苗移植機
【課題】
圃場の肥料濃度を検出し、検出した肥料濃度に合わせて施肥量の変更を行なう作業では、細かい濃度の変化に対応する際に正確な施肥量を調整しにくく、適切な施肥量に合わせることが困難である。
【解決手段】
土中の肥料濃度を検出する濃度センサ71と濃度センサ71の検出値から施肥量を算出する制御装置72を設け、算出された施肥量を繰出ロール13の駆動に反映して施肥量を制御する施肥装置を備えた苗移植機において、制御装置72により駆動制御される調節モータ6と、調節モータ6で回転される螺旋軸7に移動される指示針9を設け、調節モータ6により繰出ロール13による繰出量を調節する調節装置8を調節すると共に指示針9を移動させる構成とし、指示針9の移動量をストロークセンサ14で検出し、この検出値が制御装置72で算出される施肥量に一致すると調節モータ6の駆動を停止する構成とする。
圃場の肥料濃度を検出し、検出した肥料濃度に合わせて施肥量の変更を行なう作業では、細かい濃度の変化に対応する際に正確な施肥量を調整しにくく、適切な施肥量に合わせることが困難である。
【解決手段】
土中の肥料濃度を検出する濃度センサ71と濃度センサ71の検出値から施肥量を算出する制御装置72を設け、算出された施肥量を繰出ロール13の駆動に反映して施肥量を制御する施肥装置を備えた苗移植機において、制御装置72により駆動制御される調節モータ6と、調節モータ6で回転される螺旋軸7に移動される指示針9を設け、調節モータ6により繰出ロール13による繰出量を調節する調節装置8を調節すると共に指示針9を移動させる構成とし、指示針9の移動量をストロークセンサ14で検出し、この検出値が制御装置72で算出される施肥量に一致すると調節モータ6の駆動を停止する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
圃場を走行しながら土壌面の肥料濃度を検出して、この肥料濃度に対応した施肥量を施用制御する施肥装置を備えた苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサと、土壌の耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサを有して、これら各センサの検出により施肥量を算出しながら施肥する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−000019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
肥料濃度センサ等によって施肥量を検出、算出しながら、これを繰出ロールを回転する繰出モータの電動制御で行わせて、施肥繰出量を制御するのは、正確な施肥量を維持し難く、施肥量制御の誤差変動が大きくなりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)と、この肥料濃度センサ(71)の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置(72)を設け、該施肥量制御装置(72)で算出した施肥量を繰出ロール(13)の駆動に反映して施肥量を制御可能に構成した施肥装置を備えた苗移植機において、前記施肥量制御装置(72)によって駆動制御される調節モータ(6)と、該調節モータ(6)で回転される螺旋軸(7)に移動される指示針(9)を設け、前記調節モータ(6)によって繰出ロール(13)による繰出量を調節する施肥量調節装置(8)を連動調節すると共に前記指示針(9)を移動させる構成とし、該指示針(9)の移動量をストロークセンサ(14)で検出して該ストロークセンサ(14)による検出値が前記施肥量制御装置(72)で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ(6)の駆動を停止することを特徴とする苗移植機とする。
【0006】
車体の走行によって肥料濃度センサ71で土壌中の肥料成分の濃度を検出して、施肥量制御装置72でこの走行位置土壌中の施肥量を算出しながら、調節モータ6を駆動して螺旋軸7により、繰出ロール13による施肥装置4の施肥量乃至繰出量を調節するための施肥量調節装置8を連動調節すると共に、指示針9を移動する。この指示針9の移動はストロークセンサ13によって検出されていて、この指示針9が前記施肥量制御装置72によって算出された施設肥量値の位置に達することによって、この調節モータ6の駆動を停止して、施肥量の調節を停止する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、適正な施肥量を算出する前記施肥量制御装置(72)は、前記肥料濃度セン(71)の検出値と土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ(74)の検出値から施肥量を算出する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とする。
【0008】
前記施肥量制御装置72で算出する施肥量は、前記肥料濃度センサ71によって検出した肥料濃度と、この施肥しようとする土壌層の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって、この走行土壌位置に対する適正な施肥量を算出するもので、これら各センサ71、74による検出条件のもとに、前記調節モータ6を駆動して前記繰出ロール13の回転が制御されて肥料の繰出、施肥量が調節されると共に、指示針9を移動させながら、この指示針9の移動停止位置をストロークセンサ14によって検出するものであるから、土壌耕盤の深度変化に応じて深い土壌では多量に施肥し、浅い土壌では少量に施肥することができるので、土壌の深浅の変化に拘らず肥料濃度を均一にすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記螺旋軸(7)と該螺旋軸(7)により移動される指示針(9)を、インジケータ(15)を設けたセンサケース(16)内に配置し、該指示針(9)の移動位置をセンサケース(16)の外側から透視可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とする。
【0010】
前記のように施肥走行中の土壌面の肥料濃度は、肥料濃度センサ71の検出のもとに調節モータ6が作動されて施肥量調節装置8を出力すると共に、指示針9を移動するが、作業者は、この指示針9の移動状態や、ストロークセンサ14によって検出される指示針9や、この停止指示位置等をセンサケース16の外側から透視することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)を前輪(10)の車軸(80)に電導プレート(17)として軸装し、該車軸(80)を軸装するフロントアクスルハウジング93には、該車軸(80)と一体回転のスリップリング(64)と、このスリップリング(64)の回転周面(65)上部に摺接する一対の電導ブラシ(67,68)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の苗移植機とする。
【0012】
施肥機車体2の施肥走行時には、前輪10と共にこの車軸80上に設けられる左右の電導プレート17が土壌中に踏込まれて回転しながら、左右電導プレート17間の電導度によってこの土壌の含有する肥料の濃度を検出する。この電導プレート17間の電導度は、この電導プレート17からスリップリンク64、及びこのスリップリング64の回転周面65に摺接する電導ブラシ67、68を介して施肥量制御装置72に通電される、これらスリップリンク64と電導ブラシ67、68が回転周面65に沿って前後一対の形態として配置されるため、前後何れかの電度ブラシ67、又は68をスリップリング64の回転周面65に摺接させて、正確な安定した電導、検出状態を維持させる。又、このスリップリング64と電導ブラシ67、68等の外周部をフロントアクスルハウジング93で覆って、泥水等の侵入を阻止しているため、正確な肥料濃度を検出するように維持する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、土施肥装置5の施肥量調節装置8を調節連動する螺旋軸7や、この螺旋軸7によって移動される指示針9等を設けると共に、この指示針9の移動位置を検出するストロークセンサ14を設けたことにより、このストロークセンサ14による検出値が前記施肥量制御装置72によって算出された施肥量値と一致したとき調節モータ6の駆動を停止する構成となるため、施肥量の制御を的確に行わせることができるので、検出された圃場の肥料濃度に合わせて施肥装置5の肥料繰出量が自動的に切替調節されて、圃場全体の肥料濃度が均一になり、作物の生育が安定すると共に、品質の向上が図られる。
