説明

芳香族アミンの製造方法

【課題】アミンを製造し、そしてそれらを蒸留により後処理するための簡単かつ経済的な方法であって、その方法が少量の供給エネルギーを用いて実施される方法を見出す。
【解決手段】芳香族ニトロ化合物の水素化によって生成された熱の少なくとも一部を1バール未満の絶対塔頂圧を有する1個の塔において使用して、水を水素化された反応混合物から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ニトロ化合物の接触水素化及びそれにより得られたアミン水溶液の蒸留による後処理のための方法に関する。前記方法において、アミンからエネルギー効率的に水を実質的に除去し、またアミン及び低沸点物を含まない水を得て、かつ低沸点物を得ることも可能である。
【背景技術】
【0002】
例えばEP−A−0223035号から、芳香族ジアミン、例えばトルエンジアミン(TDA、ジアミノトルエン)を、相応の芳香族ジニトロ化合物の接触水素化によって製造できることが知られている。その水素化は、溶剤、例えば低沸点アルコール、例えばメタノール、エタノールもしくはイソプロパノールを共用して実施することができる。該水素化は、反応混合物中に分散された触媒を用いて実施される。分散された触媒は、引き続き、濾過又は沈殿によって分離除去され、そして場合により該プロセスに返送される。水素化反応は、極めて発熱的である。例えばジニトロトルエン(DNT)をトルエンジアミン(TDA)へと水素化するにあたっての不変の問題は、従って、この熱を廃熱として分離せずに、それを適宜使用することである。従って、WO−A−96/11052号は、反応熱を用いて有用な蒸気を生成するスラッジ相水素化(sludge phase hydrogenation)を実施するための反応装置を記載している。しかしながら、その蒸気を利用するためには効果的に高い温度が必須であり、また相応して高い反応温度が必要となる。
【0003】
EP−A−0223035号では、例えば、蒸気は、5〜30バールの範囲で生成される。熱交換器における慣用の温度勾配を考慮すれば、160℃以上の反応温度が、係る蒸気の生成のために必要である。EP−A−0223035号においては、170〜250℃の範囲の温度が挙げられている。
【0004】
水素化で得られた反応混合物の後処理は、場合により使用される溶剤を除去した後に得られる芳香族ジアミンと反応水との混合物から、連続的に蒸留塔において常圧もしくは過圧下で水を除去し、そして次いで、更なる方法工程において、場合により蒸留残滓として得られるジアミンから、いまだ存在しうる付着水と任意の有機化合物を除去することによって実施されている。水と、蒸気中で揮発性の有機的な二次生成物との混合物は、芳香族ジニトロ化合物の水素化で得られる場合には、常に、この方法において蒸留物として得られる。係る二次生成物は、例えば芳香族のもしくは脂環式のアルコールであり、その際、ジアミノトルエン、トルイジン、メチルシクロヘキシルアミン及びメチルシクロヘキシルジアミン及び/又はメチルシクロヘキサノールが製造される。
【0005】
これらの蒸気中で揮発性の二次生成物の作用は、頂部を介して蒸留される水が、これらの化合物で極めて負荷されることである。係るアミン水溶液を蒸留により後処理する方法は、EP−A−0236839号に記載されている。この開示された方法では、得られた廃水は、有機夾雑物でほとんど負荷されない。このために、該混合物は、側流取り出し部を有する蒸留塔において分離される。該蒸留塔の排出蒸気は、凝縮され、そしてこうして得られた水相は、相分離装置を通過し、そこで蒸気中で揮発性の有機的な二次生成物が、排出蒸気凝縮物から有機相として分離される。水相は、蒸留塔の頂部で返送される。蒸気中で揮発性の有機夾雑物をおおかた含まない水は、側流を介して取り出される。水と、蒸気中で揮発性の夾雑物を含まないジアミンは、底部生成物として得られる。
【0006】
