説明

茶エキスの製造方法及び茶エキス

【課題】従来の緑茶飲料とは異なる新たな風味を緑茶飲料に与えることができる、特有の香りを持つ茶エキスを提供すること。
【解決手段】
茶の生葉、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉からなる群より選ばれる少なくとも1種を原料茶葉とした茶抽出液にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させる。得られる茶エキスを配合することで緑茶飲料にフルーティーな香りを賦与し、従来の緑茶飲料とは異なる新しい風味を有する緑茶飲料を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレッシュ感を損なわずに容器詰緑茶飲料にフルーティー感を与える新規な茶エキスの製造方法及び茶エキスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好の多様化により、新規な風味を有する容器詰茶飲料の開発が望まれており、烏龍茶飲料や紅茶飲料、特に紅茶飲料では香料の添加により様々な風味の飲料が開発されている。一方緑茶飲料では、消費者の天然風味嗜好により茶由来の香りが重視されるため香料による賦香は好まれない。そのため、緑茶飲料の開発においては従来の煎茶や焙じ茶様の風味の緑茶飲料を提供するに留まっており、様々な風味の緑茶飲料を提供できていないのが現状である。
【0003】
また、容器詰緑茶飲料には、製造工程における加熱殺菌の熱負荷によって緑茶が本来有する香りが減少・変質してしまうという問題があり、この香りの減少や変質を補うために香りを増強させたエキスの開発が行われている。例えば、茶の生葉や加熱処理した生葉を原料茶葉として使用する技術としては、凍結生葉を水で搾汁して得られる緑茶飲料原液(特許文献1)、凍結生葉や生葉を加熱後凍結した葉を水蒸気蒸留して得られる留出液(特許文献2)等が提供されている。また、蒸製緑茶の製造工程を経た荒茶又は仕上茶を原料茶葉として使用する技術としては、荒茶又は仕上茶を加圧下で抽出して得られる緑茶エキス(特許文献3)、仕上茶の抽出液にタンナーゼおよびβ−グリコシダーゼを作用させて得られる緑茶エキス(特許文献4)、荒茶又は仕上茶から得た緑茶抽出液にβ−プリメベロシダーゼを添加し、特定条件で酵素処理を行って香気が増強され、且つ、苦味が軽減された緑茶エキス(特許文献5)、荒茶又は仕上茶より得られる加熱殺菌前の緑茶抽出液をβ−グリコシダーゼで処理後加熱殺菌して、不快臭が抑制され、香気が改善された容器詰緑茶飲料(特許文献6)、グリーン様香気化合物を生成する酵素を作用させた荒茶又は仕上茶の緑茶エキス、又はその緑茶エキスより得られたアロマ(特許文献7)等が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は加熱殺菌で失われる容器詰緑茶飲料の香りを加熱殺菌前に予め増強したり、加熱殺菌時の香りの変質を防いだりする技術であって、新たな風味の緑茶飲料を提供するには不十分であり、消費者の嗜好の多様化に必ずしも応えるものではなかった。
具体的には、特許文献1、特許文献2、特許文献4、特許文献7は、加熱殺菌により失われる緑茶のグリーン感を予め強化する技術であり、これらの技術を利用して得られる緑茶飲料は、従来家庭等で飲用される煎茶様の飲料である。特許文献3や特許文献5は緑茶飲料の香りをバランス良く強化する技術であるため、これらの技術を利用しても従来の緑茶飲料の範疇を越えるものは得られない。また、特許文献6は加熱殺菌による不快臭の発生を抑制しつつ、香りのバランスを保った緑茶飲料であるため、やはり従来の緑茶飲料の範疇を越えるものではない。そのほかにも原料茶葉に強い火入れ処理を行い、焙煎香によって加熱殺菌時の不快臭をマスキングする手法も一般的であるが、得られる飲料は従来の焙じ茶様の飲料である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−110990
【特許文献2】特開2005−160416
【特許文献3】特開2001−286260
【特許文献4】特開2007−53905
【特許文献5】特開2006−109797
【特許文献6】特開2004−147606
【特許文献7】WO2006/062133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来の緑茶飲料とは異なる新たな風味を緑茶飲料に与えることができる、特有の香りを持つ茶エキスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、茶の生葉、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉からなる群より選ばれる少なくとも1種の茶葉から得られた抽出液にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させて、従来の緑茶エキスとは異なる特定の香気成分組成にコントロールすることで、緑茶のフレッシュな香りを保持しながらも従来の緑茶エキスには無いフルーティーな特有の香りを持つ茶エキスを得られることを見出した。さらに、この茶エキスを配合して容器詰緑茶飲料を製造したところ、フレッシュ感を損なうことなく容器詰緑茶飲料にフルーティーな香りを賦与し、従来の容器詰緑茶飲料とは異なる新しい風味を有する緑茶飲料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
