するために選択された様々な種類のものである。座席ユニット326は、例えば、限定しないが、図2のブロック図に示す座席ユニット228のような座席ユニットを含む。
【0098】
横列328は、横列の数と、横列328内に存在する座席ユニット326の種類を特定する。縦列330は、乗客用エリアのデザイン306内の縦列の数を特定する。通路332は、乗客用エリアのデザイン306内において乗客及び乗務員が移動する空間を特定する。
【0099】
このように、設計モジュール302は、胴体のデザイン308を考慮して乗客用エリアのデザイン306のための構成312を生成する。乗客用エリアの設計306の構成312の座席ユニット326の選択において、設計モジュール302は、幅320を考慮する。
【0100】
例えば、幅320は、テーパを有さなくてもよく、又は乗客用エリアのデザイン306に応じて変化してもよい。幅320が長さ322の一部に沿って実質的にテーパを有さないとき、乗客用エリアのデザイン306の胴体のデザイン308に、テーパの付いていない区画336が存在しうる。幅320が長さ322の一部に沿って変化する場合、胴体のデザイン308に、テーパの付いた区画338が存在しうる。
【0101】
換言すると、テーパの付いていない区画336は、胴体のデザイン308内において、長さ322の一部に沿って幅320にテーパの付いていない値を有する一区画である。テーパの付いた区画338は、幅320の値が長さ322の一部に沿って減少する胴体のデザイン308の一部である。
【0102】
別の実施例として、断面形状318も考慮される。断面形状318内の曲線334は、例えば、限定しないが、乗客用エリアのデザイン306内の頭上空間の量に影響しうる。
【0103】
テーパの付いた区画338の座席ユニット326は、テーパの付いた区画338に位置する幾つかの座席ユニット内の幾つかの座席システムのシートサイズを増大させるように選択される。加えて、任意の数のデッキ324のうちの1つの位置も、特定のデッキの構成312における座席ユニット326の選択に影響しうる。例えば、任意の数のデッキ324のうちの1つが、胴体のデザイン308の断面形状318内において、別のデッキより高い位置にある場合、デッキのその位置における壁の湾曲は、頭上空間を縮小させうる。
【0104】
その結果、乗客用エリアのデザイン306の構成312に使用される座席ユニット326の選択において、座席ユニット(例えば、図2のブロック図に示す座席ユニット228)を、胴体のデザイン308において壁に近い座席ユニットに使用することができる。このようにして、構成312は、乗客の数を増加させ、無駄な空間を低減し、収益を増大させる座席及び他の適切なパラメータを特定することができる。
【0105】
図3に示す航空機の設計環境300は、航空機の設計環境を実施できる方法を限定するものではない。幾つかの実施例では、構成312は、モニュメント及び他の構造も含みうる。例えば、限定しないが、構成312は、壁、クローゼット、倉庫用エリア、ギャレー、及び他の適切なコンポーネントを含むことができる。
【0106】
次に図4を参照する。図4は、有利な一実施形態による航空機の座席選択システムを示している。この実施例では、航空機の座席選択システム400はコンピュータシステム402を含む。コンピュータシステム402は、任意の数のコンピュータ404の形態をとりうる。座席割り当てモジュール406は、コンピュータシステム402内に位置している。座席割り当てモジュール406は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら2つの組み合わせとすることができる。
【0107】
このような実施例では、座席割り当てモジュール406は、座席システム408を乗客410に割り当てるように構成されている。座席システム408は、乗客の種類412に基づいて乗客410に割り当てられる。
【0108】
図示のように、乗客の種類412は、第1の種類の乗客414と第2の種類の乗客416とを含む。言うまでもなく、他の実施例では、特定の実装態様に応じて別の乗客の種類が存在してもよい。
【0109】
座席割り当てモジュール406は、特定の乗客の、乗客の種類412に基づいて座席システム408から1つの座席システムを特定する。
【0110】
このような実施例では、座席システム408は標準的座席システム418と大型の座席システム420とを含んでいる。第1の種類の乗客414は大型の座席システム420に割り当てられ、第2の種類の乗客416は標準的座席システム418に割り当てられる。
【0111】
座席割り当てモジュール406によって行われる割り当ては、乗客座席表422を生成する。加えて、乗客座席表422の生成において、座席割り当てモジュール406は、乗客の嗜好424も考慮する。例えば、乗客の嗜好424のうちの1つは、特定の通路、横列、クラス、座席の種類、通路側座席システム、窓側座席システム、又は他の好みを要求しうる。
【0112】
幾つかの実施例では、座席割り当てモジュール406は、要求に基づいて、第2の種類の乗客416を標準的座席システム418に割り当てる。この種の割り当てでは、そのような特定の乗客に高額の料金が課される。
【0113】
ここで図5を参照する。図5は、有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。この実施例では、乗客用エリア500は航空機504の客室502内に位置している。乗客用エリア500は、図2のブロック図に示す乗客用エリア220の物理的実装態様の一例である。具体的には、乗客用エリア500は、図3の構成312の一実装形態の一例である。
【0114】
この実施例では、複数の座席ユニット506が乗客用エリア500内に位置している。この実施例では、複数の座席ユニット506が横列と縦列に配置されている。図示のように、乗客用エリア500には横列508、510、512、514、516、518、及び520が存在している。通路を有する縦列532及び534があってよい。
【0115】
図示のように、座席ユニット538は、乗客用エリア500の横列508内に位置している。座席ユニット538は、図2のブロック図に示す座席ユニット228の物理的実装態様の一例である。
【0116】
この実施例では、座席ユニット538は、座席システム542、座席システム544、及び座席システム546を含む。この実施例では、座席システム542、544、及び546は単一のフレーム(図示しない)に取り付けられている。座席システム542のシートクッション548は、幅550を有している。座席システム544のシートクッション552は、幅554を有している。座席システム546のシートクッション556は、幅558を有している。このような実施例では、幅550と幅554は同じである。幅558は、幅550及び幅554より大きい。
【0117】
幅558により、座席システム542又は座席システム544に入らない乗客は座席システム546を使用することができる。このように、座席システム542及び座席システム544のうちの1つだけでは乗客を収容できないとき、座席システム542及び座席システム544をこの乗客に割り当てなくてよい。
【0118】
さらに、幅558が幅554及び幅550より大きいとき、座席システム546は、座席システム544及び座席システム542より座席のレベルが高いと考えることができる。その結果、座席システム546を望む乗客に高い料金をチャージすることができる。しかしながら、このような座席料の増加分は、余分なチケット代又は客室内の上のクラスに属するシートの費用よりは小さい。
【0119】
ここで図6を参照する。図6は、有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。この実施例では、乗客用エリア500の別の構成が図示される。
【0120】
図5の座席ユニット538の代わりに座席ユニット600が使用される。座席ユニット600は、座席システム602、座席システム604、及び座席システム606を含む。この実施例では、シートクッション608は幅610を有し、シートクッション612は幅614を有し、シートクッション616は幅618を有している。幅614は幅618と同じである。
【0121】