全ての前記の方法の共通の特徴は、水素化で得られるTDA及び水を含有する反応混合物からの水の蒸留による分離が、常圧もしくは過圧下で実施されるので、水素化で得られる熱は、生成される蒸気の温度水準のため、TDA及び水を含有する反応混合物の蒸留のためには相当の程度まで使用することができないということである。従って、前記の方法は、蒸気の加熱の形で高いエネルギー消費を有する。1.2〜2kgの加熱蒸気を、分離除去される水1kgあたりに使用せねばならない。
【0007】
先行技術の他の方法よりも30〜50%低い加熱蒸気を用いて操作する方法は、EP−A−1602640号に記載されている。この方法では、2段階もしくは多段階の塔配列が使用される。それらの塔の圧力と温度は、前方もしくは後方の塔の蒸発器が、塔の排出蒸気流の凝縮において放出された熱を用いて作業できるように選択される。例えば、2個の塔の配列であって、第一の塔が0.6バールの絶対塔頂圧で作業され、そして第二の塔が3バールの絶対塔頂圧で作業されるものが示される。第一の塔の蒸発器は、第二の塔の排出蒸気で加熱される。しかしながら、前記の方法の主要な欠点は、作業に必要となる付加的な塔及びポンプ、導管系、設備などに必要とされる投資が高まることであり、その結果としてその方法の経済性が下がる。分離除去されるべき水1kg当たりの加熱蒸気の消費は、従って約0.7〜1.4kgの加熱蒸気である。
【特許文献1】EP−A−0223035号
【特許文献2】WO−A−96/11052号
【特許文献3】EP−A−0236839号
【特許文献4】EP−A−1602640号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、アミンを製造し、そしてそれらを蒸留により後処理するための簡単かつ経済的な方法であって、その方法が少量の供給エネルギーを用いて実施される方法を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題と当業者に明らかとなろう他の課題は、芳香族ニトロ化合物の水素化によって生成された熱の少なくとも一部を1バール未満の絶対塔頂圧を有する1個の塔において使用して、水を水素化された反応混合物から分離することによって解決される。
【0010】
本発明は、1種以上の芳香族アミンを、相応の芳香族ニトロ化合物の接触水素化と、それらの蒸留による精製とによって製造するための方法に関する。本方法では、芳香族ニトロ化合物は、液相中で、100〜200℃の温度において、反応装置中で触媒の存在下に水素化される。アミンと水を含有する反応混合物が得られる。水は、アミン及び水を含有する反応混合物から、単独の蒸留工程を行って、該混合物の質量に対して20質量%未満の量で水を含有する精製アミンを得ることによって分離される。水素化反応からの反応熱の少なくとも一部を使用して、水をアミン及び水を含有する反応混合物から分離する蒸留工程を加熱する。該蒸留塔は、1バール未満の絶対塔頂圧で作業される。
【0011】
水素化反応は、100〜200℃の温度で、有利には120〜180℃の温度で、より有利には125〜170℃の温度で、最も有利には130〜160℃の温度で、1種以上の触媒の存在下で、5〜100バールの圧力で、有利には8〜50バールの圧力で、最も有利には10〜35バールの圧力で実施される。
【0012】
いかなる商業的に入手可能な芳香族ニトロ化合物を、芳香族ニトロ化合物として使用してもよい。芳香族のモノアミン及び/又はジアミンが好ましい。ニトロベンゼン、ニトロトルエン及びジニトロトルエンが特に好ましい。
【0013】
使用される反応装置は、例えばWO−A−96/11052号に記載されるスラッジ相反応器(sludge phase reactor)であってよい。他の好適な反応器は、例えばEP−A−0236935号又はUS−A−6350911号に記載されている。もちろん、複数の同一の好適な反応装置を使用することもでき、又は異なる好適な反応装置の組み合わせを使用することもできる。
【0014】
