落橋防止システム用緩衝ゴム
【課題】橋梁用落橋防止システムに用いる緩衝ゴムにおいて、狭い取り付けスペースでも緩衝ゴムを設置できるようにした緩衝ゴムを提供する。
【解決手段】ボルト７が埋め込まれて接着固定された緩衝ゴム４に、吊り下げるための取り付け鋼板８を取り付けてナット９で締め込み一体化する。橋脚上に設置されたコンクリート壁３への緩衝ゴム４の設置は、取り付け鋼板８をコンクリート壁３にアンカーボルト１０などで固定することで行う。その際、取り付け鋼板８の折り曲げ位置１２を変えることで、設置位置を自由に調整でき、所定の位置に緩衝ゴム４を設置することができる。
【解決手段】ボルト７が埋め込まれて接着固定された緩衝ゴム４に、吊り下げるための取り付け鋼板８を取り付けてナット９で締め込み一体化する。橋脚上に設置されたコンクリート壁３への緩衝ゴム４の設置は、取り付け鋼板８をコンクリート壁３にアンカーボルト１０などで固定することで行う。その際、取り付け鋼板８の折り曲げ位置１２を変えることで、設置位置を自由に調整でき、所定の位置に緩衝ゴム４を設置することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、橋梁用落橋防止システムに用いる緩衝ゴムの取付構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の落橋防止システムに用いる緩衝ゴムは、鋼製ブラケットやコンクリート壁にボルトや接着剤で固定設置するものがある（例えば、非特許文献１を参照。）。
【０００３】
図１により落橋防止システムに用いる緩衝ゴムの機能について説明する。図１において、橋脚２上に設置されたコンクリート壁３に緩衝ゴム４が設置されている。地震等により主桁５に移動が発生した場合、横桁１がコンクリート壁３に衝突・抵抗して橋梁の主桁５が橋脚２上から逸脱して落橋することを防止するための構造を落橋防止システムと呼んでいる。この衝突の際、構造物の衝撃による損壊を緩和することを目的として、コンクリート壁３に緩衝ゴム４を設置している。
【０００４】
図２において、従来の緩衝ゴム４の一般的な取り付け方法の詳細を示している。コンクリート壁３に緩衝ゴム４を取り付けるために、緩衝ゴム４に段穴加工６を施し、ボルト５が緩衝ゴム４から突出しないようにしている。また、緩衝ゴム４に接着剤を塗布して直接コンクリート壁３に接着して取り付ける場合もある。
【非特許文献１】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上に述べたような取り付け方法では、コンクリート壁３又は鋼製ブラケットなどと橋梁の横桁１が近接している場合、取り付けに必要な隙間がなく緩衝ゴム４を容易に設置することが出来ず破損時の取替えも出来ない。
【０００６】
また、緩衝ゴム４の背面に接着剤を塗布し、コンクリート壁３に貼り付ける取り付け方法では、外部環境や作業員の接着技術・接着面の劣化などで接着力が大きく左右され低下、また、接着強度も測定できないため接着不良から緩衝ゴム４が剥がれ落ちる問題が発生している。
【０００７】
本発明は、このような従来の取り付け方法が有している問題を解決しようとするためのものであり、狭いスペースでも緩衝ゴムを設置できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そして、本発明は前記目的を達成するために、緩衝ゴム４をコンクリート壁３と主桁５の隙間に上面側から緩衝ゴム４を挿入して吊り下げ設置するように緩衝ゴム４に埋め込み金具を設けている。
【発明の８効果】
【０００９】
前述したように、本発明の緩衝ゴム４は、取り付けスペースが少ない場所でも、コンクリート壁３上部側から、緩衝ゴム４に取り付け金具８を連結して吊り下げ、設置することができる。
【００１０】
また、緩衝ゴム４を取り付けるコンクリート壁３や橋梁上部工の施工が完了したあとでも容易に施工を行うことができるため、従来のようにあらかじめ特定の位置に設置しておく必要はなく、施工後構造物の出来型誤差を確認して形状や取り付け位置が決定できる。
【００１１】
緩衝ゴムの設置面には穴加工を設けないため、衝撃を受ける面の断面欠損がなく、緩衝ゴムの性能を正しく発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、図３、図４に基づいて説明をする。
【００１３】
緩衝ゴム４上面にドリルなどで穴を削孔後、ボルト７を樹脂系接着剤により埋め込み固定して緩衝ゴム４と一体化させる。ボルト７が埋め込み接着固定された緩衝ゴム４に吊り下げるための取り付け鋼板８を取り付け、ナット９で締め込み一体化する。
【００１４】
図４のように取り付け鋼板８の折り曲げ位置１２を変えることで、設置位置を自由に調整することができ、コンクリート壁３にアンカーボルト１０などで固定して、計画する位置に緩衝ゴム４を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】緩衝ゴム４の設置形態を示す橋梁側面図
【図２】従来の緩衝ゴム４取り付け方法の断面図
【図３】本発明の緩衝ゴムの平面図
【図４】本発明の緩衝ゴム４取り付け方法の断面図
【技術分野】
【０００１】
本発明は、橋梁用落橋防止システムに用いる緩衝ゴムの取付構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の落橋防止システムに用いる緩衝ゴムは、鋼製ブラケットやコンクリート壁にボルトや接着剤で固定設置するものがある（例えば、非特許文献１を参照。）。
【０００３】