【0014】
また、施肥量調節装置8の切替調節状態をストロークセンサ14で検出して適切な調節位置に停止する構成であるため、瀬肥料の調節停止位置が決まり易く、微量の肥料供給の切替に対応することができるので、圃場内の肥料濃度の均一化及び施肥精度が向上し、作物の生育の安定、及び品質向上がいっそう図られる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、土壌の深度を検出する耕盤深さセンサ74からの入力によって肥料濃度を算出し、この耕盤深さセンサ74の算出結果に基づいて調節モータ6を駆動して指示針9を移動し、この指示針9の移動をストロークセンサ14で検出して制御するものであるため、土壌耕盤の浅深の変化に拘らず、いずれの土壌においても適切な量の施肥を行わせることができるので、いっそう作物の生育の安定や品質の向上が図られる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、調節モータ6の駆動制御により移動される指示針9の移動行程域にインジケータ15を形成したセンサケース16を設け、このセンサケース16の外側から指示針9の移動を目視可能に構成したことにより、指示針9を作業者が容易に目視しながら施肥量状況を判断することができるので、肥料補充のタイミングや施肥継続時間等を予測しやすくなるため、作業能率が向上する。
【0017】
また、指示針9や螺旋軸7、ストロークセンサ15等をセンサケース16内に配置したことにより、センサケース16が泥土や肥料等の飛散、付着を阻止するため、指示針9や螺旋軸7の動作が円滑に行なわれると共に、ストロークセンサ15の検出が正常に行なわれるため、検出結果が乱れることが防止され、施肥精度がいっそう向上する。
【0018】
そして、このストロークセンサ15が検出する指示針9は、調節モータ6により回動される螺旋軸7によって前後方向に長く移動されるため、施肥量制御装置72からの出力によって指示針9の移動量が切り替えられた際、すみやかに施肥量調節装置8を連動して施肥量を調節することができるので、施肥量調節の誤作動の発生が防止され、的確な施肥量制御を行わせることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、前輪10のフロントアクスルハウジング93内で且つスリップリング64の回転周面65上部位置に一対の伝導ブラシ67,68を設けたことにより、電導ブラシ67,68の位置が圃場の土壌面位置から高い位置、例えば車軸80よりも上位の位置に設定することができるので、泥水等の侵入が防止され、正確な電導及び肥料濃度検出が維持される。
【0020】
また、前記電導ブラシ67,68を車軸80よりも上位の位置に配置することにより、潤滑油等の影響を受け難くすることができ、電導ブラシ67,68等の交換等のメンテナンスが行ないやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗移植機の前輪部の正面図
【図4】苗移植機の前部の側面図
【図5】苗移植機の施肥装置部の右側面図
【図6】苗移植機のストロークセンサ部の左側面図
【図7】施肥量制御装置のブロック図
【図8】アクスルハウジング部の正断面図
【図9】(A)アクスルハウジング部のスリップリング部の側面図、(B)別実施例のスリップリング部の側面図
【図10】(A)別実施例を示すストロークセンサ部の平面図、(B)別実施例を示すストロークセンサ部の側面図(C)別実施例を示すストロークセンサ部の正面図
【図11】(A)一部別例を示す前輪部の正断面図、(B)一部別例を示す前輪部の側面図
【図12】(A)センタマスコット部の正面図、(B)センタマスコット部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面に基づいて、苗植機1は、圃場を走行する走行車体2の後側に平行リンク構成の昇降リンク3に、土壌面に苗を植え付ける多条植え形態の苗植装置4を連結し、この車体2の後部に、この苗を植付ける土壌面に肥料を施す施肥装置5を搭載している。走行車体2は、左右一対の前輪10と後輪11を配置して乗用四輪走行形態のトラクタ車体形態として、この走行車体2は、前部に配置されたミッションケース12を配置し、上部に運転席31を有し、ステアリングハンドル34を有するステアリングポストの前側には各種操作機構を内蔵したフロントカバー32を有し、直進走行の指標となるセンタマスコット33等を設けている。
【0023】
また、走行車体2上にはフロアステップ35を設け、走行車体2の前部左右両側でかつ機体よりも側方に張り出して補給用の苗を載せる予備苗載台38を設ける。39は苗移植機1を操作するための操作パネルである。
【0024】
前記苗植装置4は、苗を載せて植付部へ繰り出す苗タンク51や、この苗タンク51から繰り出される苗を分離保持して土壌面へ植付ける植付装置52を配置して、センタフロート55、及びサイドフロート56で均平される土壌面に、各フロート55、56毎に二条ずつ植え付ける、合計六条植付の多条植え形態の構成としている。
【0025】
これ螺旋タフロート55、及びサイドフロート56は、それぞれ苗植装置4下部の中央部、及び左右両側部に接地滑走して上下揺動して、土壌面を均平しながら、このセンタフロート55の揺動によって昇降シリンダ53を伸縮して、苗植装置4を所望の対地高さに昇降制御することによって苗植付深さを一定に維持させるように昇降制御する。
【0026】
前記施肥装置5は、上部に肥料を貯留する肥料ホッパ60を有し、この肥料ホッパ60の下部の供給口18から流下される肥料を受けて繰り出す繰出ロール13を、繰出ケース20内に繰出軸21で軸装し、この供給口18部には、シャッター40や、施肥量調節装置8としての調節板41等を設けている。この調節板41による供給口18の開度調節によって該繰出ロール13による繰出量を増減変更、乃至調節する形態である。
【0027】
この繰出ロール13が繰り出した肥料を導く施肥ホース62等、前記苗植付装置52による苗植付位置近くに施肥用溝を形成する施肥ガイド63を、苗植付装置52の植付作用位置よりも前側位置のフロート55、56部に取付けている。前記施肥ホース62から導かれた肥料を土壌の施肥溝部に吐出して施肥する。
【0028】
又、土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71を、左右の走行前輪10の内側に設けて土壌中に突入させて、その左右のセンサ71間の土壌における通電抵抗または電気伝導度を検出する構成である。この肥料濃度センサ71は円板形態の電導プレート17から構成される。フロントカバー32に内蔵する施肥量制御装置72は、前記肥料濃度センサ71の検出データに基づいて繰出量調節装置8を制御して施肥装置5の施肥量を変更、調節する構成である。
【0029】
73は土壌の温度を検出する温度センサ、74は圃場の耕盤深さを検出する耕盤深さセンサ、75は上空の複数個の衛生からGPS信号を受信して自信の位置データを取得するGPS受信機、76はGPS受信機75が取得した位置データ毎に圃場内各所における肥料濃度および施肥量のデータを記憶するデータボックスである。
【0030】
