説明

航空機内でオン・デマンド・ビデオを配信するための方法及びシステム

航空機上でオン・デマンド・ビデオを提供するためのシステム。種々の実施態様の場合には、このシステムは、放送ビデオ・コンテンツを受信する第1のコンピュータと、航空機の乗客の座席領域内に散在するデジタル・ビデオ・プレーヤと、第2のコンピュータとを含む。第2のコンピュータは、第1のコンピュータからビデオ・コンテンツを受信し、このビデオ・コンテンツをオン・デマンドでデジタル・ビデオ・プレーヤのサブセットに提供する。このシステムは、また、第1のコンピュータからビデオ・コンテンツを受信し、このビデオ・コンテンツを、オン・デマンドで、複数のデジタル・ビデオ・プレーヤの他のサブセットに提供する第3のコンピュータを含む。第1のコンピュータは、ビデオ・コンテンツを、マルチキャスト・プロトコルを使用して、第2及び第3のコンピュータに提供することができる。ビデオ・コンテンツは、ライブ・テレビジョン放送又は1つ又は複数のデジタル・ビデオ・プレーヤのユーザが要求したテレビジョン・チャネルを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、概して、航空機搭載型のオン・デマンド・ビデオ・システム及び方法に関し、特に、放送及びマルチキャスト(multicasting)の両方を行うことができる航空機搭載型のオン・デマンド・ビデオ・システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 近年、どの番組を見るのか、その番組をいつ見るのかという点で、視聴者に柔軟に相当な量を与えるために、ケーブル及び衛星テレビジョン技術は、低コスト大容量デジタル・ビデオ・レコーダと組合わされていた。現在では、一般的な消費者は、オン・デマンドでビデオを入手すること(VOD)に慣れている。しかし、生番組のような娯楽用ネットワークを、依然としてリアルタイムで放送したいある種のコンテンツが今もなお存在する。しかし、放送コンテンツには、幾つかの固有の非効率性を有している。例えば、ネットワーク上のある視聴者は、特定の放送番組を見たがらないが、代わりに、ユニキャストでVOD番組を見たがる場合がある。旅客航空機上において、視聴者には、VODを望む人とともに、放送コンテンツを望む人も含む場合がある。例えば、飛行中にNCAAのプレイオフを見たいという多くの乗客がいる場合がある。同時に、同じ飛行中に、バスケットボールには興味はないが、VOD映画は見たいという乗客がいる場合もある。しかし、放送コンテンツは、ネットワークを通して伝搬されるので、VODに充てることができる帯域幅が無駄に消費されることになる。それ故、上記問題を解決するVODを配信するための方法及びシステムが求められていることを理解することができるだろう。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 上述したことを踏まえて、本発明は、オン・デマンド・ビデオを配信するための方法及びシステムを提供する。本発明のある実施形態の場合には、システムは、放送ビデオ・コンテンツを受信する第1のコンピュータと、航空機の乗客の座席領域内に分散されるデジタル・ビデオ・プレーヤと、第2のコンピュータとを含む。第2のコンピュータは、第1のコンピュータからビデオ・コンテンツを受信し、このビデオ・コンテンツをオン・デマンドでデジタル・ビデオ・プレーヤのサブセットに提供する。システムは、また、第1のコンピュータからビデオ・コンテンツを受信し、このビデオ・コンテンツを、オン・デマンドで、複数のビデオ・ディスプレイ・ユニットの他のサブセットに提供する。第1のコンピュータは、ビデオ・コンテンツをマルチキャスト・プロトコルを使用して、第2及び第3のコンピュータに提供する。ビデオ・コンテンツは、ライブ・テレビジョン放送又は1つ又は複数のデジタル・ビデオ・プレーヤのユーザが要求したテレビジョン・チャネルを含むことができる。
【0004】
[0004] 種々の実施形態においては、第1のコンピュータは、複数のデジタル・ビデオ・プレーヤの各サブセットからビデオ・コンテンツに対する要求を受信し、要求に応じて、ビデオ・コンテンツに対するマルチキャスト・グループに加入する。
【0005】
[0005] システムは、また、第1、第2及び第3のコンピュータに通信可能にリンクしているネットワーク・スイッチを含むことができる。この場合、ネットワーク・スイッチは、ルーティング・テーブルを維持し、ネットワーク・スイッチは、第1のコンピュータからの通信を、ルーティング・テーブルに基づいて第2及び第3のコンピュータの両方に経路指示する。
【0006】
[0006] 一実施態様の場合には、第2のコンピュータが、1つ又は複数のデジタル・ビデオ・プレーヤによるビデオ・コンテンツに対する要求があることを検出した場合だけ、第2のコンピュータは、第1のコンピュータからビデオ・コンテンツを受信する。
【0007】