この実施例では、幅618及び幅614は、幅610より大きい。例えば、幅610は約18インチであり、幅614及び幅618は約21インチである。座席ユニット600のこのような構成では、座席システム604及び座席システム606は、座席ユニット600において大型のシートと考えられる。
【0122】
次に図7A及び図7Bを参照する。図7A及び7Bは、有利な一実施形態による乗客用エリアを示している。この実施例では、乗客用エリア700は航空機704の客室702内に位置している。乗客用エリア700は、図3の乗客用エリアのデザイン306の構成312の物理的実装態様の一例である。
【0123】
この特定の実施例では、乗客用エリア700は区画706と区画708とに分割される。これらの異なる区画は、異なるクラスの座席、異なる種類の座席、又は特定の実装態様に応じた他のバリエーションを提供することができる。乗客用エリア700は、区画706及び区画708内に位置する複数の座席ユニット710を有する。
【0124】
図示のように、複数の座席ユニット710は横列と縦列に配置されている。この実施例では、乗客用エリア700の区画706において、横列712、713、714、715、716、717、718、及び719は、縦列720及び721内に配置されている。乗客用エリア700の区画708においては、横列724、725、726、727、728、730、732、734、736、738、及び740は、縦列720及び721内に配置されている。
【0125】
このような実施例では、複数の座席ユニット710のうちの座席ユニット741、742、743、744、745、746、747、748、749、751、752、753、754、755、756、757、758、及び759は、図2のブロック図に示す座席ユニット228を使用して実施される。このように、航空機704の側面761及び側面762に隣接する座席システムの幅は他の座席システムの幅より大きい。
【0126】
例えば、座席ユニット741は、座席システム763、座席システム764、及び座席システム765を含む。座席システム763のシートクッション766は、幅767を有している。座席システム764のシートクッション768は、幅769を有している。座席システム765のシートクッション770は、幅771を有している。この実施例に見ることができるように、幅767は、幅769又は幅771より大きい。座席システム763は側面762に隣接している。
【0127】
この実施例では、座席システム763のシートクッション766の幅767は、約25インチである。座席システム764のシートクッション768の幅769及び座席システム765のシートクッション770の幅771は、約18インチである。
【0128】
別の実施例として、座席ユニット753は、座席システム772、座席システム774、及び座席システム775を含む。座席システム772のシートクッション776は幅777を有し、座席システム774のシートクッション778は幅779を有する。座席システム775のシートクッション780は、幅781を有している。
【0129】
この実施例では、幅777は、幅779又は幅781より大きい。このような実施例では、幅777は約25インチである。幅779及び幅781は約18インチである。
【0130】
図示のように、側面761及び側面762に隣接する座席システムは、座席ユニット内の他の座席システムより大きな幅を有している。このような実施例では、大きな幅により、側面761及び側面762における航空機704の湾曲に存在する頭上空間が低減することが考慮される。
【0131】
その結果、座席システムのシートクッションの幅を大きくすることで、他の座席システムと比較して、区画708内において供される快適度のレベルが上昇する。さらに、このような大きな座席システムを、そうでなければ2つの座席システムを必要とするであろう大柄な乗客のために使用することができる。座席システム763のような座席システムの料金設定は、座席システム764の料金より高くなる。しかしながら、区画706の座席のクラスが区画708より高い場合、座席システム763は、区画706内の座席システムより依然として安いい。
【0132】
ここで図8を参照する。図8は、有利な一実施形態による座席ユニット周りの乗客用空間を示している。乗客用エリア800は、図3の乗客用エリアのデザイン306の構成312の物理的実装態様の一例である。
【0133】
この実施例では、乗客用エリア800は、複数の座席ユニット802を含んでいる。この実施例では、複数の座席ユニット802が航空機806の後部区画804内に位置している。この実施例では、複数の座席ユニット802は、座席ユニット808、座席ユニット810、及び座席ユニット812を含む。この実施例では、キャビンの壁813は曲線814を有している。曲線814により、座席ユニット808、810、及び812は、客室の壁813の曲線814に応じて異なる幅を有する。
【0134】
図示のように、座席ユニット808は、座席システム816、座席システム818、及び座席システム820を含む。座席ユニット810は、座席システム822、座席システム824、及び座席システム826を含む。座席ユニット812は、座席システム828、座席システム830、及び座席システム832を含む。図示のように、座席システム816は、シートクッション834とシートバック836とを有する。座席システム818は、シートクッション838とシートバック840とを有する。座席システム820は、シートクッション842とシートバック844とを有する。
【0135】
座席ユニット810では、座席システム822は、シートクッション846とシートバック848とを有する。座席システム824は、シートクッション850とシートバック852とを有する。座席システム826は、シートクッション854とシートバック856とを有する。この実施例では、座席ユニット812の座席システム828は、シートクッション858とシートバック860とを有する。座席システム830は、シートクッション862とシートバック864とを有する。座席システム832は、シートクッション867とシートバック869とを有する。
【0136】
このような実施例では、シートクッション834とシートバック836は両方とも幅865を有する。シートクッション838及びシートバック840は幅866を有している。シートクッション842及びシートバック844は幅868を有している。
【0137】
座席システム822では、シートクッション846とシートバック848は幅870を有する。シートクッション850及びシートバック852は幅872を有している。シートクッション854及びシートバック856は幅874を有している。このような実施例では、シートクッション858及びシートバック860は幅876を有している。シートクッション862及びシートバック864は幅878を有している。座席システム832では、シートクッション867とシートバック869は幅880を有する。
【0138】
このような実施例では、幅865、866、870、872、876、及び878は約18インチである。幅868は約24インチである。幅874は約23.5インチである。幅880は約22インチである。
【0139】
客室の壁813の側面882に沿った座席システムの幅は、客室の壁813の曲線814を考慮して異なっていてもよい。このようにして、客室の壁813の曲線814を考慮するとき、大きなシート幅を利用又は適用することができる。さらに、このような異なる幅は、座席システム(例えば、座席システム816)に入らない様々なサイズの乗客を収容するために使用することができる。
【0140】
ここで図9を参照する。図9は、有利な一実施形態による座席ユニット周りの乗客用空間を示している。この実施例では、乗客用エリア900は、図2のブロック図に示す乗客用エリア220の一実装態様の一例である。
【0141】
乗客用エリア900の構成は、新しい航空機のペイロード構成を目的としている。
【0142】