走行車体2が圃場を走行すると、肥料ホッパ60内の肥料が繰出ケース20内の繰出ロール13および施肥ホース62等を介して、施肥ガイド63か螺旋タフロート55、サイドフロート56の前側の土壌に吐出される。これ螺旋タフロート55、サイドフロート56が滑走して整地した土壌に対して苗植付装置52が作用して苗タンク51の苗を植付ける。
【0031】
この際に、肥料濃度センサ71が左右一対の肥料濃度センサ71によって、左右の走行前輪10間の土壌の通電抵抗または電気伝導度を検出して、施肥量制御装置72において土壌の肥料濃度として算出する。
【0032】
また、前記温度センサ73により土壌の温度を検出し、前記施肥量制御装置72は、この温度センサ73の検出データに基づき前記肥料濃度センサ71の検出データを補正し、この補正後の検出データに基づき繰出量調節装置8を制御して肥料繰出量を増減変更し施肥装置5の施肥量を変更するようにしている。これにより、土壌の温度の違いによる通電抵抗または電気伝導度の変化に合わせて施肥量を適量に変更できるようになり、簡易な測定方法で施肥調節精度を向上させることができる。
【0033】
このようにして、同じ圃場や環境の似た圃場で施肥作業を行う際の基準となるデータを取得できるので、施肥量制御装置72に取得したデータを記憶させるときは、このデータに基づいて施肥装置5の施肥量を自動的に変更させることにより、次回以降の施肥制御が向上する。
【0034】
また、取得したデータボックス76内のデータに基づき最適な施肥作業を行うことができるとともに、施肥量制御装置72が走行車体2を所望の走行経路で走行するよう制御するようになり、作業の無人化を図ることができる。
【0035】
さらに、肥料濃度センサ71の検出データと温度センサ73の検出データと耕盤深さセンサ74の検出データとを統合し、この統合したデータに基づき、制御装置72の繰出量調節装置8を制御して施肥装置5の施肥量を変更するようにしても良い。このことにより、作業条件の変化に追従して施肥量を適量に変更させることができるようになり、施肥精度がいっそう向上するとともに、様々な作業条件に適応可能となる。
【0036】
ここにおいて、この施肥量制御装置は、施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71と、この肥料濃度センサ71の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置72を有して、この算出の施肥量を繰出ロール13を駆動して施用する施肥機において、前記施肥量制御装置72によって出力される調節モータ6、及びこの調節モータ6で回転される螺旋軸7で移動される指示針9を設け、前記調節モータ6によって繰出ロール13による繰出量を調節する施肥量調節装置8を連動調節すると共に、前記指示針9を移動させる構成として、この指示針9の移動量をストロークセンサ14で検出することによって、このストロークセンサ14による検出値が前記施肥量制御装置72で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ6の駆動を停止するように構成する。
【0037】
車体の走行によって肥料濃度センサ71で土壌中の肥料成分の濃度を検出して、施肥量制御装置72でこの走行位置土壌中の施肥量を算出しながら、調節モータ6を駆動して螺旋軸7により、繰出ロール13による施肥装置4の施肥量乃至繰出量を調節するための施肥量調節装置8を連動調節すると共に、指示針9を移動する。
【0038】
この指示針9の移動はストロークセンサ13によって検出されていて、この指示針9が前記施肥量制御装置72によって算出された施設肥量値の位置に達することによって、この調節モータ6の駆動を停止して、施肥量の調節を停止する。
【0039】
また、前記適正施肥量を算出するための施肥量制御装置72は、前記肥料濃度セン71による検出と、土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって施肥量を算出するように構成する。
【0040】
前記施肥量制御装置72で算出する施肥量は、前記肥料濃度センサ71によって検出した肥料濃度と、この施肥しようとする土壌層の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって、この走行土壌位置に対する適正な施肥量を算出するもので、これら各センサ71、74による検出条件のもとに、前記調節モータ6を駆動して前記繰出ロール13の回転が制御されて肥料の繰出、施肥量が調節されると共に、指示針9を移動させながら、この指示針9の移動停止位置をストロークセンサ14によって検出するものであるから、土壌耕盤の深度変化に応じて深い土壌では多量に施肥し、浅い土壌では少量に施肥して、土壌の深、浅変化に拘らず肥料濃度を均一にして施用することができる。
【0041】
更には、前記螺旋軸7、及びこの螺旋軸7によって移動される指示針9を、インジケータ15を施したセンサケース16内に設けて、この指示針9の移動位置をセンサケース16外側から透視可能とする形態とする。
【0042】
前記のように施肥走行中の土壌面の肥料濃度は、肥料濃度センサ71の検出のもとに調節モータ6が作動されて施肥量調節装置8を出力すると共に、指示針9を移動するが、作業者は、この指示針9の移動状態や、ストロークセンサ14によって検出される指示針9や、この停止指示位置等をセンサケース16の外側から透視することができる。
【0043】
前記施肥装置5は、車体2後部のリヤブレーム19上に装着される。又、苗植装置4はこの下側に枢着する昇降リンク3を介して後方に装着され、昇降シリンダ53の伸縮によって昇降される。苗植装置4の苗タンク51、及び植付装置52は、センタフロート55、及び各サイドフロート56の左右両側部を均平する各均平跡毎に植付ける二条植とし、合計六条植形態としているが、これに合せて、施肥装置5を各植付条毎に施肥する六条施肥形態、乃至各フロート毎に一条宛て施肥する三条施肥形態とする。
【0044】
各施肥装置5は横方向に並設されて、回転周面に一定容積の繰出溝を形成した繰出ロール13を繰出軸21に沿って配置し、各々繰出ケース20内で回転されて、上側の肥料ホッパ60から流下供給される粉、粒材等からなる肥料を繰出溝に嵌合させて繰出す。この繰出軸21は、前記ミッションケース12のPTO軸36から連動される連動軸27のギヤ22、23等を介して連動回転され、前輪10、及び後輪11の伝動回転と一定の連動比を有して伝動回転されて、繰出施肥する形態である。
【0045】
前記各繰出ケース20の前後には、横方向に沿って送風ダクト25、及び肥料回収ダクト28を配置して、これら一側端を送風機29から切替弁で切替えて送風ダクト25、又は回収ダクト28へ送風する。前記繰出ケース20の下部には排出口26を施肥筒24にのぞませて、繰出ロール13によって繰り出された肥料を受けて、前記送風ダクト25から吹込む送風によって施肥ホース62へ搬送させる形態である。各施肥ホース62は後下端の吐出口を前記施肥ガイド63上にのぞませて、この施肥ガイド63で成形される作溝内に肥料を噴出して施用する。
【0046】
前記肥料ホッパ60の下端部は、繰出ケース20上部の供給口18に連通させて、このホッパ60内の肥料を繰出ロール13室内へ流入させる。この施肥量を調節する施肥量調節装置8は、供給口18部にシャッター40を設けて開閉することができ、このシャッター40の下側に前後方向へ移動調節可能の調節板41を設けて、この調節板41によって供給口18の開度を調節して繰出ロール13に対する肥料の供給量を調節することができる。
【0047】
この調節板41は、下面にラックを有して調節軸42のピニオンを噛合させて、この調節軸42の回動によってピニオン噛合で移動調節される。この調節板41を移動する調節軸42は、前記調節モータ6により、螺旋軸7、ベルクランク43、リンクロッド44、リンクアーム45、及びギヤ46、47等を介して連動回動されて、前記調節板41の開度を調節する。このベルクランク43はリヤフレーム19に揺動軸48周りに回動自在で、このベルクランク43の上端に調節ロッド42の先端部を連動ピン49で上下回動自在に嵌合させている。
