説明

草刈装置

【課題】本発明は、刈り草の丈や生え密度等の刈り草の状態に応じて良好に草刈りを行える刈草装置20を提供することにある。
【解決手段】内部に上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な刈り刃26を備えた刈り刃ハウジング21に、刈取った刈り草を排出する刈り草排出口29を備えるとともに、刈り刃ハウジング21の天板21aに複数の空気取り入れ口21dを備え、天板21aから上方に間隔を隔てて複数の空気取り入れ口21dを覆うカバー58を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈り刃ハウジングの内部に上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な刈り刃を備えている草刈装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、刈り刃ハウジング(モアデッキ10)の内部に上下向き軸芯(カッター駆動軸12p)まわりで駆動回転自在な刈り刃(カッター9)を備え、刈り刃ハウジング10に、空気取り入れ口24と、刈り刃9で刈取った刈り草を排出する刈り草排出口(シュータ31との接続部)とを備えた草刈装置が示されている。又、刈り刃ハウジング10の天板には上下向き軸芯(カッター駆動軸12p)を中心とした円周方向に複数(3箇所)の空気取り入れ口を形成した構成が示されている。
【0003】
特許文献2には、刈り刃ハウジング(デッキカバー2)の内部に上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な刈り刃(ロータリーブレード1)を備え、刈り刃ハウジング2に、空気取入孔2dと、刈り刃1で刈取った刈り草を排出する刈り草排出口2cとを備えた草刈装置が示されている。空気取入孔2dには網材カバー6が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−323549号公報
【特許文献2】特開平9−9757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者の刈草装置の刈り刃ハウジングに形成された空気取り入れ口は、単に3個の大きな開口が開設されているだけであるから、このものでは、不測に異物(例えば小石等)が浸入して刈り刃を破損させる虞があり、又、草の状態に応じた対応ができない。
後者の刈草装置の刈り刃ハウジングに形成された空気取り入れ口には網材のカバーが施されているが、網材では刈り草による目詰まりが生じ易い。
【0006】
本発明は、刈り刃ハウジング内に十分な空気を吸入させることができ、又、草の丈や生え密度等の草の状態に応じて良好に草刈りを行える刈草装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔第1発明の構成〕
第1発明の草刈装置は、刈り刃ハウジングの内部に上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な刈り刃を備え、刈り刃ハウジングに刈り刃で刈取った刈り草を排出する刈り草排出口を備えるとともに、刈り刃ハウジングの天板に複数の空気取り入れ口を備え、天板から上方に間隔を隔てて複数の空気取り入れ口を覆うカバーを設けてある。
【0008】
〔第1発明の作用〕
第1発明によると、刈り刃ハウジングの天板に複数の空気取り入れ口を備え、天板から上方に間隔を隔てて複数の空気取り入れ口を覆うカバーを設けてあるので、空気取り入れ口から異物が浸入することを防止できる。
空気取り入れ口と上方のカバーとの間に横向きの比較的大きな開口が形成され、この開口を刈り草等が詰まることなく通過するのであり、カバーで空気取り入れ口からの空気の吸入を妨げることなく、十分な空気を吸入させることができる。
【0009】
〔第1発明の効果〕
したがって、刈り刃を異物で破損させることもなく、十分な空気を刈り刃ハウジング内に取り入れて刈取った刈り草を良好に放出し、良好な草刈り作業を行うことができる。
【0010】
〔第2発明の構成〕
第2発明は、第1発明の構成において、空気取り入れ口の開度を調節する開度調節具を備えている。
【0011】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によると、草の丈や生え密度等の状態に応じて空気取り入れ口の開度を調節できるので、好適な草刈り作業を行うことができる。
【0012】
〔第3発明の構成〕