使用される触媒は、芳香族ニトロ化合物の接触水素化に有用であると知られる水素化触媒の如何なるものも使用できる。特に適した触媒は、元素の周期律表の第8副族の金属又はそれらの混合物であり、それらは、例えばカーボン又はマグネシウム、アルミニウム及び/又はケイ素の酸化物などの担持材料に適用されていてよい。好ましいのは、ラネー鉄、コバルト及び/又はニッケル、特にニッケル含有触媒、例えばラネーニッケル触媒並びに担持材料上のパラジウム含有触媒もしくは白金含有触媒である。ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、塩素化芳香族ニトロ化合物などの芳香族ニトロ化合物の水素化のための触媒の製造及び使用は公知であり、かつ先行技術に記載されている(例えばEP−A−0223035号、EP−B−1066111号、EP−A−1512459号を参照)。
【0015】
蒸留段階における反応熱の使用は、直接的にもしくは間接的に行うことができる。反応熱の使用は、有利には、反応器自体に配置されていてよい熱交換器(例えば反応器内で又は冷却ジャケットとして)又は反応器に接続されている熱交換器(例えば、反応器の冷却媒体もしくは循環される反応器内容物自体によって加熱される外部熱交換器として)において実施され、直接的に使用する場合には、水をアミン及び水を含有する反応混合物から分離するのに使用される蒸留塔の塔底からの流を、熱交換器に通過させる。間接的な使用の場合には、熱伝導媒体、例えば蒸気が使用される。すなわち、反応熱を、まず例えば蒸気の生成に使用し、そしてその蒸気を次いで、水をアミン及び水を含有する反応混合物から分離するのに使用される蒸留塔の塔底を加熱するために使用する。
【0016】
蒸気が使用されるべき場合には、水素化において、蒸留の加熱に必要とされるよりも多くの反応熱が遊離されることが保証されねばならない。その際、蒸気生成の利点は、過剰の反応熱を他の用途に容易に供給できることである。これの用途には、例えば有機物で負荷された水溶液又は酸の蒸気ストリッピング、抽出フィード及び蒸留フィードの予熱、そして冷却設備の運転、例えば吸収型冷却機の運転、並びに多くの考えられる加熱形態が含まれる。挙げることができる考えられる用途の例は、如何なる制限をすることを意味しないが、化学的設備の加熱、特にその導管系及びタンク類の加熱、例えば熱交換器によるもの;プロセス水及び廃水流のストリッピング、例えばアニリンもしくはTDA製造のための水素化工程で得られるもののストリッピング;ニトロベンゼンもしくはDNT製造などのニトロ化工程で得られる有機物で汚染された硫酸のストリッピング;有機物で汚染された酸のストリッピングが行われる設備へのフィードの予熱;並びにボイラー供給水の加熱を含む。
【0017】
生成される蒸気は、一般に、1〜12バールの絶対圧、有利には1.5〜8バールの絶対圧、より有利には2〜6バールの絶対圧、最も有利には2〜5バールの絶対圧を有する。
【0018】
触媒及び溶解されるガスは、芳香族ニトロ化合物の水素化で得られるアミン及び水を含有する反応混合物から分離される。該水素化反応混合物は、また、場合により溶剤を含まない。溶剤の除去を実施する場合に、それは、有利には、水素化の反応熱を用いて、直接的にかもしくは蒸気の生成によって間接的に行われる。溶剤を含まない、アミン及び水を含有する反応混合物は、通常は、そのアミン及び水を含有する反応混合物の質量に対して、50〜70質量%の、有利には55〜65質量%のアミン濃度を有する。所望のアミン化合物の他に、該アミン及び水を含有する反応混合物は、また、蒸気中で揮発性の前記の型の夾雑物を、5質量%まで、有利には500〜5000ppmで含有する。
【0019】
本発明の方法においては、水及び蒸気中で揮発性の夾雑物(例えば芳香族もしくは脂環式のアルコール)の相当の部分は、アミン及び水を含有する反応混合物から分離される。水素化反応からの反応熱の少なくとも一部を使用して、水をアミン及び水を含有する反応混合物から分離する蒸留工程が加熱される。有利には、蒸発器の少なくとも1つは、部分的に、水素化反応からの反応熱を用いて生成された蒸気で加熱される。単独の蒸留段階において、アミン及び水を含有する反応混合物を蒸留することで得られる底部生成物は、精製された水を含有するアミンの質量に対して、20質量%未満の、有利には10質量%未満の、より有利には5質量%未満の、最も有利には3質量%未満の水を含有する。
【0020】
