船の耐負荷構造体に組み込まれた、密閉された断熱タンク
【課題】タンクの原価、壁が圧力に抵抗する能力、および壁の断熱の少なくとも1つを、これらの特徴のうちの他のものを損ねることなく改善しながら、この型のタンクを提案すること。
【解決手段】浮き構造物の耐負荷構造体に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクを提供することであり、このタンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になり、各非伝導性要素は、断熱ライナー、少なくとも1つのパネル、そして複数の耐負荷区画を備え、この複数の耐負荷区画は、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。
【解決手段】浮き構造物の耐負荷構造体に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクを提供することであり、このタンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になり、各非伝導性要素は、断熱ライナー、少なくとも1つのパネル、そして複数の耐負荷区画を備え、この複数の耐負荷区画は、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮き構造物の耐負荷構造体に固定されたタンク壁から構成された、密閉された断熱タンクの製造に関連し、このタンクは、液化ガス(特に、高メタン含量のもの)のような冷たい液体の生成、保存、積込み、海洋輸送および/または荷おろしに適している。本発明はまた、この型のタンクに備え付けられているメタンキャリアに関連する。
【背景技術】
【0002】
液化ガスの非常に低い温度での海洋輸送は、最小にすることが有利な、航海日数あたりの蒸発速度を伴い、これは、関連するタンクの断熱が改善されるべきであることを意味する。
【0003】
船の耐負荷構造体に固定されたタンク壁から構成される密閉された断熱タンクは、既に提案されており、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になり、非伝導性要素の各々は、上記タンク壁に対して平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネルが、上記断熱ライナーの少なくとも1つの側面上を上記タンク壁に平行に延び、そして、耐負荷区画が、上記断熱ライナーに面する少なくとも1つの上記パネルの面から突出し、上記耐負荷区画が、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。
【0004】
例えば、特許文献1において、これらの断熱障壁は、合板から作製された閉鎖平行六面体状のケーソンから構成され、パーライトで充填されている。内側では、ケーソンは、タンク内に含まれる液体により及ぼされる静水圧に抵抗するために、カバーパネルとベースパネルとの間に配置された平行耐負荷スペーサーを備える。可塑性発泡体から作製された非耐負荷スペーサーが、その相対的な配置を維持するために、耐負荷スペーサー間に置かれる。この型のケーソンの製造(合板セクションから作製された外側壁の組立ておよびスペーサーの適合を含む)は、多数の組立て操作(特にステープル止め)を必要とする。さらに、パーライトのような粉末の使用は、ケーソンの製造を複雑にする。なぜならば、粉末は、塵を生じるからである。従って、ケーソンが塵に対して十分に密閉されるように、高品質、そしてそれ故に高価な合板(すなわち、継ぎ目のない合板)を使用することが必要となる。さらに、ケーソン内の固有の圧力により、粉末を突き固める必要があり、安全性の目的で、存在する全ての空気を排出するために、各ケーソン内に窒素を循環させる必要がある。全てのこれらの操作は、ケーソンの製造を複雑にし、ケーソンのコストを高くする。
【0005】
さらに、絶縁ケーソンの厚みが断熱障壁により増加する場合、ケーソンの壁と耐負荷スペーサーが座屈するリスクがかなり増す。ケーソンおよびその内部の耐負荷スペーサーの耐座屈強度を増加することが望ましい場合、上記スペーサーの断面が増加されなければならず、これは、液化ガスと船の耐負荷構造体との間に確立される熱ブリッジを、同じ量だけ増加させる。さらに、ケーソンの厚みが増加すると、ケーソンの内側では、良好な断熱には非常に不利な気体の対流が生じることが観察される。
【0006】
特許文献2は、このようなタンクにおける使用のために設計された、他の断熱性ケーソンを記載する。その製造方法は、以下からなる:複数の低密度発泡体層および複数の合板パネルを交互にスタッキングする工程、上記スタックの高さが、上記ケーソンの長さと一致するまで、各発泡体層と各パネルとの間に接着剤を置く工程、上記スタックを、ケーソンの厚みと一致する一定間隔で、高さ方向に切断する工程、そして、こうして切断した各スタックセクションのいずれかの側面で、合板から作製されたベースパネルとトップパネルとを接着剤で接着する工程。これらのパネルは、上記切断パネルに対して垂直に延び、スペーサーとして機能する。この結果は、耐座屈強度および断熱の観点からは、良好な案であるが、この製造プロセスはまた、多数の組立て段階を必要とすることが認められるべきである。さらに、品質良好な合板の達成が、将来的に問題となり得る。
【特許文献1】仏国特許出願公開第2 527 544号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2 798 902号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、また、以下の特徴の少なくとも1つを、これらの特徴のうちの他のものを損ねることなく改善しながら、この型のタンクを提案することである:タンクの原価、壁が圧力に抵抗する能力、および壁の断熱。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
項目1.浮き構造物の耐負荷構造体(1)に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクであって、
該タンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁(8)、一次断熱障壁(6)、二次シーリング障壁(5)および二次断熱障壁(2)を有し、
これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3,7)から本質的になり、各非伝導性要素は、該タンク壁に平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネル(10,11)が、該断熱ライナーの該少なくとも1つの側面上を該タンク壁に平行に延び、そして複数の耐負荷区画が、該断熱ライナーに面する少なくとも1つのパネルの面から突出し、該複数の耐負荷区画が、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起し、
該複数の耐負荷区画が、少なくとも1つの耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714,814)を含み、該耐座屈区画は、該少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、ほぼ長手軸方向(A)を有し、かつ該耐座屈区画のほぼ長手軸方向(A)に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a,425c〜d,566,666,766,866,825)を含むことを特徴とする、断熱タンク。
項目2.前記耐座屈区画(14,114,214,314)が、互いに直接的または間接的に連結された複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a)を含む耐座屈壁(25,125,225,325)を含み、しかも、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、該耐座屈区画の前記ほぼ長手軸方向(A)に、該耐座屈区画(14,114,214,314)の長手軸方向中央線(A)のいずれかの側で側方にそれるプロフィールで延びることを特徴とする、項目1に記載の密閉された断熱タンク。
項目3.前記耐座屈区画(614,714)が、前記ほぼ長手軸方向(A)に延びる壁(625a,725)を含み、そしてそれに対し、該壁から突出する耐座屈壁要素(666,766,866)が連結されることを特徴とする、項目1または2に記載の密閉された断熱タンク。
項目4.前記耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a、766)が、複数の連続するセル(65,165,265,365,765)を長手軸方向に区切るように整列され、これらセルが、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面でみて、開放断面を有することを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目5.前記耐座屈区画(614)が、前記ほぼ長手軸方向に延び、かつ前記第1の壁(625a)から該区画の横断方向に離れて間隔を置かれる第2の壁(625b)を含み、該2つの壁が、それらの間に整列された複数の耐座屈壁要素(666)によって連結されることを特徴とする、項目3に記載の密閉された断熱タンク。
項目6.前記耐座屈区画(414,514)が、各場合に、2つの側方に間隔を置いた壁要素(425a〜b,566)を含む二重壁の長手軸方向部分(465,565)を含み、そして該部分の長手軸方向端部の領域で、耐座屈壁要素が、該側方に間隔をおいた壁要素を連結することを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目7.前記耐座屈区画(514)が、前記二重壁長手軸方向部分(565)の間に挿入された単一壁長手軸方向部分(525)を含むことを特徴とする、項目6に記載の密閉された断熱タンク。
項目8.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,614,714)が、その端部の領域から離れて、前記ほぼ長手軸方向(A)に周期的構造物を有することを特徴とする、項目1〜7のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目9.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)が、前記少なくとも1つのパネルに実質的に垂直である、高さ方向を有することを特徴とする、項目1〜8のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目10.前記耐座屈区画(14)が、少なくとも1つの前記パネル(11)に適合されることを特徴とする、項目1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目11.前記非伝導性要素の耐負荷区画が、該非伝導性要素の前記パネルの1つと単一片として形成されることを特徴とする、項目1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目12.前記耐座屈区画(14)が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(10,11)の1つと面する該耐座屈区画のエッジの領域中に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24,851)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記パネル(10,11)に対して固定された平坦表面を有することを特徴とする、項目1〜11のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目13.前記耐座屈区画が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(11,10)に対向する該耐座屈区画のエッジの領域に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記隣接するシーリング障壁(58)に対して平坦表面ベアリングを有することを特徴とする、項目1〜12のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目14.前記非伝導性要素が、前記負荷支持構造物に面する前記断熱ライナーの側にベースパネル(10)を含み、前記負荷支持区画が、ボックスを形成するために、該ベースパネルからそのエッジに沿って突出する外側区画(13,14)を含むことを特徴とする、項目1〜13のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目15.前記非伝導性要素が、前記ボックスの内側空間を区画化するような様式で整列される複数の耐座屈区画(14)を含み、該耐座屈区画の長手軸方向端部が該外側区画(13)に固定されることを特徴とする、項目14に記載の密閉された断熱タンク。
項目16.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)の長手軸方向端部が、前記外側区画(13)に適合され得ることを特徴とする、項目15に記載の密閉された断熱タンク。
項目17.前記耐座屈区画が互いから所定距離で平行に整列され、そしてそれらの2つの長手軸方向端部の領域中にアセンブリタブ(26,426,526,626)を有し、前記外側区画が、該アセンブリタブの2つの長手軸方向端部の領域に該耐座屈区画に垂直に整列された端部区画(13)を備え、そして該耐座屈区画に面する面上に、個々の耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る間隔を置かれた複数の平行溝(20)を有することを特徴とする、項目16に記載の密閉された断熱タンク。
項目18.前記端部区画の各々が、前記耐座屈区画に面する面から突出する間隔を置かれた複数の平行リブ(19)を含み、前記溝が、各場合について、個々のリブ中に提供されることを特徴とする、項目17に記載の密閉された断熱タンク。
項目19.前記2つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、複数の互いに平行な耐座屈区画を含む複数の非伝導性要素(3,7)から本質的になり、該複数の非伝導性要素が、前記少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンで、断熱障壁(2)の該非伝導性要素(3)の前記平行な耐座屈区画(14)が、他方の断熱障壁(6)の非伝導性要素(7)の該平行な耐座屈区画に実質的に垂直に配向されるような様式で整列されることを特徴とする、項目1〜18のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目20.前記非伝導性要素(3,7)からなる前記少なくとも1つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、低膨張係数をもつ薄い金属シートから作製された薄い金属板条板(40)から形成される前記シーリング障壁(5,8)の1つによって覆われ、そのエッジ(43)が、該非伝導性要素のカバーパネルの外側に向かって隆起し、該非伝導性要素が、板条板の幅だけ間隔を置かれた平行溝(41)を支持するカバーパネル(11)を有し、該板条板内で溶接支持体(42)がスライド可能に保持され、各溶接支持体が、該カバーパネルの外側面から突出する連続的ウイングを有し、かつその2つの面の上に該2つの隣接する板条板の隆起したエッジが、漏れない様式で溶接されることを特徴とする、項目1〜19のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目21.船の耐負荷構造体(1)と一体になった二次保持部材(4)が、該耐負荷構造に対する二次断熱障壁を形成するために前記非伝導性要素(3)を固定し、そして前記二次シーリング障壁の前記溶接支持体(42)に連結された一次保持部材(48)が前記一次シーリング障壁(6)を前記二次シーリング障壁(5)に対して保持し、該溶接支持体が、該二次シーリング障壁を、前記二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持することを特徴とする、項目20に記載の密閉された断熱タンク。
項目22.項目1〜21のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物。
項目23.メタンキャリアからなることを特徴とする、項目22に記載の浮き構造物。
【0009】
この目的のために、本発明の主題は、浮き構造物の耐負荷構造体に固定された少なくとも1つのタンク壁を備える、密閉された断熱タンクであり、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になる。各非伝導性要素は、上記タンク壁に対して平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネルが、上記断熱ライナーの少なくとも1側面の上を上記タンク壁に対して平行に延び、そして、耐負荷区画が、上記断熱ライナーに面する上記少なくとも1つのパネルの面から突出し、上記耐負荷区画は、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。このタンクは、上記少なくとも1つのパネルに対して平行な平面にある断面からみて、上記耐負荷区画が、ほぼ長手軸方向を有し、かつ耐座屈区画のほぼ長手軸方向に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素を備える、少なくとも1つの耐座屈区画を備えることを特徴とする。
【0010】
