色IDカード、カード作成システム、カード作成方法、プログラム及び記憶媒体
【課題】簡易な方法で照合を行うことができ、かつ照合間違いを少なくすることのできる色IDカードを提供する。
【解決手段】ユーザ照合に用いる照合側及び被照合側の双方の色IDカード101,102には、ユーザを識別するユーザIDの各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターン110がそれぞれ印字される。
【解決手段】ユーザ照合に用いる照合側及び被照合側の双方の色IDカード101,102には、ユーザを識別するユーザIDの各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターン110がそれぞれ印字される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、色情報を用いて照合を行うための色IDカード、カード作成システム、カード作成方法、カード作成プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病院では様々な医療事故が発生しているが、その一つとして注射薬などの誤投薬の問題がある。こうした誤投薬は、本来患者に投与すべき必要のない薬剤を患者に投与してしまうといった医療事故であるが、この対策として、例えば、患者を識別する患者IDと、その患者IDとの照合を行うための照合情報とをそれぞれバーコードの形態で印字しておき、処置を施す際に、それら患者IDと照合情報とをバーコードリーダーで読み取って照合することにより、投与しようとしている薬剤が、間違いなくその患者のものであるか否かを確認するようにしたシステムがある。しかしながら、このシステムでは、バーコードリーダーを持ち歩かなければならないため看護士等の負担が大きい。そこで、これに替わるシステムとして、例えば特許文献1では、図形や色(カラー図形)により患者本人を識別可能なラベルを作成し、このラベルを用いて照合を行うことにより患者に投与する薬剤が正しいものであるか否かを確認するようにしている。
【特許文献1】特開2003−6332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたラベルでは、カラー図形を患者の血液型、診療科、感染症等の患者の属性によって区別しているため(文献中、図2参照)、患者の属性が同じであると、同じカラー図形のラベルが作成される。このため、患者の属性が同じである場合には、照合が間違って行われる可能性があった。
【0004】
この発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な方法で照合を行うことができ、かつ照合間違いを少なくすることのできる色IDカード、カード作成システム、カード作成方法、プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明の第1の態様は、色による照合を行うための色IDカードであって、照合側カードと、該照合側カードとの間で照合を行うための被照合側カードとからなり、照合対象を識別する識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターンを、前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれに印字してなる色IDカードであることを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色を組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。なお、上記「照合対象」としては、ヒト(人間)、モノ(物)のいずれであってよい。すなわち、ヒトを対象として本人照合を行う場合には、当該本人を識別する識別番号、また、モノを対象としてモノ同士の照合を行う場合には、当該モノを識別する識別番号を元に、上記色IDパターンを形成すればよい。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0007】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で互いに対称な図形パターンで形成される、といった構成を採用することもできる。
【0008】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードで色IDパターンの形状が互いに対称な図形パターンであることにより、照合の可否を、色の組み合わせのみならず、図形パターンの一致/不一致を判断して行うことができる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
【0009】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとのうち少なくともいずれか一方は、該カードの端面に前記色IDパターンが縁なし印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0010】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字される互いの色IDパターンのうち少なくともいずれか一方の色IDパターンが、該カードの端面に縁なし印字されることにより、色IDパターン同士を接近させて照合を行うことができるようになる。すなわち、色IDパターンがそれぞれカードの内部に印字されたものであると、両カード間で色IDパターン同士が離れたままで照合を行わなければならず、それにより、互いの色IDパターンの位置にずれが生じて、間違って照合が行われる可能性がある。しかしながら、本構成のように少なくともいずれか一方のカード端面に縁なし印字するようにすれば、該端面に縁なし印字されたカードを他方のカードに重ね合わせて色IDパターン同士を接近させて照合を行うことができるため、照合間違いの発生を少なくすることができる。
【0011】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カード間で合わせあう互いの前記色IDパターンの合わせ端面は直線形状で形成され、該合わせ端面と反対側の端面は非直線形状で形成される、といった構成を採用することもできる。
【0012】
この構成によれば、互いの色IDパターンを合わせあう方向が間違ったまま照合が行われることを防止することができる。すなわち本構成では、互いの色IDパターンをそれぞれ直線形状にてなる合わせ端面側で合わせて色の確認を行うことで、照合間違いを少なくすることができる。
【0013】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成される、といった構成を採用することもできる。
【0014】
この構成によれば、色IDパターンが互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成されることにより、照合側及び被照合側のカード間で図形パターン同士が類似することによる照合間違いを防止することができる。
【0015】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、明度もしくは彩度の類似しない組み合わせで配色される、といった構成を採用することもできる。
【0016】
この構成によれば、色覚障害者及びそうでない人にも、色名(色のカテゴリー)を識別しやすい色の組み合わせとすることができ、色の識別違いによる照合間違いを少なくすることができる。
【0017】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、同じ色相で明度を互いに変更する組み合わせで配色される、といった構成を採用することもできる。
【0018】
この構成によれば、色覚障害者及びそうでない人にも、色名(色のカテゴリー)を識別しやすい色の組み合わせとすることができ、色の識別違いによる照合間違いを少なくすることができる。
【0019】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成される、といった構成を採用することもできる。
【0020】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字された互いの照合パターンを、位置合わせパターンを用いて位置合わせすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0021】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとには、前記照合対象を確認する写真がさらに印字される、といった構成を採用することもできる。
【0022】
この構成によれば、色IDパターンに加えて、さらに写真により照合確認することができるようになる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとは、貼付可能なシール面を有するラベルシートを印刷媒体として作成される、といった構成を採用することもできる。
【0023】
この構成によれば、色IDパターンを印字した照合側及び被照合側のカードをシール面を有するラベルにて形成することにより、例えば、病院などにおいて、照合側のラベルを名札カードに貼付し、被照合側のラベルを薬容器に貼付して使用する等といった汎用性の高い使用が可能である。
【0024】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードには切り込み部が形成されるとともに、他方のカードには前記切り込み部に挿し込み可能な凸部が形成されており、前記色IDパターンは前記切り込み部と前記凸部とによる互いのカードの連結部位にそれぞれ印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0025】
この構成によれば、一方のカードの切り込み部に他方のカードの凸部を挿し込んで互いのカードを連結させることにより、互いの色IDパターンによる照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生を極めて低くすることができる。又、照合作業を容易化することができる。
【0026】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードに印字される前記色IDパターンの形成部位には他方のカードに印字される前記色IDパターンを覗き込む開口窓が形成されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0027】
この構成によれば、一方のカードに形成された開口窓に他方のカードの色IDパターンを望ませて互いのカードを重ね合わせながら照合を行うことができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードの一端は該カードの内側に向かって幅方向の一部分が切り欠かれて切り欠き窓とされ、前記色IDパターンは前記切り欠き窓の端面に縁なし印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0028】
この構成によれば、一方のカードの一端に形成された切り欠き窓に他方のカードの色IDパターンを望ませて互いのカードを重ね合わせながら照合を行うことができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードには前記色IDパターンによる照合が可能となるように互いのカード位置を位置決めするための切り欠き部が形成されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0029】
この構成によれば、両カードの切り欠き部を合わせるのみで、互いのカード位置を位置決めして色IDパターンの照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生を極めて低くすることができる。又、照合作業を容易に行うことができる。
【0030】
この発明の第2の態様は、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成システムであって、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する手段と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する手段と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する手段と、前記画像データを印刷データに変換する手段と、前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷する手段と、を備えることを要旨とする。
【0031】
この構成によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0032】
上記構成のカード作成システムにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成され、前記図形パターンを設定する手段は、前記照合パターンと前記位置合わせパターンとをそれぞれ設定する手段である、といった構成を採用することもできる。
【0033】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字された互いの照合パターンを、位置合わせパターンを用いて位置合わせすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0034】
この発明の第3の態様は、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成方法であって、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定するステップと、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定するステップと、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成するステップと、前記画像データを印刷データに変換するステップと、前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷するステップと、を備えることを要旨とする。
【0035】
この方法によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0036】
この発明の第4の態様は、コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムであって、前記コンピュータが、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、を実行するためのプログラムであることを要旨とする。
【0037】
このプログラムによれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0038】
この発明の第5の態様は、コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記コンピュータが、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体であることを要旨とする。
【0039】
この記憶媒体により提供されるプログラムによれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を、例えば病院等において患者本人の照合を行う際に利用可能な色IDカードに具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0041】
図1は、本実施の形態のカード作成システム1を示す概略構成図である。カード作成システム1(コンピュータシステム)は、コンピュータのデータベースを用いて、後述する色IDカード101,102(図10参照)の作成や各種データの管理を行うものであり、本例では、クライアント/サーバ方式のリレーショナル型データモデルを元にシステム構築されている。
【0042】
カード作成システム1は、それぞれ病院内に設置されるクライアント・コンピュータとしての端末12と、サーバ・コンピュータとしての管理サーバ13とを備えている。これら端末12と管理サーバ13とは、ネットワーク14(例えばLAN等)を介して相互に接続されている。
【0043】
管理サーバ13は、WebサーバやFTPサーバ等のサーバ機能を統合的に有して構成されている。管理サーバ13と端末12との間のデータの授受は所定の通信プロトコル(例えばTCP/IP)にしたがって行われる。なお、本例では、一台の管理サーバ13にサーバ機能を全て統合した態様としているが、サーバ機能の分散/統合の態様としてはこの態様に限られず、サーバ機能の全部又は一部を負荷等に応じて機能的又は物理的に分散/統合する等、任意の単位で構成することができる。