[0007] システムは、また、第1のコンピュータと通信可能にリンクしている衛星受信機を含むこともできる。この場合、第1のコンピュータは、衛星受信機から衛星テレビジョン・ビデオ信号を受信し、衛星テレビジョン・ビデオ信号は、ビデオ・コンテンツを表す。ビデオ・コンテンツが送信されるデジタル・ビデオ・プレーヤは、前もってそのコンテンツを要求することができる。
【0008】
[0008] 種々の実施形態の場合には、各デジタル・ビデオ・プレーヤは、乗客にメニューを提示するためのソフトウェアを実行し、乗客からビデオ・コンテンツに対する要求を受信する。
【0009】
[0009] 本発明の他の実施形態の場合には、システムは、ライブ・ビデオ・フィードを受信し、このビデオ・フィードのコンテンツをマルチキャストする放送サーバと、放送サーバに通信可能にリンクしているビデオ・オン・デマンド・サーバと、航空機の乗客領域内に位置する複数のグループのデジタル・ビデオ・プレーヤとを含む。デジタル・ビデオ・プレーヤの各グループは、1つのビデオ・オン・デマンド・サーバと関連する。各ビデオ・オン・デマンド・サーバは、自身がサービスを提供しているデジタル・ビデオ・プレーヤのいずれかがコンテンツを要求したか否かを判定する。この判定に基づいて、ビデオ・オン・デマンド・サーバは、放送サーバからのライブ・ビデオ・フィードを要求する。ビデオ・オン・デマンド・サーバは、ライブ・ビデオ・フィードに関連するマルチキャスト・グループに加入することにより、この要求ステップを実行することができる。
【0010】
[0010] 種々の実施態様の場合には、システムは、各ビデオ・オン・デマンド・サーバ及び放送サーバに通信可能にリンクしているイーサネット(登録商標)・スイッチを含むことができる。イーサネット・スイッチは、任意のマルチキャスト・グループへの加入を維持する。一実施態様の場合には、ビデオ・オン・デマンド・サーバは、ビデオ・オン・デマンド・サーバが、自身がサービスを提供しているデジタル・ビデオ・プレーヤのうちの1つがコンテンツを要求したと判定した場合だけ、放送サーバからコンテンツを受信する。ビデオ・オン・デマンド・サーバは、マルチキャスト・プロトコルを使用することにより、放送サーバからコンテンツを要求することができる。各デジタル・ビデオ・プレーヤは、対話型メニュー(interactive menu)を介して乗客から入力を受信した場合にコンテンツを要求することができる。
【0011】
[0011] 本発明のさらに他の実施形態の場合には、本発明の方法は、航空機上の受信機のところで、衛星信号がライブ・テレビジョン放送を表すデータを含んでいる衛星テレビジョン信号を受信するステップと、そのデータを航空機上の放送サーバに送信するステップとを含む。放送サーバは、ネットワークを介して航空機上のビデオ・オン・デマンド・サーバにデータをマルチキャストする。各ビデオ・オン・デマンド・サーバは、デジタル・ビデオ・プレーヤのグループと関連し、各デジタル・ビデオ・プレーヤは、航空機上の乗客の座席と関連する。各ビデオ・オン・デマンド・サーバは、その関連するデジタル・ビデオ・プレーヤのどれがテレビジョン放送を要求したのか判定し、次に、データをこれらのデジタル・ビデオ・プレーヤにマルチキャストする。一実施態様の場合には、各ビデオ・オン・デマンド・サーバは、1つ又は複数のそのデジタル・ビデオ・プレーヤがデータを要求した場合だけ、マルチキャスト・グループに加入する。放送サーバ及びビデオ・オン・デマンド・サーバを含んでいる仮想ローカル・エリア・ネットワークは、この方法を実行するために維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[0012] 本明細書に記載するオン・デマンド・ビデオを配信するためのシステムのある実施形態である。
【図2】[0013] (図1の)VODサーバのある実施形態である。
【図3】[0014] (図1の)領域分配ボックス(ADB)のある実施形態である。
【図4】[0015] (図1の)座席エレクトロニクス・ボックス(SEB)のある実施形態である。
【図5】[0016] 航空機上の乗客にオン・デマンド・ビデオ及び放送番組の両方を配信するために、図1のシステム上で実行されるステップの記述に関連して参照するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017] 図1を参照すると、本発明のある実施形態によって構成されたシステムが示されている。概して10と付された前記システムは、旅客機上に位置していて、多くはネットワーク上でノードとして作動する幾つかの構成要素を有するイーサネット・ネットワーク(例えば、100BaseT又は1000BaseTなど)である。本明細書に記載する実施形態は、構成要素の各タイプのある数を有するものとして言及しているが、任意の数のノード及び/又は構成要素を含むことができることを理解されたい。システム10は、衛星受信機11と、第1、第2及び第3のVODサーバ12、14及び16と、イーサネット・スイッチ18とを含む。