航空機客室騒音曝露量分析
航空機客室騒音分析に関するシステム及び方法が開示される。1つの実施形態では、方法は、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップと、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと、前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、を含む。幾つかの実施形態では、モニタリングされる前記システムは、コンピューティングシステム内で実現することができる、又はコンピュータ可読媒体に記録された論理命令群として実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
航空機の操縦士及び乗務員は、航空機の航行に伴って発生する騒音に曝される。職業上の騒音曝露は、種々の規制機関から益々注目を浴びるようになっている。航空機内の騒音曝露量を定量化する操作は、例えば飛行する際の騒音源の変化、飛行プロファイル、種々の業務スケジュールの影響、異なる乗務員配置などに起因して複雑である。従って、航空機環境内の騒音曝露量を測定するシステム及び方法は有用性を発揮することができる。
【発明の概要】
【0002】
本開示によるシステム及び方法の種々の実施形態によって、航空機客室騒音曝露量分析の向上を図ることができる。更に詳細には、本明細書において説明される種々の実施形態は、シミュレーションデータ及び履歴データのうちの少なくとも1つのデータを利用して、航空機内の種々の位置での種々の業務状態における騒音曝露量プロファイルを調整することができる。このような騒音曝露量プロファイルは、コンピュータ可読メモリ、例えばデータベースに格納することができる。従って、ユーザは、データベースに適切なユーザインターフェースを介してアクセスすることにより、操縦士及び種々の職種の航空機乗務員に対応する騒音曝露量プロファイルを見積もることができる。例えば、飛行乗務員スケジュール作成者及び規制遵守担当職員は、当該システムにアクセスして、操縦士及び飛行乗務員に対応する騒音曝露レベルを見積もることができる。フライトスケジュール及び/又は飛行プロファイルを変更して騒音曝露量を管理することができる。
【0003】
1つの実施形態では、航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用方法は、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップと、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと、前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、を含む。
【0004】
別の実施形態では、航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用システムは、プロセッサと、そして論理命令群を含むコンピュータ可読メモリモジュールと、を備え、前記論理命令群が前記プロセッサによって実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信し、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し、 前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行ない、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するように前記プロセッサを構成する。
【0005】
更に別の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体に格納された論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によってプロセッサが航空機客室騒音を、操作群を実行することにより見積もるように前記プロセッサを構成し、前記操作群は、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップと、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと、前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、を含む。
【0006】
更に別の適用可能領域は、本明細書において提供される説明から明らかになる。説明及び特定の例は、例示のためにのみ提供され、本開示の範囲を限定するために提供されるのではないことを理解されたい。
【0007】
本開示の教示による方法及びシステムの種々の実施形態は、次の図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの模式図である。
【図2】図2は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの高位操作群を示すフローチャートである。
【図3】図3は、種々の実施形態によるミッションを航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて設定する操作群を示すフローチャートである。
【図4】図4は、種々の実施形態による騒音曝露量をミッション時に、航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて見積もる操作群を示すフローチャートである。
【図5】図5は、種々の実施形態による特定の職員に対応する騒音曝露量を1つ以上のミッション時に、航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて見積もる操作群を示すフローチャートである。
【図6】図6は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図7】図7は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図8】図8は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図9】図9は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図10】図10は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図11】図11は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図12】図12は、幾つかの実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムを実現するように適合させることができる計算装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
航空機客室騒音曝露量分析に関するシステム及び方法が本明細書において説明される。特定の実施形態に関する特定の詳細を以下の説明、及び図1〜12において記載することにより、このような実施形態を完全に理解することができる。しかしながら、この技術分野の当業者であれば、別の実施形態を、以下の説明において記載されるこれらの詳細の幾つかを示すことなく実施することができる。
【0010】
幾つかの実施形態では、本明細書において記載されるシステムを使用して、操縦士及び種々の飛行乗務員に関する騒音曝露量を見積もることができる。例えば、幾つかの実施形態では、フライトスケジュール作成担当者が当該システムを使用してフライトスケジュールを作成すること、及び/又は法令遵守担当者が騒音曝露量規制の遵守を判断することが容易になる。飛行ミッションデータ及び乗務者データは、ユーザインターフェースを介して入力することができる。乗務員及び飛行ミッションに対応する騒音曝露量データが生成され、ディスプレイに提示される。更に、職員に関する騒音曝露量限界が閾値を上回る場合には、警告が提示される。飛行ミッションパラメータの見直し、及び/又は職員の変更を実施して、騒音曝露量パラメータが許容限界内に収まるようにすることができる。レポートは、適切なユーザインターフェース上で生成することができる。
【0011】
本明細書において使用されるように、「flight mission(飛行ミッション)」という語句が、定義されたフライトスケジュールを指すのに対し、「flight leg(飛行区間)」又は「leg(区間)」という語句は、1回の離陸及び1回の着陸によって区切られる、フライトスケジュールの1つのスケジュール部分を指す。従って、飛行ミッションは、1つ以上の区間を含むことができる。同様に、1つの飛行区間は、複数の飛行小区間を含む。
【0012】
図1は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステム100の模式図である。図1を参照するに、1つの実施形態では、システム100は、テストデータ110、騒音曝露計データ(dosimeter data)112、位置データ114、及びミッションプロファイルデータ116を扱う複数のデータストアを備える。幾つかの実施形態では、システム100は更に、騒音曝露量分析モジュール120と、ディスプレイモジュール122と、ミッションプロファイル選択モジュール124と、ミッション見直しモジュール126と、レポートモジュール130と、そしてユーザインターフェース140と、を備える。
【0013】
幾つかの実施形態では、種々のデータストア110,112,114,116は、データベースとして、又はコンピュータ可読媒体に格納されるフラットファイルとして実現される。テストデータ110は、種々の位置に対応し、かつ航空機の種々の運航状態における騒音曝露量データを含むことができる。テストデータ110は、航空機の1回以上のテスト飛行中に収集することができる。騒音曝露計データ112は、種々の位置に対応し、かつ特定の航空機の種々の運航状態における騒音曝露量データを含むことができる。位置データ114は、乗務員位置表示を航空機における位置に関連付けるデータを含むことができる。例えば、操縦士表示は、航空機内の操縦士の位置に関連付けられ、副操縦士表示は、航空機における副操縦士の位置に関連付けられる。客室乗務員表示は、飛行段階が変わるごとに変わる位置に関連付けることができる。例えば、客室乗務員の前方位置は、離陸飛行区間中の客室乗務員用の前方座席に関連付けることができ、その後、水平飛行区間中の前方通路に関連付けることができる。同様に、客室乗務員の後方位置は、飛行離陸区間中の客室乗務員用の後方椅子に関連付けることができ、その後、水平飛行区間中の後方通路に関連付けることができる。ミッションプロファイルデータ116は、飛行ミッションの種々の小区間に対応する飛行データを含むことができる。種々のモジュール及びデータストア110,112,114,116について、以下に更に詳細に説明する。
【0014】
