説明

菓子乾燥装置及び菓子乾燥方法、菓子製造装置

【課題】乾燥時間を大幅に短縮することで、大量に菓子を生産し、風味を低下させることがなく、また、味液の塗布を適量に押え、菓子の割れの発生する率を低下させることにより、高級な製品であっても歩留りの高い菓子乾燥装置及び菓子乾燥方法、菓子製造装置を提供することにある。
【解決手段】
加熱手段を電気ヒータ48,49とする一方、これら電気ヒータ48,49で加熱される菓子Fを搬送途中で一時的に温度低下し、乾燥室40に設けられて乾燥室40外の空気を菓子Fへ向けて送風する送風機43,44を設けたことにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子に味液を効率的に塗布した後、効率的に短時間で乾燥させる菓子乾燥装置及び菓子乾燥方法、菓子製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転ドラムと呼ばれている容器に煎餅を投入し、味液と共に回転・攪拌することにより、煎餅の表面に味液を塗布した後、多段式のコンベア炉によって乾燥する方法が知られている。
【0003】
また、煎餅に味液を塗布する場合、味液の容器内に浸透させる方法や、スプレーを使って吹き付ける方法が知られている(特許文献1)。
他にも、煎餅を乾燥させる方法では、熱風を利用し、風味を低下させることなく製造する方法が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−360649号公報
【特許文献2】特開平8−163960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コンベア炉による乾燥では、乾燥に時間がかかってしまうこと(約50分)に加え、それにより煎餅の風味を低下させてしまうといった問題が発生していた。
また、回転ドラムで煎餅の表面に味液を塗布した後、多段式のコンベア炉によって乾燥する方法では、回転ドラム内で味液との攪拌時に煎餅同士の接触や、回転ドラムからコンベアへの落下時、コンベア間での受け渡し時の落下などで煎餅に割れが発生していた。そのため歩留まりが低く、高級な製品に対しては商品化の目処が立たなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消し、乾燥時間を大幅に短縮することで、大量に菓子を生産し、風味を低下させることがなく、また、味液の塗布を適量に押え、菓子の割れの発生する率を低下させることにより、高級な製品であっても歩留りの高い菓子乾燥装置及び菓子乾燥方法、菓子製造装置を提供することにある。
【0007】
なお、本発明における菓子とは、あられ、かき餅、煎餅等に加え、エビ、タコ、イカ等の海産物を煎餅等の形状に加工したものや、これらをすり身にしてから煎餅等の形状に加工したものを含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、前段で味液を塗布された菓子を乾燥室内で下流へ向けて搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される菓子を加熱して乾燥させる加熱手段とを備えた菓子乾燥装置であって、前記加熱手段を電気ヒータとする一方、前記電気ヒータで加熱される菓子を搬送途中で一時的に温度低下させる冷却手段を設けたことにある。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、前記冷却手段を、前記乾燥室に設けられて前記乾燥室外の空気を前記菓子へ向けて送風する送風機としたことにある。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前段で味液を塗布された菓子を乾燥室内で下流へ向けて搬送しながら加熱して乾燥させる菓子乾燥方法であって、前記菓子の加熱に電気ヒータを用いる一方、前記電気ヒータで加熱される菓子を搬送途中で一時的に温度低下させる冷却工程を含む菓子乾燥方法にある。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に加え、前記冷却工程に、前記乾燥室に設けられて前記乾燥室外の空気を前記菓子へ向けて送風する送風機を用いることにある。
【0012】
