説明

芳香族ポリアミンの製造方法

【課題】特定の固体酸触媒の存在下、段階的に反応させることで、高収率で経済的に芳香族ポリアミンを製造できる方法を提供する。
【解決手段】一般式(I)で示されるアミナール化合物を、固体酸触媒の存在下で反応させ、N-アミノベンジルアニリン中間体とし、該中間体を固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを製造する。




(式中、Rは、水素原子、アルキル基等を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ポリアミンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリアミンは、芳香族ポリイソシアネートを製造する際の原料及びポリウレタンの原料として知られている。
【0003】
従来、芳香族ポリアミンの製造方法としては、例えば、塩酸等の鉱酸を触媒として用い、アニリン又はその誘導体とホルムアルデヒドとを反応させる方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では、装置の腐食、反応後に得られた反応液を中和するために鉱酸と等モル以上のアルカリを必要とし、塩として廃棄物が発生することが問題となっていた。
【0004】
このような問題点を解決する方法として、種々のゼオライトや粘土鉱物を触媒とした芳香族ポリアミンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0005】
しかしながら、これらの方法は、反応工程が温度を段階的に変化させる多段階にわたるものであり、しかも全ての段階において再現性に乏しいゼオライトや粘土鉱物を使用するため選択性に乏しく、高価な触媒を大量に使用するため経済的な芳香族ポリアミンの製造方法ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭55−34138号公報
【特許文献2】特表2003−522748号公報
【特許文献3】特開2004−300085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定の固体酸触媒の存在下、高収率で経済的に芳香族ポリアミンを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の固体酸触媒の存在下に段階的に反応させることで、高収率で経済的に芳香族ポリアミンを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下に示すとおりの芳香族ポリアミンの製造方法である。
【0010】
[1]下記一般式(I)
【0011】
【化1】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
で示されるアミナール化合物を、金属塩、複合酸化物、及びヘテロポリ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(II)
【0012】
【化2】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
で示される反応中間体を得る工程(1)と、該工程(1)で得られる反応中間体を固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(III)
【0013】
【化3】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で示される芳香族ポリアミンを得る工程(2)とを含む芳香族ポリアミンの製造方法。
【0014】
[2]工程(1)で使用される固体酸触媒が、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、及びシリカ−ジルコニアからなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒であることを特徴とする上記[1]に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0015】
[3]工程(1)で使用される固体酸触媒が、シリカ−アルミナであることを特徴とする上記[1]に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0016】
[4]工程(2)で使用される固体酸触媒が、イオン交換樹脂、粘土鉱物、金属塩、複合酸化物、ヘテロポリ酸、及びゼオライトからなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0017】
[5]工程(2)で使用される固体酸触媒が、ゼオライトであることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0018】
[6]ゼオライトが、FAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、及びMFI構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有することを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0019】
[7]ゼオライトが、FAU構造及びEMT構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有することを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0020】
[8]一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)において、Rが水素原子であることを特徴とする上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【0021】
