説明

航行データ収集および信号の後処理

【課題】
航行衛星システムに関し、特に位置決定がリアルタイムで行う必要がなく、バッチ処理ができる場合における、データ収集及び信号処理は時間及び場所をそれぞれ単独に行う、位置決定デバイスを提供すること。
【解決手段】
航行衛星信号のデータ収集のための電波受信機と、前記信号のサンプルを記憶するメモリと、電波受信機がオリジナル航行衛星信号を収集した後にオリジナル位置を抽出するためにメモリのあるデータをリプレイおよび信号処理する後処理機とを含む航行システム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年11月25日に出願した、並列データ収集及び信号処理を有する地球航行衛星システム受信機、関連方法及びその装置を名称とする、米国仮出願第60/989,945号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、航行衛星システムに関し、特に位置決定がリアルタイムで行う必要がなく、バッチ処理ができる場合における、データ収集及び信号処理は時間及び場所をそれぞれ単独に行う、位置決定デバイスに関する。
【0003】
(先行技術)
基本的に、地球航行衛星システム(GNSS)受信機は、緯度、経度及び高度による、もしくは、地図上にアイコンによる位置特定をするためのものである。また、オプションとして、地球航行衛星システム受信機は、スピード、方向および非常に正確な時間に関する情報も提供してくれる。完全自律型の航行衛星システム受信機は、外部ソースから得られる任意の時間、位置、ドップラー、もしくは暦補助情報を受けずに、周回軌道衛星からの最初の変化する信号の検索によるかなりの遅れの後に最初の位置を提供することができる。
【0004】
完全自律型の地球航行衛星システム受信機において最初の位置特定に長時間を必要とすることは、携帯デバイスのバッテリーをかなり消耗する。多くの場合、地球航行衛星システム受信機は、アップデートされる位置決定が写真およびその他のオブジェクトと関連付けることができるため、外に出しっ放しにしておかなければならない。
【0005】
電波受信器の検出感度は、この受信機の作動のために必要とする最小電波周波数信号強度の基準となる。完全自律型の地球航行衛星システム受信機において、受信した信号の強度は衛星による航行メッセージデータ放送(Navigation Message data broadcast)を復調させるほど十分でなければならない。
【0006】
補助装置付き地球航行衛星システム受信機では、ドップラー、暦、時間および天体暦に関する情報は補助データとして事前に引き渡されていることで、衛星に信号放送から得る必要はないため、より少ない時間で最初の位置を得ることができる。アキュムレータでの相関処理の進歩は、ノイズに深く埋まっているかすかな信号から擬似距離(pseudorange)を割り出すことができる。航行メッセージが復調される必要がなければ、地球航行衛星システム受信機の検出感度が大幅に向上する。実際に、いくつかの地球航行衛星システム受信機の検出感度が高く、ボードの室内や机のしたでも操作することができる。
【0007】
(発明の概要)
つまり、本発明航行システムの一実施形態は、電波受信器、メモリ、および後処理ユニット。本発明の更なる実施形態は、その場合に必要とする補助情報がなくとも、位置特定することができる。本発明の実施形態、その場に十分に長時間に作動できない受信機であっても位置特定することができる。
前記好ましい実施形態を始めとする本発明は、図面を伴う本明細書の説明およびその他の実施形態読めば、当業者にとって明らかに明確な内容になっている。
(実施形態の詳細な説明)
【0008】
図1は、一般参照番号として100で示されている本発明のシステムの実施形態を表している。
図2は、本発明の1実施形態としてのGNSSデータ収集ユニット200を図示している。
【0009】
図3A−3Cは、図2の似たGNSSデータ収集ユニットを配置および操作する3つ役に立つ形態を示している。図3Aにおいて、結合デバイス300が大容量記憶装置304を伴うマイクロコントローラ302を含んでいる。トリガー306は、例えば、デジタル画像、動画もしくはサウンドファイルのような別タイプのデータの記憶を主なる機能とする大容量記憶デバイス304に記憶されている生サンプル310をGNSSデータ収集ユニット308に収集しデジカル化させるように発せられうる。
【0010】