本明細書における基本的な概念は、個々のほぼ長手軸方向を有し、壁要素(耐座屈壁要素と呼ばれる)を備える、1つ以上の区画(耐座屈区画と呼ばれる)を作製することであり、この壁要素は、このほぼ長手軸方向に対して平行には配向されず、その結果、区画の横断方向の慣性モーメントを増加させる。従って、薄壁を用いて生成したとしても、この区画は、ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して垂直な方向の圧縮力に対して、良好な耐性を有する。従って、機械的強度、材料の経済性、軽い重量、および熱伝導のための有効断面の観点から、異なる品質を組み合せた、空間区画を得ることが可能である。
【0011】
この型の耐座屈区画は、種々の構造を有し得る。好ましくは、この型の耐座屈区画は、ほぼ長手軸方向に延びる、実質的に連続した壁を有する。これは、単一壁であっても、横断間隙を有する、裏打ちされていない壁であっても、あるいは、特定の部分が単一であり、他の部分が裏打ちされていない壁であってもよい。また、耐座屈区画が、少なくとも局所的に、横断方向に間隔を置いた2つ以上の壁を有することも可能である。
【0012】
特に単一壁の耐座屈区画に適した特定の実施形態によれば、排他的ではないが、耐座屈区画は、壁(耐座屈壁と呼ばれる)を備え、この壁は、直接的または間接的に互いに連結された耐座屈壁要素を備え、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して平行な平面にある断面からみて、上記耐座屈区画の上記ほぼ長手軸方向に延び、この耐座屈区画は、上記耐座屈区画の長軸中央構造線のいずれかの側に側方に偏向したプロフィールを有する。この実施形態において、耐座屈壁要素は、耐座屈壁の一体となった一部を形成する。これらは、単一片として、直接的または耐座屈壁の他の部分によって(すなわち、長手軸方向部分のどこかによって)、接続されている。
【0013】
こうして形成された耐座屈壁のプロフィールは、一定の形態を有し得る、すなわち、角度を欠いていてもよい(例えば、交互の半円を有する形態、すなわち、実質的な正弦波)。このような場合、耐座屈壁は、連続的に変化する配向を有し得る。
【0014】
あるいは、または、組み合せて、耐座屈壁のプロフィールはまた、少なくとも局所的に、角度をなす形態を有し得る。例えば、耐座屈壁要素は、直接互いに接続されて、三角形の歯の様式で、またはより複雑な多角形のラインの様式で、相互の角度を形成し得る。長手軸方向の壁要素のどこかはまた、少なくとも局所的に、例えば、矩形または台形の鋸歯の形態のプロフィールを形成するために、耐座屈壁要素が挿入され得る。例えば、種々のモチーフを代わる代わるにすることによって、そして、直線状または曲線状の耐座屈壁要素を使用することによって、他のプロフィール形状がまた可能である。
【0015】
特に単一壁または複数壁の耐座屈区画に適したさらなる特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、上記ほぼ長手軸方向に延びる少なくとも1つの壁を備え、この壁に対して、上記壁から突出する耐座屈壁要素が連結される。このような場合、耐座屈壁要素は、横断方向の耐座屈壁要素の慣性モーメントを増加させ、従って、圧縮力および座屈力に対する耐性を増加させるために、壁のバットレスとして機能する。これは、例えば、真っ直ぐな平面の壁または上記の型の耐座屈壁である。バットレスとして機能する壁要素は、パネルに対して平行な平面において、全ての種類の断面形状(例えば、真っ直ぐな形態、開放もしくは閉鎖の曲線状形態、開放もしくは閉鎖の多角形形態など)を有し得る。
【0016】
上記の実施形態において、上記少なくとも1つのパネルに対して平行な平面からみて、開放断面を有する複数の連続するセルを長手軸方向に区切るような様式で、耐座屈壁要素が整列されるという条件をつくることが可能である。
【0017】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、上記ほぼ長手軸方向に延び、区画の横断方向に第1の壁から間隔が空いている第2の壁を備え、上記第2の壁は、これらの間に整列される複数の耐座屈壁要素によって接続されている。このような耐座屈壁要素は、平面であっても、曲線であってもよい。耐座屈壁要素と2つの壁の各々との間には、任意の角度(例えば、直角)が存在し得る。
【0018】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、二重壁の長手軸方向部分を備え、この長手軸方向部分は、機会毎に、2つの側方に間隔を置いた壁要素を備え、上記部分の長手軸方向端部の領域において、耐座屈壁要素は、上記側方に間隔を置いた壁要素を接続する。
【0019】
非導電性要素のパネルに対して平行な平面から見ると、こうして形成された二重壁部分は、開放または閉鎖した、任意の断面−多角形、矩形、円形、楕円形など−を有し得る。こうして形成された二重壁部分は、互いに対して隣接してか、または、ほぼ長手軸方向に間隔を置いて整列され得、耐座屈区画は、二重壁の長手軸方向部分の間に挿入された単一壁の長手軸方向部分を備える。
【0020】
例えば、耐座屈壁要素および側方に間隔を置いた壁部分が接続されて、角度を形成し得る。あるいは、耐座屈壁要素および側方に間隔を置いた壁部分は、その配向が連続的に変化し、その結果、丸みを帯びた断面のセルを囲むような壁を形成するために、単一片として接続され得る。しかし、セルが耐座屈区画内に形成される場合、少なくとも1つの換気穴は、偶発的な事象において、常に貨物と爆発性の混合物を形成し得る空気を捕捉することを避ける状態にしておかれる。
【0021】
好ましくは、その端の領域から離れて、上記耐座屈区画は、ほぼ長手軸方向に周期的構造物を有する。この型の構造は、圧縮に対する抵抗性の良好な均一性を保証する。逆に、耐座屈区画の構造はまた、例えば、特定の局所的な機械的要件を満たすために、非周期的であり得る。
【0022】
耐座屈区画は、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して実質的に垂直な高さ方向を有し得、これは、圧縮力を担うための最適な配置である。または他の方法では、耐座屈区画は、上記パネルに対して傾き得、これは、非導電性要素により受容されるせん断力および転倒力に対抗するために適切な配置である。この点に関して、対向する傾斜を有する2つの耐座屈区画について条件が設定され得る。
【0023】
耐座屈区画およびベースパネルまたはカバーパネルは、接着剤結合、溶接、ステープル止め、フラッシュフィット(flush−fitting)など、およびこれらの組み合せのような任意の手段によって、互いに組み立てられ得る。特定の実施形態によれば、上記の、または各々の耐座屈区画は、非伝導性要素の少なくとも1つのベースパネルおよび/またはカバーパネル内でフラッシュフィットされる。この型の組立て方法は、例えば、せん断力および転倒力に対して、特に頑丈である。
【0024】
特定の実施形態によれば、上記の、または各々の耐座屈区画は、非伝導性要素のベースパネルまたはカバーパネルに面する上記耐座屈区画のエッジの領域内に少なくとも1つの負荷分散底板を備え、上記負荷分散底板は、上記耐座屈区画の長さ方向に延び、上記パネルに対して固定された平坦な表面を有する。例えば、負荷分散底板は、耐座屈区画の耐座屈壁要素の側方限界よりも大きいか、またはこれと同程度の幅を有する。この負荷分散底板は、耐座屈区画の2つのエッジの片側または両側に備え付けられ得、耐座屈区画を硬化させ、そして、耐座屈区画の特定のゾーン内の応力の集中を防止し、これが、パネルの局所的な締付けを防止し、区画とパネルとの間の結合のためにより大きな表面積を提供する。
【0025】
あるいは、または組み合せて、耐座屈区画は、非伝導性要素の上記パネルに対向する、上記の、または各々の耐座屈区画のエッジの領域内に少なくとも1つの負荷分散底板を備え得、上記負荷分散底板は、上記耐座屈区画の長さの方向に延び、そして、隣接するシーリング障壁に対して平坦表面の軸受けを有する。この実施形態において、タンク壁に対して平行な非伝導性要素の表面が、ベースパネルまたはカバーパネルにより形成され、そして、その対向する表面は、パネルを有さない。パネルに対向する耐座屈区画のエッジに沿って延びる平坦な底板は、タンクの内側に向かって面する場合、または、耐負荷構造体に向かって面する場合に、シーリング障壁を支持する機能を果たし、この機能は、根底にあるシーリング障壁に非伝導性要素の圧力による力を伝達する。
【0026】
耐座屈区画は、成形、噴込み成形(blow−molding)、射出成形、回転成形、熱成形(thermoforming)、押出し成形または引出し成形によって形成され得る任意の材料、特に、プラスチックおよび少なくとも2つの異種性の成分を有する複合材料から生成され得る。例えば、耐座屈区画は、ポリエステル樹脂ベースの複合材料(例えば、ポリエステル樹脂または別の樹脂)から生成され得る。本発明の意味の範囲内で、ポリマー樹脂ベースの複合材料としては、十分な破裂強度および頑丈さおよび他の特性を提供する、ポリマー、または、全ての種類の充填剤、添加剤、強化剤もしくは繊維(例えば、ガラス繊維または他の繊維)とのポリマーの混合物が挙げられる。添加剤は、材料の密度を減少し、そして/または、その熱特性を改善し、特に、その熱伝導率および/もしくは膨張係数を減少するために使用され得る。
【0027】
このようなプラスチックまたは複合材料から作製された耐座屈区画は、力学、形成の容易さ、断熱および原価の観点で、組み合わさった非常に有利な特性を含む。プラスチック、またはポリマー樹脂ベースの複合材料、特に、強化繊維の使用は、合板と同じか、または合板よりもよい熱伝導率、およびより低い膨張係数を提供しながら、任意のプロフィール(例えば、波形プロフィール)の区画の形成における製造が、かなり容易である、耐負荷区画を得るために必須の条件を提供する。例えば、このような耐座屈区画は、複合材料の成形、押出し成形または引出し成形により得られ得る。特に、対応する非伝導性要素の大きさが容易に修飾され得るような所望の高さに切断された、プロフィール要素の形成において、耐座屈区画を得ることが可能である。
【0028】
射出成形がまた、例えば、PVC、PC、PBT、PU、PE、PA、PSおよび他のポリマー樹脂のようなプラスチックを使用する、適切な製造プロセスである。
【0029】
特定の実施形態によれば、非伝導性要素の上記耐負荷区画は、非伝導性要素の上記パネル1つを有する単一片として形成される。ベースパネルまたはカバーパネル、およびカバーパネルから突出する耐負荷区画を備える、この型の構造片は、射出成形され得る。アームを有する単一の成形片として、非伝導性要素の耐負荷区画を形成することもまた可能であり、このアームは、これらを連結するため、そして、この型の片とは独立したベースパネルおよび/またはカバーパネルを追加するために、これらの間を延びる。
【0030】
耐座屈区画はまた、互いに重ね合わされ、接着剤結合された木材のシート(例えば、ブナ材、マツ材、カバノキ材、ポプラ材など、およびこれらの混合材)を使用して生成された積層木材または合板から生成され得る。この型の材料は、例えば、波形のプロフィールで、熱圧縮成形され得る。合成結合剤を用いて、高い割合のおが屑を含む複合材料を使用することも可能である。
【0031】
好ましくは、非伝導性要素は、上記耐負荷構造体に面した断熱ライナーの側面上にベースパネルを備え、上記耐負荷区画は、箱を形成するために、そのエッジに沿って上記ベースパネルから突出した外側区画を備える。特に、上記耐負荷区画は、上記ベースパネルとカバーパネルとの間に閉鎖空間を定め得る。この形態の箱(特に、閉鎖した箱)において、この型の非伝導性要素は、全ての種類の絶縁ライナー(特に、顆粒状の材料または微粉の材料)を使用することを可能にする。特定の実施形態によれば、非伝導性要素は、上記箱の内側空間を区画化し、上記耐座屈区画の長手軸方向端部が、上記外側区画に固定されるような様式で配置された、複数の耐座屈区画を備える。
【0032】
この固定は、任意の手段により達成され得る。有利なことには、上記平行な耐座屈区画の長手軸方向端部は、上記外側区画内にフラッシュフィットされ得る。この型のフラッシュフィットされた耐負荷区画は、非常に良好な力学的連結を提供する。
【0033】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、互いに一定の距離で平行に整列され、その2つの長手軸方向端部の領域内にアセンブリタブを有し、上記外側区画は、後者の2つの長手軸方向端部の領域内で上記耐座屈区画に対して垂直に整列された端部区画を含み、そして、上記耐座屈区画に面する面では、それぞれの耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る、間隔を置いた複数の平行溝を有する。非伝導性要素内の耐座屈区画の数および間隔は、従って、溝の位置および間隔を適合することによって、容易に改変され得る。
【0034】
有利なことには、上記端部区画の各々は、上記耐座屈区画に面する面から突出した、間隔を置いた複数の平行なリブを備え、上記溝は、各場合について、それぞれのリブに備え付けられている。リブを有する連続薄壁の形態の端部区画の作製は、端部区画の領域における熱ブリッジを制限し、中空要素内の断熱ライナーが利用可能な体積を最大にしながら、所望の耐座屈力を得ることを可能にする。
【0035】
好ましくは、上記端部区画は、上記連続薄壁と上記非伝導性要素のベースパネルまたはカバーパネルとの間に置かれる少なくとも1つの負荷分散底板を保有し、上記負荷分散底板は、上記端部区画の長さ方向に延び、上記リブの突出物と実質的に等しい幅を有する。区画の上側および/または下側に備え付けられたこの型の負荷分散底板は、この区画を硬化し、この区画の特定のゾーンに応力が集中することを防止する。このことは、パネルの局所的な締め付けを防止し、区画とパネルとの間の連結のためにより大きい表面積を提供する。
【0036】
外側区画は、直線であり得る。特定の実施形態によれば、外側区画の少なくともいくつかは、耐座屈区画である。この点に関して、耐座屈区画に提供される全ての構造は、外側区画に適用され得る。
【0037】
有利なことには、2つの断熱障壁は、各場合について相互に平行な複数の耐座屈区画を備える非伝導性要素から本質的になり、上記非伝導性要素は、少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンにおいて、断熱障壁の非伝導性要素の平行な耐座屈区画が、他の断熱障壁の非伝導性要素の平行な耐座屈区画に対して、実質的に垂直に配向されるような様式で整列される。2つの断熱障壁の非伝導性要素のこのような配置は、2つの断熱障壁の耐座屈区画が重ね合わされるタンク壁のゾーンの表面積を減少させ、これが、対応する熱ブリッジを制限する。2つの障壁の要素の任意の他の相互の配向がまた、特に、タンク壁のゾーンの領域内で重ね合わせられる非伝導性要素の全ての耐座屈区画を平行にすることによって、可能となる。
【0038】
好ましくは、上記非伝導性要素からなる上記少なくとも1つの断熱障壁は、各場合について、低い膨張係数を有する薄い金属板条板から形成される上記シーリング障壁の1つによって覆われ、このエッジは、上記非伝導性要素の外側に向かって隆起し、上記非伝導性要素は、溶接支持体がスライド可能に保持される板条板の幅だけ、間隔を置いて平行溝を保有するカバーパネルを備え、溶接支持体の各々は、カバーパネルの外側表面から突出した連続的なウイングを有し、この2つの面において、2つの隣接する板条板の隆起したエッジは、漏れない様式で溶接される。このシーリング障壁のこの構造および固定方法が、好ましくは、タンクの2つのシーリング障壁に使用される。スライドする溶接支持体は、滑走ジョイントを形成し、異なる障壁が、熱収縮における差の作用、およびタンク内に含まれる液体の移動によって、互いに関して移動することを可能にする。
【0039】
有利なことには、船の耐負荷構造体と一体になった二次保持部材が、二次断熱障壁を形成する非伝導性要素を、上記耐負荷構造体に対して固定し、そしてこの二次シーリング障壁の上記溶接支持体に連結された一次保持部材が、上記一次断熱障壁を、二次シーリング障壁に対して保持し、これらの溶接支持体は、この二次シーリング障壁を、二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持する。従って、一次断熱障壁は、二次断熱障壁上に固定され、これらの間に介在する二次シーリング障壁の伝導性に対して、影響を及ぼさない。
【0040】
好ましい実施形態によれば、上記断熱ライナーは、強化されているかまたは強化されていない、剛性または可撓性の、低密度(すなわち、60kg/m3未満であり、例えば、およそ40〜50kg/m3)の発泡体を備える。この発泡体は、非常に良好な熱特性を有する。ナノスケールの多孔性のエアロゲル型の材料を使用することもまた、可能である。このエアロゲル型の材料は、極度に微細でありかつ非常に多孔性の構造を有する(おそらく、99%までの多孔性を有する)、低密度の固体材料である。これらの材料の孔サイズは、代表的に、10nmと20nmとの間の範囲である。これらの材料のナノスケールの構造は、気体分子、ならびに従ってまた、対流熱および質量移動の平均自由経路を大いに制限する。従って、エアロゲルは、非常に良好な断熱材であり、例えば、20×10−3W・m−1・K−1未満、好ましくは、16×10−3W・m−1・K−1未満の熱伝導率を有する。これらは、代表的に、他の従来の断熱材(例えば、発泡体)の熱伝導率より2〜4倍低い熱伝導率を有する。エアロゲルは、異なる形態であり得、例えば、粉末、ビーズ、不織繊維、布などの形態であり得る。これらの材料の非常に良好な断熱特性は、これらが使用される断熱障壁の厚さを減少させることを可能にし、これによって、タンクの有効体積が増加する。
【0041】
本発明はまた、上記発明の主題による密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物(特に、メタンキャリア)を提供する。この型のタンクは、特に、FPSO(浮遊型の製造、貯蔵および積み下ろし)設備(液化ガスを製造現場から輸出する目的で、液化ガスを貯蔵するために使用される)またはFSRU(浮遊型の貯蔵および再ガス化ユニット)(気体輸送システムに供給する目的で、メタンキャリアを積み下ろしするために使用される)において使用され得る。