衛星受信機11及びVODサーバ12、14及び16は、イーサネット通信リンクを介してイーサネット・スイッチ18と通信可能にリンクしている。イーサネット・スイッチ18は、イーサネット・フレームを、次のもの、すなわち、フレームのMACアドレス、マルチキャスト・プロトコル、放送プロトコル、及びイーサネット・フレーム内に含まれるIPパケットのIPアドレスのうちの1つ又は複数に基づいて、システム10内の適当な構成要素に導く。システム10は、また、それぞれがイーサネットを介してイーサネット・スイッチ18と通信可能にリンクしている第1、第2及び第3の領域分配ボックス(area distribution box)(ADB)20、22及び24を含む。航空機内の乗客の座席の各列の近くには、イーサネットを介してADBのうちの1つに通信可能にリンクしている座席エレクトロニクス・ボックス(seat electronics bos)(SEB)28がある。1つ又は複数のデジタル・ビデオ・プレーヤ(「プレーヤ」)は、各乗客が自身のプレーヤを有するように、ギガビット・イーサネットを介して各SEBに接続されている。各プレーヤは、自立型のものであってもよいし、2005年5月25日出願の、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする、米国特許出願第11/137,011号に記載のスマート・ビデオ・ディスプレイ・ユニット(SVDU)のようなビデオ・ディスプレイ・ユニットと一体になっているものであってもよい。システムは、さらに、第1、第2及び第3のVODサーバ20、22及び24、および衛星受信機11とイーサネットを介して通信可能にリンクしている放送サーバ26を含む。本発明の実施形態において、イーサネット・スイッチ18は、例えば、ポートベースの仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)を設定することにより、VODサーバ20、22及び24への放送サーバ26のコンテンツの分配を制限する。
【0014】
[0018] ここで図2を参照しながら、VODサーバ(図1のVOD12)の例示としての実施態様について説明する。この実施態様の場合には、各VODサーバは、プロセッサ31(例えば、300MHz G3 PowerPCなど)により制御され、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)32と、第1のコントローラ(例えば、SCSIコントローラなど)34と、第1のハードディスク35と、第2のコントローラ36と、第2のハードディスク37とを含む。VODサーバは、さらに、イーサネット・インタフェース38を含む。第1のハードディスク35の動作は、第1のコントローラ34により制御され、一方、第2のハードディスク37の動作は、第2のコントローラ36により制御される。
【0015】
[0019] 第1及び第2のハードディスク35及び37上には、映画及び予め録画した放送のようなビデオ・コンテンツ(任意の付随するオーディオ・コンテンツを含む)を表すデータが格納される。ビデオ・コンテンツは、種々のフォーマットのうちの任意のフォーマットで格納することができる。その一例としては、MPEG−4がある。また、第1及び第2のハードディスク35及び37上には、ライブ放送コンテンツ(すなわち、テレビジョン又は無線信号により今受信したばかりの放送コンテンツ)が格納される。VODサーバが、ビデオ・コンテンツに対する要求を受信すると、プロセッサ31は、RAM32及びコントローラ34及び36と協働して、ハードディスク35及び37の一方又は両方からビデオ・コンテンツを検索し、RAM32のビデオ・バッファ内に必要に応じてビデオ・コンテンツをバッファしている適当なイーサネット・インタフェース38からビデオ・コンテンツを送信する。
【0016】
[0020] ここで図3を参照しながら、ADB(図1のADB20)の例示としての実施態様について説明する。この実施態様の場合には、ADBは、プロセッサ44(例えば、300MHz G3 PowerPCなど)により制御され、イーサネット・スイッチ42を含む。ADBは、1000BaseTイーサネットを介してイーサネット・スイッチ18(図1)に通信可能にリンクしている。ADBは、イーサネット・リンク(1000BaseT又は100BaseT)を介して、そのサブセット内のSEB28(図1)の幾つかと通信可能にリンクしている。ADBは、イーサネット・スイッチ18からイーサネット・フレームを受信し、それをフレームの宛先MACアドレス、及び受信したマルチキャスト・プロトコル・コマンドに基づいて適当なSEBに送信する。さらに、ADBは、イーサネット・フレーム内に含まれているパケットのIPアドレスを検出することもできるし、これらのIPアドレスに基づいて、適当なSEBにイーサネット・フレームを送信することもできる。
【0017】