β−グリコシダーゼを利用した手法は従来から提案されてきた手法であるが、従来の技術(特許文献4〜6)は蒸製緑茶の製造工程を経た荒茶又は仕上茶の抽出液を酵素処理するものであり、上述した通り、新たな風味の容器詰緑茶飲料を提供するものではない。本発明の様に、生葉や、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉もしくは揉捻葉を原料茶葉とした抽出液にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させて、特定の比率で香気成分を含有させることでフルーティー感を有する茶エキスを得る手法は開示されていない。
【0009】
すなわち、請求項1記載の本発明は、茶の生葉、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉からなる群より選ばれる少なくとも1種を原料茶葉とし、原料茶葉から茶成分を抽出する工程と抽出した茶成分にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を具備する茶エキスの製造方法を提供するものである。
【0010】
また、請求項2記載の本発明は、茶エキスがcis−3−ヘキセニルアセテート(A)、cis−3−ヘキセノール(B)、リナロール(C)、ゲラニオール(D)及びタンニン(E)を含有し、次の(1)、(2)及び(3);
(1)A(ppb)/E(重量%)=1.5以上
(2)B(ppb)/E(重量%)=700〜4000
(3)B(ppb)/[C+D(ppb)]=2〜6
を満たす請求項1記載の茶エキスの製造方法を提供するものである。
【0011】
また、請求項3記載の本発明は、原料茶葉が生葉及び/又は蒸葉である請求項1又は2記載の茶エキスの製造方法を提供するものである。
【0012】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法により得られる茶エキスを提供するものである。
【0013】
また、請求項5記載の本発明は、cis−3−ヘキセニルアセテート(A)、cis−3−ヘキセノール(B)、リナロール(C)、ゲラニオール(D)及びタンニン(E)を含有し、次の(1)、(2)及び(3);
(1)A(ppb)/E(重量%)=1.5以上
(2)B(ppb)/E(重量%)=700〜4000
(3)B(ppb)/[C+D(ppb)]=2〜6
を満たす茶エキスを提供するものである。
【0014】
また、請求項6記載の本発明はBrixが5〜15%である請求項4又は5記載の茶エキスを提供するものである。
【0015】
また、請求項7記載の本発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の茶エキスを添加することを特徴とする茶飲料のフルーティー感賦与方法を提供するものである。
【0016】
また、請求項8記載の本発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の茶エキスを添加することを特徴とする茶飲料の製造方法を提供するものである。
【0017】
また、請求項9記載の本発明は、茶エキスの添加割合が茶飲料に対して茶エキス固形分として0.001〜0.05重量%である請求項8記載の茶飲料の製造方法を提供するものである。
【0018】
また、請求項10記載の本発明は、請求項8又は9に記載の製造方法により得られる茶飲料を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の方法により製造された、特定の比率で香気成分を含有する茶エキスは従来の緑茶エキスにはないフレッシュ感のあるフルーティーな香りを持ち、この茶エキスを配合することでフレッシュ感を損なわずに容器詰緑茶飲料にフルーティー感を与えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、原料茶葉から茶成分を抽出する抽出工程と、抽出した茶成分に対してβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させる酵素処理工程を経て特定の香気成分組成を持つ茶エキスを得る。この酵素処理工程は抽出工程と同時に行っても良い。
【0021】
本発明の茶エキスの製造においては、茶の生葉や、生葉を蒸製緑茶の製造工程に供して得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉を原料茶葉として用いる。蒸製緑茶の製造工程で得られる茶葉は次の様に定義される。