図3Bにおいて、メモリカード320は、GNSSデータ収集ユニット324が受信することができるワイヤレストリガー322を発する機能を備えている。このトリガーは、生サンプルを収集させ、そして内部大容量デバイス326に蓄積できるようにデジタル化させることができる。図3Cにおいて、メモリカード330自体が大容量デバイス332を有する。GNSSデータ収集ユニット336に受信されるメモリカード330からのワイヤレストリガー334は、生サンプルを収集させ、そして一時的メモリバッファー338に蓄積できるようにデジタル化させる。収集されデジタル化された生サンプルは後にワイヤレス接続340によってメモリカード330および大容量デバイス332に転送される。
【0011】
生のGNSSのIF信号がGNSSデータ収集ユニットに一旦記憶されれば、後処理ユニットに転送され、前記データは定位置が抽出されるように処理される。最初のステップは、衛星の検索である。各衛星からの非常にかすかな信号を成功に検出するために、入力信号および信号の局所複製の間において信号相関が行われる。衛星の異なる場所および相対的な進入速度のため、各衛星から記録した信号は、異なる符号位相および異なるドップラー周波数のずれをもつ。各可能な符号位相とドップラー周波数シフトとのコンビネーションは仮説を定義するために用いられうる。各衛星の符号および周波数の検索の過程において、相関器のアウトプットにあるピークが検出されるまで、相関処理は各仮説に対して繰り返し行う。それらのピークは正しい符号位相およびドップラー周波数が見つかったことを指す。
【0012】
従来のGNSS受信機では、リアルタイムにデータ処理要求を満たすには、非常に大変である。相関処理は通常にGNSS受信機に含まれる専用なハードウェアによって実行される。
本発明の多くの実施形態では、相関処理に対してリアルタイムによる要求はなく、非常に安い相関器を使用することができる。例えば、パーソナルコンピュータのような外部装置でソフトウェアによる相関処理を行うことができる。
【0013】
一般的な航行受信器の信号処理は、主プロセッサー、インテル(登録商標)のMMXコプロセッサーによう特殊化されたコプロセッサー、もしくはグラフィック処理装置(GPU)のような周辺機器コントローラによって実行されうる。このようなタイプの計算にGPUを用いることで、非常に効率的にそれぞれの処理をパラレルに実行しうることは非常の興味をそそるものである。ATIやNVidiaのような多くのパーソナルコンピュータベンダーは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(ATI‘s)をそれらのプロセッサーを汎用ユニットとして用いるために提供している。別の方法は、信号処理のためにGNSSの生のIFデータをインターネットにあるサーバにアップロードし、または、分類して複数の特殊化されたサーバもしくはインターネットに接続している分散型コンピューティングアーキテクチャを有する汎用コンピュータマシンに再分配する。これは、多様な専門化およびプライベート図書館を活用することができるため、各定位置を計算する時間の要求を劇的に改善することができる。
【0014】
一旦、後処理が全ての衛星を割り出した場合、符号位相および異なるドップラー周波数シフトの詳細な測定は実行される。符号位相測定の正確さは、正確な定位置の基となる正確な疑似距離を得るために欠かさない。
符号位相を正確に測定する1つ特殊な方法は、まず各衛星にとってはユニックである信号と加工された疑似ノイズ(PN)順序の複製と相互に関連付ける。入力したPN順序の符号位相とPN複製の符号位相との間の時間的整合が正しい場合、結果信号の周波数スペクトルを観察すると、ドップラー周波数シフトと一致するラインが見られる。もし、符号位相整合が正しくなければ、PN順序(1.023MH、GPS C/Aコード用)のチップ速度によって間隔をあけられた別のスペクトルラインが観察される。任意のすれが増えれば、ほかの周波数成分の値も大きくなる。したがって、正しい符号位相は、高い周波数スペクトルラ線形成分の値を最小化する符号整合の選択で決めることができる。
【0015】
ご処理の次のステップは、3つのユーザの位置の値および1つの確かな受信機クロックオフセット値が未知数である、航行方程式(数1)を解くものである。航行メッセージにある(Navigation Message)暦および天体位置表が衛星の位置を記述しているから一旦各衛星からの送信の正しい時間が分かれば、その衛星の位置が分かるため、従来のアプローチでは、衛星の位置を既知数と仮定している。
【0016】
そこの4つの未知数があるため、位置を決めるには少なくとも4つの衛星からの測定が必要である。各衛星の測定は4次元連立方程式のパズルの1つのピースを提供する。疑似距離は測定されうるため既知数として仮定される。疑似距離は、全ての衛星へのオフセットコモンを足した、ユーザと各衛星と間の距離を指す。疑似距離は符号位相測定および各衛星からの送信時間によって決められる。
【0017】
各関連のある衛星#について
【数1】