この実施例では、乗客用エリア900は複数の座席ユニット902を含んでいる。複数の座席ユニット902は、横列904、906、908、910、912、及び914に構成されている。この実施例では、胴体917の壁916は飛行方向918に向いている。このような実施例では、複数の座席ユニット902は、座席ユニット920、922、924、926、928、930、932、934、936、938、940、及び942を含んでいる。座席ユニット932、934、936、938、940、及び942は、壁916に隣接している。このような座席ユニットは、図2のブロック図に示す座席ユニット228を用いて実施される。
【0143】
この実施例では、座席ユニット932は、座席システム943、及び座席システム944を含む。座席ユニット934は、座席システム945、及び座席システム946を含む。座席ユニット936は、座席システム947、及び座席システム948を含む。座席ユニット938は、座席システム949、及び座席システム950を含む。座席ユニット940は、座席システム951、及び座席システム952を含む。座席ユニット942は、座席システム953、及び座席システム954を含む。
【0144】
このような実施例では、座席システム944は、シートクッション955とシートバック957とを有する。これらのコンポーネントは幅958を有している。座席システム943のシートクッション959及びシートバック943は幅961を有している。
【0145】
座席ユニット934では、座席システム946は、シートクッション962とシートバック964とを有する。このような実施例では、シートクッション962及びシートバック964は幅965を有している。座席システム945は、シートクッション966とシートバック967とを有する。これらのコンポーネントは幅968を有している。
【0146】
座席ユニット936に含まれる座席システム948は、シートクッション969とシートバック970とを有する。これらのコンポーネントは幅971を有している。座席システム947のシートクッション972及びシートバック943は幅974を有している。
【0147】
座席ユニット938では、座席システム950は、シートクッション975とシートバック976とを有する。これらのコンポーネントは幅977を有している。座席システム949のシートクッション978及びシートバック979は幅980を有している。座席システム952において、シートクッション981及びシートバック982は幅983を有している。座席システム951では、シートクッション984とシートバック985は幅986を有する。
【0148】
座席ユニット942では、座席システム954は、幅989のシートクッション987とシートバック988とを有する。座席システム953では、シートクッション990とシートバック991は幅992を有する。
【0149】
このような実施例では、幅958、965、971、977、983、及び989は、幅961、968、974、980、986、及び992より大きい。このような実施例では、幅958、965、971、977、983、及び989は約25インチである。幅961、968、974、980、986、及び992は約18インチである。
【0150】
次に図10を参照する。図10は、有利な一実施形態による、胴体のテーパの付いた区画内に座席ユニットを有する乗客用エリアを示している。この実施例では、乗客用エリア1000は、図2のブロック図に示す乗客用エリア220の一実装態様の一例である。
【0151】
図示のように、乗客用エリア1000は複数の座席ユニット1002を含んでいる。この実施例では、複数の座席ユニット1002が航空機1006の後部区画1004内に位置している。
【0152】
このような実施例では、複数の座席ユニット1002は、座席ユニット1010、1012、1014、1016、1018、1020、1022、1024、1026、1028、1030、1032、1034、1036、及び1038を含んでいる。この実施例では、座席ユニット1010、1012、及び1014は横列1040内に位置している。座席ユニット1016、1018、及び1020は横列1042内に位置している。座席ユニット1022、1024、及び1026は横列1044内に位置している。座席ユニット1028、1030、及び1032は横列1046内に位置している。座席ユニット1034は横列1048内に位置している。座席ユニット1036は横列1050内に位置し、座席ユニット1038は横列1052内に位置している。
【0153】
このような実施例では、横列1040内の座席ユニットは、テーパの付いていない区画1054の一部である。横列1042、1044、1046、1048、1050、及び1052内の座席ユニットは、航空機1006のテーパの付いた区画1056の一部である。
【0154】
この実施例に見ることができるように、テーパの付いていない区画1054内の座席ユニットは、座席ユニット1010、1012、及び1014に示すように、それぞれ3つの座席システムを有している。テーパの付いた区画1056内の座席ユニットは、座席ユニット毎に異なる数の座席システムを有する。
【0155】
例えば、横列1042において、座席ユニット1016は2つの座席システムを、座席ユニット1018は3つの座席システムを、座席ユニット1020は2つの座席システムをそれぞれ有する。横列1044では、座席ユニット1022は1つの座席システムを、座席ユニット1024は3つの座席システムを、座席ユニット1026は1つの座席システムをそれぞれ有する。
【0156】
同様に、横列1046では、座席ユニット1028は1つの座席システムを、座席ユニット1030は3つの座席システムを、座席ユニット1032は1つの座席システムをそれぞれ有する。横列1048には、3つの座席システムを有する座席ユニットが1つだけ存在する。横列1050には単一の座席ユニットが存在し、横列1052も同様である。
【0157】
このような実施例では、複数の座席ユニット1002のうちの一又は複数を、図2のブロック図に示す座席ユニット228を使用して実施することができる。例えば、座席ユニット1030は、2つの異なる種類の座席システムを含む。換言すれば、この座席システムは、異なる種類の乗客を収容するために2種類の寸法を有することができる。
【0158】
図示のように、座席ユニット1034において、座席システム1055は、図2のブロック図に示す第1の種類の乗客270を収容し、座席システム1057及び座席システム1058は、図2のブロック図に示す第2の種類の乗客272を収容する。同様に、座席ユニット1022、1028、1026、1032、1036、及び1038は、第1の種類の乗客270を収容することができる。
【0159】
別の実施例として、座席ユニット1030に含まれる座席システム1060及び座席システム1062は第2の種類の乗客272を収容し、座席システム1064は第1の種類の乗客270を収容する。
【0160】
テーパの付いた区画1056により、異なる種類の乗客を収容する異なる種類の寸法の座席システムが設けられる。大きなシートを有する座席システムは、テーパの付いた区画1056といった、通常は無駄になるか、又は使用されない場所に配置することができる。
【0161】
すなわち、標準的座席システムではない座席ユニット内の座席システムを使用して、大柄な乗客を座らせることができる。大型の座席システムは、標準的座席システムでは使用できない空間を使用することができる。上記実施例では、座席ユニットは、航空機のテーパの付いた区画内の未使用スペースが減少するように選択される。具体的には、座席ユニットに含まれる座席システムの選択は、未使用スペースが減少するように行われる。例えば、テーパの付いた区画1056内の特定の場所の座席ユニットには、3つの座席システムを有する座席ユニットではなく、座席システムを2つだけ有する座席ユニットを使用する。このような状況では、航空機の座席ユニット内の座席システムと胴体との間にはいくらかの空間が残る。航空機の座席ユニットと胴体との間には、残った空間の使用率が高い大型の座席システムを使用することができる。
【0162】
大型の座席システムを要求する乗客がいない場合、このような座席システムは、広く快適であるので、高い料金で顧客に販売することができる。
【0163】
