説明

落花生の漬物及びその製造方法

【課題】 殻付落花生には「炒り落花生」と「ゆで落花生」の2種類しかない。「落花生の漬物」は、市販されていないので、それを提供する。
【解決手段】 落花生を茹でて、漬物漬け剤(例、米ぬか)に漬け込んだ落花生の漬物と、その漬物を脱残滓、殺菌、漂白、半乾燥した落花生漬物の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落花生の漬物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の落花生食品においては、殻付の場合、落花生を加熱した「炒り落花生」と、茹でた「ゆで落花生」の2種類しかない。又、落花生の漬物は市販されていない。
一般に漬物は、漬け汁に漬けられたまま濡れた状態で包装されて市販されている。殺菌は加熱殺菌が行われている。(落花生の場合)
【非特許文献1】 島村忠勝著 「奇跡のカテキン」 PHP研究所 2000年4月4日発行 P26〜139
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のものは、各種の欠点があった。
イ ゆで落花生は、塩のみの単調な味付けなので落花生のエグミ又は生臭味がある為、美味しくない。
ロ 茹で上がった殻は、水分を含んでいて、細菌やカビが発生し易く、常温では数日しかもたない。味付けの塩分だけでは、殻内への雑菌の侵入を防ぐことは出来ない。水分が雑菌やカビの侵入と繁殖をうながす。
ハ 漬物は、漬け汁にひたしているので取り出す時に、汁がこぼれたり、洗ったりして手を汚す。
以上の欠点を解決する為に本発明をした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、落花生を茹でて、漬物漬け剤(例、米ぬか)に漬け込んだ落花生漬物とその漬物を脱残滓、殺菌、漂白、乾燥した落花生漬物の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
発明の効果としては、▲1▼落花生特有の味と風味が発酵成分と融合して味覚の広がりと、優れた香気が生まれた。▲2▼漬物により常温保存期間が飛躍的に高まった。▲3▼落花生の異常なエグミや生臭感がなくなった。▲4▼成分中のたんぱく質の発酵によりグルタミン酸のうまみ成分に変わり、栄養分と吸収性が増大した。▲5▼殺菌、漂白、乾燥により衛生的である。以上の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に本発明の実施形態を説明する。
第1工程(原料の水浸漬)
原料の殻付落花生を12〜15時間米ぬか入りの水に漬けて、灰抜きをする。
第2工程(茹で工程)
殻付落花生を、塩分3〜5%の米ぬか(漬け剤)と少量の砂糖で作った煮汁で、圧力釜で柔らかくなるまで茹で上げる。
第3工程(発酵工程)
塩分10%程度の冷まし湯で作った米ぬか床(漬け剤)に漬け込み、充分に発酵させる。
第4工程(脱残滓工程)
豆が充分に発酵した後、水洗いだけでは落ちない殻の多孔質中についた米ぬかの残滓を浸透圧の差により脱離する。
第5工程(殺菌、漂白、鮮度保持)
ビタミンCを加えたカテキン溶液に殻付落花生を一定時間浸漬すると多量のアクが出る。
その後、溶液中でこれを振るい落とすことで、この工程と同時に前工程も行なうことができる。
尚、カテキンは落花生表面のコレラ菌、黄色ブドウ球菌その他の雑菌やカビを殺菌や抗菌をし、その還元力で、乾燥に伴って漂白も行う。
ビタミンCとカテキンは、多孔質中の塩分や漬け剤残滓と入れ替わり、殻の繊維にしみこんで乾燥することで、清潔な乾いた表面(殻や薄皮)で、内部への雑菌の侵入を防ぐ。
第6工程(低温乾燥、熟成)
エアーでカテキン溶液を水切りし、冷蔵庫で低温乾燥して殻房内の水分を除去する。
殻房内の水分が除去されると殻が乾いて白くなってくる。低水分中の豆は発酵が緩やかに熟成が進む。
【0007】
尚、殻付落花生の漬物の完成状態は、残滓のない殻が白く乾いて、殼内では柔らかい豆が、低水分環境で緩やかに発酵熟成が続いている状態である。
半乾燥の薄皮落花生の漬物の完成状態は、濡れていない薄皮が柔らかく発酵している豆を包んでいる状態の落花生の漬物である。
【実施例】
【0008】
他の実施例として、ぬか漬、かす漬、もろみ漬、白みそ漬、塩漬、乳酸ヨーグルト漬、ワイン漬、酢漬などがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
落花生を茹でて、漬物漬け剤に漬込んだ落花生の漬物。
【請求項2】
茹でた落花生の漬物を脱残滓、殺菌、漂白、乾燥したことを特徴とする漬物の製造方法。

【公開番号】特開2009−22255(P2009−22255A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211135(P2007−211135)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(507273437)
【Fターム(参考)】