【0042】
密閉された断熱タンクは、船の耐負荷構造体に固定されたタンク壁からなり、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3)から本質的になり、各非伝導性要素は、断熱ライナー、少なくとも1つのパネル、および耐負荷区画を含み、この耐負荷区画は、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。これらの区画は、少なくとも1つの耐座屈区画(14)を含み、この耐座屈区画は、例えば、波形または二重の壁部分を形成する、耐座屈区画のほぼ長手軸方向に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素を含む。
【0043】
以下の発明の特定の実施形態の説明のうちに、本発明は、よりよく理解され、そして本発明のさらなる目的、細部、特徴および利点は、より明白に明らかになる。以下の発明の特定の実施形態の説明は、添付の図面を参照して、非限定的な例示的実施例によってのみ与えられる。
【発明の効果】
【0044】
本発明は、以下の特徴の少なくとも1つを、これらの特徴のうちの他のものを損ねることなく改善しながら、この型のタンクを提案する:タンクの原価、壁が圧力に抵抗する能力、および壁の断熱。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
FPSO型もしくはFSRU型、またはメタン型のキャリアの構造の二重船体に組み込まれ、そして固定されている、密閉された断熱タンクのいくつかの実施形態の説明が、以下に与えられる。このようなタンクの一般的構造は、それ自体周知であり、そして多角形の形状を有する。従って、このタンクの壁ゾーンの説明のみが与えられ、このタンクの全ての壁は、類似の構造を有することが理解される。
【0046】
ここで、図1〜12を参照して、一実施形態の説明が与えられる。図1は、船の二重船体のゾーン(1によって表される)を示す。このタンク壁は、その厚さにおいて、連続的に、二次断熱障壁2(二重船体1上に並列するケーソン3から形成され、そしてこのケーソンに、二次保持部材4によって固定される)、次いで、二次シーリング障壁5(ケーソン3によって保有される)、次いで、一次断熱障壁6(一次保持部材48によって二次シーリング障壁5に固定された、並置されたケーソン7から形成される)、および最後に、一次シーリング障壁8(ケーソン7によって保有される)からなる。
【0047】
ケーソン3および7は、構造が同一であっても異なっていてもよく、そして、寸法が同一であっても異なっていてもよい。図2〜8を参照して、ここで、二次断熱障壁のケーソン3の説明が与えられる。図2および3に見られ得るように、ケーソン3は、矩形の平行六面体状の球形状を有する。ケーソン3は、例えば、6.5mm厚の合板のベースパネル10、例えば、12mm厚の合板のカバーパネル11を備える。パネル10およびパネル11はそれぞれ、ケーソン3の内側に中空の空間12の境界を定める複合材料から作製された、複数の耐負荷間隔要素のいずれかの側に結合されている。これらの間隔要素は、一方では、ケーソン3の2つの対向する側方の壁を形成する2つの端部区画13であり、もう一方では、2つの端部区画13の間に、ケーソン3に対して垂直な方向で、平行かつ互いに間隔を置いて整列されている、複数の波形の耐座屈区画14(示される例においては、数が10である)である。
【0048】
端部区画13が図4〜6に示される。この端部区画13は、例えば、約2mmの厚みを有する直線的かつ連続的な壁16を有し、下側の底板18および上側の底板17が、その全長にわたって延び、壁16の内側から突出している。この内側において、底板17と18との間に、壁16は、平行で、かつ、一定の間隔で間隔を置いた三角形の断面の一連の垂直リブ19を保有し、これらは、波形の区画14のためのフラッシュフィット部材として機能する。図6においてよりよく見られ得るように、各リブ19は、その深さにおいて、スナップばめによって、波形の区画14の末端を保持するように機能する、中間の狭まり21を有する溝20を有する。
【0049】
波形の区画14が、図7および8に示される。波形の区画14は、例えば、2mmの厚みを有する連続的な波形の壁25を備え、その2つの対向するエッジに、下側の底板23および上側の底板24を有する。この底板23および24は、壁25の波形と同じ幅を有する。その2つの端部領域において、波型の壁25は、弾力的に狭まり21を変形することによって、端部区画13の溝20内でフラッシュフィットするように設計された、直線的なラグ26を有する。こうして、端部区画13内の波形の区画14の堅固なフラッシュフィットが達成され、これはまた、接着剤結合によって強化され得る。
【0050】
ケーソン3は、端部区画13の底板17および18の対応するカットオフによって、そして、連続的な壁16の傾斜した端縁(27によって表される)によって形成される、切断コーナーを有する。ケーソン3のコーナー領域内で、カバーパネル11は、二次保持部材4の座金を受容するための、皿もみ28を有する。このケーソン3はまた、パネル10および11、ならびにその間に収容される絶縁ライナーを横切る2つの中心軸30を有し、そして、ケーソン3のための補助的な係留点を形成する。図2は、以下に説明されるような、二次シーリング障壁の溶接支持体を受容するための、波形の区画14に対して平行なカバーパネル11内に作製された2つの溝を示すことを省略している。
【0051】
その形態により、波形の区画14は、いかなる最大厚も壁25に提供することを必須とせずに、高い耐座屈抵抗性を有する。従って、ケーソン3内の自由空間12が、最大になる。この自由空間は、任意の適切な材料(例えば、約40kg/m3の密度を有する低密度ポリウレタン発泡体、フェノール類の発泡体、可撓性PE、PVCまたは他の発泡体、エアロゲル(aerogel)型のナノ多孔性(nanoporous)材料、パーライト、ガラスウールなど)から作製され得る断熱ライナーを受容する。好ましくは、このライナーはまた、波形の壁25のいずれかの側に形成される、開放セル65内に挿入される。
【0052】
端部区画13および波形の区画14は、ポリマー樹脂ベースの複合材料(例えば、ガラス繊維またはカーボン繊維で強化されたポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂)から製造される。好ましくは、端部区画13および波形の区画14は、射出成形により得られる。
【0053】
図9は、113により表される端部区画の改変実施形態を示す。この改変実施形態において、連続的な壁116は、直線的ではなく、対照的に、波形の区画14の壁25と同じ様式の波形を有し、これが、より良い耐座屈抵抗性を得ることを可能にする。さらに、同じ参照番号は、端部区画の先行の実施形態と同一の要素を示す。
【0054】
上記のケーソン3の多数の改変例が可能である。例えば、少なくともケーソンの絶縁ライナーが発泡体であるか、または、カバーパネル11の内面に、そして区画13および14に接着剤結合され得る硬い材料である場合に、ベースパネル10は、省略され得る。改変実施形態において、カバーパネル11を省略することが可能である。このような場合、ケーソン3により支持されたシーリング障壁は、この目的のために拡大され得る区画14の底板24上にあり、そして、必要に応じて、区画12内に配置される絶縁材料の塊の上にある。このような場合、ケーソンの接着を保証する部材は、ベースパネル10の内面上に保有され得るか、または、底板24の外面上に保有され得る。
【0055】
図20に示される改変実施形態によれば、区画14の上底板24が分与され、そしてこれら区画14とカバーパネル11との間にはフラッシュフィットが達成される。この目的のために、溝58が、パネル11の内側面に機械加工され、そして波形壁25の上エッジ57を、好ましくは、後者の全長にわたって受容する。フラッシュフィットは、ベースパネル10と類似の様式で達成され得る。
【0056】
なおさらなる改変実施形態によれば(図示せず)、このベースパネル10のみならず、それから突出する区画13および14もまた含む片が、射出成型され得る。従って、ケーソンの組立ては、特に単純化される。
【0057】
耐座屈区画のプロフィールの形態は、図8に見られる交互する半円の形態に限られない。図13〜15は、ケーソン3および7中で、負荷分散底板とともにまたはなしで用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。プロフィールのその他の形態が可能であることは明瞭である。
【0058】
図13に示される区画114は、そのプロフィールが区画の中央長手軸方向線Aのいずれかの側で波型である連続薄壁125を有する。この壁125は、従って、この区画114のそれぞれの側に開放セル165を規定する。純粋に例示によって、この区画114には、振幅が異なる長さおよび異なる横方向の大きさを有する不規則プロフィールが与えられる。実質的に正弦波の周期的プロフィールもまた可能である。
【0059】
図14に示される区画214は、そのプロフィールが三角形の歯の形態である連続薄壁225を有する。この壁225は、この区画の中央長手軸方向線Aに対して斜めに延びる平坦な耐座屈壁要素225aおよび225bの連続から形成され、各回ごとに交互する勾配の方向を有する。各場合における開放セル265は、2つの壁要素225aおよび225bの間で角度をなすセクターによって形成される。
【0060】
図15に示される区画314は、そのプロフィールが矩形の鋸歯の形態にある連続薄壁325を有する。この壁325は、平坦な壁要素の連続、すなわち、この区画の長手軸方向に対して横断する代替的要素325a、および上記中央長手軸方向線Aのいずれかの側に位置する長手軸方向要素325bから形成される。
【0061】
図13〜15はまた、端部区画13のスケッチも示すが、上記耐座屈区画の端部とフラッシュフィットするその手段は示されていない。しかし、このタイプの手段は、区画アセンブリ相互間がその他の手段(接着剤結合、ステープル止めなど)によって達成されるときは必ずしも必要ではない。
【0062】
図16〜18は、上記ケーソン3および7中で用いられ得る耐座屈区画のなおさらなる実施形態を示し、そして閉鎖した断面をもつセルを有する。これらのセルは、空にされ得るか、または上記区画間に配置される絶縁ライナーと同一であってもなくても良い断熱で裏打ちされ得るか、あるいはそれに代わり、木材、プラスチックなどから作製される機械的強化要素を受容する。
【0063】
図16に示される区画414は、一連の中空の楕円形の円筒形部分425からなるセル二重壁を有し、これは、それらの個々の主要軸の端部を経由して連結され、これら整列された軸は、上記区画の中央長手軸方向線Aを形成する。各円筒形部分425は、セル空間465を取り囲む複数の湾曲した壁部分、すなわち、側方に離れて間隔を置かれ、そして2つのほぼ横方向の壁部分425cおよび425dを経由してそれらの端部の領域で連結される2つのほぼ長手軸方向の壁部分425aおよび425bからなり、これらは、耐座屈壁要素を形成する。2つの隣接する円筒形部分425間の接続は、その部分425cと部分425dがそれらの中心で融合されている結果である。円筒形部分の各端部には、端部区画13におけるフラッシュフィットのために長手軸方向タブ426が提供され得る。すべての形態のセルは、類似の様式で生産され得る。
【0064】
図17に示される区画514は、局所的に、セル空間565を取り囲む中空の円形の円筒形部分566、566a、556bからなり、そして平坦な単一の壁要素525によって連結されるセル二重壁を有する。平坦な壁要素526が、端部区画13におけるフラッシュフィットのためにこの区画514の長手軸方向端部に提供され得る。すべての形態のセルは、類似の様式で作製され得る。純粋に例示により、3つの異なる直径を有する円筒形部分566、566aおよび556bが示される。同じ直径を有する円筒形部分を用いることもまた可能である。
【0065】
図18に示される区画614は、この区画の全長にわたって延び、そして横方向の平坦壁要素666によって規則的な間隔で連結される2つの側方に間隔を置かれ平行な平坦壁625aおよび625bからなるセル二重壁を有し、横方向の平坦壁要素666は、各場合に、これら壁625aと625bとの間にセル空間665を閉鎖する。区画614の端部は、端部区画13におけるフラッシュフィットのためにタブ626が提供され得る。他の形態のセルが類似の様式で作製され得る。
【0066】
図19は、上記ケーソン3および7で用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。図19に示される区画714は、長手軸方向に平坦な連続薄壁725を含む。平坦な壁要素766が、この区画の慣性の横モーメントを増加するバットレスを形成するために、この壁725の片側または両側から突出する。各場合において開放セル765が、2つの壁要素766間に形成される。図21に見られ得るように、この壁要素766は、その全体高さに亘り均一な横方向セクション、またはそれに代わり、866によって示される破線の例により示される断面のような、区画714の高さの方向で変化する断面を有し得る。
【0067】
図22および23は、上記ケーソン3および7で用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。この実施形態では、例えば、合板から作製される区画814は、カバーパネル11と接触するヘッド部851と、ベースパネル10と接触するフット部(図示せず)との間に整列される中間部850を有する。このフット部は、ヘッド部851と同様で、そしてそれ故、詳細は説明しない。図23に示されるように、この区画814はうねり825を有する。
【0068】
図22に示されるように、上記ヘッド部851は、パネル11に向かって増加する厚みを有するプリズム形状を有する。このタイプの形態は、中間部850が薄く、そしてそれ故、脆弱であるとき特に有利である。従って、区画814とパネル11との間の接触表面の幅は、中間部850の厚みより大きく、これは、区画814に対する損傷のリスクなくして特に合板区画の場合には、木材の剥離のリスクなくして、ステープル852を用い、パネル11に区画814を固定することを可能にする。さらに、このヘッド部851はまた、負荷を分散する効果を有する。図2では、ケーソン3の側方輪郭は、2つの対向する側面上の2つの実質的に平坦な端部区画13によって、および他方の2つの対向する側面上の2つの耐座屈区画14によって区切られる。その他の整列もまた可能である。例えば、ケーソン3または7の側方エッジを形成するために、上記耐座屈区画に平行な平坦区画の提供がなされ得る。従って、1つの実施形態では(図示せず)、上記ケーソンの側方輪郭は、完全に、平坦な区画から形成され、これは、ケーソン間の間隙の幾何学的形状を単純化し、そしてそれらの閉鎖を改善する。
【0069】
図1および10を参照して、ここで、二重船体1上のタンク壁の係留の説明がなされる。二次保持部材4は、二重船体1に、これら保持部材4が、各場合においてその隅が合致する4つのケーソン3を保持するような規則的な矩形の格子パターンで固定される。各ケーソン3の中央ゾーン中に2つの二次保持部材4の提供がまたなされ、これらは、図2に示されるシャフト30を経由して係合している。
【0070】
図10に見られ得るように、二次保持部材4は、二重船体1に溶接されるピン31を含み、それに板32が、ベルビル(Bellevile)座金33により弾性的に固定される。この板32はロッド34を保持し、その対向する端部は、上記4つのケーソンに関係するワッシャー35を保持し、カバーパネル11の皿穴28、またはシャフト30の領域中に提供される皿穴37に係合する。このシャフト30の領域では、上記ベースパネル10は開口を有し、この板32が通過することを可能にすることが認識される。この二次保持部材4の弾性は、上記ケーソン3の対応する曲げを制限するために、膨張によって引き起こされる船の船体の変形を吸収するために供され、これは、これらがより大きい場合になおさら必要である。例えば、これらケーソン3は、1.5mの側面をもつ矩形であり得る。
【0071】
二重船体1の幾何学的形状が不規則であるとき、ねじピン31の周りにくさび36の提供がなされる。各くさび36の厚みは、この二重船体1の内側表面の形状測量を基にコンピューターによって算出される。従って、上記ベースパネル10は、理論的規則的表面に沿って位置決めされる。上記ベースパネル10と二重船体1との間には、従来、上記ベースパネル10に接着剤により結合され、そしてケーソン3にそれらの支持を提供するように適合されるとき二重船体に対して押し合われる、重合可能な樹脂のビーズ29の提供がなされる。この樹脂が二重船体に接着することを避けるために、クラフト紙のシート(図示せず)がそれらの間に提供される。
【0072】
上記二次シーリング障壁5は、公知の技法に従い、隆起したエッジをもつインバール(Invar)板条板40からなる膜の形態で生成される。図12により良く観察され得るように、ケーソン3のカバーパネル11は、41によって示される逆T字形状の断面をもつ長手軸方向の溝を有する。Lの形状で折り畳まれたインバールの細片の形状の溶接支持体42が、各溝41中にスライド可能に挿入される。各板条板40は、2つの溶接支持体42の間に延び、そして図11で観察され得るように、各場合について、対応する溶接支持体42に溶接ビーズ44によって連続的に溶接された2つの隆起したエッジ43を有する。
【0073】
記述したように、上記一次断熱障壁のケーソン7は、上記ケーソン3に類似の構造を有し得る。同様に、このような場合、これらケーソン7は、各場合について、ケーソン7の4つの隅に、およびその中央ゾーン中の2つの点に係留される。この目的のために、図11および12に詳細に示されるように、各場合について、一次保持部材48の使用がなされる。この一次保持部材48は、上記板条板40の隆起したエッジ43の上の溶接支持体42の3つの点51で溶接されたラグ50と一体になった下部スリーブ49を有する。樹脂が含浸されたブナの木材を基にした複合材料であるPermaliから作製されたロッド52は、この下部スリーブ49に固定された下端部、および上記ケーソン7のカバーパネル11と関係がある支持ワッシャー53と一体になったスリーブ54に固定された上端部を有し、ケーソン7の隅にある皿穴28中、およびシャフト30にある皿穴37中に収容される。このスリーブ54にはねじ山があり、ロッド52の対応するねじ端部上にねじ込まれる。従って、上記ワッシャー53が配置されるとき、固定するねじ56は、ワッシャー53中に提供された穴55を通って係合し、そしてそれ故、このワッシャー53の任意の引き続く回転を防ぐために上記パネル11中にねじ込まれる。各断熱障壁では、これらのケーソン3および7は、5mmのオーダーの小さな中間の空間で並置される。