ここで、

は衛星#の疑似距離、正確な符号位相および送信時間の抽出に基づいて測定される。

は光の速度、既知数である。

はユーザ位置、決める対象の未知数である。

は衛星#の位置、天体位置表および時間情報から得られる。

は受信機の共通クロックタイムオフセットで、決める対象の未知数である。

は衛星#のためのクロックオフセットの補正で、天体位置表の情報に基づく。
【0018】
各衛星の任意の一瞬の位置を決めるのに2つの情報が必要となる。1つは、天体位置表であり、衛星軌道モデルおよび測定のために用いられる信号が送信されるのに相当する時間を定義するパラメータのセットである。
各衛星の送信時間の決定は、航行方程式系を解くのに重要である。送信時間は入力された信号のデータ順の解析、および、衛星によってミリ秒毎に発せられる全部の疑似距離符号配列のどこに特定の部分がフィットするかによって特定される。もしくは送信時間は航行方程式系の解にある外部未知数として含まれうる。
【0019】
最初のケースにおいて、問題は基本的に、求められる信号の符号配列の部分を有する受信された信号の符号配列を整列することに存在する。たとえば、もし、データ収集ユニット102(図1)比較的長期間にかけてデータを受信すれば、送信時間という未知の部分を解くのに十分なサンプル情報を得られうる。例えば、もし信号レベルが、信頼性のあるデータの復号ができるほど十分強ければ、もしそのデータの受信が6秒以内なら、例えば後処理機104によって復元されたデータは、タイムオフウィーク(time os week、TOW)タイムスタンプを有することになる。こはでは送信時間を明らかに決めることができる。
【0020】
もしデータキャプチャーウィンドウが小さすぎるが、さまざまなデータビット(各20ミリ秒、GPS C/A符号)を含んでいるほど強ければ、もしデータビットの変遷がデータ取得時に生じた場合、従来のデータ配置技術は、異なる付与仮説(alignment hypotheses)に用いられうる。たとえば、図1の任意のアシスタントサーバ106、GNSS放送データビット配列情報を提供することができる。
【0021】
このようなデータビット配列は、データ削除技術(data wipe-off techniques)ための検索プロセスおよび相関処理の処理利得を更に増やすことに用いることができる。
データ受信時間内にデータビットの送信が得られないケースもある。これは、GPA C/A符号としてGNSS信号構造がサブフレーム4もしくは5の間にデータ収集が行われた場合おいて特に重要である。場合によって、ビット送信のない時間が一秒以上わたる可能性がある。この場合においては、データ配置技術は送信時間の抽出の目的に用いることはできない。
【0022】
もし、タイムスタンプ情報は、ビット送信が行われない確率が高い時間インタバル内にトリガーイベントが生じるか否かを決めるのに十分正確であれば、例えば、マイクロコントローラ216は、データ収集プロセスをビット送信の可能性が高くなる時間に延期することができる。その代わりに、デルアルデータキャプチャーが実行されうる。最初はトリガーの瞬間において、第二はより好ましい時間帯の後に行うことができる。第二のデータキャプチャーの場合は正確なタイム情報を抽出するために解析されうる。そして、この正確なタイムは、最初および第二のデータキャプチャーの間で経過した時間の合計を決めることによって得られるPN符号の継続、つまり1ミリ秒以内のGNSS信号を有する最初のデータキャプチャーをラインアップするのに有用である。トリガーの瞬間における最初データキャプチャーの地理ロケーション(geo-location)は、正確な時間情報を抽出することで第二データキャプチャーを解析することによって、正確に決定されうる。
【0023】