【0044】
端末12は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、この端末12には、例えばカラーインクジェット式プリンタよりなるプリンタ15が接続されている。プリンタ15は、端末12により作成される後述する印刷データに基づいて、所定の印刷媒体、本例では貼付可能なシール面を有するラベルシート100(図10参照)に、照合側カードとする色IDカード101と被照合側カードとする色IDカード102との2つのカードを印刷する。なお、図1には端末12を一台のみ示すが、この端末12は病院内に一台以上設置される。
【0045】
管理サーバ13には、色IDカード101,102の作成に必要な各種データが記憶されたデータベース16が接続されている。このデータベース16は、患者データ記憶部21、処方データ記憶部22、パターンデータ記憶部23、写真データ記憶部24、及び、書式データ記憶部25から構成されている。なお、本例では、データベース16を機能別に各記憶部21〜25に分散した態様としたが、この分散の態様に限定されない。
【0046】
患者データ記憶部21には、各患者の患者データ31が記憶されている。図2に示すように、患者データ31は、本例では、ユーザID32、ユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37等によって構成されている。ユーザID32は、照合対象とする患者を識別するための識別番号であり、本例では、0〜9の数字を組み合わせてなる10桁の番号で構成されている。ユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37等は、それぞれ文字や数字のテキストデータで構成されている。
【0047】
処方データ記憶部22には、医師の処方箋を元に作成される処方データが記憶されている。この処方データは、上記ユーザID32に関連付けて登録されており、例えば、患者に投薬する薬剤名38、薬剤の使用日39(図10参照)等はこの処方データに登録されている。
【0048】
パターンデータ記憶部23には、色IDパターン110(図10参照)の図形パターンを保存した図形ファイルが記憶されている。色IDパターン110とは、上記ユーザID32を構成する各数字(0〜9)に対してそれぞれ別々の色を設定し、その設定色に基づいて配色した所定の図形パターンでのID(ユーザID32)の照合を行うためのものである。パターンデータ記憶部23には、このような色IDパターン110を形成するための図形パターン、具体的には、各数字に対し設定された色によりIDの照合を行うための図形パターン(以下「照合パターン」)と、この照合パターンの位置合わせを行うための図形パターン(以下「位置合わせパターン」)とが登録されている。
【0049】
写真データ記憶部24には、照合対象を確認する写真として、患者の顔写真40(図10参照)を保存した顔写真ファイルが記憶されている。この顔写真ファイルは、上記ユーザID32に関連付けて登録されている。顔写真40は、カラー写真データで構成されており、それぞれ色IDカード101,102に印字する大きさに縮尺されて保存されている。
【0050】
書式データ記憶部25には、色IDカード101,102を作成するための書式に関するデータ(作成フォーマット)が記憶されている。なお、図10に示すように、この作成フォーマットは、色IDカード101,102の各4つの辺のうちいずれか一辺の端面に縁なし印字の態様で色IDパターン110を印字するためのものとなっている。
【0051】
次に、色IDパターン110を形成する照合パターン及び位置合わせパターンの形状について図3及び図4に従って説明する。
図3は、照合パターンの例を示す模式図であり、(a)は一端が円弧形状をなす長尺状の照合パターンC1、(b)は半円形状の照合パターンC2、(c)は長方形状の照合パターンC3を示す。図4は、位置合わせパターンの例を示す模式図であり、(a)は半円形状の位置合わせパターンP1、(b)は逆三角形状の位置合わせパターンP2を示す。上記したように、これらのパターンはパターンデータ記憶部23に記憶されている。なお、照合パターンC1〜C3及び位置合わせパターンP1はそれぞれ直線形状の端面EGを有しており、この端面EGは、後述するように、2つの色IDカード101,102にそれぞれ印字された色IDパターン110によりIDの照合を行う際の合わせ端面となる。
【0052】
色IDパターン110は、上記照合パターンC1〜C3のうちいずれか一つのパターンと、上記位置合わせパターンP1,P2のうちいずれか一つのパターンとを用いて形成される。すなわち、色IDパターン110は、ユーザID32を構成する10桁の各数字に対し、同一図形の照合パターンC1(又はC2又はC3)を用いて形成される。なお、どの照合パターンと位置合わせパターンとを用いるかは、後述するパターン設定レジスタ92(図8参照)によって設定される。
【0053】
次に、本実施の形態のカード作成システム1の端末12及び管理サーバ13の機能構成を図5及び図6に従って説明する。
図5は、端末12の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0054】
端末12は、操作部51、表示部52、入出力I/F(インタフェース、以下同じ)部53、制御部54、通信I/F部55を有して構成されている。
入出力I/F部53は、操作部51や表示部52、さらには、プリンタ15との間のデータの授受を制御する。操作部51は、例えばキーボード51aやマウス51b(それぞれ図1参照)等により構成され、これらは各種データや指示の入力に用いられる。表示部52は、例えばCRTやLCD等のモニタ52a(図1参照)により構成され、これには処理を行う際の画面及びその処理結果を示す画面等が表示される。通信I/F部55は、端末12と、図示しないルータ等の通信装置を介したネットワーク14との間の通信制御を行う。
【0055】
制御部54は、図示しないCPU、ROM、RAM等により構成され、機能概念的には、カードデータ取得部61と、印刷制御部62とを有して構成されている。なお、これら各機能部(61,62)での処理を実現するためのプログラムは例えばROMに記憶されており、CPUは、このROMに記憶されているプログラムに従ってRAMをバッファ等の作業領域として利用しながら処理を実行する。
【0056】
カードデータ取得部61は、ラベルシート100に作成(印字)する2つの色IDカード101,102の画像データ(以下「カードデータ」)を管理サーバ13より取得する処理部である。具体的には、色IDカード101,102を作成する患者を選択してそのユーザID32を管理サーバ13に送信し、そのユーザID32に基づいて作成された色IDパターン110を含む色IDカード101,102のカードデータを管理サーバ13から取得する。
【0057】
印刷制御部62は、カードデータ取得部61が取得した上記カードデータをプリンタ15が扱うことのできる印刷データに変換して、この印刷データをプリンタ15に送信する処理部である。すなわちプリンタ15は、この印刷制御部62から供給される印刷データに基づいてラベルシート100への印刷を行う。これにより、ラベルシート100を用いて色IDカード101,102が作成される。なお、このような印刷制御部62の機能をプリンタ15側に設け、端末12が受信したカードデータをプリンタ15側で印刷データに変換するようにしてもよい。
【0058】
図6は、管理サーバ13の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
管理サーバ13は、通信I/F部71、制御部72を有して構成されている。通信I/F部71は、図示しないルータなどの通信装置を介したネットワーク14との間の双方向の通信制御を行う。制御部72は、図示しないCPU、ROM、RAM等により構成され、機能概念的には、データ登録/管理部81と、データ抽出/作成部82と、データ送信部83とを有して構成されている。なお、これら各機能部(81〜83)での処理を実現するためのプログラムは例えばROMに記憶されており、CPUは、このROMに記憶されているプログラムに従って、RAMをバッファ等の作業領域として利用しながら処理を実行する。
【0059】
データ登録/管理部81は、データベース16への各種データの登録、及びそれら登録したデータの管理を行う処理部である。具体的には、患者データ記憶部21への患者データ31の登録、処方データ記憶部22への処方データの登録、パターンデータ記憶部23への図形パターン(照合パターン、位置合わせパターン)の登録、写真データ記憶部24への顔写真40の登録、書式データ記憶部25への作成フォーマットの登録、及びそれら登録したデータの変更、削除等を行う。
【0060】
また、データ登録/管理部81は、色IDパターン110の色設定とパターン設定とを行うための色設定レジスタ91(図7)とパターン設定レジスタ92(図8)とを有し、色IDパターン110における照合パターン及び位置合わせパターンの色、パターンをそれら各レジスタ91,92にそれぞれ設定する。
【0061】
図7に示すように、色設定レジスタ91には、上記ユーザID32を構成する0〜9の各数字(具体的には各数字の照合パターン)に対してそれぞれ割り当てる色と、位置合わせパターンに対して割り当てる色とが設定されている。各数字に対して割り当てる色は、それぞれ各数字間で異なる色となるように設定されている。
【0062】
なお、本例では、0〜9の各数字に対し、白、赤、橙、黄、緑、青、紺、紫、灰、黒の色をそれぞれ割り当てるようにしているが、この配色に限定されない。すなわち、各数字に対し割り当てる色は、色覚障害者及びそうでない人にも見分けが付きやすい(色のカテゴリー(色名)が識別しやすい)ように配色を工夫することが望ましい。色覚障害者は、色相(色あい)の見分けが困難な分、明度や彩度の差にはむしろ敏感で、同系色の明暗の識別には支障が少ないことが一般に知られている。したがって、この点を考慮して、色を割り当てる際には、色覚障害者が色名を識別しにくくなるような、明度もしくは彩度の類似する色の組み合わせや、同じ明度で色相のみを変更する色の組み合わせは避けるようにするのがよい。換言すれば、色の組み合わせとしては、同じ色相で明度を変更する配色とするのがより好ましい(例えば、10桁の各数字に対しモノクロで色を割り当てる場合にも、その明度で10段階を表すようにする)。なお、人間の眼は明るさを対数的に感じるため、明度を指定するときは値が等差数列(例:10,20,30,40,…%)でなく等比数列(例:10,14.1,20,28.2,…%)になるようにするのがよい。このように配色を工夫することで、色覚障害者及びそうでない人にも色名を識別しやすい色IDパターン110とすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0063】
図8に示すように、パターン設定レジスタ92には、色IDパターン110を形成する図形パターン(照合パターン、位置合わせパターン)がパターンデータ記憶部23に記憶されている図形ファイルの中から選択されて設定されている。本例では、照合パターンC1と位置合わせパターンP1とがパターンデータ記憶部23から選択されて設定されている。
【0064】
データ抽出/作成部82は、端末12からのカードデータの取得要求に応答してデータベース16から色IDカード101,102の作成に必要なデータを抽出し、それら抽出したデータをもとにカードデータを作成する処理部である。
【0065】
具体的には、端末12から受信したユーザID32に基づいて、患者データ31に登録されている患者のユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37を患者データ記憶部21から抽出するとともに、その患者の処方データに登録されている薬剤名38、及びその薬剤の使用日39を処方データ記憶部22から抽出する。また、その患者の顔写真40を写真データ記憶部24から抽出するとともに、作成フォーマットを書式データ記憶部25から抽出する。
【0066】
さらには、パターン設定レジスタ92に設定されている照合パターンC1と位置合わせパターンP1とをパターンデータ記憶部23から抽出し、それら照合パターンC1と位置合わせパターンP1とからなる色IDパターン110を色設定レジスタ91に設定されている色にしたがってその患者のユーザID32に対応した配色で作成する。例えば、患者のユーザID32が「7523146987」の場合、上記色設定レジスタ91に設定されている色にしたがって、照合パターンC1の10色分の配色を「紫、青、橙、黄、赤、緑、紺、黒、灰、紫」とする。なお、位置合わせパターンP1は「黒」である。
【0067】
そして、データ抽出/作成部82は、図10に示すように、患者のユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37、顔写真40、及び、色IDパターン110をレイアウトした色IDカード101と、その患者のユーザ名33、薬剤名38、該薬剤の使用日39、顔写真40、及び、色IDパターン110をレイアウトした色IDカード102とをラベルシート100に作成するためのカードデータを作成フォーマットに基づいて作成する。
【0068】
データ送信部83は、こうしてデータ抽出/作成部82により作成された色IDカード101,102のカードデータを端末12に送信する処理部である。
次に、本実施の形態のカード作成システム1におけるカード作成処理の流れを、図9に従って説明する。
【0069】
図9は、カード作成処理を示すフローチャートである。
端末12は、ステップS110において、色IDカード101,102を作成する患者が選択されると、次いでステップS120において、その選択された患者のユーザID32を管理サーバ13に送信してカードデータの取得要求を行う。
【0070】
管理サーバ13は、端末12からユーザID32を受信すると、そのユーザID32に基づいて、カードデータの作成に必要なデータをデータベース16から抽出する。すなわち、ステップS130では、患者データ記憶部21から患者データ31(ユーザ名33等)を抽出し、次いでステップS140では、写真データ記憶部24から患者の顔写真40を抽出し、次いでステップS150では、処方データ記憶部22から患者の処方データ(薬剤名38等)を抽出する。次いでステップS160において、パターン設定レジスタ92から色IDパターン110のパターン設定を読み込み、次いでステップS170において、上記パターン設定レジスタ92に設定されている照合パターンC1と位置合わせパターンP1とをパターンデータ記憶部23から抽出する。次いでステップS180において、色設定レジスタ91から色IDパターン110の色設定を読み込み、その患者のユーザID32に対応した色IDパターン110を作成する。次いでステップS190において、書式データ記憶部25から作成フォーマットを抽出し、次いでステップS200において、上記作成フォーマットに基づき、それぞれ色IDパターン110を含む色IDカード101,102のカードデータを作成する。そしてステップS210において、このカードデータを端末12に送信する。
【0071】
端末12は、管理サーバ13からカードデータを受信すると、ステップS220において、そのカードデータをプリンタ15が処理可能な印刷データに変換し、次いでステップS230において、その印刷データをプリンタ15に送信する。
【0072】
そして、プリンタ15は、ステップS240において、端末12から受信した印刷データに基づいて、ラベルシート100への印刷処理を行う。これにより、上記ステップS110で選択された患者についての色IDカード101,102が作成される。
【0073】
次に、本実施の形態のカード作成システム1により作成される色IDカード101,102の特徴、及びそれら両カード101,102を使用して患者本人の照合を行う方法を図10及び図11に従って説明する。
【0074】
図10は、ラベルシート100上に印字された色IDカード101,102の印字例を示す模式図、図11は、それら色IDカード101,102の実際の使用例を示す模式図である。
【0075】
色IDカード101は、例えば、入院ベッドに備え付けられ患者本人を確認するための名札カードN(図11)等に貼付されて使用されるラベルであって、これには、ユーザ名33とともに、顔写真40や、色IDパターン110等が印字されている。一方、色IDカード102は、薬容器M(図11)等に貼付されて使用されるラベルであって、これには、薬剤名38とともに、ユーザ名33、顔写真40、色IDパターン110等が印字されている。すなわち、双方の色IDカード101,102には、患者のユーザ名33、顔写真40、色IDパターン110が共通に印字されており、そのうち色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)は互いの色IDカード101,102間で対称図形となるように両カード101,102の端面にそれぞれ縁なし印字されている。
【0076】
