説明

菓子類の製造方法並びにその製造装置

【課題】 穀物を原料とするとくに薄物の定型的な形状を有する菓子類を移送する場合に生じる不都合を解決する製造方法並びにその製造装置を提供する。
【解決手段】 上記課題を、穀物を原料とし定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造するに当たり、型抜きした原料生地を焼成する前に第1の乾燥工程と第2の乾燥工程を経るように成すと共に、前記第1の乾燥工程においては、1次乾燥室内において原料生地を移送用コンベヤーベルト上に整列載置させて熱風雰囲気の中で移送する工程による乾燥であり、この第1の乾燥工程の終了に続いて熱さまし状態での寝かせ工程を入れたものと成し、前記第2の乾燥工程においては、2次乾燥室内において回転ドラム内の温風雰囲気の中で前記原料生地を混合させた状態で軸方向へ移送する工程による乾燥を行うことで解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば煎餅に代表されるような穀物を原料とし定型的な形状を有する菓子類の中で、特に薄物の菓子類を製造する際に用いて好適な、製造方法並びにその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、煎餅に代表される米菓を製造するには、粉状にした原料米(粳米や糯米)を蒸気で蒸しつつ混練り(蒸練ともいう)したものを、圧延ローラを用いてさまざまな厚さに圧延させ、型抜きローラを用いてさまざまな形の定型的な形状に型抜きする。次いでこの型抜きした米菓生地を、移送用コンベヤーベルト上に整列載置させて熱風雰囲気の乾燥室内を移送させることによって乾燥させて水分調整をした後、焼成装置内で焼成させる工程を経るが、焼成装置内で焼成させる前に、乾燥装置を用いて乾燥させた米菓生地単体の内部と外部の間の含有水分差や、熱風乾燥室内において移送用コンベヤーベルト上へ整列されて熱風乾燥させることによって生じた米菓生地同士の含有水分のバラつきを水分調整をして、水分の均一化を図るために、ねかせ工程を経ることを通常としている。
【0003】
この寝かせによって、水分の調整を行い各米菓生地の水分の均一化を図ることは、焼成時におけるひび割れやしゃくれを防止する意味で重要な工程とされている。従来はこの寝かせを乾燥室内で熱風乾燥させた米菓生地をコンテナやダンボール箱等に入れて数時間から10数時間〜数10時間放置させることによって行っており、このことにより米菓生地そのものの内外の水分調整、及び米菓生地同士の含有水分の水分調整がなされて水分の均一化を図られていた。
【0004】
米菓生地はその厚みによって、薄物(0.5〜1.5mm厚)、中物(1.5mm厚〜3.0mm厚)、厚物(3.0mm厚以上)というように分類され、これらの米菓生地の平均の寝かせ時間は、次表によって表される。
【0005】
【表1】

【0006】
上記表1の寝かせの最短時間は、これでも一応煎餅を製造できるという時間であり、通常は煎餅の品質保持向上のために最適時間のものが採用されていた。
【0007】
この従来公知の寝かせ工程は、乾燥室内で熱風乾燥させた米菓生地を取り出しコンベヤーで取り出し、上述したように、これをバラバラにしてコンテナやダンボール箱等へ詰め、数時間から10数時間〜数10時間放置するものであったので、そのための手間と寝かせ時間を必要とする以外に、寝かせ工程を終えた米菓生地をコンテナやダンボール箱より取り出して焼成装置の移送用金網コンベヤーベルト上へ並べ替えるという手間と時間も必要とするという問題があった。
【0008】
そこで、この出願人は下記特許文献に示したように、この寝かせ作業に伴って必要とされていた手間と時間を大幅に節約できる、米菓の製造方法並びにその製造装置を提案した。
【特許文献1】2002−34460号
【0009】
この特許文献1に記載された米菓の製造方法は、米菓生地の乾燥工程と焼成工程との間に寝かせ工程を置くに当り、この寝かせを前記乾燥工程を終えた米菓生地を焼成工程へ移送しつつその雰囲気温度と移送速度を調節して行うものであった。
【0010】
また、その製造装置としては、米菓生地の乾燥室内に熱風乾燥室と寝かせ室を設けたものであった。
【0011】
この米菓の製造方法並びに製造装置は、従来の寝かせ工程に要していた上記時間と手間を大幅に節約することができる画期的なものであったが、米菓生地の厚みが0.5mm〜1.5mm程度の薄物の場合には、このようにしても、十分な水分調整ができず、焼成時にひび割れたり、しゃくれたり、或は表面のみが硬くなってしまう皮張り現象が生じることがあった。
【0012】
このような問題点は、米菓に限らず、他の小麦などを原料として用いる薄物の菓子類においてもその製造工程で生ずる問題点であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の目的は、穀物を原料とするとくに薄物の定型的な形状を有する菓子類を移送する場合に生じる上記不都合を解決する製造方法並びにその製造装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するための本発明に係る穀物を原料とする菓子類の製造方法には、穀物を原料とし定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造するに当たり、型抜きした原料生地を焼成する前に第1の乾燥工程と第2の乾燥工程を経るように成すと共に、前記第1の乾燥工程においては、乾燥室内において移送用コンベヤーベルト上に整列されて加温雰囲気の中で移送させられる工程の乾燥であると共に、この第1の乾燥工程の終了に続いて熱さまし状態での寝かせ工程を入れたものと成し、前記第2の乾燥工程においては、前記原料生地を混合状態において軸方向へ移送することによる乾燥を行うことを特徴とする。