【0022】
蒸製緑茶は、茶の生葉を蒸気で加熱して酵素を失活させる「蒸熱」、蒸した茶葉の水分を取り除く「葉打ち」、熱風を当て揉みながら乾かす「粗揉」、十分に揉んで葉の繊維や組織を柔らかくして茶葉を均一化させる「揉捻」、再度揉みながら熱風で乾燥させる「中揉」、整形しながら乾かす「精揉」、茶葉の水分量を数%程度に乾燥させる「乾燥」を行い、その後、茎や粉茶を取り除いて茶葉の形や大きさを揃えて外観を整え、再乾燥して水分を2〜3%以下にして劣化を防ぎ、再火入れによって香りと旨さを引き出す「仕上げ」を経て完成される。
本発明では未殺青の茶葉を生葉、「蒸熱」を経た「粗揉」前の茶葉を蒸葉、「粗揉」後「揉捻」前の茶葉を粗揉葉、「揉捻」後「中揉」前の茶葉を揉捻葉、「中揉」後「精揉」前の茶葉を中揉葉、「精揉」後「乾燥」前の茶葉を精揉葉、「乾燥」後「仕上げ」前の茶葉を荒茶、「仕上げ」後の茶葉を仕上茶と言う。そして本発明の茶エキスの製造に用いる原料茶葉は上述した通り、生葉、蒸葉、粗揉葉、揉捻葉である。
【0023】
原料茶葉として生葉を用いる場合は摘採後の生葉の他、凍結保存した生葉も利用できる。また、蒸葉、粗揉葉、揉捻葉は製造後すぐに用いることができるが、それらの茶葉を凍結保存したものも利用可能である。凍結処理温度は−30℃以下であることが好ましい。
凍結方法は、従来公知の任意の方法を用いることができる。例えば、茶葉を低温雰囲気(例として冷凍庫)内に置いたり、冷媒を吹き付けて凍結させたりしても良いが、その他の方法で凍結させることもできる。また、原料茶葉は、抽出効率・酵素反応効率上、粉砕して用いることが好ましい。粉砕には、通常の食品原料を粉砕する機械を用いることが可能であり、例えばウルトラマイザー、ミキサー、ハンマーミル等を使用することができる。特にミキサーが好適に用いられる。
【0024】
なお、一般的に蒸製緑茶の製造にはツバキ目ツバキ科ツバキ属の植物チャ(学術名Camellia
sinensis)の中国種(Camellia sinensis var. sinensis)を用いるが、本発明ではアッサム種(Camellia sinensis
var. assamica)、カンボジア種(Camellia sinensis ssp.lasiocalyx)等又はそれらの雑種から得られる生葉、蒸葉、粗揉葉、揉捻葉も原料茶葉として用いることができる。
【0025】
本発明における原料茶葉の抽出方法としては、ニーダー抽出、カラム抽出、バッチ抽出、ドリップ抽出等の公知の方法が挙げられる。抽出の条件は茶葉の種類、抽出機の種類等により適宜選択されるものであるが、例えば原料茶葉1重量部に対して3〜50重量部の抽出溶媒を用いれば良く、4〜30重量部が抽出効率、製造コスト及び品質等の点で好ましい。抽出溶媒は水、温水、熱水を用いるのが安全上問題がなく好ましい。抽出温度は20〜90℃が好ましく、40〜80℃がさらに好ましい。抽出時間は抽出溶媒の量や抽出温度にも依存するが、通常10分〜6時間に設定するのが好ましい。また、上記抽出工程の後に必要に応じてフィルターによるろ過や遠心分離等により抽出液を清澄化しても良い。
【0026】
また、抽出工程においては酸化防止剤を添加しても良い。抽出時に酸化防止剤を添加することによって、抽出液の酸化を抑制することができる。酸化防止剤は、食品添加物として認められている酸化防止剤を用いることができるが、特に、L−アスコルビン酸やL−アスコルビン酸ナトリウムが好適に用いられる。さらに、香味を考慮するとアスコルビン酸の方が、香味がスッキリとするためより好ましい。酸化防止剤の添加量は特に限定されないが、原料茶葉に対して0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましい。上限値は香味を考慮すると3重量%以下であることが好ましい。
【0027】
本発明において酵素処理に用いる酵素は、β−グリコシダーゼ活性を有する酵素である。β−グリコシダーゼは配糖体あるいはオリゴ糖のβ−グリコシド結合を分解する酵素の総称であり、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−プリメベロシダーゼ、β−キシロシダーゼ等が例示できる。しかし、本発明で用いる酵素はこれらに限定されるものではなく、実質的に配糖体あるいはオリゴ糖のβ−グリコシド結合を分解できるものであれば、粗酵素や、粗酵素を含有する組成物等を使用しても良い。また、生葉を原料茶葉に用いる場合、生葉から抽出される酵素を併用しても良い。酵素の添加量は、酵素の種類や力価、抽出液の濃度や量等に応じて適宜設定することができるが、原料茶葉に対して0.05〜10重量%が好ましく、コスト面を考慮すれば0.2〜5重量%がより好ましい。酵素の反応条件も酵素の種類や力価、抽出液の濃度や量等に依存するが、好ましくは15〜70℃で10分〜6時間、より好ましくは20〜60℃で20分〜3時間、さらに好ましくは25〜55℃で30〜90分に設定するのが作業上好ましい。