【0074】
二次シーリング障壁5を保持する溶接支持体42は、一次断熱障壁のケーソン7間、またはこれらケーソンの中央のいずれかを通過することが認識される。このような場合、ケーソン7のベースパネル10は、溶接支持体42の通過のための対応する長手軸方向ノッチを有し、この長手軸方向ノッチは、図1に60で示される。この一次シーリング障壁8の構造および係留は、上記二次シーリング障壁5と全く同様である。
【0075】
上記ケーソン3および7は、タンク中の液体の圧力に耐え得る自己支持性ケーソンであり、それらによって支持されるシーリング障壁5および8は、それら自身この圧力を支持する必要はなく、そして、例えば、0.7mmのインバールの厚みをもつ非常に薄い膜の形態で有利に生成される。好ましくは、これらケーソン3および7は、それらの個々の耐座屈区画14(または114、214など)が垂直であるような様式で整列される。
【0076】
有利なことには、非常に良好な断熱体である、エアロゲル型のナノ多孔性材料の層が、ケーソン3および/または7中の絶縁ライナーとして含められる。エアロゲルはまた、疎水性であり、それ故、上記ボートから上記断熱障壁中への水分の吸収が妨げられる利点を有する。絶縁層は、織物形態中またはビーズの形態中におそらくは隠されたエアロゲルで生成され得る。もちろん、非伝導性要素の絶縁ライナーは、材料のいくつかの層を含み得る。
【0077】
一般に、エアロゲルは、多くの材料から作製され得、これには、シリカ、アルミナ、ハウニウムカーバイド、そしてまた種々のポリマーが含まれる。さらに、製造プロセスに従って、エアロゲルは、粉末、ビーズ、モノリシックシートおよび強化可撓性織物形態で生成され得る。エアロゲルは、一般に、微細構造のゲルの液体を引き出すか、または配置することにより製造される。このゲルは、代表的には、1つ以上の希釈前駆体の化学的変換および反応により製造される。これは、その中に溶媒が存在するゲル構造を生じる。使用は、一般に、CO2またはアルコールのような超臨界流体を用いてなされ、ゲル溶媒を置換する。エアロゲルの性質は、種々のドーピング剤および強化剤を用いることにより改変され得る。
【0078】
絶縁ライナーとしてエアロゲルの使用は、一次および二次断熱障壁の厚みを顕著に低減する。それは、例えば、上記ケーソン3および7中に織られたエアロゲルベッドをともなう、それぞれ200mmおよび100mmの厚みを有する障壁2および6を想定することが可能であり、そのときタンク壁は310mmの総厚みを有する。ケーソン3および7中にエアロゲル粒子の層を提供することにより、400mmの総厚みを有するタンク壁を想定することが可能である。
【0079】
耐座屈区画は、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルのエッジに対して任意の配向、すなわち、平行または平行でない配向を有し得る。非伝導性要素の耐座屈区画は、かならずしも互いに平行である必要はない。説明は、本質的に平行六面体の直角非伝導性要素で与えられたが、他の形態の断面、特に、別個の平坦表面を与え得る任意の多角形形態が可能である。上記タンク壁の支持体として供する船体が平坦でないとき、このタンク壁は、これもまた平坦でない非伝導性要素を用いて生成され得る。
【0080】
上記一次および二次断熱障壁の1つが上記に記載の非伝導性要素の支援で生成されるとき、同一の様式で他方の断熱障壁を生成することが可能であるが、必ずしもそうである必要はない。2つの異なるタイプの非伝導性要素が、この2つの障壁中で用いられ得る。これら障壁の1つは、先行技術の非伝導性要素からなり得る。
【0081】
上記二次断熱障壁および上記一次断熱障壁のケーソンは、上記図面に示される例とは異なる方法で船の船体に係留され得、例えば、上記ケーソンのベースパネル上に係合された保持部材の支援により係留され得る。
【0082】
本発明を、多くの特定の実施形態と組み合わせて説明してきたが、いかなるようにもこれらに限定されず、そして説明された手段のすべての技術的等価物そしてまたそれらの組み合わせが、それらが本発明の範囲内に入るときに含まれることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、タンク壁の切取り後方斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されるタンク壁の絶縁ケーソンの切取り後方平面図である。
【図3】図3は、線III−III上の断面における、図2の絶縁ケーソンの部分図である。
【図4】図4は、図2のケーソンの端部区画を示す。
【図5】図5は、線V−V上の断面における、図4の区画の図を示す。
【図6】図6は、図5の詳細を示す。
【図7】図7は、図2のケーソンの波形の型の耐座屈区画を示す。
【図8】図8は、線VIII−VIII上の断面における、図7の波型の区画の図を示す。
【図9】図9は、部分的な図で、図4の端部区画の改変実施形態を示す。
【図10】図10は、線X−X上の断面における、図1のタンク壁の図である。
【図11】図11は、図1のタンク壁の一次保持部材を示す。
【図12】図12は、図11に対して、垂直な方向から見た、図1のタンク壁の一次保持部材を示す。
【図13】図13は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図14】図14は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図15】図15は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図16】図16は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図17】図17は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図18】図18は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図19】図19は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図20】図20は、ケーソンの改変実施形態における、図3のゾーンXXの拡大図である。
【図21】図21は、矢印XXIに従う、横断図での、図19の耐座屈区画を示す。
【図22】図22は、本発明に従って使用され得る、耐座屈区画の改変実施形態を示す、図20と類似の図である。
【図23】図23は、図22の区画の平面図である。
【符号の説明】
【0084】
1:耐負荷構造体
2:二次断熱障壁
3、7:非伝導性要素
5:二次シーリング障壁
6:一次断熱障壁
8:一次シーリング障壁
10、11:パネル
14:耐座屈区画
25、66:耐座屈壁要素
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮き構造物の耐負荷構造体に固定されたタンク壁から構成された、密閉された断熱タンクの製造に関連し、このタンクは、液化ガス(特に、高メタン含量のもの)のような冷たい液体の生成、保存、積込み、海洋輸送および/または荷おろしに適している。本発明はまた、この型のタンクに備え付けられているメタンキャリアに関連する。
【背景技術】
【0002】
液化ガスの非常に低い温度での海洋輸送は、最小にすることが有利な、航海日数あたりの蒸発速度を伴い、これは、関連するタンクの断熱が改善されるべきであることを意味する。
【0003】
船の耐負荷構造体に固定されたタンク壁から構成される密閉された断熱タンクは、既に提案されており、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になり、非伝導性要素の各々は、上記タンク壁に対して平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネルが、上記断熱ライナーの少なくとも1つの側面上を上記タンク壁に平行に延び、そして、耐負荷区画が、上記断熱ライナーに面する少なくとも1つの上記パネルの面から突出し、上記耐負荷区画が、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。
【0004】
例えば、特許文献1において、これらの断熱障壁は、合板から作製された閉鎖平行六面体状のケーソンから構成され、パーライトで充填されている。内側では、ケーソンは、タンク内に含まれる液体により及ぼされる静水圧に抵抗するために、カバーパネルとベースパネルとの間に配置された平行耐負荷スペーサーを備える。可塑性発泡体から作製された非耐負荷スペーサーが、その相対的な配置を維持するために、耐負荷スペーサー間に置かれる。この型のケーソンの製造(合板セクションから作製された外側壁の組立ておよびスペーサーの適合を含む)は、多数の組立て操作(特にステープル止め)を必要とする。さらに、パーライトのような粉末の使用は、ケーソンの製造を複雑にする。なぜならば、粉末は、塵を生じるからである。従って、ケーソンが塵に対して十分に密閉されるように、高品質、そしてそれ故に高価な合板(すなわち、継ぎ目のない合板)を使用することが必要となる。さらに、ケーソン内の固有の圧力により、粉末を突き固める必要があり、安全性の目的で、存在する全ての空気を排出するために、各ケーソン内に窒素を循環させる必要がある。全てのこれらの操作は、ケーソンの製造を複雑にし、ケーソンのコストを高くする。
【0005】
さらに、絶縁ケーソンの厚みが断熱障壁により増加する場合、ケーソンの壁と耐負荷スペーサーが座屈するリスクがかなり増す。ケーソンおよびその内部の耐負荷スペーサーの耐座屈強度を増加することが望ましい場合、上記スペーサーの断面が増加されなければならず、これは、液化ガスと船の耐負荷構造体との間に確立される熱ブリッジを、同じ量だけ増加させる。さらに、ケーソンの厚みが増加すると、ケーソンの内側では、良好な断熱には非常に不利な気体の対流が生じることが観察される。
【0006】
特許文献2は、このようなタンクにおける使用のために設計された、他の断熱性ケーソンを記載する。その製造方法は、以下からなる:複数の低密度発泡体層および複数の合板パネルを交互にスタッキングする工程、上記スタックの高さが、上記ケーソンの長さと一致するまで、各発泡体層と各パネルとの間に接着剤を置く工程、上記スタックを、ケーソンの厚みと一致する一定間隔で、高さ方向に切断する工程、そして、こうして切断した各スタックセクションのいずれかの側面で、合板から作製されたベースパネルとトップパネルとを接着剤で接着する工程。これらのパネルは、上記切断パネルに対して垂直に延び、スペーサーとして機能する。この結果は、耐座屈強度および断熱の観点からは、良好な案であるが、この製造プロセスはまた、多数の組立て段階を必要とすることが認められるべきである。さらに、品質良好な合板の達成が、将来的に問題となり得る。
【特許文献1】仏国特許出願公開第2 527 544号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2 798 902号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、また、以下の特徴の少なくとも1つを、これらの特徴のうちの他のものを損ねることなく改善しながら、この型のタンクを提案することである:タンクの原価、壁が圧力に抵抗する能力、および壁の断熱。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
項目1.浮き構造物の耐負荷構造体(1)に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクであって、
該タンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁(8)、一次断熱障壁(6)、二次シーリング障壁(5)および二次断熱障壁(2)を有し、
これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3,7)から本質的になり、各非伝導性要素は、該タンク壁に平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネル(10,11)が、該断熱ライナーの該少なくとも1つの側面上を該タンク壁に平行に延び、そして複数の耐負荷区画が、該断熱ライナーに面する少なくとも1つのパネルの面から突出し、該複数の耐負荷区画が、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起し、
該複数の耐負荷区画が、少なくとも1つの耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714,814)を含み、該耐座屈区画は、該少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、ほぼ長手軸方向(A)を有し、かつ該耐座屈区画のほぼ長手軸方向(A)に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a,425c〜d,566,666,766,866,825)を含むことを特徴とする、断熱タンク。
項目2.前記耐座屈区画(14,114,214,314)が、互いに直接的または間接的に連結された複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a)を含む耐座屈壁(25,125,225,325)を含み、しかも、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、該耐座屈区画の前記ほぼ長手軸方向(A)に、該耐座屈区画(14,114,214,314)の長手軸方向中央線(A)のいずれかの側で側方にそれるプロフィールで延びることを特徴とする、項目1に記載の密閉された断熱タンク。
項目3.前記耐座屈区画(614,714)が、前記ほぼ長手軸方向(A)に延びる壁(625a,725)を含み、そしてそれに対し、該壁から突出する耐座屈壁要素(666,766,866)が連結されることを特徴とする、項目1または2に記載の密閉された断熱タンク。
項目4.前記耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a、766)が、複数の連続するセル(65,165,265,365,765)を長手軸方向に区切るように整列され、これらセルが、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面でみて、開放断面を有することを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目5.前記耐座屈区画(614)が、前記ほぼ長手軸方向に延び、かつ前記第1の壁(625a)から該区画の横断方向に離れて間隔を置かれる第2の壁(625b)を含み、該2つの壁が、それらの間に整列された複数の耐座屈壁要素(666)によって連結されることを特徴とする、項目3に記載の密閉された断熱タンク。
項目6.前記耐座屈区画(414,514)が、各場合に、2つの側方に間隔を置いた壁要素(425a〜b,566)を含む二重壁の長手軸方向部分(465,565)を含み、そして該部分の長手軸方向端部の領域で、耐座屈壁要素が、該側方に間隔をおいた壁要素を連結することを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目7.前記耐座屈区画(514)が、前記二重壁長手軸方向部分(565)の間に挿入された単一壁長手軸方向部分(525)を含むことを特徴とする、項目6に記載の密閉された断熱タンク。
項目8.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,614,714)が、その端部の領域から離れて、前記ほぼ長手軸方向(A)に周期的構造物を有することを特徴とする、項目1〜7のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目9.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)が、前記少なくとも1つのパネルに実質的に垂直である、高さ方向を有することを特徴とする、項目1〜8のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目10.前記耐座屈区画(14)が、少なくとも1つの前記パネル(11)に適合されることを特徴とする、項目1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目11.前記非伝導性要素の耐負荷区画が、該非伝導性要素の前記パネルの1つと単一片として形成されることを特徴とする、項目1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目12.前記耐座屈区画(14)が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(10,11)の1つと面する該耐座屈区画のエッジの領域中に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24,851)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記パネル(10,11)に対して固定された平坦表面を有することを特徴とする、項目1〜11のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目13.前記耐座屈区画が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(11,10)に対向する該耐座屈区画のエッジの領域に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記隣接するシーリング障壁(58)に対して平坦表面ベアリングを有することを特徴とする、項目1〜12のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目14.前記非伝導性要素が、前記負荷支持構造物に面する前記断熱ライナーの側にベースパネル(10)を含み、前記負荷支持区画が、ボックスを形成するために、該ベースパネルからそのエッジに沿って突出する外側区画(13,14)を含むことを特徴とする、項目1〜13のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目15.前記非伝導性要素が、前記ボックスの内側空間を区画化するような様式で整列される複数の耐座屈区画(14)を含み、該耐座屈区画の長手軸方向端部が該外側区画(13)に固定されることを特徴とする、項目14に記載の密閉された断熱タンク。