もし、タイムスタンプは好ましくない時間帯においてトリガーが生じるか否かを決定するのに十分な正確さを有しない場合、もしくはそこにタイムスタンプが存在していない場合、データキャプチャーの時間分は、データキャプチャーと伴うビット送信の発生の可能性が増えるまで延長される。数秒間分のデータを取得する必要があるため、メモリスペースの観点からみればこれはハイコストとなる。データの収集は複数回の比較的に短時間内に行うことができる。ウィンドウが少なくとも1つの時間帯においてビット送信の可能性を最大化する時間帯に適切に配置されうる。もし前記データ収集が時間抽出およびタイムスタンプ情報伝達を許可することは、初期および現在のデータキャプチャーの間のタイムインタバルを決定するのに十分正確であれば、初期データキャプチャーから得られた転送時間と異なるタイムスタンプを追加することによって、現在のデータキャプチャーの時間転送を決定することが可能である。タイムスタンプの予測できない時間のずれの最大化に関連した、2つのデータキャプチャーの間タイムインタバルは、この技術が時間抽出のために必要な正確さが十分な伝播時間(propagated time)を提供することができるか否かを決定する。
【0024】
航行方程式系を解く場合、別の非常の異なったアプローチは、送信時間を未知数とする。この場合では、使用している衛星の間伝搬遅延におけるミリ秒の相違整数(coarse difference integer numbe)を知ることが重要である。この方法では、送信時間は各衛星の独立未知数とは対照的に、全ての衛星間において単独の未知数によって表される。結果として、航行方程式系において未知数の数が4から5に増えた。よって、少なくとも5つの衛星はこの方程式を解くために必要となる。 各衛星からの伝搬時間において相違整数を決める1つの方法は、近隣の初期位置(coarse position)情報を取得することである。これは、正確な伝搬時間時差情報を提供するためには、真の位置から150キロメートル以内の距離が必要とする。衛星によって送信されたPRN符号配列はミリ秒毎に繰り返し、信号は、そのときに300キロメートルを転送するになる。もしその位置の不確実性が半分の150キロメートル以上なら、初期伝搬時間時差に関して、異なる仮説を試す必要がある。従来の補助GNSSシステムにおいて、この初期位置情報は、Zカウント(z-count)もしくはミリ秒整数と呼ばれ、整数の不明確さと呼ばれる問題を解決する必要がないために多くの時間および努力をセーブすることができる。
【0025】
一旦ユーザ位置が疑似距離方程式系の解によって既に決定されると、従来のアプローチにおいて、ドップラー振動数方程式系はユーザの速度および受信機のクロック周波数オフセットを決めるために用いられる。
【0026】
本発明の実施形態は、ドップラー振動数方程式系を用いる際に、ユーザ速度が無視されることを仮定する。初期タイムスタンピングは衛星の位置および速度の決定に用いられる。ドップラーシフト測定は、過去のラフなユーザ位置について解く代わりに用いられる。そして、位置決定は疑似距離方程式から計算され、最後に正しい位置が非常に早く得ることができる。
【0027】
ドップラーシフト測定は符号位相測定のように正確ではないことと、初期時間情報が用いられたこととから、計算された位置は疑似距離から得られた位置ほど正確ではない。しかしながら、多くのケースにおいて、ユーザ位置のドップラーシフト測定決定は、衛星間の初期転送時間差を決めるための初期位置として用いるのに十分に正確である。少なくとも、それは、初期転送時間差前提の可能性をより小さく限定するのに十分に正確である。
【0028】
一旦初期位置は得られれば、疑似距離方程式は、正確な定位置および正確な転送時間を決めるのに用いられる。符号位相および衛星クロックオフセットの任意の補正後、転送時間は、最も近いミリ秒整数の倍数に、もしくはビット送信瞬間が分かれば最も近い20ミリ秒の倍数に切りそろえることができる。データ収集技術も、更なる20ミリ秒の倍数によって送信クロックをオフセットするのに用いられうる。一旦調整された送信時間が得られた場合、位置決定はさらに、フィックスした送信時間を用いる航行方程式系を解くことによって定義されうる。
【0029】
各関連のある衛星のためのドップラー振動数シフト方程式系は下記通りです。
【数2】