また、本発明において酵素処理するタイミングは抽出と同時であっても抽出後であっても構わないが、抽出と同時に酵素処理を行う場合には、添加する酵素が失活しない処理条件を設定する必要がある。具体的には、酵素の種類や力価、抽出液の濃度や量等にも依存するが、上記した通り15〜70℃で10分〜6時間、より好ましくは20〜60℃で20分〜3時間、さらに好ましくは25〜55℃で30〜90分に設定するのが作業上好ましい。
【0028】
本発明の茶エキスは必要に応じて公知の方法により濃縮液の形態とすることもできる。濃縮には減圧濃縮、逆浸透膜(RO膜)濃縮、凍結濃縮等の手段を採用すれば良いが、香味面を考慮すると熱負荷の小さいRO膜濃縮や凍結濃縮が好ましい。また、濃縮の程度は特に制限されないが、容器詰茶飲料へ配合する際の作業性等を考慮すると、茶エキスのBrixは5〜15%の範囲内が好ましい。
【0029】
本発明においては、酵素の失活と殺菌を兼ねて茶エキスの加熱処理を行うことが好ましい。処理条件は特に限定されないが、高温長時間の加熱では香りのバランスが崩れるため、高温短時間の加熱(80〜135℃で10秒〜30分程度)が適当である。さらに加熱後は冷蔵又は冷凍保存することにより本発明の優れた香味を長期間保持することができる。
【0030】
本発明の茶エキスは、茶の生葉、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉から抽出した茶成分にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させることで得られ、その香気成分組成は以下の様な組成が好ましい。
本発明の茶エキスはcis−3−ヘキセニルアセテート(A)、cis−3−ヘキセノール(B)、リナロール(C)、ゲラニオール(D)及びタンニン(E)を含有する。本発明の茶エキスはcis−3−ヘキセニルアセテート(A)の含有量(ppb)に対するタンニン(E)の含有量(重量%)の比率、(1)A(ppb)/E(重量%)が、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは2.0以上、さらに好ましくは2.5以上である。また、cis−3−ヘキセノール(B)の含有量(ppb)に対するタンニン(E)の含有量(重量%)の比率、(2)B(ppb)/E(重量%)が、好ましくは700〜4000であり、より好ましくは1000〜3700、さらに好ましくは1300〜3400である。また、cis−3−ヘキセノール(B)の含有量(ppb)に対するリナロール(C)及びゲラニオール(D)の含有量(ppb)の比率、(3)B(ppb)/[C+D(ppb)]が、好ましくは2〜6であり、より好ましくは3〜5である。
式(1)と式(2)が上記の範囲を満たしても式(3)が2未満であると紅茶様の甘い香りが強くなり緑茶のイメージから乖離する可能性があり、6より大きいと強い青味が青臭みとなって茶飲料の風味を損なう恐れがある。式(2)と式(3)が上記の範囲を満たしても式(1)が2未満であるとフルーティー感は弱くなる。式(1)と式(3)が上記の範囲を満たしても式(2)が700未満であるとフレッシュ感が損なう恐れがあり、4000より大きいと強い青味が青臭みとなり茶飲料の風味を損なう可能性がある。
【0031】
本発明においては、上記方法で得られた茶エキスを、例えば緑茶飲料に添加して使用することができる。茶エキスの添加割合は特に限定されないが、通常は緑茶飲料に対して茶エキス固形分として0.001〜0.05重量%、好ましくは0.005〜0.02重量%で添加される。添加割合が0.001重量%未満であるとフルーティー感賦与効果が弱い場合があり、添加割合が0.05重量%を越えると苦味や渋味が感じられることがある。
【0032】
上記本発明の方法により得られた茶エキスは、飲料の他、酒類、冷菓・デザート類、焼き菓子類、錠菓類、ガム等の各種飲食品に使用することができる。具体的には、茶類飲料(緑茶、烏龍茶、紅茶、混合茶等)、乳飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター、栄養ドリンク、炭酸飲料等の飲料類、発泡酒、カクテル等の酒類、プリン、ババロア、ゼリー、ヨーグルト、シャーベット、アイスクリーム等の冷菓・デザート類、クッキー、ビスケット等の焼き菓子類、キャンディ、タブレット等の錠菓類、ガム等が挙げられる。
【0033】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例で使用している酵素、スミチームNLS(新日本化学工業株式会社)、スミチームBGA(新日本化学工業株式会社)、スクラーゼA(三菱化学フーズ株式会社)はいずれもβ−グリコシダーゼ活性を有することを確認している。
【実施例1】
【0034】
<本発明品1>