図2は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの高位操作を示すフローチャートである。図2を参照するに、操作210では、システム100は、飛行中の騒音曝露量を分析するリクエストを受信する。幾つかの実施形態では、当該リクエストは、ユーザインターフェース140を介して受信することができる。図6〜8は、システム100にアクセスする例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットである。まず、図6を参照するに、ユーザインターフェースによってユーザは、飛行ミッション属性を、飛行ミッションプロファイルデータストア116に入力することができる。例えば、飛行ミッション属性は、航空会社コード、飛行機の機種番号、エンジン型式、エンジンパワーユニットなどを含むことができる。一旦、飛行ミッションがミッションプロファイル116に入力されると、システム100の次のユーザは、ミッションプロファイルを取り出すことができ、そして当該ミッションプロファイルを、これらのユーザの特定の必要に従って使用するか、又は変更することができる。
【0015】
第2ユーザインターフェース(図8)によってユーザは、1つの飛行区間の種々の小区間に関する種々のデータ、例えば当該飛行区間の各小区間に対応する運航パラメータ、当該飛行区間の各小区間に対応する日付、及び時刻、当該飛行区間の各小区間に対応する時間長さ、及び当該飛行区間の各小区間に対応する高度及び対気速度表示を入力することができる。この場合も同じように、一旦、1つの飛行区間がデータストア116に入力されると、システム100の次のユーザは、ミッションプロファイルを取り出すことができ、そして種々の小区間属性を、これらのユーザの要求に従って使用するか、又は変更することができる。第3ユーザインターフェース(図7)によってユーザは、ミッションプロファイルのビジュアル表示を見ることができる。
【0016】
図2に戻ってこの図を参照するに、操作215では、飛行ミッションの複数区間の種々の小区間に関して入力されるデータに対応する騒音パラメータを取り出す。幾つかの実施形態では、これらの騒音パラメータは、テストデータ110から取り出すことができる。図9を簡単に参照するに、飛行区間の各小区間に対応する騒音曝露量(LpA)は、テストデータ110から取り出すことができ、そしてユーザインターフェース140上に提示することができる。更に、時間重み付け騒音曝露量パラメータ(Leq)は、当該区間の各小区間に関連付けることができる。ユーザインターフェース(図10)によってユーザは、選択した飛行ミッションにおける選択した乗務員位置に対応する騒音曝露量のビジュアル表示を見ることができる。
【0017】
操作220では、合計騒音曝露量パラメータを、当該飛行区間及び/又は当該飛行ミッション全体に対応して求める。1つの実施形態では、合計騒音曝露量は、当該飛行ミッションの各区間の種々の飛行小区間に亘って合計される時間重み付け平均騒音曝露量として算出することができる。操作225では、合計騒音曝露量をユーザインターフェース上に提示する。図10を簡単に参照するに、当該ミッションに対応する騒音曝露量パラメータ(Leq及びLex)は、ユーザインターフェース上に提示される。Leqとは、乗務員が何時間就業したかどうかに拘わらず得られる一人の乗務員に関する合計騒音曝露量を指す。例えば、乗務員は、10時間の任務、又は5時間の任務を遂行することができる。Leqとは、当該任務に対応する合計騒音曝露量を指す。これとは異なり、Lexとは、曝露量指標を標準化するための8時間の正規化騒音曝露量を指す。
【0018】
操作230において、合計騒音曝露量が閾値を上回ることがない場合、制御を操作235に渡し、そしてフライトスケジュールを終了させることができる。例えば、幾つかの実施形態では、フライトスケジュールの終了操作において、フライトスケジュールをコンピュータ可読メモリに格納する。現在のフライトスケジュールを終了させると、別のフライトスケジュールを取り出すことができ、そして処理することができる。これとは異なり、操作230において、合計騒音曝露量が閾値に一致するか、又は閾値を上回る場合、制御を操作240に渡し、そして警告をユーザインターフェース上に提示することができる。警告に応答して、ユーザは、スケジューリングプロセスの再開を決定するか、又は飛行ミッションの1つ以上の小区間又は区間に対する1つ以上の割り当てを変更するように決定することができる。例えば、乗務員を前方位置から後方位置に、又は逆に、後方位置から前方位置に再配置することにより、当該乗務員が受ける騒音の量を変えることができる。次に、種々の騒音曝露量パラメータを再計算し、そして再度、閾値と比較する。このプロセスは、適切なスケジュールが飛行乗務員に関して決定されるまで継続させることができる。
【0019】
図3は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいてミッションを設定する操作を示すフローチャートである。幾つかの実施形態では、システム100のユーザは、ミッションプロファイルデータ116に格納される1つ以上のミッションプロファイルを作成することができる。上に説明したように、飛行ミッションは、生データから設定することができる、又は既存の飛行ミッションは、メモリから取り出し、そして複製する、又は見直すことができる。従って、操作310において、既存のミッションを複製する必要がある場合、1つのミッションをミッションプロファイルデータ116から、ユーザインターフェース140を使用して選択する(操作315)ことができる。これとは異なり、操作310において、既存のミッションを複製する必要がない場合、制御を操作318に渡し、そしてシステムのユーザは、ミッション情報を生データに基づいて入力する(例えば、図8参照)。
【0020】
操作320において、これらのミッション区間を複製する必要がある場合、1つ以上の区間をミッションプロファイルデータ116から、ユーザインターフェース140を使用して選択する(操作322)。これとは異なり、操作320において、これらのミッション区間を複製する必要がない場合、制御を操作325に渡し、そしてユーザは、各小区間に対応する飛行パラメータ群をユーザインターフェースで入力することができる(例えば、図8参照)。
【0021】
一旦、各区間に関するミッション情報が、当該ミッション、区間群を複製することにより、又はデータを当該システムに入力することにより完了すると、制御を操作330に渡し、そしてミッションプロファイルをメモリに、例えばミッションプロファイルデータ116に格納する。
【0022】
実際、図3のこれらの操作を利用して、当該システムに飛行ミッションを「保管する」ことができる。一旦、当該システムに一連の飛行ミッションが保管されると、スケジュール作成者は、当該システム内のデータを使用して、航空機内の種々の飛行乗務員位置に対応する騒音曝露量パラメータ群を生成することができる。図4は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおけるミッション時の騒音曝露量を見積もる操作を示すフローチャートである。図4を参照するに、操作410では、1つのミッション、又は1つの特定区間を選択し、そして操作415では、当該ミッション区間における1つの乗務員位置を選択する。必要に応じて、当該区間の種々の小区間の属性のうちの1つ以上の属性をユーザインターフェースで見直すことができる(例えば、図8参照)。
【0023】
操作420では、当該飛行区間の各小区間に対応する騒音曝露量(LpA)をテストデータ110又は騒音曝露計データ112から取り出すことができる。操作425において、問題の飛行乗務員位置が操縦士の位置である場合、制御を操作430に渡し、そして騒音曝露量パラメータ群を、操縦士が装着する能動騒音低減ヘッドセットに関して調整することができる。
【0024】
操作435では、時間重み付け騒音曝露量パラメータ群を計算する。騒音曝露量パラメータ群を計算する方法は、特定の騒音曝露環境に応じて変わる。供用後の飛行テストの場合、合計時間長さTを要する1つのミッションは、m個の小区間を有する。iを1〜mとする場合に、i番目の小区間は、時間長さTiを有し、そして期間Tiでは、ni個の騒音曝露計読み取り値が得られる。この状況では、騒音曝露量は次式に従って計算することができる。
【数1】
【0025】
上の式では、niは、i番目の小区間に対応する期間Tiにおける観測回数である。従って、i番目の小区間のLeq(時間重み付け騒音曝露量パラメータ)は次式の通りである。
【数2】
【0026】
1つのミッションが完了する場合、騒音曝露量パラメータLeq及びLexは次式により与えられる。
【数3】
【0027】
上の式では、T8は、1日の労働時間8時間(28800秒)を表わす。乗務員が同じミッションを帯びて1週間にn日の割合で(1週間に5日の労働日で、又は1週間に40時間の労働時間で)飛行業務に就く場合、1日当たりの騒音曝露量の週平均は次式により与えられる。
【数4】
【0028】
航空会社顧客による調査が行なわれる場合、K個の独立テストサンプルがあると仮定する。顧客は、合計時間長さがTCのミッションプロファイルを有し、そしてi番目の小区間は、時間長さTCiを有する。従って、i番目の小区間に関して、次式が成り立つ。
【数5】
上の式では、
【数6】
は、算術平均であり、そしてLeq−Tjは、同じ小区間のサンプルjから得られ、そして
【数7】
は標準偏差である。
次に、当該小区間のLeqは次式の通りである。
【数8】
当該ミッションのLeq及びLexは次式の通りである。
【数9】
上の式では、T8は、1日の労働時間8時間(28800秒)を表わす。乗務員が同じミッションを帯びて1週間にn日の割合で(1週間に5日の労働日で、又は1週間に40時間の労働時間で)飛行業務に就く場合、1日当たりの騒音曝露量の週平均は次式により与えられる。
【数10】
【0029】
幾つかの状況では、ユーザは、客室を動き回る飛行乗務員の位置に対応する騒音曝露量を予測したいと考える。高度(上昇高度、降下高度の両方、及び対地高度)が閾値(例えば、15,000フィート)を下回る場合、当該ユーザはデータ(固定データ又は不定データ)を、供用後の飛行テストの位置/区間/ミッションから選択することができる。15Kよりも高い高度では、当該ユーザは、百分率piが各グループに割り当てられる構成のN個のグループにおける固定位置のデータを使用することができ、この場合、
i=1,2,3,...,Nであり、かつ
【数11】
が成り立つ。
【0030】
各グループiでは、当該ユーザはデータを、mi個の位置/区間/ミッションから選択することができる。従って、15Kフィートよりも高い顧客のミッションのi番目の小区間では、次式が成り立つ:
【数12】
上の式では、Leq−Tlは、j番目のグループにおける同じ小区間のサンプルlから次式のように得られる:
【数13】
方程式(13)を方程式(8)及び(9)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、操縦士に関する騒音曝露量パラメータを調整して、操縦士のヘッドセットを補正する必要がある。供用後の測定を行なう場合、航空交通管制用通信機器(air traffic communication equipment)は2つの出力を有する:一方の出力は、騒音曝露計データに関する出力であり、そして他方の出力は、操縦士のヘッドセットに関する出力である。騒音曝露計に記録された値からの変換が行なわれ、そして変換数式は次の通りである。
y=α*x+β (14)
【0032】