医師や看護士等が患者に処置を施す際には、名札カードNに貼付されている色IDカード101の色IDパターン110と、薬容器Mに貼付されている色IDカード102の色IDパターン110とを用いてID(つまり患者本人かどうか)の照合を行う。
【0077】
具体的には、まず、照合側カードとする色IDカード101(名札カードN)の端面と、被照合側カードとする色IDカード102(薬容器M)の端面とを合わせ、位置合わせパターンP1により照合位置の位置合わせを行う。これは、双方の色IDカード101,102の位置合わせパターンP1を互いの合わせ端面(直線形状の端面)で合わせたときに、両カード101,102間で円形状のパターンが形成されるように位置をすりあわせることによって行う。
【0078】
位置合わせパターンP1により位置合わせがなされると、双方の色IDカード101,102間でそれぞれ対応する数字位置における照合パターンC1の合わせ端面(直線形状の端面)の形状が一致し、該照合パターンC1が互いの色IDカード101,102間で一つのパターンとして形成されるようになる。すなわち、照合側とする色IDカード101の各色の照合パターンC1と、被照合側とする色IDカード102の各色の照合パターンC1とがそれぞれ互いの合わせ端面において連続する一つの長尺パターンとして形成されるようになる。
【0079】
照合は、このように各数字に対応した各色の照合パターンC1を双方の色IDカード101,102間で互いに一致させた状態で、それら双方の色IDカード101,102間における照合パターンC1の色(10色分)がそれぞれ同じ色かどうかを判断することにより行う。これにより、投与しようとする薬剤が間違いなくその患者のものであるかどうかを確認する。なお、この際には、双方の色IDカード101,102に印字されているユーザ名33と顔写真40についても併せて確認を行うことにより、照合間違いの発生をより少なくすることができる。
【0080】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ユーザID32の各数字(10桁分)に対応した色を組み合わせて色IDパターン110を形成し、この色IDパターン110を照合側及び被照合側の2つの色IDカード101,102にそれぞれ印字するようにした。すなわち、ユーザID32の数字列を色の組み合わせによって形成される色IDパターン110に置き換え、該色IDパターン110の一致/不一致を両カード101,102間で判断することにより照合を行うものとした。これにより、数字列を目で追って判断するよりも、その一致/不一致を一目瞭然に見分けることができる。また、同じ色同士の図形パターンを比較することにより照合に間違いが生じる可能性を低くすることができる。そして、本構成では、唯一無二の番号で構成されるユーザID32の各数字に対応した色の組み合わせで色IDパターン110が形成されるため、複数のユーザ間で同じ色の組み合わせの色IDパターン110が形成されることはない。したがって、照合間違いの発生する可能性を好適に防止することができる。言うまでもないが、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要となる。
【0081】
(2)照合パターンC1を双方の色IDカード101,102間で対称図形とした。これにより、色の組み合わせだけでなく、図形パターンによっても照合を行うことができ、照合間違いをより少なくすることができる。
【0082】
(3)両カード101,102間で合わせあう互いの照合パターンC1(10色分)の合わせ端面を直線形状とし、それと反対側の端面を非直線形状(本例では円弧状)で形成するようにした。これにより、照合パターンC1を合わせあう方向が間違ったまま照合が行われることを防止することができる。
【0083】
(4)照合パターンC1を双方の色IDカード101,102の端面に縁なし印字するようにした。このようにカード端面に印字することにより、両カード101,102間で互いの照合パターンC1同士を接近させて照合を行うことができるようになる。したがって、色が一致しているか否かの確認作業が行い易くなる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
【0084】
(5)照合位置、すなわち、各数字に対応した照合パターンC1の位置を双方の色IDカード101,102間で合わせあうための位置合わせパターンP1を両カード101,102に印字するようにした。これにより、両カード101,102間で互いの照合パターンC1の位置がずれたまま色の一致/不一致が判断され、照合間違いが生じることを防止することができる。
【0085】
(6)双方の色IDカード101,102には、色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)の他、患者のユーザ名33、顔写真40をさらに印字するようにした。これにより、色IDパターン110だけでなく、患者のユーザ名33、顔写真40についても併せて確認することで、照合間違いの発生を一段と少なくすることができる。
【0086】
(7)照合側及び被照合側の双方の色IDカード101,102を、貼付可能なシール面を有するラベルシート100にて作成するようにした。これによれば、色IDパターン110を印字した両カード101,102を汎用性の高いものとできる。
【0087】
(第1の実施の形態の変形例)
上記第1の実施の形態は、以下の各変形例の態様に変更して実施することもできる。
(変形例1)上記実施の形態のカード作成システム1では、端末12が備える機能と、管理サーバ13の備える機能とを、1つのコンピュータ(例えば端末12のみ)に備えて実現することもできる。また、このカード作成システム1は、複数のコンピュータに色IDカード101,102を作成するためのプログラム(カード作成プログラム)をそれぞれインストールすることによっても実現することができる。なお、上記実施の形態、及び本変形例1におけるカード作成プログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の可搬型媒体やネットワーク接続された他の計算機の主記憶装置や補助記憶装置等に格納されて提供される。提供されたプログラムは、可搬型媒体から直接計算機の主記憶装置にロードされ、または、可搬型媒体から一旦補助記憶装置にコピーもしくはインストール後に主記憶装置にロードされて実行される。また、ネットワーク接続された他の装置に格納されて提供された場合も、他の装置からネットワークを経由して受信後に補助記憶装置にコピーもしくはインストールされ、主記憶装置にロードされ実行されるものである。
【0088】
(変形例2)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図12に示すような色IDパターン111に変更してもよい。この色IDパターン111は、パターンデータ記憶部23に記憶されている照合パターンC2(図3(b))と位置合わせパターンP1(図4(a))とを組み合わせて形成されている。すなわち、この色IDパターン111では、照合パターンC2の形状が半円形状であるため、照合パターンC1を用いるよりも色IDパターン111の印字面積を小さくできる。したがって、色IDカード101,102を小型サイズで作成する場合には有利となる。
【0089】
(変形例3)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図13に示すような色IDパターン112に変更してもよい。この色IDパターン112は、パターンデータ記憶部23に記憶されている照合パターンC3(図3(c))と位置合わせパターンP2(図4(b))とを組み合わせて形成されている。すなわち、この色IDパターン112では、照合パターンC3の形状が照合パターンC1よりも長尺であるため、色の識別がしやすくなる。このため、照合間違いを少なくすることができる。
【0090】
(変形例4)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図14に示すような色IDパターン113に変更してもよい。この色IDパターン113は、照合パターンC1の幅W1よりも大きな幅W2を持つ照合パターンC4を別途用意し、それら照合パターンC1と照合パターンC4とを組み合わせて形成されている。即ち、位置合わせパターンP1,P2を用いず、照合パターンC1,C4のみで色IDパターン113が形成されている。なお、ここでは、ユーザID32の数字列のうち先頭の数字と最後の数字に対して照合パターンC4を割り当てる態様としている(例えば、ユーザID32が「7523146987」の場合、先頭と最後の数字「7」に対して照合パターンC4を割り当てる)。こうすることで、両端の照合パターンC4を位置合わせパターンとして利用することができる。勿論、必ずしもユーザID32の先頭の数字と最後の数字に対して照合パターンC4を割り当てることに限定されない。また、ここでは、2つの照合パターンC1,C4を用いた例について説明したが、それらのいずれとも異なる幅を持つ照合パターンをさらに別途用意して、3以上の照合パターンを用いて色IDパターン113を形成するようにしてもよい。こうした色IDパターン113によっても、上記実施の形態と同様の効果を奏するものとなる。
【0091】
(変形例5)色IDパターン110の照合パターンC1は、必ずしも隣接する照合パターンC1同士が隙間なく配置されることに限定されない。すなわち、隣接する照合パターンC1同士が所定間隔で離間して配置される態様でもよい。
【0092】
(変形例6)双方の色IDカード101,102に印字される色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)を、必ずしも対称図形とする必要もない。例えば、照合側とする色IDカード101に照合パターンC1(図3(a))を印字し、被照合側とする色IDカード102に照合パターンC2(図3(b))を印字する、等のように、双方の色IDカード101,102間で互いに異なる照合パターンが印字されてもよい。但し、この際には、互いの色IDカード101,102間で、それぞれ対応する数字位置の照合パターンの形状(幅)が少なくとも合わせ端面において一致するようにパターン設定を行うようにする(照合間違いの発生を防止するため)。すなわち最低限、両カード101,102間で照合パターンの色による照合が可能であればよい。
【0093】
(変形例7)ユーザID32を構成する数字(0〜9)毎にそれぞれ異なる照合パターンを設定してもよい。例えば、数字「0」に対して照合パターンC1を設定し、数字「1」に対して照合パターンC2を設定し、数字「2」に対して照合パターンC3を設定する、…等といったように、数字毎にそれぞれ異なる(又は一部同じでもよい)照合パターンを設定して色IDパターンを形成してもよい。このようにすれば、色だけでなく図形パターンの一致/不一致によっても照合を行うことができ、照合間違いをより少なくすることができる。
【0094】
(変形例8)色IDパターン110は、必ずしも双方の色IDカード101,102の端面に印字されることに限定されない。ただし、色による確認作業を行いやすくするためには、両カード101,102のうち少なくともいずれか一方の端面に色IDパターン110を縁なし印字する態様とするのが好ましい。すなわち、いずれか一方の端面に縁なし印字するようにすれば、該端面に印字されたカード側を他方のカード側に重ね合わせることで、色IDパターン110同士を互いに近接させて照合を行うことができ、照合間違いを少なくすることができる。したがって、上記実施の形態では、両カード101,102の端面にそれぞれ縁なし印字するようにしたが、例えば、色IDカード101(名札カードN)側の色IDパターン110をそのカード端面に印字し、色IDカード102(薬容器M)側の色IDパターン110をそのカード内部に印字するようにしてもよい。
【0095】
(変形例9)照合パターン及び位置合わせパターンの合わせ端面は必ずしも直線形状でなくてもよい。
(変形例10)上記実施の形態では、双方の色IDカード101,102に、それぞれ色IDパターン110、ユーザ名33、顔写真40を共通に印字するようにしたが、少なくとも色IDパターン110が印字されるものであればよい。ユーザ名33、顔写真40は、より照合間違いを少なくするために印字するものである。反対に、双方の色IDカード101,102に共通に印字する情報としては、それら色IDパターン110、ユーザ名33、顔写真40のみに限定されず、その他の情報(年齢34、性別35等)を印字するようにしてもよい。
【0096】
(変形例11)色IDカード101、102を印刷する印刷媒体としては、必ずしもラベルシート100に限定されない。貼付可能なシール面を有さないその他の記録紙であってもよい。
【0097】
(変形例12)上記実施の形態では、管理サーバ13側でカードデータを作成するようにしたが、データベース16から抽出したデータを端末12に送信して、端末12側でカードデータを作成するようにしてもよい。
【0098】
(変形例13)上記実施の形態では、病院で使用される色IDカード101,102に具体化したが、病院に限らず、その他本人の照合を必要とする場面において広く適用することができる。
【0099】
(変形例14)上記実施の形態では、ヒト(人間)たる患者を照合すべき対象として、そのユーザID32(識別番号)の各数字に対応した色の組み合わせにてなる色IDパターン110により患者本人の照合を行うものとしたが、照合すべき対象(特許請求の範囲でいう照合対象)はヒトのみに限定されない。すなわち照合対象としては、モノ(物)であってもよく、当該モノを識別する識別番号の各数字に対応した色の組み合わせにてなる色IDパターンにより、モノ同士の照合を行う態様でもよい。以下に、その適用例を幾つか紹介する。
【0100】
(変形例14にかかる適用例その1)運輸会社が例えば10個口の荷物を配達する際に、当該荷物を識別する荷番号(識別番号)に対応した色IDパターンが、手元の配達伝票(照合側)と、配達すべき10個の荷物(被照合側)とにそれぞれ印字(又はラベル貼付)されていれば、配達伝票との照合を色IDパターンにより行うことができ、荷物の配達ミスを防止することができる。
【0101】
(変形例14にかかる適用例その2)インクジェットプリンタのインク残量が少なくなったときに、当該インクのインクカートリッジを識別する品番(識別番号)に対応した色IDパターンが任意の紙に自動的に印字される。ユーザは、この色IDパターンが印字された紙(照合側)を店頭に持っていき、その店で売られているインクカートリッジの箱(被照合側)に印字(又はラベル貼付)されている同一の色IDパターンとの照合を行うことで、誤購入を防止できる。
【0102】
(変形例14にかかる適用例その3)ボックスファイリング等において、ボックスから出した書類を再度そのボックスに戻す際に、当該ボックスを識別する識別番号に対応した色IDパターンが、対応するボックス(照合側)と書類(被照合側)とにそれぞれ印字(又はラベル貼付)されていれば、ボックスとの照合を色IDパターンにより行うことができ、書類の誤戻しを防ぐことができる。
【0103】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図15及び図16に従って説明する。
図15に示すように、本実施の形態の色IDカード201,202は、一方の色IDカード201の一端に切り込み部203を形成するとともに、他方の色IDカード202の一端に同切り込み部203に挿し込み可能とする凸部204を形成したものである。尚、切り込み部203(又は凸部204)を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0104】
色IDカード201の色IDパターン210は、切り込み部203の端面に沿って縁なし印字されており、本実施の形態では一例として図3(a)に示す照合パターンC1を用いて形成されている。一方、色IDカード202の色IDパターン211は、凸部204の端面に沿って縁なし印字されており、上記色IDパターン210(照合パターンC1)よりも長尺に形成されている。
【0105】
このように構成された色IDカード201,202では、図16に示すように、色IDカード201の切り込み部203に色IDカード202の凸部204を挿し込んで互いのカード201,202を連結させることにより、互いの色IDパターン210,211による照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生をほぼ確実に防止することができる。もちろん、第1の実施の形態における位置合わせパターンは不要となる。また、本実施の形態では、互いのカード201,202を連結するのみで照合を行うことができるので、照合作業を容易化することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、切り込み部203を色IDカード201内部に開口窓として形成し、該開口窓の端面に沿って色IDパターン210を縁なし印字することにより、凸部204の挿し込み位置を色IDカード201内部に設けてもよい。即ち、切り込み部203を色IDカード201の端部に設けることに必ずしも限定されない。