請求項5に記載の発明は、成形或いは焼成した菓子に味液を塗布する塗布手段と、その塗布手段で味液を塗布された菓子を乾燥させる乾燥手段とを備えた菓子製造装置であって、前記乾燥手段に、請求項1又は2に記載の菓子乾燥装置を用いたことにある。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に加え、前記塗布手段を、味液が供給されて回転する少なくとも一対のスポンジローラ間に菓子を通過させる構成としたことにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冷却手段によって冷却されるときに菓子の水分が蒸発するため、加熱のみで乾燥させる場合に比べ、短時間での乾燥が可能となる。そのため、電気の使用量が少なくなり、二酸化炭素の排出を低減することも可能となる。他にも、風味を低下させることなく、大量に菓子を生産することが可能となる。
【0015】
また、ガスを使用する場合、設備を可動する日の気温や湿度の変化から、装置の微妙な調整を行う必要があり、その時には熟練した技術を要することとなるが、電気ヒータを使用する場合、予め定められた条件の設定値に合わせるだけで誰でも容易に調整を行うことが可能である。従って、熟練した技術は不要である。
これらのことから、歩留まりが高く、味液の塗布と乾燥とを安価にすることが可能となり、コスト削減にも貢献する。
【0016】
特に、請求項6に記載の発明によれば、回転ドラムを使用しないことと、菓子乾燥装置が多段式でないこととにより、味液の塗布を適量に押え、菓子の割れが発生する率を大幅に低減できるため、製品の歩留り率をあげることが可能となる。
他にも、スポンジローラを使用した味液の塗布では、菓子が重ならないようにコンベア上に並べるため、良品の菓子を均一に乾燥させることが可能となる。そのため、コンベア上に並べる時には、予め良品と不良品とを選別することができる。そして、スポンジローラを使用することは、材質がスポンジであるため、コンベア上に菓子を並べるときにスポンジローラに指を巻き込まれた場合であっても、表面が柔軟であることから安全面でも好ましい。加えて、菓子の表面に塗布する味液の量が最小限で済むため、各設備のコンベア上に味液の残留する量が少なくなる。その為、菓子乾燥装置内では、味液などに含まれる塩分に弱いが、赤外線の輻射加熱による大量の熱エネルギーを照射可能とする電気ヒータを使用することが可能となる。そして、電気ヒータを採用することは、電気を使用することとなるため、ガスを使用する場合に比べて火災の発生する可能性が低くなる。他にも、電気を使用することで設備の立ち上がり時間が早く、始業が短時間で済み、二酸化炭素の排出を低減することが可能となる。
また、スポンジローラを使用した味液の塗布では、各設備のコンベア上に味液の残留する量が少なくなることから、コンベア上には味液や菓子の欠片が残りにくくなるため、衛生的でメンテナンスが容易である。他にも、欠片が焼けることで起こる火災の発生する可能性が低い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】菓子製造装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】菓子塗布装置を示す説明図である。
【図3】菓子乾燥装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】菓子乾燥装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示す菓子製造装置1は、成形或いは焼成した菓子Fに味液を塗布する菓子塗布装置2と、その菓子塗布装置2で味液を塗布された菓子Fを乾燥させる菓子乾燥装置3とを備え、味液を供給する味液タンク6と、菓子Fの乾燥後、表面が金網で菓子Fを箱詰め作業場まで搬送する搬送コンベア4と、この搬送コンベア4上を菓子Fが移動しているときに菓子Fを冷却する送風機5とで構成される。そして、味液タンク6には、味液の供給と塗布量を調整するダイヤフラムポンプ7(7a,7b)が備えられている。
【0020】
この内、菓子塗布装置2は、図2に示すように、菓子Fを引き込み味液を塗布する引き込み部10と、菓子Fに味液を塗布した後、排出する排出部25と、菓子塗布装置2の平面側から味液を散布する散布ノズル18と、この散布ノズル18で散布された味液を受けるガイド板19と、菓子塗布装置2の底面側から味液を散布する散布ノズル20と、散布した味液や菓子Fの欠片を受ける味液受け21とで構成される。
そして、この引き込み部10は、搬送部分に金網を使用し、菓子Fを搬送するコンベア11と、ガイド板19から流下した味液が染み込むスポンジローラ15と、菓子Fの表側に味液を塗布するスポンジローラ14と、菓子Fの裏側に味液を塗布するスポンジローラ13と、コンベア11からスポンジローラ13とスポンジローラ14とへ向かって菓子Fを受け渡す時に菓子Fが落下することを防止するローラ12と、散布ノズル20から散布された味液が染み込むスポンジローラ16とスポンジローラ17とで構成される。
【0021】