【0048】
前記調節モータ6や、ストロークセンサ14、螺旋軸42、センサケース16、及びこの螺旋軸42から調節軸42を連動するリンク機構やギヤ機構等の連動機構は、前記繰出ロール13を内装した繰出ケース20の外側に配置され、前記センサケース16や調節モータ6等を繰出ケース20の前側、運転席21側に配置して、運転者がインジケータ15やセンアケース16内の指示針9の位置を透視し易くしている。
【0049】
また、前記螺旋軸7にボス部49を螺合して前後移動される指示針9を、図6では、この調節モータ6側に位置するストロークセンサ14によって、レーザビームを当てることによって移動位置を検出する形態としているが、この形態に代えて、図10のように、センサケース16側の定位置に固定するシリンダ69と、指示針9側に一体のスピンドル70によって、嵌合伸縮して指示針9の移動量を検出するストロークセンサ14の構成とすることもできる。
【0050】
図8、図9において、80は走行前輪10の車軸、81は車軸80と一体回転し電導プレート17に接合するスリップリング64の回転側電極、82は操向ケースで、車軸80を支持するフロントアクスルハウジング93の終端部において、キングピン軸84周りに操向回動可能に設けられて、ステアリングハンドル34の操作によって操向連動される。
【0051】
この操向ケース82の内側には、回転側電極81と、これに接触する接触子の固定側電極83を設けて、この回転側電極81と固定側電極83との摺接によって電導プレート17と前記施肥量制御装置72との間を常時電導状態に設定する。
【0052】
ここにおいて、前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71を前輪10の車軸80に電導プレート17として軸装し、この車軸80を軸装するフロントアクスルハウジング93には、この車軸80と一体回転のスリップリング64と、このスリップリング64の回転周面65上部に摺接する一対の電導ブラシ67、68を設ける。
【0053】
施肥機車体2の施肥走行時には、前輪10と共にこの車軸80上に設けられる左右の電導プレート17が土壌中に踏込まれて回転しながら、左右電導プレート17間の電導度によってこの土壌の含有する肥料の濃度を検出する。この電導プレート17間の電導度は、この電導プレート17からスリップリンク64、及びこのスリップリング64の回転周面65に摺接する電導ブラシ67、68を介して施肥量制御装置72に通電される、これらスリップリンク64と電導ブラシ67、68が回転周面65に沿って前後一対の形態として配置されるため、前後何れかの電導ブラシ67、又は68をスリップリング64の回転周面65に摺接させて、正確な安定した電導、検出状態を維持させる。又、このスリップリング64と電導ブラシ67、68等の外周部をフロントアクスルハウジング93で覆って、泥水等の侵入を阻止しているため、正確な肥料濃度を検出するように維持する。
【0054】
84は下側ほど走行車体2の左右方向外側に偏位する上下方向のキングピン軸、85はキングピン軸84から車軸80へ伝動する一対のベベルギヤ、86は固定側電極83へ導電するハーネス、87は機体正面視でキングピン軸84に沿って下側ほど走行車体2の左右方向外側に偏位させて配置された案内パイプ、88は回転側電極81へ導電するハーネス、89はハーネス88を通すための孔、90は走行車輪10のスポーク部、91はスポーク部90に電導プレート17を固定する一対の固定具、92は走行車輪10のホイルキャップ、93はフロントアクスルハウジングである。
【0055】
前記電導プレート17は、その外周が走行前輪10の外周径よりも小径の円形状に構成され、この円形の中心を車軸80に嵌合して、走行前輪10の左右幅内つまり走行車体2の左右両側にそれぞれ配置されている。そして、車軸80と一体回転して電導プレート17に接続する回転側電極81と、車軸80を支持する操向ケース82内に設けられ回転側電極81に接触する固定側電極83とを設け、電導プレート17と施肥制御装置72との間を通電するように構成している。
【0056】
前記のように、フロントアクスルハウジング93内部に設ける電導ブラシ67、68は、直上端部に(図9のA参照)にアーム77を取付けて、このアーム77の前後端部に電導ブラシ67、68を取付けて、各々スプリング78によって、スリップリング64の回転周面65に押圧させている。この電導ブラシ67、68は、アクスルハウジング93の外周面から取付穴79を介して着脱することができるように構成して、この取付穴79はキャップで開閉することができる。
【0057】
又、前記アーム77及び電導ブラシ67、68は、車軸80直上位置から適宜角度前後に偏倚した位置に配置することができる(図9のB参照)。又、電動ブラシ67、68は板ばね形態として、スリップリング64の回転周面65を挟む形態に摺接させている。
【0058】
次に、主として図11に基づいて、前期肥料濃度センサ71の電導プレート17を、車輪10のリム径部の内側面に沿うプレートリングの形態として形成して、各スポーク部90の先端部に固定具95で取付ける。この肥料濃度センサ71のハーネス88は、車軸80の孔89からスポーク90に沿って取付けるパイプ97内を通して防水状態に連結する。又、アクスルハウジング93、及び操向ケースの外周部をアクスルカバー98で被覆して防水性を維持している。
【0059】
又、図12に基づいて、車体2前端部のマスコット33の下端部を、車体2から前上方に突出されるT字型のハンドルフレーム57上に、前後傾斜回動可能に取付けて支持し、このセンタマスコット33の前側にフロントマスク58の前面を覆う形態の縦長形状で上辺部をループ状に形成したハンドルリング59を設けたものである。このハンドリング59を把持し易くし、センタマスコット33は独自に傾斜させることができる。
【0060】
また、前記ハンドルフレーム57の上端部には、ハンドルリング59よりも内側に位置して緊急停止スイッチ54を設けて、エンジンを停止するように連動することができる。
【符号の説明】
【0061】
5 施肥装置
6 調節モータ
7 螺旋軸
8 施肥量調節装置
9 支持針
10 前輪
14 ストロークセンサ
15 インジケータ
16 センサケース
17 電導プレート
64 スリップリング
65 回動周面
67 電導ブラシ
68 電導ブラシ
71 肥料濃度センサ
72 施肥量制御装置
74 耕盤深さセンサ
【技術分野】
【0001】
圃場を走行しながら土壌面の肥料濃度を検出して、この肥料濃度に対応した施肥量を施用制御する施肥装置を備えた苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサと、土壌の耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサを有して、これら各センサの検出により施肥量を算出しながら施肥する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−000019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
肥料濃度センサ等によって施肥量を検出、算出しながら、これを繰出ロールを回転する繰出モータの電動制御で行わせて、施肥繰出量を制御するのは、正確な施肥量を維持し難く、施肥量制御の誤差変動が大きくなりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)と、この肥料濃度センサ(71)の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置(72)を設け、該施肥量制御装置(72)で算出した施肥量を繰出ロール(13)の駆動に反映して施肥量を制御可能に構成した施肥装置を備えた苗移植機において、前記施肥量制御装置(72)によって駆動制御される調節モータ(6)と、該調節モータ(6)で回転される螺旋軸(7)に移動される指示針(9)を設け、前記調節モータ(6)によって繰出ロール(13)による繰出量を調節する施肥量調節装置(8)を連動調節すると共に前記指示針(9)を移動させる構成とし、該指示針(9)の移動量をストロークセンサ(14)で検出して該ストロークセンサ(14)による検出値が前記施肥量制御装置(72)で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ(6)の駆動を停止することを特徴とする苗移植機とする。