上の式では、α,βは推定パラメータであり、そしてxは、ATC(航空管制)騒音曝露計読み取り値である。αの正常値は、1〜1.03であり、そしてβの正常値は、−30〜−40である。更に、iを1〜kとした場合に、操縦士にTatcsiとTatceiとの間のATC(航空交通管制)通信が聞こえる場合、Tatcsi≧ミッション開始時刻、及びTatcsk≦ミッション終了時刻が成り立つ。更に、操縦士は、能動騒音低減ヘッドセットを装着して騒音曝露量を減らすことができ、そして能動騒音低減ヘッドセットは、δ>0とした場合に、騒音低減係数δを有する。iを1〜mとした場合、当該ミッションは、m個の小区間を有し、そして各小区間は、開始時刻Tssi及び終了時刻Tseiを有する。
能動騒音低減ヘッドセットを用いる場合、i番目の小区間に関して、TjはdBAATCに対応する時刻を表わし、このdBAATCは、ATC(航空交通管制通信)に対応する騒音曝露計読み取り値であり、従って次式が成り立つ。
【数14】
上の式では、dBAjは操縦士の騒音曝露計読み取り値であり、そして次式が得られる。
【数15】
【0033】
次に、方程式(16)を方程式(2)及び(3)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
これとは異なり、能動騒音低減ヘッドセットを用いない場合、i番目の小区間に関して、Tjは、dBAATCに対応する時刻を表わし、このdBAATCは、ATC(航空交通管制通信)に対応する騒音曝露計読み取り値である。従って、次式が成り立つ。
【数16】
上の式では、dBAjは操縦士の騒音曝露計読み取り値であり、そして次式が得られる:
【数17】
【0034】
次に、方程式(18)を方程式(2)及び(3)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
操作440では、操作435において生成される時間重み付け騒音曝露量データをコンピュータ可読媒体に、例えば騒音曝露計データ112に格納する。
【0035】
システム100を使用して、操縦士及び他の飛行乗務員の業務をスケジューリングすることができる。スケジューリング操作時には、システム100を使用して、特定の従業員の業務スケジュールに従って当該従業員が閾値を超える騒音レベルを体験するかどうかを判断することができる。図5は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおける1つ以上のミッション時の特定の職員に関する騒音曝露量を見積もる操作を示すフローチャートである。図5を参照するに、操作510では、特定の従業員(例えば、操縦士又は飛行乗務員)に関連付けられる職員識別情報をコンピュータ可読メモリから選択する。操作515では、1つ以上の飛行ミッション、及びこれらの飛行ミッションに対応する乗務員位置を、職員識別情報に対応して選択する。操作520では、職員識別情報に対応する合計騒音曝露量を、操作435を参照しながら説明された通りに計算する。
【0036】
操作525において、職員識別情報に対応する合計騒音曝露量が騒音曝露閾値を超える場合、制御を操作535に渡し、そしてエラールーチンを呼び出す。幾つかの実施形態では、当該エラールーチンにおいて、騒音曝露量及び再スケジュール通知を適切なユーザインターフェース上に提示して、当該システムと対話する人間が、1つ以上の異なるフライト、及び/又は異なる乗務員位置に関する職員識別情報を再スケジューリングすることにより、職員識別情報に対応する騒音曝露量を低減させることができる。他の実施形態では、システム100は、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムにより起動することができる。このような実施形態では、当該エラールーチンにおいて、再スケジュール通知を、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムに送信することができる。それに応答して、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムは、1つ以上の異なるフライト、及び/又は異なる乗務員位置に関する職員識別情報を再スケジューリングすることにより、職員識別情報に対応する騒音曝露量を低減させることができる。これとは異なり、操作525において、騒音曝露量が閾値を超えない場合、制御を操作530に渡し、そして職員識別情報に対応する1つ以上の騒音曝露量レポートを提示する。これらの飛行ミッション及び/又は乗務員位置を承認することができる。
【0037】
図12は、幾つかの実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムを実現するように適合させることができる計算装置の模式図である。1つの実施形態では、システム1200は、計算装置1208と、そしてディスプレイ1202を含む1つ以上の付属入力/出力装置と、を含み、このディスプレイ1202は、スクリーン1204と、1つ以上のスピーカ1206と、キーボード1210と、1つ以上の他のI/O装置(群)1212と、そしてマウス1214と、を有する。他のI/O装置(群)1212は、タッチスクリーンと、音声作動式入力装置と、トラックボールと、そしてシステム1200がユーザからの入力を受信することができるようにする他のいずれかの装置と、を含むことができる。
【0038】
計算装置1208は、システムハードウェア1220と、そしてメモリ1230と、を含み、当該メモリ1230は、ランダムアクセスメモリ及び/又はリードオンリメモリとして実現することができる。ファイルストア1280は、計算装置1208に通信可能に接続することができる。ファイルストア1280は、例えば1つ以上のハードドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、又は他のタイプのストレージデバイスのように、計算装置1208の内部に設けてもよい。ファイルストア1280は、例えば1つ以上の外部ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ、又は個別ストレージネットワークのように、コンピュータ1208の外部に設けることもできる。
【0039】
システムハードウェア1220は、1つ以上のプロセッサ1222と、2つのグラフィックプロセッサ(群)1224と、ネットワークインターフェース群1226と、そしてバス構造群1228と、を含むことができる。本明細書において使用されるように、「processor(プロセッサ)」という用語は、これらには限定されないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他のいずれかのタイプのプロセッサ又は処理回路のようないずれかのタイプの計算要素を指す。
【0040】
グラフィックプロセッサ(群)1224は、グラフィック操作及び/又はビデオ操作を管理する付属プロセッサとして機能することができる。グラフィックプロセッサ(群)1224は、コンピューティングシステム1200のマザーボードに搭載することができる、又は拡張スロットを介してマザーボードに接続することができる。
【0041】
1つの実施形態では、ネットワークインターフェース1226は、イーサネット(登録商標)インターフェース(例えば、米国電気電子学会/IEEE 802.3−2002を参照)のような有線インターフェースとするか、又はIEEE 802.11a,b対応インターフェース、或いはIEEE 802.11g対応インターフェース(例えば、情報技術−通信とシステム間の情報交換に関するIEEE規格−LAN(ローカルエリアネットワーク)/MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)仕様要求−−パート■:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様書補正4:2.4GHz帯域における更に高いデータレート拡張に関して規定する802.11G−2003を参照)のような無線インターフェースとすることができる。無線インターフェースの別の例が、汎用パケット無線サービス(GPRS)インターフェース(例えば、2002年12月にGSM(登録商標)協会から発表されたモバイル通信のGPRS端末仕様、グローバルシステムに関するガイドライン3.0.1版を参照)である。
【0042】
バス構造群1228は、システムハードウェア1220の種々の構成要素を接続する。1つの実施形態では、バス構造群1228は、メモリバス、ペリフェラルバス、又は外部バス、及び/又はいずれかの多種多様な利用可能なバスアーキテクチャを使用するローカルバスを含む幾つかのタイプのバス構造(群)のうちの1つ以上のバス構造とすることができ、これらのバスアーキテクチャは、これらには限定されないが、11ビットバス、工業規格アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソーシエーション(PCMCIA)バス、及びスモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)を含む。
【0043】
メモリ1230は、計算装置1208の動作を管理するオペレーティングシステム1240を含むことができる。1つの実施形態では、オペレーティングシステム1240は、システムハードウェア1220とのインターフェースとなるハードウェアインターフェースモジュール1254を含む。更に、オペレーティングシステム1240は、計算装置1208の動作に使用されるファイルを管理するファイルシステム1250と、そして計算装置1208で実行されるプロセスを管理するプロセス制御サブシステム1252と、を含むことができる。
【0044】
オペレーティングシステム1240は、システムハードウェア1220と連携動作して、データパケット群及び/又はデータストリーム群をリモートソースとの間で送受信することができる1つ以上の通信インターフェースを含む(又は、管理する)ことができる。オペレーティングシステム1240は更に、オペレーティングシステム1240とメモリ1230に常駐する1つ以上のアプリケーションモジュールとの間のインターフェースとなるシステムコールインターフェースモジュール1242を含むことができる。オペレーティングシステム1240は、Windows(登録商標)オペレーティングシステムとして、又はUNIX(登録商標)オペレーティングシステムとして、又はこれらのオペレーティングシステムのいずれかの派生オペレーティングシステム(例えば、Linux(登録商標)、Solaris(登録商標)など)として、又は他のオペレーティングシステムとして具体化することができる。
【0045】
種々の実施形態では、計算装置1208は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は別の計算装置として具体化することができる。
【0046】
1つの実施形態では、メモリ1230は、コンピューティングシステム1200内のグラフィックプロセッサ群の間で切り替えを行なうグラフィックプロセッサ選択モジュール1262を含む。1つの実施形態では、メモリ1230は、騒音曝露量分析モジュール1260、ミッションプロファイル選択モジュール1262、ミッション見直しモジュール1264、及びレポートモジュール1266を含む。これらのモジュールは、図1に示す類似のモジュール群に対応させることができる。それぞれのモジュール1260,1262,1264,1266は、コンピュータ可読媒体内で符号化された論理命令群を含むことができ、これらの論理命令がプロセッサ1222によって実行されると、これらの論理命令によって、命令プロセッサ1222が、航空機客室騒音を、図2〜5に示す操作を実行し、そして図6〜11に示すユーザインターフェース群のうちの1つ以上のユーザインターフェースを使用することにより見積もるようになる。