項目16.前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)の長手軸方向端部が、前記外側区画(13)に適合され得ることを特徴とする、項目15に記載の密閉された断熱タンク。
項目17.前記耐座屈区画が互いから所定距離で平行に整列され、そしてそれらの2つの長手軸方向端部の領域中にアセンブリタブ(26,426,526,626)を有し、前記外側区画が、該アセンブリタブの2つの長手軸方向端部の領域に該耐座屈区画に垂直に整列された端部区画(13)を備え、そして該耐座屈区画に面する面上に、個々の耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る間隔を置かれた複数の平行溝(20)を有することを特徴とする、項目16に記載の密閉された断熱タンク。
項目18.前記端部区画の各々が、前記耐座屈区画に面する面から突出する間隔を置かれた複数の平行リブ(19)を含み、前記溝が、各場合について、個々のリブ中に提供されることを特徴とする、項目17に記載の密閉された断熱タンク。
項目19.前記2つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、複数の互いに平行な耐座屈区画を含む複数の非伝導性要素(3,7)から本質的になり、該複数の非伝導性要素が、前記少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンで、断熱障壁(2)の該非伝導性要素(3)の前記平行な耐座屈区画(14)が、他方の断熱障壁(6)の非伝導性要素(7)の該平行な耐座屈区画に実質的に垂直に配向されるような様式で整列されることを特徴とする、項目1〜18のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目20.前記非伝導性要素(3,7)からなる前記少なくとも1つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、低膨張係数をもつ薄い金属シートから作製された薄い金属板条板(40)から形成される前記シーリング障壁(5,8)の1つによって覆われ、そのエッジ(43)が、該非伝導性要素のカバーパネルの外側に向かって隆起し、該非伝導性要素が、板条板の幅だけ間隔を置かれた平行溝(41)を支持するカバーパネル(11)を有し、該板条板内で溶接支持体(42)がスライド可能に保持され、各溶接支持体が、該カバーパネルの外側面から突出する連続的ウイングを有し、かつその2つの面の上に該2つの隣接する板条板の隆起したエッジが、漏れない様式で溶接されることを特徴とする、項目1〜19のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
項目21.船の耐負荷構造体(1)と一体になった二次保持部材(4)が、該耐負荷構造に対する二次断熱障壁を形成するために前記非伝導性要素(3)を固定し、そして前記二次シーリング障壁の前記溶接支持体(42)に連結された一次保持部材(48)が前記一次シーリング障壁(6)を前記二次シーリング障壁(5)に対して保持し、該溶接支持体が、該二次シーリング障壁を、前記二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持することを特徴とする、項目20に記載の密閉された断熱タンク。
項目22.項目1〜21のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物。
項目23.メタンキャリアからなることを特徴とする、項目22に記載の浮き構造物。
【0009】
この目的のために、本発明の主題は、浮き構造物の耐負荷構造体に固定された少なくとも1つのタンク壁を備える、密閉された断熱タンクであり、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素から本質的になる。各非伝導性要素は、上記タンク壁に対して平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネルが、上記断熱ライナーの少なくとも1側面の上を上記タンク壁に対して平行に延び、そして、耐負荷区画が、上記断熱ライナーに面する上記少なくとも1つのパネルの面から突出し、上記耐負荷区画は、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。このタンクは、上記少なくとも1つのパネルに対して平行な平面にある断面からみて、上記耐負荷区画が、ほぼ長手軸方向を有し、かつ耐座屈区画のほぼ長手軸方向に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素を備える、少なくとも1つの耐座屈区画を備えることを特徴とする。
【0010】
本明細書における基本的な概念は、個々のほぼ長手軸方向を有し、壁要素(耐座屈壁要素と呼ばれる)を備える、1つ以上の区画(耐座屈区画と呼ばれる)を作製することであり、この壁要素は、このほぼ長手軸方向に対して平行には配向されず、その結果、区画の横断方向の慣性モーメントを増加させる。従って、薄壁を用いて生成したとしても、この区画は、ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して垂直な方向の圧縮力に対して、良好な耐性を有する。従って、機械的強度、材料の経済性、軽い重量、および熱伝導のための有効断面の観点から、異なる品質を組み合せた、空間区画を得ることが可能である。
【0011】
この型の耐座屈区画は、種々の構造を有し得る。好ましくは、この型の耐座屈区画は、ほぼ長手軸方向に延びる、実質的に連続した壁を有する。これは、単一壁であっても、横断間隙を有する、裏打ちされていない壁であっても、あるいは、特定の部分が単一であり、他の部分が裏打ちされていない壁であってもよい。また、耐座屈区画が、少なくとも局所的に、横断方向に間隔を置いた2つ以上の壁を有することも可能である。
【0012】
特に単一壁の耐座屈区画に適した特定の実施形態によれば、排他的ではないが、耐座屈区画は、壁(耐座屈壁と呼ばれる)を備え、この壁は、直接的または間接的に互いに連結された耐座屈壁要素を備え、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して平行な平面にある断面からみて、上記耐座屈区画の上記ほぼ長手軸方向に延び、この耐座屈区画は、上記耐座屈区画の長軸中央構造線のいずれかの側に側方に偏向したプロフィールを有する。この実施形態において、耐座屈壁要素は、耐座屈壁の一体となった一部を形成する。これらは、単一片として、直接的または耐座屈壁の他の部分によって(すなわち、長手軸方向部分のどこかによって)、接続されている。
【0013】
こうして形成された耐座屈壁のプロフィールは、一定の形態を有し得る、すなわち、角度を欠いていてもよい(例えば、交互の半円を有する形態、すなわち、実質的な正弦波)。このような場合、耐座屈壁は、連続的に変化する配向を有し得る。
【0014】
あるいは、または、組み合せて、耐座屈壁のプロフィールはまた、少なくとも局所的に、角度をなす形態を有し得る。例えば、耐座屈壁要素は、直接互いに接続されて、三角形の歯の様式で、またはより複雑な多角形のラインの様式で、相互の角度を形成し得る。長手軸方向の壁要素のどこかはまた、少なくとも局所的に、例えば、矩形または台形の鋸歯の形態のプロフィールを形成するために、耐座屈壁要素が挿入され得る。例えば、種々のモチーフを代わる代わるにすることによって、そして、直線状または曲線状の耐座屈壁要素を使用することによって、他のプロフィール形状がまた可能である。
【0015】
特に単一壁または複数壁の耐座屈区画に適したさらなる特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、上記ほぼ長手軸方向に延びる少なくとも1つの壁を備え、この壁に対して、上記壁から突出する耐座屈壁要素が連結される。このような場合、耐座屈壁要素は、横断方向の耐座屈壁要素の慣性モーメントを増加させ、従って、圧縮力および座屈力に対する耐性を増加させるために、壁のバットレスとして機能する。これは、例えば、真っ直ぐな平面の壁または上記の型の耐座屈壁である。バットレスとして機能する壁要素は、パネルに対して平行な平面において、全ての種類の断面形状(例えば、真っ直ぐな形態、開放もしくは閉鎖の曲線状形態、開放もしくは閉鎖の多角形形態など)を有し得る。
【0016】
上記の実施形態において、上記少なくとも1つのパネルに対して平行な平面からみて、開放断面を有する複数の連続するセルを長手軸方向に区切るような様式で、耐座屈壁要素が整列されるという条件をつくることが可能である。
【0017】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、上記ほぼ長手軸方向に延び、区画の横断方向に第1の壁から間隔が空いている第2の壁を備え、上記第2の壁は、これらの間に整列される複数の耐座屈壁要素によって接続されている。このような耐座屈壁要素は、平面であっても、曲線であってもよい。耐座屈壁要素と2つの壁の各々との間には、任意の角度(例えば、直角)が存在し得る。
【0018】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、二重壁の長手軸方向部分を備え、この長手軸方向部分は、機会毎に、2つの側方に間隔を置いた壁要素を備え、上記部分の長手軸方向端部の領域において、耐座屈壁要素は、上記側方に間隔を置いた壁要素を接続する。
【0019】
非導電性要素のパネルに対して平行な平面から見ると、こうして形成された二重壁部分は、開放または閉鎖した、任意の断面−多角形、矩形、円形、楕円形など−を有し得る。こうして形成された二重壁部分は、互いに対して隣接してか、または、ほぼ長手軸方向に間隔を置いて整列され得、耐座屈区画は、二重壁の長手軸方向部分の間に挿入された単一壁の長手軸方向部分を備える。
【0020】
例えば、耐座屈壁要素および側方に間隔を置いた壁部分が接続されて、角度を形成し得る。あるいは、耐座屈壁要素および側方に間隔を置いた壁部分は、その配向が連続的に変化し、その結果、丸みを帯びた断面のセルを囲むような壁を形成するために、単一片として接続され得る。しかし、セルが耐座屈区画内に形成される場合、少なくとも1つの換気穴は、偶発的な事象において、常に貨物と爆発性の混合物を形成し得る空気を捕捉することを避ける状態にしておかれる。
【0021】
好ましくは、その端の領域から離れて、上記耐座屈区画は、ほぼ長手軸方向に周期的構造物を有する。この型の構造は、圧縮に対する抵抗性の良好な均一性を保証する。逆に、耐座屈区画の構造はまた、例えば、特定の局所的な機械的要件を満たすために、非周期的であり得る。
【0022】
耐座屈区画は、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルに対して実質的に垂直な高さ方向を有し得、これは、圧縮力を担うための最適な配置である。または他の方法では、耐座屈区画は、上記パネルに対して傾き得、これは、非導電性要素により受容されるせん断力および転倒力に対抗するために適切な配置である。この点に関して、対向する傾斜を有する2つの耐座屈区画について条件が設定され得る。
【0023】
耐座屈区画およびベースパネルまたはカバーパネルは、接着剤結合、溶接、ステープル止め、フラッシュフィット(flush−fitting)など、およびこれらの組み合せのような任意の手段によって、互いに組み立てられ得る。特定の実施形態によれば、上記の、または各々の耐座屈区画は、非伝導性要素の少なくとも1つのベースパネルおよび/またはカバーパネル内でフラッシュフィットされる。この型の組立て方法は、例えば、せん断力および転倒力に対して、特に頑丈である。
【0024】
特定の実施形態によれば、上記の、または各々の耐座屈区画は、非伝導性要素のベースパネルまたはカバーパネルに面する上記耐座屈区画のエッジの領域内に少なくとも1つの負荷分散底板を備え、上記負荷分散底板は、上記耐座屈区画の長さ方向に延び、上記パネルに対して固定された平坦な表面を有する。例えば、負荷分散底板は、耐座屈区画の耐座屈壁要素の側方限界よりも大きいか、またはこれと同程度の幅を有する。この負荷分散底板は、耐座屈区画の2つのエッジの片側または両側に備え付けられ得、耐座屈区画を硬化させ、そして、耐座屈区画の特定のゾーン内の応力の集中を防止し、これが、パネルの局所的な締付けを防止し、区画とパネルとの間の結合のためにより大きな表面積を提供する。
【0025】
あるいは、または組み合せて、耐座屈区画は、非伝導性要素の上記パネルに対向する、上記の、または各々の耐座屈区画のエッジの領域内に少なくとも1つの負荷分散底板を備え得、上記負荷分散底板は、上記耐座屈区画の長さの方向に延び、そして、隣接するシーリング障壁に対して平坦表面の軸受けを有する。この実施形態において、タンク壁に対して平行な非伝導性要素の表面が、ベースパネルまたはカバーパネルにより形成され、そして、その対向する表面は、パネルを有さない。パネルに対向する耐座屈区画のエッジに沿って延びる平坦な底板は、タンクの内側に向かって面する場合、または、耐負荷構造体に向かって面する場合に、シーリング障壁を支持する機能を果たし、この機能は、根底にあるシーリング障壁に非伝導性要素の圧力による力を伝達する。
【0026】
耐座屈区画は、成形、噴込み成形(blow−molding)、射出成形、回転成形、熱成形(thermoforming)、押出し成形または引出し成形によって形成され得る任意の材料、特に、プラスチックおよび少なくとも2つの異種性の成分を有する複合材料から生成され得る。例えば、耐座屈区画は、ポリエステル樹脂ベースの複合材料(例えば、ポリエステル樹脂または別の樹脂)から生成され得る。本発明の意味の範囲内で、ポリマー樹脂ベースの複合材料としては、十分な破裂強度および頑丈さおよび他の特性を提供する、ポリマー、または、全ての種類の充填剤、添加剤、強化剤もしくは繊維(例えば、ガラス繊維または他の繊維)とのポリマーの混合物が挙げられる。添加剤は、材料の密度を減少し、そして/または、その熱特性を改善し、特に、その熱伝導率および/もしくは膨張係数を減少するために使用され得る。
【0027】
このようなプラスチックまたは複合材料から作製された耐座屈区画は、力学、形成の容易さ、断熱および原価の観点で、組み合わさった非常に有利な特性を含む。プラスチック、またはポリマー樹脂ベースの複合材料、特に、強化繊維の使用は、合板と同じか、または合板よりもよい熱伝導率、およびより低い膨張係数を提供しながら、任意のプロフィール(例えば、波形プロフィール)の区画の形成における製造が、かなり容易である、耐負荷区画を得るために必須の条件を提供する。例えば、このような耐座屈区画は、複合材料の成形、押出し成形または引出し成形により得られ得る。特に、対応する非伝導性要素の大きさが容易に修飾され得るような所望の高さに切断された、プロフィール要素の形成において、耐座屈区画を得ることが可能である。
【0028】
射出成形がまた、例えば、PVC、PC、PBT、PU、PE、PA、PSおよび他のポリマー樹脂のようなプラスチックを使用する、適切な製造プロセスである。
【0029】
特定の実施形態によれば、非伝導性要素の上記耐負荷区画は、非伝導性要素の上記パネル1つを有する単一片として形成される。ベースパネルまたはカバーパネル、およびカバーパネルから突出する耐負荷区画を備える、この型の構造片は、射出成形され得る。アームを有する単一の成形片として、非伝導性要素の耐負荷区画を形成することもまた可能であり、このアームは、これらを連結するため、そして、この型の片とは独立したベースパネルおよび/またはカバーパネルを追加するために、これらの間を延びる。
【0030】
耐座屈区画はまた、互いに重ね合わされ、接着剤結合された木材のシート(例えば、ブナ材、マツ材、カバノキ材、ポプラ材など、およびこれらの混合材)を使用して生成された積層木材または合板から生成され得る。この型の材料は、例えば、波形のプロフィールで、熱圧縮成形され得る。合成結合剤を用いて、高い割合のおが屑を含む複合材料を使用することも可能である。
【0031】
好ましくは、非伝導性要素は、上記耐負荷構造体に面した断熱ライナーの側面上にベースパネルを備え、上記耐負荷区画は、箱を形成するために、そのエッジに沿って上記ベースパネルから突出した外側区画を備える。特に、上記耐負荷区画は、上記ベースパネルとカバーパネルとの間に閉鎖空間を定め得る。この形態の箱(特に、閉鎖した箱)において、この型の非伝導性要素は、全ての種類の絶縁ライナー(特に、顆粒状の材料または微粉の材料)を使用することを可能にする。特定の実施形態によれば、非伝導性要素は、上記箱の内側空間を区画化し、上記耐座屈区画の長手軸方向端部が、上記外側区画に固定されるような様式で配置された、複数の耐座屈区画を備える。
【0032】
この固定は、任意の手段により達成され得る。有利なことには、上記平行な耐座屈区画の長手軸方向端部は、上記外側区画内にフラッシュフィットされ得る。この型のフラッシュフィットされた耐負荷区画は、非常に良好な力学的連結を提供する。