このように、アミン及び水を含有する反応混合物の蒸留に必要な所要エネルギーの、有利には少なくとも50%、最も有利には少なくとも60%は、水素化反応からの反応熱による加熱によって満足される。付加的な新たな蒸気の使用は、従って顕著に低減される。これが可能なのは、1バール未満の絶対頂部圧での蒸留とその蒸留において得られる低い温度水準のためである。
【0021】
単独の蒸留段階において、水は、アミン及び水を含有する反応混合物であって、通常は、該アミン及び水を含有する反応混合物の質量に対して、55〜70質量%のアミン濃度及び30〜45質量%の水濃度を有するものから、前記の水含有率が得られる程度にまで分離される。しかしながら、これは、例えば事前に場合により行われた溶剤分離において、アミン及び水を含有する反応混合物から既に水の一部が分離されている可能性、又は引き続き行われる更なる蒸留段階において、精製されたアミンから水が除去される可能性を排除しない。
【0022】
蒸発器には如何なる制限もなされず、公知の如何なる蒸発器も、本発明の方法で使用するために適している。例えば、強制循環型もしくは自発循環型の当該技術分野で慣用の蒸発器、又は塔内部に位置する内部のもしくは外部の加熱管束(heating bundles)を使用することができる。特に、複数の同一もしくは異なる蒸発器の組み合わせを使用することができる。前記の場合に、少なくとも1つの蒸発器は、水素化反応の熱で運転されるべきであり、かつ前記蒸発器は、有利には水素化反応の熱が、蒸留段階の蒸発器の総容量の少なくとも50%を供給するように構築されるべきである。本発明のもう一つの実施態様においては、塔から出て行く底部流の一部もしくは全ては、水素化反応器に接続された熱交換器を通過し、そして反応熱によって直接的に加熱される。該塔は、例えば泡鐘トレイもしくは充填塔の形態であってよく、その際、該塔は、12〜50の、有利には20〜40の理論段を有する。該塔は、1バール未満の、有利には0.3〜0.8バールの絶対頂部圧で運転される。分離されるべき、アミン及び水を含有する反応混合物は、有利には、蒸発器の上方で、最も有利には第二の理論段と第八の理論段との間で適用される。該塔の排出蒸気は、凝縮され、そしてその一部は、該塔へと還流として適用され、その際、還流比は、有利には少なくとも0.2、最も有利には0.3〜0.6である。
【0023】
本発明の方法の更なる一実施態様においては、蒸気中で揮発性の有機相は、分離除去され、そして水相は、再び、該塔の頂部で適用される。蒸留物の取り出し、つまり水の取り出しは、有利には、該塔の頂部の少なくとも4理論段下、有利には5〜15理論段下であって、該塔の底部の少なくとも8理論段上、有利には15〜25理論段上に配置される側流口を介して行われる。還流(取り出し部の下)と水の取り出しとの容量比は、有利には少なくとも0.2、最も有利には0.3〜0.6である。
【0024】
従って、本発明の方法の主要な利点は、水素化で得られる反応熱が、低温でさえも、生成されるアミン及び水を含有する反応混合物から水を分離するために使用できることである。これは、1バール未満の絶対圧での蒸留によって可能となり、その際、水は、大部分が、単独の段階だけで、TDAから分離される。結果として、実施例によって説明されるように、分離される水1kg当たりに、0.6kg未満の蒸気の外部蒸気量で蒸留を実施することができる。(実施例においては、分離される水1kg当たりに0.45kgの加熱蒸気)。外部蒸気とは、水素化の反応熱から得られない蒸気を意味する。これは、先行技術の方法と比較して50%より高い削減量を表す。
【0025】
この削減量は、先行技術による方法では可能ではなかった。それというのも、蒸留による水の分離は、通常では、常圧もしくは過圧下で、従って高温で実施され、そして100〜200℃の低い水素化温度で生成される蒸気の温度水準は不十分であったからである。
【0026】