【0015】
その際本発明は、前記第1の寝かせ工程においては、熱さまし工程の後に移送用コンベヤーベルトの移動速度を落とすことを特徴とする。
【0016】
本発明はさらに、前記第1の乾燥工程の中の寝かせ工程を終了した時点での原料生地の水分を、12%±0.5となるように水分調整することを特徴とする。
【0017】
本発明はさらに、前記第1の乾燥工程の中で熱さまし工程に入る前の原料生地の水分を13〜14%となるように水分調整することを特徴とする。
【0018】
本発明はさらに、前記第2の乾燥工程において、前記原料生地が加温雰囲気の中複数段の回転ドラム内を軸方向へバラバラの状態で互いに重なり合いつつ順次移送方向を変えて移送されることを特徴とする。
【0019】
本発明はまた、穀物を原料として定型的な形状を有する薄い厚さの菓子類を製造する菓子製造装置において、型抜き装置と焼成装置の間に原料生地の水分調整をする第1の乾燥装置と第2の乾燥装置を有し、前記第1の乾燥装置は乾燥室を仕切壁で上段と下段に分け、上段の側は整列させた原料生地を移送させる移送用コンベヤーベルトを複数段に渡って設けたものと成すと共に、前記下段の側は、前記上段の側の原料生地を受けてこれを熱さましさせるための移送用コンベヤーベルトと、この熱さましされた原料生地を受けて寝かせを行うための移送用コンベヤーベルトで構成したことを特徴とする。
【0020】
本発明はまた、穀物を原料として定型的な形状を有する薄い厚さの菓子類を製造する菓子製造装置おいて、型抜き装置と焼成装置の間に原料生地の水分調整をする第1の乾燥装置と第2の乾燥装置を有し、前記第1の乾燥装置は乾燥室を仕切壁で上段と下段に分け、上段の側は整列させた原料生地を移送させる移送用コンベヤーベルトを複数段に渡って設けたものと成すと共に、前記下段の側は、前記上段の側の原料生地を受けてこれを冷却させるための移送用コンベヤーベルトと、この冷却された原料生地を受けて寝かせを行うための移送用コンベヤーベルトを有し、前記第2の乾燥装置は、第2の乾燥室と、入り口と出口を有し前記第2の乾燥室内に回転可能設けた複数の回転ドラムを設け、これらの回転ドラム内に螺旋階段状に設けた移送帯体と、前記複数の回転ドラムの第1段目のものから最終段目のものへ原料生地を送る移送手段と構成したことを特徴とする。
【0021】
本発明はまた、穀物を原料として定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造する製造装置の第1の乾燥装置の後に設けられる第2の乾燥装置であって、第2の乾燥室と、入り口と出口を有し前記第2の乾燥室内に回転可能に設けた複数の回転ドラムを設け、これらの回転ドラム内に螺旋階段状に設けた移送帯体と、前記複数の回転ドラムの第1段目のものから最終段目のものへ原料生地を送る移送手段と構成したことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明において、前記回転ドラムは、断面円形状を呈し、螺旋状を呈した移送帯体と、この移送帯体の外周に設けた固定棒体と、前記移送帯体の外周を覆って金網状の外周壁とで構成されていることを特徴とする。
【0023】
さらに本発明において、前記回転ドラムは、その両側部の外側に取り付けられた駆動リングと、この駆動リングに回転駆動力を伝達する駆動ローラとの凸凹嵌合により軸方向への移動規制がなされていることを特徴とする。
【0024】
さらに本発明において、前記回転ドラムは、その両側部の外側に取り付けられた駆動リングを両側で支持して回転駆動力を伝達する駆動ローラによって、回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0025】
さらに本発明において、前記回転ドラムは複数段に渡って設けられ、その各々の回転ドラムに駆動モータが設置されていることを特徴とする。
【0026】
そして、本発明において、前記各回転ドラムの両側に設けられた回転ローラは、それぞれ片側が回転シャフトによって同軸に連結されており、駆動モータに接続された一方の側の回転シャフトから他方の回転シャフトには、駆動力伝達手段を介して回転駆動力が伝達され、4個の回転ローラが同一速度で回転するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、とくに原料生地の第2の乾燥工程において、2次乾燥装置を用いて各原料生地が温風雰囲気又は加温雰囲気の下に置かれた回転ドラム内を混合状態で移送されるので、薄物の原料生地であってもその内外の水分調整並びに各原料生地同士の水分調整が均一になされ、ひび割れや、しゃくれ、或は出来上がった製品の皮張り現象を防止し、歩留まりの良い菓子類を製造することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明を、薄物の米菓に適用した場合について説明するが、本発明は米菓以外の、小麦などの穀物を原料とする定型的な形状を有するスナック菓子等の菓子類にも応用できるものである。