ここで、

は光の速度である。

は、ドップラーシフトを含む衛星#周波数シフトキャリアで、正しい周波数情報に基づいて測定される。

は、衛星#(1.57542-GHzマイナスL1バンド衛星クロック周波数エラー)が送信したキャリア周波数で、既知数である。

は、衛星#速度ベクトルで、天体位置表および時間情報から得られる。

はユーザ速度、ゼロと仮定されている。

はユーザ位置、原則としてこれから求める未知数である。

は、衛星#の位置で、天体位置表および時間情報から得られる。

は、RFクロック周波数オフセットで、これから求める未知数である。
【0030】
このような技術は、従来の補助GNSS受信機と同じレベルの位置補助が提供されるという強みがなくとも受信機の感度を拡大するのに用いられうる。この技術は、さらに、例えば、アシスタントプロバイダーが携帯電話情報を入手できない携帯電話のアプリケーションの場合、もしくはセル基地局の座標を知らない場合のように、位置補助は一般的に提供されない従来型補助GNSS受信機に、独自のアシスタントを持たせることで、従来型補助GNSS受信機に用いられうる。
【0031】
図4は、時間の改善、および、位置補助情報がなくても最初の位置特定を割り出す取り組みを減らすための方法400を示している。方法400は2つのパートを含む。第一パートでは、前記ドップラーシフト測定を用いて初期的位置が得られる。第二パートでは、得られた初期的位置は擬似距離方程式(pseudorange equations)の解をとくために用いられる。特に、ステップ402は方程数2にインプットするために必要なドップラーシフト測定を得る。ステップ404は方程数2をとき、初期的位置を割り出す。
【0032】
ユーザ位置はいずれかの可観測の衛星への疑似距離整数値アンビギュイティ(Integer Ambiguity)を有せず、または、ステップ406は、可観測の衛星への疑似距離を測定する。ステップ408は先に得られた初期的位置を使って、方程数1を解く。ステップ410は、超精密で正確なユーザの位置特定をアウトプットする。
【0033】
従来のGNSS受信機では、GNSSのIFの生データはリアルタイムに処理され、また、一般的に新しい測定は毎秒毎に行われる。書換えに必要なデータは、既に削除されたため、2つの測定瞬間の間の位置を特定することは不可能である。
【0034】
本発明の実施形態はこれらに限定されない。オリジナルデータは、収集時間(collection time windows)の任意の瞬間に位置を計算し直すために再処理されうる。新しいユーザ位置は非常に細かい測定瞬間のインタバルによって突き止められる。これは、例えば事故の再構成解析のように、ユーザが詳細な軌跡の特定を必要とする場合において特に有用である。
【0035】
RTC214およびRFクロック204はフロントエンド206およびADC208に使われる、GNSSデータ収集ユニット200にある2つのオンボードクロックは調整を要する。RTCは、成功な位置特定の間で得られたGNSS時間データに基づいて、あらゆる絶対時間オフセット(absolute time offset)を常に調整することができる。測定された補正(offset)はRTC時間の再調整に、もしくは信号処理ユニットにおける補完のみに用いることができる。
【0036】
RFクロック周波数オフセット情報は、ドップラー振動数方程式(Doppler frequency equation)の処理システムによって計算され、または、GNSSデータ収集ユニットもしくは信号処理ユニットに蓄積される。オフセットの経過を追うことは、衛星探索過程に間ドップラー周波数シフト範囲において、探索ウィドウを狭めていくために重要である。
【0037】
これは、定置(FIX)を計算するために要求される、もしくは長い積分時間において任印のコード位相のゆがみ(codephase skew)を適切に補完する処理時間をセーブする。
【0038】
例えば補助情報メッセージ106を提供する任意のGNSSアシスタントサーバは、与えられた過去の任意の時間における全ての衛星の天体位置表を提供することができるはずである。これを達成するためには、天体位置表の情報の陳腐化がどれぐらい早いか、また電離層補正のアップデートがどの頻度で行うかによって決定した精度で、世界中に存在する全ての条件をアーカイブに保管するようにデータベースを維持しなければならない。電離層補正は改良された正確さを提供し、暦の情報は衛星の可視性の計算(satellite vehicle visibility list)の役に立つ。
【0039】
このようなデータは、ジェット推進研究所(JPL)およびその他の第三者の情報から得ることができる。もしくはその代わりに、非標準の独自のデータ収集ネットワークが構築し収録されうる。この場合、もし全世界をカバーすることが望まれれば、陸上局は、任意の時間帯において少なくとも1つの局(ステーション)が各衛星を確認できることを保証できるように、世界中に異なる場所で設けられなければならない。1つの中央サーバは、全世界のユーザの使用できるように異なる局から情報を収集し、統合処理することができる。冗長技術は、単独の構成に異常が発生した場合でも、システムの信頼性を高めるために配備されうる。
【0040】