【0107】
また、本実施の形態では、色IDパターン211を凸部204の端面に縁なし印字することに必ずしも限定されない。即ち、双方の色IDパターン210,211は、凸部204を切り込み部203に挿し込んで互いの色IDカード201,202を連結させた状態で、それら両カード201,202の連結部位にそれぞれ存在するように印字されていればよい。
【0108】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0109】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図17及び図18に従って説明する。
図17に示すように、本実施の形態の色IDカード301,302は、一方の色IDカード301に印字する色IDパターン310の形成部位に、他方の色IDカード302に印字する色IDパターン311を覗き込む開口窓303を形成したものである。尚、開口窓303を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0110】
詳細には、色IDカード301,302は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、色IDパターン310,311は各々の色IDカード301,302においてそれぞれ同一形状の照合パターンを用いて同一位置に形成(印字)されている。そして、色IDカード301側に印字される色IDパターン310の一部(例えば中央部)を切り抜く態様にて開口窓303が形成されている。
【0111】
このように構成された色IDカード301,302では、図18に示すように、色IDカード302の上に色IDカード301を重ね合わせて、色IDパターン311の一部を開口窓303に望ませることで、互いの色IDパターン310,311による照合を行うことができる。この際、特に本実施の形態では、色IDカード301,302がそれぞれ同一形状で構成されていることにより、それら両カード301,302が重ね合わせられることによって照合位置が自動的に位置決めされる。従って、第1の実施の形態における位置合わせパターンを不要とすることができる。
【0112】
なお、本実施の形態では、互いの色IDカード301,302をそれぞれ形状の異なるカードで構成することもできる。また、色IDパターン310,311の印字位置を同一位置とすることに必ずしも限定されず、それらはそれぞれのカード301,302内にて任意の位置に設定することができる。
【0113】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0114】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を図19及び図20に従って説明する。
図19に示すように、本実施の形態の色IDカード401,402は、一方の色IDカード401の一端を該カード401の内側に向かって幅方向の一部分にて切り欠いて切り欠き窓403とし、この切り欠き窓403の端面に沿って色IDパターン410を縁なし印字したものである。
【0115】
詳細には、色IDカード401,402は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、一方の色IDカード401に印字される色IDパターン(切り欠き窓403の端面に沿って縁なし印字される色IDパターン)410は、他方の色IDカード402に印字される色IDパターン411の半分の長さで形成されている。なお、切り欠き窓403を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0116】
このように構成された色IDカード401,402では、図20に示すように、色IDカード402の上に色IDカード401を重ね合わせて、色IDパターン411の一部を切り欠き窓403から望ませることで、互いの色IDパターン410,411による照合を行うことができる。この際、特に本実施の形態では、色IDカード401,402がそれぞれ同一形状で構成されていることにより、それら両カード401,402が重ね合わせられることによって照合位置が自動的に位置決めされる。従って、第1の実施の形態における位置合わせパターンを不要とすることができる。
【0117】
なお、本実施の形態では、互いの色IDカード401,402をそれぞれ形状の異なるカードで構成することもできる。また、色IDカード402に印字する色IDパターン411を、該色IDカード402の端面に印字(縁なし印字)することもできる。
【0118】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0119】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を図21及び図22に従って説明する。
図21に示すように、本実施の形態の色IDカード501,502は、それぞれに印字した色IDパターン510,511による照合が可能となるように、互いの色IDカード501,502にそれらのカード位置を位置決めするための切り欠き部503,504をそれぞれ形成したものである。
【0120】
詳細には、色IDカード501,502は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、切り欠き部503,504は、互いの色IDカード501,502を幾分ずらして重ね合わせた位置においてそれら各カード501,502の両端にそれぞれ形成されている。
【0121】
このように構成された色IDカード501,502では、図22に示すように、互いの切り欠き部503,504に指を添えてそれらの位置を合わせるだけで互いのカード位置を位置決めし照合位置を決定することができる。従って、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生をほぼ確実に防止することができるとともに、照合作業を容易化することができる。もちろん、第1の実施の形態における位置合わせパターンは不要となる。
【0122】
なお、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】カード作成システムを示す概略構成図。
【図2】患者データの例を示す概念図。
【図3】(a)〜(c)は照合パターンの例を示す模式図。
【図4】(a),(b)は位置合わせパターンの例を示す模式図。
【図5】端末の概略ハードウェア構成を示すブロック図。
【図6】管理サーバの概略ハードウェア構成を示すブロック図。
【図7】色設定レジスタを示す概念図。
【図8】パターン設定レジスタを示す概念図。
【図9】カード作成処理を示すフローチャート。
【図10】第1の実施の形態の色IDカード(ラベルシート適用例)を示す模式図。
【図11】第1の実施の形態の色IDカードの使用例を示す模式図。
【図12】第1の実施の形態の変形例2にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図13】第1の実施の形態の変形例3にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図14】第1の実施の形態の変形例4にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図15】第2の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図16】第2の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図17】第3の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図18】第3の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図19】第4の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図20】第4の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図21】第5の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図22】第5の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【符号の説明】
【0124】
1:カード作成システム(コンピュータシステム)、12:端末、13:管理サーバ、14:ネットワーク、15:プリンタ、16:データベース、21:患者データ記憶部、22:処方データ記憶部、23:パターンデータ記憶部、24:写真データ記憶部、25:書式データ記憶部、31:患者データ、32:ユーザID、33:ユーザ名、40:顔写真、54:制御部、61:カードデータ取得部、62:印刷制御部、72:制御部、81:データ登録/管理部、82:データ抽出/作成部、83:データ送信部、91:色設定レジスタ、92:パターン設定レジスタ、100:ラベルシート、101,102,201,202,301,302,401,402,501,502:色IDカード、110〜113,210,211,310,311,410,411,510,511:色IDパターン、203:切り込み部、204:凸部、303:開口窓、403:切り欠き窓、503,504:切り欠き部、C1〜C4:照合パターン、P1,P2:位置合わせパターン、EG:合わせ端面、W1,W2:照合パターンの幅、N:名札カード、M:薬容器。
【技術分野】
【0001】
この発明は、色情報を用いて照合を行うための色IDカード、カード作成システム、カード作成方法、カード作成プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病院では様々な医療事故が発生しているが、その一つとして注射薬などの誤投薬の問題がある。こうした誤投薬は、本来患者に投与すべき必要のない薬剤を患者に投与してしまうといった医療事故であるが、この対策として、例えば、患者を識別する患者IDと、その患者IDとの照合を行うための照合情報とをそれぞれバーコードの形態で印字しておき、処置を施す際に、それら患者IDと照合情報とをバーコードリーダーで読み取って照合することにより、投与しようとしている薬剤が、間違いなくその患者のものであるか否かを確認するようにしたシステムがある。しかしながら、このシステムでは、バーコードリーダーを持ち歩かなければならないため看護士等の負担が大きい。そこで、これに替わるシステムとして、例えば特許文献1では、図形や色(カラー図形)により患者本人を識別可能なラベルを作成し、このラベルを用いて照合を行うことにより患者に投与する薬剤が正しいものであるか否かを確認するようにしている。
【特許文献1】特開2003−6332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたラベルでは、カラー図形を患者の血液型、診療科、感染症等の患者の属性によって区別しているため(文献中、図2参照)、患者の属性が同じであると、同じカラー図形のラベルが作成される。このため、患者の属性が同じである場合には、照合が間違って行われる可能性があった。
【0004】
この発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な方法で照合を行うことができ、かつ照合間違いを少なくすることのできる色IDカード、カード作成システム、カード作成方法、プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明の第1の態様は、色による照合を行うための色IDカードであって、照合側カードと、該照合側カードとの間で照合を行うための被照合側カードとからなり、照合対象を識別する識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターンを、前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれに印字してなる色IDカードであることを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色を組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。なお、上記「照合対象」としては、ヒト(人間)、モノ(物)のいずれであってよい。すなわち、ヒトを対象として本人照合を行う場合には、当該本人を識別する識別番号、また、モノを対象としてモノ同士の照合を行う場合には、当該モノを識別する識別番号を元に、上記色IDパターンを形成すればよい。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0007】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で互いに対称な図形パターンで形成される、といった構成を採用することもできる。
【0008】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードで色IDパターンの形状が互いに対称な図形パターンであることにより、照合の可否を、色の組み合わせのみならず、図形パターンの一致/不一致を判断して行うことができる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
【0009】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとのうち少なくともいずれか一方は、該カードの端面に前記色IDパターンが縁なし印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0010】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字される互いの色IDパターンのうち少なくともいずれか一方の色IDパターンが、該カードの端面に縁なし印字されることにより、色IDパターン同士を接近させて照合を行うことができるようになる。すなわち、色IDパターンがそれぞれカードの内部に印字されたものであると、両カード間で色IDパターン同士が離れたままで照合を行わなければならず、それにより、互いの色IDパターンの位置にずれが生じて、間違って照合が行われる可能性がある。しかしながら、本構成のように少なくともいずれか一方のカード端面に縁なし印字するようにすれば、該端面に縁なし印字されたカードを他方のカードに重ね合わせて色IDパターン同士を接近させて照合を行うことができるため、照合間違いの発生を少なくすることができる。
【0011】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カード間で合わせあう互いの前記色IDパターンの合わせ端面は直線形状で形成され、該合わせ端面と反対側の端面は非直線形状で形成される、といった構成を採用することもできる。
【0012】
この構成によれば、互いの色IDパターンを合わせあう方向が間違ったまま照合が行われることを防止することができる。すなわち本構成では、互いの色IDパターンをそれぞれ直線形状にてなる合わせ端面側で合わせて色の確認を行うことで、照合間違いを少なくすることができる。
【0013】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成される、といった構成を採用することもできる。
【0014】
この構成によれば、色IDパターンが互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成されることにより、照合側及び被照合側のカード間で図形パターン同士が類似することによる照合間違いを防止することができる。
【0015】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、明度もしくは彩度の類似しない組み合わせで配色される、といった構成を採用することもできる。
【0016】
この構成によれば、色覚障害者及びそうでない人にも、色名(色のカテゴリー)を識別しやすい色の組み合わせとすることができ、色の識別違いによる照合間違いを少なくすることができる。
【0017】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、同じ色相で明度を互いに変更する組み合わせで配色される、といった構成を採用することもできる。
【0018】
この構成によれば、色覚障害者及びそうでない人にも、色名(色のカテゴリー)を識別しやすい色の組み合わせとすることができ、色の識別違いによる照合間違いを少なくすることができる。
【0019】
上記構成の色IDカードにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成される、といった構成を採用することもできる。