このような実施例では、テーパの付いた区画1054内の第1の複数の座席システム1070は、横列に配置された選択された数の座席システムを有することができる。テーパの付いた区画1056内の第2の複数の座席システム1072においては、第1の複数の座席システム1070と比較して、1つの横列に含まれる座席システムが少なくとも1つ少なく、第2の複数の座席システム1072は、図2のブロック図に示す第1の種類の座席システム282の座席システムを、第1の複数の座席システム1070と比較して少なくとも1つ多く含むことができる。さらに、このような実施例では、第1の複数の座席システム1070に含まれるすべての座席システムは、第2の種類の座席システム284とすることができる。
【0164】
例えば、テーパの付いていない区画1054内の横列1040に含まれる座席ユニット1010、1012、及び1014は、9つの座席システムを有することができる。対照的に、テーパの付いた区画1056内の横列1046に含まれる座席ユニット1028、1030、及び1032は、5つの座席システムを有することができる。これらのうち、3つの座席システムは第1の種類の座席システム282であり、2つの座席システムは第2の種類の座席システム284である。言うまでもなく、他の実装態様に他の構成を選択してもよい。
【0165】
ここで図11を参照する。図11は、有利な一実施形態による、座席ユニットを有する胴体を示している。この実施例では、乗客用エリア1103を有する胴体1102の断面1100が示されている。この実施例では、乗客用エリア1103内の座席ユニット1104及び座席ユニット1106が断面図に示されている。
【0166】
この実施例では、座席ユニット1104は座席システム1108を含み、座席システム1108はフレーム1110に取り付けられている。図では、座席システム1112はフレーム1114に取り付けられている。この実施例では、座席システム1108は、座席システム1116、座席システム1118、及び座席システム1120を含む。座席ユニット1106に含まれる座席システム1112は、座席システム1122、1124、1126、及び1128を含む。
【0167】
この実施例では、座席システム1116は、シートクッション1130とシートバック1132とを有する。これらのコンポーネントは幅1134を有している。座席システム1118は、シートクッション1136とシートバック1138とを有する。シートクッション1136及びシートバック1138は幅1140を有している。座席システム1120は、シートクッション1142とシートバック1144とを有する。シートクッション1142及びシートバック1144は幅1146を有している。
【0168】
座席ユニット1106では、座席システム1122は、幅1154のシートクッション1150とシートバック1152とを有する。座席システム1124のシートクッション1156及びシートバック1158は、幅1160を有している。座席システム1126は、シートクッション1162とシートバック1164とを有する。これらのコンポーネントは幅1166を有している。座席システム1128のシートクッション1168及びシートバック1170は、幅1172を有している。このような実施例では、座席システム1116の幅1134と、座席システム1118の幅1140は、ほぼ同じである。幅1134及び幅1140は、座席システム1120の幅1146より大きい。
【0169】
図示のように、座席システム1122の幅1154と、座席システム1124の幅1160と、座席システム1126の幅1166とは、ほぼ同じである。このような実施例では、座席システム1128の幅1172は、幅1154、幅1160、及び幅1166より大きい。
【0170】
幅1134及び幅1172の幅が大きいことにより、乗客1178のような乗客に余分な空間が提供される。このような実施例では、幅1134及び幅1172は、そのような座席システムに座る乗客の快適さを増大させる。幅1134は、胴体1102の湾曲1174に関して特に有用である。乗客1178の頭部1182のための頭上空間1176は、胴体1102の湾曲1174に隣接する座席システム1116に利用可能な空間であり、幅1146とは異なって十分な幅1134を有している。
【0171】
同様に、胴体1102の湾曲1174に関して頭上空間1172が十分であることに加えて、幅1172は、乗客1178の快適さを増大させる。
【0172】
ここで図12を参照する。図12は、有利な一実施形態による座席ユニットを示している。この実施例では、座席ユニット1200は、図2のブロック図に示す座席ユニット228の物理的実装態様である。
【0173】
この実施例では、座席ユニット1200は、複数の座席ユニット1202を含んでいる。座席システム1204、座席システム1206、及び座席システム1208は、複数の座席システム1202に含まれる座席システムである。
【0174】
座席ユニット1200のフレーム1210は、複数の座席システム1202に接続される。この実施例では、座席システム1204は、シートバック1212とシートクッション1214とを有する。これらのコンポーネントは幅1216を有している。シートクッション1218及びシートバック1220は幅1222を有している。座席システム1208では、シートクッション1224とシートバック1226は幅1228を有する。
【0175】
加えて、座席ユニット1200は、アームレスト1230、1232、1234、及び1236も含む。図示のように、幅1216は、アームレスト1230とアームレスト1232との間に存在する。幅1222は、アームレスト1232とアームレスト1234との間に存在する。幅1228は、アームレスト1234とアームレスト1236との間に存在する。
【0176】
この実施例では、アームレスト1230とアームレスト1232とは、座席システム1204用である。アームレスト1232とアームレスト1234とは、座席システム1206用である。アームレスト1234とアームレスト1236とは、座席システム1208用である。図示のように、座席システム1204の幅1216は、座席システム1206の幅1222及び座席システム1208の幅1228より大きい。
【0177】
図示のように、座席ユニット1200のフレーム1210は、シートフロア1254上に載る脚要素1238、1240、1242、1244、1246、1248、1250、及び1252を有している。シートフロア1254は、例えば、限定しないが、フロア構造体である。加えて、フレーム1210はシート構造体1256も含みうる。
【0178】
フレーム1210に含まれるこれらの様々なコンポーネントは、異なる種類の乗客を支持するように構成されている。例えば、これらのコンポーネントは、図2のブロック図に示す第1の種類の乗客270と第2の種類の乗客272の両方を支持するように構成されている。第1の種類の乗客270が大柄な乗客であるとき、これらのコンポーネントを補強することにより、余分な体重のために支持力を高めることができる。補強は、材料、脚要素の設計、シート構造体の設計、及び他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つを選択することにより達成できる。補強は、これらのコンポーネントが特定の設計荷重条件を逸脱しないように行われる。
【0179】
ここで図13を参照する。図13は、有利な一実施形態による座席ユニットの分解図である。
【0180】
ここで図14を参照する。図14は、有利な一実施形態による、フレームの一部に設けられるアームレストを示している。この実施例では、フレーム1210の一部が詳細に示されている。この実施例では、フレーム1210は、接続点1400、1402、1404、及び1406を有している。これらの接続点は、開口1408、1410、1412、及び1414の形態をとっている。
【0181】
開口1408にはアームレスト1230のペグ1416が配置され、開口1414にはアームレスト1232のペグ1418が配置される。ペグ1416が開口1408に配置され、ペグ1418が開口1414に配置されると、アームレスト1230は矢印1405の方向に枢動することができ、アームレスト1232は矢印1407の方向に枢動することができる。
アームレスト1230及びアームレスト1232のこのような配置により、アームレスト1230とアームレスト1232との間に幅1413ができる。
【0182】