[9]一般式(III)において、n=1であることを特徴とする上記[8]に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、特定の固体酸触媒を用いて、段階的に芳香族ポリアミンを製造する方法において、芳香族ポリアミン、特にメチレンジアニリン(MDA)を高選択的で経済的に製造することができるため、本発明は産業的に極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンの製造方法であって、
上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を、金属塩、複合酸化物、及びヘテロポリ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(II)で示される反応中間体を得る工程(1)と、
該工程(1)で得られる反応中間体を固体酸触媒の存在下で反応させ、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを得る工程(2)
とを含むことを特徴とする。
【0024】
まず、本発明の工程(1)について説明する。
【0025】
上記一般式(I)において、置換基Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rが水素原子の場合は、N,N’−ジフェニルメチレンジアミンとなる。
【0026】
本発明において、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を製造する方法は特に限定されない。例えば、アニリン誘導体とホルムアルデヒド誘導体とを反応させて製造することができる。上記一般式(I)で示されるアミナール化合物がN,N’−ジフェニルメチレンジアミンの場合、例えば、アニリンとホルムアルデヒドを反応させることで製造できる。
【0027】
以下、アニリンとホルムアルデヒドとの反応を例に、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物の製造方法について説明する。
【0028】
この反応において、アニリンとしては特に限定するものではないが、市販品、合成品、本発明で用いられて後に回収されたもの、又はこれらの混合品を用いることができる。また、ホルムアルデヒドは、通常20〜50重量%のホルムアルデヒドを含有する水溶液の形で用いられる。このホルムアルデヒド水溶液はメタノール等の通常の安定剤を含有していても問題ない。
【0029】
アニリンとホルムアルデヒドの比は特に限定されないが、アニリン/ホルムアルデヒドのモル比で2〜50の範囲が好ましい。2より小さい場合、ホルムアルデヒドが過剰に存在するため、効率が低下するおそれがある。また50より大きい場合、大過剰のアニリンが存在するため、後の固体酸触媒存在下で芳香族ポリアミンを製造する際の効率が低下するおそれがある。
【0030】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる場合、触媒存在下で反応させても、無触媒下で反応させてもよい。また、アニリンとホルムアルデヒドが十分に混合されればよく、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法を用いてもよい。
【0031】
反応器は、例えば、槽型、管型等のいずれの形状でもよい。また、アニリンとホルムアルデヒドを混合する場合、アニリンにホルムアルデヒドを加えても、ホルムアルデヒドにアニリンを加えても、いかなる方法でもよい。
【0032】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる温度は特に限定するものではないが、例えば、0℃〜80℃の範囲で反応を実施することが好ましい。0℃より低温の場合、反応効率は問題ないが冷却のためのエネルギーが必要となり、経済的ではない。また、80℃より高温の場合、反応効率は問題ないが加熱のためのエネルギーが必要となり、経済的ではない。
【0033】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる反応時間は特に限定するものではないが、例えば、0.5時間〜5時間の範囲で反応を実施すればよい。0.5時間より短い場合、アニリンとホルムアルデヒドの反応が十分に進行しないおそれがある。また、反応時間を5時間より長くしても、それ以上の反応の進行は望めない場合がある。
【0034】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる場合、溶媒を用いずに合成しても、溶媒を用いて合成してもよい。溶媒を使用する場合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素を用いることができる。
【0035】
アニリンとホルムアルデヒドとの反応終了後、反応液は通常2相に分離する。水相にはホルムアルデヒド水溶液とメタノール等の水溶性のホルムアルデヒド安定剤が含まれる。有機相にはN,N’−ジフェニルメチレンジアミンとアニリン、及び若干の水が含まれる。
【0036】
このような2相からなる反応液から、アニリンとN,N’−ジフェニルメチレンジアミンの混合物を分離する方法としては特に限定するものではないが、分液等の物理的な分離や、蒸留等の公知の方法を用いることができる。分液により水層を除去した場合、減圧乾燥や、脱水剤により水分を更に除去してもよい。溶媒を用いて反応させた場合、溶媒を除去してもしなくてもよい。
【0037】
上記一般式(I)で示されるアミナール化合物が、N,N’−ジフェニルメチレンジアミン以外の場合も同様に、アニリン誘導体とホルムアルデヒド誘導体とを上記したような条件で反応させ、製造することができる。
【0038】
上記一般式(II)において、置換基Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rが水素原子の場合は、N−(アミノベンジル)アニリンとなる。
【0039】
N−(アミノベンジル)アニリンは、アミノ基の位置により異性体が存在する。例えば、アミナール化合物が、N,N’−ジフェニルメチレンジアミンである場合、N−(p−アミノベンジル)アニリン、N−(o−アミノベンジル)アニリン等が製造されるが、工業的にはN−(p−アミノベンジル)アニリンが選択的に得られることが望ましい。
