説明

船尾管軸封装置

【課題】緊急時であっても軸の回転を停止することなく軸封装置の点検や修理が可能な軸封装置を提供する。
【解決手段】主シールリング110及び予備シールリング120をタンデム形に配置し、主シールリング側チャンバー155の方が予備シールリング側チャンバー165より冷却海水圧力が高くなるように調整する。主シールリング側チャンバー155の海水は予備シールリング側チャンバー165に流入して船外に流れるため、予備シールリング120のシール面は摺動せず摩耗しない。緊急時には、主シールリング側チャンバー155を高圧にすることで予備シールリング120が作用し、簡単に主シールリング110から予備シールリング120への切り替えが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のプロペラ軸を軸支する船尾管軸受の船首側に装着されて、前記プロペラ軸の外周をシールする船尾管用軸封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の軸封装置としては、図5に概略構成を示すような軸封装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この軸封装置において、プロペラ軸に沿って船内側と船外側との間で海水をシールする主シールリング901は、ガータースプリング902によってプロペラ軸(以下、単に軸と称する。)の外周に設置された軸スリーブ907に密着固定され、軸(軸スリーブ907)とともに回転する。主シールリング901の船首側端面はシール面に形成されており、対向配置されるメイティングリング903の対向面(シール面)と密接摺動してシール面を形成し、これにより海水の船内への漏れを防止している。冷却海水は、船尾隔壁部に取り付けられたシールケーシング904内の主シールリング901が設置されている空間内に送られ、シール背面側のシールケーシング904と軸スリーブ907との間隙から船外へと流出する。なお、主シールリング901は、通常、合成ゴム製である。
【0003】
図5に示す軸封装置においては、シールケーシング904の船尾側端部には、軸(軸スリーブ907)の外周面に対向するようにインフレタブルシール905が設置されている。インフレタブルシール905は中空のゴムチューブで、シールリングの点検や修理の際には、加圧空気が導入されて膨らまされる。その結果、船尾側端部においてプロペラ軸の外周がシールされ、海水がシールされ、シールリングの点検等が可能となる。
予備シールリング906は、メイティングリング903よりもさらに船内側において、軸(軸スリーブ907)に装着されており、必要に応じて主シールリング901と取り替えることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−65219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来の軸封装置においては、主シールリング901を予備シールリング906と交換する時には、軸の回転を停止した上でインフレタブルシール905を膨らませる必要がある。従って、例えば主シールリング901からの海水の漏れ量が多くなった等、緊急の時であっても、一旦船舶を停止させてからでないと点検や修理作業が行えないという問題があった。
また、メイティングリング903の摺動面に摩耗が生じた場合には、船舶から陸揚げして切削等の修理をしなければならないという問題もあった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、緊急時であっても軸の回転を停止することなく、すなわち船舶を停止させることなく、軸封装置の点検や修理が可能な軸封装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の船尾管用軸封装置は、主シールリングと、主シールリングよりも軸方向海水側に配設される予備シールリングと、前記主シールリングが配置され、冷却海水が送入される主シールリング側チャンバと、前記予備シールリングが配置され、冷却海水が送入される予備シールリング側チャンバと、前記主シールリング側チャンバー及び前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力を制御する制御手段と、を有し、前記主シールリング側チャンバーの海水圧力が、前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力よりも高く設定されている場合には、前記主シールリングが作動し、前記予備シールリング側チャンバの海水圧力を前記主シールリング側チャンバーの圧力よりも高圧にすることにより予備シールリングが作動することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る船尾管用軸封装置は、前記主シールリング側チャンバーの海水圧力は、前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力より5〜30kPa高く設定されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る船尾管用軸封装置は、前記主シールリング側チャンバ及び前記予備シールリング側チャンバには、各々、当該チャンバに海水を送入するチューブであって、海水の送入量を調整する調整弁が設置されたチューブが配設されており、前記調整弁の操作により前記主シールリング側チャンバー及び前記予備シールリング側チャンバーの圧力が制御されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る船尾管用軸封装置は、主シールリング及び予備シールリングに密接摺動する対向摺動面は、メイティングリングに着脱自在なインサートリングを装着して形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る船尾管用軸封装置は、インサートリングが、表裏使用可能なリングであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明の船尾管用軸封装置によれば、通常時は予備シールリングをアイドリング状態で、すなわち摩耗させることなく主シールリングによりシールをすることができる一方、緊急時等には、予備シールリング側チャンバーを高圧にすることで、簡単に予備シールリングを作動させることができる。従って、緊急時であっても軸の回転を停止することなく、すなわち船舶を停止させることなく、軸封装置の点検や修理が可能な軸封装置を提供することができる。
【0013】