また、排出部25は、菓子Fを搬送するコンベア26と、ガイド板19から味液を受けるスポンジローラ30と、菓子Fの表側に味液を塗布するスポンジローラ29と、菓子Fの裏側に味液を塗布するスポンジローラ28と、スポンジローラ28とスポンジローラ29とからコンベア26へ向かって菓子Fを受け渡す時に落下を防止するローラ27とで構成される。
【0022】
次に、図3,4に示す菓子乾燥装置3は、菓子Fを乾燥させる乾燥室40と、表面の金網で菓子Fを乾燥室40内に搬送・排出するコンベア42と、このコンベア42から搬送コンベア4へと菓子Fを移動させるシューター45とで構成される。
この内、乾燥室40は、取り外し可能な扉体41(41a,41b)と、乾燥室40内部に外気を搬送コンベア42の上面から導入する送風機43と、菓子Fの搬出側前面下側から乾燥室40内へ外気を導入する送風機44と、コンベア42搬入側に設けられ、乾燥室40内部の加熱された空気が外部に流出することを防止する防風板46と、コンベア42排出側に設けられ、乾燥室40内部の加熱された空気が外部に流出することを防止する防風板47と、乾燥室40内部の空気を外部へ排出する排気管50とで構成される。乾燥室40内には、菓子Fの表側を赤外線による輻射加熱を利用して加熱する電気ヒータ48,48・・と、菓子Fの裏側を赤外線による輻射加熱を利用して加熱する電気ヒータ49,49・・とが設けられている。
【0023】
以上の如く構成された菓子製造装置1による菓子Fの味液の塗布と乾燥とは、以下のように行われる。
【0024】
まず初めに、前段工程で成形或いは焼成された菓子Fを、重ならないようにコンベア11上に並べる(図示せず)。すると、図1に示すように、コンベア11上に並べられた菓子Fが、引き込み部10へと搬送される。そして、最初にローラ12上を移動した後、図2に示すスポンジローラ13とスポンジローラ14との間に引き込まれる。
【0025】
このスポンジローラ13とスポンジローラ14との間に引き込まれる前に、予めスポンジローラ13とスポンジローラ14とには、味液がスポンジ表面に供給される。その内、スポンジローラ14への味液の供給は、以下の通りになされる。まず、味液タンク6に貯蔵された味液を、ダイヤフラムポンプ7aを介して散布ノズル18で散布すると、味液がガイド板19からスポンジローラ15へ流下した後、スポンジローラ15に染み込む。そして、スポンジローラ15の回転により、スポンジローラ15に染み込んだ味液がスポンジローラ14へと表面を伝わり染み込む。
一方、スポンジローラ13への味液の供給は、以下の通りになされる。まず、味液タンク6に貯蔵された味液を、ダイヤフラムポンプ7bを介して散布ノズル20で散布すると、味液がスポンジローラ16とスポンジローラ17とに染み込む。そして、スポンジローラ17の回転により、これらスポンジローラ16とスポンジローラ17とに染み込ませた味液が、スポンジローラ13へと伝わり染み込む。
そして、菓子Fがスポンジローラ13とスポンジローラ14との間に引き込まれた時に、スポンジローラ13とスポンジローラ14とに染み込ませた味液が表面に塗布される。
【0026】
スポンジローラ28,29も同様に、散布ノズル18で散布した味液が、ガイド板19で受けてスポンジローラ30へと流下した後、スポンジローラ29に染み込む。そして、スポンジローラ30の回転により、このスポンジローラ30に染み込ませた味液が、スポンジローラ29へと伝わり染み込む。さらに、スポンジローラ29の回転により、このスポンジローラ29に染み込ませた味液が、スポンジローラ28へと伝わり染み込む。
そして、米菓Fがスポンジローラ28とスポンジローラ29との間に引き込まれた時に、スポンジローラ28とスポンジローラ29とに染み込ませた味液が表面に塗布される。その後、菓子Fがローラ27側へと排出され、このローラ27上を移動した後、コンベア26によって搬送される。これらスポンジローラ13とスポンジローラ14と、スポンジローラ28とスポンジローラ29とによる味液の塗布が、本発明の塗布手段である。
【0027】
次に、図3に示すように、菓子Fは、コンベア26から菓子乾燥装置3のコンベア42へと受け渡された後、乾燥室40内へと搬送される。乾燥室40内では、コンベア42を挟む上側でコンベア42の搬送方向に設置される電気ヒータ48,48・・と、コンベア42を挟む下側でコンベア42の搬送方向に設置される電気ヒータ49,49・・との間を移動することで加熱される(この時の加熱設定温度は約550℃、コンベアの搬送速度は約1.0m/min)。そして、加熱された菓子Fの表面には、乾燥室40の排出側出口付近で上面に設けられた送風機43によって、乾燥室40外部の空気が吹き付けられる