また、開口1410にはアームレスト1230のペグ1416が配置され、開口1412にはアームレスト1232のペグ1418が配置される。アームレスト1230及びアームレスト1232のこのような配置により、アームレスト1230とアームレスト1232との間に幅1415ができる。
【0183】
図示のように、幅1415は約18インチである。この実施例では、幅1413は約22インチである。
【0184】
図示するような、異なる開口に配置されるアームレスト1230及びアームレスト1232は、アームレスト間の幅が調節可能である方式を限定するものではない。アームレスト間の幅を変化させる他の機構を使用してもよい。例えば、限定しないが、アームレストは、調節可能であるか、又は接続点を変えずに幅1413と幅1415との間で変化するようにスライド可能である。
【0185】
ここで図15を参照する。図15は、有利な一実施形態によるアームレストの構成を示している。この実施例では、構成1500には図12のフレーム1210を使用することができる。
【0186】
フレーム1210に含まれる一対のアームレスト1501に開口が1組だけ存在するとき、構成1500を使用することができる。構成1500により、アームレスト間の幅が変更可能である。このようにして、構成1500により、一対のアームレスト1501は調節可能なアームレストとして機能することができる。例えば、アームレスト1504及びアームレスト1506を一対のアームレスト1501とする構成1502は、幅1508を生じさせる。このように、アームレスト1504及びアームレスト1506の各々は、調節可能なアームレストとなる。
【0187】
アームレスト1504及びアームレスト1506の構成1510は、幅1512を生じさせる。このような実施例では、幅1508は約18インチである。幅1512は約22インチである。
【0188】
図5〜15に示される乗客用エリア、座席ユニット、座席システム、及び他のコンポーネントを、図2のコンポーネントと組み合わせるか、図2のコンポーネントに使用するか、又はそれら2つの場合を組み合わせることができる。加えて、これらの図に示すコンポーネントの一部は、図2のブロック図に示されたコンポーネントをどのようにして物理的構造として実装できるかの実施例である。さらに、図5〜15に示す様々なコンポーネントは、図3の乗客用エリアのデザイン306を実施可能な一方式を示している。
【0189】
さらに、これらの図解は、種々の有利な実施形態を実施可能な方法を限定するものではない。例えば、限定しないが、幾つかの実施例では、フレーム1210はシートバックの支持体を含むことができる。また別の実施例では、他の種類のアームレストを使用することができる。これらのアームレストは、シートバックと一体化されてもよく、又は特定の実装態様に応じて他の形態をとりうる。
【0190】
また、図5〜13に示す任意の数の座席システムは例示に過ぎず、使用可能な座席システムの数を限定するものではない。例えば、限定しないが、特定の実装態様に応じて、幾つかの座席ユニットは5つの座席システムを有することができ、他の座席ユニットは6つの座席システムを有することができる。
【0191】
上記種々の実施例ではシートクッションに関して幅を説明したが、これらの幅は、座席システムの他のコンポーネントにも適用されうる。例えば、シートバックの幅、アームレスト間の幅、及び他の適切なコンポーネントに、様々な幅を適用することができる。また別の実施例として、座席システム内で変更可能な他の寸法に、シートの深さ、シートクッションの厚み、シートバックの高さ、及び他の適切な寸法を含めてもよい。上記及びその他の寸法は、所望の快適さのレベルと、様々なサイズの乗客への座席提供能とに基づいて選択することができる。
【0192】
さらに、これらの図では、シート幅の他の特定の値が説明されている。これらの実施例は、種々の有利な実施形態を上述の例示的な幅に限定するものではない。例えば、第1の座席システムは、約18インチと説明することができる。他の実施例では、第1の座席システムは、約16インチ、17インチ、17.5インチ、18.5インチ、19.75インチ、又は他のいずれかの適切な幅を有することができる。別の実施例として、第2の座席システムは、約20インチ〜約26インチと説明された。
【0193】
他の範囲が使用されてもよい。例えば、第2の座席システムの第2の幅は、約19インチ、20インチ、21インチ、22インチ、25インチ、又は第1の座席システムの幅とは異なる他のいずれかの任意の数の幅とすることができる。また別の実施例では、座席システムの幅は18インチ未満とすることができる。このような小さな幅は、子供を収容するために選択される。例えば、小さな座席システムが選択されるとき、2人の子供を含む4人の家族は、通常は3人が座る座席ユニットに適合する場合がある。
【0194】
次に図16を参照する。図16は、有利な一実施形態による航空機構成プロセスのフロー図である。具体的には、図16のプロセスは、図3のブロック図に示す乗客用エリアのデザイン306の構成312を特定するために使用される。この構成は、航空機のフライト間、並びに/或いは航空機の保守及び/又は整備の間に実行される。
【0195】
プロセスは、胴体のデザイン308を特定することにより開始される(工程1600)。胴体のデザイン308は、既存の航空機のデザインであっても、新規航空機のデザインであってもよい。次いで、プロセスは、乗客用エリア220を構成し(工程1602)、その後終了する。
【0196】
工程1602では、乗客用エリア220の構成は、設計モジュール302を用いて乗客用エリアのデザイン306を生成することを含む。その後、乗客用エリアの設計306は、航空機200に構成312を実施するために使用される。
【0197】
別の実施例では、アームレストは座席ユニットに含まれなくともよい。また別の実施例では、一部の座席システムはアームレストを含み、同じ座席ユニットに含まれる他の座席システムはアームレストを含まなくてもよい。
【0198】
図16に示すプロセスは、航空機200の乗客用エリア220を設計するために使用可能である。このデザインは、航空機200の設計、航空機200の再構成、又は航空機200の乗客用エリア220に関する他の適切な工程の一部でありうる。
【0199】
次に図17を参照する。図17は、有利な一実施形態による、座席システムを割り当てるプロセスのフロー図である。図17に示される工程は、図4のブロック図に示す航空機の座席選択システム400において実施される。具体的には、このフロー図に含まれる様々な工程は、図4のブロック図に示す座席割り当てモジュール406において実施される。
【0200】
プロセスは、座席を未だ割り当てられていない乗客を選択することにより開始される(工程1700)。プロセスは、この乗客の、乗客の種類269を特定する(工程1702)。例えば、乗客の種類は、第1の種類の乗客270、第2の種類の乗客272、又は他の何らかの適切な種類の乗客である。このような実施例では、第1の種類の乗客270は、腰幅で約98パーセンタイルより大きな乗客であり、第2の種類の乗客272は、腰幅で約98パーセンタイル以下である。
【0201】
次いで、プロセスは、乗客の嗜好424を特定する(工程1704)。次いで、プロセスは、座席のクラスを特定する(工程1706)。このような実施例では、座席のクラスには、例えば、限定されないが、ファーストクラス、ビジネスクラス、スタンダードクラス、エコノミークラス、又は他の何らかの適切な種類の座席クラスが含まれる。座席のクラスは、乗客の嗜好424を用いて特定される。
【0202】
次いで、プロセスは、選択された座席クラスで利用可能な座席システムを特定する(工程1708)。次いで、プロセスは、乗客の種類及び乗客の嗜好424に基づいて乗客のための座席システムを選択する(工程1710)。次いで、プロセスは、乗客座席表422において、乗客に座席システムを割り当てる(工程1712)。
【0203】
次に、プロセスは、座席の割り当てが必要な、対応済みでない乗客が他にまだ存在するかどうかを決定する(工程1714)。対応済みでない乗客が他に存在する場合、プロセスは工程1700に戻る。そうでない場合、プロセスは終了する。
【0204】