第3発明は、第2発明の構成において、複数の空気取り入れ口を、刈り刃ハウジングの天板における上下向き軸芯を中心とした円周方向に形成し、開度調節具には、上下向き軸芯まわりに回転して空気取り入れ口を閉状態から開状態に開度調節を行うための空気取り入れ口と連通する連通孔を形成した開度調節板と、開度調節板を固定する固定金具と、開度調節板を操作する操作部を備えてある。
【0013】
〔第3発明の作用効果〕
第3発明によれば、操作部を操作することにより、開度調節板を前記上下向き軸芯まわりに回転させて、連通孔と空気取り入れ口とが連通する開口の大きさ(開度)を調節でき、簡単に開度を調節することができる。
【0014】
〔第4発明の構成〕
第4発明は、第3発明の構成において、カバーを、そのカバー面を開度調整板から間隔を隔てて連通孔の上方に配設した状態で開度調節板に取り付けてある。
【0015】
〔第4発明の作用効果〕
カバーが開度調節板と一体に動くので、カバーを開度調節板よりも大きなものに形成しなくても、カバーにより連通孔の上を覆うだけで、連通孔と連通する開口された空気取り入れ口の上方をカバーにより覆うことができ、カバーを小型化できるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】乗用型草刈機の全体側面図である。
【図2】エンジンの出力プーリから入力される入力プーリの軸の支持構造を示す側面図である。
【図3】エンジンの出力プーリから入力される入力プーリの軸の支持構造を示す正面図である。
【図4】エンジンのゴムマウントによる支持構造を示す部分正面図である。
【図5】草刈装置を示す平面図である。
【図6】草刈装置の一部縦断側面図である。
【図7】草刈装置の一部横断平面図である。
【図8】草刈装置のダクト上部構成体を示す斜視図である。
【図9】刈草装置のダクト上部構成体の押し下げ状態を示す一部縦断側面図である。
【図10】開度調節具による空気取り入れ口の開状態を示す平面図である。
【図11】開度調節具を示す分解斜視図である。
【図12】図10のX−X矢視図である。
【図13】開度調節具による空気取り入れ口の閉状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、草刈装置20が装備された乗用型草刈機の全体側面図である。この図に示すように、この乗用型草刈機は、左右一対の操向操作自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走するよう構成され、かつ車体後部に設けた運転座席3が装備された運転部を有した乗用型の自走車と、この自走車の車体フレーム4の前後輪間にリンク機構10を介して連結された草刈装置20と、車体フレーム4の後部に支持フレーム31を介して連結された集草容器32を有した刈草回収装置30とを備えている。
【0018】
この乗用型草刈機は、芝や草を刈り込む草刈り作業を行う。
すなわち、自走車は、車体フレーム4の前部に設けたエンジン5の下方に、動力取り出し軸43を設けている。エンジン5の出力は、伝動ベルト42を介して入力軸41に入力され、入力軸41の出力端に伝動された動力取り出し軸43の駆動力は、回転軸46を介して草刈装置20の刈り刃駆動機構22に伝達される。
【0019】
図2、図3に示すように、図外の操作具によって、テンションローラ47を伝動ベルト42に圧接するクラッチ入り状態と伝動ベルト42に対する圧接を緩める(又は離す)クラッチ切り状態とに切り換えるテンションクラッチ48を備えている。
【0020】
エンジン5は、図2〜図4に示されているように、車体フレーム4にゴム7を介してゴムマウントの状態で支持されている。これによって車体フレーム4へのエンジン5の振動の伝播を緩和するようにしてある。
【0021】
前記テンションローラ47を支持するテンションアーム49はエンジン5側の支持部材64に支持されている。エンジン5側の支持部材63にバネ支持部材66を固設し、バネ支持部材66に設けたバネ取付ピース67を固定し、バネ取付ピース67とテンションアーム49とに亘って2つのテンションバネ68,68を張設してある。又、エンジン5の出力プーリ16から伝動ベルト42を介して伝動される入力プーリ17の軸(前記入力軸41)を支承するボス部18もエンジン5側の支持部材65に支持されている。これによって、テンションローラ47、テンションアーム49及びテンションバネ68から成るテンション機構69と、入力プーリ17、出力プーリ16並びにエンジン5は、すべてエンジン5と一体的に動くように支持されているので、振動が生じても、出力プーリ16と入力プーリ17との間の軸間距離は変わらない。従って、エンジン5が伝動ベルト42に引っ張られることがなく、又、エンジン5の振動でベルト42の張力が変動することもなく、所定の出力が伝達される。