【0040】
本発明において、工程(1)で使用される固体酸触媒は、金属塩、複合酸化物及びヘテロポリ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒である。
【0041】
金属塩としては、具体的には、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、フッ化ホウ素等の金属ハロゲン化物、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸亜鉛、硫酸クロム等の金属硫酸塩、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム等の金属リン酸塩、アルミナ、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化ニオブ、酸化タングステン等の金属酸化物、硫化モリブデン、硫化タングステン等の金属硫化物等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
また、複合酸化物としては、具体的には、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、ジルコニウムとタングステンやモリブデンとの複合酸化物等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
さらに、ヘテロポリ酸としては、具体的には、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ホスホモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、ホスホタングステン酸等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本発明において、工程(1)で使用される固体酸触媒としては、上記の金属塩、複合酸化物及びヘテロポリ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒であり、好ましくはシリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア等の複合酸化物であり、より好ましくはシリカ−アルミナである。
【0045】
本発明の工程(1)において、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を、上記の固体酸触媒の存在下で反応させ、上記一般式(II)で示される反応中間体を得る場合、用いる固体酸触媒の濃度は、十分な触媒性能が得られるよう適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を含有する反応液を用いる場合には、その反応液に対して、0.1〜500重量%の範囲が好ましく、1.0〜100重量%の範囲がさらに好ましい。固体酸触媒の濃度が0.1重量%より少ないと十分な触媒性能が得られなくなるおそれがある。500重量%より多いと触媒が大量に必要となるため、経済的ではない。
【0046】
また、本発明の工程(1)において、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を反応させ、上記一般式(II)で示される反応中間体を得る温度としては特に限定するものではないが、例えば、50〜300℃の範囲で反応させることが好ましい。反応温度が50℃より低い場合、触媒作用が弱くなって、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応温度が300℃より高い温度の場合、反応温度を維持するために多量のエネルギーが必要となるため、経済的ではない。
【0047】
また、本発明の工程(1)において、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を反応させ、上記一般式(II)で示される反応中間体を得る時間としては特に限定するものではないが、例えば、0.5〜50時間の範囲で反応させることが好ましい。反応時間が0.5時間より短い場合、触媒が十分に機能せず、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応時間を50時間より長くしても、それ以上の反応の進行は望めない場合がある。
【0048】
本発明における、工程(1)において、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を反応させ、上記一般式(II)で示される反応中間体を得る際のアミナール化合物の濃度(基質濃度)としては特に限定されるものではないが、例えば、5〜70重量%の範囲が好ましく、10〜50重量%の範囲であることがさらに好ましい。アミナール化合物の濃度を50重量%以下とすることで、上記一般式(II)で示される反応中間体の収率を向上させることができる。また、アミナール化合物の濃度を10重量%以上とすることで、上記一般式(II)で示される反応中間体を得る効率を向上させることができる。
【0049】
本発明における、工程(1)の反応は、回分式、半回分式、又は固定床のいずれの方法によって実施してもよい。反応器は、例えば、槽型、管型等のいずれの形状でもよい。使用する触媒と反応液との分離は、ろ過、デカンテーション等の固体と液体とを分離する一般的な方法を用いることができる。また、蒸留等、公知の方法により触媒と反応液を分離することもできる。触媒と反応液の分離操作が不要である固定床で実施することが好ましい。
【0050】
また、本発明における、工程(1)の反応は、溶媒を用いずに実施しても、溶媒を用いて実施してもよい。溶媒を使用する場合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素等の溶媒を用いることができる。この場合、上記一般式(I)で示される中間体を調製する際に使用した溶媒をそのまま用いてもよい。好ましくはアニリンを用いることができる。後述するが、工程(2)で芳香族ポリアミンを得た後、芳香族ポリアミンと分離した余剰のアニリンを工程(1)の溶媒として用いることもできる。