[0021] ここで図4を参照しながら、SEB(図1のSEB28)の例示としての実施態様について説明する。この実施態様の場合には、SEBは、プロセッサ54(例えば、300MHz G3 PowerPCなど)により制御され、イーサネット・スイッチ52を含む。SEBは、イーサネット・リンク(1000BaseT又は100BaseT)を介して、イーサネット・スイッチ18(図1)又は他のSEBと通信可能にリンクしている。SEBは、また、100BaseTイーサネットを介して、第1、第2及び第3のプレーヤ57、58及び59と通信可能にリンクしている。SEBは、直接、又は他のSEBを介して、イーサネット・スイッチ18からイーサネット・フレームを受信し、それを少なくとも一部は、フレームの宛先MACアドレス及び受信したマルチキャスト・プロトコル・コマンドに基づいて適当なデジタル・ビデオ・プレーヤに送信する。さらに、SEBは、イーサネット・フレーム内に含まれているパケットのIPアドレスを検出することもできるし、これらIPアドレスに基づいて、適当なデジタル・ビデオ・プレーヤにイーサネット・フレームを送信することもできる。
【0018】
[0022] 本発明のある実施形態の場合には、システム10(図1)は、下記のように乗客に放送コンテンツを提供する。(乗客の入力に応じて)プレーヤが、放送サーバ26が提供するタイプの番組を要求した場合には、通常、その乗客のプレーヤにVOD材料を提供するVODサーバは、要求された番組に関連するマルチキャスト・ストリームを探す。次に、マルチキャスト・ストリームからのデータは、要求しているプレーヤへのユニキャスト・ストリームとして経路指示される。システム10の観点から見た場合、ユニキャスト・ストリームは、ちょうどVODサーバ内に予め格納されているもののようなただ他のVOD番組である。VODサーバ上の追加の負荷は最小限度ですむ。何故なら、VODサーバは、プレーヤがはっきり要求したマルチキャスト・ストリームを聞くだけであるからである。VODサーバのネットワーク・インタフェース上の性能への影響も最小限度ですむ。何故なら、VOD番組を再生している場合には、VODサーバへの入力リンク上の負荷は事実上存在しないからである。
【0019】
[0023] 本発明のある実施形態の場合には、放送サーバ26は、そのメンバーがVODサーバ12、14及び16の1つ又は複数である、1つ又は複数の予め定義した「マルチキャスト・グループ」にそのコンテンツをマルチキャストする。特定のマルチキャスト・グループのメンバーであるVODサーバのアイデンティティは、イーサネット・スイッチ18により定義され、その上に格納される。イーサネット・スイッチ18は、マルチキャスト・グループ内のそのメンバーシップに基づいて、自身が放送サーバ26から受信するマルチキャスト・ストリームを適当なVODサーバにリダイレクトする。
【0020】
[0024] ここで図5を参照しながら、航空機内の複数の乗客が、VODコンテンツ及び放送コンテンツの両方をどのようにして見ることができるのかについての一例について説明する。この例の場合には、放送サーバは、5つの異なる衛星チャネルを監視し、これら5つの各チャネルのコンテンツをイーサネット・スイッチ18に送信するものと仮定する。イーサネット・スイッチは、5つの各チャネルに対して一つずつ、5つのマルチキャスト・グループを定義する。次に、各VODサーバは、例えば、マルチキャスト・プロトコルを使用して、これらのマルチキャスト・グループのうちの1つ又は複数に加入することもできる。
【0021】
[0025] この例について引き続き説明すると、乗客用の座席のうちの1つに座っている乗客は、まず対話型メニューにアクセスするためにプレーヤを使用する。次に、乗客は、メニューを使用して映画を注文する。この注文は、SEBによりHTTP「POST」コマンドにフォーマットされ、標準TCP/IPネットワーク・プロトコルを使用して、イーサネット・スイッチ18に送信される。イーサネット・スイッチ18は、どのVODサーバが要求を処理すべきかを決定するために、その内部のルーティング・テーブルを参照する。この例の場合には、第1のVODサーバ12が要求を処理するものと仮定する。ルーティング・テーブルに基づいて、イーサネット・スイッチは、要求を第1のVODサーバ12に送信する。第1のVODサーバ12は、要求を衛星チャネル3に対する要求であると解釈する。第1のVODサーバ12は、イーサネット・スイッチ18に、第1のVODサーバ12が、チャネル3に対応するマルチキャスト・グループに加入したがっていることを示すマルチキャスト・プロトコル・メッセージを送信することにより応答する。次に、イーサネット・スイッチ18は、自身が放送サーバ26から受信するチャネル3に対するビデオを含むイーサネット・フレームをVODサーバ12に送信する。VOD12は、これらのイーサネット・フレームをチャネル3を要求した乗客のプレーヤに送信する。
【0022】