【0022】
前記リンク機構10は、車体フレーム4に上下揺動自在に支持された左右一対の前揺動リンク11,11と、車体フレーム4に上下揺動自在に支持された左右一対の後揺動リンク12,12と、左右一対の連動リンク13,13とを備えている。
【0023】
前記左右一対の前揺動リンク11,11の先端部は、草刈装置20の刈り刃ハウジング21の前部に位置する前連結部材23に連結されている。左右一対の後揺動リンク12,12の先端部は、刈り刃ハウジング21の後部に位置する後連結部材24に連結されている。左側の連動リンク13は、左側の前揺動リンク11と後揺動リンク12とを連動させ、右側の連動リンク13は、右側の前揺動リンク11と後揺動リンク12とを連動させている。左右一対の前揺動リンク11,11の一方にリフトシリンダ15が連動されている。
【0024】
つまり、前記リンク機構10は、リフトシリンダ15によって一方の前揺動リンク11が揺動操作されると、左右一対の前揺動リンク11,11が回転支軸14による連動のために一体に揺動することによって車体フレーム4に対して上下に揺動操作され、草刈装置20を刈り刃ハウジング21の前後側に支持された接地ゲージ輪25が地面に接地した下降作業状態と、各接地ゲージ輪25が地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。
【0025】
前記草刈装置20を下降作業状態にして自走車を走行させると、草刈装置20は、刈り刃ハウジング21の内部に刈り刃ハウジング横方向に並んで位置する二枚の刈り刃26を刈り刃駆動機構22によって上下向きの軸芯まわりに回転駆動して各刈り刃26によって草刈りを行い、刈り草を刈り刃26の回転によって発生した風によって刈り刃ハウジング21の上部に位置する刈り草排出ダクト27から車体後方上方向きに排出する。
【0026】
前記刈り草排出ダクト27から排出された刈り草は、刈り刃26からの風による搬送作用と、自走車に左右一対の後車輪2,2の間を車体前後方向に通して設けてある搬送ダクト6による案内作用とによって集草容器32に送り込まれ、この集草容器32によって回収されて貯留される。
【0027】
前記刈草回収装置30は、支持フレーム31と集草容器32とを連結するリンク機構33を昇降シリンダ34によって支持フレーム31に対して上下に揺動操作し、これによって集草容器32を下降集草位置と上昇排出位置とに昇降操作する。
【0028】
次に、草刈装置20について図5〜図13に基づいてさらに詳述する。
図5〜図7に示すように、前記刈り刃ハウジング21は、天板21aとこの天板21aの周縁部に連設された側板21bとによって刈り刃ハウジング21の内部に左右横方向に並べて形成された一対の刈り室28,28と、天板21aに切り欠き孔を設けて形成した刈り草排出口29とを備えている。天板21aには、刈り刃ハウジング21内に空気を取り入れる空気取り入れ口21dを開設している。
【0029】
前記一対の刈り室28,28は、刈り刃ハウジング21の下端側で地面に向かって開口し、かつ刈り刃ハウジング21の横幅方向での中央部に位置する箇所で互いに隣り合って連通し合っている。刈り草排出口29は、一対の刈り室28,28が隣り合った部位の上方に位置して各刈り室28に連通している。
【0030】
前記二つの刈り刃26,26は、各刈り室28に一つずつ位置する配置で備えられている。各刈り刃26は、刈り刃ハウジング21の天板21aを貫通した回転支軸26aに一体回転自在に支持されおり、回転支軸26aが備える上下向き軸芯まわりに刈り刃駆動機構22によって回転駆動される。
【0031】
前記刈り刃駆動機構22は、回転軸46に連動された入力軸22aの駆動力をベベルギヤ22bと平歯車22cとを利用して各回転支軸26aに伝達する。
【0032】
前記刈り草排出ダクト27は、刈り刃ハウジング21に刈り草排出口29の両横側で板金を付設して設けたダクト下部構成体50と刈り刃ハウジング21の前端部に設けた左右一対の支持部21c、21cに枢支ピン51を介して連結部52aが連結されたダクト上部構成体52とを備えて構成してある。左右一対のダクト下部構成体50,50は、両ダクト下部構成体50,50の後端側の下部どうしにわたって連結した後部ガイド板53を備えている。
【0033】
図8は、ダクト上部構成体52の斜視図である。この図に示すように、ダクト上部構成体52は、左右一対の横側板52b、52bと、左右一対の横側板52b、52bの上端部に連なる天板52cとを備えている。