(この時の送風機の風量は最大風量12m/min)。一方、菓子Fの裏面には、搬出側前面下側に並設された2台の送風機44,44によって、乾燥室40外部の空気が吹き付けられる(この時の送風機の風量は最大風量12m/min)。なお、この送風機43には、コンベア42の搬送方向と反対の方向で、乾燥室40の鉛直方向に対し、約30°の傾きで乾燥室40内へと空気の導入方向を変更するルーバーが設けられている(図示せず)。
味液に含まれる水分が加熱のみで菓子Fから蒸発するには、従来は50分程度の時間を必要としていたが、この外気の吹き付けにより、菓子Fの温度が一時的に低下して再び電気ヒータ48,49により加熱されることで、90〜110秒程度で乾燥するため、短時間で菓子Fを急速に乾燥させることが可能となる。この電気ヒータ48,49による加熱と、送風機43,44とが、本発明の冷却手段である。
【0028】
そして、乾燥した菓子Fが、コンベア42によって菓子乾燥装置3から傾斜を設けたシューター45へと搬送された後、この傾斜によってコンベア4へと移動される。次に、菓子Fは、図4に示すように、コンベア4を箱詰め作業位置まで搬送される時に送風機5で空気を菓子Fに当てる。この時も、上述のように菓子Fに含まれる水分がさらに蒸発するため、菓子Fを冷却し、乾燥させることが可能となる。
【0029】
以上のように、本発明の菓子乾燥装置3の構成は、加熱手段を電気ヒータ48,49とする一方、これら電気ヒータ48,49で加熱される菓子Fを搬送途中で一時的に温度低下し、乾燥室40に設けられて乾燥室40外の空気を菓子Fへ向けて送風する送風機43,44を設けたことにある。
その結果、送風機43,44によって送風される外気で冷却されるときに菓子Fの水分が蒸発するため、加熱のみで乾燥させる場合に比べ、短時間での乾燥が可能となる。そのため、電気の使用量が少なくなり、二酸化炭素の排出を低減することも可能となる。他にも、風味を低下させることなく、大量に菓子Fを生産することが可能となる。
【0030】
特にここでは、成形或いは焼成した菓子Fに味液を塗布する味液が供給されて回転する少なくとも一対のスポンジローラ13とスポンジローラ14間と、一対のスポンジローラ28とスポンジローラ29間とに菓子Fを通過させる菓子塗布装置2と、その菓子塗布装置2で味液を塗布された菓子Fを乾燥させる菓子乾燥装置3とを備えた菓子製造装置1を構成している。
その結果、ガスを使用する場合、設備を可動する日の気温や湿度の変化から、装置の微妙な調整を行う必要があり、その時には熟練した技術を要することとなるが、電気を使用する場合、予め定められた条件の設定値に合わせるだけで誰でも容易に調整を行うことが可能である。従って、熟練した技術は不要である。これらのことから、歩留まりが高く、味液の塗布と乾燥とを安価にすることが可能となり、コスト削減にも貢献する。
また、回転ドラムを使用しないことと、菓子乾燥装置3が多段式でないこととにより、味液の塗布を適量に押え、菓子Fの割れが発生する率を大幅に低減できるため、製品の歩留り率をあげることが可能となる。
他にも、スポンジローラを使用した味液の塗布では、菓子Fが重ならないようにコンベア31上に並べるため、良品の菓子Fを均一に乾燥させることが可能となる。そのため、コンベア31上に並べる時には、予め良品と不良品とを選別することができる。そして、スポンジローラを使用することは、材質がスポンジであるため、コンベア11上に菓子Fを並べるときにスポンジローラ13,14に指を巻き込まれた場合であっても、表面が柔軟であることから安全面でも好ましい。加えて、菓子Fの表面に塗布する味液の量が最小限で済むため、各設備のコンベア上に味液の残留する量が少なくなる。その為、菓子乾燥装置3内では、味液などに含まれる塩分に弱いが、赤外線の輻射加熱による大量の熱エネルギーを照射可能とする電気ヒータ48,49を使用することが可能となる。そして、電気ヒータ48,49を採用することは、電気を使用することとなるため、ガスを使用する場合に比べて火災の発生する可能性が低くなる。他にも、電気を使用することで設備の立ち上がり時間が早く、始業が短時間で済み、二酸化炭素の排出を低減することが可能となる。
また、スポンジローラ13,14と、スポンジローラ28,29とを使用した味液の塗布では、各設備のコンベア上に味液の残留する量が少なくなることから、コンベア上には味液や菓子Fの欠片が残りにくくなるため、衛生的でメンテナンスが容易である。他にも、欠片が焼けることで起こる火災の発生する可能性が低い。
【0031】
なお、本発明の菓子製造装置は、上記実施形態の態様に何ら制限されるものではなく、菓子製造装置における構造や構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0032】