また、請求項2に係る本発明の船尾管用軸封装置によれば、主シールリング側チャンバーの海水圧力が予備シールリング側チャンバーの海水圧力より5〜30kPa高く設定されているので、主シールリングのシール状態、及び、予備シールリングのアイドリング状態を適切な状態とすることができる。
【0014】
また、請求項3に係る本発明の船尾管用軸封装置によれば、調整弁の操作をするのみで容易に主シールリング側チャンバー及び予備シールリング側チャンバーの圧力を制御することができる。
【0015】
また、請求項4に係る本発明の船尾管用軸封装置によれば、メイティングリングのメンテナンスも、船舶をドック入りさせることなく簡単に行うことができる。
【0016】
また、請求項5に係る本発明の船尾管用軸封装置によれば、メイティングリングの交換部品を多数備えることができ、さらに軸封装置のメンテナンスを確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の軸封装置の第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態においては、船舶のプロペラ軸を軸支する船尾管軸受の船首側に装着されて、前記プロペラ軸の外周で海水をシールする軸封装置について説明する。
図1は、本実施形態の軸封装置100の構成を示す図であり、図2は、正常運転時の軸封装置100の動作を説明するための図であり、図3は、緊急運転時の軸封装置100の動作を説明するための図であり、図4は、本実施形態の軸封装置の他の構成を示す図である。
なお、図1〜図3の各図において、いずれも、図面上左側が船尾側(海水側)であり、図面上右側が船首側(船内側)である。
【0018】
軸封装置100は、図1に示すように、プロペラ軸300の外周に配置されボルト191により船体隔壁400に取り付けられた環状のシールケーシング160と、シールケーシング160の船首側の端部にボルト192により取り付けられたシールハウジング150と、シールハウジング150の船首側の端部にボルト193によりさらに取り付けられたメイティングリング140とを有する。
【0019】
シールケーシング160と船体隔壁400との間にはガスケット162が介在されており、シールハウジング150と船体隔壁400との間を封止している。また、シールケーシング160とシールハウジング150との間にはOリング152が介在されており、シールハウジング150とメイティングリング140との間にはOリング142が介在されており、各々、シールケーシング160とシールハウジング150との間、及び、シールハウジング150とメイティングリング140との間を封止している。
シールケーシング160、シールハウジング150及びメイティングリング140の再内周面は、プロペラ軸300の外周面に対して所定の間隙を隔てた位置に配置される。
【0020】
シールケーシング160の内周面には、径方向深さの異なる2段の環状の凹部が形成されている。その船尾側の凹部には、インフレタブルシール130が嵌合設置される。インフレタブルシール130は、シールケーシング160の内周面の段差部に設置されるインフレリテイナー135により、シールケーシング160の船尾側垂直面との間に挟持される。
シールケーシング160の船尾側の環状凹部は、シールケーシング160に対して固設されるシールハウジング150の船尾側の面とともに、プロペラ軸300の外周面に沿った環状の予備シールリング側チャンバー165を形成する。この予備シールリング側チャンバー165に、予備シールリング120が配設される。
【0021】
また、シールハウジング150の内周面には、シールケーシング160の船首側の環状凹部とほぼ同じ径方向深さの環状の凹部が形成されている。シールハウジング150のこの環状凹部は、シールハウジング150に固設されるメイティングリング140の船尾側の面とともに、プロペラ軸300の外周面に沿った環状の主シールリング側チャンバー155を形成する。この主シールリング側チャンバー155に、主シールリング110が配設される。
【0022】
主シールリング110及び予備シールリング120は、上述したように、各々主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165内において、ガータースプリング113及びガータースプリング123により、プロペラ軸300に固定されている。
図示のごとく、主シールリング110と予備シールリング120とは、同じ方向を向いたタンデム側に配置される。
【0023】
また、図1においては単に直線により模式的に示しているが、主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165に対しては、各々、チャンバー内に海水を送入するための主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ171及び予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ172が配設されている。
【0024】
主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ171には、主シールリング側チャンバー用調整弁174が設置されており、これにより、主シールリング側チャンバー155へ送入される海水の圧力が調整できるようになっている。
また、予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ172には、予備シールリング側チャンバー用調整弁175が設置されており、これにより、予備シールリング側チャンバー165へ送入される海水の圧力が調整できるようになっている。
【0025】
また、図1には図示していないが(図2及び図3参照)、主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ171と予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ172との間には、主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ171と予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ172との海水圧力の差、換言すれば、主シールリング側チャンバー155と予備シールリング側チャンバー165との海水圧力の差を検出するための差圧計178が、各チューブ171及び172との間に弁176及び177を介在させて設置されている。
【0026】