【0029】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る菓子類の製造装置をブロック図で示したものであり、図2は製造方法を説明するフローチャートである。このブロック図とフローチャートを用いて薄物の米菓を製造する場合について説明する。まず、原料となる粳米を選別機にかけて選別したものを貯米タンク1へ収容し、次いで、この貯米タンク1内の原料米を洗米機2へ送って洗米工程2aを経た後、水切り装置3を介しての水切り工程3aを経て熟成タンク4へ送る。この熟成タンク4内で原料米に充分水分を吸わせて熟成工程4aを経た後(含水率28%〜34%)で粉砕機5で粉砕する粉砕工程5aを経て粉状にする。次いで、この粉状にした米菓原料を計量機6で計量して計量工程6aを経た後、蒸練機7へ投入して蒸成と混練による蒸練工程7aを経て含有デンプン質をアルファー化させる。その後、この米菓原料の混練物を冷却装置8による冷却工程8aを経て温度を下げた後、混練機9でさらに念入りに混練させる混練工程9aを経て混練物の均一化を図る。次いで、この混練物を圧延ローラ10に供給して所望の厚さに圧延する圧延工程10aを経て帯状にした後、型抜きローラから成る型抜き装置11による型抜き工程11aを経て型抜きする。尚、この際に生ずる抜き屑は、屑取り手段12による屑取り工程12aを経て取り除く。この抜き屑は、混練機9へ戻されて再度型抜きされる原料となる。型抜きされた原料生地aは、型抜きされた状態のまま移送用コンベヤーベルト30上に整列載置され、1次乾燥装置13の中へ送り込まれて第1の乾燥工程13a入る。この1次乾燥装置13内での乾燥工程13aにおいて後述するように複数段に分けた移送用コンベヤーベルト30上に整列載置されて1次乾燥室内を移送している間に、原料生地の水分が13〜14%になるまで乾燥される。この1次乾燥装置13の1次乾燥室の中には、後述するように熱風乾燥室24と、熱さまし部26及び寝かせ部27から成る寝かせ室25が設けられており、この熱さまし部26と寝かせ部27において原料生地はさらに水分を12%±0.5程度に水分調整される寝かせ工程25aを経た後、1次乾燥装置13から取り出し用コンベヤー33により取り出されて移送用コンベヤーベルト37を介して2次乾燥装置14へ移送され、この2次乾燥装置14による第2の乾燥工程14aを経てさらに原料生地の水分が11%±0.5程度に水分調整される。その後、再び原料生地は整列機15で整列させられる整列工程15aを経た後、次の焼成装置16へ移送される。この焼成装置16での焼成工程16aを経て焼成された後、次の味付け機17による味付工程17aを経て味付けされ、次いで包装装置18による包装工程18aを経由して包装されて製品となる。
【0030】
ここまでの原料の投入から製品まで要する時間をだいたい3時間としており、従来のものに較べて大幅に短縮した時間で製品化が図れるものである。
【0031】
図3〜図7はこの発明に係る1次乾燥装置13を概略的に示すもので、図面によれば、この1次乾燥装置13は、とくに図3〜図4に示したように、骨組20の周囲を断熱パネル21で覆った、長さが80m〜200mにもなる長大な箱状の1次乾燥室22を有し、図面では長さを大幅に省略して図示してあるが実施例のものはその長さがほぼ115mである。この1次乾燥装置13はその1次乾燥室22の上下方向の中間部を断熱パネル23で長手方向へ仕切って、上側を熱風乾燥室24とし、下側を寝かせ室25として用いている。寝かせ室25の中には、とくに図6に示したように、断熱パネルによる仕切りを設けない熱さまし部26と寝かせ部27が設けられている。寝かせ部27は長大な1次乾燥室22の全長に渡って設けられる場合もあれば、その一部の場合もあり、図示したものは若干短く構成してある。この寝かせ室25内の移送コンベヤーの長さについては、熱さまし部26の場合にも同じことが言える。
【0032】
さらに、図3〜図4に示したように、熱風乾燥室24は、その内部に多数の加熱用ヒーター28aと多数の熱風撹拌用ファン28bを略全長に渡ってほぼ等間隔に設置して成り、1次乾燥室22の内部容積の半分以上を使用して、移送用コンベヤーベルト30,30…が全長に渡って4段懸架されている。各段の移送用コンベヤーベルト30はそれぞれにその両端部に駆動ローラ31とエンドローラ32を持ち、最上段の移送用コンベヤーベルト30のみは、熱風乾燥室24の一端部に形成された入口24aよりガイドローラ24bを介して外部へ導出され、型抜き装置11の移送用コンベヤーベルトの下側に設置したローラ34に懸架されているが、このものに限定されない。
【0033】
とくに図6に示したように加熱用ヒーター28aは、図示のものは内部にスチームを通すスチーム管であるが、このものに限定されない。他に電熱ヒーター、ガスヒーター等が用いられる。加熱用ヒーター28aは、原料生地を載置した移送用コンベヤーベルト30の下側の部分に設置されているが、これを上側に設置するか、下側と上側に設置するかは、必要に応じて選択できる。その他、1次乾燥室22の天板を構成する断熱パネル21には、適宜間隔で排気孔22aがほぼ等間隔に設けられると共に、側壁を構成する両側の断熱パネル21には、各断熱パネル21、21の対向位置にガラリ29a、29b(引戸付き換気窓)と熱風撹拌用ファン28bが設けられている。これらのガラリ29a、29bと熱風撹拌用ファン28bは、全長115m前後の長さの1次乾燥室22においてそれぞれ40ケ所位設置されている。寝かせ室25の壁部を構成する一方の断熱パネル21には、適宜位置に換気扇43が取り付けられ、この換気扇43の対向面の断熱パネル21には、適宜位置に換気用のガラリ44(引戸付き換気窓)が設けられている。この乾燥室の大きさで、換気扇43は20ヶ所、ガラリ44は20ヶ所程度設けられる。