蒸留のために低減された圧力が使用される公知の方法のみにおいて、EP−A−1602640号の教示に従って、複数の互いに接続されているが、同様に水素化からの熱を使用せずに運転される蒸留塔を組み合わせる必要がある。EP−A−1602640号の教示によれば、低圧で、従ってまた低温で運転される塔の蒸発器を、高圧で、従って高温で運転される塔からの排出蒸気で加熱するので、こうして低減された圧力で運転される蒸留塔において水素化熱を用いる可能性は全くない。
【実施例】
【0027】
DNT異性体混合物を、1つの反応器中で、130℃で及び22バールの圧力で水素化した。反応熱を、内部熱交換器を介して分離し、その際、水が1.5バール(絶対)の圧力で蒸発された。該反応混合物を濾過し、そして常圧に解放した。該混合物は、ジアミノトルエン異性体の質量の合計に対して、それぞれ、実質的に77.2質量%の2,4−ジアミノトルエンと、19.3質量%の2,6−ジアミノトルエンと、3.5質量%の他のジアミノトルエン異性体からなるジアミン混合物の約60質量%の溶液(反応混合物の質量に対する)であった。その溶液は、蒸気中で揮発性の有機的な二次生成物の含有率0.3質量%を有していた。その溶液の含水率は、従って、反応混合物の質量に対して、約39.7質量%であった。次いで、該混合物を、30段を有する塔中で蒸留した。そのフィードを、塔底部の5段上で入れた。その塔は、400ミリバールの絶対塔頂圧で作業した。その塔は、2つの蒸発器を有し、その際、第一の蒸発器において塔底部が終結している。底部流の一部を、第一の蒸発器中で蒸発させ、そして塔中に返送し、他の部分を、溢流を介して第二の蒸発器中に流動させた。第二の蒸発器中に溢流された流の一部を、第二の蒸発器中で蒸発させ、そして塔中に返送し、他の部分を、生成物流(精製されたアミン)として排出した。第一の蒸発器は、水素化反応からの1.5バールの蒸気で運転させた。第二の蒸発器は、他の起源からの流で運転させ、この流の温度は170℃であった。第一の蒸発器の出口温度は、90℃であり、含水率は、約19.5質量%であった。第二の蒸発器は、出口温度120℃で運転させ、その際、2質量%の含水率が確立された。第二の蒸発器から排出された生成物流(精製されたアミン)は、水を濃度2質量%で含有していた。塔頂部での還流比は、0.5であった。第一の蒸発器を介して導入された水素化の熱と、両方の蒸発器での分離に必要とされる全エネルギーとの割合は、72%であった。
【0028】
使用される塔における分離に必要とされる外部蒸気の量は、追い出される水1kg当たりに、わずか0.45kgであった。
【0029】
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族アミンを、相応の芳香族ニトロ化合物の接触水素化により製造し、そしてそれを蒸留により精製するための方法において:
a)芳香族ニトロ化合物を液相中で温度100〜200℃で1つの反応容器中で触媒の存在下に水素化して、アミン及び水を含有する反応混合物を得て、かつ熱を発生させる工程、
b)該アミン及び水を含有する反応混合物から水を1つの蒸留塔中で単独の蒸留によって分離して、混合物の質量に対して20質量%未満の量で水を含有する精製されたアミンを得る工程、
c)工程a)の水素化からの熱の少なくとも一部を使用して、工程b)での蒸留を加熱する工程、及び
d)蒸留塔を、1バール未満の絶対塔頂圧で運転する工程
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、工程a)で発生した熱を用いて蒸気を生成し、次いでこの蒸気を使用して、工程b)での蒸留を加熱する方法。

【公開番号】特開2008−150377(P2008−150377A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−325508(P2007−325508)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(504213548)バイエル マテリアルサイエンス アクチエンゲゼルシャフト (54)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【住所又は居所原語表記】D−51368 Leverkusen, Germany
【Fターム(参考)】