【0006】
車体の走行によって肥料濃度センサ71で土壌中の肥料成分の濃度を検出して、施肥量制御装置72でこの走行位置土壌中の施肥量を算出しながら、調節モータ6を駆動して螺旋軸7により、繰出ロール13による施肥装置4の施肥量乃至繰出量を調節するための施肥量調節装置8を連動調節すると共に、指示針9を移動する。この指示針9の移動はストロークセンサ13によって検出されていて、この指示針9が前記施肥量制御装置72によって算出された施設肥量値の位置に達することによって、この調節モータ6の駆動を停止して、施肥量の調節を停止する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、適正な施肥量を算出する前記施肥量制御装置(72)は、前記肥料濃度セン(71)の検出値と土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ(74)の検出値から施肥量を算出する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とする。
【0008】
前記施肥量制御装置72で算出する施肥量は、前記肥料濃度センサ71によって検出した肥料濃度と、この施肥しようとする土壌層の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって、この走行土壌位置に対する適正な施肥量を算出するもので、これら各センサ71、74による検出条件のもとに、前記調節モータ6を駆動して前記繰出ロール13の回転が制御されて肥料の繰出、施肥量が調節されると共に、指示針9を移動させながら、この指示針9の移動停止位置をストロークセンサ14によって検出するものであるから、土壌耕盤の深度変化に応じて深い土壌では多量に施肥し、浅い土壌では少量に施肥することができるので、土壌の深浅の変化に拘らず肥料濃度を均一にすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記螺旋軸(7)と該螺旋軸(7)により移動される指示針(9)を、インジケータ(15)を設けたセンサケース(16)内に配置し、該指示針(9)の移動位置をセンサケース(16)の外側から透視可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機とする。
【0010】
前記のように施肥走行中の土壌面の肥料濃度は、肥料濃度センサ71の検出のもとに調節モータ6が作動されて施肥量調節装置8を出力すると共に、指示針9を移動するが、作業者は、この指示針9の移動状態や、ストロークセンサ14によって検出される指示針9や、この停止指示位置等をセンサケース16の外側から透視することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)を前輪(10)の車軸(80)に電導プレート(17)として軸装し、該車軸(80)を軸装するフロントアクスルハウジング93には、該車軸(80)と一体回転のスリップリング(64)と、このスリップリング(64)の回転周面(65)上部に摺接する一対の電導ブラシ(67,68)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の苗移植機とする。
【0012】
施肥機車体2の施肥走行時には、前輪10と共にこの車軸80上に設けられる左右の電導プレート17が土壌中に踏込まれて回転しながら、左右電導プレート17間の電導度によってこの土壌の含有する肥料の濃度を検出する。この電導プレート17間の電導度は、この電導プレート17からスリップリンク64、及びこのスリップリング64の回転周面65に摺接する電導ブラシ67、68を介して施肥量制御装置72に通電される、これらスリップリンク64と電導ブラシ67、68が回転周面65に沿って前後一対の形態として配置されるため、前後何れかの電度ブラシ67、又は68をスリップリング64の回転周面65に摺接させて、正確な安定した電導、検出状態を維持させる。又、このスリップリング64と電導ブラシ67、68等の外周部をフロントアクスルハウジング93で覆って、泥水等の侵入を阻止しているため、正確な肥料濃度を検出するように維持する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、土施肥装置5の施肥量調節装置8を調節連動する螺旋軸7や、この螺旋軸7によって移動される指示針9等を設けると共に、この指示針9の移動位置を検出するストロークセンサ14を設けたことにより、このストロークセンサ14による検出値が前記施肥量制御装置72によって算出された施肥量値と一致したとき調節モータ6の駆動を停止する構成となるため、施肥量の制御を的確に行わせることができるので、検出された圃場の肥料濃度に合わせて施肥装置5の肥料繰出量が自動的に切替調節されて、圃場全体の肥料濃度が均一になり、作物の生育が安定すると共に、品質の向上が図られる。
【0014】
また、施肥量調節装置8の切替調節状態をストロークセンサ14で検出して適切な調節位置に停止する構成であるため、瀬肥料の調節停止位置が決まり易く、微量の肥料供給の切替に対応することができるので、圃場内の肥料濃度の均一化及び施肥精度が向上し、作物の生育の安定、及び品質向上がいっそう図られる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、土壌の深度を検出する耕盤深さセンサ74からの入力によって肥料濃度を算出し、この耕盤深さセンサ74の算出結果に基づいて調節モータ6を駆動して指示針9を移動し、この指示針9の移動をストロークセンサ14で検出して制御するものであるため、土壌耕盤の浅深の変化に拘らず、いずれの土壌においても適切な量の施肥を行わせることができるので、いっそう作物の生育の安定や品質の向上が図られる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、調節モータ6の駆動制御により移動される指示針9の移動行程域にインジケータ15を形成したセンサケース16を設け、このセンサケース16の外側から指示針9の移動を目視可能に構成したことにより、指示針9を作業者が容易に目視しながら施肥量状況を判断することができるので、肥料補充のタイミングや施肥継続時間等を予測しやすくなるため、作業能率が向上する。
【0017】
また、指示針9や螺旋軸7、ストロークセンサ15等をセンサケース16内に配置したことにより、センサケース16が泥土や肥料等の飛散、付着を阻止するため、指示針9や螺旋軸7の動作が円滑に行なわれると共に、ストロークセンサ15の検出が正常に行なわれるため、検出結果が乱れることが防止され、施肥精度がいっそう向上する。
【0018】
そして、このストロークセンサ15が検出する指示針9は、調節モータ6により回動される螺旋軸7によって前後方向に長く移動されるため、施肥量制御装置72からの出力によって指示針9の移動量が切り替えられた際、すみやかに施肥量調節装置8を連動して施肥量を調節することができるので、施肥量調節の誤作動の発生が防止され、的確な施肥量制御を行わせることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、前輪10のフロントアクスルハウジング93内で且つスリップリング64の回転周面65上部位置に一対の伝導ブラシ67,68を設けたことにより、電導ブラシ67,68の位置が圃場の土壌面位置から高い位置、例えば車軸80よりも上位の位置に設定することができるので、泥水等の侵入が防止され、正確な電導及び肥料濃度検出が維持される。