【0034】
各移送用コンベヤーベルト30の駆動ローラ31(それは左右交互に配置されている。)の外周には、上段の移送用コンベヤーベルト30から次段の移送用コンベヤーベルト30へ原料生地を移送させる公知構成の次段移送手段35が設けられている。勿論、この次段移送手段35は、エンドローラ32の側に設けられる場合もある。上段の移送用コンベヤーベルト30上の原料生地を次段の移送用コンベヤーベルト30へ移送するには、とくに図5に示したように、移送用コンベヤーベルト30が駆動ローラ31に懸架された部分に次段移送手段35の、例えばキャンパス布製の移送用エンドレスコンベヤー36を弱圧接させることによって、移送用コンベヤーベルト30と移送用エンドレスコンベヤー36の間に原料生地を挟んで次段の移送用コンベヤーベルト30へ移送させるように構成してある。そして、1次乾燥室22の寝かせ室25の最下段のエンドローラ32の左端部側の下側には、とくに図3乃至図5に示したように、原料生地を1次乾燥室22より外へ取り出すための取出し用コンベヤー33が設けられている。
【0035】
各移送用コンベヤーベルト30は、とくに図6と図7に示したように、骨組20に取り付けたガイドレール20a上を滑動すべく、離間対向して設けた左右一対のエンドレスチェーン19,19と、このエンドレスチェーン19,19の間を等間隔に配して設けた複数のクロスバー39と、このクロスバー39にステンレス金網或は亜鉛引き金網40を同材質の針金(図示せず)で縛りつけて張り付けたもので、金網40の片寄りを防ぐため、各クロスバー39の適宜位置には、留め金具39aが取り付けられている。尚、この移送用コンベヤーベルト30の構成は、このものに限定されず、後述する移送用金網コンベヤーベルトやキャンパス布を用いた従来公知のものであっても良い。
【0036】
とくに、熱風乾燥室24内を移動する移送用コンベヤーベルト30には、図8乃至図10に示したように、上記実施の態様のもの以外に、チェーンとクロスバーを省略した移送用金網コンベヤーベルト47を用いることができる。この移送用金網コンベヤーベルト47はとくに図10に示したように、ステンレス線材、亜鉛引き線材等を用いた、右巻き螺旋材47aと左巻き螺旋材47bを屈曲線材47cで交互に組み合わせたもので、複数の歯部48a、49a付きの駆動ローラ48と従動ローラ49の間にかけ渡されて循環移動させられるものである。尚、駆動ローラ48と従動ローラ49のとくに歯部48a、49aは焼き入れ処理がなされているものであり、熱せられた移送用金網コンベヤーベルト47によって磨耗してしまうことがない。また、この歯部48a、49aは、移送用金網コンベヤーベルト47の駆動ローラ48と従動ローラ49の軸方向に全周にわたって設けられ、その一部が移送用金網コンベヤーベルト47と係合しているが、その先端は平坦であり当該移送用金網コンベヤーベルト47の表面へは突出していない。とくに図10に示したように、移送用金網コンベヤーベルト47と係合している各歯部48a、49aは、屈曲線材47cと係合し、その上面は右巻き螺旋材47a或は左巻き螺旋材47bが屈曲線材47cの上側にくる部分の下側に位置している。したがって、この移送用金網コンベヤーベルト47の上面に載置されて移送される原料生地が、とくに図5に示したように、次段移送手段35によって上段の移送用コンベヤーベルト30から次段の移送用コンベヤーベルト30へ移送される際にこの歯部48a、49aによって原料生地が傷ついたり、潰されたり、或は変形したりしてしまう心配がない構成となるものである。さらに、図9に示したように、指示記号74と75のものは、移送用金網コンベヤーベルト47の弛み防止部材と案内ローラである。
【0037】
移送用コンベヤーベルトを上述したような移送用金網コンベヤーベルトで構成すると、使用中に発生する移送用金網コンベヤーベルト自体の伸びや弛みを防止でき、先の実施例のもののようにチェーンやクロスバーを用いなくとも循環させることができるので、安価に移送用コンベヤーベルトを製造できる上に、チェーンに塗布させる潤滑剤が原料生地に付着するのを防止できるという利点がある。
【0038】
次に、1次乾燥装置13を用いて原料生地を乾燥させる(水分調整という場合もある)場合について説明する。型抜き装置11による型抜き工程11aを経て型抜きされた薄物(1mm)の例えば粳米を原料とする原料生地は、移送用コンベヤーベルト30に整列された状態で載置移送されて、1次乾燥装置13の1次乾燥室22の熱風乾燥室24内へその入口24aを介して運び込まれて上述したように第1の乾燥工程13aに入る。この第1の乾燥工程13aにおいて、原料生地は、4段に渡って設けられた移送用コンベヤーベルト30上を約48分間(1段12分)移送される間に、加熱用ヒーター28aと熱風撹拌用ファン28bによる約70〜80℃の熱風雰囲気の中で乾燥され、最下段の移送用コンベヤーベルト30の終わりにおいて水分約13%〜14%になるまでに乾燥されて水分調整される。各移送用コンベヤーベルト30の上段の移送用コンベヤーベルト30から下段の移送用コンベヤーベルト30に移送される時には、次段移送手段35によって、整列した状態で移送されることは上述した。移送用コンベヤーベルト30の段数は実施の形態のものは4段であるがこのものに限定されない。また、熱風乾燥室24内の温度は実施の形態のもので上述したように約70〜80℃であるが、この温度についても限定はなく、原料生地の材料、大きさ、厚さ等によって最適な温度が選択される。また、熱風乾燥室24内の温度は、排気孔22aや図示してないサーモスタットなどの温度計測手段を介して換気扇43、ガラリ29aと29bによって適宜調節される。