図示される様々な実施形態のフローチャート及びブロック図は、有利な一実施形態における装置及び方法のいくつかの実施可能なアーキテクチャ、機能性、及び工程を説明するものである。これに関して、フロー図又はブロック図の各ブロックは、工程又はステップの1つのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わすことができる。例えば、ブロックの一又は複数は、ハードウェア内のプログラムコードとして、又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実施可能である。ハードウェアにおいて実施されるとき、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図の一又は複数の工程を実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。
【0205】
有利な一実施形態の幾つかの他の実装態様では、ブロックに記載された一又は複数の機能は、図に記載の順序を逸脱して行われてよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックが、ほぼ同時に実行されても、又は時には含まれる機能によっては逆の順番で実施されてもよい。また、フロー図又はブロック図に示されるブロックに他のブロックが追加されてもよい。
【0206】
図示のプロセスは、図2のブロック図に示す航空機200において実施される。これらの実施例では、プロセスはソフトウェア、ハードウェア、又はそれら2つの組み合わせにおいて実施される。ソフトウェアを使用する場合、これらのプロセスによって実行される工程は、プロセッサユニット上で実行されるように構成されたプログラムコードにおいて実施することができる。ハードウェアを採用する場合、このハードウェアは、図示のプロセスに含まれる工程を実行するように動作する回路を含むことができる。
【0207】
実施例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、又は任意の数の工程を実行するように構成された他の何らかの適切な種類のハードウェアの形態をとることができる。プログラマブルロジックデバイスの場合、このデバイスは任意の数の工程を実行する。このデバイスは、その後再構成することも、又は任意の数の工程を実行するように恒久的に構成することもできる。プログラマブルロジックデバイスの例として、例えば、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが挙げられる。加えて、プロセスは、無機コンポーネントと一体化した有機コンポーネントに実装することができる、及び/又は人間を除く有機コンポーネントで全体を構成することができる。
【0208】
すなわち、このようにして、種々の有利な実施形態は、航空機の乗客用エリアを構成するための方法及び装置を提供する。種々の有利な実施形態により、複数の座席システムを使用する必要なく、大柄な乗客を収容するために様々なサイズの座席システムを利用することができる。さらに、大型の座席システムを使用するとき、そのような座席システムの料金を上げてもよい。このようにして、航空機の運行者は、利益を増大又は最適化し、且つ乗客の満足度を上昇させることができる。
【0209】
次に図18を参照する。図18は、有利な一実施形態による、座席ユニットの特定に使用される乗客の特徴を示している。この実施例では、表1800は、図3の設計モジュール302が座席ユニット326を設計するために使用できる情報を示している。表1800に含まれる情報は、座席システムを割り当てるために使用することもできる。例えば、図4の座席割り当てモジュール406は、表1800に含まれるこれらの情報を使用して、座席システム408の割り当てにおいて乗客を分類することにより、乗客座席表422を生成することができる。
【0210】
図示のように、表1800は行1802と列1804とを有する。行1802は、人々の様々な特徴のパーセンタイルを特定する。列1804は、人々の特徴を特定している。
【0211】
行1802は、約98.0%〜約99.9%のパーセンタイルを特定する。列1806は、様々なパーセンタイルの女性と男性の平均体重を特定する。列1808は、男性乗客の体重をポンドで示す。列1810は、女性乗客の体重をポンドで示す。列1812には、男性乗客の肩幅がインチで特定される。列1814には、女性乗客の腰幅をチンチで特定される。
【0212】
表1800に示すものは、座席システムの設計及び/又は割り当てにおいて乗客について考慮可能な様々な特徴を限定するものではない。例えば、考慮される他の特徴には、男性乗客の腰幅、身長、及び他の適切な特徴が含まれる。
【0213】
次に図19を参照する。図19は、有利な一実施形態によるデータ処理システムを示している。データ処理システム1900は、図3のブロック図に示すコンピュータシステム304に含まれる1つのコンピュータを実施するために使用できるデータ処理システムの一例である。この実施例では、データ処理システム1900は通信フレームワーク1902を含み、これによりプロセッサユニット1904、メモリ1906、固定記憶域1908、通信ユニット1910、入出力(I/O)ユニット1912、及びディスプレイ1914の間の通信が行われる。
【0214】
プロセッサユニット1904は、メモリ1906にローディングされるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサユニット1904は、特定の実装態様に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の何らかの種類のプロセッサであってよい。本明細書でアイテムに言及して「任意の数の」というとき、一又は複数のアイテムを意味する。さらに、プロセッサユニット1904は、単一チップ上にメインプロセッサと二次プロセッサとが共存する任意の数の異種プロセッサシステムを使用して実施されてもよい。別の実施例では、プロセッサユニット1904は同種のプロセッサを複数個含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0215】
メモリ1906及び固定記憶域1908は、記憶装置1916の例である。記憶装置は、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコード、又は他の適切な情報などの情報を、一時的に及び/又は永続的に保存することができる任意のハードウェア部分である。記憶装置1916は、このような実施例では、コンピュータで読込可能な記憶装置とも呼ばれる。このような実施例では、メモリ1906は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他のいずれかの適切な揮発性又は不揮発性の記憶装置であってもよい。固定記憶域1908は、特定の実装態様に応じて様々な形態をとることができる。
【0216】
例えば、固定記憶域1908は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域1908は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え形光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はそれらの何らかの組み合わせである。固定記憶域1908によって使用される媒体は、取り外し可能なものでもよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを固定記憶域1908に使用することができる。
【0217】
このような実施例では、通信ユニット1910は、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を行う。このような実施例では、通信ユニット1910はネットワークインターフェースカードである。通信ユニット1910は、物理的通信リンク及び無線の通信リンクのいずれか一方又は両方を使用することによって、通信を行うことができる。
【0218】