【0020】
また、前記電導ブラシ67,68を車軸80よりも上位の位置に配置することにより、潤滑油等の影響を受け難くすることができ、電導ブラシ67,68等の交換等のメンテナンスが行ないやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】苗移植機の前輪部の正面図
【図4】苗移植機の前部の側面図
【図5】苗移植機の施肥装置部の右側面図
【図6】苗移植機のストロークセンサ部の左側面図
【図7】施肥量制御装置のブロック図
【図8】アクスルハウジング部の正断面図
【図9】(A)アクスルハウジング部のスリップリング部の側面図、(B)別実施例のスリップリング部の側面図
【図10】(A)別実施例を示すストロークセンサ部の平面図、(B)別実施例を示すストロークセンサ部の側面図(C)別実施例を示すストロークセンサ部の正面図
【図11】(A)一部別例を示す前輪部の正断面図、(B)一部別例を示す前輪部の側面図
【図12】(A)センタマスコット部の正面図、(B)センタマスコット部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面に基づいて、苗植機1は、圃場を走行する走行車体2の後側に平行リンク構成の昇降リンク3に、土壌面に苗を植え付ける多条植え形態の苗植装置4を連結し、この車体2の後部に、この苗を植付ける土壌面に肥料を施す施肥装置5を搭載している。走行車体2は、左右一対の前輪10と後輪11を配置して乗用四輪走行形態のトラクタ車体形態として、この走行車体2は、前部に配置されたミッションケース12を配置し、上部に運転席31を有し、ステアリングハンドル34を有するステアリングポストの前側には各種操作機構を内蔵したフロントカバー32を有し、直進走行の指標となるセンタマスコット33等を設けている。
【0023】
また、走行車体2上にはフロアステップ35を設け、走行車体2の前部左右両側でかつ機体よりも側方に張り出して補給用の苗を載せる予備苗載台38を設ける。39は苗移植機1を操作するための操作パネルである。
【0024】
前記苗植装置4は、苗を載せて植付部へ繰り出す苗タンク51や、この苗タンク51から繰り出される苗を分離保持して土壌面へ植付ける植付装置52を配置して、センタフロート55、及びサイドフロート56で均平される土壌面に、各フロート55、56毎に二条ずつ植え付ける、合計六条植付の多条植え形態の構成としている。
【0025】
これ螺旋タフロート55、及びサイドフロート56は、それぞれ苗植装置4下部の中央部、及び左右両側部に接地滑走して上下揺動して、土壌面を均平しながら、このセンタフロート55の揺動によって昇降シリンダ53を伸縮して、苗植装置4を所望の対地高さに昇降制御することによって苗植付深さを一定に維持させるように昇降制御する。
【0026】
前記施肥装置5は、上部に肥料を貯留する肥料ホッパ60を有し、この肥料ホッパ60の下部の供給口18から流下される肥料を受けて繰り出す繰出ロール13を、繰出ケース20内に繰出軸21で軸装し、この供給口18部には、シャッター40や、施肥量調節装置8としての調節板41等を設けている。この調節板41による供給口18の開度調節によって該繰出ロール13による繰出量を増減変更、乃至調節する形態である。
【0027】
この繰出ロール13が繰り出した肥料を導く施肥ホース62等、前記苗植付装置52による苗植付位置近くに施肥用溝を形成する施肥ガイド63を、苗植付装置52の植付作用位置よりも前側位置のフロート55、56部に取付けている。前記施肥ホース62から導かれた肥料を土壌の施肥溝部に吐出して施肥する。
【0028】
又、土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71を、左右の走行前輪10の内側に設けて土壌中に突入させて、その左右のセンサ71間の土壌における通電抵抗または電気伝導度を検出する構成である。この肥料濃度センサ71は円板形態の電導プレート17から構成される。フロントカバー32に内蔵する施肥量制御装置72は、前記肥料濃度センサ71の検出データに基づいて繰出量調節装置8を制御して施肥装置5の施肥量を変更、調節する構成である。
【0029】
73は土壌の温度を検出する温度センサ、74は圃場の耕盤深さを検出する耕盤深さセンサ、75は上空の複数個の衛生からGPS信号を受信して自信の位置データを取得するGPS受信機、76はGPS受信機75が取得した位置データ毎に圃場内各所における肥料濃度および施肥量のデータを記憶するデータボックスである。
【0030】
走行車体2が圃場を走行すると、肥料ホッパ60内の肥料が繰出ケース20内の繰出ロール13および施肥ホース62等を介して、施肥ガイド63か螺旋タフロート55、サイドフロート56の前側の土壌に吐出される。これ螺旋タフロート55、サイドフロート56が滑走して整地した土壌に対して苗植付装置52が作用して苗タンク51の苗を植付ける。
【0031】
この際に、肥料濃度センサ71が左右一対の肥料濃度センサ71によって、左右の走行前輪10間の土壌の通電抵抗または電気伝導度を検出して、施肥量制御装置72において土壌の肥料濃度として算出する。
【0032】
また、前記温度センサ73により土壌の温度を検出し、前記施肥量制御装置72は、この温度センサ73の検出データに基づき前記肥料濃度センサ71の検出データを補正し、この補正後の検出データに基づき繰出量調節装置8を制御して肥料繰出量を増減変更し施肥装置5の施肥量を変更するようにしている。これにより、土壌の温度の違いによる通電抵抗または電気伝導度の変化に合わせて施肥量を適量に変更できるようになり、簡易な測定方法で施肥調節精度を向上させることができる。
【0033】
このようにして、同じ圃場や環境の似た圃場で施肥作業を行う際の基準となるデータを取得できるので、施肥量制御装置72に取得したデータを記憶させるときは、このデータに基づいて施肥装置5の施肥量を自動的に変更させることにより、次回以降の施肥制御が向上する。
【0034】
また、取得したデータボックス76内のデータに基づき最適な施肥作業を行うことができるとともに、施肥量制御装置72が走行車体2を所望の走行経路で走行するよう制御するようになり、作業の無人化を図ることができる。
【0035】
さらに、肥料濃度センサ71の検出データと温度センサ73の検出データと耕盤深さセンサ74の検出データとを統合し、この統合したデータに基づき、制御装置72の繰出量調節装置8を制御して施肥装置5の施肥量を変更するようにしても良い。このことにより、作業条件の変化に追従して施肥量を適量に変更させることができるようになり、施肥精度がいっそう向上するとともに、様々な作業条件に適応可能となる。
【0036】
ここにおいて、この施肥量制御装置は、施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71と、この肥料濃度センサ71の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置72を有して、この算出の施肥量を繰出ロール13を駆動して施用する施肥機において、前記施肥量制御装置72によって出力される調節モータ6、及びこの調節モータ6で回転される螺旋軸7で移動される指示針9を設け、前記調節モータ6によって繰出ロール13による繰出量を調節する施肥量調節装置8を連動調節すると共に、前記指示針9を移動させる構成として、この指示針9の移動量をストロークセンサ14で検出することによって、このストロークセンサ14による検出値が前記施肥量制御装置72で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ6の駆動を停止するように構成する。
【0037】
車体の走行によって肥料濃度センサ71で土壌中の肥料成分の濃度を検出して、施肥量制御装置72でこの走行位置土壌中の施肥量を算出しながら、調節モータ6を駆動して螺旋軸7により、繰出ロール13による施肥装置4の施肥量乃至繰出量を調節するための施肥量調節装置8を連動調節すると共に、指示針9を移動する。