図１により落橋防止システムに用いる緩衝ゴムの機能について説明する。図１において、橋脚２上に設置されたコンクリート壁３に緩衝ゴム４が設置されている。地震等により主桁５に移動が発生した場合、横桁１がコンクリート壁３に衝突・抵抗して橋梁の主桁５が橋脚２上から逸脱して落橋することを防止するための構造を落橋防止システムと呼んでいる。この衝突の際、構造物の衝撃による損壊を緩和することを目的として、コンクリート壁３に緩衝ゴム４を設置している。
【０００４】
図２において、従来の緩衝ゴム４の一般的な取り付け方法の詳細を示している。コンクリート壁３に緩衝ゴム４を取り付けるために、緩衝ゴム４に段穴加工６を施し、ボルト５が緩衝ゴム４から突出しないようにしている。また、緩衝ゴム４に接着剤を塗布して直接コンクリート壁３に接着して取り付ける場合もある。
【非特許文献１】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上に述べたような取り付け方法では、コンクリート壁３又は鋼製ブラケットなどと橋梁の横桁１が近接している場合、取り付けに必要な隙間がなく緩衝ゴム４を容易に設置することが出来ず破損時の取替えも出来ない。
【０００６】
また、緩衝ゴム４の背面に接着剤を塗布し、コンクリート壁３に貼り付ける取り付け方法では、外部環境や作業員の接着技術・接着面の劣化などで接着力が大きく左右され低下、また、接着強度も測定できないため接着不良から緩衝ゴム４が剥がれ落ちる問題が発生している。
【０００７】
本発明は、このような従来の取り付け方法が有している問題を解決しようとするためのものであり、狭いスペースでも緩衝ゴムを設置できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そして、本発明は前記目的を達成するために、緩衝ゴム４をコンクリート壁３と主桁５の隙間に上面側から緩衝ゴム４を挿入して吊り下げ設置するように緩衝ゴム４に埋め込み金具を設けている。
【発明の８効果】
【０００９】
前述したように、本発明の緩衝ゴム４は、取り付けスペースが少ない場所でも、コンクリート壁３上部側から、緩衝ゴム４に取り付け金具８を連結して吊り下げ、設置することができる。
【００１０】
また、緩衝ゴム４を取り付けるコンクリート壁３や橋梁上部工の施工が完了したあとでも容易に施工を行うことができるため、従来のようにあらかじめ特定の位置に設置しておく必要はなく、施工後構造物の出来型誤差を確認して形状や取り付け位置が決定できる。
【００１１】
緩衝ゴムの設置面には穴加工を設けないため、衝撃を受ける面の断面欠損がなく、緩衝ゴムの性能を正しく発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、図３、図４に基づいて説明をする。
【００１３】
緩衝ゴム４上面にドリルなどで穴を削孔後、ボルト７を樹脂系接着剤により埋め込み固定して緩衝ゴム４と一体化させる。ボルト７が埋め込み接着固定された緩衝ゴム４に吊り下げるための取り付け鋼板８を取り付け、ナット９で締め込み一体化する。
【００１４】
図４のように取り付け鋼板８の折り曲げ位置１２を変えることで、設置位置を自由に調整することができ、コンクリート壁３にアンカーボルト１０などで固定して、計画する位置に緩衝ゴム４を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】緩衝ゴム４の設置形態を示す橋梁側面図
【図２】従来の緩衝ゴム４取り付け方法の断面図
【図３】本発明の緩衝ゴムの平面図
【図４】本発明の緩衝ゴム４取り付け方法の断面図
【特許請求の範囲】
【請求項１】
緩衝ゴムを吊り下げられるように緩衝ゴムに埋め込み金具を設けている事を特徴とする緩衝ゴム。
【請求項２】
緩衝ゴムの上面にボルトを埋め込み緩衝ゴムと一体化させる。ボルトは緩衝ゴムを作成した後にドリルなどで穴を開け、樹脂系接着剤により固定する。ボルトを埋め込み接着した緩衝ゴムに、吊り下げるための取り付け鋼板をナットで締め込み一体化した事を特徴とする緩衝ゴム。
【請求項１】
緩衝ゴムを吊り下げられるように緩衝ゴムに埋め込み金具を設けている事を特徴とする緩衝ゴム。
【請求項２】
緩衝ゴムの上面にボルトを埋め込み緩衝ゴムと一体化させる。ボルトは緩衝ゴムを作成した後にドリルなどで穴を開け、樹脂系接着剤により固定する。ボルトを埋め込み接着した緩衝ゴムに、吊り下げるための取り付け鋼板をナットで締め込み一体化した事を特徴とする緩衝ゴム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−２５１４１１（Ｐ２０１２−２５１４１１Ａ）
【公開日】平成２４年１２月２０日（２０１２．１２．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３７８１４（Ｐ２０１１−１３７８１４）
【出願日】平成２３年６月６日（２０１１．６．６）
【出願人】（５９８１４９６８８）山陽化学株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月２０日（２０１２．１２．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月６日（２０１１．６．６）
【出願人】（５９８１４９６８８）山陽化学株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
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