本発明のGNSS信号処理ユニットの実施形態は、別のデバイスのアプリケーションレベルレイヤーと直接に相互作用させるように設定されている。信号処理ユニットは、アプリケーションレベルレイヤーに位置、速度および時間に関する情報を簡単に提供することができる。もしくは、信号処理ユニットにインプット装置を含むことができる。例えば、初期的位置の補助情報は、ユーザがマップ上をクリックし、GNSSの生データが得られる州または都市を特定することによって提供されることができる。ユーザは、例えば、信号処理ユニットにとって不明瞭となる複数の位置情報から正確な情報の選択にように、不正確な位置情報の削除を手伝うこともできる。
【0041】
このアプリケーションレベルにおいて、位置情報は、ほかに得られたデジタル画像または音声記録等のような情報と結合することができる。その結合はタイムスタンプマッチングもしくはその他のメカニズムに基づく。一旦静止地球軌道(GEO)タグ付けが完成すれば、ロケーション、マッピング、マップマッチングに基づくソートおよび/もしくはグルーピング、速度もしくは加速度に関する情報に基づく選別、およびその他の仕上げは完了することができる。例えば、もし結合し予想されたユーザの速度もしくは加速度(後処理装置による提供)が高すぎれば、1つのアプリケーションは、画像ファイルを取り除くことができる。この技術は、自動的にピントがぼける可能性のある写真を見つけることができる。
【0042】
単独型のバッテリーで動く携帯型GNSSデータ収集ユニットは、フラッシュドライブもしくはキーホルダーのような小さくすることができ、そしてGNSSデータをユーザがボタンを押すときに収集することができる。ユーザが必要とする任意の時間に静止地球軌道(GEO)タグ情報を得ることができる。また、それは、ほかのイベントによって外部から引き起こされることができる。
【0043】
例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ボイスレコーダー、メディアプレイヤー等の他のデバイスに内蔵されたGNSSデータ収集ユニットは、例えば、公共施設保守チーム、不動産屋、および警察等のような、特定の画像および/または音声説明にロケーションを結合させたいユーザのために特に有用である。GNSSデータ収集ユニットメモリカードに内蔵させることができる。もしそのメモリカード機械的および電気的に従来のメモリカードと互換することができれば、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラおよびレコーダー等のような他の既存のデバイスにシームレスに用いられうる。もしユーザが静止地球軌道(GEO)タグに興味を持っておりなら、彼もしくは彼女は、静止地球軌道(GEO)タグ機能内蔵の真新しいデバイスを購入する代わりに、メモリカードを交換するだけで十分である。
【0044】
GNSSデータ収集ユニットは、例えば、自動車の衝突事故、飛行機のブラックボックスもしくはビルディングの爆発のような高速イベントにおいて、データレコーダーとして機能する。このような場合において、このユニットは常に最後の一定時間のGNSSデータを秒単位もしくは分単位に記録することができる。例えば加速度計のようなクラッシュ検出器は、最後のデータ収集の作動を引き起こすことができる。そのデータ収集は引き起こされた瞬間もしくは引き起こされてから一定の期間後の行うことができる。少なくとも大容量記憶デバイスが想像されうるクラッシュに耐えられうるように、このユニットは、十分に頑丈でなければならない。
【0045】
各種シナリオもしくはテストサイト信号の長い時間のレコーディングのため、GNSSデータ収集ユニットは大容量を有する。収集されたデータは、テスト目的のための従来の1Hz受信機に対比して1000Hz更新レートで位置を計算し、もしくはRFステージを迂回し、プレイバックおよびテストサイトの条件の復元を認めるプラットホームにそのデータを提供することによって、検出および/または航行アルゴリズムを最適化するために用いられうる。
【0046】
本発明の1つのビジネスモデル実施形態において、各ユーザは、例えば102、200、300、324、もしくは336のデータ収集デバイスから得られる位置特定の数に基づいて料金が徴収されうる。これは、請求書機能を併せ持ったGNSSアシスタントサーバによって制御されうる。
【0047】
タグされた位置に近いローカルビジネスからの広告に関して、補助サーバはタグされた場所(位置)に近いビジネスもしくはタグされたロケーションと何らかの関係を有するビジネスの広告もしくはクリック報酬型のリンクを表示する。
【0048】
自分の足で得られたユーザによるマーケッティング情報は価値があり売ることができる。ある特定層のユーザに関連するロケーションタグの情報、そしてそのユーザに関する情報が特定地理的地域のタグと結合されれば、マーケット調査において価値があり、売ることができる。このようなタイプの情報は、特定の個人もしくは個人層のライフスタイルや消費習慣、もしくは特定のロケーションに通う個人層を特徴付けることができる。
【0049】
サーバ側の信号を提供および変更することできる。ユーザは、座標に転換させるために、生のIFデータ、および、タイムスタンプ、加速度、周囲等のようなその他の収集したデータをリモートサーバにアップデートすることができる。たとえば、データ削除もしくはその他の技術のような高度な動作要求に対して、割り増し料金が請求されうる。
【0050】