【0039】
このようにして、最下段の移送用コンベヤーベルト30の終端部に達した原料生地は第1の乾燥工程13aを終了し、次の寝かせ工程25aに移る。この寝かせ工程25aは次段移送手段35を介して、断熱パネル23を介した下側の寝かせ室25の熱さまし部26の移送用コンベヤーベルト45上へ整列された状態で載置移送される。この寝かせ室25内には加熱用ヒーターはなく、換気扇43とガラリ44によって温度調節を行い、熱さましを行なう。この間に要する時間は約12分程度である。この熱さまし工程を終了すると、原料生地は寝かせ部27の最下段の移送用コンベヤーベルト46上へ次段移送手段35を経ることなくバラバラの状態で移送されて約30分から35分かけて寝かせによる水分調整がなされる。この寝かせ工程25aによって原料生地の水分は12±0.5%に調整される。尚、この寝かせ室25内の寝かせ工程25aを行う移送用コンベヤーベルト46の移動速度は、熱風乾燥室24内の移送用コンベヤーベルト30や寝かせ室25内の移送用コンベヤーベルト45の移動速度より遅く、最大で約3分の1程度の移動速度に減速され、ゆっくりと移送されることによって、バラバラの状態で寝かせがなされることになる。移送用コンベヤーベルト46上を移送されることになる原料生地はバラバラ状態で、しかも、移動速度が上段の移送用コンベヤーベルト45より遅いため、互いに重なり合って移送される間に各原料生地同士の含有水分の均一化が図られる。
【0040】
とくに図4と図5に示したように、寝かせ室25内の寝かせ部27用の移送用コンベヤーベルト46の終端部に達した原料生地は、取出し用コンベヤー33を介して1次乾燥装置13より取り出されて図4に示したように、移送用コンベヤーベルト37を介して2次乾燥装置14へと移送されることになる。
【0041】
図11〜図21は、この2次乾燥装置14の構成を概略的に示すもので、図面によれば、指示記号50のものはこの2次乾燥装置14を構成する2次乾燥室を示す。この2次乾燥室50は、機枠50aの周りに例えばガラスウールなどを貼った断熱壁50bを囲設したもので、その大きさは、例えば長さが5m、高さが3.5m、幅が2m程度の大きさのものであり、上部に温度調節用の複数の排気ダンパー50dが設置されている。この2次乾燥室50の中には、4つの各々口径が約90φ程度の第1〜第4回転ドラム51、52、53、54が側面から見てジグザグ状に設置されている。各第1〜第4回転ドラム51〜54の内部構造は、どれも基本的に同じ構造であり、内部には螺旋状を呈した第1〜第4移送帯体70、71、72、73が収装されており、この各第1〜第4移送帯体70、71、72、73の外周を覆って、外周壁51c、52c、53c、54cが囲設されている。
【0042】
外周壁51c、52c、53c、54cは、例えば熱伝導率の高いステンレス鋼製(SUS)である。この外周壁51c、52c、53c、54cには多数のパンチ孔を設けたものであってもよいし、耐熱性の樹脂を用いたものであっても良い。また、ステンレス製の金網であっても良い。尚、各第1〜第4回転ドラム51〜54の外周壁51c、52c、53c、54cをパンチ孔を設けたものや金網で構成した場合には、原料生地から剥離した屑を受け止めるドレン部が各第1〜第4回転ドラム51〜54の下段、或は加熱手段の上側に配置されることが望ましい。
【0043】
次に、最上段の第1回転ドラム51の一側端部に設けられた受入口51aに対向させて投入口50cが2次乾燥室50の一側部側の断熱壁50bに設けられ、ホッパー56が投入口50cを介して受入口51aに臨んで設けられている。このホッパー56に第1の乾燥工程と寝かせ工程を終えた原料生地を移送する移送用コンベヤーベルト57、58が設置されている。また、最下段の第4回転ドラム54の一側部には、送出口54bが設けられ、この送出口54bの下側に位置して、移送用コンベヤーベルト60が設置されている。2次乾燥室50の最下部に位置して、水平方向に例えばエロフィンヒーターから成る加熱手段61が設置されている。尚、指示記号80のものは温風撹拌用ファンである。
【0044】
各第1〜第4回転ドラム51〜54は、2次乾燥室50内に設けられた内部機枠62に設置した左右一対ずつの合計4個の第1〜第4駆動ローラ76、77、78、79と、例えばインバーター制御のギヤードモータから成る駆動モータ90を含む駆動手段91によって回転可能に設置されている。また、各第1〜第4回転ドラム51〜54は、その一側部に受入口51a,52a、53a、54aが設けられ、他側部に送出口51b、52b、53b、54bがそれぞれ交互に設けられている。受入口51aは略切頭円錐形状を呈しているが、他の受入口52a、53a、54a、は、単なる円形状の孔である。また、送出口51b、52b、53bは、第1〜第3回転ドラム51、52、53の外周に切り欠かれた孔であるが、送出口54bは、第4回転ドラム54の端面をカットした形状のものである。
【0045】