【0020】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字された互いの照合パターンを、位置合わせパターンを用いて位置合わせすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0021】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとには、前記照合対象を確認する写真がさらに印字される、といった構成を採用することもできる。
【0022】
この構成によれば、色IDパターンに加えて、さらに写真により照合確認することができるようになる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カードと前記被照合側カードとは、貼付可能なシール面を有するラベルシートを印刷媒体として作成される、といった構成を採用することもできる。
【0023】
この構成によれば、色IDパターンを印字した照合側及び被照合側のカードをシール面を有するラベルにて形成することにより、例えば、病院などにおいて、照合側のラベルを名札カードに貼付し、被照合側のラベルを薬容器に貼付して使用する等といった汎用性の高い使用が可能である。
【0024】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードには切り込み部が形成されるとともに、他方のカードには前記切り込み部に挿し込み可能な凸部が形成されており、前記色IDパターンは前記切り込み部と前記凸部とによる互いのカードの連結部位にそれぞれ印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0025】
この構成によれば、一方のカードの切り込み部に他方のカードの凸部を挿し込んで互いのカードを連結させることにより、互いの色IDパターンによる照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生を極めて低くすることができる。又、照合作業を容易化することができる。
【0026】
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードに印字される前記色IDパターンの形成部位には他方のカードに印字される前記色IDパターンを覗き込む開口窓が形成されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0027】
この構成によれば、一方のカードに形成された開口窓に他方のカードの色IDパターンを望ませて互いのカードを重ね合わせながら照合を行うことができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードの一端は該カードの内側に向かって幅方向の一部分が切り欠かれて切り欠き窓とされ、前記色IDパターンは前記切り欠き窓の端面に縁なし印字されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0028】
この構成によれば、一方のカードの一端に形成された切り欠き窓に他方のカードの色IDパターンを望ませて互いのカードを重ね合わせながら照合を行うことができる。
上記構成の色IDカードにおいては、前記照合側カード及び前記被照合側カードには前記色IDパターンによる照合が可能となるように互いのカード位置を位置決めするための切り欠き部が形成されてなる、といった構成を採用することもできる。
【0029】
この構成によれば、両カードの切り欠き部を合わせるのみで、互いのカード位置を位置決めして色IDパターンの照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生を極めて低くすることができる。又、照合作業を容易に行うことができる。
【0030】
この発明の第2の態様は、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成システムであって、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する手段と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する手段と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する手段と、前記画像データを印刷データに変換する手段と、前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷する手段と、を備えることを要旨とする。
【0031】
この構成によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0032】
上記構成のカード作成システムにおいては、前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成され、前記図形パターンを設定する手段は、前記照合パターンと前記位置合わせパターンとをそれぞれ設定する手段である、といった構成を採用することもできる。
【0033】
この構成によれば、照合側及び被照合側のカードに印字された互いの照合パターンを、位置合わせパターンを用いて位置合わせすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0034】
この発明の第3の態様は、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成方法であって、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定するステップと、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定するステップと、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成するステップと、前記画像データを印刷データに変換するステップと、前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷するステップと、を備えることを要旨とする。
【0035】
この方法によれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0036】
この発明の第4の態様は、コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムであって、前記コンピュータが、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、を実行するためのプログラムであることを要旨とする。
【0037】
このプログラムによれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【0038】
この発明の第5の態様は、コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記コンピュータが、照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体であることを要旨とする。
【0039】
この記憶媒体により提供されるプログラムによれば、識別番号の各数字にそれぞれ対応した色及び図形パターンを組み合わせてなる色IDパターンを用いて照合を行うことにより、照合間違いの発生を少なくすることができる。すなわち、識別番号はそれぞれ照合すべき対象(照合対象)に対して固有の番号であり、したがって、それを元に形成される色IDパターンの組み合わせ(配色)が複数の対象間で同一となることはない。このように唯一無二の組み合わせにより形成された色IDパターンを利用することで、照合間違いの発生を好適に抑えることができる。勿論、本構成では、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要である。したがって、簡易な方法で照合を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を、例えば病院等において患者本人の照合を行う際に利用可能な色IDカードに具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0041】
図1は、本実施の形態のカード作成システム1を示す概略構成図である。カード作成システム1(コンピュータシステム)は、コンピュータのデータベースを用いて、後述する色IDカード101,102(図10参照)の作成や各種データの管理を行うものであり、本例では、クライアント/サーバ方式のリレーショナル型データモデルを元にシステム構築されている。
【0042】
カード作成システム1は、それぞれ病院内に設置されるクライアント・コンピュータとしての端末12と、サーバ・コンピュータとしての管理サーバ13とを備えている。これら端末12と管理サーバ13とは、ネットワーク14(例えばLAN等)を介して相互に接続されている。
【0043】
管理サーバ13は、WebサーバやFTPサーバ等のサーバ機能を統合的に有して構成されている。管理サーバ13と端末12との間のデータの授受は所定の通信プロトコル(例えばTCP/IP)にしたがって行われる。なお、本例では、一台の管理サーバ13にサーバ機能を全て統合した態様としているが、サーバ機能の分散/統合の態様としてはこの態様に限られず、サーバ機能の全部又は一部を負荷等に応じて機能的又は物理的に分散/統合する等、任意の単位で構成することができる。
【0044】
端末12は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、この端末12には、例えばカラーインクジェット式プリンタよりなるプリンタ15が接続されている。プリンタ15は、端末12により作成される後述する印刷データに基づいて、所定の印刷媒体、本例では貼付可能なシール面を有するラベルシート100(図10参照)に、照合側カードとする色IDカード101と被照合側カードとする色IDカード102との2つのカードを印刷する。なお、図1には端末12を一台のみ示すが、この端末12は病院内に一台以上設置される。
【0045】
管理サーバ13には、色IDカード101,102の作成に必要な各種データが記憶されたデータベース16が接続されている。このデータベース16は、患者データ記憶部21、処方データ記憶部22、パターンデータ記憶部23、写真データ記憶部24、及び、書式データ記憶部25から構成されている。なお、本例では、データベース16を機能別に各記憶部21〜25に分散した態様としたが、この分散の態様に限定されない。
【0046】
患者データ記憶部21には、各患者の患者データ31が記憶されている。図2に示すように、患者データ31は、本例では、ユーザID32、ユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37等によって構成されている。ユーザID32は、照合対象とする患者を識別するための識別番号であり、本例では、0〜9の数字を組み合わせてなる10桁の番号で構成されている。ユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37等は、それぞれ文字や数字のテキストデータで構成されている。
【0047】
処方データ記憶部22には、医師の処方箋を元に作成される処方データが記憶されている。この処方データは、上記ユーザID32に関連付けて登録されており、例えば、患者に投薬する薬剤名38、薬剤の使用日39(図10参照)等はこの処方データに登録されている。
【0048】
パターンデータ記憶部23には、色IDパターン110(図10参照)の図形パターンを保存した図形ファイルが記憶されている。色IDパターン110とは、上記ユーザID32を構成する各数字(0〜9)に対してそれぞれ別々の色を設定し、その設定色に基づいて配色した所定の図形パターンでのID(ユーザID32)の照合を行うためのものである。パターンデータ記憶部23には、このような色IDパターン110を形成するための図形パターン、具体的には、各数字に対し設定された色によりIDの照合を行うための図形パターン(以下「照合パターン」)と、この照合パターンの位置合わせを行うための図形パターン(以下「位置合わせパターン」)とが登録されている。
【0049】
写真データ記憶部24には、照合対象を確認する写真として、患者の顔写真40(図10参照)を保存した顔写真ファイルが記憶されている。この顔写真ファイルは、上記ユーザID32に関連付けて登録されている。顔写真40は、カラー写真データで構成されており、それぞれ色IDカード101,102に印字する大きさに縮尺されて保存されている。
【0050】
書式データ記憶部25には、色IDカード101,102を作成するための書式に関するデータ(作成フォーマット)が記憶されている。なお、図10に示すように、この作成フォーマットは、色IDカード101,102の各4つの辺のうちいずれか一辺の端面に縁なし印字の態様で色IDパターン110を印字するためのものとなっている。
【0051】
次に、色IDパターン110を形成する照合パターン及び位置合わせパターンの形状について図3及び図4に従って説明する。
図3は、照合パターンの例を示す模式図であり、(a)は一端が円弧形状をなす長尺状の照合パターンC1、(b)は半円形状の照合パターンC2、(c)は長方形状の照合パターンC3を示す。図4は、位置合わせパターンの例を示す模式図であり、(a)は半円形状の位置合わせパターンP1、(b)は逆三角形状の位置合わせパターンP2を示す。上記したように、これらのパターンはパターンデータ記憶部23に記憶されている。なお、照合パターンC1〜C3及び位置合わせパターンP1はそれぞれ直線形状の端面EGを有しており、この端面EGは、後述するように、2つの色IDカード101,102にそれぞれ印字された色IDパターン110によりIDの照合を行う際の合わせ端面となる。
【0052】
色IDパターン110は、上記照合パターンC1〜C3のうちいずれか一つのパターンと、上記位置合わせパターンP1,P2のうちいずれか一つのパターンとを用いて形成される。すなわち、色IDパターン110は、ユーザID32を構成する10桁の各数字に対し、同一図形の照合パターンC1(又はC2又はC3)を用いて形成される。なお、どの照合パターンと位置合わせパターンとを用いるかは、後述するパターン設定レジスタ92(図8参照)によって設定される。
【0053】
次に、本実施の形態のカード作成システム1の端末12及び管理サーバ13の機能構成を図5及び図6に従って説明する。
図5は、端末12の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0054】
端末12は、操作部51、表示部52、入出力I/F(インタフェース、以下同じ)部53、制御部54、通信I/F部55を有して構成されている。
入出力I/F部53は、操作部51や表示部52、さらには、プリンタ15との間のデータの授受を制御する。操作部51は、例えばキーボード51aやマウス51b(それぞれ図1参照)等により構成され、これらは各種データや指示の入力に用いられる。表示部52は、例えばCRTやLCD等のモニタ52a(図1参照)により構成され、これには処理を行う際の画面及びその処理結果を示す画面等が表示される。通信I/F部55は、端末12と、図示しないルータ等の通信装置を介したネットワーク14との間の通信制御を行う。
【0055】
制御部54は、図示しないCPU、ROM、RAM等により構成され、機能概念的には、カードデータ取得部61と、印刷制御部62とを有して構成されている。なお、これら各機能部(61,62)での処理を実現するためのプログラムは例えばROMに記憶されており、CPUは、このROMに記憶されているプログラムに従ってRAMをバッファ等の作業領域として利用しながら処理を実行する。
【0056】
カードデータ取得部61は、ラベルシート100に作成(印字)する2つの色IDカード101,102の画像データ(以下「カードデータ」)を管理サーバ13より取得する処理部である。具体的には、色IDカード101,102を作成する患者を選択してそのユーザID32を管理サーバ13に送信し、そのユーザID32に基づいて作成された色IDパターン110を含む色IDカード101,102のカードデータを管理サーバ13から取得する。
【0057】
印刷制御部62は、カードデータ取得部61が取得した上記カードデータをプリンタ15が扱うことのできる印刷データに変換して、この印刷データをプリンタ15に送信する処理部である。すなわちプリンタ15は、この印刷制御部62から供給される印刷データに基づいてラベルシート100への印刷を行う。これにより、ラベルシート100を用いて色IDカード101,102が作成される。なお、このような印刷制御部62の機能をプリンタ15側に設け、端末12が受信したカードデータをプリンタ15側で印刷データに変換するようにしてもよい。
【0058】
図6は、管理サーバ13の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