ここに挙げた好ましい実施形態で記述された本発明がこれらの記述に限定されないことは明らかである。当該技術分野の技術者は本明細書を読めば、きっと数多くの代替および改良実施形態を考え出せる。したがって、前記代替および改良実施形態の全てが本発明の特許請求の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、地球航行衛星システムデータ収集ユニットおよび1つ後処理プロセッサーを少なくとも含む本発明のいつシステム形態の機能ブロック図である。
【図2】図2は、本発明のGNSSデータ収集ユニットの実施形態の機能ブロック図である。
【図3】図3A−3Cは、本発明のメモリに内内蔵したGNSSデータ収集ユニット3つ異なる構造の実施形態の機能ブロック図である。
【図4】図4は、整数値バイアス(integer ambiguity)を解消するためにドップラーシフト測定が用いられ、最初の位置特定をより短い時間で提供する本発明の方法の実施形態のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以前訪問した場所を記録するシステムであって、
受信し、低い周波数に変換し、サンプルをデジタル処理し、訪問した時間および場所の航行衛星信号を受け取るための電波受信器と、
いつ、どれぐらい長く前記航行衛星からの信号の受信、低い周波数への変換、サンプルのデジタル処理、および受け取りを制御するタイマーと、
前記タイマーによって、受信、低い周波数への変換、サンプルのデジタル処理、および受取りが許されているサンプルレコードの全ての衛星信号を記録する不揮発性アーカイブメモリと、
前記衛星信号が受信し、低い周波数に変換し、デジタル化しそして電波受信機によって収集されることを前記タイマーが許可した場合、訪問した時間および場所と実質的に異なる時間および場所の前記サンプルレコードの通信手段と、
前記通信手段とともに提供され、アーカイブメモリにある前記サンプルレコードをリプレイおよび信号処理し、および、現在電波受信器の所在地ではなく、以前に訪問した前記時間および場所の電波受信器の時間および定位置(position fix)を計算することができる後処理機と
を含む以前訪問した場所を記録するシステム。
【請求項2】
もし前記訪問した時間および場所における速度もしくは加速度がいくつかの閾値を超えると決められる場合、前記後処理ユニットがファイル情報を取り除き、もしくはタグ付き人工データを用いることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
以前訪問した時間および場所における画面および/または音声のデジタルメディアレコーディングであって、電波受信機が前記航行衛星信号を取得し、前記サンプルレコードをアーカイブメモリに記録したデジタルメディアレコーディングをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記後処理ユニットに提供され、電波受信機がタイマーによって前記航行衛星信号からの受信を許可され、そしてアーカイブメモリにある前記サンプルレコードとして記憶される前記時間と場所に関連する、非リアルタイムの従来の補助情報をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
以前訪問した時間および場所に記憶された任意の衛星信号を検索および追跡するため、弱い信号周波数および符号位相仮定を採用してアーカイブメモリから転送された前記サンプルレコードの繰り返す再生のための前記後処理ユニットに結合し、および、周波数および符号位相検索を追跡および改良することに用いられる増える再生の数から集められ、積み重ねられた情報から抽出した有用な情報を増やす再生メモリをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記後処理ユニットが作られた疑似ノイズ(PN)の配列の複製を有する前記サンプルレコードに表される最初の関連受信信号によって、以前訪問した前記時間および場所で生じる符号位相を測定し、前記サンプルレコードに表され入ってくるPN配列符号位相とPN複製の符号位相との間の時間的整合が正確で、結果信号の周波数スペクトルを観察すると、ドップラー周波数シフトと一致するラインが見られ、もし、符号位相整合が正しくなければ、PN順序のチップ速度によって間隔をあけられた別のスペクトルラインが観察される。任意のすれが増えれば、ほかの周波数成分の値も大きくなるため、正しい符号位相は、高い周波数スペクトルラ線形成分の値を最小化する符号整合の選択で決めることができることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記後処理ユニットが、アーカイブメモリに含まれているサンプルレコードからのタイマーによって定義される収集時間ウィンドウにあるインスタントで訪問した場所の収集を提供し、そして以前訪問した時間および場所が非常に正確なインスタントメジャメントインタバルによって突き止められることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
時間に感覚があけられた定置のための多様な時間オフセットが、訪問情報の時間の改良のために後処理ユニットにあるリアルタイクロック(RTC)周波数オフセット情報を見積もることと、最も近いクロックキャリブレーションインスタントおよび見積もられた最悪の場合のクロックずれからタイムスタンプがどれほど遠いかによって、タイムスタンプ任意のRTCタイムスタンプ不確実性を見積もることに用いられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