入出力ユニット1912により、データ処理システム1900に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力ユニット1912は、キーボード、マウス、及び/又は他の何らかの適切な入力装置を介してユーザ入力のための接続を提供することができる。さらに、入出力ユニット1912は、プリンタに出力を送ることができる。ディスプレイ1914は、ユーザに対して情報を表示する機構となる。
【0219】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する命令は、通信フレームワーク1902を介してプロセッサユニット1904と通信する記憶装置1916内に配置されうる。このような実施例では、命令は固定記憶域1908上において機能的な形態になっている。これらの命令は、メモリ1906にローディングされてプロセッサユニット1904によって実行される。メモリ1906のようなメモリに位置させることができるコンピュータで実施可能な命令を使用して、プロセッサユニット1904により様々な実施形態のプロセスを実行することができる。
【0220】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読込可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット1904内の1つのプロセッサによって読込まれて実行される。種々の実施形態のプログラムコードは、様々な物理的記憶媒体又はコンピュータで読込可能な記憶媒体(例えば、メモリ1906又は固定記憶域1908)上に具現化されうる。
【0221】
プログラムコード1918は、選択的に取り外し可能なコンピュータで読込可能な媒体1920上に機能的な形態で配置され、データ処理システム1900にローディング又は転送されて、プロセッサユニット1904によって実行される。プログラムコード1918及びコンピュータで読込可能な媒体1920は、このような実施例ではコンピュータプログラム製品1922を形成する。一実施例では、コンピュータで読込可能な媒体1920は、コンピュータで読込可能な記憶媒体1924又はコンピュータで読込可能な信号媒体1926である。コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、例えば、固定記憶域1908の一部であるドライブ又は他のデバイスに挿入又は配置されて、固定記憶域1908の一部である、ハードドライブなどの記憶装置上に移される光ディスク又は磁気ディスクを含む。コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、データ処理システム1900に接続されているハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリなどの固定記憶域の形態もとりうる。幾つかの例では、コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、データ処理システム1900から取り外し可能でなくともよい。このような実施例では、コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、プログラムコード1918を伝搬又は転送する媒体よりはむしろプログラムコード1918を保存するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、コンピュータで読込可能な有形の記憶装置又はコンピュータで読込可能な物理的な記憶装置とも呼ばれる。換言すると、コンピュータで読込可能な記憶媒体1924は、人が触れることのできる媒体である。
【0222】
代替的に、プログラムコード1918は、コンピュータで読込可能な信号媒体1926を用いてデータ処理シスム1900に転送可能である。コンピュータで読込可能な信号媒体1926は、例えば、プログラムコード1918を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータで読込可能な信号媒体1926は、電磁信号、光信号、及び/又は他のいずれかの適切な種類の信号であってもよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線、及び/又は他のいずれかの適切な種類の通信リンクといった通信リンクによって転送される。換言すると、本発明の実施例では、通信リンク及び/又は接続は物理的なもの又は無線によるものでありうる。
【0223】
幾つかの有利な実施形態では、プログラムコード1918は、コンピュータで読込可能な信号媒体1926により他のデバイス又はデータ処理システムからネットワークを介して固定記憶域1908にダウンロードされて、データ処理システム1900内で使用される。例えば、サーバーデータ処理システムのコンピュータで読込可能な記憶媒体に格納されたプログラムコードは、ネットワークを介してサーバーからデータ処理システム1900にダウンロードすることができる。プログラムコード1918を提供するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はグラムコード1918を格納及び転送することができる他の何らかのデバイスであってよい。
【0224】
データ処理システム1900に例示されている種々のコンポーネントは、種々の実施形態を実施できる方法をアーキテクチャ的に制限するものではない。種々の有利な実施形態を、データ処理システム1900に図解されているコンポーネントに追加の又はその代わりのコンポーネントを含むデータ処理システム内において実施することができる。図19に示す他のコンポーネントは、図示の実施例から変更することができる。種々の実施形態は、プログラムコード1918を実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実施することができる。
【0225】
別の実施例では、プロセッサユニット1904は、特定の用途のために製造又は構成された回路を有するハードウェアユニットの形態をとってもよい。この種のハードウェアは、工程を実行するように構成された記憶装置からメモリにプログラムコード1918をローディングする必要なく、工程を実施することができる。
【0226】
例えば、プロセッサユニット1904がハードウェアユニットの形態をとる場合、プロセッサユニット1904は、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、又は任意の数の工程を実行する他の何らかの適切な種類のハードウェアであってもよい。プログラマブルロジックデバイスの場合、このデバイスは任意の数の工程を実行する。このデバイスは、その後再構成することも、又は任意の数の工程を実行するように恒久的に構成することもできる。プログラマブルロジックデバイスの例として、例えば、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが挙げられる。この種の実装態様では、種々の実施形態のプロセスがハードウェア装置で実施されるため、プログラムコード1918は省略可能である。
【0227】
さらに別の実施例では、プロセッサユニット1904は、コンピュータ及びハードウェアユニットの中に見出されるプロセッサの組み合わせを利用して実施することができる。プロセッサユニット1904は、プログラムコード1918を実行するように構成された任意の数のハードウェアユニット及び任意の数のプロセッサを有することができる。この実施例では、プロセスの幾つかは、任意の数のハードウェアユニットにおいて実施することができ、他のプロセスは任意の数のプロセッサで実施することができる。
【0228】
本発明の有利な実施形態は、図20に示す航空機の製造及び保守方法2000、並びに図21に示す航空機2100の観点から説明することができる。まず図20に注目すると、有利な一実施形態による航空機の製造及び保守の方法が示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法2000は、図21の航空機2100の仕様及び設計2002、並びに材料調達2004を含みうる。
【0229】
製造段階では、図21の航空機2100のコンポーネント及びサブアセンブリの製造2006と、システムインテグレーション2008とが行われる。その後、図21の航空機2100は認可及び納品2010を経て運航2012に供される。顧客により運航2012される間に、図21の航空機2100は、定期的な整備及び保守2014(改造、再構成、改修、及びその他の整備又は保守を含みうる)を受ける。