[0026] 理解して頂けると思うが、今までオン・デマンド・ビデオを配信するための新しく有用なシステムについて説明してきた。添付の特許請求の範囲に入る本明細書に記載する実施形態を種々に変更することができることに留意されたい。さらに、本明細書に記載するすべての実施態様及び構成は、単に例示としてのものに過ぎず、特許請求の範囲を制限するものと解釈すべきではない。また、本発明を説明する際に(特に添付の特許請求の範囲内で使用する(「a」及び「an」)及び前記(「the」)及び類似の用語は、単数及び複数の両方を含むものと解釈すべきである。最後に、本明細書に記載するすべての方法のステップは、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り任意の適当な順序で実行することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機上でオン・デマンド・ビデオ・ネットワークを介して放送コンテンツを提供するためのシステムであって、
放送ビデオ・コンテンツを受信する第1のコンピュータと、
前記航空機の乗客の座席領域内に分散される複数のデジタル・ビデオ・プレーヤと、
第2のコンピュータであって、
前記第1のコンピュータから前記ビデオ・コンテンツを受信するステップと、
前記ビデオ・コンテンツをオン・デマンドで前記複数のデジタル・ビデオ・プレーヤの第1のサブセットに提供するステップと、
を実行する第2のコンピュータと、
第3のコンピュータであって、
前記第1のコンピュータから前記ビデオ・コンテンツを受信するステップと、
前記ビデオ・コンテンツをオン・デマンドで前記複数のデジタル・ビデオ・プレーヤの第2のサブセットに提供するステップと、
を実行する第3のコンピュータと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1のコンピュータが、前記複数のデジタル・ビデオ・プレーヤの前記各第1のサブセットから、前記ビデオ・コンテンツに対する要求を受信するステップと、前記要求に応じて、前記ビデオ・コンテンツに対するマルチキャスト・グループに加入するステップとをさらに実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3のコンピュータに通信可能にリンクしているネットワーク・スイッチをさらに備え、前記ネットワーク・スイッチがルーティング・テーブルを保持し、前記ネットワーク・スイッチが前記第1のコンピュータからの通信を前記ルーティング・テーブルに基づいて前記第2及び第3のコンピュータの両方に経路指示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のコンピュータが、前記デジタル・ビデオ・プレーヤのうちの1つ又は複数による前記ビデオ・コンテンツに対する要求があることを検出した場合だけ、前記第2のコンピュータが、前記第1のコンピュータから前記ビデオ・コンテンツを受信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のコンピュータが、マルチキャスト・プロトコルにより前記第2及び第3のコンピュータに前記ビデオ・コンテンツを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のコンピュータに通信可能にリンクしている衛星受信機をさらに含み、前記第1のコンピュータが前記衛星受信機から衛星テレビジョン・ビデオ信号を受信し、前記衛星テレビジョン・ビデオ信号が前記ビデオ・コンテンツを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記各デジタル・ビデオ・プレーヤが、乗客にメニューを表示するためのソフトウェアを実行し、前記乗客から前記ビデオ・コンテンツに対する要求を受信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ビデオ・コンテンツが、テレビジョン放送である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ビデオ・コンテンツが、前記デジタル・ビデオ・プレーヤのうちの1つ又は複数によって要求されたテレビジョン・チャネル用のものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のコンピュータに通信可能にリンクしている衛星受信機をさらに含み、前記第1のコンピュータが前記衛星受信機から衛星テレビジョン・ビデオ信号を受信し、前記ビデオ・コンテンツが送信される前記各デジタル・ビデオ・プレーヤが予め前記コンテンツを要求し、前記衛星テレビジョン・ビデオ信号が前記ビデオ・コンテンツを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
航空機上のオン・デマンド・ビデオ・ネットワークを介して放送コンテンツを配信するためのシステムであって、
ライブ・ビデオ・フィードを受信し、前記フィードのコンテンツをマルチキャストする放送サーバと、