【0033】
特定の実施形態によれば、上記耐座屈区画は、互いに一定の距離で平行に整列され、その2つの長手軸方向端部の領域内にアセンブリタブを有し、上記外側区画は、後者の2つの長手軸方向端部の領域内で上記耐座屈区画に対して垂直に整列された端部区画を含み、そして、上記耐座屈区画に面する面では、それぞれの耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る、間隔を置いた複数の平行溝を有する。非伝導性要素内の耐座屈区画の数および間隔は、従って、溝の位置および間隔を適合することによって、容易に改変され得る。
【0034】
有利なことには、上記端部区画の各々は、上記耐座屈区画に面する面から突出した、間隔を置いた複数の平行なリブを備え、上記溝は、各場合について、それぞれのリブに備え付けられている。リブを有する連続薄壁の形態の端部区画の作製は、端部区画の領域における熱ブリッジを制限し、中空要素内の断熱ライナーが利用可能な体積を最大にしながら、所望の耐座屈力を得ることを可能にする。
【0035】
好ましくは、上記端部区画は、上記連続薄壁と上記非伝導性要素のベースパネルまたはカバーパネルとの間に置かれる少なくとも1つの負荷分散底板を保有し、上記負荷分散底板は、上記端部区画の長さ方向に延び、上記リブの突出物と実質的に等しい幅を有する。区画の上側および/または下側に備え付けられたこの型の負荷分散底板は、この区画を硬化し、この区画の特定のゾーンに応力が集中することを防止する。このことは、パネルの局所的な締め付けを防止し、区画とパネルとの間の連結のためにより大きい表面積を提供する。
【0036】
外側区画は、直線であり得る。特定の実施形態によれば、外側区画の少なくともいくつかは、耐座屈区画である。この点に関して、耐座屈区画に提供される全ての構造は、外側区画に適用され得る。
【0037】
有利なことには、2つの断熱障壁は、各場合について相互に平行な複数の耐座屈区画を備える非伝導性要素から本質的になり、上記非伝導性要素は、少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンにおいて、断熱障壁の非伝導性要素の平行な耐座屈区画が、他の断熱障壁の非伝導性要素の平行な耐座屈区画に対して、実質的に垂直に配向されるような様式で整列される。2つの断熱障壁の非伝導性要素のこのような配置は、2つの断熱障壁の耐座屈区画が重ね合わされるタンク壁のゾーンの表面積を減少させ、これが、対応する熱ブリッジを制限する。2つの障壁の要素の任意の他の相互の配向がまた、特に、タンク壁のゾーンの領域内で重ね合わせられる非伝導性要素の全ての耐座屈区画を平行にすることによって、可能となる。
【0038】
好ましくは、上記非伝導性要素からなる上記少なくとも1つの断熱障壁は、各場合について、低い膨張係数を有する薄い金属板条板から形成される上記シーリング障壁の1つによって覆われ、このエッジは、上記非伝導性要素の外側に向かって隆起し、上記非伝導性要素は、溶接支持体がスライド可能に保持される板条板の幅だけ、間隔を置いて平行溝を保有するカバーパネルを備え、溶接支持体の各々は、カバーパネルの外側表面から突出した連続的なウイングを有し、この2つの面において、2つの隣接する板条板の隆起したエッジは、漏れない様式で溶接される。このシーリング障壁のこの構造および固定方法が、好ましくは、タンクの2つのシーリング障壁に使用される。スライドする溶接支持体は、滑走ジョイントを形成し、異なる障壁が、熱収縮における差の作用、およびタンク内に含まれる液体の移動によって、互いに関して移動することを可能にする。
【0039】
有利なことには、船の耐負荷構造体と一体になった二次保持部材が、二次断熱障壁を形成する非伝導性要素を、上記耐負荷構造体に対して固定し、そしてこの二次シーリング障壁の上記溶接支持体に連結された一次保持部材が、上記一次断熱障壁を、二次シーリング障壁に対して保持し、これらの溶接支持体は、この二次シーリング障壁を、二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持する。従って、一次断熱障壁は、二次断熱障壁上に固定され、これらの間に介在する二次シーリング障壁の伝導性に対して、影響を及ぼさない。
【0040】
好ましい実施形態によれば、上記断熱ライナーは、強化されているかまたは強化されていない、剛性または可撓性の、低密度(すなわち、60kg/m3未満であり、例えば、およそ40〜50kg/m3)の発泡体を備える。この発泡体は、非常に良好な熱特性を有する。ナノスケールの多孔性のエアロゲル型の材料を使用することもまた、可能である。このエアロゲル型の材料は、極度に微細でありかつ非常に多孔性の構造を有する(おそらく、99%までの多孔性を有する)、低密度の固体材料である。これらの材料の孔サイズは、代表的に、10nmと20nmとの間の範囲である。これらの材料のナノスケールの構造は、気体分子、ならびに従ってまた、対流熱および質量移動の平均自由経路を大いに制限する。従って、エアロゲルは、非常に良好な断熱材であり、例えば、20×10−3W・m−1・K−1未満、好ましくは、16×10−3W・m−1・K−1未満の熱伝導率を有する。これらは、代表的に、他の従来の断熱材(例えば、発泡体)の熱伝導率より2〜4倍低い熱伝導率を有する。エアロゲルは、異なる形態であり得、例えば、粉末、ビーズ、不織繊維、布などの形態であり得る。これらの材料の非常に良好な断熱特性は、これらが使用される断熱障壁の厚さを減少させることを可能にし、これによって、タンクの有効体積が増加する。
【0041】
本発明はまた、上記発明の主題による密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物(特に、メタンキャリア)を提供する。この型のタンクは、特に、FPSO(浮遊型の製造、貯蔵および積み下ろし)設備(液化ガスを製造現場から輸出する目的で、液化ガスを貯蔵するために使用される)またはFSRU(浮遊型の貯蔵および再ガス化ユニット)(気体輸送システムに供給する目的で、メタンキャリアを積み下ろしするために使用される)において使用され得る。
【0042】
密閉された断熱タンクは、船の耐負荷構造体に固定されたタンク壁からなり、上記タンク壁は、上記タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁、一次断熱障壁、二次シーリング障壁および二次断熱障壁を有し、上記断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3)から本質的になり、各非伝導性要素は、断熱ライナー、少なくとも1つのパネル、および耐負荷区画を含み、この耐負荷区画は、圧縮力を担うために、上記断熱ライナーの厚みにわたって隆起している。これらの区画は、少なくとも1つの耐座屈区画(14)を含み、この耐座屈区画は、例えば、波形または二重の壁部分を形成する、耐座屈区画のほぼ長手軸方向に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素を含む。
【0043】
以下の発明の特定の実施形態の説明のうちに、本発明は、よりよく理解され、そして本発明のさらなる目的、細部、特徴および利点は、より明白に明らかになる。以下の発明の特定の実施形態の説明は、添付の図面を参照して、非限定的な例示的実施例によってのみ与えられる。
【発明の効果】
【0044】
本発明は、以下の特徴の少なくとも1つを、これらの特徴のうちの他のものを損ねることなく改善しながら、この型のタンクを提案する:タンクの原価、壁が圧力に抵抗する能力、および壁の断熱。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
FPSO型もしくはFSRU型、またはメタン型のキャリアの構造の二重船体に組み込まれ、そして固定されている、密閉された断熱タンクのいくつかの実施形態の説明が、以下に与えられる。このようなタンクの一般的構造は、それ自体周知であり、そして多角形の形状を有する。従って、このタンクの壁ゾーンの説明のみが与えられ、このタンクの全ての壁は、類似の構造を有することが理解される。
【0046】
ここで、図1〜12を参照して、一実施形態の説明が与えられる。図1は、船の二重船体のゾーン(1によって表される)を示す。このタンク壁は、その厚さにおいて、連続的に、二次断熱障壁2(二重船体1上に並列するケーソン3から形成され、そしてこのケーソンに、二次保持部材4によって固定される)、次いで、二次シーリング障壁5(ケーソン3によって保有される)、次いで、一次断熱障壁6(一次保持部材48によって二次シーリング障壁5に固定された、並置されたケーソン7から形成される)、および最後に、一次シーリング障壁8(ケーソン7によって保有される)からなる。
【0047】
ケーソン3および7は、構造が同一であっても異なっていてもよく、そして、寸法が同一であっても異なっていてもよい。図2〜8を参照して、ここで、二次断熱障壁のケーソン3の説明が与えられる。図2および3に見られ得るように、ケーソン3は、矩形の平行六面体状の球形状を有する。ケーソン3は、例えば、6.5mm厚の合板のベースパネル10、例えば、12mm厚の合板のカバーパネル11を備える。パネル10およびパネル11はそれぞれ、ケーソン3の内側に中空の空間12の境界を定める複合材料から作製された、複数の耐負荷間隔要素のいずれかの側に結合されている。これらの間隔要素は、一方では、ケーソン3の2つの対向する側方の壁を形成する2つの端部区画13であり、もう一方では、2つの端部区画13の間に、ケーソン3に対して垂直な方向で、平行かつ互いに間隔を置いて整列されている、複数の波形の耐座屈区画14(示される例においては、数が10である)である。
【0048】
端部区画13が図4〜6に示される。この端部区画13は、例えば、約2mmの厚みを有する直線的かつ連続的な壁16を有し、下側の底板18および上側の底板17が、その全長にわたって延び、壁16の内側から突出している。この内側において、底板17と18との間に、壁16は、平行で、かつ、一定の間隔で間隔を置いた三角形の断面の一連の垂直リブ19を保有し、これらは、波形の区画14のためのフラッシュフィット部材として機能する。図6においてよりよく見られ得るように、各リブ19は、その深さにおいて、スナップばめによって、波形の区画14の末端を保持するように機能する、中間の狭まり21を有する溝20を有する。
【0049】
波形の区画14が、図7および8に示される。波形の区画14は、例えば、2mmの厚みを有する連続的な波形の壁25を備え、その2つの対向するエッジに、下側の底板23および上側の底板24を有する。この底板23および24は、壁25の波形と同じ幅を有する。その2つの端部領域において、波型の壁25は、弾力的に狭まり21を変形することによって、端部区画13の溝20内でフラッシュフィットするように設計された、直線的なラグ26を有する。こうして、端部区画13内の波形の区画14の堅固なフラッシュフィットが達成され、これはまた、接着剤結合によって強化され得る。
【0050】
ケーソン3は、端部区画13の底板17および18の対応するカットオフによって、そして、連続的な壁16の傾斜した端縁(27によって表される)によって形成される、切断コーナーを有する。ケーソン3のコーナー領域内で、カバーパネル11は、二次保持部材4の座金を受容するための、皿もみ28を有する。このケーソン3はまた、パネル10および11、ならびにその間に収容される絶縁ライナーを横切る2つの中心軸30を有し、そして、ケーソン3のための補助的な係留点を形成する。図2は、以下に説明されるような、二次シーリング障壁の溶接支持体を受容するための、波形の区画14に対して平行なカバーパネル11内に作製された2つの溝を示すことを省略している。
【0051】
その形態により、波形の区画14は、いかなる最大厚も壁25に提供することを必須とせずに、高い耐座屈抵抗性を有する。従って、ケーソン3内の自由空間12が、最大になる。この自由空間は、任意の適切な材料(例えば、約40kg/m3の密度を有する低密度ポリウレタン発泡体、フェノール類の発泡体、可撓性PE、PVCまたは他の発泡体、エアロゲル(aerogel)型のナノ多孔性(nanoporous)材料、パーライト、ガラスウールなど)から作製され得る断熱ライナーを受容する。好ましくは、このライナーはまた、波形の壁25のいずれかの側に形成される、開放セル65内に挿入される。
【0052】
端部区画13および波形の区画14は、ポリマー樹脂ベースの複合材料(例えば、ガラス繊維またはカーボン繊維で強化されたポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂)から製造される。好ましくは、端部区画13および波形の区画14は、射出成形により得られる。
【0053】
図9は、113により表される端部区画の改変実施形態を示す。この改変実施形態において、連続的な壁116は、直線的ではなく、対照的に、波形の区画14の壁25と同じ様式の波形を有し、これが、より良い耐座屈抵抗性を得ることを可能にする。さらに、同じ参照番号は、端部区画の先行の実施形態と同一の要素を示す。
【0054】
上記のケーソン3の多数の改変例が可能である。例えば、少なくともケーソンの絶縁ライナーが発泡体であるか、または、カバーパネル11の内面に、そして区画13および14に接着剤結合され得る硬い材料である場合に、ベースパネル10は、省略され得る。改変実施形態において、カバーパネル11を省略することが可能である。このような場合、ケーソン3により支持されたシーリング障壁は、この目的のために拡大され得る区画14の底板24上にあり、そして、必要に応じて、区画12内に配置される絶縁材料の塊の上にある。このような場合、ケーソンの接着を保証する部材は、ベースパネル10の内面上に保有され得るか、または、底板24の外面上に保有され得る。
【0055】
図20に示される改変実施形態によれば、区画14の上底板24が分与され、そしてこれら区画14とカバーパネル11との間にはフラッシュフィットが達成される。この目的のために、溝58が、パネル11の内側面に機械加工され、そして波形壁25の上エッジ57を、好ましくは、後者の全長にわたって受容する。フラッシュフィットは、ベースパネル10と類似の様式で達成され得る。
【0056】
なおさらなる改変実施形態によれば(図示せず)、このベースパネル10のみならず、それから突出する区画13および14もまた含む片が、射出成型され得る。従って、ケーソンの組立ては、特に単純化される。
【0057】
耐座屈区画のプロフィールの形態は、図8に見られる交互する半円の形態に限られない。図13〜15は、ケーソン3および7中で、負荷分散底板とともにまたはなしで用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。プロフィールのその他の形態が可能であることは明瞭である。
【0058】
図13に示される区画114は、そのプロフィールが区画の中央長手軸方向線Aのいずれかの側で波型である連続薄壁125を有する。この壁125は、従って、この区画114のそれぞれの側に開放セル165を規定する。純粋に例示によって、この区画114には、振幅が異なる長さおよび異なる横方向の大きさを有する不規則プロフィールが与えられる。実質的に正弦波の周期的プロフィールもまた可能である。
【0059】
図14に示される区画214は、そのプロフィールが三角形の歯の形態である連続薄壁225を有する。この壁225は、この区画の中央長手軸方向線Aに対して斜めに延びる平坦な耐座屈壁要素225aおよび225bの連続から形成され、各回ごとに交互する勾配の方向を有する。各場合における開放セル265は、2つの壁要素225aおよび225bの間で角度をなすセクターによって形成される。
【0060】
図15に示される区画314は、そのプロフィールが矩形の鋸歯の形態にある連続薄壁325を有する。この壁325は、平坦な壁要素の連続、すなわち、この区画の長手軸方向に対して横断する代替的要素325a、および上記中央長手軸方向線Aのいずれかの側に位置する長手軸方向要素325bから形成される。
【0061】
図13〜15はまた、端部区画13のスケッチも示すが、上記耐座屈区画の端部とフラッシュフィットするその手段は示されていない。しかし、このタイプの手段は、区画アセンブリ相互間がその他の手段(接着剤結合、ステープル止めなど)によって達成されるときは必ずしも必要ではない。
【0062】
図16〜18は、上記ケーソン3および7中で用いられ得る耐座屈区画のなおさらなる実施形態を示し、そして閉鎖した断面をもつセルを有する。これらのセルは、空にされ得るか、または上記区画間に配置される絶縁ライナーと同一であってもなくても良い断熱で裏打ちされ得るか、あるいはそれに代わり、木材、プラスチックなどから作製される機械的強化要素を受容する。
【0063】
図16に示される区画414は、一連の中空の楕円形の円筒形部分425からなるセル二重壁を有し、これは、それらの個々の主要軸の端部を経由して連結され、これら整列された軸は、上記区画の中央長手軸方向線Aを形成する。各円筒形部分425は、セル空間465を取り囲む複数の湾曲した壁部分、すなわち、側方に離れて間隔を置かれ、そして2つのほぼ横方向の壁部分425cおよび425dを経由してそれらの端部の領域で連結される2つのほぼ長手軸方向の壁部分425aおよび425bからなり、これらは、耐座屈壁要素を形成する。2つの隣接する円筒形部分425間の接続は、その部分425cと部分425dがそれらの中心で融合されている結果である。円筒形部分の各端部には、端部区画13におけるフラッシュフィットのために長手軸方向タブ426が提供され得る。すべての形態のセルは、類似の様式で生産され得る。
【0064】
図17に示される区画514は、局所的に、セル空間565を取り囲む中空の円形の円筒形部分566、566a、556bからなり、そして平坦な単一の壁要素525によって連結されるセル二重壁を有する。平坦な壁要素526が、端部区画13におけるフラッシュフィットのためにこの区画514の長手軸方向端部に提供され得る。すべての形態のセルは、類似の様式で作製され得る。純粋に例示により、3つの異なる直径を有する円筒形部分566、566aおよび556bが示される。同じ直径を有する円筒形部分を用いることもまた可能である。
【0065】