管理サーバ13は、通信I/F部71、制御部72を有して構成されている。通信I/F部71は、図示しないルータなどの通信装置を介したネットワーク14との間の双方向の通信制御を行う。制御部72は、図示しないCPU、ROM、RAM等により構成され、機能概念的には、データ登録/管理部81と、データ抽出/作成部82と、データ送信部83とを有して構成されている。なお、これら各機能部(81〜83)での処理を実現するためのプログラムは例えばROMに記憶されており、CPUは、このROMに記憶されているプログラムに従って、RAMをバッファ等の作業領域として利用しながら処理を実行する。
【0059】
データ登録/管理部81は、データベース16への各種データの登録、及びそれら登録したデータの管理を行う処理部である。具体的には、患者データ記憶部21への患者データ31の登録、処方データ記憶部22への処方データの登録、パターンデータ記憶部23への図形パターン(照合パターン、位置合わせパターン)の登録、写真データ記憶部24への顔写真40の登録、書式データ記憶部25への作成フォーマットの登録、及びそれら登録したデータの変更、削除等を行う。
【0060】
また、データ登録/管理部81は、色IDパターン110の色設定とパターン設定とを行うための色設定レジスタ91(図7)とパターン設定レジスタ92(図8)とを有し、色IDパターン110における照合パターン及び位置合わせパターンの色、パターンをそれら各レジスタ91,92にそれぞれ設定する。
【0061】
図7に示すように、色設定レジスタ91には、上記ユーザID32を構成する0〜9の各数字(具体的には各数字の照合パターン)に対してそれぞれ割り当てる色と、位置合わせパターンに対して割り当てる色とが設定されている。各数字に対して割り当てる色は、それぞれ各数字間で異なる色となるように設定されている。
【0062】
なお、本例では、0〜9の各数字に対し、白、赤、橙、黄、緑、青、紺、紫、灰、黒の色をそれぞれ割り当てるようにしているが、この配色に限定されない。すなわち、各数字に対し割り当てる色は、色覚障害者及びそうでない人にも見分けが付きやすい(色のカテゴリー(色名)が識別しやすい)ように配色を工夫することが望ましい。色覚障害者は、色相(色あい)の見分けが困難な分、明度や彩度の差にはむしろ敏感で、同系色の明暗の識別には支障が少ないことが一般に知られている。したがって、この点を考慮して、色を割り当てる際には、色覚障害者が色名を識別しにくくなるような、明度もしくは彩度の類似する色の組み合わせや、同じ明度で色相のみを変更する色の組み合わせは避けるようにするのがよい。換言すれば、色の組み合わせとしては、同じ色相で明度を変更する配色とするのがより好ましい(例えば、10桁の各数字に対しモノクロで色を割り当てる場合にも、その明度で10段階を表すようにする)。なお、人間の眼は明るさを対数的に感じるため、明度を指定するときは値が等差数列(例:10,20,30,40,…%)でなく等比数列(例:10,14.1,20,28.2,…%)になるようにするのがよい。このように配色を工夫することで、色覚障害者及びそうでない人にも色名を識別しやすい色IDパターン110とすることができ、照合間違いを少なくすることができる。
【0063】
図8に示すように、パターン設定レジスタ92には、色IDパターン110を形成する図形パターン(照合パターン、位置合わせパターン)がパターンデータ記憶部23に記憶されている図形ファイルの中から選択されて設定されている。本例では、照合パターンC1と位置合わせパターンP1とがパターンデータ記憶部23から選択されて設定されている。
【0064】
データ抽出/作成部82は、端末12からのカードデータの取得要求に応答してデータベース16から色IDカード101,102の作成に必要なデータを抽出し、それら抽出したデータをもとにカードデータを作成する処理部である。
【0065】
具体的には、端末12から受信したユーザID32に基づいて、患者データ31に登録されている患者のユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37を患者データ記憶部21から抽出するとともに、その患者の処方データに登録されている薬剤名38、及びその薬剤の使用日39を処方データ記憶部22から抽出する。また、その患者の顔写真40を写真データ記憶部24から抽出するとともに、作成フォーマットを書式データ記憶部25から抽出する。
【0066】
さらには、パターン設定レジスタ92に設定されている照合パターンC1と位置合わせパターンP1とをパターンデータ記憶部23から抽出し、それら照合パターンC1と位置合わせパターンP1とからなる色IDパターン110を色設定レジスタ91に設定されている色にしたがってその患者のユーザID32に対応した配色で作成する。例えば、患者のユーザID32が「7523146987」の場合、上記色設定レジスタ91に設定されている色にしたがって、照合パターンC1の10色分の配色を「紫、青、橙、黄、赤、緑、紺、黒、灰、紫」とする。なお、位置合わせパターンP1は「黒」である。
【0067】
そして、データ抽出/作成部82は、図10に示すように、患者のユーザ名33、年齢34、性別35、血液型36、入院日37、顔写真40、及び、色IDパターン110をレイアウトした色IDカード101と、その患者のユーザ名33、薬剤名38、該薬剤の使用日39、顔写真40、及び、色IDパターン110をレイアウトした色IDカード102とをラベルシート100に作成するためのカードデータを作成フォーマットに基づいて作成する。
【0068】
データ送信部83は、こうしてデータ抽出/作成部82により作成された色IDカード101,102のカードデータを端末12に送信する処理部である。
次に、本実施の形態のカード作成システム1におけるカード作成処理の流れを、図9に従って説明する。
【0069】
図9は、カード作成処理を示すフローチャートである。
端末12は、ステップS110において、色IDカード101,102を作成する患者が選択されると、次いでステップS120において、その選択された患者のユーザID32を管理サーバ13に送信してカードデータの取得要求を行う。
【0070】
管理サーバ13は、端末12からユーザID32を受信すると、そのユーザID32に基づいて、カードデータの作成に必要なデータをデータベース16から抽出する。すなわち、ステップS130では、患者データ記憶部21から患者データ31(ユーザ名33等)を抽出し、次いでステップS140では、写真データ記憶部24から患者の顔写真40を抽出し、次いでステップS150では、処方データ記憶部22から患者の処方データ(薬剤名38等)を抽出する。次いでステップS160において、パターン設定レジスタ92から色IDパターン110のパターン設定を読み込み、次いでステップS170において、上記パターン設定レジスタ92に設定されている照合パターンC1と位置合わせパターンP1とをパターンデータ記憶部23から抽出する。次いでステップS180において、色設定レジスタ91から色IDパターン110の色設定を読み込み、その患者のユーザID32に対応した色IDパターン110を作成する。次いでステップS190において、書式データ記憶部25から作成フォーマットを抽出し、次いでステップS200において、上記作成フォーマットに基づき、それぞれ色IDパターン110を含む色IDカード101,102のカードデータを作成する。そしてステップS210において、このカードデータを端末12に送信する。
【0071】
端末12は、管理サーバ13からカードデータを受信すると、ステップS220において、そのカードデータをプリンタ15が処理可能な印刷データに変換し、次いでステップS230において、その印刷データをプリンタ15に送信する。
【0072】
そして、プリンタ15は、ステップS240において、端末12から受信した印刷データに基づいて、ラベルシート100への印刷処理を行う。これにより、上記ステップS110で選択された患者についての色IDカード101,102が作成される。
【0073】
次に、本実施の形態のカード作成システム1により作成される色IDカード101,102の特徴、及びそれら両カード101,102を使用して患者本人の照合を行う方法を図10及び図11に従って説明する。
【0074】
図10は、ラベルシート100上に印字された色IDカード101,102の印字例を示す模式図、図11は、それら色IDカード101,102の実際の使用例を示す模式図である。
【0075】
色IDカード101は、例えば、入院ベッドに備え付けられ患者本人を確認するための名札カードN(図11)等に貼付されて使用されるラベルであって、これには、ユーザ名33とともに、顔写真40や、色IDパターン110等が印字されている。一方、色IDカード102は、薬容器M(図11)等に貼付されて使用されるラベルであって、これには、薬剤名38とともに、ユーザ名33、顔写真40、色IDパターン110等が印字されている。すなわち、双方の色IDカード101,102には、患者のユーザ名33、顔写真40、色IDパターン110が共通に印字されており、そのうち色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)は互いの色IDカード101,102間で対称図形となるように両カード101,102の端面にそれぞれ縁なし印字されている。
【0076】
医師や看護士等が患者に処置を施す際には、名札カードNに貼付されている色IDカード101の色IDパターン110と、薬容器Mに貼付されている色IDカード102の色IDパターン110とを用いてID(つまり患者本人かどうか)の照合を行う。
【0077】
具体的には、まず、照合側カードとする色IDカード101(名札カードN)の端面と、被照合側カードとする色IDカード102(薬容器M)の端面とを合わせ、位置合わせパターンP1により照合位置の位置合わせを行う。これは、双方の色IDカード101,102の位置合わせパターンP1を互いの合わせ端面(直線形状の端面)で合わせたときに、両カード101,102間で円形状のパターンが形成されるように位置をすりあわせることによって行う。
【0078】
位置合わせパターンP1により位置合わせがなされると、双方の色IDカード101,102間でそれぞれ対応する数字位置における照合パターンC1の合わせ端面(直線形状の端面)の形状が一致し、該照合パターンC1が互いの色IDカード101,102間で一つのパターンとして形成されるようになる。すなわち、照合側とする色IDカード101の各色の照合パターンC1と、被照合側とする色IDカード102の各色の照合パターンC1とがそれぞれ互いの合わせ端面において連続する一つの長尺パターンとして形成されるようになる。
【0079】
照合は、このように各数字に対応した各色の照合パターンC1を双方の色IDカード101,102間で互いに一致させた状態で、それら双方の色IDカード101,102間における照合パターンC1の色(10色分)がそれぞれ同じ色かどうかを判断することにより行う。これにより、投与しようとする薬剤が間違いなくその患者のものであるかどうかを確認する。なお、この際には、双方の色IDカード101,102に印字されているユーザ名33と顔写真40についても併せて確認を行うことにより、照合間違いの発生をより少なくすることができる。
【0080】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ユーザID32の各数字(10桁分)に対応した色を組み合わせて色IDパターン110を形成し、この色IDパターン110を照合側及び被照合側の2つの色IDカード101,102にそれぞれ印字するようにした。すなわち、ユーザID32の数字列を色の組み合わせによって形成される色IDパターン110に置き換え、該色IDパターン110の一致/不一致を両カード101,102間で判断することにより照合を行うものとした。これにより、数字列を目で追って判断するよりも、その一致/不一致を一目瞭然に見分けることができる。また、同じ色同士の図形パターンを比較することにより照合に間違いが生じる可能性を低くすることができる。そして、本構成では、唯一無二の番号で構成されるユーザID32の各数字に対応した色の組み合わせで色IDパターン110が形成されるため、複数のユーザ間で同じ色の組み合わせの色IDパターン110が形成されることはない。したがって、照合間違いの発生する可能性を好適に防止することができる。言うまでもないが、照合のためのバーコードリーダー等の別途の機器は不要となる。
【0081】
(2)照合パターンC1を双方の色IDカード101,102間で対称図形とした。これにより、色の組み合わせだけでなく、図形パターンによっても照合を行うことができ、照合間違いをより少なくすることができる。
【0082】
(3)両カード101,102間で合わせあう互いの照合パターンC1(10色分)の合わせ端面を直線形状とし、それと反対側の端面を非直線形状(本例では円弧状)で形成するようにした。これにより、照合パターンC1を合わせあう方向が間違ったまま照合が行われることを防止することができる。
【0083】
(4)照合パターンC1を双方の色IDカード101,102の端面に縁なし印字するようにした。このようにカード端面に印字することにより、両カード101,102間で互いの照合パターンC1同士を接近させて照合を行うことができるようになる。したがって、色が一致しているか否かの確認作業が行い易くなる。これにより、照合間違いをより少なくすることができる。
【0084】
(5)照合位置、すなわち、各数字に対応した照合パターンC1の位置を双方の色IDカード101,102間で合わせあうための位置合わせパターンP1を両カード101,102に印字するようにした。これにより、両カード101,102間で互いの照合パターンC1の位置がずれたまま色の一致/不一致が判断され、照合間違いが生じることを防止することができる。
【0085】
(6)双方の色IDカード101,102には、色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)の他、患者のユーザ名33、顔写真40をさらに印字するようにした。これにより、色IDパターン110だけでなく、患者のユーザ名33、顔写真40についても併せて確認することで、照合間違いの発生を一段と少なくすることができる。
【0086】
(7)照合側及び被照合側の双方の色IDカード101,102を、貼付可能なシール面を有するラベルシート100にて作成するようにした。これによれば、色IDパターン110を印字した両カード101,102を汎用性の高いものとできる。
【0087】
(第1の実施の形態の変形例)
上記第1の実施の形態は、以下の各変形例の態様に変更して実施することもできる。
(変形例1)上記実施の形態のカード作成システム1では、端末12が備える機能と、管理サーバ13の備える機能とを、1つのコンピュータ(例えば端末12のみ)に備えて実現することもできる。また、このカード作成システム1は、複数のコンピュータに色IDカード101,102を作成するためのプログラム(カード作成プログラム)をそれぞれインストールすることによっても実現することができる。なお、上記実施の形態、及び本変形例1におけるカード作成プログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の可搬型媒体やネットワーク接続された他の計算機の主記憶装置や補助記憶装置等に格納されて提供される。提供されたプログラムは、可搬型媒体から直接計算機の主記憶装置にロードされ、または、可搬型媒体から一旦補助記憶装置にコピーもしくはインストール後に主記憶装置にロードされて実行される。また、ネットワーク接続された他の装置に格納されて提供された場合も、他の装置からネットワークを経由して受信後に補助記憶装置にコピーもしくはインストールされ、主記憶装置にロードされ実行されるものである。
【0088】
(変形例2)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図12に示すような色IDパターン111に変更してもよい。この色IDパターン111は、パターンデータ記憶部23に記憶されている照合パターンC2(図3(b))と位置合わせパターンP1(図4(a))とを組み合わせて形成されている。すなわち、この色IDパターン111では、照合パターンC2の形状が半円形状であるため、照合パターンC1を用いるよりも色IDパターン111の印字面積を小さくできる。したがって、色IDカード101,102を小型サイズで作成する場合には有利となる。
【0089】
(変形例3)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図13に示すような色IDパターン112に変更してもよい。この色IDパターン112は、パターンデータ記憶部23に記憶されている照合パターンC3(図3(c))と位置合わせパターンP2(図4(b))とを組み合わせて形成されている。すなわち、この色IDパターン112では、照合パターンC3の形状が照合パターンC1よりも長尺であるため、色の識別がしやすくなる。このため、照合間違いを少なくすることができる。
【0090】