【0038】
この指示針9の移動はストロークセンサ13によって検出されていて、この指示針9が前記施肥量制御装置72によって算出された施設肥量値の位置に達することによって、この調節モータ6の駆動を停止して、施肥量の調節を停止する。
【0039】
また、前記適正施肥量を算出するための施肥量制御装置72は、前記肥料濃度セン71による検出と、土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって施肥量を算出するように構成する。
【0040】
前記施肥量制御装置72で算出する施肥量は、前記肥料濃度センサ71によって検出した肥料濃度と、この施肥しようとする土壌層の深さを検出する耕盤深さセンサ74による検出とによって、この走行土壌位置に対する適正な施肥量を算出するもので、これら各センサ71、74による検出条件のもとに、前記調節モータ6を駆動して前記繰出ロール13の回転が制御されて肥料の繰出、施肥量が調節されると共に、指示針9を移動させながら、この指示針9の移動停止位置をストロークセンサ14によって検出するものであるから、土壌耕盤の深度変化に応じて深い土壌では多量に施肥し、浅い土壌では少量に施肥して、土壌の深、浅変化に拘らず肥料濃度を均一にして施用することができる。
【0041】
更には、前記螺旋軸7、及びこの螺旋軸7によって移動される指示針9を、インジケータ15を施したセンサケース16内に設けて、この指示針9の移動位置をセンサケース16外側から透視可能とする形態とする。
【0042】
前記のように施肥走行中の土壌面の肥料濃度は、肥料濃度センサ71の検出のもとに調節モータ6が作動されて施肥量調節装置8を出力すると共に、指示針9を移動するが、作業者は、この指示針9の移動状態や、ストロークセンサ14によって検出される指示針9や、この停止指示位置等をセンサケース16の外側から透視することができる。
【0043】
前記施肥装置5は、車体2後部のリヤブレーム19上に装着される。又、苗植装置4はこの下側に枢着する昇降リンク3を介して後方に装着され、昇降シリンダ53の伸縮によって昇降される。苗植装置4の苗タンク51、及び植付装置52は、センタフロート55、及び各サイドフロート56の左右両側部を均平する各均平跡毎に植付ける二条植とし、合計六条植形態としているが、これに合せて、施肥装置5を各植付条毎に施肥する六条施肥形態、乃至各フロート毎に一条宛て施肥する三条施肥形態とする。
【0044】
各施肥装置5は横方向に並設されて、回転周面に一定容積の繰出溝を形成した繰出ロール13を繰出軸21に沿って配置し、各々繰出ケース20内で回転されて、上側の肥料ホッパ60から流下供給される粉、粒材等からなる肥料を繰出溝に嵌合させて繰出す。この繰出軸21は、前記ミッションケース12のPTO軸36から連動される連動軸27のギヤ22、23等を介して連動回転され、前輪10、及び後輪11の伝動回転と一定の連動比を有して伝動回転されて、繰出施肥する形態である。
【0045】
前記各繰出ケース20の前後には、横方向に沿って送風ダクト25、及び肥料回収ダクト28を配置して、これら一側端を送風機29から切替弁で切替えて送風ダクト25、又は回収ダクト28へ送風する。前記繰出ケース20の下部には排出口26を施肥筒24にのぞませて、繰出ロール13によって繰り出された肥料を受けて、前記送風ダクト25から吹込む送風によって施肥ホース62へ搬送させる形態である。各施肥ホース62は後下端の吐出口を前記施肥ガイド63上にのぞませて、この施肥ガイド63で成形される作溝内に肥料を噴出して施用する。
【0046】
前記肥料ホッパ60の下端部は、繰出ケース20上部の供給口18に連通させて、このホッパ60内の肥料を繰出ロール13室内へ流入させる。この施肥量を調節する施肥量調節装置8は、供給口18部にシャッター40を設けて開閉することができ、このシャッター40の下側に前後方向へ移動調節可能の調節板41を設けて、この調節板41によって供給口18の開度を調節して繰出ロール13に対する肥料の供給量を調節することができる。
【0047】
この調節板41は、下面にラックを有して調節軸42のピニオンを噛合させて、この調節軸42の回動によってピニオン噛合で移動調節される。この調節板41を移動する調節軸42は、前記調節モータ6により、螺旋軸7、ベルクランク43、リンクロッド44、リンクアーム45、及びギヤ46、47等を介して連動回動されて、前記調節板41の開度を調節する。このベルクランク43はリヤフレーム19に揺動軸48周りに回動自在で、このベルクランク43の上端に調節ロッド42の先端部を連動ピン49で上下回動自在に嵌合させている。
【0048】
前記調節モータ6や、ストロークセンサ14、螺旋軸42、センサケース16、及びこの螺旋軸42から調節軸42を連動するリンク機構やギヤ機構等の連動機構は、前記繰出ロール13を内装した繰出ケース20の外側に配置され、前記センサケース16や調節モータ6等を繰出ケース20の前側、運転席21側に配置して、運転者がインジケータ15やセンアケース16内の指示針9の位置を透視し易くしている。
【0049】
また、前記螺旋軸7にボス部49を螺合して前後移動される指示針9を、図6では、この調節モータ6側に位置するストロークセンサ14によって、レーザビームを当てることによって移動位置を検出する形態としているが、この形態に代えて、図10のように、センサケース16側の定位置に固定するシリンダ69と、指示針9側に一体のスピンドル70によって、嵌合伸縮して指示針9の移動量を検出するストロークセンサ14の構成とすることもできる。
【0050】
図8、図9において、80は走行前輪10の車軸、81は車軸80と一体回転し電導プレート17に接合するスリップリング64の回転側電極、82は操向ケースで、車軸80を支持するフロントアクスルハウジング93の終端部において、キングピン軸84周りに操向回動可能に設けられて、ステアリングハンドル34の操作によって操向連動される。
【0051】
この操向ケース82の内側には、回転側電極81と、これに接触する接触子の固定側電極83を設けて、この回転側電極81と固定側電極83との摺接によって電導プレート17と前記施肥量制御装置72との間を常時電導状態に設定する。
【0052】
ここにおいて、前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ71を前輪10の車軸80に電導プレート17として軸装し、この車軸80を軸装するフロントアクスルハウジング93には、この車軸80と一体回転のスリップリング64と、このスリップリング64の回転周面65上部に摺接する一対の電導ブラシ67、68を設ける。
【0053】
施肥機車体2の施肥走行時には、前輪10と共にこの車軸80上に設けられる左右の電導プレート17が土壌中に踏込まれて回転しながら、左右電導プレート17間の電導度によってこの土壌の含有する肥料の濃度を検出する。この電導プレート17間の電導度は、この電導プレート17からスリップリンク64、及びこのスリップリング64の回転周面65に摺接する電導ブラシ67、68を介して施肥量制御装置72に通電される、これらスリップリンク64と電導ブラシ67、68が回転周面65に沿って前後一対の形態として配置されるため、前後何れかの電導ブラシ67、又は68をスリップリング64の回転周面65に摺接させて、正確な安定した電導、検出状態を維持させる。又、このスリップリング64と電導ブラシ67、68等の外周部をフロントアクスルハウジング93で覆って、泥水等の侵入を阻止しているため、正確な肥料濃度を検出するように維持する。
【0054】
84は下側ほど走行車体2の左右方向外側に偏位する上下方向のキングピン軸、85はキングピン軸84から車軸80へ伝動する一対のベベルギヤ、86は固定側電極83へ導電するハーネス、87は機体正面視でキングピン軸84に沿って下側ほど走行車体2の左右方向外側に偏位させて配置された案内パイプ、88は回転側電極81へ導電するハーネス、89はハーネス88を通すための孔、90は走行車輪10のスポーク部、91はスポーク部90に電導プレート17を固定する一対の固定具、92は走行車輪10のホイルキャップ、93はフロントアクスルハウジングである。