粉砕した凍結生葉8.0kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して0.3重量%)を85℃の抽出水40.0kg(抽出倍率5倍)に投入し、65〜66℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液34.8kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix9.5%の茶濃縮液5.7kgを得た。2.9kgの茶濃縮液にスミチームNLSを36.3g(原料茶葉に対して0.9重量%)添加して40〜45℃で60分間酵素処理を行い、その後110℃で10秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0035】
<本発明品2>
粉砕した凍結蒸葉8.3kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して0.3重量%)を85℃の抽出水39.7kg(抽出倍率4.8倍)に投入し、64〜73℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液33.6kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix10.0%の茶濃縮液4.6kgを得た。2.3kgの茶濃縮液にスミチームNLSを28.8g(原料茶葉に対して0.7重量%)添加して42〜44℃で60分間酵素処理を行い、その後110℃12秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0036】
<本発明品3>
粉砕した凍結粗揉葉5.4kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して0.4重量%)を85℃の抽出水42.6kg(抽出倍率7.9倍)に投入し、64〜70℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液33.6kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix9.8%の茶濃縮液6.8kgを得た。3.4kgの茶濃縮液にスミチームNLSを42.5g(原料茶葉に対して1.6重量%)添加して38〜41℃で65分間酵素処理を行い、その後112℃9秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0037】
<本発明品4>
粉砕した凍結揉捻葉3.5kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して0.7重量%)を85℃の抽出水44.5kg(抽出倍率12.7倍)に投入し、63〜67℃で25分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液37.2kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix10.3%の茶濃縮液5.4kgを得た。2.7kgの茶濃縮液にスミチームNLSを33.8g(原料茶葉に対して1.9重量%)添加して40℃で60分間酵素処理を行い、その後109℃で12秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0038】
<比較品1>
粉砕した凍結中揉葉2.5kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して1.0重量%)を85℃の抽出水45.5kg(抽出倍率18.2倍)に投入し、65〜66℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液38.9kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix9.9%の茶濃縮液5.1kgを得た。2.6kgの茶濃縮液にスミチームNLSを32.5g(原料茶葉に対して2.6重量%)添加して41〜44℃で60分間酵素処理を行い、その後110℃10秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0039】
<比較品2>
粉砕した凍結精揉葉2.2kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して1.1重量%)を85℃の抽出水45.8kg(抽出倍率20.8倍)に投入し、64〜69℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液37.2kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix9.7%の茶濃縮液5.5kgを得た。2.8kgの茶濃縮液にスミチームNLSを35.0g(原料茶葉に対して3.2重量%)添加して39〜40℃で60分間酵素処理を行い、その後110℃9秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0040】
<比較品3>