図18に示される区画614は、この区画の全長にわたって延び、そして横方向の平坦壁要素666によって規則的な間隔で連結される2つの側方に間隔を置かれ平行な平坦壁625aおよび625bからなるセル二重壁を有し、横方向の平坦壁要素666は、各場合に、これら壁625aと625bとの間にセル空間665を閉鎖する。区画614の端部は、端部区画13におけるフラッシュフィットのためにタブ626が提供され得る。他の形態のセルが類似の様式で作製され得る。
【0066】
図19は、上記ケーソン3および7で用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。図19に示される区画714は、長手軸方向に平坦な連続薄壁725を含む。平坦な壁要素766が、この区画の慣性の横モーメントを増加するバットレスを形成するために、この壁725の片側または両側から突出する。各場合において開放セル765が、2つの壁要素766間に形成される。図21に見られ得るように、この壁要素766は、その全体高さに亘り均一な横方向セクション、またはそれに代わり、866によって示される破線の例により示される断面のような、区画714の高さの方向で変化する断面を有し得る。
【0067】
図22および23は、上記ケーソン3および7で用いられ得る耐座屈区画のさらなる実施形態を示す。この実施形態では、例えば、合板から作製される区画814は、カバーパネル11と接触するヘッド部851と、ベースパネル10と接触するフット部(図示せず)との間に整列される中間部850を有する。このフット部は、ヘッド部851と同様で、そしてそれ故、詳細は説明しない。図23に示されるように、この区画814はうねり825を有する。
【0068】
図22に示されるように、上記ヘッド部851は、パネル11に向かって増加する厚みを有するプリズム形状を有する。このタイプの形態は、中間部850が薄く、そしてそれ故、脆弱であるとき特に有利である。従って、区画814とパネル11との間の接触表面の幅は、中間部850の厚みより大きく、これは、区画814に対する損傷のリスクなくして特に合板区画の場合には、木材の剥離のリスクなくして、ステープル852を用い、パネル11に区画814を固定することを可能にする。さらに、このヘッド部851はまた、負荷を分散する効果を有する。図2では、ケーソン3の側方輪郭は、2つの対向する側面上の2つの実質的に平坦な端部区画13によって、および他方の2つの対向する側面上の2つの耐座屈区画14によって区切られる。その他の整列もまた可能である。例えば、ケーソン3または7の側方エッジを形成するために、上記耐座屈区画に平行な平坦区画の提供がなされ得る。従って、1つの実施形態では(図示せず)、上記ケーソンの側方輪郭は、完全に、平坦な区画から形成され、これは、ケーソン間の間隙の幾何学的形状を単純化し、そしてそれらの閉鎖を改善する。
【0069】
図1および10を参照して、ここで、二重船体1上のタンク壁の係留の説明がなされる。二次保持部材4は、二重船体1に、これら保持部材4が、各場合においてその隅が合致する4つのケーソン3を保持するような規則的な矩形の格子パターンで固定される。各ケーソン3の中央ゾーン中に2つの二次保持部材4の提供がまたなされ、これらは、図2に示されるシャフト30を経由して係合している。
【0070】
図10に見られ得るように、二次保持部材4は、二重船体1に溶接されるピン31を含み、それに板32が、ベルビル(Bellevile)座金33により弾性的に固定される。この板32はロッド34を保持し、その対向する端部は、上記4つのケーソンに関係するワッシャー35を保持し、カバーパネル11の皿穴28、またはシャフト30の領域中に提供される皿穴37に係合する。このシャフト30の領域では、上記ベースパネル10は開口を有し、この板32が通過することを可能にすることが認識される。この二次保持部材4の弾性は、上記ケーソン3の対応する曲げを制限するために、膨張によって引き起こされる船の船体の変形を吸収するために供され、これは、これらがより大きい場合になおさら必要である。例えば、これらケーソン3は、1.5mの側面をもつ矩形であり得る。
【0071】
二重船体1の幾何学的形状が不規則であるとき、ねじピン31の周りにくさび36の提供がなされる。各くさび36の厚みは、この二重船体1の内側表面の形状測量を基にコンピューターによって算出される。従って、上記ベースパネル10は、理論的規則的表面に沿って位置決めされる。上記ベースパネル10と二重船体1との間には、従来、上記ベースパネル10に接着剤により結合され、そしてケーソン3にそれらの支持を提供するように適合されるとき二重船体に対して押し合われる、重合可能な樹脂のビーズ29の提供がなされる。この樹脂が二重船体に接着することを避けるために、クラフト紙のシート(図示せず)がそれらの間に提供される。
【0072】
上記二次シーリング障壁5は、公知の技法に従い、隆起したエッジをもつインバール(Invar)板条板40からなる膜の形態で生成される。図12により良く観察され得るように、ケーソン3のカバーパネル11は、41によって示される逆T字形状の断面をもつ長手軸方向の溝を有する。Lの形状で折り畳まれたインバールの細片の形状の溶接支持体42が、各溝41中にスライド可能に挿入される。各板条板40は、2つの溶接支持体42の間に延び、そして図11で観察され得るように、各場合について、対応する溶接支持体42に溶接ビーズ44によって連続的に溶接された2つの隆起したエッジ43を有する。
【0073】
記述したように、上記一次断熱障壁のケーソン7は、上記ケーソン3に類似の構造を有し得る。同様に、このような場合、これらケーソン7は、各場合について、ケーソン7の4つの隅に、およびその中央ゾーン中の2つの点に係留される。この目的のために、図11および12に詳細に示されるように、各場合について、一次保持部材48の使用がなされる。この一次保持部材48は、上記板条板40の隆起したエッジ43の上の溶接支持体42の3つの点51で溶接されたラグ50と一体になった下部スリーブ49を有する。樹脂が含浸されたブナの木材を基にした複合材料であるPermaliから作製されたロッド52は、この下部スリーブ49に固定された下端部、および上記ケーソン7のカバーパネル11と関係がある支持ワッシャー53と一体になったスリーブ54に固定された上端部を有し、ケーソン7の隅にある皿穴28中、およびシャフト30にある皿穴37中に収容される。このスリーブ54にはねじ山があり、ロッド52の対応するねじ端部上にねじ込まれる。従って、上記ワッシャー53が配置されるとき、固定するねじ56は、ワッシャー53中に提供された穴55を通って係合し、そしてそれ故、このワッシャー53の任意の引き続く回転を防ぐために上記パネル11中にねじ込まれる。各断熱障壁では、これらのケーソン3および7は、5mmのオーダーの小さな中間の空間で並置される。
【0074】
二次シーリング障壁5を保持する溶接支持体42は、一次断熱障壁のケーソン7間、またはこれらケーソンの中央のいずれかを通過することが認識される。このような場合、ケーソン7のベースパネル10は、溶接支持体42の通過のための対応する長手軸方向ノッチを有し、この長手軸方向ノッチは、図1に60で示される。この一次シーリング障壁8の構造および係留は、上記二次シーリング障壁5と全く同様である。
【0075】
上記ケーソン3および7は、タンク中の液体の圧力に耐え得る自己支持性ケーソンであり、それらによって支持されるシーリング障壁5および8は、それら自身この圧力を支持する必要はなく、そして、例えば、0.7mmのインバールの厚みをもつ非常に薄い膜の形態で有利に生成される。好ましくは、これらケーソン3および7は、それらの個々の耐座屈区画14(または114、214など)が垂直であるような様式で整列される。
【0076】
有利なことには、非常に良好な断熱体である、エアロゲル型のナノ多孔性材料の層が、ケーソン3および/または7中の絶縁ライナーとして含められる。エアロゲルはまた、疎水性であり、それ故、上記ボートから上記断熱障壁中への水分の吸収が妨げられる利点を有する。絶縁層は、織物形態中またはビーズの形態中におそらくは隠されたエアロゲルで生成され得る。もちろん、非伝導性要素の絶縁ライナーは、材料のいくつかの層を含み得る。
【0077】
一般に、エアロゲルは、多くの材料から作製され得、これには、シリカ、アルミナ、ハウニウムカーバイド、そしてまた種々のポリマーが含まれる。さらに、製造プロセスに従って、エアロゲルは、粉末、ビーズ、モノリシックシートおよび強化可撓性織物形態で生成され得る。エアロゲルは、一般に、微細構造のゲルの液体を引き出すか、または配置することにより製造される。このゲルは、代表的には、1つ以上の希釈前駆体の化学的変換および反応により製造される。これは、その中に溶媒が存在するゲル構造を生じる。使用は、一般に、CO2またはアルコールのような超臨界流体を用いてなされ、ゲル溶媒を置換する。エアロゲルの性質は、種々のドーピング剤および強化剤を用いることにより改変され得る。
【0078】
絶縁ライナーとしてエアロゲルの使用は、一次および二次断熱障壁の厚みを顕著に低減する。それは、例えば、上記ケーソン3および7中に織られたエアロゲルベッドをともなう、それぞれ200mmおよび100mmの厚みを有する障壁2および6を想定することが可能であり、そのときタンク壁は310mmの総厚みを有する。ケーソン3および7中にエアロゲル粒子の層を提供することにより、400mmの総厚みを有するタンク壁を想定することが可能である。
【0079】
耐座屈区画は、上記ベースパネルおよび/またはカバーパネルのエッジに対して任意の配向、すなわち、平行または平行でない配向を有し得る。非伝導性要素の耐座屈区画は、かならずしも互いに平行である必要はない。説明は、本質的に平行六面体の直角非伝導性要素で与えられたが、他の形態の断面、特に、別個の平坦表面を与え得る任意の多角形形態が可能である。上記タンク壁の支持体として供する船体が平坦でないとき、このタンク壁は、これもまた平坦でない非伝導性要素を用いて生成され得る。
【0080】
上記一次および二次断熱障壁の1つが上記に記載の非伝導性要素の支援で生成されるとき、同一の様式で他方の断熱障壁を生成することが可能であるが、必ずしもそうである必要はない。2つの異なるタイプの非伝導性要素が、この2つの障壁中で用いられ得る。これら障壁の1つは、先行技術の非伝導性要素からなり得る。
【0081】
上記二次断熱障壁および上記一次断熱障壁のケーソンは、上記図面に示される例とは異なる方法で船の船体に係留され得、例えば、上記ケーソンのベースパネル上に係合された保持部材の支援により係留され得る。
【0082】
本発明を、多くの特定の実施形態と組み合わせて説明してきたが、いかなるようにもこれらに限定されず、そして説明された手段のすべての技術的等価物そしてまたそれらの組み合わせが、それらが本発明の範囲内に入るときに含まれることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、タンク壁の切取り後方斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されるタンク壁の絶縁ケーソンの切取り後方平面図である。
【図3】図3は、線III−III上の断面における、図2の絶縁ケーソンの部分図である。
【図4】図4は、図2のケーソンの端部区画を示す。
【図5】図5は、線V−V上の断面における、図4の区画の図を示す。
【図6】図6は、図5の詳細を示す。
【図7】図7は、図2のケーソンの波形の型の耐座屈区画を示す。
【図8】図8は、線VIII−VIII上の断面における、図7の波型の区画の図を示す。
【図9】図9は、部分的な図で、図4の端部区画の改変実施形態を示す。
【図10】図10は、線X−X上の断面における、図1のタンク壁の図である。
【図11】図11は、図1のタンク壁の一次保持部材を示す。
【図12】図12は、図11に対して、垂直な方向から見た、図1のタンク壁の一次保持部材を示す。
【図13】図13は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図14】図14は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図15】図15は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図16】図16は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図17】図17は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図18】図18は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図19】図19は、本発明に従って使用され得る耐座屈区画の他の改変実施形態を示す、図8と類似の図である。
【図20】図20は、ケーソンの改変実施形態における、図3のゾーンXXの拡大図である。
【図21】図21は、矢印XXIに従う、横断図での、図19の耐座屈区画を示す。
【図22】図22は、本発明に従って使用され得る、耐座屈区画の改変実施形態を示す、図20と類似の図である。
【図23】図23は、図22の区画の平面図である。
【符号の説明】
【0084】
1:耐負荷構造体
2:二次断熱障壁
3、7:非伝導性要素
5:二次シーリング障壁
6:一次断熱障壁
8:一次シーリング障壁
10、11:パネル
14:耐座屈区画
25、66:耐座屈壁要素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮き構造物の耐負荷構造体(1)に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクであって、
該タンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁(8)、一次断熱障壁(6)、二次シーリング障壁(5)および二次断熱障壁(2)を有し、
これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3,7)から本質的になり、各非伝導性要素は、該タンク壁に平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネル(10,11)が、該断熱ライナーの該少なくとも1つの側面上を該タンク壁に平行に延び、そして複数の耐負荷区画が、該断熱ライナーに面する少なくとも1つのパネルの面から突出し、該複数の耐負荷区画が、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起し、
該複数の耐負荷区画が、少なくとも1つの耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714,814)を含み、該耐座屈区画は、該少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、ほぼ長手軸方向(A)を有し、かつ該耐座屈区画のほぼ長手軸方向(A)に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a,425c〜d,566,666,766,866,825)を含むことを特徴とする、断熱タンク。
【請求項2】
前記耐座屈区画(14,114,214,314)が、互いに直接的または間接的に連結された複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a)を含む耐座屈壁(25,125,225,325)を含み、しかも、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、該耐座屈区画の前記ほぼ長手軸方向(A)に、該耐座屈区画(14,114,214,314)の長手軸方向中央線(A)のいずれかの側で側方にそれるプロフィールで延びることを特徴とする、請求項1に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項3】
前記耐座屈区画(614,714)が、前記ほぼ長手軸方向(A)に延びる壁(625a,725)を含み、そしてそれに対し、該壁から突出する耐座屈壁要素(666,766,866)が連結されることを特徴とする、請求項1または2に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項4】
前記耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a、766)が、複数の連続するセル(65,165,265,365,765)を長手軸方向に区切るように整列され、これらセルが、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面でみて、開放断面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項5】
前記耐座屈区画(614)が、前記ほぼ長手軸方向に延び、かつ前記第1の壁(625a)から該区画の横断方向に離れて間隔を置かれる第2の壁(625b)を含み、該2つの壁が、それらの間に整列された複数の耐座屈壁要素(666)によって連結されることを特徴とする、請求項3に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項6】
前記耐座屈区画(414,514)が、各場合に、2つの側方に間隔を置いた壁要素(425a〜b,566)を含む二重壁の長手軸方向部分(465,565)を含み、そして該部分の長手軸方向端部の領域で、耐座屈壁要素が、該側方に間隔をおいた壁要素を連結することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項7】
前記耐座屈区画(514)が、前記二重壁長手軸方向部分(565)の間に挿入された単一壁長手軸方向部分(525)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項8】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,614,714)が、その端部の領域から離れて、前記ほぼ長手軸方向(A)に周期的構造物を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項9】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)が、前記少なくとも1つのパネルに実質的に垂直である、高さ方向を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項10】