【0034】
つまり、前記刈り草排出ダクト27は、左右一対のダクト下部構成体50,50によって刈り草排出ダクト27の左または右側の横側板の下部を構成し、ダクト上部構成体52によって刈り草排出ダクト27の左右の横側板の上部と天板52cとを構成し、刈り草排出口29からの刈り草をダクト下部構成体50とダクト上部構成体52とによって刈り刃ハウジング21の後方上方向きに流動案内して搬送ダクト6に供給する。
【0035】
前記ダクト上部構成体52は、左右一対の枢支ピン51,51の軸芯で成る左右横向きの昇降軸芯まわりに刈り刃ハウジング21に対して上下揺動する。刈り刃ハウジング21は、ダクト上部構成体52の両横側で天板21aに固着して立設したロッド形のバネホルダー55と、各バネホルダー55に支持させたコイルバネで成る上昇操作バネ56とを備えている。前記各上昇操作バネ56は、バネホルダー55に摺動自在に外嵌するよう構成してダクト上部構成体52の横側板52bに設けたバネ受け体57(図8参照)に作用してダクト上部構成体52を枢支ピン51の軸芯まわりに上昇付勢する。
つまり、刈り草排出ダクト27は、草刈装置20の自走車体に対する昇降による刈り刃ハウジング21と搬送ダクト6との上下間隔の変化にかかわらず、ダクト上部構成体52の上昇操作バネ56による上昇付勢によってダクト上部構成体52の後端側が搬送ダクト6の内面に当接した状態に維持され、刈り草排出口29からの刈り草を刈り草排出ダクト27と搬送ダクト6との間から漏れ出ないようにして搬送ダクト6に供給する。
【0036】
図9に示すように、左側のダクト下部構成体50の外側面には、支点軸61まわりで回動できるフック状のロック金具62を取り付けてあり、ダクト上部構成体52を押し下げて、ロック金具62をバネ受け体57に係止することによって、ダクト上部構成体52の天板52cが下降した姿勢に維持できるようになっている。これによって、ダクト上部構成体52が搬送ダクト6と干渉せずに取り出すことができる。
【0037】
前記ダクト上部構成体52は、左右一対の枢支ピン51,51を支持部21cに対して脱着操作し、左右一対のバネ受け体57をバネホルダー55に対して係脱操作することにより、刈り刃ハウジング21に装着したり、刈り刃ハウジング21から取り外したりできる。
【0038】
草刈装置20を取り外すときは、入力軸22aのスプライン嵌合部をベベルギヤ22bの軸22dから取り外すとともに、前揺動リンク11と刈り草ハウジング21の天板21aから立設している前連結部材23とを連結している連結ピン44、及び後揺動リンク12の下部リンク12aと刈り草ハウジング21の天板21aから立設している後連結部材24とを連結している連結ピン45を取り外し、ダクト上部構成体52の天板52cを押し下げた状態で、ロック金具62をバネ受け体57に係止する。この状態で草刈装置20を引き出すことができる。
【0039】
天板21aに開設した空気取り入れ口21dは、草の丈や密度などの草の生え状態によって空気の吸入量を変えることが望ましい。これに対処するために、図7、図10〜図13に示すように、空気取り入れ口21dの開度を調節する開度調節具35を備えている。開度調節具35は、空気取り入れ口21dと同形の開口(連通孔59)を備えた開度調節板36と、これの開閉方向を定めるための案内孔37と、操作部としての操作摘み38と、螺子からなる固定金具39と、を備えている。
【0040】
固定金具39のうちの一つは、ボルトとダブルナット39aで構成してあり、通常は、ナット39aを開度調節板36から少し浮かした非固定状態に取り付けてある。固定金具39の他のものは、ノブ付きボルト39bで構成してあり、通常は2個のノブ付きボルト39bを緩めて開度調節を行い調節後、ノブ付きボルト39bを工具を用いずに手で締め付けて開度調節板36を固定する。
ノブ付きボルト39bを外してもダブルナット39aを備えているので、開度調節板36は手では取り外せない。ノブ付きボルト39bが一個外れて紛失してもダブルナット39aを利用すれば、開度調節板36を安定した2箇所締めすることができる。
【0041】
空気取り入れ口21dの上方には透明樹脂製のカバー58を備えており、このカバー58に操作摘み38を一体形成してある。カバー58は、空気取り入れ口21dへの空気の流入を妨げないように、開度調節板36の上面とカバー58の下面との間に1cm程の空間を開けた状態で、開度調節板36から立設されている。