【0055】
前記電導プレート17は、その外周が走行前輪10の外周径よりも小径の円形状に構成され、この円形の中心を車軸80に嵌合して、走行前輪10の左右幅内つまり走行車体2の左右両側にそれぞれ配置されている。そして、車軸80と一体回転して電導プレート17に接続する回転側電極81と、車軸80を支持する操向ケース82内に設けられ回転側電極81に接触する固定側電極83とを設け、電導プレート17と施肥制御装置72との間を通電するように構成している。
【0056】
前記のように、フロントアクスルハウジング93内部に設ける電導ブラシ67、68は、直上端部に(図9のA参照)にアーム77を取付けて、このアーム77の前後端部に電導ブラシ67、68を取付けて、各々スプリング78によって、スリップリング64の回転周面65に押圧させている。この電導ブラシ67、68は、アクスルハウジング93の外周面から取付穴79を介して着脱することができるように構成して、この取付穴79はキャップで開閉することができる。
【0057】
又、前記アーム77及び電導ブラシ67、68は、車軸80直上位置から適宜角度前後に偏倚した位置に配置することができる(図9のB参照)。又、電動ブラシ67、68は板ばね形態として、スリップリング64の回転周面65を挟む形態に摺接させている。
【0058】
次に、主として図11に基づいて、前期肥料濃度センサ71の電導プレート17を、車輪10のリム径部の内側面に沿うプレートリングの形態として形成して、各スポーク部90の先端部に固定具95で取付ける。この肥料濃度センサ71のハーネス88は、車軸80の孔89からスポーク90に沿って取付けるパイプ97内を通して防水状態に連結する。又、アクスルハウジング93、及び操向ケースの外周部をアクスルカバー98で被覆して防水性を維持している。
【0059】
又、図12に基づいて、車体2前端部のマスコット33の下端部を、車体2から前上方に突出されるT字型のハンドルフレーム57上に、前後傾斜回動可能に取付けて支持し、このセンタマスコット33の前側にフロントマスク58の前面を覆う形態の縦長形状で上辺部をループ状に形成したハンドルリング59を設けたものである。このハンドリング59を把持し易くし、センタマスコット33は独自に傾斜させることができる。
【0060】
また、前記ハンドルフレーム57の上端部には、ハンドルリング59よりも内側に位置して緊急停止スイッチ54を設けて、エンジンを停止するように連動することができる。
【符号の説明】
【0061】
5 施肥装置
6 調節モータ
7 螺旋軸
8 施肥量調節装置
9 支持針
10 前輪
14 ストロークセンサ
15 インジケータ
16 センサケース
17 電導プレート
64 スリップリング
65 回動周面
67 電導ブラシ
68 電導ブラシ
71 肥料濃度センサ
72 施肥量制御装置
74 耕盤深さセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)と、この肥料濃度センサ(71)の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置(72)を設け、該施肥量制御装置(72)で算出した施肥量を繰出ロール(13)の駆動に反映して施肥量を制御可能に構成した施肥装置を備えた苗移植機において、
前記施肥量制御装置(72)によって駆動制御される調節モータ(6)と、該調節モータ(6)で回転される螺旋軸(7)に移動される指示針(9)を設け、前記調節モータ(6)によって繰出ロール(13)による繰出量を調節する施肥量調節装置(8)を連動調節すると共に前記指示針(9)を移動させる構成とし、該指示針(9)の移動量をストロークセンサ(14)で検出して該ストロークセンサ(14)による検出値が前記施肥量制御装置(72)で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ(6)の駆動を停止することを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
適正な施肥量を算出する前記施肥量制御装置(72)は、前記肥料濃度セン(71)の検出値と土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ(74)の検出値から施肥量を算出する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記螺旋軸(7)と該螺旋軸(7)により移動される指示針(9)を、インジケータ(15)を設けたセンサケース(16)内に配置し、該指示針(9)の移動位置をセンサケース(16)の外側から透視可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)を前輪(10)の車軸(80)に電導プレート(17)として軸装し、該車軸(80)を軸装するフロントアクスルハウジング93には、該車軸(80)と一体回転のスリップリング(64)と、このスリップリング(64)の回転周面(65)上部に摺接する一対の電導ブラシ(67,68)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の苗移植機。
【請求項1】
施肥走行しながら土壌中の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)と、この肥料濃度センサ(71)の検出に基づき施肥量を算出する施肥量制御装置(72)を設け、該施肥量制御装置(72)で算出した施肥量を繰出ロール(13)の駆動に反映して施肥量を制御可能に構成した施肥装置を備えた苗移植機において、
前記施肥量制御装置(72)によって駆動制御される調節モータ(6)と、該調節モータ(6)で回転される螺旋軸(7)に移動される指示針(9)を設け、前記調節モータ(6)によって繰出ロール(13)による繰出量を調節する施肥量調節装置(8)を連動調節すると共に前記指示針(9)を移動させる構成とし、該指示針(9)の移動量をストロークセンサ(14)で検出して該ストロークセンサ(14)による検出値が前記施肥量制御装置(72)で算出される施肥量値に一致することによって前記調節モータ(6)の駆動を停止することを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
適正な施肥量を算出する前記施肥量制御装置(72)は、前記肥料濃度セン(71)の検出値と土壌耕盤の深さを検出する耕盤深さセンサ(74)の検出値から施肥量を算出する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記螺旋軸(7)と該螺旋軸(7)により移動される指示針(9)を、インジケータ(15)を設けたセンサケース(16)内に配置し、該指示針(9)の移動位置をセンサケース(16)の外側から透視可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記土壌の肥料濃度を検出する肥料濃度センサ(71)を前輪(10)の車軸(80)に電導プレート(17)として軸装し、該車軸(80)を軸装するフロントアクスルハウジング93には、該車軸(80)と一体回転のスリップリング(64)と、このスリップリング(64)の回転周面(65)上部に摺接する一対の電導ブラシ(67,68)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−231695(P2012−231695A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100850(P2011−100850)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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