粉砕した凍結荒茶2.0kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して1.2重量%)を85℃の抽出水46.0kg(抽出倍率23.0倍)に投入し、64〜66℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液37.6kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix10.1%の茶濃縮液5.2kgを得た。2.6kgの茶濃縮液にスミチームNLSを32.5g(原料茶葉に対して3.3重量%)添加して40〜42℃で60分間酵素処理を行い、その後111℃10秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0041】
<比較品4>
粉砕した仕上茶2.0kgとアスコルビン酸24.0g(原料茶葉に対して1.2重量%)を70℃の抽出水46.0kg(抽出倍率23.0倍)に投入し、65〜66℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液37.1kgを得た。得られた茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix9.7%の茶濃縮液5.6kgを得た。2.8kgの茶濃縮液にスミチームNLSを32.5g(原料茶葉に対して3.3重量%)添加して41〜42℃で60分間酵素処理を行い、その後111℃10秒の加熱殺菌を行って本発明品となる茶エキスを得た。
【0042】
<比較品5〜12>
本発明品1製造時に得られた茶濃縮液を酵素無添加で処理した後、110℃10秒の加熱殺菌をして比較品5となる茶エキスを得た。上記と同様に本発明品2製造時に得られた茶濃縮液から比較品6、本発明品3製造時に得られた茶濃縮液から比較品7、本発明品4製造時に得られた茶濃縮液から比較品8となる茶エキスを得た。また、上記と同様に比較品1製造時に得られた茶濃縮液から比較品9、比較品2製造時に得られた茶濃縮液から比較品10、比較品3製造時に得られた茶濃縮液から比較品11、比較品4製造時に得られた茶濃縮液から比較品12となる茶エキスを得た。
【0043】
(官能評価1)
本発明品1〜4及び比較品1〜12の各茶エキスをBrixが0.01%となるようにイオン交換水で希釈したものについて、専門パネリスト5名で官能評価を実施した。
【0044】
【表1】

【0045】
表1に示す様に、生葉、蒸葉、粗揉葉、揉捻葉を酵素処理した本発明品1〜4はフレッシュ感とフルーティー感が感じられた。比較品1と2の様に酵素処理を行っても中揉葉や精揉葉のように製茶工程が進んだ茶葉を使用した茶エキスは、フレッシュ感はあるが香りは煎茶様であり、フルーティー感はなかった。比較品3と4は従来から知られている荒茶と仕上茶の抽出液を酵素処理した茶エキスであり、これら茶エキスもフレッシュ感はあるが煎茶様の香りでフルーティー感はなかった。また、仕上茶を使用した比較品4は比較品1〜3と比べるとフレッシュ感は弱かった。比較品5は生葉の酵素により発酵が進み、紅茶用の甘い香りとなりフルーティー感は感じられず、比較品6〜12は香りが弱くフレッシュ感もフルーティー感もなかった。
【実施例2】
【0046】
<本発明品5>
粉砕した凍結生葉350kgとアスコルビン酸3.2kg(原料茶葉に対して0.9重量%)を90℃の抽出水2450kg(抽出倍率7.0倍)に投入し、63〜65℃で18分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液を得た。得られた茶抽出液2327kgに対してスミチームNLSを3.5kg(原料茶葉に対して1.0重量%)添加し、38〜42℃で60分間酵素処理を行った。得られた酵素処理液をRO膜装置で濃縮してBrix9.8%の茶濃縮液とし、80℃で35秒の加熱殺菌を行い本発明品となる茶エキス328.4kgを得た。
【0047】
<本発明品6>
本発明品5における90℃の抽出水を95℃の抽出水に、抽出条件63〜65℃で18分を80〜82℃で20分に、加熱殺菌条件80℃で35秒を82℃で30秒に変更した以外は本発明品5と同様に処理を行い、本発明品となる茶エキス329.4kg(Brix10.0%)を得た。
【0048】
<本発明品7>
粉砕した凍結生葉350kg、アスコルビン酸3.2kg(原料茶葉に対して0.9重量%)、スミチームNLS 3.5kg(原料茶葉に対して1.0重量%)を50℃の抽出水2450kg(抽出倍率7倍)に投入し、39〜43℃で60分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液を得た。この茶抽出液をRO膜装置で濃縮してBrix10.1%の茶濃縮液とし、80℃30秒の加熱殺菌を行い、本発明品となる茶エキス326.0kgを得た。
【0049】
<本発明品8>