【0051】
本発明における、工程(1)の反応で、上記一般式(I)で示されるアミナール化合物は上記一般式(II)で示される反応中間体に完全に転位しなくてもよく、また、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンまで反応が進行してもよい。また、工程(1)で製造される上記一般式(II)で示される反応中間体は、工程中、単離してもしなくてもよい。単離する場合は、そのための工程(例えば、アニリン等の溶媒による希釈のための工程)を要する。
【0052】
次に本発明の工程(2)について説明する。
【0053】
上記一般式(III)において、置換基Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、nは1〜5の整数を表す。Rが水素原子であり、かつn=1の場合はメチレンジアニリン(MDA)となる。
【0054】
これらMDA異性体のうち、工業的にはMDAが選択的に得られることが好ましい。また、MDAにはアミノ基の位置によりいくつかの異性体が存在し、例えば、2,2’―MDA、2,4’―MDA、4,4’―MDA等が製造されているが、工業的には4,4’―MDAが選択的に得られることが好ましい。
【0055】
本発明において、工程(2)で使用される固体酸触媒は、特に限定するものではないが、例えば、イオン交換樹脂、粘土鉱物、金属塩、複合酸化物、ヘテロポリ酸、及びゼオライトからなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒が挙げられる。
【0056】
本発明において、工程(2)で使用される固体酸触媒がイオン交換樹脂である場合、固定酸触媒として作用するものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、スルホン酸基含有の酸性のイオン交換樹脂、カルボン酸基含有の酸性のイオン交換樹脂等が好適なものとして挙げられる。
【0057】
本発明において、工程(2)で使用される固体酸触媒が粘土鉱物である場合、固体酸触媒として作用するものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、カオリナイト、マイカ、アタパルジャイト、活性白土等が好適なものとして挙げられる。
【0058】
本発明において、工程(2)で使用される固体酸触媒が金属塩、複合酸化物、ヘテロポリ酸である場合、固定酸触媒として作用するものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、前述した工程(1)で使用される固体酸触媒が好適なものとして挙げられる。
【0059】
本発明において、工程(2)で使用される固体酸触媒はゼオライトである場合、固定酸触媒として作用するものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、一般式:M2/nO・AlSiOO(式中、MはNa、K、Ca、Ba等の金属を表し、nは陽イオンMの原子価を表す。また、yは2以上の数を表し、zは0以上の数を表す。)で示される結晶性アルミノシリケートが挙げられ、天然品及び合成品として多くの種類が知られている。
【0060】
ゼオライトは多種多様なものが知られており、例えば、AFI構造、ATO構造、BEA構造、CON構造、FAU構造、EMT構造、GME構造、LTL構造、MOR構造、MTW構造、OFF構造等、AEL構造、EUO構造、FER構造、HEU構造、MEL構造、MFI構造、NES構造、TON構造、WEI構造等のものが挙げられる。これらのうち、高い触媒性能を得るためには、FAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、MFI構造からなる群から選ばれる1種以上のゼオライト等が好ましく、さらに好ましくはFAU構造、EMT構造からなる群から選ばれる1種以上のゼオライトが好ましい。
【0061】
本発明においては、ゼオライトに従来公知の方法で前処理を実施してもよい。例えば、高い触媒性能を得るためには、ゼオライトがプロトンでイオン交換されていること、すなわち、プロトン型ゼオライトが好ましい。
【0062】
本発明において、ゼオライトのSiO/Al(モル比)は特に限定されないが、高い耐久性を得るためには、SiO/Al(モル比)が5以上であることが好ましい。
【0063】
本発明において、ゼオライトの形状は特に限定されず、例えば、粉末、ペレット、ビーズ等公知の形状のものを用いることができる。
【0064】
本発明の工程(2)で使用される固体酸触媒としては、これらのうち、ゼオライトが特に好ましい。
【0065】
本発明における、工程(2)において、上記一般式(II)で示される反応中間体を、上記の固体酸触媒の存在下で反応させ、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを得る場合、固体酸触媒の濃度は、十分な触媒性能が得られるよう適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、上記一般式(II)で示される反応中間体を含有する反応液を用いる場合には、その反応液に対して、0.1〜500重量%の範囲が好ましく、1.0〜100重量%の範囲がさらに好ましい。固体酸触媒の濃度が0.1重量%より少ないと十分な触媒性能が得られなくなるおそれがある。一方、500重量%より多いと触媒が大量に必要となるため、経済的ではない。
【0066】
また、本発明における、工程(2)において、上記一般式(II)で示される反応中間体を反応させ、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを得る温度としては特に限定するものではないが、例えば、50〜300℃の範囲で反応させることが好ましい。反応温度が50℃より低い場合、触媒作用が弱くなって、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応温度が300℃より高い温度の場合、反応温度を維持するために多量のエネルギーが必要となるため、経済的ではない。