また、同じく図1には図示していないが(図2及び図3参照)、主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ171及び予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ172の周面反対側にも、同様の主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ179及び予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ180が、弁181及び弁182を介して接続されている。これにより、主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165への海水の送入がスムースに行えるようになっている。
なお、弁181及び弁182の近傍には、海水を排出する時にチューブを排出系に接続するための弁183が設置されている。
【0027】
また、図1においては単に直線により模式的に示しているが、シールケーシング160に設置されているインフレタブルシール130に対しては、インフレタブルシール130に圧縮空気を送入するための圧縮空気挿入用チューブ173が配設されている。また、圧縮空気挿入用チューブ173に対しては、圧縮空気の送入を制御する弁184が設置されている。
この弁184及び圧縮空気挿入用チューブ173を介して、インフレタブルシール130に0.3〜0.6MPa程度の空気を送り、インフレタブルシール130を膨らませる。これにより、インフレタブルシール130はプロペラ軸300の外周面に密着し、海水をシールすることができる。
【0028】
このように、本実施形態の軸封装置100は、主シールリング110と予備シールリング120とをタンデム形に配置したものであり、また、主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165には、冷却用の海水が送入できるようになっており、さらに、主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165の海水圧力を所望の圧力に制御できる構成となっている。
【0029】
このような構成の軸封装置100において、通常運転時には、図2に示すように、主シールリング側チャンバー用調整弁174、予備シールリング側チャンバー用調整弁175弁181及び弁182をオープン状態とし、主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165に冷却海水が送られる状態とする。その時には、差圧計につながる弁176及び弁177をオープンにし、主シールリング側チャンバー155と予備シールリング側チャンバー165の圧力差を確認しながら弁操作を行い、主シールリング側チャンバー155の方が予備シールリング側チャンバー165よりも所定の値だけ(5〜30kPaの間の所定の圧力だけ)高圧となるように、主シールリング側チャンバー用調整弁174及び予備シールリング側チャンバー用調整弁175を、各々、適切な状態だけオープン状態とする。従ってこの場合は、主シールリング側チャンバー用調整弁174の方が、予備シールリング側チャンバー用調整弁175よりも、若干、オープンの状態が大きい状態にされる。
【0030】
主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165の状態がこのような状態となると、主シールリング側チャンバー155に送られてきた冷却海水の一部は、予備シールリング120の予備シールリングシール面121とシールハウジング150の予備シールリング120側の面(シール面151)との間を通過して、予備シールリング側チャンバー165に流れ込むこととなる。その結果、予備シールリング120においては、背面圧力が正面側の水圧より高くなるため、予備シールリング120のシール面121はシールハウジング150の端面から浮いた状態、すなわち無負荷のアイドリング状態とされる。
なおこの状態においては、主シールリング側チャンバー155内の海水は、徐々に予備シールリング側チャンバー165に流入し、予備シールリング側チャンバー165の海水は徐々に海中に放出される。
【0031】
一方、主シールリング110からの水漏れ量が多くなる等、予備シールリング120への切り替えが必要となった場合は、図3に示すように、主シールリング側チャンバー用調整弁174、差圧計につながる弁176、及び、反対側の主シールリング側チャンバー用調整弁181をクローズ状態とする。その結果、予備シールリング側チャンバー165の方が、主シールリング側チャンバー155よりも高圧な状態となり、予備シールリング120は予備シールリングシール面121がシールハウジング150のシール面151に密接摺動される状態となる。すなわち、予備シールリング120が作動した状態となる。
その結果、主シールリング側チャンバー155には海水の流入が無くなり、主シールリング110から予備シールリング120への切り替えが完了したこととなる。
【0032】
このように本実施形態の軸封装置100によれば、主シールリング110の交換が必要となった場合も、差圧計178を見ながら弁の操作をするのみで、簡単に主シールリング110から予備シールリング120への切り替えが行える。すなわち、プロペラ軸300の回転を停止する必要が無くなり好適である。
【0033】
本発明の軸封装置の第2実施形態について、図4を参照して説明する。
第2実施形態の軸封装置200も、第1実施形態の軸封装置100と同様に、船舶のプロペラ軸を軸支する船尾管軸受の船首側に装着されて、前記プロペラ軸の外周で海水をシールする軸封装置であり、その主要な構成及び動作は同じである。第2実施形態の軸封装置200については、主シールリング110及び予備シールリング120とともにシール部を形成するメイティングリング(及び、シールハウジング150のシール面151)の構成が第1実施形態とは異なる。
以下、この相違点について説明する。
【0034】
第1実施形態の軸封装置100におけるメイティングリング140及びシールハウジング150の代わりに、軸封装置200は、第1メイティングリング240及び第2メイティングリング250を有する。
第1メイティングリング240は、主シールリング110のシール面(摺動面)111が密接摺動する箇所に、着脱自在で、両面使用可能なインサートリング241を装着した構成である。インサートリング241の主シールリング110との対向面が、主シールリング110のシール面(摺動面)111が密接摺動するシール面となる。インサートリング241が装着された状態の第1メイティングリング240の全体形状及び作用は、第1実施形態のメイティングリング140と同じである。