前記耐座屈区画(14)が、少なくとも1つの前記パネル(11)に適合されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項11】
前記非伝導性要素の耐負荷区画が、該非伝導性要素の前記パネルの1つと単一片として形成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項12】
前記耐座屈区画(14)が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(10,11)の1つと面する該耐座屈区画のエッジの領域中に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24,851)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記パネル(10,11)に対して固定された平坦表面を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項13】
前記耐座屈区画が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(11,10)に対向する該耐座屈区画のエッジの領域に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記隣接するシーリング障壁(58)に対して平坦表面ベアリングを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項14】
前記非伝導性要素が、前記負荷支持構造物に面する前記断熱ライナーの側にベースパネル(10)を含み、前記負荷支持区画が、ボックスを形成するために、該ベースパネルからそのエッジに沿って突出する外側区画(13,14)を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項15】
前記非伝導性要素が、前記ボックスの内側空間を区画化するような様式で整列される複数の耐座屈区画(14)を含み、該耐座屈区画の長手軸方向端部が該外側区画(13)に固定されることを特徴とする、請求項14に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項16】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)の長手軸方向端部が、前記外側区画(13)に適合され得ることを特徴とする、請求項15に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項17】
前記耐座屈区画が互いから所定距離で平行に整列され、そしてそれらの2つの長手軸方向端部の領域中にアセンブリタブ(26,426,526,626)を有し、前記外側区画が、該アセンブリタブの2つの長手軸方向端部の領域に該耐座屈区画に垂直に整列された端部区画(13)を備え、そして該耐座屈区画に面する面上に、個々の耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る間隔を置かれた複数の平行溝(20)を有することを特徴とする、請求項16に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項18】
前記端部区画の各々が、前記耐座屈区画に面する面から突出する間隔を置かれた複数の平行リブ(19)を含み、前記溝が、各場合について、個々のリブ中に提供されることを特徴とする、請求項17に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項19】
前記2つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、複数の互いに平行な耐座屈区画を含む複数の非伝導性要素(3,7)から本質的になり、該複数の非伝導性要素が、前記少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンで、断熱障壁(2)の該非伝導性要素(3)の前記平行な耐座屈区画(14)が、他方の断熱障壁(6)の非伝導性要素(7)の該平行な耐座屈区画に実質的に垂直に配向されるような様式で整列されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項20】
前記非伝導性要素(3,7)からなる前記少なくとも1つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、低膨張係数をもつ薄い金属シートから作製された薄い金属板条板(40)から形成される前記シーリング障壁(5,8)の1つによって覆われ、そのエッジ(43)が、該非伝導性要素のカバーパネルの外側に向かって隆起し、該非伝導性要素が、板条板の幅だけ間隔を置かれた平行溝(41)を支持するカバーパネル(11)を有し、該板条板内で溶接支持体(42)がスライド可能に保持され、各溶接支持体が、該カバーパネルの外側面から突出する連続的ウイングを有し、かつその2つの面の上に該2つの隣接する板条板の隆起したエッジが、漏れない様式で溶接されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項21】
船の耐負荷構造体(1)と一体になった二次保持部材(4)が、該耐負荷構造に対する二次断熱障壁を形成するために前記非伝導性要素(3)を固定し、そして前記二次シーリング障壁の前記溶接支持体(42)に連結された一次保持部材(48)が前記一次シーリング障壁(6)を前記二次シーリング障壁(5)に対して保持し、該溶接支持体が、該二次シーリング障壁を、前記二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持することを特徴とする、請求項20に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物。
【請求項23】
メタンキャリアからなることを特徴とする、請求項22に記載の浮き構造物。
【請求項1】
浮き構造物の耐負荷構造体(1)に固定された少なくとも1つのタンク壁を含む、密閉された断熱タンクであって、
該タンク壁は、該タンクの内側から外側の厚みの方向に、連続的に、一次シーリング障壁(8)、一次断熱障壁(6)、二次シーリング障壁(5)および二次断熱障壁(2)を有し、
これら断熱障壁の少なくとも1つは、並置された非伝導性要素(3,7)から本質的になり、各非伝導性要素は、該タンク壁に平行な層の形態で整列された断熱ライナーを備え、少なくとも1つのパネル(10,11)が、該断熱ライナーの該少なくとも1つの側面上を該タンク壁に平行に延び、そして複数の耐負荷区画が、該断熱ライナーに面する少なくとも1つのパネルの面から突出し、該複数の耐負荷区画が、圧縮力を担うために該断熱ライナーの厚みにわたって隆起し、
該複数の耐負荷区画が、少なくとも1つの耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714,814)を含み、該耐座屈区画は、該少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、ほぼ長手軸方向(A)を有し、かつ該耐座屈区画のほぼ長手軸方向(A)に対して角度を形成する個々の配向を有する複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a,425c〜d,566,666,766,866,825)を含むことを特徴とする、断熱タンク。
【請求項2】
前記耐座屈区画(14,114,214,314)が、互いに直接的または間接的に連結された複数の耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a)を含む耐座屈壁(25,125,225,325)を含み、しかも、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面にある断面でみて、該耐座屈区画の前記ほぼ長手軸方向(A)に、該耐座屈区画(14,114,214,314)の長手軸方向中央線(A)のいずれかの側で側方にそれるプロフィールで延びることを特徴とする、請求項1に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項3】
前記耐座屈区画(614,714)が、前記ほぼ長手軸方向(A)に延びる壁(625a,725)を含み、そしてそれに対し、該壁から突出する耐座屈壁要素(666,766,866)が連結されることを特徴とする、請求項1または2に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項4】
前記耐座屈壁要素(25,125,225a〜b,325a、766)が、複数の連続するセル(65,165,265,365,765)を長手軸方向に区切るように整列され、これらセルが、前記少なくとも1つのパネルに平行な平面でみて、開放断面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項5】
前記耐座屈区画(614)が、前記ほぼ長手軸方向に延び、かつ前記第1の壁(625a)から該区画の横断方向に離れて間隔を置かれる第2の壁(625b)を含み、該2つの壁が、それらの間に整列された複数の耐座屈壁要素(666)によって連結されることを特徴とする、請求項3に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項6】
前記耐座屈区画(414,514)が、各場合に、2つの側方に間隔を置いた壁要素(425a〜b,566)を含む二重壁の長手軸方向部分(465,565)を含み、そして該部分の長手軸方向端部の領域で、耐座屈壁要素が、該側方に間隔をおいた壁要素を連結することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項7】
前記耐座屈区画(514)が、前記二重壁長手軸方向部分(565)の間に挿入された単一壁長手軸方向部分(525)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項8】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,614,714)が、その端部の領域から離れて、前記ほぼ長手軸方向(A)に周期的構造物を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項9】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)が、前記少なくとも1つのパネルに実質的に垂直である、高さ方向を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項10】
前記耐座屈区画(14)が、少なくとも1つの前記パネル(11)に適合されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項11】
前記非伝導性要素の耐負荷区画が、該非伝導性要素の前記パネルの1つと単一片として形成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項12】
前記耐座屈区画(14)が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(10,11)の1つと面する該耐座屈区画のエッジの領域中に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24,851)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記パネル(10,11)に対して固定された平坦表面を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項13】
前記耐座屈区画が、前記非伝導性要素(3)の前記パネル(11,10)に対向する該耐座屈区画のエッジの領域に少なくとも1つの負荷分散底板(23,24)を含み、該負荷分散底板が、該耐座屈区画の長さの方向に延び、そして前記隣接するシーリング障壁(58)に対して平坦表面ベアリングを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項14】
前記非伝導性要素が、前記負荷支持構造物に面する前記断熱ライナーの側にベースパネル(10)を含み、前記負荷支持区画が、ボックスを形成するために、該ベースパネルからそのエッジに沿って突出する外側区画(13,14)を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項15】
前記非伝導性要素が、前記ボックスの内側空間を区画化するような様式で整列される複数の耐座屈区画(14)を含み、該耐座屈区画の長手軸方向端部が該外側区画(13)に固定されることを特徴とする、請求項14に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項16】
前記耐座屈区画(14,114,214,314,414,514,614,714)の長手軸方向端部が、前記外側区画(13)に適合され得ることを特徴とする、請求項15に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項17】
前記耐座屈区画が互いから所定距離で平行に整列され、そしてそれらの2つの長手軸方向端部の領域中にアセンブリタブ(26,426,526,626)を有し、前記外側区画が、該アセンブリタブの2つの長手軸方向端部の領域に該耐座屈区画に垂直に整列された端部区画(13)を備え、そして該耐座屈区画に面する面上に、個々の耐座屈区画のアセンブリタブを受容かつ保持し得る間隔を置かれた複数の平行溝(20)を有することを特徴とする、請求項16に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項18】
前記端部区画の各々が、前記耐座屈区画に面する面から突出する間隔を置かれた複数の平行リブ(19)を含み、前記溝が、各場合について、個々のリブ中に提供されることを特徴とする、請求項17に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項19】
前記2つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、複数の互いに平行な耐座屈区画を含む複数の非伝導性要素(3,7)から本質的になり、該複数の非伝導性要素が、前記少なくとも1つのタンク壁の任意のゾーンで、断熱障壁(2)の該非伝導性要素(3)の前記平行な耐座屈区画(14)が、他方の断熱障壁(6)の非伝導性要素(7)の該平行な耐座屈区画に実質的に垂直に配向されるような様式で整列されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項20】
前記非伝導性要素(3,7)からなる前記少なくとも1つの断熱障壁(2,6)が、各場合について、低膨張係数をもつ薄い金属シートから作製された薄い金属板条板(40)から形成される前記シーリング障壁(5,8)の1つによって覆われ、そのエッジ(43)が、該非伝導性要素のカバーパネルの外側に向かって隆起し、該非伝導性要素が、板条板の幅だけ間隔を置かれた平行溝(41)を支持するカバーパネル(11)を有し、該板条板内で溶接支持体(42)がスライド可能に保持され、各溶接支持体が、該カバーパネルの外側面から突出する連続的ウイングを有し、かつその2つの面の上に該2つの隣接する板条板の隆起したエッジが、漏れない様式で溶接されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項21】
船の耐負荷構造体(1)と一体になった二次保持部材(4)が、該耐負荷構造に対する二次断熱障壁を形成するために前記非伝導性要素(3)を固定し、そして前記二次シーリング障壁の前記溶接支持体(42)に連結された一次保持部材(48)が前記一次シーリング障壁(6)を前記二次シーリング障壁(5)に対して保持し、該溶接支持体が、該二次シーリング障壁を、前記二次断熱障壁の非伝導性要素のカバーパネルに対して保持することを特徴とする、請求項20に記載の密閉された断熱タンク。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の密閉された断熱タンクを備えることを特徴とする、浮き構造物。
【請求項23】
メタンキャリアからなることを特徴とする、請求項22に記載の浮き構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図4】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−137421(P2006−137421A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324213(P2005−324213)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(595133839)ガズ トランスポール エ テクニガズ (24)
【氏名又は名称原語表記】GAZTRANSPORT ET TECHNIGAZ
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(595133839)ガズ トランスポール エ テクニガズ (24)
【氏名又は名称原語表記】GAZTRANSPORT ET TECHNIGAZ
【Fターム(参考)】
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