【0047】
以上のように、本明細書において記載されるのは、航空機客室騒音曝露量分析を実行するコンピュータ利用システム及び方法である。要約すると、当該システムは、1つ以上のデータストアを備え、これらのデータストアに、航空機内の異なる位置で、かつ異なる業務状態で取得される騒音測定値を読み込むことができる。ユーザは当該システムと、1つ以上のユーザインターフェースを介して対話することにより、飛行ミッションの区間群の異なる小区間に対応するパラメータ群を変化させることができる。ユーザインターフェースを介して入力されるデータを分析モジュールが受信し、当該分析モジュールが当該データを使用して騒音曝露レベルを求める。これらの騒音曝露レベルは、1つ以上の閾値と比較することができ、そして警告を、これらの騒音レベルが閾値(群)を超える場合に提示することができる。1つの飛行ミッションの区間群の異なる小区間に対応するパラメータ群は調整することができ、そして騒音曝露量を、調整済みパラメータ群を用いて再計算することができる。これらの再計算済み騒音曝露レベルは、閾値群と再度比較することができる。騒音曝露量分析パラメータ群は、コンピュータ可読媒体に格納すること、及び/又は印刷出力してレポートを作成することができる。当該システムは、騒音曝露量分析が、操縦士又は飛行乗務員が過度の騒音に曝される虞があることを示唆する場合に警告を提示することができる。
【0048】
これまでの説明では、例示的なプロセスの特定の実施形態について説明してきたが、別の実施形態では、特定の操作は、上に説明した順番で行なわなくてもよいことを理解されたい。別の実施形態では、幾つかの操作を変更し、異なる順番で行なってもよい、又は環境によって異なるが、幾つかの操作を全て省略してもよい。更に、種々の別の実施形態では、説明したこれらの操作は、コンピュータ、コントローラ、プロセッサ、プログラマブルデバイス、ファームウェア、又は他のいずれかの適切なデバイスによって実行することができ、そして1つ以上のコンピュータ可読媒体に格納される、又はそれ以外には、このようなデバイスに格納された、又は書き込まれた(例えば、コンピュータ可読命令群をこのようなデバイスにリアルタイムで送信する操作を含む)命令に基づいて行なうことができる。ソフトウェアを用いる場合には、上に説明したこれらの操作は、コンピュータ命令群を表わすことができ、これらのコンピュータ命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、これらのコンピュータ命令によって、列挙されたこれらの操作が実行される。コンピュータ可読媒体が使用される場合、コンピュータ可読媒体は、デバイスがアクセスすることにより、当該媒体に格納された命令群を実行することができるあらゆる利用可能媒体とすることができる。
【0049】
種々の実施形態について説明してきたが、この技術分野の当業者であれば、変形又は変更を、本開示から逸脱しない限り加え得ることが理解できるであろう。これらの例は、種々の実施形態を例示しているのであり、本開示を限定するものではない。従って、記載及び請求項は、関連する先行技術を考慮して必要となる限定のみが付加されて寛大に解釈されるべきである。
【背景技術】
【0001】
航空機の操縦士及び乗務員は、航空機の航行に伴って発生する騒音に曝される。職業上の騒音曝露は、種々の規制機関から益々注目を浴びるようになっている。航空機内の騒音曝露量を定量化する操作は、例えば飛行する際の騒音源の変化、飛行プロファイル、種々の業務スケジュールの影響、異なる乗務員配置などに起因して複雑である。従って、航空機環境内の騒音曝露量を測定するシステム及び方法は有用性を発揮することができる。
【発明の概要】
【0002】
本開示によるシステム及び方法の種々の実施形態によって、航空機客室騒音曝露量分析の向上を図ることができる。更に詳細には、本明細書において説明される種々の実施形態は、シミュレーションデータ及び履歴データのうちの少なくとも1つのデータを利用して、航空機内の種々の位置での種々の業務状態における騒音曝露量プロファイルを調整することができる。このような騒音曝露量プロファイルは、コンピュータ可読メモリ、例えばデータベースに格納することができる。従って、ユーザは、データベースに適切なユーザインターフェースを介してアクセスすることにより、操縦士及び種々の職種の航空機乗務員に対応する騒音曝露量プロファイルを見積もることができる。例えば、飛行乗務員スケジュール作成者及び規制遵守担当職員は、当該システムにアクセスして、操縦士及び飛行乗務員に対応する騒音曝露レベルを見積もることができる。フライトスケジュール及び/又は飛行プロファイルを変更して騒音曝露量を管理することができる。
【0003】
1つの実施形態では、航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用方法は、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップと、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと、前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、を含む。
【0004】
別の実施形態では、航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用システムは、プロセッサと、そして論理命令群を含むコンピュータ可読メモリモジュールと、を備え、前記論理命令群が前記プロセッサによって実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信し、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し、 前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行ない、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するように前記プロセッサを構成する。
【0005】
更に別の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体に格納された論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によってプロセッサが航空機客室騒音を、操作群を実行することにより見積もるように前記プロセッサを構成し、前記操作群は、航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップと、コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと、前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと、前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと、そして前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、を含む。
【0006】
更に別の適用可能領域は、本明細書において提供される説明から明らかになる。説明及び特定の例は、例示のためにのみ提供され、本開示の範囲を限定するために提供されるのではないことを理解されたい。
【0007】
本開示の教示による方法及びシステムの種々の実施形態は、次の図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの模式図である。
【図2】図2は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの高位操作群を示すフローチャートである。
【図3】図3は、種々の実施形態によるミッションを航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて設定する操作群を示すフローチャートである。
【図4】図4は、種々の実施形態による騒音曝露量をミッション時に、航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて見積もる操作群を示すフローチャートである。
【図5】図5は、種々の実施形態による特定の職員に対応する騒音曝露量を1つ以上のミッション時に、航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいて見積もる操作群を示すフローチャートである。
【図6】図6は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図7】図7は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図8】図8は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図9】図9は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図10】図10は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図11】図11は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの1つの実施形態のスクリーンショットである。
【図12】図12は、幾つかの実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムを実現するように適合させることができる計算装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
航空機客室騒音曝露量分析に関するシステム及び方法が本明細書において説明される。特定の実施形態に関する特定の詳細を以下の説明、及び図1〜12において記載することにより、このような実施形態を完全に理解することができる。しかしながら、この技術分野の当業者であれば、別の実施形態を、以下の説明において記載されるこれらの詳細の幾つかを示すことなく実施することができる。
【0010】
幾つかの実施形態では、本明細書において記載されるシステムを使用して、操縦士及び種々の飛行乗務員に関する騒音曝露量を見積もることができる。例えば、幾つかの実施形態では、フライトスケジュール作成担当者が当該システムを使用してフライトスケジュールを作成すること、及び/又は法令遵守担当者が騒音曝露量規制の遵守を判断することが容易になる。飛行ミッションデータ及び乗務者データは、ユーザインターフェースを介して入力することができる。乗務員及び飛行ミッションに対応する騒音曝露量データが生成され、ディスプレイに提示される。更に、職員に関する騒音曝露量限界が閾値を上回る場合には、警告が提示される。飛行ミッションパラメータの見直し、及び/又は職員の変更を実施して、騒音曝露量パラメータが許容限界内に収まるようにすることができる。レポートは、適切なユーザインターフェース上で生成することができる。
【0011】
本明細書において使用されるように、「flight mission(飛行ミッション)」という語句が、定義されたフライトスケジュールを指すのに対し、「flight leg(飛行区間)」又は「leg(区間)」という語句は、1回の離陸及び1回の着陸によって区切られる、フライトスケジュールの1つのスケジュール部分を指す。従って、飛行ミッションは、1つ以上の区間を含むことができる。同様に、1つの飛行区間は、複数の飛行小区間を含む。