【0067】
また、本発明における、工程(2)において、上記一般式(II)で示される反応中間体を反応させ、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを得る時間としては特に限定するものではないが、例えば、0.5〜50時間の範囲で反応させることが好ましい。反応時間が0.5時間より短い場合、触媒が十分に機能せず、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応時間を50時間より長くしても、それ以上の反応の進行は望めない場合がある。
【0068】
本発明における、工程(2)において、上記一般式(II)で示される反応中間体を反応させ、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを得る際の反応中間体の濃度(基質濃度)としては特に限定されるものではないが、例えば、5〜70重量%の範囲が好ましく、10〜50重量%の範囲であることがさらに好ましい。反応中間体の濃度を50重量%以下とすることで、上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンの収率を向上させることができる。また、反応中間体の濃度を10重量%以上とすることで、上記一般式(III)で示される反応中間体を得る効率が向上させることができる。
【0069】
本発明における、工程(2)の反応は、回分式、半回分式、又は固定床のいずれの方法によって実施してもよい。反応器は、例えば、槽型、管型等のいずれの形状でもよい。
【0070】
使用する触媒と反応液との分離は、ろ過、デカンテーション等の固体と液体とを分離する一般的な方法を用いることができる。また、蒸留等、公知の方法により触媒と反応液を分離することもできる。触媒と反応液の分離操作が不要である固定床で実施することが好ましい。
【0071】
また、本発明における、工程(2)の反応は、溶媒を用いずに実施しても、溶媒を用いて実施してもよい。溶媒を使用する場合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素等の溶媒を用いることができる。この場合、上記一般式(II)で示される反応中間体を調製する際に使用した溶媒をそのまま用いてもよい。好ましくは、工程(2)で芳香族ポリアミンを得た後、芳香族ポリアミンと分離した余剰のアニリンを工程(2)に返送して、溶媒として用いることができる。また、このアニリンは工程(1)の溶媒としても用いることができる。
【0072】
本発明において、工程(2)の後にさらに段階的に芳香族ポリアミンを製造する工程を付け加えることもできる。触媒、温度等の条件は特に限定されるものではないが、触媒は工程(2)で使用することができるものが好ましい。また、工程(2)において上記一般式(II)で示される反応中間体から上記一般式(III)で示される芳香族ポリアミンを製造する温度より高い温度で実施することが好ましい。
【0073】
本発明における芳香族ポリアミンの製造後、本発明の方法で製造された芳香族ポリアミンと溶媒とを分離する方法は特に限定されないが、蒸留等の公知の方法を用いることができる。例えば、本発明の方法で製造された芳香族ポリアミンから分離された溶媒がアニリンである場合は、工程(1)で用いられる上記一般式(I)で示されるアミナール化合物の原料として用いることができ、さらには工程(1)と工程(2)の両方又はいずれか一方の溶媒として用いることができる。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
【0075】
(芳香族ポリアミンの測定)
ガスクロマトグラフ分析には、ガスクロマトグラフGC−17A(島津製作所製)を用い、生成した芳香族ポリアミンを測定した。カラムにはDB−1(アジレント・テクノロジー社製)、検出器にはFIDを用いた。反応に用いたアミナール化合物の量に対して、ガスクロマト分析により求められた芳香族ポリアミンの量から収率を算出した。
【0076】
実施例1.
(N,N’−ジフェニルメチレンジアミンの合成)
アニリンとホルムアルデヒドのモル比が4となるように、アニリン1304gに37重量%ホルムアルデヒド284gを常温にて滴下し、50℃で1時間撹拌した。放冷後、水相を分液し、減圧下で脱水することにより、N,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液を1260g得た。
【0077】
(工程1、反応中間体の合成)
内径16mm、高さ300mmの反応管に、48mlのシリカ−アルミナ成形体を充填し、250℃の窒素気流下で活性化した。上記で得られた、N,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液を、LHSV=0.5h−1となるように反応管の下方から送液し、液温が70℃になるように反応管を加熱した。
【0078】
24時間後の反応液をガスクロマトグラフ分析した結果、反応液中のN−(アミノベンジル)アニリンの収率は47%であり、N−(アミノベンジル)アニリン中のN−(p−アミノベンジル)アニリン選択率は97%であった。
【0079】
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
内径16mm、高さ300mmの反応管に、24mlのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−330HUD1A)を充填し、250℃の窒素気流下で活性化した。上記で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液を、LHSV=1h−1となるように反応管の下方から送液し、液温が170℃となるように反応管を加熱した。
【0080】
24時間後の反応液をガスクロマトグラフ分析した結果、MDA収率は40%、MDA中の4,4’−MDA選択率は82%であった。
【0081】
実施例2.