後処理ユニットに対して初期位置補助情報を提供てき、また、ユーザに複数の候補位置から1つ初期ユーザ位置を選択させることを許可するためのユーザデバイスをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
受信、以前訪問した時間および場所における衛星信号の低い周波数への変換のための電波周波数(RF)フロントエンドと、
低い周波数への変換後の前記衛星信号のデジタルサンプルを得るためのデジタル・サンプラーと、
前記航行衛星信号が受信、低い周波数に変換、サンプルをデジタル化、および、RFフロントエンドおよびデジタル・サンプラーに収集されるのがいつそしてどれぐらい長いかを制御するタイマーと、
前記訪問した時間および場所と一致するサンプルレコードに前記デジタルサンプルをパッケージ化および記憶するためのアーカイブメモリと
を含み、
時間もしくは場所の回答は計算またはアウトプットされず、唯一実質的なアウトプットは外部デバイスへの前記サンプルレコードの通信手段であることを特徴とする、以前訪問した時間および場所を記録するための地球航行衛星システム(GNSS)データ収集ユニット。
【請求項11】
以前訪問した時間および場所で撮った写真からの前記サンプルレコードを結合させるタグをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項12】
古いデータは新しく入ってくるデータによって書き換えられ、前記ユニットが常に直近のデータを保持できるようにアーカイブメモリに配置される循環バッファをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項13】
前記デジタルサンプルの収集の開始もしくは終了を引き起こす外部ソースからのトリガーをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項14】
もし、タイムスタンプ情報は、ビット送信が行われない確率が高いタイムインタバル内にトリガーイベントが生じるか否かを決めるのに十分正確であれば、データ収集プロセスをビット送信の可能性が高くなる時間に延期させるためにデバイスが用いられることを特徴とする請求項13に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項15】
トリガーの瞬間における第一キャプチャー、および、より好ましい時間帯の後に正確なタイム情報の抽出のための解析を行う第二キャプチャーを含むデュルアルデータキャプチャーであって、このような正確なタイムは、第一および第二のデータキャプチャーの間で経過した時間の合計を決めることによって得られるPN符号の継続、つまり1ミリ秒以内のGNSS信号を有する最初のデータキャプチャーをラインアップするのに有用で、トリガーの瞬間における最初データキャプチャーの地理ロケーション(geo-location)は、正確な時間情報を抽出することで第二データキャプチャーを解析することによって正確に決定されることを特徴とする請求項13に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項16】
もし、タイムスタンプは好ましくない時間帯においてトリガーが生じるか否かを決定するのに十分な正確さを有しない場合、もしくはそこにタイムスタンプが存在していない場合、データキャプチャーの時間分は、データキャプチャーと伴うビット送信の発生の可能性が増えるまで延長され、データの収集は複数回の比較的に短時間内に行うことができ、ウィンドウが少なくとも1つの時間帯においてビット送信の可能性を最大化する時間帯に適切に配置されうることを特徴とする請求項13に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。
【請求項17】
もし以前のデータ収集が送信時間抽出およびタイムスタンプ情報を許可したことは、初期および現在のデータキャプチャーの間のタイムインタバルを決定するのに十分正確であれば、初期データキャプチャーから得られた転送時間と異なるタイムスタンプを追加することによって、現在のデータキャプチャーの時間転送を決定することが可能で、タイムスタンプの予測できない時間のずれの最大化に関連した、2つのデータキャプチャーの間タイムインタバルは、この技術が時間抽出のために必要な正確さが十分な伝播時間を提供することができるか否かを決定することを特徴とする請求項13に記載の地球航行衛星システムデータ収集ユニット。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504597(P2011−504597A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534976(P2010−534976)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/013063
【国際公開番号】WO2009/067267
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(510204965)スカイ タッガー エル・エル・シー (1)
【Fターム(参考)】