【0012】
図1は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステム100の模式図である。図1を参照するに、1つの実施形態では、システム100は、テストデータ110、騒音曝露計データ(dosimeter data)112、位置データ114、及びミッションプロファイルデータ116を扱う複数のデータストアを備える。幾つかの実施形態では、システム100は更に、騒音曝露量分析モジュール120と、ディスプレイモジュール122と、ミッションプロファイル選択モジュール124と、ミッション見直しモジュール126と、レポートモジュール130と、そしてユーザインターフェース140と、を備える。
【0013】
幾つかの実施形態では、種々のデータストア110,112,114,116は、データベースとして、又はコンピュータ可読媒体に格納されるフラットファイルとして実現される。テストデータ110は、種々の位置に対応し、かつ航空機の種々の運航状態における騒音曝露量データを含むことができる。テストデータ110は、航空機の1回以上のテスト飛行中に収集することができる。騒音曝露計データ112は、種々の位置に対応し、かつ特定の航空機の種々の運航状態における騒音曝露量データを含むことができる。位置データ114は、乗務員位置表示を航空機における位置に関連付けるデータを含むことができる。例えば、操縦士表示は、航空機内の操縦士の位置に関連付けられ、副操縦士表示は、航空機における副操縦士の位置に関連付けられる。客室乗務員表示は、飛行段階が変わるごとに変わる位置に関連付けることができる。例えば、客室乗務員の前方位置は、離陸飛行区間中の客室乗務員用の前方座席に関連付けることができ、その後、水平飛行区間中の前方通路に関連付けることができる。同様に、客室乗務員の後方位置は、飛行離陸区間中の客室乗務員用の後方椅子に関連付けることができ、その後、水平飛行区間中の後方通路に関連付けることができる。ミッションプロファイルデータ116は、飛行ミッションの種々の小区間に対応する飛行データを含むことができる。種々のモジュール及びデータストア110,112,114,116について、以下に更に詳細に説明する。
【0014】
図2は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムの高位操作を示すフローチャートである。図2を参照するに、操作210では、システム100は、飛行中の騒音曝露量を分析するリクエストを受信する。幾つかの実施形態では、当該リクエストは、ユーザインターフェース140を介して受信することができる。図6〜8は、システム100にアクセスする例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットである。まず、図6を参照するに、ユーザインターフェースによってユーザは、飛行ミッション属性を、飛行ミッションプロファイルデータストア116に入力することができる。例えば、飛行ミッション属性は、航空会社コード、飛行機の機種番号、エンジン型式、エンジンパワーユニットなどを含むことができる。一旦、飛行ミッションがミッションプロファイル116に入力されると、システム100の次のユーザは、ミッションプロファイルを取り出すことができ、そして当該ミッションプロファイルを、これらのユーザの特定の必要に従って使用するか、又は変更することができる。
【0015】
第2ユーザインターフェース(図8)によってユーザは、1つの飛行区間の種々の小区間に関する種々のデータ、例えば当該飛行区間の各小区間に対応する運航パラメータ、当該飛行区間の各小区間に対応する日付、及び時刻、当該飛行区間の各小区間に対応する時間長さ、及び当該飛行区間の各小区間に対応する高度及び対気速度表示を入力することができる。この場合も同じように、一旦、1つの飛行区間がデータストア116に入力されると、システム100の次のユーザは、ミッションプロファイルを取り出すことができ、そして種々の小区間属性を、これらのユーザの要求に従って使用するか、又は変更することができる。第3ユーザインターフェース(図7)によってユーザは、ミッションプロファイルのビジュアル表示を見ることができる。
【0016】
図2に戻ってこの図を参照するに、操作215では、飛行ミッションの複数区間の種々の小区間に関して入力されるデータに対応する騒音パラメータを取り出す。幾つかの実施形態では、これらの騒音パラメータは、テストデータ110から取り出すことができる。図9を簡単に参照するに、飛行区間の各小区間に対応する騒音曝露量(LpA)は、テストデータ110から取り出すことができ、そしてユーザインターフェース140上に提示することができる。更に、時間重み付け騒音曝露量パラメータ(Leq)は、当該区間の各小区間に関連付けることができる。ユーザインターフェース(図10)によってユーザは、選択した飛行ミッションにおける選択した乗務員位置に対応する騒音曝露量のビジュアル表示を見ることができる。
【0017】
操作220では、合計騒音曝露量パラメータを、当該飛行区間及び/又は当該飛行ミッション全体に対応して求める。1つの実施形態では、合計騒音曝露量は、当該飛行ミッションの各区間の種々の飛行小区間に亘って合計される時間重み付け平均騒音曝露量として算出することができる。操作225では、合計騒音曝露量をユーザインターフェース上に提示する。図10を簡単に参照するに、当該ミッションに対応する騒音曝露量パラメータ(Leq及びLex)は、ユーザインターフェース上に提示される。Leqとは、乗務員が何時間就業したかどうかに拘わらず得られる一人の乗務員に関する合計騒音曝露量を指す。例えば、乗務員は、10時間の任務、又は5時間の任務を遂行することができる。Leqとは、当該任務に対応する合計騒音曝露量を指す。これとは異なり、Lexとは、曝露量指標を標準化するための8時間の正規化騒音曝露量を指す。
【0018】
操作230において、合計騒音曝露量が閾値を上回ることがない場合、制御を操作235に渡し、そしてフライトスケジュールを終了させることができる。例えば、幾つかの実施形態では、フライトスケジュールの終了操作において、フライトスケジュールをコンピュータ可読メモリに格納する。現在のフライトスケジュールを終了させると、別のフライトスケジュールを取り出すことができ、そして処理することができる。これとは異なり、操作230において、合計騒音曝露量が閾値に一致するか、又は閾値を上回る場合、制御を操作240に渡し、そして警告をユーザインターフェース上に提示することができる。警告に応答して、ユーザは、スケジューリングプロセスの再開を決定するか、又は飛行ミッションの1つ以上の小区間又は区間に対する1つ以上の割り当てを変更するように決定することができる。例えば、乗務員を前方位置から後方位置に、又は逆に、後方位置から前方位置に再配置することにより、当該乗務員が受ける騒音の量を変えることができる。次に、種々の騒音曝露量パラメータを再計算し、そして再度、閾値と比較する。このプロセスは、適切なスケジュールが飛行乗務員に関して決定されるまで継続させることができる。
【0019】
図3は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおいてミッションを設定する操作を示すフローチャートである。幾つかの実施形態では、システム100のユーザは、ミッションプロファイルデータ116に格納される1つ以上のミッションプロファイルを作成することができる。上に説明したように、飛行ミッションは、生データから設定することができる、又は既存の飛行ミッションは、メモリから取り出し、そして複製する、又は見直すことができる。従って、操作310において、既存のミッションを複製する必要がある場合、1つのミッションをミッションプロファイルデータ116から、ユーザインターフェース140を使用して選択する(操作315)ことができる。これとは異なり、操作310において、既存のミッションを複製する必要がない場合、制御を操作318に渡し、そしてシステムのユーザは、ミッション情報を生データに基づいて入力する(例えば、図8参照)。
【0020】
操作320において、これらのミッション区間を複製する必要がある場合、1つ以上の区間をミッションプロファイルデータ116から、ユーザインターフェース140を使用して選択する(操作322)。これとは異なり、操作320において、これらのミッション区間を複製する必要がない場合、制御を操作325に渡し、そしてユーザは、各小区間に対応する飛行パラメータ群をユーザインターフェースで入力することができる(例えば、図8参照)。
【0021】
一旦、各区間に関するミッション情報が、当該ミッション、区間群を複製することにより、又はデータを当該システムに入力することにより完了すると、制御を操作330に渡し、そしてミッションプロファイルをメモリに、例えばミッションプロファイルデータ116に格納する。
【0022】
実際、図3のこれらの操作を利用して、当該システムに飛行ミッションを「保管する」ことができる。一旦、当該システムに一連の飛行ミッションが保管されると、スケジュール作成者は、当該システム内のデータを使用して、航空機内の種々の飛行乗務員位置に対応する騒音曝露量パラメータ群を生成することができる。図4は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおけるミッション時の騒音曝露量を見積もる操作を示すフローチャートである。図4を参照するに、操作410では、1つのミッション、又は1つの特定区間を選択し、そして操作415では、当該ミッション区間における1つの乗務員位置を選択する。必要に応じて、当該区間の種々の小区間の属性のうちの1つ以上の属性をユーザインターフェースで見直すことができる(例えば、図8参照)。
【0023】
操作420では、当該飛行区間の各小区間に対応する騒音曝露量(LpA)をテストデータ110又は騒音曝露計データ112から取り出すことができる。操作425において、問題の飛行乗務員位置が操縦士の位置である場合、制御を操作430に渡し、そして騒音曝露量パラメータ群を、操縦士が装着する能動騒音低減ヘッドセットに関して調整することができる。
【0024】
操作435では、時間重み付け騒音曝露量パラメータ群を計算する。騒音曝露量パラメータ群を計算する方法は、特定の騒音曝露環境に応じて変わる。供用後の飛行テストの場合、合計時間長さTを要する1つのミッションは、m個の小区間を有する。iを1〜mとする場合に、i番目の小区間は、時間長さTiを有し、そして期間Tiでは、ni個の騒音曝露計読み取り値が得られる。この状況では、騒音曝露量は次式に従って計算することができる。
【数1】
【0025】
上の式では、niは、i番目の小区間に対応する期間Tiにおける観測回数である。従って、i番目の小区間のLeq(時間重み付け騒音曝露量パラメータ)は次式の通りである。
【数2】
【0026】
1つのミッションが完了する場合、騒音曝露量パラメータLeq及びLexは次式により与えられる。
【数3】
【0027】
上の式では、T8は、1日の労働時間8時間(28800秒)を表わす。乗務員が同じミッションを帯びて1週間にn日の割合で(1週間に5日の労働日で、又は1週間に40時間の労働時間で)飛行業務に就く場合、1日当たりの騒音曝露量の週平均は次式により与えられる。
【数4】
【0028】