【0230】
航空機の製造及び保守方法2000の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されうる。これらの実施例では、オペレータは顧客であってもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0231】
図21は、有利な実施形態を実施することができる航空機を示している。この実施例では、航空機2100は、図20の航空機の製造及び保守方法2000によって製造されたものであり、複数のシステム2104及び内装2106を有する機体2102を含む。システム2104の例は、推進システム2108、電気システム2110、油圧システム2112、及び環境システム2114のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。
【0232】
本明細書で具現化した装置及び方法は、図20の航空機の製造及び保守方法2000の一又は複数の段階で使用可能である。
【0233】
一実施例では、図20のコンポーネント及びサブアセンブリの製造2006において製造されるコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機2100の図20の運航中2012に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造される。さらに別の実施例では、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、図20のコンポーネント及びサブアセンブリの製造2006並びにシステムインテグレーション2008などの製造段階で利用することができる。一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、航空機2100が図20における運航2012、及び/又は整備及び保守2014の段階にある間に、利用することができる。
【0234】
例えば、仕様及び設計2002、システムインテグレーション2008、並びに、整備及び保守2014のうちの少なくとも1つの間に、一又は複数の実施形態を実施することにより、航空機2100の内装2106内に乗客用エリア2116を構成することができる。具体的には、乗客用エリア2116は、図2の座席ユニット228のような座席ユニットを使用して実施することができる。
【0235】
上述した種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的とするものであり、完全な説明であること、又はこれらの実施形態を開示された形態に限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは異なる利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の座席システムであって、そのうちの第1の座席システムが、同座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有しており、第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有し、第1の寸法は第1の種類の乗客が座るように構成されており、第2の寸法は第2の種類の乗客が座るように構成されており、第1の種類の乗客は、第2の座席システムには入らない腰幅を有している、複数の座席システムと、
前記複数の座席システムに接続するように構成されている1つのフレームと
を備える旅客機用座席装置。
【請求項2】
第1の種類の乗客は第2の座席システムには入らない腰幅を有しており、この腰幅が女性の腰幅の少なくとも約98パーセンタイルである、請求項1に記載の旅客機用座席装置。
【請求項3】
フレームは、航空機のフロア構造の上方において複数の座席システムを支持し、且つ複数の座席システムをフロア構造に接続するように構成されている、請求項1又は2に記載の旅客機用座席装置。
【請求項4】
第1の種類の乗客は、体重について約95パーセンタイル〜約99パーセンタイルの体重を有し、フレームは、第1の種類の乗客が第1の座席システムに座った時に第1の座席システムを支持するように構成された脚要素を含んでいる、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の旅客機用座席装置。
【請求項5】
第1の座席システムの第1の幅が第2の座席システムの第2の幅とは異なっている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の旅客機用座席装置。
【請求項6】
第1の座席システムは第1のシートクッション及び第1のシートバックを有し、第2の座席システムは第2のシートクッション及び第2のシートバックを有している、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の旅客機用座席装置。
【請求項7】
複数の座席システムと1つのフレームとが座席ユニットを形成している、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の旅客機用座席装置。
【請求項8】
第1のシートクッション及び第1のシートバックは第1の幅を有し、第2のシートクッション及び第2のシートバックは第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅より大きい、請求項6に記載の旅客機用座席装置。
【請求項9】
座席ユニットを用いて航空機の乗客用エリアを構成することを含む航空機の構成方法であって、
任意の数の座席ユニットが、複数の座席システムであって、そのうちの第1の座席システムが同座席システムのうちの第2の座席システムとは異なる寸法を有しており、第1の座席システムは第1の寸法を有し、第2の座席システムは第2の寸法を有し、第1の寸法は第1の種類の乗客が座るように構成されており、第2の寸法は第2の種類の乗客が座るように構成されており、第1の種類の乗客は第2の座席システムには収まらない複数の座席ユニットと、前記複数の座席ユニットに接続するように構成されたフレームとを有している、方法。
【請求項10】
第1の座席システムの第1の幅は第2の座席システムの第2の幅とは異なっている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の座席システムは第1のシートクッション及び第1のシートバックを有し、第2の座席システムは第2のシートクッション及び第2のシートバックを有している、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
第1の座席システムの第1のシートクッションは、第2の座席システムの第2のシートクッションとは異なる寸法を有している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のシートクッションは第2のシートクッションとは異なる幅を有し、第1のシートバックは第2のシートバックと同じ幅を有している、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第1のシートクッション及び第1のシートバックは第1の幅を有し、第2のシートクッション及び第2のシートバックは第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅より大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数の座席システムとフレームとが座席ユニットを形成する、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−71730(P2013−71730A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−211617(P2012−211617)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】