(触媒の調製)
テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)、アルミニウム、水酸化リチウムを以下の組成で混合し、混合スラリー300gを得た。
【0082】
SiO:0.29Al:1.76TMAOH:101HO:0.31Li。
【0083】
混合スラリーをテフロン(登録商標)の内筒を装填したオートクレーブに入れ、100℃で30時間結晶化させた。結晶化後のスラリーは、濾過、洗浄後110℃で乾燥した。更に空気流通下、600℃で焼成することにより、TMAOHを除去した。粉末X線回折によりEMT構造のゼオライトとFAU構造のゼオライトに対応するX線ピークが観測され、EMT構造とFAU構造の比は6:4であった。
【0084】
(MDAの合成)
このようにして調製したゼオライト(以下、「ZSM−2」と称する場合がある。)を工程2で用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
【0085】
24時間後の反応液のガスクロマトグラフ分析の結果、MDA収率は82%、MDA中の4,4’−MDA選択率は80%であった。
【0086】
比較例1.
(工程1、反応中間体の合成)
内径16mm、高さ300mmの反応管に、48mlのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−330HUD1A、以下「Y(330)」と称する場合がある。)を充填し、250℃の窒素気流下で活性化した。実施例1で得られたN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液を、LHSV=0.5h−1となるように反応管の下方から送液し、液温が70℃になるように反応管を加熱した。
【0087】
24時間後の反応液をガスクロマトグラフ分析した結果、反応液中のN−(アミノベンジル)アニリンの収率は38%であり、N−(アミノベンジル)アニリン中のN−(p−アミノベンジル)アニリン選択率は98%であった。
【0088】
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
内径16mm、高さ300mmの反応管に、24mlのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−330HUD1A)を充填し、250℃の窒素気流下で活性化した。上記で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液を、LHSV=1h−1となるように反応管の下方から送液し、液温が170℃となるように反応管を加熱した。
【0089】
24時間後の反応液をガスクロマトグラフ分析した結果、MDA収率は20%、MDA中の4,4’−MDA選択率は80%であった。
【0090】
実施例3.
(工程1、反応中間体の合成)
ガラス製の反応管に、実施例1で得られたN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液10g、0.5gのシリカ−アルミナ粉末を入れ、液温が70℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロ分析した結果、反応液中のN−(アミノベンジル)アニリンの収率は60%であり、N−(アミノベンジル)アニリン中のN−(p−アミノベンジル)アニリン選択率は95%であった。
【0091】
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
ガラス製の反応管に、上記で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液10g、0.5gのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−320HOA、以下「Y(320)」と称する場合がある。)を入れ、液温が140℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロマトグラフ分析した結果、MDA収率は89%、MDA中の4,4’−MDA選択率は89%であった。
【0092】
実施例4.
工程2の触媒をY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−360HUA、以下「Y(360)」と称する場合がある。)にしたこと以外は実施例3と同様に実施した。その結果、MDA収率は94%、MDA中の4,4’−MDA選択率は85%であった。
【0093】
実施例5.
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
実施例3の工程1で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液をアニリンで希釈して、アニリン90%溶液にしたこと以外、実施例3と同様に実施した。その結果、MDA収率は98%、MDA中の4,4’−MDA選択率は87%であった。
【0094】
実施例6.
工程2の液温を120℃にしたこと以外、実施例5と同様に実施した。その結果、MDA収率は98%、MDA中の4,4’−MDA選択率は88%であった。
【0095】
実施例7.
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
実施例3の工程1で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液をアニリンで希釈して、アニリン70%溶液にしたこと以外、実施例3と同様に実施した。その結果、MDA収率は95%、MDA中の4,4’−MDA選択率は87%であった。
【0096】
実施例8.
工程2の液温を120℃にしたこと以外、実施例7と同様に実施した。その結果、MDA収率は96%、MDA中の4,4’−MDA選択率は88%であった。
【0097】
実施例9.