本発明品7におけるスミチームNLS 3.5kg(原料茶葉に対して1.0重量%)を1.6kg(茶葉に対して0.46重量%)に、抽出温度39〜43℃を39〜40℃に、Brix10.1%をBrix5.0%に、変更した以外は本発明品7と同様に処理を行い、本発明品となる茶エキス649.6kgを得た。
【0050】
<本発明品9>
本発明品7におけるスミチームNLS 3.5kg(原料茶葉に対して1.0重量%)を1.6kg(茶葉に対して0.46重量%)に、50℃の抽出水を60℃の抽出水に、抽出条件39〜43℃で60分を50〜52℃で55分に、Brix10.1%をBrix15.0%に変更した以外は本発明品7と同様に処理を行い、本発明品となる茶エキス220.1kgを得た。
【0051】
<比較品13>
粉砕した凍結生葉350kgとアスコルビン酸3.2kg(原料茶葉に対して0.9重量%)を90℃の抽出水2450kg(抽出倍率7.0倍)に投入し、64〜65℃で20分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液を得た。得られた茶抽出液をBrix10.0%までRO膜装置で濃縮して茶濃縮液を得た後、81℃30秒の加熱殺菌を行い比較品となる茶エキス324.6kgを得た。
【0052】
(官能評価2)
本発明品5〜9及び比較品13の各茶エキスをBrixが0.01%となるようにイオン交換水で希釈したものについて、専門パネリスト5名で官能評価を実施した。
【0053】
【表2】

【0054】
表2に示す様に、抽出工程と酵素処理工程を同時に行った本発明品7〜9は、抽出工程と酵素処理工程を別々に行った本発明品5、6と同様にフレッシュ感・フルーティー感が認められた。酵素処理を行っていない比較品13はやや紅茶様の甘い香りであり、フレッシュ感、フルーティー感はなかった。
【実施例3】
【0055】
<本発明品10>
粉砕した凍結生葉700kgとアスコルビン酸4.2kg(原料茶葉に対して0.6重量%)を95℃の抽出水5040kg(抽出倍率7.2倍)に投入し、80〜82℃で40分間抽出後、茶殻を除去して茶抽出液を得た。得られた茶抽出液5000kgに対してスミチームBGA 3.15kg(原料茶葉に対して0.45重量%)を添加し、室温(20〜25℃)で80分間酵素処理を行った。得られた酵素処理液をBrix10.2%までRO膜装置で濃縮した後、80℃30秒の加熱を行い本発明品となる茶エキス761.3kgを得た。
【0056】
<本発明品11>
本発明品10における95℃の抽出温度80〜82℃を81〜83℃に、スミチームBGA 3.15kgをスクラーゼA 3.15kgに変更した以外は本発明品10と同様に処理を行い、本発明品となる茶エキス761.9kgを得た。
【0057】
<比較品14>
粉砕した凍結生葉700kgとアスコルビン酸4.2kg(原料茶葉に対して0.6重量%)を抽出水5040kg(抽出倍率7.2倍)に投入し、80〜81℃で40分間抽出後、茶殻を除去して緑茶抽出液を得た。この緑茶抽出液をBrix10.1%までRO膜装置で濃縮した後、80℃30秒の加熱を行い比較品となる茶エキス706kgを得た。
【0058】
(官能評価3)
実施例10及び11及び比較品14の各茶エキスをBrixが0.01%となるようにイオン交換水で希釈したものについて、専門パネリスト5名で官能評価を実施した。
【0059】
【表3】

【0060】
表3に示す様に、β−グリコシダーゼ活性を有する酵素であれば、特に限定されること無くフルーティー感・フレッシュ感のある茶エキスが得られることが示された。
【実施例4】
【0061】
<比較品15及び16>
本発明品6及び本発明品7それぞれにcis−3−ヘキセノールを1000ppb増となるように添加して比較品15及び比較品16となる茶エキスを得た。
【0062】
(官能評価4)
比較品15及び16の各茶エキスをBrixが0.01%となるようにイオン交換水で希釈したものについて、専門パネリスト5名で官能評価を実施した。
【0063】
【表4】

【0064】
表4に示す様に比較品15及び16はcis−3−ヘキセノールの添加により対照である本発明品6及び7と比較して青味が強くなりフルーティー感が損なわれた。
【0065】
なお、上記製造法により得られた茶エキスの成分分析は以下の方法で行った。
【0066】
<タンニンの分析方法>
日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p252に記載の酒石酸鉄法に従って測定した。
【0067】
<香気成分の分析方法>
水で10〜100倍に希釈したエキス10mL(内部標準物質としてシクロヘキサノールを終濃度で500ppbとなるように添加)を、予め3gの塩化ナトリウムを入れた20mLバイアルに入れ、固相マイクロ抽出法(Solid
Phase Micro Extraction:SPME)を用いたGC/MS分析に供した。
(SPME−GC/MS条件)
装置:TRACE GC 2000、TRACE MS(Thermo)
SPMEファイバー:50/30μm Divinylbenzene/Carboxen/Polydimethylsiloxane StableFlex