(変形例4)双方の色IDカード101,102に印字する色IDパターン110は、図14に示すような色IDパターン113に変更してもよい。この色IDパターン113は、照合パターンC1の幅W1よりも大きな幅W2を持つ照合パターンC4を別途用意し、それら照合パターンC1と照合パターンC4とを組み合わせて形成されている。即ち、位置合わせパターンP1,P2を用いず、照合パターンC1,C4のみで色IDパターン113が形成されている。なお、ここでは、ユーザID32の数字列のうち先頭の数字と最後の数字に対して照合パターンC4を割り当てる態様としている(例えば、ユーザID32が「7523146987」の場合、先頭と最後の数字「7」に対して照合パターンC4を割り当てる)。こうすることで、両端の照合パターンC4を位置合わせパターンとして利用することができる。勿論、必ずしもユーザID32の先頭の数字と最後の数字に対して照合パターンC4を割り当てることに限定されない。また、ここでは、2つの照合パターンC1,C4を用いた例について説明したが、それらのいずれとも異なる幅を持つ照合パターンをさらに別途用意して、3以上の照合パターンを用いて色IDパターン113を形成するようにしてもよい。こうした色IDパターン113によっても、上記実施の形態と同様の効果を奏するものとなる。
【0091】
(変形例5)色IDパターン110の照合パターンC1は、必ずしも隣接する照合パターンC1同士が隙間なく配置されることに限定されない。すなわち、隣接する照合パターンC1同士が所定間隔で離間して配置される態様でもよい。
【0092】
(変形例6)双方の色IDカード101,102に印字される色IDパターン110(照合パターンC1、位置合わせパターンP1)を、必ずしも対称図形とする必要もない。例えば、照合側とする色IDカード101に照合パターンC1(図3(a))を印字し、被照合側とする色IDカード102に照合パターンC2(図3(b))を印字する、等のように、双方の色IDカード101,102間で互いに異なる照合パターンが印字されてもよい。但し、この際には、互いの色IDカード101,102間で、それぞれ対応する数字位置の照合パターンの形状(幅)が少なくとも合わせ端面において一致するようにパターン設定を行うようにする(照合間違いの発生を防止するため)。すなわち最低限、両カード101,102間で照合パターンの色による照合が可能であればよい。
【0093】
(変形例7)ユーザID32を構成する数字(0〜9)毎にそれぞれ異なる照合パターンを設定してもよい。例えば、数字「0」に対して照合パターンC1を設定し、数字「1」に対して照合パターンC2を設定し、数字「2」に対して照合パターンC3を設定する、…等といったように、数字毎にそれぞれ異なる(又は一部同じでもよい)照合パターンを設定して色IDパターンを形成してもよい。このようにすれば、色だけでなく図形パターンの一致/不一致によっても照合を行うことができ、照合間違いをより少なくすることができる。
【0094】
(変形例8)色IDパターン110は、必ずしも双方の色IDカード101,102の端面に印字されることに限定されない。ただし、色による確認作業を行いやすくするためには、両カード101,102のうち少なくともいずれか一方の端面に色IDパターン110を縁なし印字する態様とするのが好ましい。すなわち、いずれか一方の端面に縁なし印字するようにすれば、該端面に印字されたカード側を他方のカード側に重ね合わせることで、色IDパターン110同士を互いに近接させて照合を行うことができ、照合間違いを少なくすることができる。したがって、上記実施の形態では、両カード101,102の端面にそれぞれ縁なし印字するようにしたが、例えば、色IDカード101(名札カードN)側の色IDパターン110をそのカード端面に印字し、色IDカード102(薬容器M)側の色IDパターン110をそのカード内部に印字するようにしてもよい。
【0095】
(変形例9)照合パターン及び位置合わせパターンの合わせ端面は必ずしも直線形状でなくてもよい。
(変形例10)上記実施の形態では、双方の色IDカード101,102に、それぞれ色IDパターン110、ユーザ名33、顔写真40を共通に印字するようにしたが、少なくとも色IDパターン110が印字されるものであればよい。ユーザ名33、顔写真40は、より照合間違いを少なくするために印字するものである。反対に、双方の色IDカード101,102に共通に印字する情報としては、それら色IDパターン110、ユーザ名33、顔写真40のみに限定されず、その他の情報(年齢34、性別35等)を印字するようにしてもよい。
【0096】
(変形例11)色IDカード101、102を印刷する印刷媒体としては、必ずしもラベルシート100に限定されない。貼付可能なシール面を有さないその他の記録紙であってもよい。
【0097】
(変形例12)上記実施の形態では、管理サーバ13側でカードデータを作成するようにしたが、データベース16から抽出したデータを端末12に送信して、端末12側でカードデータを作成するようにしてもよい。
【0098】
(変形例13)上記実施の形態では、病院で使用される色IDカード101,102に具体化したが、病院に限らず、その他本人の照合を必要とする場面において広く適用することができる。
【0099】
(変形例14)上記実施の形態では、ヒト(人間)たる患者を照合すべき対象として、そのユーザID32(識別番号)の各数字に対応した色の組み合わせにてなる色IDパターン110により患者本人の照合を行うものとしたが、照合すべき対象(特許請求の範囲でいう照合対象)はヒトのみに限定されない。すなわち照合対象としては、モノ(物)であってもよく、当該モノを識別する識別番号の各数字に対応した色の組み合わせにてなる色IDパターンにより、モノ同士の照合を行う態様でもよい。以下に、その適用例を幾つか紹介する。
【0100】
(変形例14にかかる適用例その1)運輸会社が例えば10個口の荷物を配達する際に、当該荷物を識別する荷番号(識別番号)に対応した色IDパターンが、手元の配達伝票(照合側)と、配達すべき10個の荷物(被照合側)とにそれぞれ印字(又はラベル貼付)されていれば、配達伝票との照合を色IDパターンにより行うことができ、荷物の配達ミスを防止することができる。
【0101】
(変形例14にかかる適用例その2)インクジェットプリンタのインク残量が少なくなったときに、当該インクのインクカートリッジを識別する品番(識別番号)に対応した色IDパターンが任意の紙に自動的に印字される。ユーザは、この色IDパターンが印字された紙(照合側)を店頭に持っていき、その店で売られているインクカートリッジの箱(被照合側)に印字(又はラベル貼付)されている同一の色IDパターンとの照合を行うことで、誤購入を防止できる。
【0102】
(変形例14にかかる適用例その3)ボックスファイリング等において、ボックスから出した書類を再度そのボックスに戻す際に、当該ボックスを識別する識別番号に対応した色IDパターンが、対応するボックス(照合側)と書類(被照合側)とにそれぞれ印字(又はラベル貼付)されていれば、ボックスとの照合を色IDパターンにより行うことができ、書類の誤戻しを防ぐことができる。
【0103】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図15及び図16に従って説明する。
図15に示すように、本実施の形態の色IDカード201,202は、一方の色IDカード201の一端に切り込み部203を形成するとともに、他方の色IDカード202の一端に同切り込み部203に挿し込み可能とする凸部204を形成したものである。尚、切り込み部203(又は凸部204)を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0104】
色IDカード201の色IDパターン210は、切り込み部203の端面に沿って縁なし印字されており、本実施の形態では一例として図3(a)に示す照合パターンC1を用いて形成されている。一方、色IDカード202の色IDパターン211は、凸部204の端面に沿って縁なし印字されており、上記色IDパターン210(照合パターンC1)よりも長尺に形成されている。
【0105】
このように構成された色IDカード201,202では、図16に示すように、色IDカード201の切り込み部203に色IDカード202の凸部204を挿し込んで互いのカード201,202を連結させることにより、互いの色IDパターン210,211による照合位置を位置決めすることができる。これにより、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生をほぼ確実に防止することができる。もちろん、第1の実施の形態における位置合わせパターンは不要となる。また、本実施の形態では、互いのカード201,202を連結するのみで照合を行うことができるので、照合作業を容易化することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、切り込み部203を色IDカード201内部に開口窓として形成し、該開口窓の端面に沿って色IDパターン210を縁なし印字することにより、凸部204の挿し込み位置を色IDカード201内部に設けてもよい。即ち、切り込み部203を色IDカード201の端部に設けることに必ずしも限定されない。
【0107】
また、本実施の形態では、色IDパターン211を凸部204の端面に縁なし印字することに必ずしも限定されない。即ち、双方の色IDパターン210,211は、凸部204を切り込み部203に挿し込んで互いの色IDカード201,202を連結させた状態で、それら両カード201,202の連結部位にそれぞれ存在するように印字されていればよい。
【0108】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0109】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図17及び図18に従って説明する。
図17に示すように、本実施の形態の色IDカード301,302は、一方の色IDカード301に印字する色IDパターン310の形成部位に、他方の色IDカード302に印字する色IDパターン311を覗き込む開口窓303を形成したものである。尚、開口窓303を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0110】
詳細には、色IDカード301,302は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、色IDパターン310,311は各々の色IDカード301,302においてそれぞれ同一形状の照合パターンを用いて同一位置に形成(印字)されている。そして、色IDカード301側に印字される色IDパターン310の一部(例えば中央部)を切り抜く態様にて開口窓303が形成されている。
【0111】
このように構成された色IDカード301,302では、図18に示すように、色IDカード302の上に色IDカード301を重ね合わせて、色IDパターン311の一部を開口窓303に望ませることで、互いの色IDパターン310,311による照合を行うことができる。この際、特に本実施の形態では、色IDカード301,302がそれぞれ同一形状で構成されていることにより、それら両カード301,302が重ね合わせられることによって照合位置が自動的に位置決めされる。従って、第1の実施の形態における位置合わせパターンを不要とすることができる。
【0112】
なお、本実施の形態では、互いの色IDカード301,302をそれぞれ形状の異なるカードで構成することもできる。また、色IDパターン310,311の印字位置を同一位置とすることに必ずしも限定されず、それらはそれぞれのカード301,302内にて任意の位置に設定することができる。
【0113】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0114】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を図19及び図20に従って説明する。
図19に示すように、本実施の形態の色IDカード401,402は、一方の色IDカード401の一端を該カード401の内側に向かって幅方向の一部分にて切り欠いて切り欠き窓403とし、この切り欠き窓403の端面に沿って色IDパターン410を縁なし印字したものである。
【0115】
詳細には、色IDカード401,402は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、一方の色IDカード401に印字される色IDパターン(切り欠き窓403の端面に沿って縁なし印字される色IDパターン)410は、他方の色IDカード402に印字される色IDパターン411の半分の長さで形成されている。なお、切り欠き窓403を形成するカードは、照合側、被照合側の何れであってもよい。
【0116】
このように構成された色IDカード401,402では、図20に示すように、色IDカード402の上に色IDカード401を重ね合わせて、色IDパターン411の一部を切り欠き窓403から望ませることで、互いの色IDパターン410,411による照合を行うことができる。この際、特に本実施の形態では、色IDカード401,402がそれぞれ同一形状で構成されていることにより、それら両カード401,402が重ね合わせられることによって照合位置が自動的に位置決めされる。従って、第1の実施の形態における位置合わせパターンを不要とすることができる。
【0117】
なお、本実施の形態では、互いの色IDカード401,402をそれぞれ形状の異なるカードで構成することもできる。また、色IDカード402に印字する色IDパターン411を、該色IDカード402の端面に印字(縁なし印字)することもできる。
【0118】
また、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【0119】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を図21及び図22に従って説明する。
図21に示すように、本実施の形態の色IDカード501,502は、それぞれに印字した色IDパターン510,511による照合が可能となるように、互いの色IDカード501,502にそれらのカード位置を位置決めするための切り欠き部503,504をそれぞれ形成したものである。
【0120】
詳細には、色IDカード501,502は本実施の形態では同一形状のカードで構成されており、切り欠き部503,504は、互いの色IDカード501,502を幾分ずらして重ね合わせた位置においてそれら各カード501,502の両端にそれぞれ形成されている。
【0121】
このように構成された色IDカード501,502では、図22に示すように、互いの切り欠き部503,504に指を添えてそれらの位置を合わせるだけで互いのカード位置を位置決めし照合位置を決定することができる。従って、照合位置のずれに起因する照合間違いの発生をほぼ確実に防止することができるとともに、照合作業を容易化することができる。もちろん、第1の実施の形態における位置合わせパターンは不要となる。
【0122】
なお、本実施の形態は、上述した「第1の実施の形態の変形例」に示す各態様(変形例1〜14)の技術思想を適宜取り入れ、それらを組み合わせて構成することも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】カード作成システムを示す概略構成図。
【図2】患者データの例を示す概念図。
【図3】(a)〜(c)は照合パターンの例を示す模式図。
【図4】(a),(b)は位置合わせパターンの例を示す模式図。
【図5】端末の概略ハードウェア構成を示すブロック図。
【図6】管理サーバの概略ハードウェア構成を示すブロック図。
【図7】色設定レジスタを示す概念図。
【図8】パターン設定レジスタを示す概念図。
【図9】カード作成処理を示すフローチャート。
【図10】第1の実施の形態の色IDカード(ラベルシート適用例)を示す模式図。
【図11】第1の実施の形態の色IDカードの使用例を示す模式図。
【図12】第1の実施の形態の変形例2にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図13】第1の実施の形態の変形例3にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図14】第1の実施の形態の変形例4にかかる色IDパターンを示す模式図。
【図15】第2の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図16】第2の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図17】第3の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図18】第3の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図19】第4の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図20】第4の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【図21】第5の実施の形態の色IDカードを示す模式図。