上段の第1回転ドラム51の送出口51bからは、第1シュート手段65により、すぐ斜め下段の第2回転ドラム52の受入口52aへ原料生地が送られるように構成され、さらに、この第2回転ドラム52からはその斜め下段の第3回転ドラム53へ第2シュート手段66を介して原料生地が送られ、この第3回転ドラム53からは最下段の第4回転ドラム54へそれぞれ第3シュート手段67を介して原料生地が送られるように構成されている。各第1〜第3シュート手段65、66、67は、各送出口51b、52b、53bに当てがっているホッパー部65a、66a、67a、と、各受入口52a、53a、54aに嵌め込んだ略切頭円錐形状のシュート部65b、66b、67bと、ホッパー部65a、66a、67aとシュート部65b、66b、67bとの間をつなぐ樋部65c、66c、67cとで構成されている。
【0046】
各第1〜第4回転ドラム51〜54を回転させる各駆動手段91は、どれもその構成が同じであるので、1つの回転ドラム、例えば第3回転ドラム53について詳しく説明する。とくに図14と図18に示したように、この第3回転ドラム53は、他の第1、第2、及び第4回転ドラム51、52、54の場合も同じであるが、その両側の外周に取り付けた断面5角形状を呈した従動リング63,64を有し、この従動リング63,64は、内部機枠62に取り付けられたところの、4個の第1〜第4駆動ローラ76,77,78,79によって回転可能に支持される構成になっている。その際、従動リング63,64の外周の山形の凸部63a、64aと第1〜第4駆動ローラ76,77,78,79の外周に設けた凹溝76a,77a,78a,79aとが互いに嵌合状態となる。
【0047】
各第1〜第4駆動ローラ76,77,78,79は内部機枠62に軸受部材92,92を介して回転可能に軸架した第1及び第2回転シャフト68,69に取り付けられており、このうち第1回転シャフト68へは、とくに図14に示したように、駆動モータ90の回転駆動力が駆動プーリー94、駆動ベルト95、及び回転シャフト68に取り付けた従動プーリー96を介して伝達される。
【0048】
もう一方の第2回転シャフト69へは、とくに図14乃至図17に示したように、第1回転シャフト68より駆動力伝達手段105を介して回転駆動力が伝達される。即ち、この回転駆動力は第1回転シャフト68の略中央部に取り付けられた第1中継プーリー97から駆動ベルト98を介して、内部機枠62の下側に取り付けられた軸受部材92a、92aによって軸支された回転シャフト93に取り付けた第2中継プーリー99へ伝達され、さらにこの第2中継プーリー99と同軸に設けられた第3中継プーリー100と駆動ベルト101を介して第2回転シャフト69に取り付けた第4中継プーリー102を介して当該第2回転シャフト69へ伝達されるものである。尚、駆動ベルトは、Vベルトが好ましいが、必要に応じてタイミングベルト、チェーン等を用いることができる。その他の回転ドラム第1〜第2、及び第4回転ドラム51、52、54の各駆動手段91の構成は、上述したように駆動手段91と同じ構成であるので説明を省略する。
【0049】
上述したように、第3回転ドラム53の各従動リング63,64と各駆動ローラ76,77,78,79が凸部63a、64aと凹溝76a,77a,78a,79aによる嵌合状態にあることは、第3回転ドラム53の回転時における軸方向の移動が阻止されて、定位置で安定的に回転させられる要件となっている。このことは他の第1回転ドラム51、第2回転ドラム52、及び第4回転ドラム54についても言うことできる。上記各第1〜第4回転ドラム51〜54の各従動リング63,64の凸部と各駆動ローラの凹部の形状は上記と逆にしても良い。
【0050】
また、各第1〜第4回転ドラム51〜54を第1〜第4の各駆動ローラ76〜79で両側から支持するように構成すると、各第1〜第4回転ドラム51〜54にその軸方向を貫通させる回転軸を設けなくとも、当該第1〜第4回転ドラム51〜54を安定的に回転させることができるものである。
【0051】
尚、図示はしてないが各第1〜第4回転ドラム51〜54に原料生地の送り方向に向けて傾斜をつけることは任意であり、この傾斜角度を調節できる調節手段を設けることも任意である。
【0052】
次に、この2次乾燥装置14を用いての原料生地の第2の乾燥工程について説明する。上述したように、1次乾燥装置13で第1の乾燥工程と寝かせ工程を終了して、含有水分が12%±0.5に水分調整された原料生地は、2次乾燥装置14を用いての第2の乾燥工程14aを経る。まず、原料生地は、移送用コンベヤーベルト57、58を介してホッパー56より、最上段の第1回転ドラム51内へその受入口51aより搬入される。2次乾燥装置14の2次乾燥室50内は、この原料生地を受け入れるまでに、加熱手段61によってこの工程での水分調整に必要な温度(50℃〜70℃)に加温されており、その加温雰囲気の中で各第1〜第4回転ドラム51〜54は毎分1.33回転で回転している。上述したように最上段の第1回転ドラム51内に搬入された原料生地は、バラバラの状態で互いに重なり合いつつ当該第1回転ドラム51内で第1移送帯体70を介して加温されて大体7分程度の時間を要して送出口51bの側へ送られ、この送出口51bから第1シュート手段65を介して次段の第2回転ドラム52の受入口52aを介して当該第2回転ドラム52内へ移送される。この第2回転ドラム52内を加温されつつ第2移送帯体71によって移送され、その送出口52bより第2シュート手段66を介して第3段目の第3回転ドラム53内へ受入口53aを介して送り込まれる。この第3回転ドラム53内を加温されつつ第3移送帯72を介して、その送出口53bの側へ移送され、第3シュート手段67を介して第4段目の第4回転ドラム54内へその受入口54aを介して送り込まれ、この第4回転ドラム54内を第4移送帯体73を介して加温されつつその送出口54bより送り出され、移送用コンベヤーベルト60上へ移送されることになる。この2次乾燥に要する時間は全体で30分程度である。