抽出:60℃、30分
カラム:DB−WAX(0.25mmI.D.×60m×0.25μm、J&W Scientific)
オーブンプログラム:35℃(2分保持)〜3℃/min〜195℃〜10℃/min〜240℃
キャリアーガス:ヘリウム(100kPa、一定圧力)
インジェクター:スプリットレス、240℃
イオン化:電子イオン化
イオン化電圧:70eV
【0068】
分析結果を表5および表6に示す。
【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【実施例5】
【0071】
荒茶400gを抽出水8000gに投入し、55℃で6分間抽出後、茶殻を除去し、緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液にL−アスコルビン酸11gを加え、pH6.5、タンニン50mg/100mLとなるよう炭酸水素ナトリウムとイオン交換水を加えて調整し緑茶調製液を得た。
本発明品5、比較品4、比較品13のそれぞれを緑茶調製液重量に対して茶エキス固形分として0.02重量%添加したものを調製した。また、本発明品5を0.01重量%添加、0.005重量%添加したものを調製した。茶エキスを添加した各緑茶調製液および茶エキス無添加の緑茶調製液を134℃で30秒加熱殺菌を行って緑茶飲料を調製した。
これらの緑茶飲料について専門パネリスト5名で官能評価を実施した。緑茶調製液は以下の方法で調製した。
【0072】
(官能評価5)
調製した緑茶飲料について、専門パネリスト5名で官能評価を実施した。
【0073】
【表7】

【0074】
表7より、本発明の酵素処理茶エキスは、フレッシュ感を損なうことなく緑茶飲料にフルーティーな香りを与えることが示された。また、本発明の酵素処理茶エキスは、緑茶調製液に対し0.01重量%の添加で十分にフルーティーな香りを与えることが示された。比較品4および比較品13の添加では、緑茶飲料にフルーティー感を賦与できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の製造方法で得られる茶エキスは緑茶飲料のフレッシュ感を損なわずに容器詰緑茶飲料にフルーティー感を与えるため、新たな風味の容器詰緑茶飲料を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶の生葉、蒸製緑茶の製造工程中で得られる蒸葉、粗揉葉、揉捻葉からなる群より選ばれる少なくとも1種を原料茶葉とし、原料茶葉から茶成分を抽出する工程と抽出した茶成分にβ−グリコシダーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を具備する茶エキスの製造方法。
【請求項2】
茶エキスがcis−3−ヘキセニルアセテート(A)、cis−3−ヘキセノール(B)、リナロール(C)、ゲラニオール(D)及びタンニン(E)を含有し、次の(1)、(2)及び(3);
(1)A(ppb)/E(重量%)=1.5以上
(2)B(ppb)/E(重量%)=700〜4000
(3)B(ppb)/[C+D(ppb)]=2〜6
を満たす請求項1記載の茶エキスの製造方法。
【請求項3】
原料茶葉が生葉及び/又は蒸葉である請求項1又は2記載の茶エキスの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法により得られる茶エキス。
【請求項5】
cis−3−ヘキセニルアセテート(A)、cis−3−ヘキセノール(B)、リナロール(C)、ゲラニオール(D)及びタンニン(E)を含有し、次の(1)、(2)及び(3);
(1)A(ppb)/E(重量%)=1.5以上
(2)B(ppb)/E(重量%)=700〜4000
(3)B(ppb)/[C+D(ppb)]=2〜6
を満たす茶エキス。
【請求項6】
Brixが5〜15%である請求項4又は5記載の茶エキス。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の茶エキスを添加することを特徴とする茶飲料のフルーティー感賦与方法。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の茶エキスを添加することを特徴とする茶飲料の製造方法。
【請求項9】
茶エキスの添加割合が茶飲料に対して茶エキス固形分として0.001〜0.05重量%である請求項8記載の茶飲料の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の製造方法により得られる茶飲料。

【公開番号】特開2011−250736(P2011−250736A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126638(P2010−126638)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(303044712)三井農林株式会社 (72)
【Fターム(参考)】