前記放送サーバにそれぞれ通信可能にリンクしている複数のビデオ・オン・デマンド・サーバと、
前記航空機の乗客領域内に位置するデジタル・ビデオ・プレーヤの複数のグループであって、前記複数のグループのうちの各グループが、前記複数のビデオ・オン・デマンド・サーバのうちの1つと関連するデジタル・ビデオ・プレーヤの複数のグループと、を備え、
前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバが、
前記ビデオ・オン・デマンド・サーバに関連するデジタル・ビデオ・プレーヤのグループのうちの任意のものが、前記コンテンツを要求したか否かを判定するステップと、
前記判定ステップに基づいて、前記放送サーバから前記ライブ・ビデオ・フィードを要求するステップと、
を含むステップを実行するシステム。
【請求項12】
前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバが、前記ライブ・ビデオ・フィードに関連するマルチキャスト・グループに加入することによって前記要求ステップを実行する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバ及び前記放送サーバと通信可能にリンクしているイーサネット(登録商標)・スイッチをさらに含み、前記イーサネット・スイッチが、前記マルチキャスト・グループへの加入を保持する、請求項13に記載のシステム。
【請求項14】
前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバが、前記ビデオ・フィードのコンテンツを格納するための手段を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記ビデオ・オン・デマンド・サーバに関連するデジタル・ビデオ・プレーヤの前記グループのうちの1つ又は複数が前記コンテンツを要求していると前記ビデオ・オン・デマンド・サーバが判定する場合だけ、前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバは前記コンテンツを受信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンテンツを要求する前記各デジタル・ビデオ・プレーヤが、対話型メニューを介して乗客からの入力を受信することによって要求を行う、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバが、マルチキャスト・プロトコルを使用して前記コンテンツの受信を要求する、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
航空機の乗客に、オン・デマンドで、ライブ・テレビジョン放送のコンテンツを提供するための方法であって、
前記航空機上の受信機で、ライブ・テレビジョン放送を表すデータを含む衛星テレビジョン信号を受信するステップと、
前記航空機上の放送サーバに前記データを送信するステップと、を含み、
前記放送サーバが、ネットワークを介して、前記航空機上の複数のビデオ・オン・デマンド・サーバに前記データをマルチキャストし、各ビデオ・オン・デマンド・サーバが、複数のデジタル・ビデオ・プレーヤに関連し、各デジタル・ビデオ・プレーヤが、前記航空機の乗客の座席と関連し、
前記複数の各サーバが、前記関連する複数のデジタル・ビデオ・プレーヤのどれが前記テレビジョン放送を要求したのかを判定し、前記データを、前記テレビジョン放送を要求した前記関連する複数のこれらのデジタル・ビデオ・プレーヤにマルチキャストする方法。
【請求項19】
前記ビデオ・オン・デマンド・サーバが関連する前記デジタル・ビデオ・プレーヤのうちの1つ又は複数が前記データを要求した場合だけ、前記放送サーバから前記マルチキャスト・データを受信するために、マルチキャスト・グループに加入する前記各ビデオ・オン・デマンド・サーバをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記放送サーバ及び前記ビデオ・オン・デマンド・サーバを備える仮想ローカル・エリア・ネットワークを保持するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−540748(P2009−540748A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515422(P2009−515422)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/013248
【国際公開番号】WO2007/145950
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(503202756)タレス アビオニクス インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】