刈り刃ハウジング21の天板21aには、複数の空気取り入れ口21dを備え、天板21aから上方に間隔を隔てて複数の空気取り入れ口21dを覆うカバー58が位置することになるので、空気取り入れ口21dから異物が浸入することを防止できるとともに、カバー58で空気取り入れ口21dからの空気の吸入を妨げることなく、十分な空気を吸入させることができる。
【0042】
図10は、刈り刃ハウジング21の天板21aに形成した空気取り入れ口21dと開度調節板36に形成した連通孔59とを一致させた全開状態を示す。この状態から開度を小さくする或いは図13に示すように全閉状態にするには、ノブ付きボルト39bを緩めて操作摘み38を摘んで図13のように開度調節板36を移動させる。そして開度調節板36を長孔37の範囲で所望の位置に操作した所で、ノブ付きボルト39bを手で締め付けて開度調節板36を固定する。
【0043】
このものには、空気取り入れ口21dの開度を調節する開度調節具35を備えているので、草の丈や生え密度等の状態に応じて空気取り入れ口21dの開度を調節でき、好適な草刈り作業を行うことができる。
【0044】
空気取り入れ口21dは、刈り刃ハウジング21の天板21aにおける上下向き軸芯(刈り刃26の回転支軸26a)を中心とした円周方向に形成され、開度調節具35には、上下向き軸芯まわりに回転して空気取り入れ口21dを閉状態から開状態に開度調節を行うための空気取り入れ口21dと連通する連通孔59を形成した開度調節板36と、開度調節板36を固定する固定金具39と、開度調節板36を操作する操作摘み38を備えている。従って、操作摘み38を操作することにより、開度調節板36を上下向き軸芯まわりに回転させて、上下向き軸心を中心とした開度調節板36の回転角度により連通孔59と空気取り入れ口21dとが連通する開口の大きさ(開度)を調節でき、簡単に開度を調節することができるようになっている。
【0045】
前記カバー58は、そのカバー面を開度調整板36から間隔を隔てて連通孔59の上方に配設した状態で開度調節板36に取り付けてある。これにより、カバー58が開度調節板36と一体に動くので、カバー58を開度調節板36よりも大きなものに形成しなくても連通孔59の上を覆うだけで、連通孔59と連通する開口された空気取り入れ口21dの上方を覆うことができ、カバー58を小型化できる。
【0046】
〔別実施形態〕
前記実施形態では刈り刃ハウジング21内に刈り刃26を2個設けた場合を示したが、刈り刃26を1個または3個以上設けたものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ミッドマウント型の乗用型草刈機ばかりではなく、フロントマウント型の乗用型草刈機や歩行型の草刈機にも適用できる。
【符号の説明】
【0048】
21 刈り刃ハウジング
21a 天板
21d 空気取り入れ口
26 刈り刃
29 刈り草排出口
35 開度調節具
36 開度調節板
38 操作部
39 固定金具
58 カバー
59 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈り刃ハウジングの内部に上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な刈り刃を備え、前記刈り刃ハウジングに前記刈り刃で刈取った刈り草を排出する刈り草排出口を備えるとともに、前記刈り刃ハウジングの天板に複数の空気取り入れ口を備え、前記天板から上方に間隔を隔てて前記複数の空気取り入れ口を覆うカバーを設けてある草刈装置。
【請求項2】
前記空気取り入れ口の開度を調節する開度調節具を備えてある請求項1記載の草刈装置。
【請求項3】
前記複数の空気取り入れ口を、前記刈り刃ハウジングの天板における前記上下向き軸芯を中心とした円周方向に形成し、前記開度調節具には、前記上下向き軸芯まわりに回転して前記空気取り入れ口を閉状態から開状態に開度調節を行うための前記空気取り入れ口と連通する連通孔を形成した開度調節板と、前記開度調節板を固定する固定金具と、前記開度調節板を操作する操作部を備えてある請求項2記載の草刈装置。
【請求項4】
前記カバーを、そのカバー面を前記開度調整板から間隔を隔てて前記連通孔の上方に配設した状態で前記開度調節板に取り付けてある請求項3記載の草刈装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−161972(P2010−161972A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6921(P2009−6921)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】