航空会社顧客による調査が行なわれる場合、K個の独立テストサンプルがあると仮定する。顧客は、合計時間長さがTCのミッションプロファイルを有し、そしてi番目の小区間は、時間長さTCiを有する。従って、i番目の小区間に関して、次式が成り立つ。
【数5】
上の式では、
【数6】
は、算術平均であり、そしてLeq−Tjは、同じ小区間のサンプルjから得られ、そして
【数7】
は標準偏差である。
次に、当該小区間のLeqは次式の通りである。
【数8】
当該ミッションのLeq及びLexは次式の通りである。
【数9】
上の式では、T8は、1日の労働時間8時間(28800秒)を表わす。乗務員が同じミッションを帯びて1週間にn日の割合で(1週間に5日の労働日で、又は1週間に40時間の労働時間で)飛行業務に就く場合、1日当たりの騒音曝露量の週平均は次式により与えられる。
【数10】
【0029】
幾つかの状況では、ユーザは、客室を動き回る飛行乗務員の位置に対応する騒音曝露量を予測したいと考える。高度(上昇高度、降下高度の両方、及び対地高度)が閾値(例えば、15,000フィート)を下回る場合、当該ユーザはデータ(固定データ又は不定データ)を、供用後の飛行テストの位置/区間/ミッションから選択することができる。15Kよりも高い高度では、当該ユーザは、百分率piが各グループに割り当てられる構成のN個のグループにおける固定位置のデータを使用することができ、この場合、
i=1,2,3,...,Nであり、かつ
【数11】
が成り立つ。
【0030】
各グループiでは、当該ユーザはデータを、mi個の位置/区間/ミッションから選択することができる。従って、15Kフィートよりも高い顧客のミッションのi番目の小区間では、次式が成り立つ:
【数12】
上の式では、Leq−Tlは、j番目のグループにおける同じ小区間のサンプルlから次式のように得られる:
【数13】
方程式(13)を方程式(8)及び(9)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、操縦士に関する騒音曝露量パラメータを調整して、操縦士のヘッドセットを補正する必要がある。供用後の測定を行なう場合、航空交通管制用通信機器(air traffic communication equipment)は2つの出力を有する:一方の出力は、騒音曝露計データに関する出力であり、そして他方の出力は、操縦士のヘッドセットに関する出力である。騒音曝露計に記録された値からの変換が行なわれ、そして変換数式は次の通りである。
y=α*x+β (14)
【0032】
上の式では、α,βは推定パラメータであり、そしてxは、ATC(航空管制)騒音曝露計読み取り値である。αの正常値は、1〜1.03であり、そしてβの正常値は、−30〜−40である。更に、iを1〜kとした場合に、操縦士にTatcsiとTatceiとの間のATC(航空交通管制)通信が聞こえる場合、Tatcsi≧ミッション開始時刻、及びTatcsk≦ミッション終了時刻が成り立つ。更に、操縦士は、能動騒音低減ヘッドセットを装着して騒音曝露量を減らすことができ、そして能動騒音低減ヘッドセットは、δ>0とした場合に、騒音低減係数δを有する。iを1〜mとした場合、当該ミッションは、m個の小区間を有し、そして各小区間は、開始時刻Tssi及び終了時刻Tseiを有する。
能動騒音低減ヘッドセットを用いる場合、i番目の小区間に関して、TjはdBAATCに対応する時刻を表わし、このdBAATCは、ATC(航空交通管制通信)に対応する騒音曝露計読み取り値であり、従って次式が成り立つ。
【数14】
上の式では、dBAjは操縦士の騒音曝露計読み取り値であり、そして次式が得られる。
【数15】
【0033】
次に、方程式(16)を方程式(2)及び(3)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
これとは異なり、能動騒音低減ヘッドセットを用いない場合、i番目の小区間に関して、Tjは、dBAATCに対応する時刻を表わし、このdBAATCは、ATC(航空交通管制通信)に対応する騒音曝露計読み取り値である。従って、次式が成り立つ。
【数16】
上の式では、dBAjは操縦士の騒音曝露計読み取り値であり、そして次式が得られる:
【数17】
【0034】
次に、方程式(18)を方程式(2)及び(3)に適用して、当該小区間又は当該ミッションの騒音曝露量を得ることができる。
操作440では、操作435において生成される時間重み付け騒音曝露量データをコンピュータ可読媒体に、例えば騒音曝露計データ112に格納する。
【0035】
システム100を使用して、操縦士及び他の飛行乗務員の業務をスケジューリングすることができる。スケジューリング操作時には、システム100を使用して、特定の従業員の業務スケジュールに従って当該従業員が閾値を超える騒音レベルを体験するかどうかを判断することができる。図5は、種々の実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムにおける1つ以上のミッション時の特定の職員に関する騒音曝露量を見積もる操作を示すフローチャートである。図5を参照するに、操作510では、特定の従業員(例えば、操縦士又は飛行乗務員)に関連付けられる職員識別情報をコンピュータ可読メモリから選択する。操作515では、1つ以上の飛行ミッション、及びこれらの飛行ミッションに対応する乗務員位置を、職員識別情報に対応して選択する。操作520では、職員識別情報に対応する合計騒音曝露量を、操作435を参照しながら説明された通りに計算する。
【0036】
操作525において、職員識別情報に対応する合計騒音曝露量が騒音曝露閾値を超える場合、制御を操作535に渡し、そしてエラールーチンを呼び出す。幾つかの実施形態では、当該エラールーチンにおいて、騒音曝露量及び再スケジュール通知を適切なユーザインターフェース上に提示して、当該システムと対話する人間が、1つ以上の異なるフライト、及び/又は異なる乗務員位置に関する職員識別情報を再スケジューリングすることにより、職員識別情報に対応する騒音曝露量を低減させることができる。他の実施形態では、システム100は、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムにより起動することができる。このような実施形態では、当該エラールーチンにおいて、再スケジュール通知を、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムに送信することができる。それに応答して、コンピュータを利用する職員スケジューリングシステムは、1つ以上の異なるフライト、及び/又は異なる乗務員位置に関する職員識別情報を再スケジューリングすることにより、職員識別情報に対応する騒音曝露量を低減させることができる。これとは異なり、操作525において、騒音曝露量が閾値を超えない場合、制御を操作530に渡し、そして職員識別情報に対応する1つ以上の騒音曝露量レポートを提示する。これらの飛行ミッション及び/又は乗務員位置を承認することができる。
【0037】
図12は、幾つかの実施形態による航空機騒音曝露量分析に関するシステムを実現するように適合させることができる計算装置の模式図である。1つの実施形態では、システム1200は、計算装置1208と、そしてディスプレイ1202を含む1つ以上の付属入力/出力装置と、を含み、このディスプレイ1202は、スクリーン1204と、1つ以上のスピーカ1206と、キーボード1210と、1つ以上の他のI/O装置(群)1212と、そしてマウス1214と、を有する。他のI/O装置(群)1212は、タッチスクリーンと、音声作動式入力装置と、トラックボールと、そしてシステム1200がユーザからの入力を受信することができるようにする他のいずれかの装置と、を含むことができる。
【0038】
計算装置1208は、システムハードウェア1220と、そしてメモリ1230と、を含み、当該メモリ1230は、ランダムアクセスメモリ及び/又はリードオンリメモリとして実現することができる。ファイルストア1280は、計算装置1208に通信可能に接続することができる。ファイルストア1280は、例えば1つ以上のハードドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、又は他のタイプのストレージデバイスのように、計算装置1208の内部に設けてもよい。ファイルストア1280は、例えば1つ以上の外部ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ、又は個別ストレージネットワークのように、コンピュータ1208の外部に設けることもできる。
【0039】
システムハードウェア1220は、1つ以上のプロセッサ1222と、2つのグラフィックプロセッサ(群)1224と、ネットワークインターフェース群1226と、そしてバス構造群1228と、を含むことができる。本明細書において使用されるように、「processor(プロセッサ)」という用語は、これらには限定されないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他のいずれかのタイプのプロセッサ又は処理回路のようないずれかのタイプの計算要素を指す。
【0040】
グラフィックプロセッサ(群)1224は、グラフィック操作及び/又はビデオ操作を管理する付属プロセッサとして機能することができる。グラフィックプロセッサ(群)1224は、コンピューティングシステム1200のマザーボードに搭載することができる、又は拡張スロットを介してマザーボードに接続することができる。
【0041】
1つの実施形態では、ネットワークインターフェース1226は、イーサネット(登録商標)インターフェース(例えば、米国電気電子学会/IEEE 802.3−2002を参照)のような有線インターフェースとするか、又はIEEE 802.11a,b対応インターフェース、或いはIEEE 802.11g対応インターフェース(例えば、情報技術−通信とシステム間の情報交換に関するIEEE規格−LAN(ローカルエリアネットワーク)/MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)仕様要求−−パート■:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様書補正4:2.4GHz帯域における更に高いデータレート拡張に関して規定する802.11G−2003を参照)のような無線インターフェースとすることができる。無線インターフェースの別の例が、汎用パケット無線サービス(GPRS)インターフェース(例えば、2002年12月にGSM(登録商標)協会から発表されたモバイル通信のGPRS端末仕様、グローバルシステムに関するガイドライン3.0.1版を参照)である。
【0042】
バス構造群1228は、システムハードウェア1220の種々の構成要素を接続する。1つの実施形態では、バス構造群1228は、メモリバス、ペリフェラルバス、又は外部バス、及び/又はいずれかの多種多様な利用可能なバスアーキテクチャを使用するローカルバスを含む幾つかのタイプのバス構造(群)のうちの1つ以上のバス構造とすることができ、これらのバスアーキテクチャは、これらには限定されないが、11ビットバス、工業規格アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソーシエーション(PCMCIA)バス、及びスモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)を含む。
【0043】