例えば、本発明の冷却手段である送風機43と送風機44とは、必ずしも乾燥室40の平面と排出側前面下側とに設ける必要はなく、送風機からの送風で菓子Fが冷却される位置に設けるのであれば適宜変更可能である。
【0033】
また、送風機43と送風機44とを、必ずしも同時に使用する必要もなく、菓子Fが冷却されることにより、短時間で乾燥することが可能であれば一方のみを使用しても良いし、送風機の数を増減させる等、適宜変更可能である。
【0034】
加えて、送風機43に設けられたルーバーは、必ずしも一つの角度に固定する必要はなく、導入方向を変更可能とする可変式ルーバーに変更するなど、送風することで菓子Fを冷却するものであれば適宜変更可能である。
【0035】
他にも、搬送コンベア4は、図4に示すものに限定されず、例えば作業者が、菓子Fをコンベヤ11上に並べる位置まで延長する等しても良く、適宜変更可能である。この場合、作業者は、味液塗布前の菓子Fを並べることと、乾燥後の菓子Fを箱詰めすることとが一つの場所で可能となる。
加えて、この時には送風機5をさらに追加しても良く、菓子F内に含まれる水分を蒸発させて、菓子Fを冷却させるものであれば適宜変更可能である。
【0036】
また、本発明では菓子Fの加熱に赤外線の輻射加熱を利用する電気ヒータを使用しているが、電気を使用して菓子Fを加熱する方法であれば必ずしも電気ヒータを用いる必要はなく、適宜変更可能である。
【0037】
加えて、菓子Fの表面に味液を塗布する方法は、必ずしもスポンジローラを使用する必要はなく、味液の使用量が少なく、各設備のコンベア上に味液と菓子Fの欠片が残りにくくなる方法であれば適宜変更可能である。
【0038】
他にも、菓子Fを搬送するコンベアは、搬送部分に金網を使用しているが、必ずしも金網である必要はなく、表面に味液や菓子Fの欠片が残りにくく、耐熱性を備えるとともに、送風機43,44による菓子Fの冷却を可能とするものであれば適宜変更可能である。
【0039】
また、乾燥室40に設けられた防風板46,47は、必ずしも同時に使用する必要はなく、乾燥室40内の熱風が外気と混合することを防ぐものであれば適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1・・菓子製造装置、2・・菓子塗布装置、3・・菓子乾燥装置、4・・搬送コンベア、5・・送風機、6・・味液タンク、7・・ダイヤフラムポンプ、10・・引き込み部、11・・コンベア、12・・ローラ、13・・スポンジローラ、18・・散布ノズル、19・・ガイド板、20・・散布ノズル、21・・味液受け、25・・排出部、26・・コンベア、27・・ローラ、28・・スポンジローラ、29・・スポンジローラ、40・・乾燥室、41・・扉体、42・・コンベア、43・・送風機、44・・送風機、45・・シューター、46・・防風板、47・・防風板、48・・電気ヒータ、49・・電気ヒータ、50・・排気管、F・・菓子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段で味液を塗布された菓子を乾燥室内で下流へ向けて搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される菓子を加熱して乾燥させる加熱手段とを備えた菓子乾燥装置であって、
前記加熱手段を電気ヒータとする一方、前記電気ヒータで加熱される菓子を搬送途中で一時的に温度低下させる冷却手段を設けたことを特徴とする菓子乾燥装置。
【請求項2】
前記冷却手段を、前記乾燥室に設けられて前記乾燥室外の空気を前記菓子へ向けて送風する送風機としたことを特徴とする請求項1に記載の菓子乾燥装置。
【請求項3】
前段で味液を塗布された菓子を乾燥室内で下流へ向けて搬送しながら加熱して乾燥させる菓子乾燥方法であって、
前記菓子の加熱に電気ヒータを用いる一方、前記電気ヒータで加熱される菓子を搬送途中で一時的に温度低下させる冷却工程を含むことを特徴とする菓子乾燥方法。
【請求項4】
前記冷却工程に、前記乾燥室に設けられて前記乾燥室外の空気を前記菓子へ向けて送風する送風機を用いることを特徴とする請求項3に記載の菓子乾燥方法。
【請求項5】
成形或いは焼成した菓子に味液を塗布する塗布手段と、その塗布手段で味液を塗布された菓子を乾燥させる乾燥手段とを備えた菓子製造装置であって、
前記乾燥手段に請求項1又は2に記載の菓子乾燥装置を用いたことを特徴とする菓子製造装置。
【請求項6】
前記塗布手段を、味液が供給されて回転する少なくとも一対のスポンジローラ間に菓子を通過させる構成としたことを特徴とする請求項5に記載の菓子製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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