【0035】
また、第2メイティングリング250は、予備シールリング120のシール面(摺動面)121が密接摺動する領域の両面に、着脱自在で、両面使用可能なインサートリング251及び252を装着した構成である。インサートリング251の予備シールリング120との対向面が、予備シールリング120のシール面(摺動面)121が密接摺動するシール面となる。インサートリング251及び252が装着された状態の第2メイティングリング250の全体形状及び作用は、第1実施形態のシールハウジング150と同じである。
【0036】
なお、第2メイティングリング250の主シールリング側チャンバー155側に装着されているインサートリング252は、第1メイティングリング240のインサートリング241を交換するための予備用のインサートリングとしても使用可能である。
【0037】
このような構成の軸封装置200においては、例えばメイティングリング240又は250の摺動面に摩耗等が生じた場合においても、インフレタブルシール130を作動させて主シールリング側チャンバー155及び予備シールリング側チャンバー165に対して海水をシールすれば、インサートリング241あるいはインサートリング251及び252の表裏の入れ替えが可能となり、これにより、メイティングリングの新しい摺動面を形成することができる。すなわち、従来のように、ドックに入らなくとも、洋上で短時間に簡単に、メイティングリングの復旧が可能となる。
【0038】
なお、主シールリング110の交換が必要となった場合に、差圧計178を見ながら弁の操作をするのみで、簡単に主シールリング110から予備シールリング120への切り替えが行えることは、第2実施形態の軸封装置200においても第1実施形態の軸封装置100と同様である。
【0039】
なお、シールケーシング160は、金属材料により構成されるのが好適である。
また、主シールリング110及び予備シールリング120は、合成ゴム等のエラストマで成形されるのが好適である。
【0040】
なお、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の軸封装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した軸封装置の通常運転時の動作を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した軸封装置の緊急運転時の動作を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態の軸封装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、従来の軸封装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
100,200 軸封装置
110 主シールリング
111 主シールリングシール面
113 ガータースプリング
120 予備シールリング
121 予備シールリングシール面
123 ガータースプリング
130 インフレタブルシール
135 インフレリテイナー
140 メイティングリング
142 Oリング
150 シールハウジング
152 Oリング
155 主シールリング側チャンバー
160 シールケーシング
162 ガスケット
165 予備シールリング側チャンバー
171、179 主シールリング側チャンバー海水送入用チューブ
172、180 予備シールリング側チャンバー海水送入用チューブ
173 圧縮空気挿入用チューブ
174〜177、181〜184 弁
191〜193 ボルト
300 プロペラ軸
400 船体隔壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船尾管用軸封装置であって、
主シールリングと、
主シールリングよりも軸方向海水側に配設される予備シールリングと、
前記主シールリングが配置され、冷却海水が送入される主シールリング側チャンバと、
前記予備シールリングが配置され、冷却海水が送入される予備シールリング側チャンバと、
前記主シールリング側チャンバー及び前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力を制御する制御手段と、を有し、
前記主シールリング側チャンバーの海水圧力が、前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力よりも高く設定されている場合には、前記主シールリングが作動し、
前記予備シールリング側チャンバの海水圧力を前記主シールリング側チャンバーの圧力よりも高圧にすることにより、前記予備シールリングが作動することを特徴とする船尾管用軸封装置。
【請求項2】
前記主シールリング側チャンバーの海水圧力は、前記予備シールリング側チャンバーの海水圧力より5〜30kPa高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の船尾管用軸封装置。
【請求項3】
前記主シールリング側チャンバ及び前記予備シールリング側チャンバには、各々、当該チャンバに海水を送入するチューブであって、海水の送入量を調整する調整弁が設置されたチューブが配設されており、前記調整弁の操作により前記主シールリング側チャンバー及び前記予備シールリング側チャンバーの圧力が制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の船尾管用軸封装置。
【請求項4】
前記主シールリング及び前記予備シールリングに密接摺動する対向摺動面は、メイティングリングに着脱自在なインサートリングを装着して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の船尾管用軸封装置。
【請求項5】
前記インサートリングは、表裏使用可能なリングであることを特徴とする請求項4に記載の船尾管用軸封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−60105(P2010−60105A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228519(P2008−228519)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(503227553)イーグルブルグマンジャパン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】