(工程1、反応中間体の合成)
ガラス製の反応管に、実施例1で得られたN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液をアニリンで希釈したアニリン90%溶液10g、2.0gのシリカ−アルミナ粉末を入れ、液温が70℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロ分析した結果、反応液中のN−(アミノベンジル)アニリンの収率は90%であり、N−(アミノベンジル)アニリン中のN−(p−アミノベンジル)アニリン選択率は94%であった。
【0098】
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
ガラス製の反応管に、上記で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液10g、0.5gのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−320HOA)を入れ、液温が140℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロマトグラフ分析した結果、MDA収率は99%、MDA中の4,4’−MDA選択率は87%であった。
【0099】
実施例10.
工程2の液温を120℃にしたこと以外、実施例9と同様に実施した。その結果、MDA収率は99%、MDA中の4,4’−MDA選択率は88%であった。
【0100】
実施例11
工程1の触媒をリンタングステン酸0.5gにしたこと以外、実施例9と同様に実施した。その結果、MDA収率は96%、MDA中の4,4’−MDA選択率は81%であった。
【0101】
実施例12.
工程1の触媒をケイタングステン酸0.5gにしたこと以外、実施例9と同様に実施した。その結果、MDA収率は94%、MDA中の4,4’−MDA選択率は85%であった。
【0102】
実施例13.
(工程1、反応中間体の合成)
ガラス製の反応管に、実施例1で得られたN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液をアニリンで希釈したアニリン90%溶液10g、0.5gの酸化ニオブを入れ、液温が90℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロ分析した結果、反応液中のN−(アミノベンジル)アニリンの収率は75%であり、N−(アミノベンジル)アニリン中のN−(p−アミノベンジル)アニリン選択率は94%であった。
【0103】
(工程2、芳香族ポリアミンの合成)
ガラス製の反応管に、記で得られたN−(アミノベンジル)アニリンを含むアニリン溶液10g、0.5gのY型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ−320HOA)を入れ、液温が140℃となるように反応管を加熱した。2時間後、反応液をろ過して触媒と生成物を分離し、生成物をガスクロマトグラフ分析した結果、MDA収率は99%、MDA中の4,4’−MDA選択率は85%であった。
【0104】
実施例14
工程1の触媒を酸化タングステン/酸化ジルコニウム複合酸化物にしたこと以外、実施例11と同様に実施した。その結果、MDA収率は92%、MDA中の4,4’−MDA選択率は81%であった。
【0105】
以上の結果を表1に併せて示す。
【0106】
【表1】

これらの実施例、比較例から明らかなとおり、特定の固体酸触媒の存在下に上記一般式(I)で示されるアミナール化合物を反応させ、上記一般式(II)で示される反応中間体を得ること、及び該反応中間体を特定の固体酸触媒の存在下で反応させることにより、上記一般式(III)で示されるMDAを高収率で製造できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
で示されるアミナール化合物を、金属塩、複合酸化物、及びヘテロポリ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(II)
【化2】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
で示される反応中間体を得る工程(1)と、該工程(1)で得られる反応中間体を固体酸触媒の存在下で反応させ、下記一般式(III)
【化3】

(式中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、nは1以上の整数を表す。)
で示される芳香族ポリアミンを得る工程(2)とを含む芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項2】
工程(1)で使用される固体酸触媒が、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、及びシリカ−ジルコニアからなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項3】
工程(1)で使用される固体酸触媒が、シリカ−アルミナであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項4】
工程(2)で使用される固体酸触媒が、イオン交換樹脂、粘土鉱物、金属塩、複合酸化物、ヘテロポリ酸、及びゼオライトからなる群より選ばれる1種又は2種以上の固体酸触媒であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項5】
工程(2)で使用される固体酸触媒が、ゼオライトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項6】
ゼオライトが、FAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、及びMFI構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項7】
ゼオライトが、FAU構造及びEMT構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有することを特徴とする上記請求項4又は請求項5に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項8】
一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)において、Rが水素原子であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の芳香族ポリアミンの製造方法。
【請求項9】
一般式(III)において、n=1であることを特徴とする請求項8に記載の芳香族ポリアミンの製造方法。

【公開番号】特開2012−250971(P2012−250971A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277595(P2011−277595)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】