メモリ1230は、計算装置1208の動作を管理するオペレーティングシステム1240を含むことができる。1つの実施形態では、オペレーティングシステム1240は、システムハードウェア1220とのインターフェースとなるハードウェアインターフェースモジュール1254を含む。更に、オペレーティングシステム1240は、計算装置1208の動作に使用されるファイルを管理するファイルシステム1250と、そして計算装置1208で実行されるプロセスを管理するプロセス制御サブシステム1252と、を含むことができる。
【0044】
オペレーティングシステム1240は、システムハードウェア1220と連携動作して、データパケット群及び/又はデータストリーム群をリモートソースとの間で送受信することができる1つ以上の通信インターフェースを含む(又は、管理する)ことができる。オペレーティングシステム1240は更に、オペレーティングシステム1240とメモリ1230に常駐する1つ以上のアプリケーションモジュールとの間のインターフェースとなるシステムコールインターフェースモジュール1242を含むことができる。オペレーティングシステム1240は、Windows(登録商標)オペレーティングシステムとして、又はUNIX(登録商標)オペレーティングシステムとして、又はこれらのオペレーティングシステムのいずれかの派生オペレーティングシステム(例えば、Linux(登録商標)、Solaris(登録商標)など)として、又は他のオペレーティングシステムとして具体化することができる。
【0045】
種々の実施形態では、計算装置1208は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は別の計算装置として具体化することができる。
【0046】
1つの実施形態では、メモリ1230は、コンピューティングシステム1200内のグラフィックプロセッサ群の間で切り替えを行なうグラフィックプロセッサ選択モジュール1262を含む。1つの実施形態では、メモリ1230は、騒音曝露量分析モジュール1260、ミッションプロファイル選択モジュール1262、ミッション見直しモジュール1264、及びレポートモジュール1266を含む。これらのモジュールは、図1に示す類似のモジュール群に対応させることができる。それぞれのモジュール1260,1262,1264,1266は、コンピュータ可読媒体内で符号化された論理命令群を含むことができ、これらの論理命令がプロセッサ1222によって実行されると、これらの論理命令によって、命令プロセッサ1222が、航空機客室騒音を、図2〜5に示す操作を実行し、そして図6〜11に示すユーザインターフェース群のうちの1つ以上のユーザインターフェースを使用することにより見積もるようになる。
【0047】
以上のように、本明細書において記載されるのは、航空機客室騒音曝露量分析を実行するコンピュータ利用システム及び方法である。要約すると、当該システムは、1つ以上のデータストアを備え、これらのデータストアに、航空機内の異なる位置で、かつ異なる業務状態で取得される騒音測定値を読み込むことができる。ユーザは当該システムと、1つ以上のユーザインターフェースを介して対話することにより、飛行ミッションの区間群の異なる小区間に対応するパラメータ群を変化させることができる。ユーザインターフェースを介して入力されるデータを分析モジュールが受信し、当該分析モジュールが当該データを使用して騒音曝露レベルを求める。これらの騒音曝露レベルは、1つ以上の閾値と比較することができ、そして警告を、これらの騒音レベルが閾値(群)を超える場合に提示することができる。1つの飛行ミッションの区間群の異なる小区間に対応するパラメータ群は調整することができ、そして騒音曝露量を、調整済みパラメータ群を用いて再計算することができる。これらの再計算済み騒音曝露レベルは、閾値群と再度比較することができる。騒音曝露量分析パラメータ群は、コンピュータ可読媒体に格納すること、及び/又は印刷出力してレポートを作成することができる。当該システムは、騒音曝露量分析が、操縦士又は飛行乗務員が過度の騒音に曝される虞があることを示唆する場合に警告を提示することができる。
【0048】
これまでの説明では、例示的なプロセスの特定の実施形態について説明してきたが、別の実施形態では、特定の操作は、上に説明した順番で行なわなくてもよいことを理解されたい。別の実施形態では、幾つかの操作を変更し、異なる順番で行なってもよい、又は環境によって異なるが、幾つかの操作を全て省略してもよい。更に、種々の別の実施形態では、説明したこれらの操作は、コンピュータ、コントローラ、プロセッサ、プログラマブルデバイス、ファームウェア、又は他のいずれかの適切なデバイスによって実行することができ、そして1つ以上のコンピュータ可読媒体に格納される、又はそれ以外には、このようなデバイスに格納された、又は書き込まれた(例えば、コンピュータ可読命令群をこのようなデバイスにリアルタイムで送信する操作を含む)命令に基づいて行なうことができる。ソフトウェアを用いる場合には、上に説明したこれらの操作は、コンピュータ命令群を表わすことができ、これらのコンピュータ命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、これらのコンピュータ命令によって、列挙されたこれらの操作が実行される。コンピュータ可読媒体が使用される場合、コンピュータ可読媒体は、デバイスがアクセスすることにより、当該媒体に格納された命令群を実行することができるあらゆる利用可能媒体とすることができる。
【0049】
種々の実施形態について説明してきたが、この技術分野の当業者であれば、変形又は変更を、本開示から逸脱しない限り加え得ることが理解できるであろう。これらの例は、種々の実施形態を例示しているのであり、本開示を限定するものではない。従って、記載及び請求項は、関連する先行技術を考慮して必要となる限定のみが付加されて寛大に解釈されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用方法であって:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップ(210)と;
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップ(215)と;
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップ(220)と;
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェース(140)で行なうステップ(225)と;
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップ(240)と、
を含む、コンピュータ利用方法。
【請求項2】
航空機客室騒音分析に関する第1リクエストを受信する前記ステップは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含むリクエストを受信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンピュータ可読メモリから、前記飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出す前記ステップは、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付けるステップと;
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に:
航空機客室騒音分析に関する第2リクエストを受信するステップであって、該第2リクエストが、第2飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含み、かつ前記固有職員識別情報に関連付けられる、前記受信するステップと;
コンピュータ可読メモリから、前記第2飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと;
前記第2飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと;
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと;
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用システムであって:
プロセッサ(1222)と;
論理命令群を含むコンピュータ可読メモリモジュール(1230)と、を備え、前記論理命令群が前記プロセッサ(1222)によって実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信し(210);
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し(215);
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め(220);
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェース(140)で行ない(225);そして
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発する(240)ように前記プロセッサを構成する、
コンピュータ利用システム。
【請求項9】
航空機客室騒音分析に関する前記第1リクエストは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項10】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項11】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項12】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項13】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付け;そして
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項14】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第2飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含み、更に前記固有職員識別情報に関連付けられる第2リクエストを受信し;
コンピュータ可読メモリから、前記第2飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し;
前記第2飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め;そして
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行ない;そして
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体に格納された論理命令群を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によってプロセッサが航空機客室騒音を、操作群を実行することにより見積もるように前記プロセッサを構成し、前記操作群は:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップ(210)と;