【0053】
このようにして、2次乾燥装置14の最上段の第1回転ドラム51内へ移送された含有水分12±0.5%の原料生地は、第2の乾燥工程を経て含有水分11±0.5%にまで水分調整され、第4回転ドラム54の送出口54bより送り出されて移送用コンベヤーベルト60を介して、図1に示したように、整列機15に移送され、ここで整列された後、次の焼成装置16へ送り込まれることになる。
【0054】
以上に説明した各製造装置を用いてのとくに第1の乾燥工程と第2の乾燥工程を経て、穀物を原料とする定型的な形状を有する薄物の菓子類は、ひび割れやしゃくれ、及び表面硬さ等のない良質なものを歩止まり良く製造することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上詳細に説明したように本発明は、ひび割れやしゃくれ、及び表面硬さ等を防止でき、穀物を原料とする、とくに薄肉の菓子類を製造する方法並びに製造装置として好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明に係る穀物を原料とする菓子類の製造工程を説明するフローチャートである。
【図3】本発明を実施する1次乾燥装置を概略的に示す正面図である。
【図4】本発明を実施する1次乾燥装置を概略的に示す平面図である。
【図5】本発明を実施する1次乾燥装置内での原料生地の移送用コンベヤーベルトによる移送を説明するための説明図である。
【図6】本発明を実施する1次乾燥装置の内部を概略的に示す側断面図である。
【図7】本発明を実施する際に用いる原料生地の移送用コンベヤーベルトの説明図である。
【図8】本発明を実施する際に用いる原料生地の移送用コンベヤーベルトの他の例を示す説明図である。
【図9】図7に示した移送用コンベヤーベルトの駆動方法を説明する図である。
【図10】図7に示した移送用コンベヤーベルトとローラの歯部との係合関係を説明する部分的拡大図である。
【図11】本発明を実施する2次乾燥装置を概略的に示す正面図である。
【図12】本発明を実施する2次乾燥装置を概略的に示す左側面図である。
【図13】本発明を実施する2次乾燥装置を概略的に示す右側面図である。
【図14】本発明を実施する2次乾燥装置の回転ドラムの駆動手段を説明する正面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【図16】図14のB−B線断面図である。
【図17】図14のC−C線断面図である。
【図18】本発明を実施する2次乾燥装置の回転ドラムの駆動手段を説明する背面図である。
【図19】本発明を実施する2次乾燥装置のシュート手段を説明する正面図である。
【図20】本発明を実施する2次乾燥装置のシュート手段を説明する平面図である。
【図21】本発明を実施する2次乾燥装置のシュート手段を説明する側面図である。
【符号の説明】
【0057】
13 1次乾燥装置
13a 第1の乾燥工程
14 2次乾燥装置
14a 第2の乾燥工程
22 1次乾燥室
22a 排気孔
25 寝かせ室
26 熱さまし部
27 寝かせ部
30 移送用コンベヤーベルト
36 移送用エンドレスコンベヤー
45 移送用コンベヤーベルト
46 移送用コンベヤーベルト
47 移送用金網コンベヤーベルト
50 2次乾燥室
51、52、53、54 回転ドラム
51a、52a、53a、54a 受入口
51b、52b、53b、54b 送出口
51c、52c、53c、54c 外周壁
60 移送用コンベヤーベルト
63、64 従動リング
63a、64a 凸部
65〜67 第1〜第3シュート手段
68 第1回転シャフト
69 第2回転シャフト
70〜73 第1移送帯体〜第4移送帯体
76〜79 第1〜第4駆動ローラ
76a〜79a 凹溝
90 駆動モータ
91 駆動手段
105 駆動力伝達手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を原料とし定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造するに当たり、型抜きした原料生地を焼成する前に第1の乾燥工程と第2の乾燥工程を経るように成すと共に、前記第1の乾燥工程においては、1次乾燥室内において原料生地を移送用コンベヤーベルト上に整列載置させて熱風雰囲気の中で移送する工程による乾燥であり、この第1の乾燥工程の終了に続いて熱さまし状態での寝かせ工程を入れたものと成し、前記第2の乾燥工程においては、2次乾燥室内において回転ドラム内の温風雰囲気の中で前記原料生地を混合させた状態で軸方向へ移送する工程による乾燥を行うことを特徴とする、穀物を原料とする菓子類の製造方法。
【請求項2】
前記第1の寝かせ工程においては、熱さまし工程の後に移送用コンベヤーベルトの移動速度を落とすことを特徴とする、請求項1に記載の穀物を原料とする菓子類の製造方法。
【請求項3】
前記第1の乾燥工程の中での寝かせ工程を終了した時点での原料生地の水分が12%±0.5となるように水分調整されることを特徴とする、請求項2に記載の穀物を原料とする菓子類の製造方法。
【請求項4】