【図22】第5の実施の形態の色IDカードの使用状態を示す模式図。
【符号の説明】
【0124】
1:カード作成システム(コンピュータシステム)、12:端末、13:管理サーバ、14:ネットワーク、15:プリンタ、16:データベース、21:患者データ記憶部、22:処方データ記憶部、23:パターンデータ記憶部、24:写真データ記憶部、25:書式データ記憶部、31:患者データ、32:ユーザID、33:ユーザ名、40:顔写真、54:制御部、61:カードデータ取得部、62:印刷制御部、72:制御部、81:データ登録/管理部、82:データ抽出/作成部、83:データ送信部、91:色設定レジスタ、92:パターン設定レジスタ、100:ラベルシート、101,102,201,202,301,302,401,402,501,502:色IDカード、110〜113,210,211,310,311,410,411,510,511:色IDパターン、203:切り込み部、204:凸部、303:開口窓、403:切り欠き窓、503,504:切り欠き部、C1〜C4:照合パターン、P1,P2:位置合わせパターン、EG:合わせ端面、W1,W2:照合パターンの幅、N:名札カード、M:薬容器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色による照合を行うための色IDカードであって、
照合側カードと、該照合側カードとの間で照合を行うための被照合側カードとからなり、照合対象を識別する識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターンを、前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれに印字してなる色IDカード。
【請求項2】
前記色IDパターンは、前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で互いに対称な図形パターンで形成される、
請求項1記載の色IDカード。
【請求項3】
前記照合側カードと前記被照合側カードとのうち少なくともいずれか一方は、該カードの端面に前記色IDパターンが縁なし印字されてなる、
請求項1又は2記載の色IDカード。
【請求項4】
前記照合側カード及び前記被照合側カード間で合わせあう互いの前記色IDパターンの合わせ端面は直線形状で形成され、該合わせ端面と反対側の端面は非直線形状で形成される、
請求項1乃至3のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項5】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成される、
請求項1乃至4のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項6】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、明度もしくは彩度の類似しない組み合わせで配色される、
請求項1乃至5のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項7】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、同じ色相で明度を互いに変更する組み合わせで配色される、
請求項1乃至5のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項8】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成される、
請求項1乃至7のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項9】
前記照合側カードと前記被照合側カードとには、前記照合対象を確認する写真がさらに印字される、
請求項1乃至8のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項10】
前記照合側カードと前記被照合側カードとは、貼付可能なシール面を有するラベルシートを印刷媒体として作成される、
請求項1乃至9のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項11】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードには切り込み部が形成されるとともに他方のカードには前記切り込み部に挿し込み可能な凸部が形成されており、前記色IDパターンは前記切り込み部と前記凸部とによる互いのカードの連結部位にそれぞれ印字されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項12】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードに印字される前記色IDパターンの形成部位には他方のカードに印字される前記色IDパターンを覗き込む開口窓が形成されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項13】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードの一端は該カードの内側に向かって幅方向の一部分が切り欠かれて切り欠き窓とされ、前記色IDパターンは前記切り欠き窓の端面に縁なし印字されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項14】
前記照合側カード及び前記被照合側カードには前記色IDパターンによる照合が可能となるように互いのカード位置を位置決めするための切り欠き部が形成されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項15】
照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成システムであって、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する手段と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する手段と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する手段と、
前記画像データを印刷データに変換する手段と、
前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷する手段と、
を備えることを特徴とするカード作成システム。
【請求項16】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成され、
前記図形パターンを設定する手段は、前記照合パターンと前記位置合わせパターンとをそれぞれ設定する手段である、
請求項15記載のカード作成システム。
【請求項17】
照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成方法であって、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定するステップと、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定するステップと、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成するステップと、
前記画像データを印刷データに変換するステップと、
前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷するステップと、
を備えることを特徴とするカード作成方法。
【請求項18】
コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムであって、
前記コンピュータが、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、
を実行するためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータが、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、
を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項1】
色による照合を行うための色IDカードであって、
照合側カードと、該照合側カードとの間で照合を行うための被照合側カードとからなり、照合対象を識別する識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる色IDパターンを、前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれに印字してなる色IDカード。
【請求項2】
前記色IDパターンは、前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で互いに対称な図形パターンで形成される、
請求項1記載の色IDカード。
【請求項3】
前記照合側カードと前記被照合側カードとのうち少なくともいずれか一方は、該カードの端面に前記色IDパターンが縁なし印字されてなる、
請求項1又は2記載の色IDカード。
【請求項4】
前記照合側カード及び前記被照合側カード間で合わせあう互いの前記色IDパターンの合わせ端面は直線形状で形成され、該合わせ端面と反対側の端面は非直線形状で形成される、
請求項1乃至3のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項5】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、互いに異なる幅を有する2以上の図形パターンを用いて形成される、
請求項1乃至4のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項6】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、明度もしくは彩度の類似しない組み合わせで配色される、
請求項1乃至5のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項7】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字に対し、同じ色相で明度を互いに変更する組み合わせで配色される、
請求項1乃至5のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項8】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成される、
請求項1乃至7のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項9】
前記照合側カードと前記被照合側カードとには、前記照合対象を確認する写真がさらに印字される、
請求項1乃至8のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項10】
前記照合側カードと前記被照合側カードとは、貼付可能なシール面を有するラベルシートを印刷媒体として作成される、
請求項1乃至9のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項11】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードには切り込み部が形成されるとともに他方のカードには前記切り込み部に挿し込み可能な凸部が形成されており、前記色IDパターンは前記切り込み部と前記凸部とによる互いのカードの連結部位にそれぞれ印字されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項12】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードに印字される前記色IDパターンの形成部位には他方のカードに印字される前記色IDパターンを覗き込む開口窓が形成されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項13】
前記照合側カード及び前記被照合側カードのうち一方のカードの一端は該カードの内側に向かって幅方向の一部分が切り欠かれて切り欠き窓とされ、前記色IDパターンは前記切り欠き窓の端面に縁なし印字されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項14】
前記照合側カード及び前記被照合側カードには前記色IDパターンによる照合が可能となるように互いのカード位置を位置決めするための切り欠き部が形成されてなる、
請求項1乃至10のいずれか一項記載の色IDカード。
【請求項15】
照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成システムであって、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する手段と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する手段と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する手段と、
前記画像データを印刷データに変換する手段と、
前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷する手段と、
を備えることを特徴とするカード作成システム。
【請求項16】
前記色IDパターンは、前記識別番号の各数字にそれぞれ対応した色が組み合わせられてなる照合パターンと、該照合パターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとの間で位置合わせするための位置合わせパターンとから構成され、
前記図形パターンを設定する手段は、前記照合パターンと前記位置合わせパターンとをそれぞれ設定する手段である、
請求項15記載のカード作成システム。
【請求項17】
照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するカード作成方法であって、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定するステップと、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定するステップと、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成するステップと、
前記画像データを印刷データに変換するステップと、
前記印刷データに基づいて所定の印刷媒体に前記色IDカードを印刷するステップと、
を備えることを特徴とするカード作成方法。
【請求項18】
コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムであって、
前記コンピュータが、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、
を実行するためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータにより実行され、照合側カードと、該照合側カードとの間で色による照合を行うための被照合側カードとからなる色IDカードを作成するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータが、
照合対象を識別する識別番号の各数字に対し色を設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し図形パターンを設定する処理と、
前記識別番号の各数字に対し設定した色及び図形パターンを組み合わせて色IDパターンを形成し、該色IDパターンを前記照合側カードと前記被照合側カードとのそれぞれにレイアウトして前記色IDカードの画像データを作成する処理と、
を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−248216(P2006−248216A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331793(P2005−331793)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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