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップ(215)と;
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップ(220)と;
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップ(225)と;
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップ(240)と、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
航空機客室騒音分析に関する第1リクエストを受信する前記ステップは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含むリクエストを受信するステップを含む、
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
コンピュータ可読メモリから、前記飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出す前記ステップは、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
更に:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付けるステップと;
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するステップと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用方法であって:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップ(210)と;
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップ(215)と;
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップ(220)と;
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェース(140)で行なうステップ(225)と;
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップ(240)と、
を含む、コンピュータ利用方法。
【請求項2】
航空機客室騒音分析に関する第1リクエストを受信する前記ステップは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含むリクエストを受信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンピュータ可読メモリから、前記飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出す前記ステップは、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付けるステップと;
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に:
航空機客室騒音分析に関する第2リクエストを受信するステップであって、該第2リクエストが、第2飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含み、かつ前記固有職員識別情報に関連付けられる、前記受信するステップと;
コンピュータ可読メモリから、前記第2飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップと;
前記第2飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップと;
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップと;
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
航空機客室騒音を見積もるコンピュータ利用システムであって:
プロセッサ(1222)と;
論理命令群を含むコンピュータ可読メモリモジュール(1230)と、を備え、前記論理命令群が前記プロセッサ(1222)によって実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信し(210);
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し(215);
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め(220);
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェース(140)で行ない(225);そして
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発する(240)ように前記プロセッサを構成する、
コンピュータ利用システム。
【請求項9】
航空機客室騒音分析に関する前記第1リクエストは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項10】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項11】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項12】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項13】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付け;そして
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項14】
更に、論理命令群を備え、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によって前記プロセッサが:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第2飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含み、更に前記固有職員識別情報に関連付けられる第2リクエストを受信し;
コンピュータ可読メモリから、前記第2飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出し;
前記第2飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求め;そして
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行ない;そして
前記第1飛行ミッション及び前記第2飛行ミッションに起因する前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するように前記プロセッサを構成する、請求項8に記載のコンピュータ利用システム。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体に格納された論理命令群を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記論理命令群が実行されると、前記論理命令群によってプロセッサが航空機客室騒音を、操作群を実行することにより見積もるように前記プロセッサを構成し、前記操作群は:
航空機客室騒音分析に関するリクエストであり、かつ第1飛行ミッションに関連する複数の飛行パラメータを含む第1リクエストを受信するステップ(210)と;
コンピュータ可読メモリから、前記第1飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出すステップ(215)と;
前記第1飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求めるステップ(220)と;
前記合計騒音曝露量を含む出力をユーザインターフェースで行なうステップ(225)と;
前記合計騒音曝露量が閾値を超える場合に、警告をユーザインターフェース上で発するステップ(240)と、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
航空機客室騒音分析に関する第1リクエストを受信する前記ステップは:
乗務員表示;
複数の飛行小区間;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する飛行パラメータ;
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する時間パラメータ;及び
前記複数の飛行小区間の各飛行小区間に関連する速度パラメータ、
のうちの少なくとも1つを含むリクエストを受信するステップを含む、
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
コンピュータ可読メモリから、前記飛行ミッションに対応する前記複数の飛行パラメータに関連する複数の騒音パラメータを取り出す前記ステップは、前記飛行パラメータ群に対応する騒音曝露レベルを取り出すステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、前記飛行ミッションに対応する時間重み付け平均騒音曝露量パラメータを求めるステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記飛行ミッションに関連する合計騒音曝露量パラメータを求める前記ステップは、調整係数を、前記複数の騒音パラメータのうちの少なくとも1つの騒音パラメータに適用するステップを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
更に:
前記飛行ミッションパラメータ群及び前記合計騒音曝露量パラメータを、固有職員識別情報に関連付けるステップと;
前記飛行ミッションパラメータ群、前記合計騒音曝露量パラメータ、及び前記固有職員識別情報をコンピュータ可読メモリに格納するステップと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−502652(P2013−502652A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525609(P2012−525609)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/044899
【国際公開番号】WO2011/022236
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/044899
【国際公開番号】WO2011/022236
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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