前記第1の乾燥工程の中で熱さまし工程に入る前の原料生地の水分が13〜14%となるように水分調整されるものであることを特徴とする、請求項2に記載の穀物を原料とする菓子類の製造方法。
【請求項5】
前記第2の乾燥工程においては、前記原料生地が温風雰囲気又は加温雰囲気の中で複数段の回転ドラム内を軸方向へバラバラの状態で互いに重なり合いつつ順次移送方向を変えて移送されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の穀物を原料とする菓子類の製造方法。
【請求項6】
穀物を原料として定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造する菓子類製造装置であって、型抜き装置と焼成装置の間に原料生地の水分調整をする1次乾燥装置と2次乾燥装置を設け、前記1次乾燥装置は1次乾燥室を仕切壁で上段の熱風乾燥室と下段の寝かせ室に分け、上段の側は整列させた原料生地を移送させる移送用コンベヤーベルトを複数段に渡って設けたものと成すと共に、前記下段の側は前記上段の側の原料生地を受けてこれを熱さましさせるための移送用コンベヤーベルトと、この熱さましされた原料生地を受けて寝かせを行うための移送用コンベヤーベルトで構成したことを特徴とする、穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項7】
穀物を原料として定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造する菓子類の製造装置であって、型抜き装置と焼成装置の間に原料生地の水分調整をする1次乾燥装置と2次乾燥装置を設け、前記1次乾燥装置は1次乾燥室を仕切壁で上段と下段に分け、上段の側は整列載置させた原料生地を熱風雰囲気の中で移送させる移送用コンベヤーベルトを複数段に渡って設けたものと成すと共に、前記下段の側は前記上段の側の原料生地を受けてこれを熱さましさせるための移送用コンベヤーベルトと、この熱さましされた原料生地の寝かせを行うための移送用コンベヤーベルトを設け、前記2次乾燥装置は、1次乾燥装置の1次乾燥室よりも低温の温風雰囲気の2次乾燥室と、入り口と出口を有し前記2次乾燥室内に回転可能設けた複数の回転ドラムを有し、これらの回転ドラム内に螺旋階段状に設けた移送帯体と、前記複数の回転ドラムの第1段目のものから最終段目のものへ原料生地を送るシュート手段とを設けたことを特徴とする、穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項8】
穀物を原料として定型的な形状を有する薄物の菓子類を製造する菓子類の製造装置であって、1次乾燥装置の後に設けられる2次乾燥室と、入り口と出口を有し前記2次乾燥室内に回転可能に設けた複数の回転ドラムと、これらの回転ドラム内に螺旋階段状に設けた移送帯体と、前記複数の回転ドラムの第1段目のものから最終段目のものへ原料生地を送るシュート手段と構成した2次乾燥装置を備えたことを特徴とする、穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項9】
前記回転ドラムは、全体として断面円形状を呈し、螺旋階段状を呈した移送帯体と、この移送帯体の外周軸方向に取り付けた固定棒体と、前記移送帯体の外周を覆った金網状の外周壁と、この外周壁に取り付けられた従動リングとで構成されていることを特徴とする、請求項7〜請求項8のいずれか1項に記載の穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項10】
前記回転ドラムは、その両側部の外側に取り付けられた従動リングと、この駆動リングに回転駆動力を伝達する駆動ローラとの凸凹嵌合により軸方向への移動規制がなされていることを特徴とする、請求項7〜請求項8のいずれか1項に記載の穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項11】
前記回転ドラムは、少なくともその両側部の外側に取り付けられた従動リングをそれぞれ両側で支持して回転駆動力を伝達する4個の駆動ローラによって、回転可能に支持されていることを特徴とする、請求項7〜請求項8のいずれか1項に記載の穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項12】
前記回転ドラムは複数段に渡って設けられ、その各々の回転ドラムに駆動モータが設置されていることを特徴とする、請求項7〜請求項8のいずれか1項に記載の穀物を原料とする菓子類の製造装置。
【請求項13】
前記各回転ドラムの両側に設けられた各一対の駆動ローラは、それぞれ片側ずつ回転シャフトによって同軸に連結されており、駆動モータに接続された一方の側の第1回転シャフトから他方の第2回転シャフトには、駆動力伝達手段を介して回転駆動力が伝達されることにより、4個の駆動ローラが同一速度で回転するように構成したことを特徴とする、請求項11に記載の穀物を原料とする菓子類の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2009−291177(P2009−291177A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151130(P2008−151130)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(591095708)株式会社新井機械製作所 (15)
【Fターム(参考)】